JP3336542B2 - 容器と蓋との組合せ及びこれに適用される蓋 - Google Patents

容器と蓋との組合せ及びこれに適用される蓋

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JP3336542B2 JP14585193A JP14585193A JP3336542B2 JP 3336542 B2 JP3336542 B2 JP 3336542B2 JP 14585193 A JP14585193 A JP 14585193A JP 14585193 A JP14585193 A JP 14585193A JP 3336542 B2 JP3336542 B2 JP 3336542B2
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英彦 近江
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D41/00Caps, e.g. crown caps or crown seals, i.e. members having parts arranged for engagement with the external periphery of a neck or wall defining a pouring opening or discharge aperture; Protective cap-like covers for closure members, e.g. decorative covers of metal foil or paper
    • B65D41/32Caps or cap-like covers with lines of weakness, tearing-strips, tags, or like opening or removal devices, e.g. to facilitate formation of pouring openings
    • B65D41/34Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt
    • B65D41/3404Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt with ratchet-and-pawl mechanism between the container and the closure skirt or the tamper element
    • B65D41/3409Threaded or like caps or cap-like covers provided with tamper elements formed in, or attached to, the closure skirt with ratchet-and-pawl mechanism between the container and the closure skirt or the tamper element the tamper element being integrally connected to the closure by means of bridges

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパーエビデント特
性(悪戯明示特性)を有する容器と蓋との組合せ及び
れに適用される蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパーエビデント特性(容器を開封し
て内容物に異物を混入する等の悪戯が加えられた場合
に、かかる悪戯が加えられた痕跡が明示される特性)を
有する容器と蓋との組合せとして、特公昭43−619
8号公報及び実公昭56−31559号公報には、ラチ
ェット機構を備えた形態の容器と蓋との組合せが開示さ
れている。容器はガラス或いは適宜の合成樹脂から形成
することができ、蓋は適宜の合成樹脂から形成すること
ができる。
【0003】上記組合せにおける容器においては、その
口頸部の外周面に雄螺条と共に複数個のラチェット爪が
