JP3338227B2 - ケトニトリル誘導体及びヘキセノン誘導体の製造方法 - Google Patents

ケトニトリル誘導体及びヘキセノン誘導体の製造方法

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JP3338227B2 JP06354995A JP6354995A JP3338227B2 JP 3338227 B2 JP3338227 B2 JP 3338227B2 JP 06354995 A JP06354995 A JP 06354995A JP 6354995 A JP6354995 A JP 6354995A JP 3338227 B2 JP3338227 B2 JP 3338227B2
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C253/30Preparation of carboxylic acid nitriles by reactions not involving the formation of cyano groups

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の化合物は、レトロウイル
スプロテアーゼの阻害剤、特に後天性ヒト免疫不全症候
群(エイズ)ウイルス(HIV)の増殖及び形質の発現
に関するHIVプロテアーゼを阻害する一般式(7) A−X−B (7) (式中、Xは一般式(8)
【0002】
【化5】
【0003】で、R1’は水素原子、低級アルキル基、
2’及びR3’は独立にアリールアルキル基、シクロア
ルキル基、アルキル基である。A及びBは、R6’−C
(O)−(NH)−CH(R5’))−(CO)−及び
6’−C(O)−、R6’はR7’−NH−、R7’−N
(低級アルキル)−を示し、R7’は(複素環)アルキ
ル、R5’は低級アルキルを示す。) で表される化合物及び薬学的に許容されるその塩または
プロドラッグ(特開平4−308574号公報及びJ.Or
g.Chem.,1994,59,pp4040-4041 )の中間体の製造方法に
関する。
【0004】
【従来の技術】従来、下記(9)の反応スキーム
【0005】
【化6】
【0006】(式中、Bnはベンジル基、Phはフェニ
ル基、また*印は不斉炭素原子を示す。) で表される様に、フェニルアラニンを炭酸カリウムの存
在下にベンジルクロリドと反応せしめてN,N−ジベン
ジル−フェニルアラニンベンジルエステとした後、こ
れにアセトニトリルとナトリウムアミドから調製したア
セトニトリルのカルバニオンを縮合せしめることで、本
発明の一般式(2)で表される化合物である(4S)−
4−N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニル−3−オ
キソ−ペンタンニトリルが合成でき、ついで、上記一般
式(2)で表される化合物を分離したのち、上記化合物
を、テトラヒドロフラン中、ベンジルマグネシウムクロ
リドと縮合せしめることで、一般式(6)で表される化
合物である(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
5−アミノ−1,6−ジフェニル−4−ヘキセン−3−
オンが合成できることが、知られている(J.Org.Chem.,
1994,59,pp4040-4041参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの知見によ
ると、前述した文献記載の方法で(4S)−4−N,N
−ジベンジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ−ペン
タンニトリル誘導体(2)を工業的にかつ経済的に多量
合成を行なう場合には以下に述べる反応操作となる。
【0008】すなわち、(2S)−2−N,N−ジベン
ジルアミノ−フェニルアラニンエステル誘導体(1)を
テトラヒドロフランとアセトニトリルの混合液に溶か
し、−45℃に冷却する。別にアセトニトリルをナトリ
ウムアミドサスペンジョンに−45℃で加えて、この溶
液を、先に調製したフェニルアラニン誘導体(1)のテ
トラヒドロフランとアセトニトリルとの混合溶液に、−
45℃でゆっくり滴下する。滴下終了後、反応溶液を2
5%のクエン酸水溶液で処理し、そこで得られた有機層
を飽和食塩水で2回洗浄し、続いてこの溶液にヘプタン
を加えて更に5%の食塩水で3回、次に10%メタノー
ル水で2回洗浄する。このような操作で得られた有機層
を濃縮して、目的とする(4S)−4−N,N−ジベン
ジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ−ペンタンニト
リル誘導体を得る。
【0009】しかしながら、本反応操作においては、反
応終了時における生成物の光学純度は出発原料の光学純
度をそのまま保持するが、反応液の後処理操作時に、部
分的にラセミ化することが明らかとなった。
【0010】一般に、医薬品において、その分子にキラ
リテーが存在する場合、鏡像体の一方のみが生理作用を
示すことが多く、他方のものは生理作用を示さないばか
りでなく望ましくない生理作用を示す場合もある。従っ
て、使用に当たっては光学的に純粋であることが望まれ
る。その中間体も当然光学的に純粋であることが重要と
なる。
