JP3336200B2 - 要素ホログラムパネルを有する3次元像表示装置 - Google Patents

要素ホログラムパネルを有する3次元像表示装置

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JP3336200B2 JP20620396A JP20620396A JP3336200B2 JP 3336200 B2 JP3336200 B2 JP 3336200B2 JP 20620396 A JP20620396 A JP 20620396A JP 20620396 A JP20620396 A JP 20620396A JP 3336200 B2 JP3336200 B2 JP 3336200B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/26Processes or apparatus specially adapted to produce multiple sub- holograms or to obtain images from them, e.g. multicolour technique
    • G03H1/30Processes or apparatus specially adapted to produce multiple sub- holograms or to obtain images from them, e.g. multicolour technique discrete holograms only

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元物体を表示
する3次元像表示装置に関し、より詳細には、静止した
スクリーンパネルを構成する回折素子(要素ホログラ
ム)ごとに照射光を制御して表示させる像を変更するこ
とを可能とし、回折素子からの回折光により三次元像を
広い視域から観察可能に形成するようにした当該装置及
びそこに用いる要素ホログラムの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空間に3次元像を再現させる
ディスプレイとして、ホログラフィによる3次元ディス
プレイが知られている。ホログラフィは、ある平面にお
ける光波の振幅と位相の両方を記録し再生する技術であ
り、このため、再生時に上下左右に視点を移動させて
も、それぞれ異なった角度からの像として3次元画像を
見ることができる。そして、この方法は、人間が立体を
認識するすべての生理的要因,両眼視差,輻輳,目の調
節が成り立つため、他の方法より自然な3次元画像とな
る。ここに用いるホログラムは、物体光といわれる被写
体からの光波と、参照光といわれる別方向からくる光波
を干渉させ、この干渉縞を記録することによって作製さ
れる。このホログラムに参照光を入射すると、ホログラ
ム中の干渉縞により回折されて、もとの物体光と同一な
波面が形成され、物体像が空間に浮かび上がる。
【0003】また、通常のホログラフィ表示は、静止画
像であるが、これを動画にする方法がいくつか提案され
ている。その1つの方法として、MITメディアラボの
ベントン教授らのグループによって開発された実時間動
画ホログラフィディスプレイがある。図56は、この実
時間動画ホログラフィディスプレイの概要を示す図であ
る。図56において、3次元像108のホログラム信号
102は、図示されていないコンピュータにより計算さ
れ、AOM(Acousto-optic Modulator:音響光学素
子)103に入力される。AOM103で変調されたレ
ーザ光104は、さらにガルバノミラー105とポリゴ
ンミラー106とによりそれぞれ垂直走査と水平走査さ
れる。AOM103は、3次元像108の再生に必要な
ホログラムをすべて一度に表示することはできないが、
水平,垂直走査を行うことで、一定時間内に全体像に対
応するホログラムを表示することが可能となる。また、
ポリゴンミラー106による水平走査は、AOM103
内を進行するホログラム干渉縞の流れを補償し、像を静
止させる役割も果たす。そして、AOM103からの回
折角は3[deg]程度であるため、出力レンズ107等
の縮小光学系によりホログラムを縮小結像し、回折角の
5,6倍に相当する視域を得ている。このように、走査
・縮小光学系を用いることで、出力レンズ107付近に
仮想的なホログラムが形成され、観察者109は、出力
レンズと図示されていない拡散板を通して3次元像10
8を見ることができる。拡散板は、垂直一方向の拡散を
行い、観察域の拡大に寄与する。図56は、モノクロ表
示のシステムであるが、カラー表示は3個のAOMを用
い、それぞれ3色のレーザ(赤:He−Ne 632.