形成されている。複数個のラチェット爪は雄螺条の下方
において周方向に間隔をおいて配置されている。ラチェ
ット爪の各々は口頸部の外周面から半径方向外方に突出
せしめられており、容器の口頸部に蓋を装着する際(更
に詳しくは口頸部の雄螺条と蓋の雌螺条とを螺合せしめ
る際)の、蓋に対する容器の相対的回転方向に見て、後
方に向かって半径方向外方に傾斜して延びる緩やかな前
面と、半径方向外方に延びる切り立った後面とを有す
る。
【0004】上記組合せにおける蓋は、天面壁とこの天
面壁から垂下する筒状スカート壁とを含んでいる。スカ
ート壁には周方向に延在する周方向弱化ラインが形成さ
れており、スカート壁は周方向弱化ラインより上方の主
部と周方向弱化ラインより下方のタンパーエビデント裾
部とに区画されている。周方向弱化ラインは、例えば周
方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット
(切溝)とかかるスリット間に残留せしめられる橋絡部
とから構成される。スカート壁の主部の内周面には、容
器の口頸部における雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が
形成されている。タンパーエビデント裾部の内周面に
は、容器の口頸部におけるラチェット爪と協働する複数
個のラチェット片が周方向に間隔をおいて形成されてい
る。ラチェット片の各々はタンパーエビデント裾部の内
周面から半径方向内方に突出せしめられており、容器の
口頸部に蓋を装着する際の、容器に対する蓋の相対的回
転方向に見て、後方に向かって半径方向内方に傾斜して
延びる緩やかな前面と、半径方向内方に延びる切り立っ
た後面とを有する。
【0005】容器の口頸部における雄螺条と蓋における
雌螺条とを螺合せしめて容器の口頸部に蓋を装着して口
頸部を密封する際には、口頸部に形成されているラチェ
ット爪の緩やかな前面と蓋に形成されているラチェット
片の緩やかな前面との相互案内作用によって、タンパー
エビデント裾部が半径方向外方へ弾性的に変位され、或
いはこれに加えてラチェット片自体も半径方向外方へ弾
性的に変位され、かくしてラチェット爪を乗り越えてラ
チェット片が周方向に移動せしめられる。容器の口頸部
を開封するために、容器に対して蓋を反対方向に相対的
に回転せしめる際には、口頸部に形成されているラチェ
ット爪の切り立った後面と蓋に形成されているラチェッ
ト片の切り立った後面との協働によって、ラチェット爪
を乗り越えてラチェット片が周方向に移動することが阻
止され、従ってスカート壁の主部に付随してタンパーエ
ビデント裾部が回転することが阻止される。かくして、
蓋の周方向弱化ライン、更に詳しくはその橋絡部に相当
な応力が生成されて橋絡部が破断され、スカート壁の主
部からタンパーエビデント裾部が分離される。しかる後
においては、タンパーエビデント裾部を残して、蓋が回
転と共に上昇されて口頸部から離脱され、かくして口頸
部が開封される。タンパーエビデント裾部に軸線方向に
延びる軸線方向破断ラインが形成されている場合には、
1個乃至少数の橋絡部を破断せしめることなく、タンパ
ーエビデント裾部が無端環状形態から有端帯形状に解放
されてラチェット爪とラチェット片との協働が解除さ
れ、非破断橋絡部を介してスカート壁の主部に接続され
ているタンパーエビデント裾部も、回転と共に上昇され
て口頸部から離脱せしめられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおりの形態
の従来の容器と蓋との組合せには、次のとおりの解決す
べき問題が存在する。容器の口頸部に蓋を装着する際に
は蓋のラチェット片が口頸部のラチェット爪を乗り越え
て周方向に移動することが必要であり、そのためには蓋
のタンパーエビデント裾部が半径方向外方に弾性的に変
位せしめられることが必要である。而して、タンパーエ
ビデント裾部が半径方向外方に変位せしめられると、ス
カート壁の周方向弱化ライン、更に詳しくはその橋絡部
に小さくない応力が生成される。それ故に、口頸部に蓋
を装着する際にスカート壁に形成されている周方向弱化
ラインにおける橋絡部が破断されてしまう虞が少なくな
い。
【0007】口頸部に蓋を装着する際に周方向弱化ライ