【0011】すなわち、本発明の課題は、出発原料の光
学純度を損なうことなく、かつ収率良く光学的に純粋な
(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニ
ル−3−オキソ−ペンタンニトリル誘導体(2)を工業
的に多量に合成する新規な製造方法を提供することであ
る。更に、次の目的化合物である(2S)−2−N,N
−ジベンジルアミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル
−4−ヘキセン−3−オン誘導体(6)を経済的にかつ
多量に合成する新規な製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、光学的に純粋な(4S)−4−N,N−ジ
ベンジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ−ペンタン
ニトリル誘導体(2)の工業的合成法を鋭意研究した結
果、アセトニトリルから調製するカルバニオンの発生剤
として特定の有機マグネシウム化合物を用いると、出発
原料の光学純度を損なうことなく、かつ収率良く光学的
に純粋な化合物(2)を製造できることを見い出した。
更に、本発明者らは、アセトニトリルとグリニヤール試
薬とからアセトニトリルのカルバニオンを調製したの
ち、(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−フェニ
ルアラニンベンジルエステル誘導体(1)と反応せしめ
ると、中間体として生成しているケトニトリル(2)の
エノラートを水で処理して単離することなく、続いてベ
ンジルマグネシウムハライドを反応させれば、一段階
で、次の目的物である(2S)−2−N,N−ジベンジ
ルアミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル−4−ヘキ
セン−3−オン誘導体(6)が合成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は以下のとおりであ
る。 1. 下記一般式(1)
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R1 は低級アルキル基、ベンジル
基、Bnはベンジル基、Phはフェニル基、*印は不斉
炭素原子を意味する。) で表される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
フェニルアラニンエステル誘導体とアセトニトリルと
を、下記一般式(4) 4 −MgX (4) (式中、Xはハロゲン原子を意味し、R 4 は低級アルキ
ル基、アラルキル基、フェニル基、ビニル基から選ばれ
たものである。) で表される有機マグネシウム化合物 の存在下にて反応さ
せることを特徴とする、下記一般式(2)
【0016】
【化8】
【0017】(式中、Bnはベンジル基、Phはフェニ
ル基、*印は不斉炭素原子を意味する。) で表される(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−
5−フェニル−3−オキソ−ペンタンニトリル誘導体の
製造方法。
【0018】2. 上記第1項記載の一般式(1)で表
される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−フェ
ニルアラニンエステル誘導体とアセトニトリルとを、ベ
ンジルマグネシウムハライドの存在下にて反応させ
(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニ
ル−3−オキソ−ペンタンニトリル誘導体を得、引き続
き、該誘導体とベンジルマグネシウムハライドとを反応
させることを特徴とする、下記一般式(6)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、Bnはベンジル基、Phはフェニ
ル基、また*印は不斉炭素原子を意味する。) で表される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
5−アミノ−1,6−ジフェニル−4−ヘキセン−3−
オン誘導体の製造方法。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
特定のマグネシウム化合物をアセトニトリルのカル
バニオン発生剤として用いる。
【0022】マグネシウム化合物をアセトニトリルのカ
ルバニオン発生剤として用いる場合の代表的な例として
は、以下のとおりである。すなわち、(2S)−2−
N,N−ジベンジルアミノ−フェニルアラニンエステル
誘導体(1)とアセトニトリルとをテトラヒドロフラン
に溶かし、この溶液を別に調製した有機マグネシウム試
薬のテトラヒドロフラン溶液の中に0℃〜25℃で滴下
る。滴下終了後、更に室温で1〜5時間撹拌した後、
クエン酸水溶液に注ぎ込み、トルエンとヘプタンの2対
1の混合溶媒を用いて抽出し、有機層をメタノール水及
び水で洗浄する。洗浄液を濃縮し、目的物のケトニトリ
ル誘導体(2)を得る。
【0023】本発明のマグネシウム化合物を用いる場合
の縮合反応においては、フェニルアラニンエステル誘導
体(1)に対する各々の試薬の使用量は、通常、アセト
ニトリルは1〜1.5等量、好ましくは1.05〜1.