8nm,緑:Nd:YAG532.0nm,青:He−Cd
441.6nm)に対応させれば実現できる。
【0004】また、特開平6−186901号公報に
は、簡単な構成でホログラムによる3次元画像を得るこ
とができる3次元画像表示装置が開示されている。図5
7は、この3次元画像表示装置の概略図を示すものであ
る。図57において、レーザ光源112から発せられた
レーザ光は、レンズ113によって拡大された後、ホロ
グラム円盤114の所定領域に参照光として入射され
る。ホログラム円盤114は、モータ115によって回
転可能に構成されている。この場合、ホログラム円盤1
14は、図58に示すように、複数のホログラム114
-1,114-2,…,114-nを用い、これらを1枚の円
盤に円状に貼り付けている。これら各ホログラム114
-1,114-2,…,114-nは、レーザ光源112の光
が入射された場合、3次元空間の異なる位置に点光源の
虚像116-1,116-2,…,116-nを再生するよう
な露光が施されている。したがって、モータ115によ
ってホログラム円盤114を回転させれば、各ホログラ
ム114-1,114-2,…,114-nに順次レーザ光が
参照光として入射されることになり、この結果、3次元
空間上の複数の異なる位置に点光源の虚像を順次再生す
ることができる。よって、3次元空間上の複数の異なる
位置に点光源の虚像が、例えば、長方形のマトリックス
状に密に配置されるように各ホログラム114-1,11
4-2,…,114-nを露光すれば、これらマトリックス
状の点光源の虚像を適宜選択して表示することにより、
所望の画像信号に応じた像を再生することができる。ま
た、すべての虚像を点灯するようにすれば、長方形の箱
が空間に浮かんでいるように表示される。
【0005】また、特開平6−82612号公報には、
回折格子アレイを用いた立体像表示装置が開示されてい
る。これは、回折格子からなるセルを平面状の基板に複
数個配列した回折格子アレイにおいて、前記セルを分割
し、この各分割領域を各視差画像のピクセルに対応させ
ることで、立体像を表示している。この方式は、視差を
持つ画像の表示ができるという特徴がある。図59は、
上記立体像表示装置に用いる回折格子アレイの概略図を
示すものである。図59において、回折格子アレイ12
1は、複数の画素122,123,124からなるセル
125を、平面状の基板126に複数個配列したもので
ある。画素122,123,124は、セル125を勾
配および格子間隔が近い領域で空間的に分割されてお
り、これら画素122,123,124を各視差画像に
対応させた回折格子アレイ121としている。この回折
格子アレイ121を基本デバイスとして用いて、視差を
持つ立体像の表示を可能としている。
【0006】図60は、回折格子アレイ121を用いた
立体像表示装置の要部概略図を示すものである。図60
に示される立体像表示装置は、回折格子アレイ121
と、回折格子アレイ121の後面に設けられた空間光変
調素子である液晶表示素子132と、液晶表示素子13
2の後面に設けられたカラーフィルタ133とから構成
されている。この立体像表示装置において、微小領域に
ついて考えると、白色の入射光に対して、カラーフィル
タ層133により入射光の中からある波長が選択され、
液晶表示装置132により光の透過/遮断が選択され
て、透過した光は、回折格子アレイ121に到達する。
ここで、回折格子アレイ121は、光透過性の樹脂板等
で形成されており、到達した光は透過時に回折される。
この時、回折光の出射方向は、この微小領域の勾配と格
子間隔により回折角が決まる。そして、この回折角の方
向から観察すると、この微小領域が選択された波長で光
って見える。このようにして、各微小領域を表示すべき
立体像に従って動作させることによって、立体像が表示
される。
【0007】また、従来、空間に3次元像を再現させる
ディスプレイとして、体積走査法による3次元ディスプ
レイがある。この方式の3次元ディスプレイは、眼鏡な
どの特殊な装置を必要としない、また、自然な焦点合わ
せが可能な3次元画像を表示できる、といった特徴をも
つものである。図61は、この体積走査方式の3次元画
像表示システムの概略図を示すものである。図61で
は、説明を簡単にするために、5枚の切断面像を表示す
る例を示している。この3次元画像表示装置は、レーザ
光源142,変調器144,XY偏向器145,制御コ
ンピュータ147,画像データメモリ149,スクリー
ンパネル151から基本的に構成されている。この表示
装置の動作を概略的に説明すると、まず、表示したい3
次元画像データ148(図では球状物体)を用意する。
