JP3336871B2 - モールドトランスおよびその製造方法 - Google Patents

モールドトランスおよびその製造方法

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JP3336871B2
JP3336871B2 JP23485096A JP23485096A JP3336871B2 JP 3336871 B2 JP3336871 B2 JP 3336871B2 JP 23485096 A JP23485096 A JP 23485096A JP 23485096 A JP23485096 A JP 23485096A JP 3336871 B2 JP3336871 B2 JP 3336871B2
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義昭 松本
隆幸 安達
健 小山
威彦 小田垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種民生機器等に
使用するモールドトランスおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】以下、従来のモールドトランスについて
図面を参照しながら説明する。
【0003】図6は、従来のモールドトランスの一部切
り欠き斜視図、図7は、同モールドトランスのモールド
外装部を形成する流動絶縁樹脂の内部圧力状態を示す平
面断面図である。
【0004】図6、図7において、従来のモールドトラ
ンスは、貫通孔41を有するボビン31と、このボビン
31に巻装する巻線32と、この巻線32に接続すると
ともに、ボビン31に植設した端子33と、ボビン31
の貫通孔41に挿入するとともに、第1の磁芯37と第
2の磁芯38とを突き合わせて閉磁路を形成する閉磁路
磁芯39とにより本体40を形成している。また端子3
3の一部を突出させるとともに、本体40を絶縁樹脂に
より被覆するモールド外装部35を備えている。
【0005】また、第1の磁芯37および第2の磁芯3
8は、E型形状のフェライトコアとし、中央の磁脚を互
いにボビン31の貫通孔41に挿入した構成である。
【0006】さらに、図7に示すように、モールド外装
部35を形成する流動絶縁樹脂の内部圧力状態は、閉磁
路磁芯39にAのように本体側面に圧力が加わった状態
となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、モール
ド外装部35で本体40が被覆されるので、必然的に、
閉磁路磁芯39を形成する第1の磁芯37および第2の
磁芯38にも、モールド外装部35が被覆されることに
なる。
【0008】一般に、モールド外装部35は、本体40
を金型内に挿入し、この金型内に高温の絶縁樹脂を注入
して本体に被覆し、固化させて形成するので、本体40
には、熱ストレス、注入時の射出圧力、固化時の熱収縮
応力等の機械的応力が生じ、第1の磁芯37および第2
の磁芯38にも、この機械的応力が同様に生じる。
【0009】通常、磁芯に応力が加わると磁気歪が生じ
て、インダクタンス等の特性を劣化させるという現象が
発生するが、上記構成においても、この機械的応力によ
り、第1の磁芯37および第2の磁芯38に磁気歪が生
じて、インダクタンス等の特性が劣化するという問題点
を有していた。
【0010】特に、第1の磁芯37および第2の磁芯3
8において、ボビン31の貫通孔41内から露出した部
分に機械的応力が生じやすく、インダクタンス等の特性
を向上させることができなかった。
【0011】本発明は上記問題点を解決するもので、第
1の磁芯および第2の磁芯において、ボビンの貫通孔内
から露出した部分に機械的応力を生じにくくし、インダ
クタンス等の特性を向上させたモールドトランスおよび
その製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために、特に、モールド外装部は、流動絶縁樹脂
を固化させて形成しており、第1の磁芯と第2の磁芯と
の突き合わせ面側の本体側面上に、モールド外装部を被
覆した側面モールド外装部と、モールド外装部を被覆し
ない非側面モールド外装部を設け、前記モールド外装部
を形成する前記流動絶縁樹脂の注入口を本体上面側また
は下面側の閉磁路磁芯上に設けるとともに、前記側面モ
ールド外装部を前記本体上面上に被覆した前記モールド
外装部に連続的に被覆して設けており、前記非側面モー