3等量を、また、カルバニオン発生剤としての有機マグ
ネシウム試薬は2〜5当量、好ましくは2.5〜2.7
当量を用いる。
【0024】また、縮合反応における温度は−40℃〜
40℃、好ましくは−20℃〜30℃であり、また、反
応時間は1〜24時間、好ましくは2〜4時間である。
また、反応終了後の溶媒濃縮時の温度は10℃〜60
℃、好ましくは10℃〜50℃、また、濃縮に必要とす
る時間は1〜8時間、好ましくは1〜2時間がよい。
【0025】更に、縮合反応における反応溶媒について
は、有機マグネシウムを用いた反応の場合には、通常グ
リニヤール反応で用いられているエーテル系の溶媒が好
ましく、例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキ
シエタン、ジグライム、ジイソプロピルエーテル、te
rt−ブチルメチルエーテルが好ましい。
【0026】本反応におけるカルバニオン発生剤として
利用できる好ましい有機マグネシウム化合物は、下記一
般式(4) R4−MgX (4) (式中、Xはハロゲン原子を意味し、R4 は低級アルキ
ル基、アラルキル基、フェニル基、ビニル基から選ばれ
たものである。) で表される有機マグネシウム化合物であり、その代表的
なものを例示すると、メチルマグネシウムブロミド、メ
チルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムヨージ
ド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウム
クロリド、エチルマグネシウムヨージド、ビニルマグネ
シウムクロリド、ビニルマグネシウムブロミド、ブチル
マグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリ
ド、ヘキシルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシ
ウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、シクロ
ヘキシルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネ
シウムブロミド、シクロペンチルマグネシウムブロミ
ド、シクロペンチルマグネシウムクロリド、フェニルマ
グネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、
ベンジルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウム
ブロミドを挙げることができる。
【0027】また、このようなグリニヤール試薬の他
に、一般式(10) R7−Mg−R8 (10) (式中、R7 、R8 は低級アルキル基、ベンジル基、フ
ェニル基を意味し、R7とR8 は同じでも異なっていて
もよく、両者が隣接して5或は6環を形成していてもよ
い。) で表される有機マグネシウム化合物も好ましく使用する
ことができる。
【0028】さらに、本発明は、(4S)−4−N,N
−ジベンジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ−ペン
タンニトリル誘導体(2)からベンジルマグネシウムハ
ライドの存在下にて(2S)−2−N,N−ジベンジル
アミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル−4−ヘキセ
ン−3−オン誘導体(6)を製造する方法、並びに、
(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−フェニルア
ラニンエステル誘導体(1)とアセトニトリルとを、ベ
ンジルマグネシウムハライドの存在下にて反応させて、
(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−アミノ
−1,6−ジフェニル−4−ヘキセン−3−オン誘導体
(6)を製造する方法をも提供する。
【0029】特に、有機マグネシウムのなかでもグリニ
ヤール試薬をカルバニオン発生剤に用いる場合は、アセ
トニトリルとグリニヤール試薬からアセトニトリルのカ
ルバニオンを調製したのち、(2S)−2−N,N−ジ
ベンジルアミノ−フェニルアラニンエステル誘導体
(1)と反応せしめると、ケトニトリル(2)のエノラ
ートが中間体として生成しているから、これを水で処理
して単離することなく、続いてベンジルマグネシウムハ
ライドを反応させることによって、次の目的物である
(2S)−2,5−ジアミノ−1,6−ジフェニル−4
−ヘキセン−3−オン誘導体(6)が、一段階で合成で
きる長所がある。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び参考例
用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何
ら限定されるものではない。
【0031】 1.生成物の化学純度の測定は以下に述べる条件で行な
った。 使用分析機器: Hitachi L−6000 Pump カラム: ShodexC18−5B 4.6×250mm 移動相: アセトニトリル/水=9/1 流速 : 1.0ml/min 検出: 254nm(UV)
【0032】 2.生成物の光学純度の測定は以下に述べる条件で行な
った。 使用分析機器: ShimadzuLC−9A Pump カラム : Chiralcel OD−H 4.6×250mm 移動相 : ヘキサン/イソプロピルアルコール=7/
3 流速 : 0.5ml/min 検出: 250nm(UV)
【0033】 3.反応のモニタリングは化学純度の測定条件を用いて
行った。 4.生成物は文献記載の方法(Timothy L. Stuk et al
J. Org. Chem. 1994, 59, 4040-4041 )で標準品を合成
し、HPLC及び 1H NMRから同定した。
【0034】
【比較例1】ナトリウムアミド(80.2g、2.06
mol)をトルエン(1020ml)に懸濁し、これに
7℃〜−20℃で(2S)−2−N,N−ジベンジルア
ミノ−フェニルアラニンベンジルエステル(340g、
781mmol)とアセトニトリル(42.7g、1.
04mol)のトルエン(550ml)溶液を1時間で
滴下した。これを15〜25℃で6時間攪拌した後、反
応液を4N−塩酸の40%メタノール水(1000m
l)に注いだ。有機層を30%メタノール水(2250
ml)で2回、水(1500ml)で2回、30%テト
ラヒドロフラン水で1回洗浄した。この時点での生成物
(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニ
ル−3−オキソ−ペンタンニトリルの光学純度は95.
