JP3337349B2 - 狭開先自動溶接装置 - Google Patents
狭開先自動溶接装置Info
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Description
外周に狭い間隔で配列した円環状フィンを溶接付けする
場合に適用される狭開先自動溶接装置に関する。
器の外周に軸線方向と直角に狭い間隔で多数配列した円
環状フィンを、円筒容器を回転させながら溶接付けする
にあたっては、1台のみの溶接トーチすなわち1電極に
よるティグ溶接が行われているが、センサ等による倣い
機能はなく、またカメラによるアーク監視機能を備えて
いない。従ってこのような方法では以下の問題点があ
る。 (1)ティグ溶接はミグ溶接と比較して溶接速度が遅
く、1回の溶接で得られる溶着量が少ないため、長時間
の連続溶接となって熱によるフィンの歪み,変形が大き
くなる。 (2)1電極溶接は両側溶接のフィンでは片側ずつの溶
接となり、最初の片側の溶接で熱応力によるフィンの倒
れが大きく生じ、反対側を溶接しても完全に復元し難
い。 (3)フィンの円筒容器への溶接付けは隅肉溶接となる
が、溶接トーチの狙い位置決めが溶接品質に影響し、フ
ィンの高さが高くなりフィン間の間隔が狭くなって狭隘
になる程、人手による調整は困難となる。 (4)フィンの仮付けの際に生じた歪み変形による溶接
線の変化に追従して溶接することは難しい。 (5)ティグ溶接では溶接トーチとは別にワイヤ送給ノ
ズルが必要であるが、スペース上、狭隘箇所での適用は
難しい。 (6)以上の点から能率化,工数・コスト低減,品質確
保を図ることは難しい。
事情に鑑みて提案されたもので、2台のミグ溶接トーチ
で円環状フィンの両側で同時に高精度な追従倣いができ
るとともに狭隘な円環状フィン間における溶接が的確に
自動施工でき、また円環状フィンの溶接後の歪みを抑
え、厳しい溶接部の品質を確保でき、ひいては円筒容器
へのフィン溶接付けの高能率化,コスト低減化を図るこ
とができる狭開先自動溶接装置を提供することを目的と
する。
先自動溶接装置は、水平に置かれた大型長尺の円筒容器
の外周に軸線方向と直角に狭い間隔で多数配列した円環
状フィンを円筒容器を回転させながら両側から溶接付け
する装置であって、溶接付けするフィンの両側において
狭隘なフィン間に狙い角度調整可能に挿入された対向す
る2台のミグ溶接トーチと、各ミグ溶接トーチの基部を
上下位置調整可能に保持したうえ両ミグ溶接トーチの前
後位置間隔を設定するとともにそれぞれの左右倣い及び
上下倣いを行う保持スライド機構と、上記保持スライド
機構が上下位置決め手段,定荷重型バランサー及び左右
位置決め手段を介して取付けられ上下,左右,前後位置
決めをするマニプレータと、上記ミグ溶接トーチと共に
フィン間に挿入され左右倣いを制御する非接触センサ
と、上記ミグ溶接トーチが挿入されるフィン間に隣接す
るフィン間に挿入され上記保持スライド機構を上記円筒
容器の外周に沿って該円筒容器の軸線方向とは直角な方
向にガイドするガイドローラと、上記ミグ溶接トーチ前
方に配置され溶接部を観察するカメラ及び照明灯とを備
えたことを特徴とする。
のミグ溶接トーチでフィンの両側から同時に溶接するこ
とにより溶着量が多く、1パスで必要な溶接ビードの大
きさが得られるフィンの取付けが可能で、溶接時間,回
数が大幅に少なくなる。更に溶接後のフィンの倒れ,歪
み,変形を防ぐことができる。また、フィンの歪み,変
形により溶接線が変化しても、フィン及び円筒容器に対
して追従して倣うことで、ミグ溶接トーチの狙い位置が
最初に設定したそれぞれの相対的間隔を常に一定に保つ
ことができる。なお、溶接状況の遠隔監視及び遠隔操作
が可能となる。
について説明すると、図1は本装置の側面図、図2は平
面図、図3は図1の III−III に沿った断面図、図4は
図1のIV−IVに沿った断面図である。上図において、タ
ーニングローラで水平に回転自在に支持された大型長尺
の円筒容器1の外板2上に軸線方向と直角に円環状のフ
ィン3が多数仮付溶接して配列されている。隣接した狭
隘なフィン3間に2台のミグ溶接用のミグ溶接トーチ4
が向かいあって挿入され、ミグ溶接トーチ4間の1枚の
フィン3の両側より外板2との合わせ部(隅部)におけ
る隅肉溶接に適用される。それぞれのミグ溶接トーチ4
の基部はヒンジ5を介して溶接トーチ上下スライド6に
組み込まれた送りねじのスライドベース7に保持されて
おり、ハンドル8を回すことで上下に移動する。またボ
ルト9による半固定式のヒンジ5により任意の角度にミ
グ溶接トーチ4を傾斜させ固定する。
摺動式の溶接トーチ間位置決めスライド10に取付けら
れており、図2に示すようにフィン3と平行に摺動して
