JPH06147344A - 高速作動電磁弁 - Google Patents

高速作動電磁弁

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JPH06147344A
JPH06147344A JP4322439A JP32243992A JPH06147344A JP H06147344 A JPH06147344 A JP H06147344A JP 4322439 A JP4322439 A JP 4322439A JP 32243992 A JP32243992 A JP 32243992A JP H06147344 A JPH06147344 A JP H06147344A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速反復動作を必要とする用途に適合した
高速作動電磁弁を提供することを目的とする。 【構成】 固定鉄心4と可動鉄心9との間に保持され
ている残磁キラー19は、コイル3通電時において固定
鉄心4と可動鉄心9との密着を防ぐとともに、通電遮断
時には両鉄心を離隔させる方向に弾拡する。これによ
り、閉弁動作と開弁動作との双方を高速化することがで
き、また、両鉄心および弁体18と弁座17との損傷が
軽減される。また、ガイドスリーブ5下端と中フレーム
12との溶接箇所13が、可動鉄心9のブッシュ11が
移動しうる範囲外に存在しているので、ブッシュ11の
損傷が少ない。これにより、高速反復動作が可能な電磁
弁を供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体の開閉を電磁石装置
により行う電磁弁に関し、さらに詳細には特に高速反復
作動に追随することを考慮した高速作動電磁弁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の開閉を電磁石装置による弁
体の駆動により行ういわゆる電磁弁が多方面で使用され
ている。かかる電磁弁の代表的な構造を図5に示す。図
5の電磁弁においては、コイル33に通電されていない
ときは、可動鉄心39が復帰バネ46の弾拡力により下
方に押下される結果、可動鉄心39の下端に取り付けら
れている弁体48が弁座47に当接して流体の流路を遮
断し、弁を閉状態としている。コイル33に通電する
と、固定鉄心34が帯磁して磁気的クーロン力を発生す
るので、可動鉄心39は復帰バネ46の弾拡力に抗して
上方に吸引される結果、弁体48が弁座47から離間し
て流体の流路が入口ポート51から出口ポート52まで
連通し、弁は開状態となる。コイル33の通電を切る
と、固定鉄心34および可動鉄心39は残留磁化の小さ
い軟磁性材料でできているので吸引力を失い、復帰バネ
46の弾拡力により弁は再び閉状態となる。
【0003】図5に示したのは電磁弁としては最も代表
的な、2ポート直動式通電時開形と呼ばれるものであ
る。これを基本に、電磁弁が使用される用途に応じて、
種々の変形を施したものも実用されている。例えば3ポ
ート形と呼ばれるものは、出口ポートを2個形成し、入
口ポートからの連通先を弁体の動きにより切り換えるも
のである。また、パイロット作動式と呼ばれるものは、
流体の流路を遮断する主弁と別個のパイロット弁を設け
ることにより、小電力で大流量の開閉を行うことを狙っ
たもので、応答速度の要求が厳しくない用途に用いられ
る。また、通電時閉形と呼ばれるものは、図5のものと
は逆にコイルに通電したときに弁が閉となるように、鉄
心の形状を工夫したもので、通常開とされ、ときどき閉
弁する用途に使用すれば消費電力を節約できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
自動織機等の分野では、応答速度の要求がきわめて厳し
く、毎秒数十回程度の開閉動作に追従する必要がある。
すなわち自動織機においては、横糸の挿通を水ジェット
にて行っており、かかる水噴射の断続を弁の開閉にて行
うのである。そして近年では自動織機にも高速化が要求
され、20回/秒程度の開閉頻度が求められるに至って
いる。そして電磁弁でこれに追随するのは容易ではな
い。直動式電磁弁であれば、前記したパイロット作動式
電磁弁よりは応答性がよいのであるが、それでも毎秒数
回程度が限界で、応答速度の要求に答えきれないのであ
る。また、このような高速反復動作をする用途の場合、
摺動部分等の寿命も問題になる。
【0005】ここで、電磁弁の応答速度を高速化する方
法について、開弁動作と閉弁動作(通電時開型電磁弁を
基準に考える)とを別々に考察する。まず、開弁動作に
おいては、例えば、 1.可動部(可動鉄心とその先端に取り付けられる弁
体)の重量を軽減する 2.可動部の摺動摩擦を軽減する 3.復帰バネの弾拡力を軽減する 4.コイルの発生磁力を強化する 5.鉄心の飽和磁化を大きくする 等が考えられる。
【0006】そして、閉弁動作においては、例えば、 1’.可動部の重量を軽減する 2’.可動部の摺動摩擦を軽減する 3’.復帰バネの弾拡力を強化する 4’.コイルの発生磁力を軽減する 5’.鉄心の残留磁化を小さくする 等が考えられる。
【0007】ここで、上記1.と1’.、2.と2’.
