JP3339100B2 - ゴム製外被付きブッシュ及びその製造方法 - Google Patents
ゴム製外被付きブッシュ及びその製造方法Info
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- JP3339100B2 JP3339100B2 JP8804493A JP8804493A JP3339100B2 JP 3339100 B2 JP3339100 B2 JP 3339100B2 JP 8804493 A JP8804493 A JP 8804493A JP 8804493 A JP8804493 A JP 8804493A JP 3339100 B2 JP3339100 B2 JP 3339100B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、好ましい振動減衰性を
有しかつ熱変化などに対してもがたの発生なくしっかり
と相対回転軸を支持し得るゴム製外被付きブッシュ及び
そのようなゴム製外被付きブッシュを製造する方法に関
する。
有しかつ熱変化などに対してもがたの発生なくしっかり
と相対回転軸を支持し得るゴム製外被付きブッシュ及び
そのようなゴム製外被付きブッシュを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転軸を支持する軸受としては、
例えば実公昭56−16403号公報及び特公昭48−
2723号に開示のもの(以下、それぞれ先行技術1及
び先行技術2という)がある。先行技術1の軸受構造
は、スペーサ筒に嵌合されたナイロン製軸受部とこのナ
イロン製軸受部を嵌入したゴム製軸受部とからなり、ス
ペーサ筒に対してナイロン製軸受部が摺動し、外部から
の振動がゴム製軸受部により吸収されるようになってい
る。先行技術2の弾性軸受は、筒状に巻き付けられた薄
肉弗素樹脂板の外周にゴムを加硫形成し、弗素樹脂を軸
受材としたものである。
例えば実公昭56−16403号公報及び特公昭48−
2723号に開示のもの(以下、それぞれ先行技術1及
び先行技術2という)がある。先行技術1の軸受構造
は、スペーサ筒に嵌合されたナイロン製軸受部とこのナ
イロン製軸受部を嵌入したゴム製軸受部とからなり、ス
ペーサ筒に対してナイロン製軸受部が摺動し、外部から
の振動がゴム製軸受部により吸収されるようになってい
る。先行技術2の弾性軸受は、筒状に巻き付けられた薄
肉弗素樹脂板の外周にゴムを加硫形成し、弗素樹脂を軸
受材としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、先行技術1
の軸受構造では、スペーサ筒に対してナイロン製軸受
部、換言すれば、ナイロン製の面が摺動するものである
ため、摩擦抵抗が比較的大きく、また長期の使用によっ
て摺動面でのナイロンの疲労による剥離等が生じ、耐久
性にそれほど優れたものでなく、加えて、ゴム製軸受部
にナイロン製軸受部を嵌入したものであるため、ゴム製
軸受部に対してナイロン製軸受部が相対回転される虞を
有し、かつまたゴム製軸受部とナイロン製軸受部との間
への水等の侵入の可能性もある。一方、先行技術2の弾
性軸受では、弗素樹脂を軸受材としたものであるが、こ
れにおいても、長期の使用によって摺動面での弗素樹脂
の疲労による剥離等が生じ、耐久性にそれほど優れたも
のでない。
の軸受構造では、スペーサ筒に対してナイロン製軸受
部、換言すれば、ナイロン製の面が摺動するものである
ため、摩擦抵抗が比較的大きく、また長期の使用によっ
て摺動面でのナイロンの疲労による剥離等が生じ、耐久
性にそれほど優れたものでなく、加えて、ゴム製軸受部
にナイロン製軸受部を嵌入したものであるため、ゴム製
軸受部に対してナイロン製軸受部が相対回転される虞を
有し、かつまたゴム製軸受部とナイロン製軸受部との間
への水等の侵入の可能性もある。一方、先行技術2の弾
性軸受では、弗素樹脂を軸受材としたものであるが、こ
れにおいても、長期の使用によって摺動面での弗素樹脂
の疲労による剥離等が生じ、耐久性にそれほど優れたも
のでない。
【0004】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、まず、振動吸収性
を有する上に、長期の使用によっても摺動面での疲労に
よる剥離等が生じなく、かつまた内側円筒部と外側円筒
