JP3338700B2 - 排尿処理成形物 - Google Patents

排尿処理成形物

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JP3338700B2 JP2000398416A JP2000398416A JP3338700B2 JP 3338700 B2 JP3338700 B2 JP 3338700B2 JP 2000398416 A JP2000398416 A JP 2000398416A JP 2000398416 A JP2000398416 A JP 2000398416A JP 3338700 B2 JP3338700 B2 JP 3338700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、犬、猫等の動物用
又は人用の排尿処理成形物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】犬、猫
等の動物用又は人用の排尿処理成形物として、珪砂等の
天然砂を破砕したものや、ゼオライト、吸水性ポリマー
等の吸水性材料を造粒したもの等の粒状タイプの排尿処
理成形物が従来から知られている。しかし、粒状タイプ
の排尿処理成形物は、使用時に該排尿処理成形物が飛散
して周囲を汚し易い、粉塵が発生し易い、不定形で流動
性があるため取扱い及び廃棄が不便である、可燃物とし
て廃棄ができない等の欠点がある。また、シート状タイ
プの排尿処理成形物も従来から知られており、例えば、
実開平1−105448号公報には、紙状シートである
し尿脱臭殺菌シートが記載されている。しかし、紙状シ
ートは、尿等の吸収性に劣る、強度的に弱いため取扱い
及び廃棄が不便で長期間使用できない等の欠点がある。
また、排尿処理成形物は消臭効果があることも要求され
るが、消臭効果が高く且つ上記欠点のない排尿処理成形
物はまだ開発されていない。
【0003】従って、本発明は、尿等の吸収性に優れ、
消臭効果が高く、取扱い及び廃棄が容易で、長期間使用
可能な排尿処理成形物を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物性繊維又
はパルプの少なくとも一種からなる排尿吸収基材に、抗
菌性を有する界面活性剤又は界面活性剤及び抗菌剤と、
バインダー、架橋剤又は水の少なくとも一種とを混合し
て得られた混合物を平板状に成形してなり、嵩密度が
0.05〜0.3g/cm3 、飽和吸水量が2g/1g
以上、吸水速度が30秒以下、湿潤強度が49cN以
上、厚みが3mm以上である排尿処理成形物を提供する
ことにより前記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排尿処理成形物
を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら
説明する。図1に示すように、本実施形態の排尿処理成
形物1は、所定厚みを有し、上下面が平坦な平板状のも
のであり、排尿吸収基材に、抗菌性を有する界面活性剤
又は界面活性剤及び抗菌剤と、バインダー、架橋剤又は
水の少なくとも一種とを混合して得られた混合物を成形
してなるものである。
【0006】前記排尿吸収基材は、植物性繊維又はパル
プの少なくとも一種からなる。このような植物性繊維を
主体とした排尿吸収基材を具備する排尿処理成形物は、
多孔質且つ低密度であるため尿等の吸収性に優れ、消臭
効果も有する。また、可燃物であるため、使用後は可燃
ゴミとして容易に焼却廃棄ができる。本明細書において
「植物性繊維」とは、植物体を構成する繊維又はその集
合体であって、セルロース以外にリグニン、ヘミセルロ
ース、樹脂分、灰分等の成分を含んでいるものをいう。
また、「パルプ」とは、「植物性繊維」からセルロース
以外の成分を極力除いた、セルロース純度の高いものを
いい、いわゆる化学パルプがこれに該当する。
【0007】前記植物性繊維としては、グランドパル
プ、おが屑、ジュート、ヤシ繊維等を、これらの1種又
は2種以上で用いることができる。特に、尿等の吸収性
及び消臭効果の向上、並びに安定供給の観点から、グラ
ンドパルプ及び/又はおが屑を用いることが好ましい。
グランドパルプ(GP)は、砕木パルプとも呼ばれるも
のでいわゆる機械パルプである。機械パルプには、GP
の他、ストーン砕木パルプ(SGP)、リファイナー砕
木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TM
