JP3336534B2 - 自動二輪車用エンジンの点火装置 - Google Patents

自動二輪車用エンジンの点火装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車用エンジン
の点火時期をエンジン運転状態に応じて制御する自動二
輪車用エンジンの点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スクータ用エンジンの点火装置と
しては、ピストンが点火位置に達したことをクランク軸
の回転位置から検出し、そのときに点火プラグに通電す
る構造のものが多い。
【0003】ピストンが点火位置に達したことを検出す
るに当たっては、磁石を埋め込んだパルサーロータをク
ランク軸に軸装させ、このパルサーロータが回転してパ
ルサージェネレータの近傍を通るときにパルサージェネ
レータのコイルに電流が生じることを利用していた。す
なわち、クランク軸が一定角度回転する毎に点火プラグ
に火花が飛ぶ構造になっており、点火時期としてはエン
ジン回転数如何に係わらず一定であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに構成された点火装置では、点火時期の設定が問題で
あった。これは、スクータ等のエンジンにおいて走行時
に多用される中速回転域では燃費向上を図るためエンジ
ン出力および熱効率が高くなるように点火時期を設定す
ることが望ましく、アイドリング回転の安定を狙ったア
イドリング時における点火時期より進角させたいという
要望があるからである。
【0005】しかしながら、上記のように点火時期を進
角させておくと、エンジン回転数が中速回転域で定常走
行しているときであってもスロットル弁を急速に開いて
急加速させるとノッキングが生じ易い。
【0006】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、エンジン運転状態に対応して点火時
期を制御できる点火装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
用エンジンの点火装置は、エンジンのクランク軸から動
力をVベルト式無段変速機および遠心クラッチを介して
後輪に伝達するスクータに用いるエンジンの点火装置に
おいて、エンジン回転数を検出する検出手段と、この検
出手段によって検出されたエンジン回転数に基づいて点
火時期を制御する制御装置とを備え、前記遠心クラッチ
で動力伝達が開始されるエンジン回転数からVベルト式
無段変速機のウェイトローラが遠心力で移動を開始する
直前のエンジン回転数までの間のエンジン回転数の範囲
を中速回転域とし、前記中速回転域よりエンジン回転数
が大きくなるエンジン回転数の範囲を高速回転域とし、
前記制御装置を、エンジン回転数が少なくとも中速回転
域にあるときの点火時期をアイドリング回転数における
点火時期に対して進角させると共に、エンジン回転数が
前記高速回転域にあるときの点火時期を前記中速回転域
での点火時期より遅角させ、前記中速回転域であってエ
ンジン回転数の上昇率が予め定めた値より大きいときに
点火時期を遅角させるように構成したものである。
【0008】
【作用】本願発明においては、点火時期をエンジン回転
数が中速回転域にあるときに高燃費となるように設定し
ても、急加速をしたときには点火時期が遅角されるため
にそれが早過ぎるようなことはない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る自動二輪車
用エンジンの点火装置の概略構成を示すブロック図、図
2は本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装置の動
作を説明するためのフローチャート、図3はスクータで
の車速とエンジン回転数との関係を示すグラフ、図4は
本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装置を使用し
たときのエンジン回転数と点火時期との関係を示すグラ
フ、図5は同じく経過時間に対する点火時期とエンジン
回転数との関係を示すグラフである。
【0010】これらの図において、1はスクータで、こ
のスクータ1は後述する点火装置以外は従来のものと同