部との間の相対回転を確実になくし得るゴム製外被付き
ブッシュ及びその製造方法を提供することにある。
であって、その目的とするところは、まず、振動吸収性
を有する上に、長期の使用によっても摺動面での疲労に
よる剥離等が生じなく、かつまた内側円筒部と外側円筒
部との間の相対回転を確実になくし得るゴム製外被付き
ブッシュ及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、表面及び網目に低摩擦性の樹脂材が被覆、充填され
てなる網目付きメタルシートを、その両端を突き合わせ
て鍔部をもって筒状にして得られた内側円筒部を準備
し、この内側円筒部を、下型の円柱状部と、この円柱状
部を取り囲んで配された中型の、円柱状部に対面すると
共に複数の突起を有する内周面との間の環状隙間に挿入
すると共に、複数の突起で内側円筒部を押さえ、且つ、
内側円筒部の鍔部を、中型の上面との間に間隔をもって
配置し、次に、上型を下型及び中型上に載置して、環状
隙間に挿入された内側円筒部の外周面と中型の内周面と
の間及び内側円筒部の鍔部の側面と中型の上面との間に
溶融ゴム材を注入し、内側円筒部の外周面及び内側円筒
部の鍔部にゴム製の外側円筒部及び鍔部を一体に加硫形
成してゴム製外被付きブッシュを製造する方法によって
達成される。
は、表面及び網目に低摩擦性の樹脂材が被覆、充填され
てなる網目付きメタルシートを、その両端を突き合わせ
て鍔部をもって筒状にして得られた内側円筒部を準備
し、この内側円筒部を、下型の円柱状部と、この円柱状
部を取り囲んで配された中型の、円柱状部に対面すると
共に複数の突起を有する内周面との間の環状隙間に挿入
すると共に、複数の突起で内側円筒部を押さえ、且つ、
内側円筒部の鍔部を、中型の上面との間に間隔をもって
配置し、次に、上型を下型及び中型上に載置して、環状
隙間に挿入された内側円筒部の外周面と中型の内周面と
の間及び内側円筒部の鍔部の側面と中型の上面との間に
溶融ゴム材を注入し、内側円筒部の外周面及び内側円筒
部の鍔部にゴム製の外側円筒部及び鍔部を一体に加硫形
成してゴム製外被付きブッシュを製造する方法によって
達成される。
【0006】上記本発明によれば、複数の突起で内側円
筒部を押さえることにより、両端が互いに離反するよう
な内側円筒部自体の弾性(スプリングバック)による内
側円筒部の拡径を防ぐことができ、したがって両端の隙
間に、内(中心)側に露出した面をもって合成ゴム材の
部分が形成されるような事態を防ぐことができ、下記の
ような優れた効果を有するゴム製外被付きブッシュを、
摺動面へのゴム材の不都合な露出なしに簡単に得ること
ができる。また上記本発明のゴム製外被付きブッシュを
製造する方法によれば、鍔付き内側円筒部とゴム製の外
被とを具備しており、内側円筒部が、鍔部を有して筒状
にされた網目付きメタルシートと、このメタルシートの
表面及び網目に被覆、充填されてなる低摩擦性の樹脂材
とからなり、外被が、内側円筒部の外周面に加硫接着さ
れたゴム製の外側円筒部と、この外側円筒部に一体に形
成されており、内側円筒部の鍔部の側面に加硫接着され
たゴム製の鍔部とからなるゴム製外被付きブッシュを製
造することができる。
筒部を押さえることにより、両端が互いに離反するよう
な内側円筒部自体の弾性(スプリングバック)による内
側円筒部の拡径を防ぐことができ、したがって両端の隙
間に、内(中心)側に露出した面をもって合成ゴム材の
部分が形成されるような事態を防ぐことができ、下記の
ような優れた効果を有するゴム製外被付きブッシュを、
摺動面へのゴム材の不都合な露出なしに簡単に得ること
ができる。また上記本発明のゴム製外被付きブッシュを
製造する方法によれば、鍔付き内側円筒部とゴム製の外
被とを具備しており、内側円筒部が、鍔部を有して筒状
にされた網目付きメタルシートと、このメタルシートの
表面及び網目に被覆、充填されてなる低摩擦性の樹脂材
とからなり、外被が、内側円筒部の外周面に加硫接着さ
れたゴム製の外側円筒部と、この外側円筒部に一体に形
成されており、内側円筒部の鍔部の側面に加硫接着され
たゴム製の鍔部とからなるゴム製外被付きブッシュを製
造することができる。
【0007】ここで、低摩擦性の樹脂材として、テトラ
フルオロエチレン樹脂を好ましい一つの例として挙げる
ことができる。また外側円筒部の一つの例では、円周方