P)等があるが、本明細書では、これらを総称してグラ
ンドパルプという。グランドパルプのうち、消臭効果の
観点から、ストーン砕木パルプを用いることが特に好ま
しい。また、前記パルプとしては、古紙パルプを用いる
ことが好ましいが、吸水性の観点から、脱墨処理パルプ
を用いることが特に好ましい。前記植物性繊維及び前記
パルプは、それぞれ単独で排尿吸収基材として用いても
よいし、両者を混合して排尿吸収基材として用いてもよ
い。両者を混合する場合には、植物性繊維とパルプとの
混合比(重量)は、植物性繊維:パルプ=10:1〜
1:100の範囲で適宜選択できる。
【0008】本発明の排尿処理成形物は、前記植物性繊
維、前記パルプ又はこれらの混合物を好ましくは50〜
95重量%、特に70〜90重量%含有することが、尿
等の吸収性及び消臭効果を向上させると共に、必要な強
度を付与する点から好ましい。
【0009】排尿処理成形物1は、抗菌性を有するか又
は有しない界面活性剤を含有している。これにより、排
尿処理成形物1の親水性が向上して、尿等の吸収速度を
向上させることができる。その結果、後述するように、
排尿処理成形物1が低密度、高多孔性であることと相俟
って、吸水量及び吸水速度が向上する。
【0010】前記界面活性剤が抗菌性を有する場合に
は、尿等の排泄物を分解してアンモニアを生成する菌の
繁殖を抑制できるので、周囲に悪臭を発散させることな
く長期間使用できる。一方、前記界面活性剤が抗菌性を
有さない場合には、該界面活性剤を抗菌剤と併用するこ
とにより同様の効果を発現させ得る。
【0011】抗菌性を有する前記界面活性剤としては、
カチオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いること
ができる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩
化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジ
メチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等を、これ
らの1種又は2種以上で用いることができ、特に、抗菌
性の観点から、塩化ベンザルコニウムを用いることが好
ましい。また、両性界面活性剤としては、例えば、アル
キルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルア
ミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロ
ピルベタイン等を、これらの1種又は2種以上で用いる
ことができ、特に、抗菌消臭性の観点から、アルキルジ
メチルアミンオキサイドを用いることが好ましい。尚、
排尿処理成形物1の抗菌性を一層向上させるために、抗
菌性を有する前記界面活性剤を、抗菌剤と併用してもよ
い。この場合、該抗菌剤は、水溶性のものが好ましい。
【0012】排尿処理成形物1は、抗菌性を有する前記
界面活性剤を好ましくは0.1〜5重量%、特に0.5
〜3重量%含有することが、尿等の吸収性が向上すると
共に悪臭の発散が防止されて長期間使用できることから
好ましい。
【0013】抗菌性を有さない前記界面活性剤として
は、非イオン性界面活性剤を用いることができる。非イ
オン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸
エステル等を、これらの1種又は2種以上で用いること
ができ、特に、水に可溶という観点から、HLB−数方
式により算出されたHLBが10〜19の非イオン性界
面活性剤を用いることが好ましい。また、抗菌性を有さ
ない該界面活性剤と併用される抗菌剤としては、水溶性
のものが好ましく、例えば、安息香酸ナトリウム、クロ
ラミンT、クロルクレゾール、サルチル酸ナトリウム、
臭化エチルトリメチルアンモニウム、ソルビン酸カリウ
ム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラクロロフェノール、
フェノール等を、これらの1種又は2種以上で用いるこ
とができ、特に、臭いや動物に対する安全性の観点か
ら、安息香酸ナトリウムを用いることが好ましい。
【0014】排尿処理成形物1は、抗菌性を有さない界
面活性剤を好ましくは0.01〜5重量%、更に好まし
くは0.1〜5重量%、とりわけ0.1〜2重量%含有
すると共に、前記抗菌剤を好ましくは0.001〜5重
量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%含有する。
