JP3336470B2 - 電動式扉装置の駆動制御構造 - Google Patents

電動式扉装置の駆動制御構造

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JP3336470B2 JP22648893A JP22648893A JP3336470B2 JP 3336470 B2 JP3336470 B2 JP 3336470B2 JP 22648893 A JP22648893 A JP 22648893A JP 22648893 A JP22648893 A JP 22648893A JP 3336470 B2 JP3336470 B2 JP 3336470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、格納庫や倉庫の出入口
等の大開口部に建付けられる電動式扉装置の駆動制御構
造に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
この種電動式扉装置のなかには、これが例えば飛行機用
格納庫の出入口に建付けられるものである場合に、間口
幅が200メートル(m)にも及ぶ大開口部の開閉に用
いられるものが有る。この様な大開口部に用いられる電
動式扉装置としては、複数枚の扉体自体に、走行輪を駆
動させるための駆動手段を設け、躯体側に設けた架線を
介して駆動手段への給電を行い、それぞれ電動走行させ
て開閉できるようにしたものがある。そしてこの様な電
動式の扉装置においては、各扉体の走行(移動)位置を
予め設定される位置に制御することが試みられ、これに
よつて、開口部の開閉状態を、例えば全開、全閉、左半
部開、右半部開等の種々の開閉状態に自動的に制御でき
るようにしているが、この様に各扉体の自動的な走行制
御を行う場合に、その制御指令を、管理室等の遠隔部所
に設けた主制御部から出力するようにして、扉体の集中
管理ができるようにすることが管理上要求される。
【0003】ところが、この様に遠隔制御をした場合
に、主制御部や信号伝達手段に異常があつたとき、駆動
手段への電源供給はなされるが、扉体の電動走行による
開閉はできないことになる。そうしたときに従来は、駆
動手段への電源を断つと共にブレーキ解除をし、この状
態で扉体の手動的な開閉を行うことになるが、大開口部
に建付けられる扉体としては、その大きさも大きいこと
があつてとても人力で移動させることはできず、扉体を
牽引車等の車両を用いて移動させる必要があつて極めて
面倒かつ煩雑であつた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる電動式扉
装置の駆動制御構造を提供することを目的として創案さ
れたものであつて、走行輪と、その駆動手段と、該駆動
手段の駆動制御をするための副制御部とを備え、遠隔部
所にある主制御部からの遠隔制御信号で扉体の移動がで
きるように構成してなる電動式扉装置において、前記主
制御部は、扉体の開閉制御を行わないときでも常時また
は定期的に異常判別信号を副制御部に対して出力するも
のとし、副制御部には、前記異常判別信号に異常が有る
と判断された場合に、遠隔制御信号を無視して、扉体に
設けた操作スイツチの操作に基づいて駆動制御指令を駆
動手段に出力する異常時駆動回路が設けられていること
を特徴とするものである。
【0005】そして本発明は、この構成によつて、遠隔
部所からの信号入力に異常があつた場合であつても、扉
体を自動的に移動できるようにしたものである。
【0006】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1は大開口部に建付けられる電
動式扉装置であつて、該扉装置1は、同一走行レール2
にガイドされて移動する四枚の扉体3を一組としたもの
が都合三組並設されるものであつて、例えば、特願平2
−266337号の明細書および図面に記載されるもの
と同じような方式のものを採用し、そして電動走行でき
るようになつているので、その詳細についてはここでは
省略する。ここで、4は躯体(建屋)側に建付けられる
給電用の架線、5は架線4に摺接すべく扉体3側に設け
られる給電用の集電体、6は走行輪、7は走行輪6の駆
動を行うためのブレーキ手段を備えた電気的な駆動手