ンにおける橋絡部が破断されるのを確実に防止するため
に、周方向弱化ラインにおける橋絡部の破断強度を増大
せしめると、容器の口頸部を開封する際に周方向弱化ラ
インにおける橋絡部を破断せしめるのに相当大きな力が
必要になり、特に女性乃至子供にとって口頸部の開封が
相当困難になる。
【0008】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、その主たる解決課題は、スカート壁に形成されて
いる周方向弱化ラインにおける橋絡部の破断強度を過剰
に増大せしめる必要なくして、従って女性乃至子供でも
充分容易に口頸部を開封することができるにもかかわら
ず、口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際にスカー
ト壁に形成されている周方向弱化ラインにおける橋絡部
の破断が充分確実に回避され、そしてまたタンパーエビ
デント特性が毀損される虞がない、新規且つ改良された
容器と蓋との組合せ及びこれに適用される蓋を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記主たる解決課題を達
成するために、本発明においては、容器の口頸部の外周
面に配設される複数個のラチェット爪の各々を、雄螺条
と雌螺条とを螺合せしめる際の、蓋に対する容器の相対
的回転方向に見て、後方に向かって(半径方向外方では
なくて)上方に傾斜して延びる緩やかな前面と(半径方
向外方ではなくて)上方に延びる切り立った後面とを有
する形態にせしめる。また、蓋のタンパーエビデント裾
部に配設される複数個のラチェット片の各々を、周方向
に間隔をおいてタンパーエビデント裾部の下端から下方
に延出し且つ厚肉基部とこれに続く薄肉撓み部とを有す
形態にせしめ、そして更に、タンパーエビデント裾部
に接続され且つラチェット片を囲繞する環状囲繞部を付
設する。
【0010】即ち、本発明の一局面に従えば、上記主た
る技術的課題を達成する容器と蓋との組合せとして、口
頸部の外周面には雄螺条が配設されている容器と、天面
壁及びこの天面壁から垂下する筒状スカート壁を含み、
該スカート壁には周方向に延在する周方向弱化ラインが
形成されていて、該スカート壁は該周方向弱化ラインよ
り上方の主部と該周方向弱化ラインより下方のタンパー
エビデント裾部とに区画されており、該スカート壁の該
主部の内周面には該容器の口頸部に配設されている雄螺
条に螺合せしめられる雌螺条が形成されている蓋との組
合せにおいて、該容器の該口頸部の外周面には、該雄螺
条と該雌螺条とを螺合せしめる際の、該蓋に対する該容
器の相対的回転方向に見て、後方に向かって上方に傾斜
して延びる緩やかな前面と上方に延びる切り立った後面
とを有する複数個のラチェット爪が形成されており、該
蓋の該タンパーエビデント裾部には、周方向に間隔をお
いて該タンパーエビデント裾部の下端から下方に延出
し、該ラチェット爪と協働する複数個のラチェット片が
形成されており、該ラチェット片の各々は厚肉基部とこ
れに続く薄肉撓み部とを有し、該蓋の該タンパーエビデ
ント裾部には、更に、該タンパーエビデント裾部に接続
され且つ該ラチェット片を囲繞する環状囲繞部が付設さ
れている、ことを特徴とする組合せが提供される。本発
明の他の局面に従えば、上記主たる技術的課題を達成す
る蓋として、天面壁及びこの天面壁から垂下する筒状ス
カート壁を含み、該スカート壁には周方向に延在する周
方向弱化ラインが形成されていて、該スカート壁は該周
方向弱化ラインより上方の主部と該周方向弱化ラインよ
り下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、
該スカート壁の該主部の内周面には容器の口頸部に配設
されている雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成され
ている蓋において、該タンパーエビデント裾部には、周
方向に間隔をおいて該タンパーエビデント裾部の下端か
ら下方に延出し、容器の口頸部に形成されている複数個
のラチェット爪と協働する複数個のラチェット片が形成
されており、該ラチェット片の各々は厚肉基部とこれに
続く薄肉撓み部とを有し、該タンパーエビデント裾部に