【0015】前記バインダー、架橋剤又は水は、前記植
物性繊維及び前記パルプの結合剤として使用される(以
下、これらの成分を総称して繊維間結合剤という)。排
尿処理成形物1に、これら繊維間結合剤を含有させるこ
とにより、実用上必要とされる強度を排尿処理成形物1
に付与することができ、取扱性及び廃棄性に優れ、長期
間使用できる排尿処理成形物とすることができる。
【0016】本明細書において「架橋剤」とは、水素結
合により繊維間を架橋するものをいい、後述する湿式製
造法により排尿処理成形物を製造する場合に特に好適に
使用できる。また、「バインダー」とは、接着剤(同種
あるいは異種の2つの固体を貼り合わせる目的で用いら
れる物質)のうち、上記「架橋剤」を除いたものをい
う。
【0017】前記バインダーとしては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、化工澱粉、寒天、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリアクリルアミド等を、これらの1種又は
2種以上で用いることができ、特に、吸水性の観点か
ら、ポリビニルアルコール及び/又は化工澱粉を用いる
ことが好ましい。更に、ポリビニルアルコール及び化工
澱粉は、何れも糊化温度が60℃以上、特に70〜80
℃であることが好ましい。これらバインダーの糊化温度
が60℃以上であると、室温下、湿潤状態にある使用後
の排尿処理成形物中で該バインダーが溶け出すことがな
いので、排尿処理成形物は、その湿潤強度が一定に保た
れて形状が崩れることがなく、取扱い及び廃棄が容易で
ある。排尿処理成形物1は、前記バインダーを好ましく
は1〜45重量%、更に好ましくは5〜45重量%、と
りわけ7〜20重量%含有する。
【0018】前記架橋剤としては、湿式抄紙法において
一般に紙力増強剤として使用されるものを使用でき、例
えば、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレン、メチロール化ポリア
クリルアミド等を、これらの1種以上で用いることがで
きる。架橋剤は、繊維間結合剤として単独でも使用で
き、また、媒体として水を併用することもできる。排尿
処理成形物1は、前記架橋剤を好ましくは0.01〜3
重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%含有する。
【0019】前記植物性繊維等の結合剤として水のみを
使用する場合、排尿処理成形物1の含水量は、好ましく
は1〜20重量%、更に好ましくは5〜20重量%であ
る。
【0020】排尿処理成形物1は、前記の各成分(排尿
吸収基材、抗菌性を有するか又は有さない界面活性剤、
抗菌剤及び繊維間結合剤)に加えて、必要に応じて、消
臭剤、マスキング剤等の添加剤を適宜含有させることが
できる。これらの添加剤の含有量は好ましくは0.01
〜1重量%、更に好ましくは0.03〜0.1重量%で
ある。
【0021】排尿処理成形物1は、前記の各成分と、必
要に応じて用いられる前記添加剤とを混合して得られた
混合物を、厚さが3mm以上、好ましくは5〜50m
m、更に好ましくは10〜20mmの平板状に成形して
なるものである。このように所定の厚みを有する平板状
に成形された排尿処理成形物は、紙状シートのものに比
べて尿等の吸水量が多く、強度も高い。また、粒状タイ
プの排尿処理成形物のように取扱い時に粉塵が発生する
ことがほとんどなく、廃棄が容易である。
【0022】厚みは、以下のようにして測定される。 〈厚みの測定方法〉排尿処理成形物の幅方向に沿って、
10cm間隔でマイクロゲージ(厚み測定器)を当てて
各箇所における厚みを測定し、これらの平均値を該排尿
処理成形物の厚みとした。
【0023】排尿処理成形物1は、その嵩密度が0.0
5〜0.3g/cm3 、好ましくは0.1〜0.25g
/cm3 、更に好ましくは0.15〜0.2g/cm3
となっている。嵩密度を前記範囲内とすることにより、
成形物としての必要強度を維持しつつ、尿等の吸収速度
を向上させることができる。本発明の排尿処理成形物
は、その嵩密度が前記範囲内にある低密度体であり、且
つ前述の如く多孔質体であるから、低湿度下では吸収し
た尿等に含まれる水分を放出するので、排尿処理成形物
が本来有する、後述する測定方法により測定される吸水
量以上の尿等を吸収することができる。
【0024】嵩密度は、次の方法により測定される。 〈嵩密度の測定方法〉排尿処理成形物から、縦6cm、