ルド外装部を、前記本体側面の下側にスリット状に設け
構成である。
【0013】上記構成により、前記第1の磁芯と前記第
2の磁芯との突き合わせ面側の前記本体側面上には、モ
ールド外装部を被覆しない非側面モールド外装部を設け
ているので、第1の磁芯および第2の磁芯において、ボ
ビンの貫通孔内から露出した本体側面部分には、機械的
応力が生じにくくなり、インダクタンス等の特性を向上
させることができる。
【0014】また、第1の磁芯と第2の磁芯との突き合
わせ面側の本体側面に機械的応力が生じると、第1の磁
芯と第2の磁芯とが位置ずれしやすいが、本体側面部分
には、機械的応力が生じにくいので、位置ずれも抑制し
て、インダクタンス等の特性を向上させることができ
る。
【0015】さらに、非側面モールド外装部を、本体側
面の下側にスリット状に設けるので、本体下面側のモー
ルド外装部は、本体側面側の側面モールド外装部から連
続的に被覆される箇所が少なくなり、本体側面側の流動
絶縁樹脂の充填の完了が、本体上面側の流動絶縁樹脂の
充填の完了よりも一層速くなり、本体側面側の充填完了
時にかかる充填圧力の緩和がより一層図れる。
【0016】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂
の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した
際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部から
の機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装部
からの機械的応力を小さくできるので、本体側面側の側
面モールド外装部から、第1の磁芯、第2の磁芯へ生じ
る機械的応力を一層生じにくくさせることができ、イン
ダクタンス等の特性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
特に、モールド外装部は、流動絶縁樹脂を固化させて形
成しており、第1の磁芯と第2の磁芯との突き合わせ面
側の本体側面上に、モールド外装部を被覆した側面モー
ルド外装部と、モールド外装部を被覆 しない非側面モー
ルド外装部を設け、前記モールド外装部を形成する前記
流動絶縁樹脂の注入口を本体上面側または下面側の閉磁
路磁芯上に設けるとともに、前記側面モールド外装部を
前記本体上面上に被覆した前記モールド外装部に連続的
に被覆して設けており、前記非側面モールド外装部を、
前記本体側面の下側にスリット状に設けた構成である。
【0018】上記構成により、前記第1の磁芯と前記第
2の磁芯との突き合わせ面側の前記本体側面上には、モ
ールド外装部を被覆しない非側面モールド外装部を設け
ているので、第1の磁芯および第2の磁芯において、ボ
ビンの貫通孔内から露出した本体側面部分には、機械的
応力が生じにくくなり、インダクタンス等の特性を向上
させることができる。
【0019】また、第1の磁芯と第2の磁芯との突き合
わせ面側の本体側面に機械的応力が生じると、第1の磁
芯と第2の磁芯とが位置ずれしやすいが、本体側面部分
には、機械的応力が生じにくいので、位置ずれも抑制し
て、インダクタンス等の特性を向上させることができ
る。
【0020】さらに、非側面モールド外装部を、本体側
面の下側にスリット状に設けるので、本体下面側のモー
ルド外装部は、本体側面側の側面モールド外装部から連
続的に被覆される箇所が少なくなり、本体側面側の流動
絶縁樹脂の充填の完了が、本体上面側の流動絶縁樹脂の
充填の完了よりも一層速くなり、本体側面側の充填完了
時にかかる充填圧力の緩和がより一層図れる。
【0021】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂
の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した
際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部から
の機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装部
からの機械的応力を小さくできるので、本体側面側の側
面モールド外装部から、第1の磁芯、第2の磁芯へ生じ
る機械的応力を一層生じにくくさせることができ、イン
ダクタンス等の特性を向上させることができる
【0022】本発明の請求項2記載の発明は、請求項
