JP3337180B2 - 自己保持型ソレノイド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野の説明】本発明は、主にピンチバル
ブ用ソレノイドに使用される円筒形状の自己保持型ソレ
ノイドの構造に関するものである。

【０００２】

【従来技術】図３（ａ）（ｂ）は従来の丸筒形状のピン
チバルブ用自己保持型ソレノイドの構造図で（ａ）図は
動作前（ｂ）図は動作時の状態を示す。図中１は磁性体
のケ−ス、２は磁性体のベ−スａ、３は磁性体のベ−ス
ｂ、４は永久磁石、５は非磁性体の軸受、６はコイルボ
ビン、７はコイル、８は磁性体のプランジャ（可動鉄
芯）、９はプランジャ８に固定された非磁性体の出力シ
ャフト、１７はピンチバルブの本体、１８は液体等が流
れるチュ−ブ、１９はチュ−ブの流路を開閉させる押し
ピンである。

【０００３】この動作は、コイル７に通電し励磁するこ
とにより、プランジャ８はベ−ス３ （２） に引込まれて吸引動作する。この時ピンチバルブの押し
ピン１９はチュ−ブ１８を押して穴をふさぎ液体の流れ
を止める。この状態で通電を切っても永久磁石４により
プランジャは保持状態を保つ。図３（ｂ）。復帰動作は
コイルへの通電の極性を逆にすることにより、ピンチバ
ルブ本体に内蔵されているバネにてプランジャ８は復帰
しチュ−ブ１８は開となる。図３−（ａ）。

【０００４】

【従来技術の問題点】係る従来構造ではプランジャ８の
可動範囲（ストロ−ク）は各部品の加工精度が良ければ
ほぼ一定に規制できるが実際には寸法精度のバラツキに
より一定に規制することが困難である。この為、プラン
ジャ−８が永久磁石に吸引される際に永久磁石自身の力
のバラツキと相俟って、出力シャフト９が負荷(ピンチバ
ルブ)に与える押圧力即ちチュ−ブ等を閉鎖する力に約
±４０％程度の誤差が生じ、しばしばチュ−ブの破損或
いは閉鎖洩れが生じる恐れがある。又この押圧力は一度
設定するとこれを変えることができない等の欠点があ
る。、

【０００５】

【発明の目的】本発明はプランジャ−が永久磁石に吸引
されるストロ−ク零（０ｍｍ）時に負荷による押圧力の
誤差を小さくすると共に押圧力を容易に調整できるソレ
ノイドを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための本発明の手段】円筒形状の自己
保持型ソレノイドに於いてプランジャとシャフトを一体
固定とせず、二つの間にバネを入れることにより吸着時
のストロ−ク０の時ソレノイドの保持力に関係なく押圧
バネの圧力がチュ−ブの押圧となるように構成する。

【０００７】

【実施例】図１、図２は本発明の実施例構造図で図１は
消磁時（復帰時）図２は励磁時（吸着保持時）の構造図
で従来例と同じ符号は同等部分を示す。本発明はプラン
ジ （３） ャ−８と出力シャフト９を滑合状態に保持せしめると共
に前記プランジャ−８と出力シャフト９間にスプリング
２０を挟持せしめ、コイル通電時前記プランジャ−及び
出力シャフトを前記ベ−ス側に可動せしめ、通電後前記
プランジャ−を前記永久磁石により保持せしめると共に
前記出力シャフトを前記スプリングのバネ力により押圧
保持せしめるようにしたことを特徴とするものである。

【０００８】即ちプランジャ８の中心部にバネ内蔵用の
溝をつくり、シャフト９との間に押圧バネ２０を入れ、
シャフト９はリング２１にてプランジャ８に固定する。
コイル７に通電するとプランジャ８はベ−ス３側に引込
まれ吸引動作する。プランジャ８はベ−ス３に当って吸
着し、通電を切っても永久磁石４によりそのまま保持状
態を保っている。一方シャフト９は吸引動作時はプラン
ジャの可動に伴うバネ力によりプランジャ８といっしょ
に吸引動作しプランジャ８がベ−ス３に当って吸着した
時には、所定の押圧バネ２０の圧力でピンチバルブのシ
ャフトを押すことによりピンチバルブの押しピン１９は
チュ−ブ１８の穴をふさぎ閉となる。復帰動作はコイル
への通電の極性を逆にすることにより、ピンチバルブ本
体に内蔵されているバネにてプランジャ８とシャフト９
は復帰しチュ−ブ１８は開になる。

【０００９】

【発明の効果】液体等の流量によりチュ−ブの太さも違
ってくるので押圧も変える必要がある。バネ圧にてチュ
−ブを押すことによりソレノイドの保持力に関係なく、
決められた押圧にすることができるし、押圧のバラツキ
を小さくすることができる。因みに本発明の構造によれ
ば押圧バラツキを１０％以下にすることが確認された。
しかも押圧バネは容易に交換可能なため押圧力の調整が
容易にできる等実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例構造図（復帰時） （４）

【図２】本発明の実施例構造図（吸着保持時）

【図３（ａ）（ｂ）】従来構造図

【符号の説明】

１ ケ−ス ２、３ 固定鉄芯（ベ−ス） ４ 永久磁石 ７ コイル ８ 可動鉄芯（プランジャ−） ９ 出力シャフト １７ 負荷（ピンチバルブ本体） １８ チュ−ブ １９ 押ピン ２０ 押圧バネ（スプリング）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁性体のケ−スにコイルを巻装したボビン
   と、固定鉄芯（ベ−ス）と、非磁性体の出力シャフトを
   貫通装着した磁性体の可動鉄芯（プランジャ−）及び前
   記プランジャ−の動作後、該プランジャ−を吸着状態に
   保持する永久磁石を備えた自己保持型ソレノイドにおい
   て、前記プランジャ−と出力シャフトを滑合状態に保持
   せしめると共に前記プランジャ−と出力シャフト間にス
   プリングを挟持せしめ、コイル通電時前記プランジャ−
   及び出力シャフトを前記ベ−ス側に可動せしめ、通電後
   前記プランジャ−を前記永久磁石により保持せしめると
   共に前記出力シャフトを前記スプリングのバネ力により
   押圧保持せしめるようにしたことを特徴とする自己保持
   型ソレノイド。