は、更に、該タンパーエビデント裾部に接続され且つ該
ラチェット片を囲繞する環状囲繞部が付設されている、
ことを特徴とする蓋が提供される。
【0011】該容器の該口頸部の外周面には、該雄螺条
の下方において半径方向に突出する張出フランジが形成
されており、該ラチェット爪は該張出フランジの上面に
形成されているのが好適である。好ましくは、該ラチェ
ット爪の各々の該前面の傾斜角度αは25乃至65度で
あり、該ラチェット爪の各々の該後面の傾斜角度βは7
0乃至110度であり、また該口頸部の該雄螺条と該ス
カート壁の該主部の該雌螺条とを螺合せしめる際の、該
容器に対する該蓋の相対的回転方向に見て、該ラチェッ
ト片の各々は下方に向かって後方に20乃至70度の傾
斜角度γをなして傾斜して延出している。該雄螺条と該
雌螺条とを所要とおりに螺合せしめた状態において、該
ラチェット片の該厚肉基部の下端は該ラチェット爪の上
端よりも所定間隔G1だけ鉛直方向上方に位置し、該ラ
チェット片の上端と該ラチェット爪の上端との間には鉛
直方向間隔G2が存在し、該ラチェット片の該撓み部の
厚さTは該間隔G1より大きく且つ該間隔G2より小さ
く、該ラチェット片の周方向間隔L1は該ラチェット片
の該撓み部の長さL2よりも大きいのが好適である。ま
た、該ラチェット片の該撓み部の肉厚は自由端に向かっ
て漸次減少するのが好都合である。環状囲繞部は該タン
パーエビデント裾部の外周面から半径方向外方に延び、
次いで下方に延びる形態でよい。該環状囲繞部の下端か
ら該スカート壁の該周方向弱化ラインに至る破断ライン
を形成し、該環状囲繞部には該破断ラインに隣接してタ
ブを形成することができる。
【0012】
【作用】本発明の容器と蓋との組合せにおいては、容器
に対して蓋を装着方向に相対的に回転せしめて容器の口
頸部に蓋を装着する際には、容器の口頸部におけるラチ
ェット爪の緩やかな前面の案内作用によって蓋のタンパ
ーエビデント裾部におけるラチェット片の薄肉撓み部
周方向に撓んで、ラチェット片がラチェット爪を乗り越
えて周方向に移動せしめられる。ラチェット片からタン
パーエビデント裾部には周方向乃至上方に作用する幾分
かの力が伝えられるが、かかる力によてタンパーエビ
デント裾部が半径方向外方に変位されることはない。従
って、容器の口頸部に蓋を装着する際に周方向弱化ライ
ンにおける橋絡部に過剰の応力が作用して橋絡部が破断
されてしまうことは確実に回避される。口頸部を開封す
るために蓋を反対方向に回転せしめる際には、口頸部に
おけるラチェット爪の切り立った後面と蓋におけるラチ
ェット片との協働によってタンパーエビデント裾部の回
転が確実に阻止され、スカート壁に形成されている周方
向破断ラインにおける橋絡部が充分容易に所要とおりに
破断される。蓋のタンパーエビデント裾部に形成されて
いるラチェット片は環状囲繞部によって囲繞されている
ので、ラチェット片を操作してタンパーエビデント特性
を毀損することは実質上不可能であり、タンパーエビデ
ント特性が毀損されることはない。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に従って
構成された容器と蓋との組合せの好適実施例について、
更に詳細に説明する。
【0014】本発明の組合せの好適実施例は、図1にそ
の口頸部2が図示されている容器と図2に全体が図示さ
れている蓋4とから構成されている。
【0015】図1を参照して説明すると、ポリエチレン
テレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから
形成することができる容器は、略円筒形状の口頸部2を
具備している。この口頸部2の外周面には、雄螺条6及
びその下方に位置する環状係止あご部8が形成されてい
る。口頸部2に図2に示す蓋4が適用される場合には係
止あご部8は不必要であるが、図2に示す蓋4に代え
て、タンパーエビデント裾部の内面に係止手段が形成さ
れている形態の周知の合成樹脂製蓋或いは口頸部2に装
着した後にタンパーエビデント裾部の下端部が半径方向
内側に変形される周知の金属製蓋が口頸部2に適用され
る場合には、上記係止手段或いは変形されるタンパーエ
ビデント裾部の下端部が係止あご部に係止せしめられる