横6cm、厚さ1cmの試験片(体積36cm3 )を裁
断し、該試験片の重量を測定して、次式により嵩密度
(g/cm3 )を求めた。
【0025】
【数1】
【0026】排尿処理成形物1は、尿等の吸水性に優れ
たものであり、その飽和吸水量は2g/1g以上、好ま
しくは5g/1g以上、更に好ましくは8g/1g以上
となっており、その吸水速度は30秒以下、好ましくは
10秒以下、更に好ましくは3秒以下となっている。こ
れにより、排泄された尿による四肢の汚れが効果的に防
止される。尚、飽和吸水量及び吸水速度は何れもその上
限に制限はなく、高いほど好ましいが、実際は飽和吸水
量の上限は5g/1g程度となり、吸水速度の上限は1
秒程度となる。
【0027】飽和吸水量は、次の方法により測定され
る。 〈飽和吸水量の測定方法〉排尿処理成形物から、厚みは
そのままで縦60mm、横60mmの試験片を裁断し、
該試験片を105℃に設定した乾燥器内で1時間乾燥さ
せた後、デシケーター内に移して室温まで冷却させた。
その後、DW法を実施する装置として一般的に知られて
いる図2に示す装置(Demand Wettability Tester )を
用い、図2に示す如く、ビュレット内の生理食塩水の液
面を等水位にセットしたガラスフィルター上に該試験片
を載せ、三方活栓を開栓して該試験片に生理食塩水を吸
水させ、気泡が出なくなったときの吸水量(この吸水量
は、生理食塩水の水位の低下量を示すビュレットの目盛
りで測定される)を測定し、この値を試験片の重量で除
した値を飽和吸水量(g/g)とした(n=3の平均
値。試験片1つにつき測定は1回)。
【0028】吸水速度は、次の方法により測定される。 〈吸水速度の測定方法〉排尿処理成形物から、厚みはそ
のままで縦60mm、横60mmの試験片を裁断し、該
試験片を105℃に設定した乾燥器内で1時間乾燥させ
た後、デシケーター内に移して室温まで冷却させた。該
試験片の中央に2.5ccの生理食塩水を滴下し、滴下
直後から水滴が試験片に吸収されるまでの時間を測定
し、これを吸水速度(秒)とした(n=3の平均値。試
験片1つにつき測定は1回)。
【0029】排尿処理成形物1は、湿潤強度が49cN
以上、好ましくは98cN以上、更に好ましくは196
cN以上となっている。湿潤強度が前記値以上である排
尿処理成形物は、尿等を吸収して湿潤状態となっても平
板状の形状を維持することができるので取扱い及び廃棄
が容易である。尚、湿潤強度はその上限に制限はなく、
高いほど好ましいが、他の必要強度とのバランスの点か
ら、196cN程度が実際の上限となる。
【0030】湿潤強度は、次の方法により測定される。 〈湿潤強度の測定方法〉排尿処理成形物から、厚みはそ
のままで縦80mm、横25mmの試験片を裁断し、該
試験片を水に5分間浸漬する。浸漬後、図3に示すよう
に、該試験片を、50mm間隔で設けられた三角柱状の
2つの支持台上に、該試験片の縦方向の中央部が2つの
該支持台間の中央にくるように載置する。その後、プッ
シュプルケージを、該試験片の中心に押しつけ、該試験
片が折れたときのゲージ圧を測定し、これを湿潤強度
(cN)とした(n=3の平均値)。
【0031】前述の嵩密度等の各物性値を満たす排尿処
理成形物とするためには、グランドパルプからなる排尿
吸収基材を用いて、後述する製造方法により製造するこ
とが好ましい。グランドパルプは、剛性の高いリグニン
及び吸水性の高いヘミセルロースをそれぞれ多量に含ん
でいるため、グランドパルプを前記所定量含有する排尿
処理成形物は、通常の化学パルプを含有する排尿処理形
成物と比べて嵩密度が低く、嵩高で厚みがあり、飽和吸
水量及び吸水速度が大きくなる。また、グランドパルプ
自体にある程度の消臭・抗菌効果があるので、グランド
パルプからなる排尿吸収基材に、更に抗菌性のある薬剤
(抗菌剤又は抗菌性を有する界面活性剤)を配合すると
共に、必要に応じて消臭剤を適宜配合すれば、長期間悪
臭が発散せず、衛生的に使用できる排尿処理成形物が得
られる。尚、グランドパルプを用いる場合、その含有量
が多くなると、排尿処理成形物の強度、特に湿潤強度が
低下する傾向があるが、本発明の排尿処理成形物は、前
述の通り繊維間結合剤を前記所定量含有しているので、
実用上十分な強度及び湿潤強度を有している。また、用
いる繊維間結合剤によっては、排尿処理成形物の親水性
が低下して、尿等の吸収性が低下するおそれがあるが、
本発明の排尿処理成形物は、前述の通り界面活性剤を前
記所定量含有しているので、繊維間結合剤を用いること
による親水性の低下が防止されるのみならず、グランド