は、開弁動作と閉弁動作とで共通しているが、3.と
3’.、4.と4’.は、それぞれ互いに相反してい
る。そして5.と5’.は、一応独立である。したがっ
て、1.(1’.)、2.(2’.)、5.、および
5’.により、電磁弁の応答速度をある程度向上するこ
とができるが、それ以上は、3.と3’.および4.と
4’.の相反性により、開弁動作の高速化と閉弁動作の
高速化とは2者択一となる。これに対し、前記した高速
反復動作においては、開弁動作と閉弁動作との両方に高
速性が要求されるので、電磁弁によりこれに追従するの
が困難なのである。
【0008】ここに挙げた各要因のうち、最も根幹的な
要因は5’.の残留磁化である。電磁石の鉄心として
は、磁化率がある程度以上大きい材料を選ぶ必要があ
り、その種の材料のうち残留磁化の小さいものを軟磁性
材料と呼んでいるが、いかなる軟磁性材料といえども、
残留磁化がゼロであるようなものは存在しない。そし
て、可動鉄心が固定鉄心に吸引されているときには、こ
れらは密着しているので両磁極間の距離は非常に短い。
したがってこの状態からコイルの通電が切られて鉄心に
微少な残留磁化のみが残っても、クーロンの逆2乗則に
より両鉄心間の吸引力はかなりのものとなる。このこと
が、電磁弁の閉弁動作の初期速度に大きく影響している
のである。また、この残留磁化による吸引力に抗するた
め復帰バネの弾拡力を大きくとらざるを得ないことか
ら、前記3.に反し開弁動作の応答速度にも影響してい
るのである。
【0009】次に、電磁弁の寿命の問題について考察す
る。図5中の可動鉄心39は、コイル33を巻回する円
筒形コイルボビンの内側に嵌挿されているガイドスリー
ブ35の内部を摺動運動する。かかるガイドスリーブ3
5は、コイル33に通電したときに発生する磁束を有効
に可動鉄心に伝えるためのものであるため、非磁性材料
でなければならず、例えばSUS304(オーステナイ
ト系ステンレス鋼)管等が使用される。したがって可動
鉄心39の摺動部分の摩耗が問題となる。一方、従来か
ら、可動鉄心39の摺動面にはガイドスリーブ35との
磁気的吸引による摺動抵抗増大を防ぐため1mm前後の
厚さを有する非磁性体のベアリング材49を嵌着するこ
とが行われている。ところがベアリング材49として多
用される樹脂材料は、一般に耐摩耗性に優れないので早
期に摩滅し、寿命を確保できないのである。
【0010】さらに、ガイドスリーブ35とブロック4
2との溶接部近傍は溶接に伴い変形し、さらに溶接箇所
には余盛43が存在するので、ベアリング材49はかか
る変形および余盛43によって激しく切削される。むろ
んベアリング材49の摩耗を軽減するためガイドスリー
ブ35内面は、研磨により粗度0.85程度に仕上げる
のであるが、溶接後は研磨加工が困難だからである。電
磁弁の動作が高速反復動作であると、かかる切削が非常
に激しく、ベアリング材49の寿命は極端に短くなる。
ここで例えば図6のように、ラッパ形状のガイドスリー
ブ36を採用して、溶接部と可動鉄心の摺動面とを分離
することも可能であるが、ガイドスリーブ36をラッパ
状に加工する工程が必要となる。
【0011】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、開弁動作の高速化を阻害する復
帰バネの強化なくして閉弁動作を高速化し、もって弁の
開閉動作双方の高速化を可能とするとともに、ガイドス
リーブを特殊形状とすることなく摺動部位における無用
の切削を排除して長寿命化することにより、高速反復動
作に適した高速作動電磁弁を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の高速作動電磁弁は、フレーム内に配設された
円筒形のボビンと、ボビンに巻回されているコイルと、
ボビン内に固定鉄心とともに固定された円筒形のガイド
スリーブと、ガイドスリーブ内に摺動可能に挿入された
可動鉄心と、可動鉄心の外周面に嵌着された摺動部材
と、可動鉄心とフレームとの間に挟持され可動鉄心を固
定鉄心から離間させる方向に付勢する復帰バネと、可動
鉄心の固定鉄心に対向する側と反対の端部に固着された
弁体にて弁の開閉を行う電磁弁であって、前記可動鉄心
が前期固定鉄心から離間している状態における前期摺動