段、9は扉体3に設けられる後述のスイツチ盤、10は
扉体3に設けられる副制御部、11は管理室(図示せ
ず)に設けられる主制御部である。そして主制御部11
からの遠隔制御信号が個々の扉体3に設けた副制御部1
0にそれぞれ入力し、副制御部10は、該入力した遠隔
制御信号に基づいて扉体3を全閉、中央開、左側開、右
側開等の各種開閉姿勢に対応する位置となるよう自動的
に移動させるようになつている。尚、主制御部11から
副制御部10への遠隔制御指令の伝達方式として、光、
音、電磁波等の空中伝送波を用いた無線方式、あるいは
電送コードを用いた有線方式等、種々の伝達方式を必要
において採用できることはいうまでもない。
【0007】前記副制御部10は、マイクロコンピユー
タからなる制御部(CPU)を用いて構成されるが、該
副制御部10には、図4のブロツク回路図に示されるよ
うに、前記主制御部11からの遠隔制御信号を入力する
制御信号受信部13、障害物検知スイツチ14、扉体位
置検知部15、移動限界検知部16、さらには前記スイ
ツチ盤9に設けられ、手動によつて個々の扉体を自動的
に開閉するための操作スイツチである左移動スイツチ1
7L、右移動スイツチ17Rの各種手段に接続されてい
て、これら手段からの信号が入力するようになつてい
る。そして副制御部11は、これら入力した信号に基づ
いて必要な制御指令を駆動手段7、ランプやブザーの様
な移動報知手段20、異常報知手段20a、さらには扉
体3の移動位置等の制御信号を主制御部11側に伝送す
るための信号送信部21に出力するようになつている。
一方、主制御部11には、扉体3を前記スイツチ盤9の
左移動スイツチ17Lまたは右移動スイツチ17Rの手
動操作に基づいて個々の扉体3を単独で移動させる単動
側と、各扉体3を全閉、中央開、左側開、右側開等の各
種開閉姿勢に対応する位置となるよう自動的に移動させ
る複動側とに切換える単動−複動切換えスイツチ19か
らの信号が入力されると共に、扉体の開閉パターンを設
定するパターン設定器22等の各種スイツチ類、設定器
類からの信号、さらに副制御部10からの信号が入力す
るようになつており、これら入力した信号に基づいて副
制御部10に必要な遠隔制御信号を出力すると共に、モ
ニター、ブザー等の各種報知器類23に報知指令を出力
するようになつている。
【0008】次に、図5、図6に示すフローチヤート図
を用いて主制御部11、副制御部10による扉体3の移
動制御手順を説明するが、まず、主制御部11は、電源
供給がなされ、初期設定がなされると、後述する副制御
部10からの異常信号が入力したか否かが判断され、入
力したと判断されるときには、異常単動制御信号を出力
すると共に異常報知する。異常信号の入力が無いと判断
されるときには、さらに単動−複動切換えスイツチ19
が、複動側あるいは単動側に操作されたかの判断をす
る。本実施例では、この単動−複動切換えスイツチ19
は各対応する押釦スイツチを用いて構成されるものであ
る。そしてこの場合に、複動側のスイツチ操作として
は、扉体3の開閉パターン(例えば、中央部を開放する
パターン、左側あるいは右側を開放するパターン、全閉
等、パターン設定器22で設定される各種の開閉パター
ン)に対応した押釦スイツチがあり、対応する押釦スイ
ツチを選択して押し操作することによつて複動側の操作
ができるように設定されているが、単純に複動側に切換
えた後、パターン選択スイツチで開閉パターンの選択を
するようにしても勿論良い。そして、この様に複動側の
操作があつたと判断されると、主制御部11は、対応す
る複動制御信号を遠隔制御信号として出力することにな
る。そして、副制御部10から扉体3の移動が終了した
旨の信号入力があることに伴い、単動−複動切換えスイ
ツチ19は自動的に中立状態に復帰する設定になつてい
る。
【0009】これに対し、単動側の押釦スイツチが操作
された場合に、タイマがセツトされると共に、各副制御
部10に対して単動制御信号を遠隔制御信号として出力
するが、予め設定されるタイマ時間(例えば10分間)
のあいだに、何れかの副制御部10から扉体3の移動信
号の入力が無い場合に、単動−複動切換えスイツチ19
は自動的に単動側から中立状態に復帰する設定になつて
いる。また、単動−複動切換えスイツチ19が、単動、
複動の何れの側にも操作されていないときには、主制御