パルプ本来の吸水能力以上の吸水能力が排尿処理成形物
に付与されて、尿等の吸収性が極めてすぐれたものとな
っている。
【0032】排尿処理成形物1は、乾式、湿式の何れの
製造方法でも製造できる。乾式の製造方法としては、例
えば、排尿吸収基材の原料である植物性繊維等に、界面
活性剤、抗菌剤及び繊維間結合剤であるバインダー等を
混合して混合物とし、該混合物を所定形状の型枠に入れ
てシート状物とし、該シート状物に熱プレス処理を施し
て予備的に脱水させた後、乾燥器等で該シート状物を所
望の含水率になるまで乾燥させる方法が採用できる。そ
の際、熱プレス処理の条件は、嵩密度を前記範囲内と
し、厚みを前記値以上とする観点から、プレス圧力が好
ましくは4〜2400kPa、更に好ましくは10〜1
000kPaであり、プレス温度が好ましくは60〜1
20℃、更に好ましくは20〜105℃であり、プレス
時間が0.5〜20分、更に好ましくは3〜5分であ
る。一方、湿式の製造方法としては、例えば、一般の紙
の製造で行われている長網式抄紙法や円網式抄紙法等が
採用でき、公知の抄紙機が使用できる。湿式の製造方法
では、繊維間結合剤として、前述の如く架橋剤(紙力増
強剤)が好適に用いられる。排尿処理成形物は、特に、
畳の芯材や壁材等として用いられるインシュレーション
ボードの製造方法と同様の方法で製造できる。
【0033】排尿処理成形物1は、例えば、図1に示す
ように、これをトレー2内部の底面に敷き、その上部
に、排尿処理成形物1を物理的に保護するための網目状
の蓋3を被せて、ペット用トイレとして使用できる。こ
の際、排尿処理成形物1は定形物であるので、粒状タイ
プの排尿処理成形物のように粉塵が発生したりせず取扱
いが容易である。また、使用時においては、排尿処理成
形物1は消臭効果が高く、抗菌効果により悪臭の発散を
抑制できるので、該ペット用トイレの設置場所を考慮す
る必要がなく衛生的に使用できる。更に、排尿処理成形
物1は尿等の吸収量が多く吸収性に優れるので、消臭効
果及び抗菌効果が高いことと相俟って、長期間使用する
ことができる。使用後においては、排尿処理成形物1は
湿潤強度が高く、尿等を吸収しても平板形状を維持でき
るので、これをたやすく取り出すことができ、可燃ゴミ
として容易に焼却廃棄できる。
【0034】本発明の排尿処理成形物1は、動物用のみ
ならず人用の排尿処理成形物としても使用できる。ま
た、その使用形態も特に制限されない。
【0035】
【実施例】〔実施例1〜3〕下記の製造方法に従って得
られた排尿処理成形物について、前述した測定方法に従
い、嵩密度、飽和吸水量、吸水速度、湿潤強度及び厚み
の各物性を測定した。各排尿処理成形物における各成分
の含有量及び製造条件と併せて、その結果を下記〔表
1〕に示す。
【0036】〔排尿処理成形物の製造〕表1に示す量の
SGPに、抗菌性を有する界面活性剤(ラウリルジメチ
ルアミンオキサイドの2%水溶液、商品名「アンヒトー
ル20N」、花王(株)社製)又は界面活性剤(ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、商品名「レオ
ドールTW−L120」、花王(株)社製)及び抗菌剤
(安息香酸ナトリウム、商品名「安息香酸ナトリウ
ム」、(株)状見製薬社製)を表1に示す量添加し、ヘ
ンシェルミキサーで混合した後、繊維間結合剤としてバ
インダー(タピオカデンプン、商品名「Z−100」、
日澱化学社製)を表1に示す量混合して混合物を得た。
該混合物を所定形状の型枠に流し込んで脱水し、シート
状物を得た。該シート状物を、加熱された油圧プレス機
を用いて表1に示す温度、時間及び圧力でプレスした。
その後、該シート状物を、乾燥機を用い105℃で3時
間乾燥して、排尿処理成形物を得た。
【0037】〔比較例1〕排尿処理成形物として、市販
のトイレシート(商品名「デオシート」、ユニハートス
社製)を用い、前述した測定方法に従い、飽和吸水量及
び吸水速度の各物性を測定した。その結果を下記〔表
1〕に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔吸収性、消臭性及び消臭効果持続性の評
価〕実施例1〜3及び比較例1の各排尿処理成形物につ
いて、下記の〔吸収性の評価基準〕、〔消臭性の評価基
準〕及び〔消臭効果持続性の評価基準〕により評価し
た。結果を下記〔表2〕に示す。
【0040】〔吸収性の評価基準〕各排尿処理成形物の
「吸水速度」を、下記評価基準により評価した。評価基準 ◎:吸水速度が3秒以内。 ○:吸水速度が3秒を超え10秒まで。 △:吸水速度が10秒を超え30秒まで。 ×:吸水速度が30秒を超える。