記載の発明において、非側面モールド外装部を、本体側
面の第1の磁芯と第2の磁芯の端部上にスリット状に設
けた構成である。
【0023】上記構成により、第1の磁芯と第2の磁芯
との突き合わせ面側の本体側面は、本体側面の下側のス
リット状の非側面モールド外装部と、第1の磁芯と第2
の磁芯の端部上のスリット状の非側面モールド外装部と
により囲まれるので、本体側面側の流動絶縁樹脂の充填
の完了が、非常に速くなり、本体側面側の充填完了時に
かかる充填圧力の緩和も、最も効率が良くなる。
【0024】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂
の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した
際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部から
の機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装部
からの機械的応力を最も効率よく小さくできるので、本
体側面側の側面モールド外装部から、第1の磁芯、第2
の磁芯へ機械的応力をほとんど生じさせず、インダクタ
ンス等の特性を非常に向上させることができる。
【0025】本発明の請求項記載の発明は、本体を形
成する第1工程と、前記本体に流動絶縁樹脂を被覆し、
固化して、モールド外装部を形成する第2工程とを備
え、前記第1工程は、貫通孔を有するボビンに巻線を巻
装する巻装工程と、前記巻線をボビンに植設した端子に
接続する端子接続工程と、前記ボビンの貫通孔に挿入す
るとともに、第1の磁芯と第2の磁芯とを突き合わせて
閉磁路磁芯を形成する閉磁路磁芯形成工程とを有してお
り、前記第2工程は、前記流動絶縁樹脂を前記本体上面
側または下面側から注入し、最初の注入完了箇所は、前
記第1の磁芯と前記第2の磁芯との突き合わせ面側の前
記本体側面部分とした製造方法である。
【0026】上記構成により、流動絶縁樹脂を本体上面
側または下面側から注入し、最初の注入完了箇所は、第
1の磁芯と第2の磁芯との突き合わせ面側の本体側面部
分とするので、本体側面側の充填時にかかる充填圧力の
緩和が、最も効率の良くなる側面モールド外装部を本体
側面側に形成することができ、側面モールド外装部か
ら、第1の磁芯、第2の磁芯へ機械的応力をほとんど生
じさせず、インダクタンス等の特性を非常に向上させる
モールドトランスを製造することができる。
【0027】(第1の実施の形態) 以下、本発明の第1の実施の形態におけるモールドトラ
ンスについて図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
るモールドトランスの一部切り欠き斜視図、図2は、同
モールドトランスの平面断面図である。
【0029】図1、図2において、本発明の第1の実施
の形態におけるモールドトランスは、貫通孔11を有す
るボビン1と、このボビン1に巻装する巻線2と、この
巻線2に接続するとともに、ボビン1に植設した端子3
と、ボビン1の貫通孔11に挿入するとともに、E型形
状のフェライトコアからなる第1の磁芯7とE型形状の
フェライトコアからなる第2の磁芯8とを突き合わせて
閉磁路を形成する閉磁路磁芯9とにより本体10を形成
している。また端子3の一部を突出させるとともに、本
体10を被覆するモールド外装部5を備えている。
【0030】また、モールド外装部5は、流動絶縁樹脂
を固化させて形成しており、第1の磁芯7と第2の磁芯
8との突き合わせ面12側の本体側面上に、モールド外
装部5を被覆して形成した側面モールド外装部13と、
モールド外装部5で被覆しない非側面モールド外装部1
4を設けている。
【0031】この非側面モールド外装部14は、本体側
面の第1の磁芯7と第2の磁芯8の端部上に第1スリッ
ト6として設けている。
【0032】さらに、モールド外装部5を形成する流動
絶縁樹脂の注入口を本体下面側の4隅の閉磁路磁芯9上
に設けるとともに、側面モールド外装部13を、本体上
面上に被覆するモールド外装部5に連続的に被覆して設
けており、非側面モールド外装部14として、第1スリ
ット6に加えて、本体下面側の本体側面に第2スリット
16を設けている。
【0033】また、その製造方法は、本体10を形成す
る第1工程と、本体10に流動絶縁樹脂を被覆し、固化
して、モールド外装部5を形成する第2工程とを備えて
いる。
【0034】このとき、第1工程は、貫通孔11を有す