(従って、図示の口頸部2には図2に示す蓋と共に、上
記周知の合成樹脂製蓋或いは金属製蓋を選択的に適用す
ることができる)。
【0016】口頸部2には、更に、係止あご部8の下方
において半径方向外方に突出する環状フランジ10が形
成されている。図1と共に図3及び図4を参照して説明
すると、環状フランジ10の上面には、周方向に等間隔
をおいて4個のラチェット爪12が形成されている。所
望ならば、環状フランジ10上に周方向に適宜の間隔を
おいて2個又は3個或いは5個以上のラチェット12を
形成することもできる。ラチェット爪12の各々は、口
頸部2に蓋4を装着する際の、蓋4に対する口頸部2の
回転方向(図3において反時計方向、図4において右方
向)に見て、後方に向かって上方に傾斜して延びる緩や
かな前面14と、上方に延びる切り立った後面16とを
有する。環状フランジ10の上面に対するラチェット爪
12の前面14の傾斜角度αは25乃至65度であり、
環状フランジ10の上面に対するラチェット爪12の後
面16の傾斜角度βは70乃至110度であるのが好都
合である。
【0017】図2を参照して説明すると、ポリエチレン
又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から形成する
ことができる蓋4は、円形天面壁18とこの天面壁18
の周縁から垂下する円筒状スカート壁20とを含んでい
る。天面壁18の内面には下方に垂下する環状密封突条
22が形成され、天面壁18の内面外周縁部とスカート
壁20の内周面上端部との境界領域には環状密封隆起2
4が形成されている。スカート壁20の下半部には周方
向に延在する周方向弱化ライン26が形成されており、
スカート壁20は周方向弱化ライン26より上方の主部
28と周方向弱化ライン26よりも下方のタンパーエビ
デント裾部30とに区画されている。スカート壁20の
内周面には下方に向いた2個の環状肩部32及び34が
形成されており、下方の肩部34から比較的短い長さだ
け下方に延びる複数個のリブ36が周方向に間隔をおい
て形成されている。上記周方向弱化ライン26は、複数
個のリブ36が形成されている領域においてリブ36を
残留せしめてスカート壁20を切断することによって形
成されている。複数個のリブ36は所謂橋絡部を構成
し、タンパーエビデント裾部30は複数個のリブ36を
介して主部28に接続されている。スカート壁20の主
部28の内周面には雌螺条38が形成されている。スカ
ート壁20の主部28の外周面には環状傾斜肩部40が
形成されており、かかる肩部40より上方の領域には滑
り止め凹凸42が形成されている。
【0018】図2と共に図4参照して説明を続けると、
タンパーエビデント裾部30には、その下端から下方に
延出する複数個(例えば24個)のラチェット片44が
周方向に等間隔をおいて形成されている。ラチェット片
44の各々は、容器の口頸部2に蓋4を装着する際の、
口頸部2に対する蓋4の回転方向に見て(図2において
上方から見て時計方向、図4において左方向)、下方に
向かって後方に傾斜して延出しているのが好ましい。ラ
チェット片44の傾斜角度γは20乃至70であるのが
好適である。図4に明確に図示する如く、ラチェット片
44の各々は厚肉基部46と薄肉撓み部48とを有す
る。後述するとおりにして口頸部2に蓋4を所要とおり
に装着した状態(図4及び図5に図示する状態)におい
て、ラチェット片44の厚肉基部46の下端は口頸部2
におけるラチェット爪12の上端よりも所定間隔G1だ
け鉛直方向上方に位置し、ラチェット片44の上端と口
頸部2におけるラチェット爪12の上端との間には鉛直
方向間隔G2が存在し、そしてラチェット片44の薄肉
撓み部48の厚さTは上記間隔G1より大きく且つ上記
間隔G2より小さく、更にラチェット片44の周方向間
隔L1はラチェット片44の薄肉撓み部48の長さL2
よりも大きく設定されているのが好適である。ラチェッ
ト片44の薄肉撓み部48の肉厚は自由端に向かって漸
次減少せしめられているのが好都合である。
【0019】図2を参照して説明を続けると、タンパー
エビデント裾部30の外周面には環状囲繞部50が付設
されている。この環状囲繞部50はタンパーエビント裾
部30の外周から半径方向外方に若干延び、次いで下方