向に沿って複数の凹所が設けられており、この複数の凹
所により外側円筒部のより好ましい弾性特性が得られ
る。メタルシートとしては、ワイヤメッシュシート又は
エキスパンドメタルシートのいずれでもよく、その厚さ
としては、0.1mmから1mm程度が好ましい。
フルオロエチレン樹脂を好ましい一つの例として挙げる
ことができる。また外側円筒部の一つの例では、円周方
向に沿って複数の凹所が設けられており、この複数の凹
所により外側円筒部のより好ましい弾性特性が得られ
る。メタルシートとしては、ワイヤメッシュシート又は
エキスパンドメタルシートのいずれでもよく、その厚さ
としては、0.1mmから1mm程度が好ましい。
【0008】本発明の製造方法において、低摩擦性の樹
脂材がテトラフルオロエチレン樹脂である場合に、環状
隙間への挿入前に、内側円筒部及びその鍔部の表面に脱
フッ素処理を施すと、内側円筒部の外周面及びその鍔部
の側面へのゴム材の加硫接着を良好になし得る。
脂材がテトラフルオロエチレン樹脂である場合に、環状
隙間への挿入前に、内側円筒部及びその鍔部の表面に脱
フッ素処理を施すと、内側円筒部の外周面及びその鍔部
の側面へのゴム材の加硫接着を良好になし得る。
【0009】
【作用】本発明のゴム製外被付きブッシュは軸部に取り
付けられる。筒状にされた網目付きメタルシートと、こ
のメタルシートの表面及び網目に被覆、充填されてなる
低摩擦性の樹脂材とからなる内側円筒部の内面に相対回
転軸が配され、ゴム材からなる外側円筒部は軸支持部材
に装着される。メタルシートによって補強された低摩擦
性の樹脂材によって相対回転軸は低摩擦状態で長期に亘
って支持され、相対回転軸又は軸支持部材に加わる振動
は、ゴム材からなる外側円筒部によって吸収される。そ
して内側円筒部の鍔部はスラスト方向の軸受として機能
し得る。
付けられる。筒状にされた網目付きメタルシートと、こ
のメタルシートの表面及び網目に被覆、充填されてなる
低摩擦性の樹脂材とからなる内側円筒部の内面に相対回
転軸が配され、ゴム材からなる外側円筒部は軸支持部材
に装着される。メタルシートによって補強された低摩擦
性の樹脂材によって相対回転軸は低摩擦状態で長期に亘
って支持され、相対回転軸又は軸支持部材に加わる振動
は、ゴム材からなる外側円筒部によって吸収される。そ
して内側円筒部の鍔部はスラスト方向の軸受として機能
し得る。
【0010】次に、本発明を、図に示す具体例に基づい
て更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら具体例に
何等限定されないのである。
て更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら具体例に
何等限定されないのである。
【0011】
【具体例】図1及び図2において、ゴム製外被付きブッ
シュ1は、鍔付き内側円筒部2とゴム製の外被3とを具
備している。内側円筒部2は、網目付きメタルシート、
本例では図3に示すようなエキスパンドメタルシート4
の表面及び網目4aに、図4に示すように低摩擦性の樹
脂材であるテトラフルオロエチレン樹脂5を被覆、充填
してなるシート6を、図5に示すように、その両端7及
び8を突き合わせて鍔部9をもって筒状にして得られた
ものからなり、シート6の厚みtは本例では0.5mm
であるが、本発明はこれに限定されない。なお、シート
6の厚みtが0.5mm程度であると、径方向の自由度
が得られ特に好ましい場合がある。外被3は、内側円筒
部2の外周面10に加硫接着されたゴム材、本例では合
成ゴム材からなる外側円筒部3aと、外側円筒部3aに
一体に形成されており、内側円筒部2の鍔部9の側面1
5に加硫接着された合成ゴム材の鍔部16とからなる。
また、外側円筒部3aの外周面21には、円周方向に沿
って複数の凹所22が軸方向に伸びて設けられている。
シュ1は、鍔付き内側円筒部2とゴム製の外被3とを具
備している。内側円筒部2は、網目付きメタルシート、
本例では図3に示すようなエキスパンドメタルシート4
の表面及び網目4aに、図4に示すように低摩擦性の樹
脂材であるテトラフルオロエチレン樹脂5を被覆、充填
してなるシート6を、図5に示すように、その両端7及
び8を突き合わせて鍔部9をもって筒状にして得られた
ものからなり、シート6の厚みtは本例では0.5mm