図中のスクリーンパネル151は、Aの位置からEの位
置まで一定速度で移動し、瞬時にAの位置に戻るという
動作を繰り返す。スクリーンパネル151の上記各位置
A〜Eに対応した3次元画像の切断面像A′〜E′を、
制御コンピュータ147によって変調器144およびX
Y偏向器145を制御し、レーザ光146をラスタスキ
ャンによりスクリーンパネル151に順次投射してい
く。この時、スクリーンパネル151の移動速度、及
び、レーザ光146の走査速度が十分に高速で、相互に
同期がとれていれば、スクリーンパネル151の面積×
移動ストロークの空間に、目の残像現象により3次元画
像150が表示できる。
【0008】また、実像視認タイプの三次元像表示装置
は特開昭56−500313号公報に開示さている。こ
の従来技術の原理は、図62に示すようにLED等の発
光素子161を2次元平面状に発光素子アレイ160と
して配置し、平面内にある軸を回転軸162とし回転さ
せ、眼の残像現象により動画の立体像を視認するもので
ある。そして、回折格子パターンを有するディスプレイ
が特開平4−311916号公報に開示されている。こ
の従来技術の原理は、回折格子パターンを平面状の基板
にドット状に配置し、それぞれドット状の回折格子は、
入射光に対して左右の方向に光線を偏向させるものであ
る。これは、図63に示すように、回折格子パネル基板
171に液晶空間光変調器170を密着させ、液晶用駆
動装置172で駆動される液晶空間光変調器170によ
り左右の視差像を再配列して一枚の画像にしたものを表
示することによりステレオグラムの原理によって動画の
立体像が視認できるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図56の実時間動画ホ
ログラフィディスプレイについては、3次元画像の干渉
縞をコンピュータで計算するために、膨大な時間がかか
る。さらに、その干渉縞のデータに基づいて3次元画像
を表示するために、そのデータが膨大なものとなり、大
容量の画像データメモリ,高速なデータ転送が必要であ
った。そのために、大きな3次元画像を表示することが
非常に困難であった。図57のホログラムによる3次元
画像表示装置については、ホログラムを駆動しなければ
ならず、大きな3次元画像を表示するためには、大きな
ホログラムを用意しなければならないし、また、そのた
めの駆動機構部も大型化するという問題があった。ま
た、1人の観察者に対しては、陰線処理された3次元画
像を表示することが可能だが、多人数の観察者に対して
表示できる3次元画像は、原理上裏側が透けて見える半
透明像となる問題があった。
【0010】図60の回折素子アレイを用いた立体像表
示装置については、原理上両眼視差を利用したステレオ
グラムによる立体像しか表示できないという問題があっ
た。図61の体積走査型ディスプレイに関しては、図5
7の装置について上記したと同様に、原理上裏側が透け
て見える半透明な3次元画像しか表示できない、という
問題があった。上記図62の従来技術についても、原理
に隠線・隠点処理が出来ないので立体像の裏側が透けて
見えてしまい、その応用分野が限られていた。また、上
記図63の従来技的は、原理的に2枚の視差像を左右の
眼で見るステレオグラム方式であるので、長時間の視認
が眼が疲労するなどの問題があった。
【0011】以上に述べたところの従来の3次元像表示
装置では、大きな3次元像の表示が困難であり、また、
ステレオグラム画像とするものについては、眼が疲労し
やすいという問題点があった。また、裏側が透けて見え
る半透明像であるため、予め切断像をもつCT像などの
3次元表示,航空管制レーダなどの空間的な位置関係を
示すディスプレイにしか利用できない、などのように応
用が限定されていた。本発明は、上述した従来の技術に
おける問題点に鑑みてなされたものであり、その課題
は、大画面の3次元画像の表示が可能であり、また、実
際に物が存在すると同じ様に3次元画像を作って観察者
が任意の方向,位置からその3次元画像に焦点を合わせ
て観察することが可能であり、さらに、隠線・隠点処理
を行うようにして、表示される画像が半透明像とならな
いような表示の条件を選択することも可能となるように
して、その応用範囲を拡大することを可能とする3次元
像装置及びその装置に用いるスクリーンパネルを容易に
得ることを可能とする作製法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】1の発明は、スクリー
ンパネルと、該スクリーンパネル面上の照射位置を指定
可能にするとともに、該指定位置の光ごとに変調が与え