【0041】〔消臭性の評価基準〕排尿処理成形物の尿処理 ビーグル犬(メス、8才)から採尿され、冷凍保存され
た尿を解凍した後、該尿5mlを、各排尿処理成形物
(縦50mm、横50mm、厚さ15mm)にメスピペ
ットを用いてふりかけた。その後、該各排尿処理成形物
を、温度25℃、相対湿度65%の環境下に30分間放
置した。評価基準 尿処理直後の各排尿処理成形物の臭いを、被験者3人に
嗅がせ、それぞれ、「無臭」(=1ポイント)、「かす
かに臭う」(=2ポイント)、「やや臭う」(=3ポイ
ント)、「やや強く臭う」(=4ポイント)、「強く臭
う」(=5ポイント)とし、次にこれらのポイントを集
計し、1ポイントを○、2〜3ポイントを△、4〜5ポ
イントを×とした。
【0042】〔消臭効果持続性の評価基準〕前記〔消臭
性の評価基準〕と同様にして尿処理された各排尿処理成
形物の「尿処理直後の臭い」を、被験者3人(各排尿処
理成形物につき1人)に嗅がせた。その後、各排尿処理
成形物を、温度25℃、相対湿度65%の環境下に放置
し、24時間経過毎に、各排尿処理成形物の臭いを同じ
被験者にそれぞれ嗅がせて、被験者が、「尿処理直後の
臭い」と比較して臭いが強くなったと感じたときの尿処
理後からの経過時間をそれぞれ記録し、下記評価基準に
より評価した。 〔評価基準〕 ○:尿処理後3日経過しても臭いの強さが変化しない。 △:尿処理後1日経過しても臭いの強さが変化しない
が、尿処理後3日経過する迄には臭いが強くなる。 ×:尿処理後1日経過する迄に臭いが強くなる。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の排尿処理成形物は、尿等の吸収
性に優れ、消臭効果が高く、取扱い及び廃棄が容易で、
長期間使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排尿処理成形物の一使用形態を示す斜
視図である。
【図2】本発明の排尿処理成形物の飽和吸水量の測定方
法を示す概略図である。
【図3】本発明の排尿処理成形物の湿潤強度の測定方法
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 排尿処理成形物 2 トレー 3 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−327537(JP,A) 実開 平7−39392(JP,U) 実開 平1−105448(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 1/015

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性繊維又はパルプの少なくとも一種
    からなる排尿吸収基材に、抗菌性を有する界面活性剤又
    は界面活性剤及び抗菌剤と、バインダー、架橋剤又は水
    の少なくとも一種とを混合して得られた混合物を平板状
    に成形してなり、嵩密度が0.05〜0.3g/c
    3 、飽和吸水量が2g/1g以上、吸水速度が30秒
    以下、湿潤強度が49cN以上、厚みが3mm以上であ
    る排尿処理成形物。
  2. 【請求項2】 前記植物性繊維又は前記パルプが、グラ
    ンドパルプ、古紙パルプ又はおが屑であり、該植物性繊
    維、該パルプ又はこれらの混合物の含有量が30〜95
    重量%である請求項1記載の排尿処理成形物。
  3. 【請求項3】 前記抗菌性を有する界面活性剤が、カチ
    オン性界面活性剤又は両性界面活性剤であり、該抗菌性
    を有する界面活性剤の含有量が0.1〜5重量%である
    請求項1又は2記載の排尿処理成形物。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性
    剤であり、前記抗菌剤が、水溶性抗菌剤であり、該界面
    活性剤の含有量が0.01〜5重量%であり、該抗菌剤
    の含有量が0.001〜5重量%である請求項1又は2
    記載の排尿処理成形物。
  5. 【請求項5】 前記バインダーが、糊化温度60℃以上
    のポリビニルアルコール、糊化温度60℃以上の化工澱
    粉又はこれらの混合物であり、該バインダーの含有量が
    1〜45重量%である請求項1〜4の何れかに記載の排
    尿処理成形物。
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