るボビン1に巻線2を巻装する巻装工程と、巻線2をボ
ビン1に植設した端子3に接続する端子接続工程と、ボ
ビン1の貫通孔11に挿入するとともに、第1の磁芯7
と第2の磁芯8とを突き合わせて閉磁路磁芯9を形成す
る閉磁路磁芯形成工程とを有している。
【0035】そして、第2工程は、流動絶縁樹脂を本体
下面側から注入し、最初の注入完了箇所は、第1の磁芯
7と第2の磁芯8との突き合わせ面12側の本体側面部
分とした方法である。
【0036】上記構成のモールドトランスについて、以
下その特性を説明する。
【0037】第1の磁芯7と第2の磁芯8との突き合わ
せ面12側の本体側面上には、モールド外装部5で被覆
しない非側面モールド外装部14を設けているので、第
1の磁芯7および第2の磁芯8において、ボビン1の貫
通孔11内から露出した本体側面部分には、機械的応力
が生じにくくなり、インダクタンス等の特性を向上させ
ることができる。
【0038】また、第1の磁芯7と第2の磁芯8との突
き合わせ面12側の本体側面に機械的応力が生じると、
第1の磁芯7と第2の磁芯8との突き合わせ面12が位
置ずれしやすいが、本体側面部分には、機械的応力が生
じにくいので、位置ずれも抑制して、インダクタンス等
の特性を向上させることができる。
【0039】さらに、モールド外装部5の注入口を本体
下面側の閉磁路磁芯9上に設けるので、流動絶縁樹脂を
注入する際、流動絶縁樹脂が第1の磁芯7または第2の
磁芯8に向かって射出されるので、本体10のボビン1
に巻装した巻線2に直接射出されず、射出圧力による巻
線2の断線を防止できる。
【0040】また、流動絶縁樹脂は、本体上面側から注
入され、側面モールド外装部13を、本体上面上に被覆
したモールド外装部5に連続的に被覆して設けるので、
本体下面側から注入された流動絶縁樹脂は、本体側面側
から本体上面側に注入されることになり、そして、さら
に、注入することにより、本体上面側または本体側面側
から、流動絶縁樹脂の充填が完了され、最後に本体下面
側の充填が完了して、モールド外装部5で本体が被覆さ
れる。
【0041】これにより、本体側面側の流動絶縁樹脂の
充填の完了は、本体下面側の充填の完了よりも速く充填
の完了がされるので、本体側面側の充填完了時にかかる
充填圧力は、その時点で充填が完了していない本体下面
側に圧力緩和され、また、本体下面側の充填完了時にか
かる充填圧力は、その時点で充填が完了していない部分
がないので、圧力緩和されない。
【0042】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体下面側の流動絶縁樹脂の内部圧力よりも
小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した際、本体下面側の
モールド外装部5からの機械的応力よりも、本体側面側
の側面モールド外装部13からの機械的応力を小さくで
きるので、本体側面側の側面モールド外装部13から、
第1の磁芯7、第2の磁芯8へ生じる機械的応力を一層
生じにくくさせることができ、インダクタンス等の特性
を向上させることができる。
【0043】さらに、非側面モールド外装部14を、本
体側面の下側に第2スリット16として設けるので、本
体下面側のモールド外装部5は、本体側面側の側面モー
ルド外装部13から連続的に被覆される箇所が少なくな
り、流動絶縁樹脂の注入の際、本体側面側の流動絶縁樹
脂の充填の完了が、一層速くなり、本体側面側の充填完
了時にかかる充填圧力の緩和がより一層図れる。
【0044】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂
の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した
際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部5か
らの機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装
部13からの機械的応力を小さくできるので、本体側面
側の側面モールド外装部13から、第1の磁芯7、第2
の磁芯8へ生じる機械的応力を一層生じにくくさせるこ
とができ、インダクタンス等の特性を向上させることが
できる。
【0045】その上、第1の磁芯7と第2の磁芯8との
突き合わせ面12側の本体側面は、本体側面の下側に設
ける非側面モールド外装部14の第2スリット16と、