られる干渉性を有する光を発生するようにした変調光発
生手段と、表示しようとする3次元画像に関するデータ
を入力するデータ入力手段と、該データ入力手段により
入力された3次元画像に関するデータに基づいて前記変
調光発生手段を制御する画像表示制御手段とを備える3
次元像表示装置において、前記スクリーンパネルは、表
示しようとする3次元画像データに基づいて作成された
複数の回折素子からなるとともに、前記変調光発生手段
を前記画像表示制御手段により制御することにより、該
複数の回折素子の各回折素子ごとに変調された干渉性を
有する光を照射するようにし、回折素子に作用する光
は、3次元画像データに基づいて作られている各回折素
子の特性により、回折素子ごとに異なる点像を表示する
ようにし、しかも、その出力光を制御手段により制御す
ることができるので、種々の表示内容に対応して手段を
適応させることができ、より現実に近い表示が可能とな
るものであり、更に、前記スクリーンパネルをなす回折
素子中の複数の素子が同一の点像を形成するようにし
て、該素子の各々により視域を分割するようにしたもの
である。
【0013】
【0014】第2の発明は、上記第1の発明において、
前記変調光発生手段が、干渉性を有する光ビームを発生
する手段と、前記光ビームを変調する変調手段と、該変
調手段からの前記光ビームを2次元走査させる走査手段
により構成されるようにし、変調光発生手段の機能をそ
れぞれの機能をもつ要素手段によって分担して構成する
ようにしたものである。
【0015】第3の発明は、上記第2の発明において、
光ビームを2次元走査させる前記走査手段は、該光ビー
ムを平行走査させるようにし、光ビームの走査手段を一
定の走査範囲で繰り返し行うように動作させることでス
クリーンパネルの走査を行う間、スクリーンパネル上で
光ビームの作用を受ける表示面を有効に利用することに
なるので、装置空間の利用効率が高く、必要とする要素
ホログラムの作成も容易とするものである。
【0016】第4の発明は、上記1ないしのいずれ
かの発明において、前記回折素子を要素ホログラムと
し、製作が容易で素子性能の良い表示画素及びその表示
画素よりなるスクリーンパネルをもった表示装置が提供
される。
【0017】第5の発明は、上記第4の発明において、
前記変調光発生手段が、干渉性を有する光線を発生させ
る光源と該光源から発した光線のビーム径を拡大する光
学系と、該光学系により拡大されたビームの光路に配置
され、光の透過率の制御可能な液晶空間変調器からな
り、前記回折素子を要素ホログラムとした前記スクリー
ンパネルと前記液晶空間光変調器とを一体化するように
して液晶空間光変調器によって調整された光量で各要素
ホログラムを選択照射することを可能としたものであ
る。
【0018】第6の発明は、上記第4又はの発明にお
いて、前記要素ホログラムパネルを反射型として再生光
線の入射側における該パネル上方に3次元像を表示する
ようにしたものである。
【0019】第7の発明は、上記第4又はの発明にお
いて、前記要素ホログラムパネルを透過型として再生光
線の出射側における該パネル上方に3次元像を表示する
ようにしたものである。
【0020】第8の発明は、上記第7の発明において、
前記液晶空間光変調器と要素ホログラムパネルとの間に
透明基板を有するようにして液晶空間光変調器への入射
角を調整し、0次回折光を視域外へ導くことを可能とし
たものである。
【0021】第9の発明は、上記1ないしのいずれ
かの発明において、前記スクリーンパネルが2枚以上重
ねたスクリーンパネルから構成されるようにし、より多
くの点像、また、大きな3次元画像の表示が可能となる
ものである。
【0022】第10の発明は、上記1ないしのいず
れかの発明において、前記スクリーンパネルが曲面形状
をなし、より広い視域とすることが可能となるものであ
る。
【0023】第11の発明は、上記1ないし10のい
ずれかの発明において、3次元画像を形成する光ビーム
に作用させる光拡散板を付加するようにし、より広い視
域を可能とし、また、より多くの点像、大きな3次元画
像の表示を可能とするものである。
【0024】第12の発明は、上記第4ないし11のい
ずれかの発明において、前記要素ホログラムが、一つの
要素ホログラムで複数の点像を表示するようにし、より
多くの点像、大きな3次元画像の表示を可能とするもの
である。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実施の形態
の内容を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