に延びて、上記ラチェット片44を囲繞している。
【0020】図1乃至図4と共に図5を参照して説明す
ると、容器の口頸部2に蓋4を装着して口頸部2を密封
する際には、口頸部2に蓋4を被嵌して口頸部2に対し
て蓋4を閉方向(図5において上方から見て時計方向、
図4において左方向)に回転せしめ、口頸部2の雄螺条
6に蓋4の雌螺条38に螺合せしめる。蓋4は回転と共
に下降せしめられ、図5に示す状態まで雄螺条6に雌螺
条38を螺合せしめると、蓋4における環状密封隆起2
4が口頸部2の外周面上端部に密接せしめられると共
に、蓋4における環状密封突条22が口頸部2内に進入
せしめられて口頸部2の内周面に密接せしめられ、かく
して口頸部2が密封される。蓋4のかような装着操作の
後半においては、口頸部2のラチェット爪12と蓋4の
ラチェット片44とが相互に干渉するようになるが、図
4に2点鎖線で示す如く、ラチェット爪12の緩やかな
前面14に作用することによってラチェット片44の薄
肉撓み部48が弾性的に後方に撓み、ラチェット片44
は充分容易にラチェット爪12を通過することができ
る。ラチェット片44は上記開回転方向に見て下方に向
かって後方に傾斜して延びている故に、ラチェット片4
4は充分容易に後方に撓むことができる。ラチェット片
44の周方向間隔L1はラチェット片44の薄肉撓み部
48の長さL2より大きく、ラチェット片44の上端と
ラチェット爪12の上端との鉛直方向間隔G2はラチェ
ット片44の薄肉撓み部48の肉厚より大きい故に、後
方に撓んだラチェット片44の薄肉撓み部48は隣接す
るラチェット片44の厚肉基部46間に収容せしめられ
る。ラチェット片44が周方向後方に撓んでラチェット
爪12を通過する際には、タンパーエビデント裾部30
には周方向乃至上方に作用する幾分かの力が伝えられる
が、かかる力によってタンパーエビデント裾部30が半
径方向外方に変位されることはない。従って、容器の口
頸部2に蓋4を所要とおりに装着する際に周方向弱化ラ
イン26の橋絡部を構成しているリブ36が破断されて
しまう虞は皆無である。ラチェット爪12を通過し
にラチェット片44は元の状態に弾性的に復元する。
【0021】容器の口頸部2を開封するためには、口頸
部2に対して蓋4を開方向(図5において上方から見て
反時計方向、図4において右方向)に回転せしめる。而
して、タンパーエビデント裾部30においては、開方向
に見て下方に向かって前方に延出しているラチェット片
44の薄肉撓み部48がラチェット爪12の切り立った
後面16に当接し、これによって開方向への移動が阻止
される。上述した如くラチェット片44の厚肉基部46
の下端とラチェット爪12の上端との間隔G1はラチェ
ット片44の薄肉撓み部48の肉厚より小さく選定され
ている場合には、ラチェット片44の薄肉撓み部48が
大きく撓んでも、ラチェット片44がラチェット爪12
を開方向に通過することができず、タンパーエビデント
裾部30の開方向への移動が一層確実に阻止される。従
って、スカート壁20に形成されている周方向弱化ライ
ン26における橋絡部を構成している複数個のリブ36
に相当な応力が生成され、複数個のリブ36が破断され
る。タンパーエビデント裾部30の開方向への移動が充
分確実に阻止される故に、複数個のリブ36の破断は口
頸部2の密封が解放される(環状密封隆起24及び環状
密封突条22が口頸部2の外周面及び内周面から離隔さ
れる)よりも充分前に遂行される。複数個のリブ36が
破断されてスカート壁20の主部28からタンパーエビ
デント裾部30が切り離された後においては、蓋4のタ
ンパーエビデント裾部30以外の部分は、雄螺条6と雌
螺条38との協働によって開方向へ回転せしめられると
共に上昇せしめられて口頸部2から離脱され、かくして
口頸部2が開封される。
【0022】上述した実施例においては複数個のリブ3
6を残留せしめてスカート壁20を切断することによっ
て周方向弱化ライン26を形成しているが、例えば成形
時に周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリ
ットを配設することによって形成されるそれ自体は周知
の周方向弱化ライン等の他の適宜の形態周方向弱化ラ