であるが、本発明はこれに限定されない。なお、シート
6の厚みtが0.5mm程度であると、径方向の自由度
が得られ特に好ましい場合がある。外被3は、内側円筒
部2の外周面10に加硫接着されたゴム材、本例では合
成ゴム材からなる外側円筒部3aと、外側円筒部3aに
一体に形成されており、内側円筒部2の鍔部9の側面1
5に加硫接着された合成ゴム材の鍔部16とからなる。
また、外側円筒部3aの外周面21には、円周方向に沿
って複数の凹所22が軸方向に伸びて設けられている。
【0012】このように形成されたゴム製外被付きブッ
シュ1は、例えば軸支持部材25と相対回転軸26との
間に外側円筒部3aが若干圧縮されて圧入される。ゴム
製外被付きブッシュ1は、その内側円筒部2の内周面2
7で相対回転軸26を回転自在に支持する。
シュ1は、例えば軸支持部材25と相対回転軸26との
間に外側円筒部3aが若干圧縮されて圧入される。ゴム
製外被付きブッシュ1は、その内側円筒部2の内周面2
7で相対回転軸26を回転自在に支持する。
【0013】ところで、本例のゴム製外被付きブッシュ
1では、相対回転軸26を回転自在に支持する内周面2
7がエキスパンドメタルシート4で補強されたテトラフ
ルオロエチレン樹脂5からなるため、長期の使用によっ
ても摺動面での疲労による剥離、脱落等が生じ難く、ま
た外側円筒部3aが内側円筒部2の外周面10に加硫接
着さているため、内側円筒部2と外側円筒部3aとの間
の相対回転を確実になくし得る。そして合成ゴム材から
なる外側円筒部3aを具備しているため、軸支持部材2
5に対する相対回転軸26の相対的振動を吸収すること
ができる。更に本例のように0.5mm程度の薄い可撓
性のシート6からなる内側円筒部2であれば、外側円筒
部3aの弾性変形に対応して内側円筒部2も変形するた
め、軸支持部材25に対する相対回転軸26の相対的振
動をより好ましく吸収することができる上に、相対回転
軸26をぴったりと支持することができ、がたのない軸
部とし得る。
1では、相対回転軸26を回転自在に支持する内周面2
7がエキスパンドメタルシート4で補強されたテトラフ
ルオロエチレン樹脂5からなるため、長期の使用によっ
ても摺動面での疲労による剥離、脱落等が生じ難く、ま
た外側円筒部3aが内側円筒部2の外周面10に加硫接
着さているため、内側円筒部2と外側円筒部3aとの間
の相対回転を確実になくし得る。そして合成ゴム材から
なる外側円筒部3aを具備しているため、軸支持部材2
5に対する相対回転軸26の相対的振動を吸収すること
ができる。更に本例のように0.5mm程度の薄い可撓
性のシート6からなる内側円筒部2であれば、外側円筒
部3aの弾性変形に対応して内側円筒部2も変形するた
め、軸支持部材25に対する相対回転軸26の相対的振
動をより好ましく吸収することができる上に、相対回転
軸26をぴったりと支持することができ、がたのない軸
部とし得る。
【0014】次に上述のようなゴム製外被付きブッシュ
1を製造する方法を図5から図11を参照して説明す
る。まず先に述べた図5に示すような鍔部9付きの内側
円筒部2を準備し、これの表面に脱フッ素処理を施す。
なお、鍔部9は、例えば筒状にされたシート6を予備プ
レス成形することにより内側円筒部2に一体的に形成す
ることができる。次に、図6及び図8に示すように、内
側円筒部2を、下型31の円柱状部32の外周面33
と、円柱状部32を取り囲んで配された中型34の内周
面35との間の環状隙間36に挿入すると共に、内側円
筒部2の鍔部9を、中型34の上面43との間に間隔3
6aをもって配置する。下型31の円柱状部32は、そ
の外径が両端7及び8(図5参照)をぴったりと隙間な
く突き合わせた場合の内側円筒部2の内径と同一となる
ように形成されている。中型34は、図7に示すよう
に、円柱状部32の外周面33に対面する内周面35に
軸方向に伸びる複数の突起37を有してドーナツ形状を
有しており、各突起37の高さは、各突起37の頂面と
円柱状部32の外周面33との間で形成される隙間38
が内側円筒部2の厚みに相当するように設定されてい
る。次に、図9に示すように、ゴム注入孔41を有する
上型42を下型31及び中型34上に載置して、その
後、図10に示すように、環状隙間36に挿入された内
側円筒部2の外周面10と中型の内周面35との間並び
に鍔部9の側面15と中型34の上面43との間に溶融