発明の3次元画像表示装置の概略図を示すものである。
図1に示すように、3次元画像表示装置1は、レーザ光
源2,変調器4,XY偏向器5,制御コンピュータ7,
画像データメモリ9,スクリーンパネル11,及び、投
射レンズ12から基本的に構成されている。また、スク
リーンパネル11は、多数の要素ホログラムから構成さ
れている(後で、より詳細に説明される)。図1におい
て、まず、表示したい3次元画像データ8(図では球状
物体)を用意する。ここで用意する3次元画像データ8
は、従来例の3次元画像データに加えて、表示する画像
の各点(各画素)の位置関係のデータも含めて持ってい
る。これにより、表示物体の裏側が透けて見えないよう
に表示することができる。制御コンピュータ7によって
変調器4およびXY偏向器5を制御し、レーザ光6をラ
スタスキャンによりスクリーンパネル11上の、3次元
画像を構成する点像に対応する要素ホログラムに順次投
射していく。基本的には、その点像が見えるか見えない
かを判定し、その画素に対応するどの要素ホログラムに
レーザ光を照射するか決定する。この時、レーザ光6の
走査速度が十分に高速であれば、スクリーンパネル11
上に3次元画像10が表示できる。なお、投射レンズ1
2は、スクリーンパネル11にレーザ光6を、ほぼ垂直
に入射させるために設置してあるものである。スクリー
ンパネル11の構造によっては、必ずしもレーザ光を垂
直入射させる必要はない。
【0031】ここで、スクリーンパネル11により点像
を3次元で表示する原理を説明する。図2は、その点像
の表示原理を説明するための図を示すもので、図2
(A)に、1つの点像21をホログラム22で表示する
場合を示す。ホログラム22には、その点像を表わす波
面のデータがホログラム22の全面に書き込まれてい
る。ここでは、そのデータはかなりの冗長度をもって記
録されているが、データ量を削減するためには、図2
(B)に示すように、このホログラム22の一部分24
を使っても、その点像23を表示することができる。た
だし、この場合には、点像を見ることができる範囲(視
域)が狭くなってしまう。そこで、図2(C)に示すよ
うに、小さなホログラム(要素ホログラム)26を広い
範囲に分散させれば、データ量を削減し、かつ視域の広
い点像25を再生できる。データを記録していない部分
には、他の点像のデータを記録する。多数の点像を要素
ホログラムとして1枚のパネルに記録し、必要な要素ホ
ログラムを選択し、レーザ光を照射することで、多数の
点像で構成された3次元動画像の表示が可能となる。
【0032】次に、スクリーンパネル11による3次元
画像の形成について具体的に説明する。図3ないし図7
は、スクリーンパネルによる3次元画像の形成を説明す
るための図を示すものである。図3に示すように、本発
明の方式の3次元画像表示装置1に用いられるスクリー
ンパネル11は、多数の回折素子から構成されている。
ここで、回折素子とは、点像の波面を再生できる光学素
子である。この実施の形態では、回折素子として、要素
ホログラムを用いた。ここでは、説明を簡単にするため
に、レーザ光の入射角は、スクリーンパネル11に対し
て等しく、ほぼ90°であるとする。この場合、要素ホ
ログラムで回折されない0次光(反射光)は、入射光と
同じ光路で戻っていき、観察者の目に入ることはない。
それぞれの要素ホログラムhnxyは、異なる点像Pnを
形成する波面を作るためにレーザ光を回折し得る。それ
らの点像Pnが集まって、3次元画像10を形成するこ
とになる。
【0033】図4ないし図7は、スクリーンパネルによ
って、レーザ光がどの様に回折されるかを示す図で、図
1及び図3のX−X′断面において、スクリーンパネル
11の要素ホログラムhnxyによって回折されたレーザ
光がスクリーンパネル11より上方に3次元画像10
(球状物体)を作る状況が示されている。図4ないし図
7では、説明を簡単にするために、一つの点像Pnを9
個の要素ホログラムhnxyで再生する場合を示してい
る。図4において示すように、点像P1は、特定の視域
(図では、90°)において、その点像P1より上方の
あらゆる方向から見ることができるため、点像P1を表
示する要素ホログラムhnxyには、すべてレーザ光を照
射し、すべての方向から点像P1が見られるように光を
回折させる。一方、図5において示すように、点像P2
は、3次元画像10である球自身で一部隠れるため、要
素ホログラムh26yからh29yにはレーザ光を照射し
ない。また、図6において示すように、点像P3につい
ては、表示物体の最下部であるため、図示した視域で
は、自分自身により点像P3を隠してしまうので、点像