インを採用することもできる。
【0023】所望ならば、周方向弱化ライン26におけ
る橋絡部を構成している複数個のリブ36の内の1個乃
至少数個を比較的強くせしめると共に、タンパーエビデ
裾部30に軸線方向に延在する弱化ラインを形成
し、口頸部2を開封する際には、軸線方向弱化ラインが
破断されてタンパーエビデント裾部30が無端環状から
有端帯状に展開され(かくしてラチェット片44の開方
向移動が許容され)、一方周方向弱化ライン26におい
ては比較的強くせしめられた1個乃至少数個のリブ36
は破断されることなく維持されてタンパーエビデント裾
部30をスカート20の主部28に接続し続け、タンパ
ーエビデント裾部30を含む蓋4の全体が容器の口頸部
2から離脱されるようにせしめることもできる。
【0024】図6は蓋4の変形例を図示している。この
変形例においては、環状囲繞部50の下端からその上端
近傍まで上方に延び、次いで周方向に延び、そして更に
上方に延びて周方向弱化ライン26に至る破断ライン5
2が形成されている。この破断ライン52は所謂ミシン
目又はスコア等でもよいが、図示の変形例においてはス
リットから構成されている。変形例においては、更に、
破断ライン52に隣接して環状囲繞部50から上方に突
出するタブ54が形成されている。かような変形例にお
いては、容器の口頸部2を開封する際に、蓋4を開方向
に回転せしめるのに先立って、タブ54を把持して図6
において上方から見て反時計方向に引っ張り、これによ
って周方向弱化ライン26における橋絡部を構成してい
る複数個のリブ36を破断することができる。図6に示
す変形例のその他の構成は、図1乃至図5に示す実施例
と実質上同一である。
【0025】
【発明の効果】本発明の容器と蓋との組合せにおいて
は、容器の口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際に
は、スカート壁に形成されている周方向弱化ラインが破
断されてしまうことが確実に回避される。容器の口頸部
を開封する際には、口頸部の密封解除に先立ってスカー
ト壁に形成されている周方向弱化ラインが充分容易に且
つ確実に所要とおりに破断せしめられる。ラチェット片
を操作してタンパーエビデント特性を毀損することは実
質上不可能であり、タンパーエビデント特性が毀損され
ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された組合せの好適実施例
における容器の口頸部を、一部を断面で示す側面部。
【図2】本発明に従って構成された組合せの好適実施例
における蓋を、一部を断面で示す側面部。
【図3】図1の口頸部の平面図。
【図4】図1の口頸部におけるラチェット爪と図2の蓋
におけるラチェット片との相互関係を示す部分断面図。
【図5】図1の口頸部に図2の蓋を装着した状態を、一
部を断面で示す側面図。
【図6】蓋の変形例を、一部を断面で示す側面図。
【符号の説明】
2:口頸部 4:蓋 6:雄螺条 10:環状フランジ 12:ラチェット爪 14:ラチェット爪の前面 16:ラチェット爪の後面 18:天面壁 20:スカート壁 26:周方向弱化ライン 28:スカート壁の主部 30:タンパーエビデント裾部 36:リブ(周方向弱化ラインにおける橋絡部) 38:雌螺条 44:ラチェット片 46:ラチェット片の厚肉基部 48:ラチェット片の薄肉撓み部 50:環状囲繞部 52:破断ライン 54:タブ

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口頸部の外周面には雄螺条が配設されて
    いる容器と、天面壁及びこの天面壁から垂下する筒状ス
    カート壁を含み、該スカート壁には周方向に延在する周
    方向弱化ラインが形成されていて、該スカート壁は該周
    方向弱化ラインより上方の主部と該周方向弱化ラインよ
    り下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、
    該スカート壁の該主部の内周面には該容器の口頸部に配
    設されている雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成さ