合成ゴム材44をゴム注入孔41を介して注入し、内側
円筒部2の外周面10及び鍔部9の側面15に合成ゴム
材の外側円筒部3a及び鍔部16からなる外被3を加硫
形成する。加硫温度として摂氏150度を一例として示
すことができる。なお、鍔部9の外側に鍔部16の環状
面51が露出して形成されるような上型42を準備する
とよい。加硫形成された外被3の冷却後、図11に示す
ように、下型31及び上型42を取り除き、次に中型3
4から内側円筒部2及びこれに加硫接着された外被3を
取り出すことにより、図1及び図2に示すようなゴム製
外被付きブッシュ1を得ることができる。
1を製造する方法を図5から図11を参照して説明す
る。まず先に述べた図5に示すような鍔部9付きの内側
円筒部2を準備し、これの表面に脱フッ素処理を施す。
なお、鍔部9は、例えば筒状にされたシート6を予備プ
レス成形することにより内側円筒部2に一体的に形成す
ることができる。次に、図6及び図8に示すように、内
側円筒部2を、下型31の円柱状部32の外周面33
と、円柱状部32を取り囲んで配された中型34の内周
面35との間の環状隙間36に挿入すると共に、内側円
筒部2の鍔部9を、中型34の上面43との間に間隔3
6aをもって配置する。下型31の円柱状部32は、そ
の外径が両端7及び8(図5参照)をぴったりと隙間な
く突き合わせた場合の内側円筒部2の内径と同一となる
ように形成されている。中型34は、図7に示すよう
に、円柱状部32の外周面33に対面する内周面35に
軸方向に伸びる複数の突起37を有してドーナツ形状を
有しており、各突起37の高さは、各突起37の頂面と
円柱状部32の外周面33との間で形成される隙間38
が内側円筒部2の厚みに相当するように設定されてい
る。次に、図9に示すように、ゴム注入孔41を有する
上型42を下型31及び中型34上に載置して、その
後、図10に示すように、環状隙間36に挿入された内
側円筒部2の外周面10と中型の内周面35との間並び
に鍔部9の側面15と中型34の上面43との間に溶融
合成ゴム材44をゴム注入孔41を介して注入し、内側
円筒部2の外周面10及び鍔部9の側面15に合成ゴム
材の外側円筒部3a及び鍔部16からなる外被3を加硫
形成する。加硫温度として摂氏150度を一例として示
すことができる。なお、鍔部9の外側に鍔部16の環状
面51が露出して形成されるような上型42を準備する
とよい。加硫形成された外被3の冷却後、図11に示す
ように、下型31及び上型42を取り除き、次に中型3
4から内側円筒部2及びこれに加硫接着された外被3を
取り出すことにより、図1及び図2に示すようなゴム製
外被付きブッシュ1を得ることができる。
【0015】以上のような製造方法によれば、中型34
の各突起37で内側円筒部2を押さえることにより、両
端7及び8が互いに離反するような内側円筒部2自体の
弾性(スプリングバック)による内側円筒部2の拡径を
防ぐことができ、したがって両端7及び8の隙間に、内
(中心)側に露出した面をもって合成ゴム材の部分が形
成されるような事態を防ぐことができる。
の各突起37で内側円筒部2を押さえることにより、両
端7及び8が互いに離反するような内側円筒部2自体の
弾性(スプリングバック)による内側円筒部2の拡径を
防ぐことができ、したがって両端7及び8の隙間に、内
(中心)側に露出した面をもって合成ゴム材の部分が形
成されるような事態を防ぐことができる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鍔付き内
側円筒部の低摩擦性の樹脂材が、メタルシートにより補
強され、外被が内側円筒部の外周面及びその鍔部の側面
に加硫接着されたゴム材からなる故に、振動吸収性を有
する上に、長期の使用によっても摺動面での疲労による
剥離等が生じなく、かつまた内側円筒部と外側円筒部と
の間の相対回転を確実になくし得、更に内側円筒部の鍔
部はスラスト方向の軸受として機能し得る。また、本発
明の製造方法によれば、複数の突起で内側円筒部を押さ
えることにより、両端が互いに離反するような内側円筒
部自体の弾性(スプリングバック)による内側円筒部の
拡径を防ぐことができ、従って、上述のような優れた効
果を有するゴム製外被付きブッシュを、摺動面へのゴム
材の不都合な露出なしに簡単に得ることができ、更に、
内側円筒部の外周面に対して所望の肉厚をもったゴム製