部材の下端が、前期ガイドスリーブの固定鉄心の反対側
の端部とフレームとの溶接箇所より上方にあることを特
徴とする構成とされる。
【0013】または、本発明の高速作動電磁弁は、フレ
ーム内に配設された円筒形のボビンと、ボビンに巻回さ
れているコイルと、ボビン内に固定鉄心とともに固定さ
れた円筒形のガイドスリーブと、ガイドスリーブ内に摺
動可能に挿入された可動鉄心と、可動鉄心の外周面に嵌
着された摺動部材と、可動鉄心とフレームとの間に挟持
され可動鉄心を固定鉄心から離間させる方向に付勢する
復帰バネと、可動鉄心の固定鉄心に対向する側と反対の
端部に固着された弁体にて弁の開閉を行う電磁弁であっ
て、非磁性体であるとともに厚さ方向に弾拡しようとす
る弾性体である板状部材が前記可動鉄心と前記固定鉄心
との間に装入されていることを特徴とする構成とされ
る。また、本発明の高速作動電磁弁は、前記板状部材の
自由厚は、前記可動鉄心が前記固定鉄心から離間してい
るときの可動鉄心と固定鉄心との間隔より小さいことを
特徴とする前記の構成とされる。
【0014】
【作用】前記構成を有する本発明の高速作動電磁弁で
は、コイルに通電していないときには、復帰バネと板状
部材との弾拡力により可動鉄心が固定鉄心から離間さ
れ、可動鉄心の端部に固設されている弁体により弁は閉
とされている。コイルに通電すると、固定鉄心が帯磁す
るので、可動鉄心はガイドスリーブ内を摺動して固定鉄
心に吸引され、弁は開となる。コイルの通電を切ると、
復帰バネと板状部材との弾拡力により閉弁状態に戻る。
【0015】このとき、ガイドスリーブとフレームとの
溶接箇所が可動鉄心の摺動部位の摺動範囲外にあるの
で、溶接箇所の余盛により可動鉄心の摺動部位が切削さ
れることがなく可動鉄心の寿命が長い。また、固定鉄心
と可動鉄心との間に非磁性体の板状部材が封入されてい
るので、コイルの通電時においても、固定鉄心と可動鉄
心との密着が防がれる。したがって固定鉄心と可動鉄心
との間隙が確保されるので、通電遮断時の残留磁化によ
る残留吸引力は極めて小さく、復帰バネおよび板状部材
の弾拡力による閉弁動作開始が迅速である。また、板状
部材の自由厚は、コイル非通電時の可動鉄心と固定鉄心
との間隔より小さいので、板状部材の弾拡力は、開弁動
作の開始を妨げることはなく、したがって開弁動作も迅
速である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の高速作動電磁弁を具体化した
一実施例を図面を参照して説明する。まず、理解の便宜
上、電磁弁全体としての構成および動作を説明し、しか
るのちに本発明としての特徴部分を説明する。図1は、
閉弁状態で示す本実施例にかかる高速作動電磁弁1の断
面図である。図1に示す高速作動電磁弁1は、上半分の
ソレノイド部10と下半分のボディ20とより構成され
ており、本発明の特徴部分はソレノイド部10に含まれ
ている。
【0017】そこで、まずソレノイド部10の構造につ
いて説明する。ソレノイド部10の中心には、両端にフ
ランジを有する中空円筒形状のコイルボビン2の胴部に
導線を巻回してなるコイル3がある。コイルボビン2の
中空部には固定鉄心4と中空円筒形状のガイドスリーブ
5とが嵌挿され、固定鉄心4とガイドスリーブ5とは溶
接部6にて溶接されている。そして固定鉄心4はボルト
7により、コイルボビン2を固設する上フレーム8に固
定されているので、コイルボビン2、固定鉄心4、およ
びガイドスリーブ5は相互に固定されていることにな
る。
【0018】ガイドスリーブ5の内部には、可動鉄心9
が摺動可能に嵌合され保持されている。可動鉄心9の、
ガイドスリーブ5の内面との摺動面たる外周面は、摺動
による摩擦損失を低減すべく樹脂等のブッシュ11によ
り被覆されている。ガイドスリーブ5の下端は、中フレ
ーム12に溶接されており、かかる溶接箇所13はブッ
シュ11の下端より図中下に位置している。中フレーム
12は、上フレーム8とボディ20とを接続する役割を
も有している。
【0019】可動鉄心9下端外周のフランジ部15と中
フレーム12との間には復帰バネ16が挟持されてお
り、復帰バネ16の弾拡力により可動鉄心9は常に下方
に付勢されている。可動鉄心9の下端には、後述する弁