    れている蓋との組合せにおいて、 該容器の該口頸部の外周面には、該雄螺条と該雌螺条と
    を螺合せしめる際の、該蓋に対する該容器の相対的回転
    方向に見て、後方に向かって上方に傾斜して延びる緩や
    かな前面と上方に延びる切り立った後面とを有する複数
    個のラチェット爪が形成されており、 該蓋の該タンパーエビデント裾部には、周方向に間隔を
    おいて該タンパーエビデント裾部の下端から下方に延出
    し、該ラチェット爪と協働する複数個のラチェット片が
    形成されており、該ラチェット片の各々は厚肉基部とこれに続く薄肉撓み
    部とを有し、 該蓋の該タンパーエビデント裾部には、更に、該タンパ
    ーエビデント裾部に接続され且つ該ラチェット片を囲繞
    する環状囲繞部が付設されている、 ことを特徴とする組合せ。
  2. 【請求項2】 該容器の該口頸部の外周面には、該雄螺
    条の下方において半径方向に突出する張出フランジが形
    成されており、該ラチェット爪は該張出フランジの上面
    に形成されている、請求項1記載の組合せ。
  3. 【請求項3】 該ラチェット爪の各々の該前面の傾斜角
    度αは25乃至65度であり、該ラチェット爪の各々の
    該後面の傾斜角度βは70乃至110度である、請求項
    1又は2記載の組合せ。
  4. 【請求項4】 該雄螺条と該雌螺条とを螺合せしめる際
    の、該容器に対する該蓋の相対的回転方向に見て、該ラ
    チェット片の各々は下方に向かって後方に20乃至70
    度の傾斜角度γをなして傾斜して延出している、請求項
    1から3までのいずれかに記載の組合せ。
  5. 【請求項5】 該容器に配設されている該雄螺条と該蓋
    に配設されている該雌螺条とを所要とおりに螺合せしめ
    た状態において、該ラチェット片の該厚肉基部の下端は
    該ラチェット爪の上端よりも所定間隔G1だけ鉛直方向
    上方に位置し、該ラチェット片の上端と該ラチェット爪
    の上端との間には鉛直方向間隔G2が存在し、該ラチェ
    ット片の該撓み部の厚さTは該間隔G1より大きく且つ
    該間隔G2より小さく、該ラチェット片の周方向間隔L
    1は該ラチェット片の該撓み部の長さL2よりも大き
    い、請求項1から4までのいずれかに記載の組合せ
  6. 【請求項6】 天面壁及びこの天面壁から垂下する筒状
    スカート壁を含み、該スカート壁には周方向に延在する
    周方向弱化ラインが形成されていて、該スカート壁は該
    周方向弱化ラインより上方の主部と該周方向弱化ライン
    より下方のタンパーエビデント裾部とに区画されてお
    り、該スカート壁の該主部の内周面には容器の口頸部に
    配設されている雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成
    されている蓋において、 該タンパーエビデント裾部には、周方向に間隔をおいて
    該タンパーエビデント裾部の下端から下方に延出し、容
    器の口頸部に形成されている複数個のラチェット爪と協
    働する複数個のラチェット片が形成されており、該ラチ
    ェット片の各々は厚肉基部とこれに続く薄肉撓み部とを
    有し、 該タンパーエビデント裾部には、更に、該タンパーエビ
    デント裾部に接続され且つ該ラチェット片を囲繞する環
    状囲繞部が付設されている、 ことを特徴とする蓋。
  7. 【請求項7】 該ラチェット片の該撓み部の肉厚は自由
    端に向かって漸次減少する、請求項6記載の蓋。
  8. 【請求項8】 該環状囲繞部は該タンパーエビデント裾
    部の外周面から半径方向外方に延び、次いで下方に延び
    る、請求項6又は7記載の蓋。
  9. 【請求項9】 該環状囲繞部の下端から該スカート壁の
    該周方向弱化ラインに至る破断ラインが形成されてお
    り、該環状囲繞部には該破断ラインに隣接してタブが形
    成されている、請求項から8までのいずれかに記載の
    蓋。
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