第1の磁芯7と第2の磁芯8の端部上の第1スリット6
の非側面モールド外装部14とにより囲まれるので、本
体側面側の流動絶縁樹脂の充填の完了が、非常に速くな
り、本体側面側の充填完了時にかかる充填圧力の緩和
も、最も効率が良くなる。
【0046】このとき、図3に示すように、流動絶縁樹
脂の内部圧力の状態は、閉磁路磁芯9にAのように圧力
が加わり、第1の磁芯7と第2の磁芯8との突き合わせ
面12側の本体側面に係る圧力が最も小さくなり、突き
合わせ面12側でない本体側面にかかる圧力および本体
上面側または本体下面側にかかる圧力は、小さくならな
い。
【0047】この結果、本体側面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂
の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂が固化した
際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部5か
らの機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装
部13からの機械的応力を最も効率よく小さくできるの
で、本体側面側の側面モールド外装部13から、第1の
磁芯7、第2の磁芯8へ機械的応力をほとんど生じさせ
ず、インダクタンス等の特性を非常に向上させることが
できる。
【0048】また、非側面モールド外装部14は、第1
スリット6、第2スリット16として、スリット状にし
ているので、インバータトランス等に用いた場合におい
て、高電圧の発生する閉磁路磁芯9の露出する面積が小
さくなり、感電防止を図ることができるとともに、閉磁
路磁芯9に直接機械的衝撃が加わった際の閉磁路磁芯9
の割れ、欠け等の防止も図ることができる。
【0049】さらに、流動絶縁樹脂を本体下面側から注
入し、最初の注入完了箇所は、第1の磁芯7と第2の磁
芯8との突き合わせ面12側の本体側面部分とするの
で、本体側面側の充填完了時にかかる充填圧力の緩和
が、最も効率の良くなる側面モールド外装部13を本体
側面側に形成することができ、側面モールド外装部13
から、第1の磁芯7、第2の磁芯8へ機械的応力をほと
んど生じさせず、インダクタンス等の特性を非常に向上
させるモールドトランスを製造することができる。
【0050】このように本発明の第1の実施の形態によ
れば、モールド外装部5の内、ボビン1の貫通孔11内
から露出した本体側面の側面モールド外装部13には、
機械的応力が生じにくくなるとともに、第1の磁芯7と
第2の磁芯8との突き合わせ面12の位置ずれも抑制で
きるので、インダクタンス等の特性を向上させることが
できる。
【0051】また、流動絶縁樹脂を注入する際、流動絶
縁樹脂が第1の磁芯7または第2の磁芯8に向かって射
出されるので、本体10のボビン1に巻装した巻線2に
直接射出されず、射出圧力による巻線2の断線を防止で
きる。
【0052】さらに、本体側面側の流動絶縁樹脂の内部
圧力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂の
内部圧力よりも小さくできるので、流動絶縁樹脂が固化
した際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部
5からの機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド
外装部13からの機械的応力を小さくでき、本体側面側
の側面モールド外装部13から、第1の磁芯7、第2の
磁芯8へ生じる機械的応力を一層生じにくくさせること
ができ、インダクタンス等の特性を向上させることがで
きる。
【0053】そして、本発明の第1の実施の形態の製造
方法によれば、流動絶縁樹脂を本体下面側から注入し、
最初の注入完了箇所は、第1の磁芯7と第2の磁芯8と
の突き合わせ面12側の本体側面部分とするので、本体
側面側の充填完了時にかかる充填圧力の緩和が、最も効
率の良くなる側面モールド外装部13を本体側面側に形
成することができ、側面モールド外装部13から、第1
の磁芯7、第2の磁芯8へ機械的応力をほとんど生じさ
せず、インダクタンス等の特性を非常に向上させるモー
ルドトランスを製造することができる。
【0054】(第2の実施の形態) 以下、本発明の第2の実施の形態におけるモールドトラ
ンスについて図面を参照しながら説明する。
【0055】図4は、本発明の第2の実施の形態におけ