部11は中立制御信号を副制御部10に対して出力する
ようになつており、この様にして、主制御部11は、中
立状態のときであつても副制御部10に対して遠隔制御
信号を出力するようになつている。
【0010】一方、副制御部10側においては、電源供
給されてシステムスタートし、初期設定された後、主制
御部11からの遠隔制御信号が正常であるか否かの判断
がなされる。つまり、本実施例では、遠隔制御信号自体
が本発明の異常判別信号として用いられるが、例えば遠
隔制御信号が8ビツト信号であつた場合に、最初の2ビ
ツト分を異常−正常を判別するビツト領域とし、このビ
ツト領域の信号に異常があるか無いかの判断を行うよう
にすることで実施できることになる。そして、遠隔制御
信号が正常であると判断されると、次に、異常単動制御
信号の入力があつたか否かの判断がなされる。そして、
入力が無いと判断されると、さらに遠隔制御信号が複動
制御信号、単動制御信号、中立制御信号であるかの判断
を行い、複動制御信号であると判断されたときには、該
複動制御信号に対応する複動制御指令を駆動手段7に出
力し、これによつて各扉体3は、遠隔制御信号に基づく
複動が自動的に行われるよう駆動制御され、単動制御信
号であると判断されたときには、スイツチ盤9に設けた
左移動スイツチ17L、右移動スイツチ17Rのスイツ
チ操作がなされたか否かの判断をし、スイツチ操作がな
されたと判断される場合に、対応した駆動制御指令を駆
動手段7に出力し、これによつて扉体3は、移動スイツ
チ操作により自動的に移動を行うよう駆動制御されるよ
うになつている。因みに、扉体3の移動は、移動限界検
知部16による検知がなされるまでの移動であり、これ
を越えての移動は制限されるように設定されている。
【0011】一方、異常単動制御信号の入力があつたと
判断されたとき、および受信した遠隔制御信号に異常が
あると判断されたときには、遠隔制御信号が複動制御信
号、単動制御信号、中立制御信号の何れであるかの判断
をすることなく無視し、スイツチ盤9に設けた左移動ス
イツチ17L、右移動スイツチ17Rのスイツチ操作が
なされたか否かの判断をすることになるが、この場合
に、スイツチ操作がなされたと判断されると、異常時駆
動回路が閉成されてスイツチ操作に対応する駆動制御指
令が駆動手段7に出力されるように設定されており、こ
れによつて扉体3は対応する側に移動するよう駆動制御
されるが、このものでは、受信した遠隔制御信号に異常
があつたと判断されたときに、異常信号を主制御部11
に出力すると共に、異常報知手段20aから異常報知が
なされるようになつている。
【0012】因みに、異常判別信号としては、デジタル
信号、アナログ信号の何れでも良く、さらには、遠隔制
御信号を高周波信号として出力するための定在波に異常
があるか否かの判断をするようにしても良く、そして、
常時、あるいは所定時間毎の出力をするようにしても良
く、要するに、主制御部11自体、あるいは送信手段自
体に異常があつた場合に、これが判別できるものであれ
ば良く、その判別手段としては、信号入力がなくなつ
た、特定信号の変化があつた、周波数が変化した、副制
御部10に記憶されていない異常信号の入力があつた等
によつて判別することができる。
【0013】叙述のごとく構成された本発明の実施例に
おいて、単動−複動切換えスイツチ19を複動側に切換
えて、管理室に設けられる主制御部から複動制御信号を
出力すると、扉体3は、前記複動制御信号に基づいて、
例えば全開、全閉、左半部開、右半部開等の種々の開閉
状態に自動的に駆動制御されることになるが、主制御部
11からは、扉体3の開閉作動をしていないときも含め
て常時あるいは定期的に異常判別信号を副制御部10に
対して出力しており、主制御部11自体、あるいは送信
手段自体に異常があつた場合に、副制御部10は、異常
判別信号によつて異常状態であることを判断できること
になり、そしてこの様に判断した場合に、副制御部10
は遠隔制御信号を無視し、スイツチ盤9に設けた左移動
スイツチ17L、右移動スイツチ17Rである手動操作
スイツチからの信号に基づいて異常時駆動回路を閉成し
て単動制御指令を駆動手段7に出力するよう自動的に切
換わることになる。従つて、主制御部11自体、あるい
は送信手段自体に異常があつた場合であつても、扉体3
は、操作スイツチ、例えば左移動スイツチ17L、右移