一の構成になっている。2は前輪、3は後輪、4は操向
ハンドル、5はシート、6は前記後輪3を回転駆動する
ためのユニットスイング式エンジン(以下、単にエンジ
ンという)である。
【0011】このエンジン6は2サイクル単気筒型のも
ので、シリンダ6aの上部に気化器7が接続されると共
に下部に排気管8が接続され、クランク軸(図示せず)
に発電機9が軸装されると共にこのクランク軸の動力は
Vベルト式無段変速機10および不図示の遠心クラッチ
を介して後輪へ伝達されるように構成されている。
【0012】前記エンジン6のクランク軸の動力伝達特
性を図3に示す。同図では、車速0から最高速までスロ
ットル弁を全開にして加速させたときの特性を太線で示
し、最高速から車速0までエンジンブレーキによって減
速させたときの特性を一点鎖線で示し、二点鎖線は車速
V1 で定常走行している状態でスロットル弁を急に全開
にしたときの特性を示す。なお、上記各特性は傾斜して
いない平坦な路面を走行しているときのものである。
【0013】図3において、aで示す範囲はアイドリン
グ状態(遠心クラッチが接続しない状態)を示し、bで
示す範囲は遠心クラッチが擦れながら動力を伝達して連
結状態へ移行している状態(いわゆるストール回転数)
を示し、cで示す範囲は遠心クラッチが完全に連結状態
になってVベルト式無段変速機が最も減速比の大きい状
態で動力を伝達している状態を示す。dで示す範囲はV
ベルト式無段変速機のウェイトローラが遠心力によって
移動して変速しているときの状態を示し、eで示す範囲
はウェイトローラが最終移動位置まで移動してVベルト
式無段変速機が最も減速比の小さい状態で動力を伝達し
ている状態を示している。
【0014】また、図3では遠心クラッチが完全に連結
状態になるときのエンジン回転数をNSで示し、アイド
リング時のエンジン回転数をN0で示し、車速V1 で走
行しているときのエンジン回転数をN1 で示し、Vベル
ト式無段変速機が変速を開始するときのエンジン回転数
をN2 で示した。さらに、同図においてアイドリング時
の点火時期はT0 で示し、右下がりの平行線からなるハ
ッチングを施した範囲は、燃費重視の点火時期(T1)
に設定されるエンジン回転域を示し、左下がりの平行線
からなるハッチングを施した範囲は、前記点火時期T1
より遅角された点火時期(T2)に設定されるエンジン
回転域を示している。この点火時期T0,T1,T2の切
換えは、後述する点火装置によって行われる。
【0015】本発明に係る点火装置を図1において符号
11で示す。この点火装置11は、発電機9に設けられ
たパルサージェネレーター12と、車速を検出するため
の車速センサー13と、制御装置としてのCPU14
と、点火時期が記憶されたROM15と、CDI点火ユ
ニット16と、イグニッションコイル17と、点火プラ
グ18等から構成されている。図1中に符号19で示す
ものはレギュレータ、20はバッテリである。
【0016】前記パルサージェネレーター12は、発電
機9のロータ(図示せず)に軸装されたパルサーロータ
21が回転する毎にクランク角信号をCPU14に出力
する構造になっている。このクランク角信号は予め定め
たクランク角だけクランク軸が回転したときに発生する
ように構成されている。本実施例では、クランク軸が1
回転する度に1パルス分の信号が発生するようになって
いる。すなわち、このパルサージェネレータ12が本発
明に係るエンジン回転数検出手段を構成している。
【0017】前記車速センサー13は、本実施例では前
輪2の回転を検出するように構成されており、フロント
フォーク22に支持固定された電磁ピックアップと、前
輪2と共に回転する歯車とによって構成された従来周知
のものである。なお、この車速センサー13としては、
本実施例で示したように前輪2の回転を検出する以外
に、後輪3や、ミッションギヤ(図示せず)等の回転を
検出する構成を採ってもよい。
【0018】前記CPU14は前記パルサージェネレー
タ12、車速センサー13、ROM15、CDI点火ユ
ニット16およびレギュレータ17に接続され、点火時
期設定手段23および点火時期制御手段24とを備えて
いる。点火時期設定手段23は、パルサージェネレータ
12から出力されるクランク角信号によってエンジン6
のクランク角度および回転数を検出すると共に、車速セ