るモールドトランスの一部切り欠き斜視図である。
【0056】図4において、本発明の第2の実施の形態
におけるモールドトランスは、第1の実施の形態におけ
るモールドトランスにおいて、側面モールド外装部13
を、第1の磁芯7と第2の磁芯8との突き合わせ面12
上に設けるとともに、非側面モールド外装部14による
本体側面の露出面積を、側面モールド外装部13による
本体側面の被覆面積よりも大きくした構成である。
【0057】上記構成により、側面モールド外装部13
を、第1の磁芯7と第2の磁芯8との突き合わせ面12
上に設けているので、第1の磁芯7と第2の磁芯8との
突き合わせ面12が位置ずれすることを防止できるとと
もに、非側面モールド外装部14による本体側面の露出
面積を、側面モールド外装部13による本体側面の被覆
面積よりも大きくしているので、第1の磁芯7および第
2の磁芯8へ生じる機械的応力を低減させ、インダクタ
ンス等の特性を向上させることができる。
【0058】(第3の実施の形態) 図5は、本発明の第3の実施の形態におけるモールドト
ランスの一部切り欠き斜視図である。
【0059】図5において、本発明の第3の実施の形態
におけるモールドトランスは、第1の実施の形態におけ
るモールドトランスにおいて、本体上面の側面側にモー
ルド外装部5を被覆しない非上面モールド外装部を第3
スリット17として設けるとともに、第2スリット16
を設けずに、本体側面の側面モールド外装部13を本体
下面のモールド外装部5に連続して設けた構成である。
【0060】上記構成により、流動絶縁樹脂は、本体下
面側から注入され、側面モールド外装部13を、本体下
面上に被覆したモールド外装部5に連続的に被覆して設
けるので、本体下面側から注入された流動絶縁樹脂は、
本体下面側から本体側面側、本体上面側に注入されるこ
とになり、そして、さらに、注入することにより、本体
側面側から流動絶縁樹脂の充填が完了され、最後に本体
下面側の充填が完了して、モールド外装部5が本体に被
覆される。
【0061】この結果、第1の実施の形態と同様に、本
体側面側の流動絶縁樹脂の内部圧力は、本体下面側の流
動絶縁樹脂の内部圧力よりも小さくなり、流動絶縁樹脂
が固化した際、本体下面側のモールド外装部5からの機
械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装部13
からの機械的応力を小さくできるので、本体側面側の側
面モールド外装部13から、第1の磁芯7、第2の磁芯
8へ生じる機械的応力を生じにくくさせることができ、
インダクタンス等の特性を向上させることができる。
【0062】なお、本発明の実施の形態では、非側面モ
ールド外装部14、非上面モールド外装部には、流動絶
縁樹脂を被覆していないが、モールド外装部5の被覆厚
さよりも薄ければ、流動絶縁樹脂を被覆してもよい。
【0063】また、第1スリット6、第2スリット1
6、第3スリット17の幅、長さは、適宜必要に応じて
定めればよい。
【0064】さらに、流動絶縁樹脂の注入口は、本体1
0の下側に設けたが、本体10の上側に設けてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、流動絶縁
樹脂を注入する際、流動絶縁樹脂が第1の磁芯または第
2の磁芯に向かって射出されるので、本体のボビンに巻
装した巻線に直接射出されず、射出圧力による巻線の断
線を防止できるとともに、ボビンの貫通孔内から露出し
た本体側面部分の側面モールド外装部には、機械的応力
が生じにくくなるとともに、第1の磁芯と第2の磁芯と
の突き合わせ面の位置ずれも抑制して、インダクタンス
等の特性を向上させたモールドトランスを提供すること
ができるものである。
【0066】また、本体側面側の流動絶縁樹脂の内部圧
力は、本体上面側または本体下面側の流動絶縁樹脂の内
部圧力よりも小さくできるので、流動絶縁樹脂が固化し
た際、本体上面側または本体下面側のモールド外装部か
らの機械的応力よりも、本体側面側の側面モールド外装
部からの機械的応力を小さくでき、本体側面側の側面モ
ールド外装部から、第1の磁芯、第2の磁芯へ生じる機
械的応力を一層生じにくくさせ、インダクタンス等の特
性を一層向上させることができる。
【0067】さらに、側面モールド外装部を、第1の磁
芯と第2の磁芯との突き合わせ面上に設けているので、
第1の磁芯と第2の磁芯との突き合わせ面が位置ずれす
ることを防止できるとともに、非側面モールド外装部に