P3を見ることはできない。従って、点像P3を表わす
要素ホログラムhnxy(h31yからh39y)にはレー
ザ光を照射しないようにする。そして、図7において示
すように、点像P4は、図5の点像P2と同様に、要素
ホログラムh41yからh44yにはレーザ光を照射しな
いようにする。すべての点像Pnに対して、上記のよう
な処理を行っていくことで、実体物と同じ3次元画像1
0が表示できることになる。すなわち、表示画像が自分
自身、または、他の表示画像によって隠された方向に
は、光を回折しないように、要素ホログラムの照射,非
照射を選択することによって、裏側が透けて見えるよう
な半透明像ではなく、実際の物体と同じような3次元画
像を観察することができる。
【0034】次に、スクリーンパネル11およびスクリ
ーンパネル11を構成する要素ホログラムhnxyの作製
方法について説明する。図8は、この要素ホログラムの
作製方法を実施するための光学系及びその手順を説明す
るための図を示すものである。図8に示す配置の光学系
により、フォトポリマーからなるホログラム用感光材料
を露光するが、ホログラム感光材料としてフォトポリマ
ー、例えば、HRF−7000X015-20(デュポン製)が使
用できる。図8において、レーザ光源31から出射した
レーザ光32は、シャッタ33を透過し、ミラー34を
介してビームスプリッタ35で分割される。ビームスプ
リッタ35を透過したレーザ光36は、対物レンズ37
により発散光となり、ミラー38へ向かう。ミラー38
で反射されたレーザ光39は、コリメートレンズ40で
平行光となり、マスク41を介してスクリーンパネル基
板42上のホログラム感光材料43へ照射される。この
とき、ホログラム感光材料43へのレーザ光の入射角
は、図1のレーザ光6のスクリーンパネル11への入射
角と等しく、約90°に設定する。
【0035】一方、ビームスプリッタ35で反射したレ
ーザ光44は、ミラー45で反射され、対物レンズ4
6,コリメートレンズ47でビーム径を拡大し、ミラー
48,集光レンズ49により集光されたレーザ光50と
して、拡散板51上に点像52を形成する。拡散板51
で拡散された点像52のレーザ光53は、マスク54を
介してホログラム感光材料43に照射される。ここで、
拡散板51に形成した点像51の位置が、スクリーンパ
ネル11によって再生できる点像の位置となる。また、
その点像51を再生する要素ホログラムは、マスク4
1,54によってレーザ光が照射された位置に形成され
る。マスク41,54は、全く同じもので、基板42
(感光材料43)を挟んで同じ位置に設置されている。
感光材料43に必要な露光時間だけ、シャッタ33を開
け、感光材料43中に干渉縞を書き込む。すべての点像
を再生する要素ホログラムの書き込みは、基板42を
X,Y及びZ方向に移動させて、基板42と点像51の
相対的な位置を変えることで行っていく。同時に、マス
ク41,54と基板42の相対的な位置も変えて、要素
ホログラムを書き込んでいく。ただし、基板42から等
しい距離の平面を形成する点像52を再生する要素ホロ
グラムは、同じマスク41,54を使うことができる
が、基板42と異なる距離の平面を形成する点像52を
再生する要素ホログラムの書き込みに対しては、異なる
マスク41,54を用意しなければならない。
【0036】例えば、スクリーンパネル11で表示でき
る点像の数が10×10×10=1000個とし、一つの点
像を表わすのに40個の要素ホログラムを用い、1個の
要素ホログラムの大きさが1mm×1mmの大きさであると
すると、スクリーンパネル11は20cm×20cmの大き
さとなる。マスク41,54は、1つの点像に対して4
0個の1mm四方の穴があいたものを用意する。点像から
の発散角がすべての点像に対して等しいとすると、点像
がスクリーンパネルより遠いほど、スクリーンパネルの
広い範囲を使用することになる。上述したように、基板
42からの距離が異なる平面を形成する点像を再生する
要素ホログラムの書き込みに対しては、異なるマスクを
用意しなければならない。基板42上の要素ホログラム
は、基板42の両面から照射されたレーザ光の干渉によ
り形成されているため、リップマンタイプ(体積型)と
なる。図8のレーザ光源31は、図1のレーザ光源2と
基本的には同一波長のものを用いる。具体的には、半導
体レーザ励起Nd:YAGグリーンレーザ(波長:53
2nm)を用いた。従って、このレーザ光源を用いれば、
緑色のモノクロ3次元画像を表示できる。
【0037】カラー化する場合は、3次元画像表示装置
1に、赤,緑,青の3つのレーザ光源と、赤,緑,青に
対応した要素ホログラムから構成されたスクリーンパネ