ンサー13から出力される前輪2の回転数から車速を検
出し、さらに、これらのデータをROM15の点火時期
マップに照合してそのときのエンジン運転状態に最も適
した点火時期を設定し、クランク角度から求めたピスト
ン位置が点火位置に達したときにCDI点火ユニット1
6に点火信号を出力するように構成されている。
【0019】ROM15に記憶された点火時期マップ
は、エンジン6が要求する点火時期をクランク角度、エ
ンジン回転数および車速とで割り付けて構成されてい
る。すなわち、点火時期をそのときどきで点火時期マッ
プから読み出すことによって、それをエンジン運転状態
に最も適した点火時期に設定することができる。点火時
期マップに記された点火時期は図4に示すように設定さ
れている。
【0020】点火時期は、エンジン6がアイドリング状
態のときにT0 に設定され、エンジン回転数が中速回転
域にあるときにはT0より進角させたT1に設定され、エ
ンジン回転数が高回転域にあるときにはT0とT1との間
のT2 に設定されている。ここで、前記中速回転域と
は、図3に示すようにVベルト式無段変速機10の遠心
クラッチが動力を伝達し始めるときからウェイトローラ
が遠心力で移動し始める直前までのエンジン回転数の範
囲のことをいう。また、高回転域とは、前記中速回転域
よりエンジン回転数が大きくなるようなエンジン回転数
の範囲のことをいう。
【0021】さらに、点火時期T0 は、エンジン6を始
動させ最もアイドリングが安定する角度に設定されてい
る。点火時期T1 は、エンジン6の出力および熱効率が
最も高くなるような角度に設定されている。すなわち、
この点火時期T1 に設定すると高燃費になる。点火時期
T2 は、エンジン回転数が大きくてもエンジン6が過熱
されたりノッキングが生じないような角度に設定されて
いる。ここで、場合によっては、高回転域においても点
火時期はT1 のままでもよい。
【0022】前記点火時期制御手段24は、エンジン回
転数が中速回転域にあるとき(点火時期がT1 であると
き)にクランク角度およびエンジン回転数からクランク
軸の角加速度の上昇率(エンジン回転数の上昇率)を演
算し、この上昇率が予め定めた値より大きいときに点火
時期をT1からT3(図5)まで遅角させるように構成さ
れている。この点火時期T3 は、本実施例ではエンジン
回転数が高回転域にあるときの点火時期T2 よりさらに
遅角させた角度に設定されている。
【0023】前記CDI点火ユニット16は、発電機9
が発電した電力の一部を充電しておき、前記点火時期設
定手段23が点火信号を出力したときにこの充電された
電力をイグニッションコイル17の一次側コイルに給電
する構造になっている。また、イグニッションコイル1
7は従来周知の構造で、一次側コイルに通電されたとき
に二次側コイルに大電圧が発生し、この大電圧をエンジ
ン6の点火プラグ18に印加するように構成されてい
る。
【0024】次に、上述したように構成された点火装置
11の動作を図2および図5によって説明する。先ず、
不図示のメインスイッチがON操作されると、図2中の
ステップS1 で示すように、CPU14がエンジン回転
数、クランク角度および車速を検出し、次いで、ステッ
プS2 において前記データに基づいてROM15の点火
時期マップからそのときのエンジン運転状態に最適な点
火時期を読み出す。
【0025】この点火時期は、始動時やエンジン回転数
がアイドリング回転数N0 以下であるときには図4に示
すようにT0 に設定される。また、エンジン回転数が前
記N0 より高くなるとT1 に設定され、エンジン回転数
が高回転域にあるときにはT2に設定される。
【0026】このように点火時期を点火時期マップから
読み出した後は、CPU14はステップS3 において点
火制御を行う。この点火制御は、点火時期設定手段23
がCDI点火ユニット16に点火時期毎に点火信号を出
力して行われる。
【0027】その後、CPU14の点火時期制御手段2
4がステップS4 にてエンジン回転数が中速回転域にあ
るか否かを判別する。ここで、中速回転域にあると判定
されたときにはステップS5 に進み、そうでなければ設
定された点火時期にて点火されると共にステップS1 に
戻って上述したフローを繰り返す。
【0028】ステップS5 では、点火時期制御手段24