の外側円筒部を、内側円筒部に加流接着することができ
る。
側円筒部の低摩擦性の樹脂材が、メタルシートにより補
強され、外被が内側円筒部の外周面及びその鍔部の側面
に加硫接着されたゴム材からなる故に、振動吸収性を有
する上に、長期の使用によっても摺動面での疲労による
剥離等が生じなく、かつまた内側円筒部と外側円筒部と
の間の相対回転を確実になくし得、更に内側円筒部の鍔
部はスラスト方向の軸受として機能し得る。また、本発
明の製造方法によれば、複数の突起で内側円筒部を押さ
えることにより、両端が互いに離反するような内側円筒
部自体の弾性(スプリングバック)による内側円筒部の
拡径を防ぐことができ、従って、上述のような優れた効
果を有するゴム製外被付きブッシュを、摺動面へのゴム
材の不都合な露出なしに簡単に得ることができ、更に、
内側円筒部の外周面に対して所望の肉厚をもったゴム製
の外側円筒部を、内側円筒部に加流接着することができ
る。
【図1】本発明の好ましい一具体例の断面図である。
【図2】図1に示す具体例の斜視図である。
【図3】図1に示す具体例に用いられるエキスパンドメ
タルシートの説明図である。
タルシートの説明図である。
【図4】図1に示す具体例に用いられるシートの断面説
明図である。
明図である。
【図5】図1に示す具体例に用いられる内側円筒部の斜
視図である。
視図である。
【図6】図1に示す具体例のゴム製外被付きブッシュの
製造方法の説明図である。
製造方法の説明図である。
【図7】図6に示す製造方法において用いられる中型の
詳細平面図である。
詳細平面図である。
【図8】図1に示す具体例のゴム製外被付きブッシュの
製造方法の説明図である。
製造方法の説明図である。
【図9】図1に示す具体例のゴム製外被付きブッシュの
製造方法の説明図である。
製造方法の説明図である。
【図10】図1に示す具体例のゴム製外被付きブッシュ
の製造方法の説明図である。
の製造方法の説明図である。
【図11】図1に示す具体例のゴム製外被付きブッシュ
の製造方法の説明図である。
の製造方法の説明図である。
1 ゴム製外被付きブッシュ 2 内側円筒部 3 外被 3 エキスパンドメタルシート 4 網目 5 テトラフルオロエチレン樹脂
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−321813(JP,A) 特開 平4−285317(JP,A) 特公 昭48−2723(JP,B1) 実公 昭56−16403(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 31/02
Claims (3)
- 【請求項1】 表面及び網目に低摩擦性の樹脂材が被
覆、充填されてなる網目付きメタルシートを、その両端
を突き合わせて鍔部をもって筒状にして得られた内側円
筒部を準備し、この内側円筒部を、下型の円柱状部と、
この円柱状部を取り囲んで配された中型の、円柱状部に
対面すると共に複数の突起を有する内周面との間の環状
隙間に挿入すると共に、複数の突起で内側円筒部を押さ
え、且つ、内側円筒部の鍔部を、中型の上面との間に間
隔をもって配置し、次に、上型を下型及び中型上に載置
して、環状隙間に挿入された内側円筒部の外周面と中型
の内周面との間及び内側円筒部の鍔部の側面と中型の上
面との間に溶融ゴム材を注入し、内側円筒部の外周面及
び内側円筒部の鍔部にゴム製の外側円筒部及び鍔部を一
体に加流形成してゴム製外被付きブッシュを製造する方
法。 - 【請求項2】 低摩擦性の樹脂材がテトラフルオロエチ
レン樹脂であり、環状隙間への挿入前に、内側円筒部及
びその鍔部の表面に脱フッ素処理を施す請求項1に記載
のゴム製外被付きブッシュの製造方法。 - 【請求項3】 メタルシートが、ワイヤメッシュシート
又はエキスパンドメタルシートである請求項1又は2に
記載のゴム製外被付きブッシュの製造方法。
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JP8804493A JP3339100B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ゴム製外被付きブッシュ及びその製造方法 |
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