任意の位置でボルト11により固定される。これにより
2台のミグ溶接トーチ4の相対する溶接方向の間隔を設
定することができる。溶接トーチ間位置決めスライド1
0は、ガイド12を介して電動モータ13で駆動する送
りねじ式の左右倣いスライド14に取付けられており、
溶接方向に対してミグ溶接トーチ4を遠隔操作で左右に
移動することができる。またミグ溶接トーチ4の前方直
近に渦電流式で水冷機能を備えた非接触センサ15が配
され、ブラケット16及び位置調整スライド17を介し
てスライドベース7に取付けてある。この非接触センサ
15により同センサ15とフィン3との間隔を検出する
ことになり、これを左右倣いスライド14の制御部にフ
ィードバックすることで、フィン3と外板2の仮付けの
際に生じた歪み,変形に追従して左右倣いスライド14
の位置制御を行い、非接触センサ15とフィン3との間
隔を常に一定に保つことができる。すなわちミグ溶接ト
ーチ4の狙い位置を溶接線の変化に追従倣いさせること
ができる。また位置調整スライド17で非接触センサ1
5を前後させることでミグ溶接トーチ4とフィン3との
相対間隔を調整することができる。
並列に配したガイド18のみで構成する上下倣いスライ
ド19に取付けられており、自由に上下に摺動するよう
になっている。またミグ溶接トーチ4と隣接するフィン
間に、耐熱性と外板2表面を傷付けないことを考慮して
セラミックス製のガイドローラ20を進行方向に対して
前後に外板2上に接触配している。ガイドローラ20は
ピン21で支持されヒンジ22に取付けられている。ヒ
ンジ22はブラケット23を介して左右倣いスライド1
4の固定側に取付けられており、ターニングローラで回
転する円筒容器1の偏心等で外板2が上下した場合、こ
れと接触するガイドローラ20の上下が上下自在な上下
倣いスライド19を介して左右倣いスライド14に伝え
られる。これによりミグ溶接トーチ4の狙い位置を上下
に追従倣いさせることができる。
を介して鉛直方向に並列に配したガイド25により上下
に移動する送りねじ式の上下位置決めスライド26に取
付けられており、ハンドル27を回すことで上下に移動
し、任意の位置に位置決めする。上下位置決めスライド
26は、ブラケット28を介して鉛直方向に並列に配し
たガイド29のみで構成する上下スライド30に取付け
られており、自由に上下に摺動するようになっている。
更に上下スライド30の上部に、伸び量にかかわらず常
に一定の引張力が得られる定荷重型の渦巻き板ばね式バ
ランサー31を設けて板ばね先端をブラケット28に固
定し吊り下げてある。なお、バランサー31の容量とし
てはブラケット28を含む前側に搭載した前記の機構の
総重量に若干多くしたものとしている。これにより上下
スライド30のストロークを大きくすることで、チップ
の交換や手入れ等ミグ溶接トーチ4のメンテナンスの際
に作業者が片手でブラケット28に取付けた取手32に
より容易に持ち上げることで、ミグ溶接トーチ4をフィ
ン3内から抜き出すことができる。また上下スライド3
0の上下端には各々ロックねじ33を設けブラケット2
8を上端又は下端で固定することができる。
それぞれ保持した同じ仕様の左右対称の機構をブラケッ
ト34を介して左右位置決めスライド35に搭載し、円
筒容器1の軸線方向に対して移動させ溶接箇所の移動を
行う。更に、これを円筒容器1と直角方向に配置した上
下,左右,前後の3軸マニプレータ36に搭載してい
る。なお、ミグ溶接トーチ4の前方に位置決め治具37
によってカメラ38及び照明灯39を配し、ミグ溶接ト
ーチ4の狙い位置や溶接状況を観察する。
ば、2台のミグ溶接トーチ4をフィン3の両側に配し、
非接触センサ15とガイドローラ20とを使用し、カメ
ラ38及び照明灯39でミグ溶接トーチ4の狙い位置や
溶接状況を観察しながらフィン3の両側から同時に溶接
付けを施工することにより、フィン3間の狭隘部におけ
る高精度な追従倣いによる溶接作業が行われ、高能率化
及びコスト低減化が達成できるとともに、フィン3の溶
接後の歪みを抑え厳しい溶接部の品質確保ができる。
よれば、水平に置かれた大型長尺の円筒容器の外周に軸
線方向と直角に狭い間隔で多数配列した円環状フィンを
円筒容器を回転させながら両側から溶接付けする装置で
あって、溶接付けするフィンの両側において狭隘なフィ
ン間に狙い角度調整可能に挿入された対向する2台のミ
グ溶接トーチと、各ミグ溶接トーチの基部を上下位置調
整可能に保持したうえ両ミグ溶接トーチの前後位置間隔
を設定するとともにそれぞれの左右倣い及び上下倣いを
行う保持スライド機構と、上記保持スライド機構が上下
位置決め手段,定荷重型バランサー及び左右位置決め手
段を介して取付けられ上下,左右,前後位置決めをする
マニプレータと、上記ミグ溶接トーチと共にフィン間に