6%e.e.であったが、このものを室温で一晩放置し
た後の光学純度は93.18%e.e.となった。更
に、この溶液を減圧下に40〜50℃で濃縮したところ
光学純度は更に低下して74.1%e.e.となった。
【0035】
【比較例2】ナトリウムアミド(6.94g、178m
mol)のテトラヒドロフラン(20ml)懸濁液に、
(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−フェニルア
ラニンベンジルエステル(29.8g、68.4mmo
l)とアセトニトリル(3.65g、89.0mmo
l)の混合液をを0℃以下で滴下した。滴下後0℃以下
で2時間攪拌し、反応液を4N−硫酸(100ml)に
注いで中和し、これをトルエン対ヘプタン( 150ml
対75ml)にて抽出し、40%メタノール水溶液、水
にて洗浄した。この段階で、ケトニトリルの光学純度は
は99.0e.e.%であった。このものを30℃にて
90時間放置すると94.9%e.e.にまでラセミ化
した。更に1 日放置すると91.7%e.e.にラセミ
化した。
【0036】
【参考例1】リチウムジエチルアミド(94mmol)
のテトラヒドロフラン溶液(100ml)を10℃以下
に冷却しておき、この中に(2S)−2−N,N−ジベ
ンジルアミノ−フェニルアラニンベンジルエステル(1
8.5g、42mmol)とアセトニトリル(3.38
g、82.4mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5
0ml)を滴下した。滴下後、9〜5℃で30分攪拌し
てから2Nの塩酸水(200ml)に注ぎ込み、トルエ
ン(300ml)で抽出した。分液の後に有機層を、水
(50ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50m
l)、水(50ml)の順で洗浄した。この時点で生成
物の光学純度は100%e.e.であった。トルエン溶
液を60℃以下、15〜5mmHgの減圧下で7時間か
けて濃縮した。この時点での光学純度は98%e.e.
であった。このものをブタノール(20ml)で再結晶
して9.26gの(4S)−4−N,N−ジベンジルア
ミノ−5−フェニル−3−オキソ−ペンタンニトリルを
得た。この化合物の光学純度は98%e.e.、収率は
59.3%であった。
【0037】
【参考例2】リチウム(18.8g、2.68mo
l)、ジエチルアミン(794g、10.87mo
l)、ミルセン(純度78%、正味364g、2.67
mol)から調製したリチウムジエチルアミドを(2
S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−フェニルアラニ
ンベンジルエステル(500g、1.15mol)とア
セトニトリル(61.3g、1.49mol)のトルエ
ン(1670ml)−ヘプタン(833ml)の混合液
に、10℃以下で滴下した。滴下後30分攪拌し、4N
−硫酸水溶液(3300ml)に注ぎ込んだ。トルエン
層は40%メタノール(2500ml)で2回、水(2
000ml)で1回洗浄した後、ブタノール(1100
ml)で再結晶し、341gの目的物(4S)−4−
N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ
−ペンタンニトリルを得た。収率は80.2%であっ
た。なお、このものの光学純度は100%e.e.であ
った。
【0038】
【実施例1】(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ
−フェニルアラニンベンジルエステル(50g、115
mmol)とアセトニトリル(6.12g、149mo
l)のテトラヒドロフラン溶液(32ml)を、0℃に
てtert−ブチルマグネシウムクロリド(420mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(150ml)中に滴
下した。滴下後室温に戻して、更に3時間攪拌し、反応
液を11%クエン酸水溶液に注いだ。有機層をトルエン
(400ml)/ヘプタン(200ml)にて抽出し、
分液後、有機層を40%メタノール水溶液で2回、更
に、水(200ml)で2回洗浄し、濃縮した。この時
点の生成物の光学純度は100%e.e.であった。濃
縮物をブタノール(100ml)から再結晶して37.
7gの目的物(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ
−5−フェニル−3−オキソ−ペンタンニトリルを得
た。この化合物の光学純度は100%e.e.、収率は
88.9%であった。
【0039】
【実施例2】(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ
−フェニルアラニンベンジルエステル(16g、36.