座17と当接する弁体18が固設されている。可動鉄心
9の上端と固定鉄心4との間には、弾拡力を有する板状
部材である非磁性体の残磁キラー19が装入されてい
る。以上の構成を有するソレノイド部10の下方には、
ボディ20が組み合わされている。ボディ20には、両
側に入側ポート21と出側ポート22とが穿設されてお
り、中央には前記した弁体18と当接する弁座17が形
成されている。以上、ソレノイド部10とボディ20と
により、高速作動電磁弁1は構成されている。
【0020】続いて、前記構成を有する高速作動電磁弁
1の動作について説明する。まず、図1の断面図は、高
速作動電磁弁1のコイル3に通電されていない状態を示
している。この状態では、復帰バネ16の弾拡力により
可動鉄心9は下方に付勢され固定鉄心4から離間し、可
動鉄心9の下端に固設されている弁体18が弁座17に
当接して、入側ポート21と出側ポート22との連通を
遮断している。すなわち、弁は閉状態である。コイル3
に通電すると、固定鉄心4が磁化され可動鉄心9を上方
に吸引する。このため、可動鉄心9は復帰バネ16およ
び残磁キラー19の弾拡力に抗して上方に移動し、弁体
18が弁座17から離間して、入側ポート21と出側ポ
ート22とが連通し、弁は開となる。この状態における
断面図を図2に示す。コイル3の通電を切ると、軟磁性
体である固定鉄心4は磁化を失うので、可動鉄心9は復
帰バネ16および残磁キラー19の弾拡力により図1の
状態に戻る。以上が高速作動電磁弁1全体の構成および
動作である。
【0021】次に、以上の全体構成および動作を有する
高速作動電磁弁1における本発明としての第1の主要部
分である残磁キラー19について説明する。残磁キラー
19の斜視図、平面図、側面図を図3(a)、(b)、
(c)に示す。残磁キラー19は、例えば銅のような非
磁性材料のC字形状をした弾性板状部材であって、厚み
方向にひねりを加えられている。かかる残磁キラー19
は、高速作動電磁弁1において、固定鉄心4と可動鉄心
9との間に装入されており、コイル3通電時、すなわち
固定鉄心4に可動鉄心9が吸引されているときにおい
て、固定鉄心4と可動鉄心9との密着を防ぐ機能と、コ
イル3の通電をオフしたとき、すなわち閉弁動作の開始
時において、復帰バネ16の弾拡力を助勢する機能とを
有している。
【0022】まず、残磁キラー19の、固定鉄心4と可
動鉄心9との密着を防ぐ機能について説明する。残磁キ
ラー19がない場合、すなわち従来の電磁弁では、コイ
ル3通電時は、固定鉄心4と可動鉄心9とは密着するの
で、両磁極間の距離は非常に小さい。したがって通電を
オフしても鉄心に残る微少な残留磁化による残留吸引力
が無視できず、これが閉弁動作高速化を阻害していたの
である。本実施例の高速作動電磁弁1においては、残磁
キラー19の働きにより、固定鉄心4と可動鉄心9との
密着が防がれるので、このような弊害がない。したがっ
て残磁キラー19は自身が磁化することのない非磁性体
でなければならず、本実施例においてはりん青銅板を使
用している。むろん、非磁性体であり、かつ、後述する
弾性を有する素材であれば、りん青銅板以外であっても
よい。りん青銅以外のこのような材料としては、例えば
オーステナイト系ステンレス鋼等が挙げられる。
【0023】続いて、残磁キラー19の、復帰バネ16
の弾拡力を助勢する機能について説明する。前記のよう
に残磁キラー19は弾性体であり、厚み方向にひねりを
加えられているので、板バネとして作用する。コイル3
通電時は、吸引しようとする両鉄心により押圧され平板
状になっているが、コイル3の通電をオフすると、板バ
ネとしての弾拡力により両鉄心間を離間させようとし
て、復帰バネ16の弾拡力を助勢するのである。このこ
とも、さきの密着防止機能同様、閉弁動作高速化に貢献
している。
【0024】さらに、残磁キラー19の自由厚が両鉄心
間の最大間隔、すなわち弁座17に弁体18が当接して
いるときの間隔より小さいので、両鉄心間の間隔が残磁
キラー19の自由厚より大きくなった以後は、可動鉄心
9は復帰バネ16のみの弾拡力により駆動されることに
なるが、この時点では両鉄心間の間隔がかなり大きいの
で残留磁化による残留吸引力の影響はほとんどない。ま
たこのことは、弁体18が弁座17に当接するときの衝