よる本体側面の露出面積を、側面モールド外装部による
本体側面の被覆面積よりも大きくすれば、第1の磁芯お
よび第2の磁芯へ生じる機械的応力を低減させ、インダ
クタンス等の特性をより一層向上させることができる。
【0068】そして、本発明の製造方法によれば、流動
絶縁樹脂を本体上面側から注入し、最初の注入完了箇所
は、第1の磁芯と第2の磁芯との突き合わせ面側の本体
側面部分とするので、本体側面側の充填完了時にかかる
充填圧力の緩和が、最も効率の良くなる側面モールド外
装部を本体側面側に形成することができ、側面モールド
外装部から、第1の磁芯、第2の磁芯へ機械的応力をほ
とんど生じさせず、インダクタンス等の特性を非常に向
上させるモールドトランスの製造方法を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるモールドト
ランスの一部切り欠き斜視図
【図2】同モールドトランスの平面断面図
【図3】同モールドトランスのモールド外装部を形成す
る流動絶縁樹脂の内部圧力状態を示す平面断面図
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるモールドト
ランスの一部切り欠き斜視図
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるモールドト
ランスの一部切り欠き斜視図
【図6】従来のモールドトランスの一部切り欠き斜視図
【図7】同モールドトランスの圧力状態を示す平面断面
【符号の説明】
1 ボビン 2 巻線 3 端子 5 モールド外装部 6 第1スリット 9 閉磁路磁芯 10 本体 13 側面モールド外装部 14 非側面モールド外装部 15 注入口 16 第2スリット 17 第3スリット
フロントページの続き (72)発明者 小田垣 威彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−263252(JP,A) 特開 平8−83720(JP,A) 特開 平6−295826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/32 H01F 41/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有するボビンと、前記ボビンに
    巻装する巻線と、前記巻線に接続するとともに、前記ボ
    ビンに植設した端子と、前記ボビンの貫通孔に挿入する
    とともに、第1の磁芯と第2の磁芯とを突き合わせて閉
    磁路を形成する閉磁路磁芯とを有した本体と、前記端子
    の一部を突出させるとともに、前記本体を被覆するモー
    ルド外装部とを備え、前記モールド外装部は、流動絶縁
    樹脂を固化させて形成しており、前記第1の磁芯と前記
    第2の磁芯との突き合わせ面側の前記本体側面上に、モ
    ールド外装部を被覆した側面モールド外装部と、モール
    ド外装部を被覆しない非側面モールド外装部を設け、前
    記モールド外装部を形成する前記流動絶縁樹脂の注入口
    を本体上面側または下面側の閉磁路磁芯上に設けるとと
    もに、前記側面モールド外装部を前記本体上面上に被覆
    した前記モールド外装部に連続的に被覆して設けてお
    り、前記非側面モールド外装部を、前記本体側面の下側
    にスリット状に設けたモールドトランス。
  2. 【請求項2】 非側面モールド外装部を、本体側面の第
    1の磁芯と第2の磁芯の端部上にスリット状にも設けた
    請求項1記載のモールドトランス。
  3. 【請求項3】 本体を形成する第1工程と、前記本体に
    流動絶縁樹脂を被覆し、固化して、モールド外装部を形
    成する第2工程とを備え、前記第1工程は、貫通孔を有
    するボビンに巻線を巻装する巻装工程と、前記巻線をボ
    ビンに植設した端子に接続する端子接続工程と、前記ボ
    ビンの貫通孔に挿入するとともに、第1の磁芯と第2の
    磁芯とを突き合わせて閉磁路磁芯を形成する閉磁路磁芯
    形成工程とを有しており、前記第2工程は、前記流動絶
    縁樹脂を前記本体上面側または下面側から注入し、最初
    の注入完了箇所は、前記第1の磁芯と前記第2の磁芯と
    の突き合わせ面側の前記本体側面部分としたモールドト
    ランスの製造方法。
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