挿入され左右倣いを制御する非接触センサと、上記ミグ
溶接トーチが挿入されるフィン間に隣接するフィン間に
挿入され上記保持スライド機構を上記円筒容器の外周に
沿って該円筒容器の軸線方向とは直角な方向にガイドす
るガイドローラと、上記ミグ溶接トーチ前方に配置され
溶接部を観察するカメラ及び照明灯とを備えたことによ
り、2台のミグ溶接トーチで円環状フィンの両側で同時
に高精度な追従倣いができるとともに、狭隘な円環状フ
ィン間における溶接が的確に自動施工でき、また円環状
フィンの溶接後の歪みを抑え、厳しい溶接部の品質を確
保でき、ひいては円筒容器へのフィン溶接付けの高能率
化,コスト低減化を図ることができる狭開先自動溶接装
置を得るから、本発明は産業上極めて有益なものであ
る。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 水平に置かれた大型長尺の円筒容器の外
周に軸線方向と直角に狭い間隔で多数配列した円環状フ
ィンを円筒容器を回転させながら両側から溶接付けする
装置であって、溶接付けするフィンの両側において狭隘
なフィン間に狙い角度調整可能に挿入された対向する2
台のミグ溶接トーチと、各ミグ溶接トーチの基部を上下
位置調整可能に保持したうえ両ミグ溶接トーチの前後位
置間隔を設定するとともにそれぞれの左右倣い及び上下
倣いを行う保持スライド機構と、上記保持スライド機構
が上下位置決め手段,定荷重型バランサー及び左右位置
決め手段を介して取付けられ上下,左右,前後位置決め
をするマニプレータと、上記ミグ溶接トーチと共にフィ
ン間に挿入され左右倣いを制御する非接触センサと、上
記ミグ溶接トーチが挿入されるフィン間に隣接するフィ
ン間に挿入され上記保持スライド機構を上記円筒容器の
外周に沿って該円筒容器の軸線方向とは直角な方向にガ
イドするガイドローラと、上記ミグ溶接トーチ前方に配
置され溶接部を観察するカメラ及び照明灯とを備えたこ
とを特徴とする、狭開先自動溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17285895A JP3337349B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 狭開先自動溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17285895A JP3337349B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 狭開先自動溶接装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091342A JPH091342A (ja) | 1997-01-07 |
JP3337349B2 true JP3337349B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=15949606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17285895A Expired - Lifetime JP3337349B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 狭開先自動溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3337349B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102756198A (zh) * | 2012-07-19 | 2012-10-31 | 湖州久立管件有限公司 | 大口径弯头纵缝自动焊接装置 |
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CN111843189B (zh) * | 2020-08-06 | 2022-02-15 | 温州大学激光与光电智能制造研究院 | 一种带有辅助定位轨道的手持式激光焊接装置 |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP17285895A patent/JP3337349B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
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JPH091342A (ja) | 1997-01-07 |
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