撃が小さいことを意味するので、弁体18および弁座1
7の損傷が小さくてすみ、高速作動電磁弁1の長寿命化
にも貢献する。
【0025】さらに、残磁キラー19は、高速作動電磁
弁1の開弁動作の高速化にも貢献している。すなわち、
開弁動作開始時には残磁キラー19の弾拡力は働かない
ので、鉄心の帯磁による吸引力は、復帰バネ16の弾拡
力のみに抗すればよいのである。特に開弁動作開始時は
両鉄心間の間隔がかなり大きいので、逆2乗則により吸
引力が小さいことから、このことの効果は大きい。開弁
動作が進行して両鉄心間の間隔が残磁キラー19の自由
厚より小さくなると、残磁キラー19の弾拡力が働くこ
ととなるが、この時点では吸引力が充分大きくなってお
り、可動鉄心9は復帰バネ16および残磁キラー19の
弾拡力に抗して上方に移動し、残磁キラー19を押圧す
る。このときも、残磁キラー19の存在により、両鉄心
の当接衝撃が緩和されており、長寿命化に貢献してい
る。こうして、残磁キラー19は、閉弁動作と開弁動作
との両方の高速化に貢献するとともに、間接的に長寿命
化にも貢献するのである。
【0026】ここで、本実施例における可動鉄心9の構
造について説明する。図4に可動鉄心9の断面図を示
す。可動鉄心9には、可動鉄心9とガイドスリーブ5と
が磁気的に吸引して摺動抵抗となるのを防ぐための非磁
性体であるブッシュ11が嵌着されており、可動鉄心9
自身が直接ガイドスリーブ5と接触して摺動することは
ない。本実施例においてはブッシュ11として0.8m
m厚の樹脂を使用しているが、非磁性の材料であれば樹
脂以外でもよく、さらに摩擦抵抗の低い材料であるのが
望ましい。図4中左端に形成されている弁体保持部23
には、弁体18が固着される。
【0027】可動鉄心9の中心には、通気ポート24が
穿設されている。さらに、弁体保持部23近傍に、通気
ポート24と外部すなわち入側ポート21とを連通する
通気孔25が穿設されている。通気ポート24および通
気孔25が穿設されている理由は、固定鉄心4と可動鉄
心9との間の空間を気密にしないことにある。該空間は
可動鉄心の動きによりその体積を変えるので、気密であ
ると圧力変化により可動鉄心9の動きを阻害するのであ
る。本実施例では、通気ポート24および通気孔25に
より、この弊害が防がれている。
【0028】次に、高速作動電磁弁1における本発明と
しての第2の主要部分であるガイドスリーブ5下端と中
フレーム12との溶接箇所13について説明する。高速
作動電磁弁1においては図1および図2に示すように、
ガイドスリーブ5下端と中フレーム12との溶接箇所1
3は、可動鉄心9のブッシュ11が移動しうる範囲内の
最下端より下に存在している。溶接箇所13は、コイル
3が発生する磁束を漏れなく固定鉄心4に伝えるために
は不可欠なのであるが、溶接時に不可避的に変形および
余盛を生ずるので、図5に示す従来の電磁弁のように、
ブッシュの摺動範囲内にこれがあると摺動動作にともな
いブッシュを切削してしまうのである。特に高速反復動
作を行うと、この切削によるブッシュの損傷が著しく、
電磁弁の寿命は極端に短くなる。
【0029】ここで例えば図6のように、ガイドスリー
ブ36をラッパ形状のものとして、溶接部と可動鉄心の
摺動面とを分離することも可能であるが、ガイドスリー
ブ36をラッパ状に加工する工程が必要となる。そこ
で、高速作動電磁弁1においては、かかる溶接箇所13
をブッシュ11の摺動範囲外に配置することにより、ガ
イドスリーブを特殊形状に加工する必要なく、溶接箇所
13によるブッシュ11の切削が起こらないようにし
て、高速反復動作に耐える耐久性を与えている。
【0030】以上説明したように、本実施例の高速作動
電磁弁1においては、残磁キラー19の機能と、ガイド
スリーブ5下端と中フレーム12との溶接箇所13を摺
動範囲外としたこととにより、弁の開閉動作を高速化
し、かつ、各運動部分の耐久性を向上させ、もって高速
反復動作を可能ならしめている。これにより、例えば、
自動織機の水ジェット機構のような、20回/秒程度の
開閉頻度が求められる分野にも電磁弁を使用することが
可能となった。なお、前記実施例は本発明を限定するも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々の変形、改良が可能であることはもちろんである。