がエンジン回転数の上昇率を設定値と比較する。その結
果、上昇率が設定値より小さいときには設定された点火
時期にて点火されると共に前記ステップS1 に戻って上
述したフローを繰り返し、設定値より大きいときにはス
テップS6に進んで図5に示すように点火時期をT1から
T3へ遅角させる。図5はエンジン回転数がN1(点火時
期はT1 )、車速がV1 となるように定常走行している
状態でスロットル弁を急速に全開にしたときの点火時期
変化およびエンジン回転数変化を示している。なお、同
条件での車速とエンジン回転数の関係を図3中に二点鎖
線で示した。
【0029】すなわち、図5に示すように点火時期がT
1 の状態で走行していて図5中に符号tで示すときにス
ロットル弁が急速に開かれると、スロットル操作に対応
してエンジン回転数も急上昇する。このときのエンジン
回転数の上昇率が設定値より大きい場合には点火時期が
T1からT3へ遅角される。そして、この点火時期の遅角
後は、エンジン回転数が高回転域に達したときにT3か
らT2へ進角される。このようにして図2のステップS6
での遅角制御が終了する。その後は、ステップS1 に
戻って上述したフローを繰り返す。
【0030】したがって、上述した点火装置11は、エ
ンジン回転数が高回転域にあるときには中速回転域のと
きより点火時期を遅角させるように構成したため、点火
時期をエンジン回転数が中速回転域にあるときに高燃費
となるように設定しても、エンジン回転数が高回転域に
達したときに点火時期が遅角されるためにそれが早過ぎ
るようなことがない。このため、スクータ用の中速回転
域を多用するエンジン6において燃費向上を図るに当た
り、エンジン回転数が高回転域に達したときにもエンジ
ン6が過熱されることがなく、その上、ノッキングも生
じ難い。
【0031】また、エンジン回転数が中速回転域にある
ときにスロットル弁が急速に大きな開度をもって開かれ
たとしても、このときには点火時期が遅角されて燃焼開
始時期が遅くなり、燃焼時間が相対的に短くなるから、
ノッキングは生じ難くなる。その上、このときにはエン
ジン出力が一次的に低下するので、後輪3の駆動率は緩
やかに上昇するようになり、タイヤの摩耗が進むのを抑
えることができると共に、路面の摩擦抵抗が小さくても
車体を円滑に前進させることができる。
【0032】さらに、スロットル弁が急速に大きな開度
をもって開かれたことをエンジン回転数の上昇率から検
出しているので、気化器の周辺に特別なセンサを配置せ
ずに済み、点火時期を制御できる点火装置をきわめて容
易に実現することができる。例えば、スロットル弁が急
速に大きな開度をもって開かれたことをスロットル弁に
ポテンショメータ等の位置センサを取付けてこの位置セ
ンサによって検出する構成を採る場合に較べると、以下
のような利点がある。
【0033】すなわち、スロットル弁に位置センサを連
結するために気化器の構造が複雑になるのを防ぐことが
できる。また、位置センサの配置スペースを気化器の周
囲に確保する必要がなく、気化器周辺の電装品等の配置
変えをせずに済む。位置センサを用いて点火時期制御を
確実に行うためには位置センサとして耐久性および検出
精度、信頼性が高い高価なものを用いなければならず、
コストアップになってしまうが、それがない。
【0034】なお、車速センサー13を設けてこの検出
値をデータとしており込んでいるので、より細かな制御
ができるが、この車速センサー13はなくてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自動二
輪車用エンジンの点火装置は、エンジンのクランク軸か
ら動力をVベルト式無段変速機および遠心クラッチを介
して後輪に伝達するスクータに用いるエンジンの点火装
置において、エンジン回転数を検出する検出手段と、こ
の検出手段によって検出されたエンジン回転数に基づい
て点火時期を制御する制御装置とを備え、前記遠心クラ
ッチで動力伝達が開始されるエンジン回転数からVベル
ト式無段変速機のウェイトローラが遠心力で移動を開始
する直前のエンジン回転数までの間のエンジン回転数の
範囲を中速回転域とし、前記中速回転域よりエンジン回
転数が大きくなるエンジン回転数の範囲を高速回転域と
し、前記制御装置を、エンジン回転数が少なくとも中速
回転域にあるときの点火時期をアイドリング回転数にお