動スイツチ17Rを操作することで自動的に移動するよ
う駆動制御せしめることができることになつて、従来の
ように、駆動手段7への電源供給はなされているものの
扉体3を自動的に移動させることができず、わざわざ牽
引車等を用意して移動させる様な不都合がなくなり、極
めて作業性の良いものとすることができる。
【0014】しかもこのものでは、主制御部11自体、
あるいは送信手段自体に異常が無い場合に、扉体3は、
単動−複動切換えスイツチ19を意図的に単動側に切換
えない限り、左移動スイツチ17L、右移動スイツチ1
7Rを操作しても移動することがなく、不用意な扉体3
の移動を回避できる有効な安全対策が計られている。し
かも、単動−複動切換えスイツチ19を単動側に切換え
て扉体3を移動させる場合では、所定のタイマ時間内に
扉体3を移動させなければ自動的に中立状態に復帰する
ことになつて、単動側切換え状態で必要な扉体3を移動
せしめた後には不用意な開閉がなされない中立状態に自
動的に切換わることになつて、操作性の向上が一段と計
れることになる。そのうえこのものでは、任意の副制御
部10側で異常があつたと判断された場合に、該副制御
部10は異常単動制御状態に自動的に切換わるが、この
異常信号が主制御部11に出力されると、主制御部11
は異常単動制御信号を出力して他の副制御部10につい
ても異常単動制御状態に切換えることとなつて、異常時
における扉体3の開閉作動が混乱することがないように
配慮されている。
【0015】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、扉体は、扉体側の副制御部に入力
された主制御部からの遠隔制御信号に対応して自動的に
駆動制御されて移動することになるが、遠隔制御部から
は、扉体の開閉作動をしていないときも含めて常時ある
いは定期的に異常判別信号が制御部に対して出力されて
いて、副制御部は、該異常判別信号に異常があつた場合
に異常状態であることを判断し、そしてこの様に判断し
た場合には、副制御部は異常時駆動回路を形成して、遠
隔制御信号を無視し、扉体に設けた操作スイツチの信号
に基づいて駆動制御指令を出力するよう自動的に切換わ
ることになる。この結果、異常判別信号があつた場合で
あつても、扉体は、手動操作スイツチを操作することで
駆動制御して自動的に移動することができることになつ
て、従来のように、駆動手段への電源供給はなされてい
るものの扉体を自動的に移動させることができず、わざ
わざ牽引車等を用意して移動させる様な不都合がなくな
り、極めて作業性の良いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式扉装置を示す概略平面図である。
【図2】扉体の正面図である。
【図3】制御構造を示すブロツク図である。
【図4】主制御部における制御手順を示すフローチヤー
ト図である。
【図5】副制御部における制御手順を示すフローチヤー
ト図である。
【図6】異常判別信号に基づくタイミングチヤート図で
ある。
【符号の説明】
1 電動式扉装置 2 走行レール 3 扉体 6 走行輪 9 スイツチ盤 10 副制御部 11 主制御部 19 単動−複動切換えスイツチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 15/10 E06B 3/01

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行輪と、その駆動手段と、該駆動手段
    の駆動制御をするための副制御部とを備え、遠隔部所に
    ある主制御部からの遠隔制御信号で扉体の移動ができる
    ように構成してなる電動式扉装置において、前記主制御
    部は、扉体の開閉制御を行わないときでも常時または定
    期的に異常判別信号を副制御部に対して出力するものと
    し、副制御部には、前記異常判別信号に異常が有ると判
    断された場合に、遠隔制御信号を無視して、扉体に設け
    た操作スイツチの操作に基づいて駆動制御指令を駆動手
    段に出力する異常時駆動回路が設けられていることを特
    徴とする電動式扉装置の駆動制御構造。
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