例えば、前記実施例では、2ポート形の直動式通電時開
形電磁弁に本発明を適用した例であったが、3ポート形
や通電時閉形の電磁弁に本発明を適用してもよい。ま
た、パイロット作動式電磁弁は、本来高速作動を意図し
たものではないが、本発明の適用を妨げるものは特にな
い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明の高速作動電磁弁では、ソレノイド装置により弁体を
駆動してポートの開閉を行う電磁弁において、可動鉄心
と固定鉄心との間に装入されている非磁性弾性体である
板状部材を有することとしたので、開弁動作と閉弁動作
とがともに迅速で、かつ、弁座と弁体、可動鉄心と固定
鉄心のような当接箇所の損傷が少なく、したがって自動
織機のような高速反復動作を要求される用途に使用可能
である。また、ガイドスリーブ下端とブロックとの溶接
箇所を摺動範囲外としたので、ガイドスリーブを特殊な
形状とする必要なく、溶接箇所の余盛によるブッシュの
切削を防ぐことができ、したがって高速反復動作をさせ
ても長寿命である。以上により高速反復動作を必要とす
る用途に好適な高速作動電磁弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である高速作動電磁弁の構成
を閉弁状態で示す断面図である。
【図2】図1に示す高速作動電磁弁の開弁状態を示す断
面図である。
【図3】図1および図2に示す高速作動電磁弁に使用さ
れている残磁キラーを説明する図である。
【図4】図1および図2に示す高速作動電磁弁に使用さ
れている可動鉄心の構造を説明する図である。
【図5】従来の電磁弁の構成を示す断面図である。
【図6】従来の電磁弁の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2 ボビン 3 コイル 4 固定鉄心 5 ガイドスリーブ 8 上フレーム 9 可動鉄心 12 中フレーム 13 溶接箇所 16 復帰バネ 18 弁体 19 残磁キラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム内に配設された円筒形のボビ
    ンと、ボビンに巻回されているコイルと、ボビン内に固
    定鉄心とともに固定された円筒形のガイドスリーブと、
    ガイドスリーブ内に摺動可能に挿入された可動鉄心と、
    可動鉄心の外周面に嵌着された摺動部材と、可動鉄心と
    フレームとの間に挟持され可動鉄心を固定鉄心から離間
    させる方向に付勢する復帰バネと、可動鉄心の固定鉄心
    に対向する側と反対の端部に固着された弁体にて弁の開
    閉を行う電磁弁において、 前記可動鉄心が前期固定鉄心から離間している状態にお
    ける前期摺動部材の下端が、前期ガイドスリーブの固定
    鉄心の反対側の端部とフレームとの溶接箇所より上方に
    あることを特徴とする高速作動電磁弁。
  2. 【請求項2】 フレーム内に配設された円筒形のボビ
    ンと、ボビンに巻回されているコイルと、ボビン内に固
    定鉄心とともに固定された円筒形のガイドスリーブと、
    ガイドスリーブ内に摺動可能に挿入された可動鉄心と、
    可動鉄心の外周面に嵌着された摺動部材と、可動鉄心と
    フレームとの間に挟持され可動鉄心を固定鉄心から離間
    させる方向に付勢する復帰バネと、可動鉄心の固定鉄心
    に対向する側と反対の端部に固着された弁体にて弁の開
    閉を行う電磁弁において、 非磁性体であるとともに厚さ方向に弾拡しようとする弾
    性体である板状部材が前記可動鉄心と前記固定鉄心との
    間に装入されていることを特徴とする高速作動電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記板状部材の自由厚は、前記可動鉄
    心が前記固定鉄心から離間しているときの可動鉄心と固
    定鉄心との間隔より小さいことを特徴とする請求項2に
    記載する高速作動電磁弁。
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