ける点火時期に対して進角させると共に、エンジン回転
数が前記高速回転域にあるときの点火時期を前記中速回
転域での点火時期より遅角させ、前記中速回転域であっ
てエンジン回転数の上昇率が予め定めた値より大きいと
きに点火時期を前記高速回転域にあるときの点火時期よ
り遅角させるように構成したため、点火時期をエンジン
回転数が中速回転域にあるときに高燃費となるように設
定しても、急加速をしたときには点火時期が遅角される
ためにそれが早過ぎるようなことはない。
【0036】したがって、スクータ用の中速回転域を多
用するエンジンにおいて燃費向上を図るに当たり、エン
ジン回転数が高回転域に達したときにもエンジンが過熱
されることがなく、その上、ノッキングも生じ難い。
【0037】また、エンジン回転数が中速回転域にある
ときにスロットル弁が急速に大きな開度をもって開かれ
たとしても、このときには点火時期が遅角されて燃焼開
始時期が遅くなり、燃焼時間が相対的に短くなる。
【0038】したがって、急発進時や急加速時にノッキ
ングが生じ難くなる。また、エンジン出力が一次的に低
下するから、後輪の駆動率は緩やかに上昇するようにな
り、タイヤの摩耗が進むのを抑えることができると共
に、路面の摩擦抵抗が小さくても車体を円滑に前進させ
ることができる。
【0039】さらに、スロットル弁が急速に大きな開度
をもって開かれたことをエンジン回転数の上昇率から検
出しているので、気化器の周辺に特別なセンサを配置せ
ずに済むので、点火時期を制御できる点火装置をきわめ
て容易に実現することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装
置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】 スクータでの車速とエンジン回転数との関係
を示すグラフである。
【図4】 本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装
置を使用したときのエンジン回転数と点火時期との関係
を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る自動二輪車用エンジンの点火装
置を使用したときの経過時間に対する点火時期とエンジ
ン回転数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
6…エンジン、11…点火装置、12…パルサージェネ
レーター、13…車速センサ、14…CPU、15…R
OM、16…CDI点火ユニット、23…点火時期設定
手段、24…点火時期制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−300064(JP,A) 特開 平4−321770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸から動力をVベル
    ト式無段変速機および遠心クラッチを介して後輪に伝達
    するスクータに用いるエンジンの点火装置において、エ
    ンジン回転数を検出する検出手段と、この検出手段によ
    って検出されたエンジン回転数に基づいて点火時期を制
    御する制御装置とを備え、前記遠心クラッチで動力伝達
    が開始されるエンジン回転数からVベルト式無段変速機
    のウェイトローラが遠心力で移動を開始する直前のエン
    ジン回転数までの間のエンジン回転数の範囲を中速回転
    域とし、前記中速回転域よりエンジン回転数が大きくな
    るエンジン回転数の範囲を高速回転域とし、前記制御装
    置を、エンジン回転数が少なくとも中速回転域にあると
    きの点火時期をアイドリング回転数における点火時期に
    対して進角させると共に、エンジン回転数が前記高速回
    転域にあるときの点火時期を前記中速回転域での点火時
    期より遅角させ、前記中速回転域であってエンジン回転
    数の上昇率が予め定めた値より大きいときに点火時期を
    前記高速回転域にあるときの点火時期より遅角させるよ
    うに構成したことを特徴とする自動二輪車用エンジンの
    点火装置。
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