7mmol)とアセトニトリル(1.96g、47.8
mmol)のテトラヒドロフラン溶液(32ml)を、
−10℃以下で、ベンジルマグネシウムクロリド(16
1.7mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100m
l)に滴下した。これを−15℃で1.5時間攪拌し、
8%クエン酸水溶液(336g)に注いで、トルエン
(400ml)とヘプタン(200ml)で抽出し、有
機層を20%メタノール水溶液(100ml)で2回、
水(100ml)で2回洗浄後、濃縮した。この時点の
生成物の光学純度は100%e.e.であった。濃縮物
をブタノール(43ml)で再結晶することにより(1
0.7g)の目的物(4S)−4−N,N−ジベンジル
アミノ−5−フェニル−3−オキソペンタンニトリルを
得た。この化合物の光学純度は100%e.e.、収率
は79.1%であった。
【0040】
【実施例3】(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ
−フェニルアラニンベンジルエステル(50g、115
mmol)とアセトニトリル(4.95g、121mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(100ml)を
ンジルマグネシウムクロリド(917mmol)のテト
ラヒドロフラン溶液(300ml)の中に−10℃〜−
15℃で滴下した。同温度で2.5時間攪拌した後、更
に5℃で15時間攪拌した。テトラヒドロフランを減圧
下に回収した後、トルエン(250ml)を加えて、2
2%クエン酸水溶液に注いだ。水(250ml)で3回
洗浄後、有機層を濃縮し、エタノール(165ml)か
ら再結晶して34gの目的物(2S)−2−N,N−ジ
ベンジルアミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル−4
−ヘキセン−3−オンを得た。この化合物の光学純度は
100%e.e.、収率は58%であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によって、部分的にラ
セミ化することなく、光学的に純粋な(4S)−4−
N,N−ジベンジルアミノ−5−フェニル−3−オキソ
−ペンタンニトリル誘導体(2)及び(2S)−2−
N,N−ジベンジルアミノ−5−アミノ−1,6−ジフ
ェニル−4−ヘキセン−3−オン誘導体(6)を、収率
良く工業的に製造することができる。
【0042】また、有機マグネシウムのなかでもグリニ
ヤール試薬をカルバニオン発生剤に用いる場合は、アセ
トニトリルとグリニヤール試薬からアセトニトリルのカ
ルバニオンを調製したのち、(2S)−2−N,N−ジ
ベンジルアミノ−フェニルアラニンエステル誘導体
(1)と反応せしめると、中間体として生成しているケ
トニトリル(2)のエノラートを水で処理して単離する
ことなく、続いてベンジルマグネシウムハライドを反応
させることによって、(2S)−2,5−ジアミノ−
1,6−ジフェニル−4−ヘキセン−3−オン誘導体
(6)を、一段階で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 255/42 C07C 255/42 // C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 竹沢 敏之 静岡県磐田郡豊田町海老塚1 高砂香料 工業株式会社磐田工場内 (72)発明者 渡辺 誠司 静岡県磐田郡豊田町海老塚1 高砂香料 工業株式会社磐田工場内 (56)参考文献 特開 平4−308574(JP,A) 特表 平9−504024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 221/00 C07C 225/14 C07C 225/16 C07C 253/30 C07C 255/42 - 255/44 C07B 49/00 C07B 53/00 C07C 209/48 C07C 209/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基、ベンジル基、Bnはベ
    ンジル基、Phはフェニル基、*印は不斉炭素原子を意
    味する。) で表される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
    フェニルアラニンエステル誘導体とアセトニトリルと
    を、下記一般式(4) 4 −MgX (4) (式中、Xはハロゲン原子を意味し、R 4 は低級アルキ
    ル基、アラルキル基、フェニル基、ビニル基から選ばれ
    たものである。) で表される有機マグネシウム化合物 の存在下にて反応さ
    せることを特徴とする、 下記一般式(2) 【化2】 (式中、Bnはベンジル基、Phはフェニル基、また*
    印は不斉炭素原子を意味する。) で表される(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−
    5−フェニル−3−オキソ−ペンタンニトリル誘導体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化3】 (式中、R1 は低級アルキル基、ベンジル基、Bnはベ
    ンジル基、Phはフェニル基、*印は不斉炭素原子を意
    味する。) で表される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
    フェニルアラニンエステル誘導体とアセトニトリルと
    を、ベンジルマグネシウムハライドの存在下にて反応さ
    て(4S)−4−N,N−ジベンジルアミノ−5−フ
    ェニル−3−オキソ−ペンタンニトリル誘導体を得、引
    き続き、該誘導体とベンジルマグネシウムハライドとを
    反応させることを特徴とする、下記一般式(6) 【化4】 (式中、Bnはベンジル基、Phはフェニル基、また*
    印は不斉炭素原子を意味する。) で表される(2S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−
    5−アミノ−1,6−ジフェニル−4−ヘキセン−3−
    オン誘導体の製造方法。
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