ルを用意すればよい。赤,緑,青に対応した要素ホログ
ラムは、レーザ光源として、種々の波長を発振できる色
素レーザ装置を用意し、波長611nm(赤),544nm
(緑),453nm(青)を用い、図8と同一光学系配置
で露光し、作製する。また、赤,青,緑と別々のレーザ
光源を用意して、要素ホログラムを作製してもよい。ス
クリーンパネルは、1枚で赤,緑,青に対応させてもよ
いし、赤,緑,青に対応した3枚のスクリーンパネルを
重ねて、カラー用のスクリーンパネルを構成してもよ
い。これらスクリーンパネルは、回折効率のピークを複
数の波長域に有するとともに、該複数の波長の光を混色
させた光が実質的に中性色(白色光)となるようにして
いる。カラーに対応した3次元表示装置に使用するレー
ザ光源には、モノクロの場合と同様に、スクリーンパネ
ルを作製したレーザ光源と同じ波長の光源を使用する。
【0038】ここで、3枚のスクリーンパネルを重ねて
カラー用のスクリーンパネルを構成する実施の形態につ
いて例示し、説明する。図9は、カラー用のスクリーン
パネルの一形態による動作状態を示す図である。図9に
おいて、カラー用のスクリーンパネルとして、スクリー
ンパネル11r1,スクリーンパネル11g1、及び、ス
クリーンパネル11b1を重ねた場合の構成を示す。こ
こで、スクリーンパネル11r1,スクリーンパネル1
1g1、及び、スクリーンパネル11b1は、それぞれ
赤,青、及び、緑の波長の光を反射する要素ホログラム
(hr1,hg1、及び、hb1)から構成されている。
3次元画像10rgb1を構成する一つ点像Prgb
1が、要素ホログラムhr1,hg1、及び、hb1から反
射された光線r1,光線g1、及び光線b1によって表示
される場合を示し、このような構成によって、カラー点
像Prgb1(カラーの3次元画像10rgb1)が表示
できる。
【0039】上記した図9の実施の形態では、光線
1,光線g1、及び、光線b1の方向が若干異なること
になるが、3枚のスクリーンパネル11r1,11g1
及び、11b1の厚さが薄い場合は、ほとんど問題には
ならない。ただし、問題となる場合の対応策としては、
図10のように、点像Prgb2を表示する要素ホログ
ラムhr2,hg2、及び、hb2の位置をずらすこと
で、3本の光線を1方向の光線r,g,b2とすること
もできる。
【0040】また、スクリーンパネルを重ねて用いる例
として、上記したカラー化以外の用法を以下に説明す
る。それは、より多くの点像を形成するようにスクリー
ンパネルを重ねて用いるものである。図11は、重ねた
スクリーンパネルにより点像を形成する動作の状態を示
す図で、3枚のスクリーンパネル11a,11b、及
び、11cを重ねて用いている。この例では、各スクリ
ーンパネルにおいて、ほぼ同じ位置に設けた要素ホログ
ラムにより反射された光線a,b,cがそれぞれ示さ
れ、各光線a,b,cが3次元画像10abcの異なる
位置の点像Pa1,Pb1、及び、Pc1を形成するよう
に動作する。このようにして、より多くの点像Pa1
Pb1、及び、Pc1が表示できるようになることが示さ
れる。
【0041】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。図12は、本発明の曲面パネルを有する3次元画像
表示装置71の実施の形態の概略図を示すものである。
3次元画像表示装置71は、レーザ光源2,変調器4,
XY偏向器5,制御コンピュータ7′,画像データメモ
リ9′,スクリーンパネル61,及び、投射レンズ12
から基本的に構成されている。また、上述の第1の実施
の形態と同様に、スクリーンパネル61は、多数の要素
ホログラムから構成されている。図12において、表示
したい3次元画像データ8′(図では球状物体)を用意
する。ここで用意する3次元画像データ8′は、従来例
の3次元画像データに加えて、表示する画像の各点(各
画素)の位置関係のデータも含めて持っている。これに
より、表示物体の裏側が透けて見えないように表示する
ことができる。
【0042】制御コンピュータ7′によって変調器4お
よびXY偏向器5を制御し、レーザ光6′をラスタスキ
ャンによりスクリーンパネル61上の3次元画像60を
構成する点像に対応する要素ホログラムに順次投射して
いく。基本的には、その点像が見えるか見えないかを判
定し、その画素に対応するどの要素ホログラムにレーザ
光を照射するか決定する。この時、レーザ光6′の走査
速度が十分に高速であれば、スクリーンパネル61上に
3次元画像60が表示できる。なお、投射レンズ12
は、スクリーンパネル61面にレーザ光6′を、ほぼ垂
直に入射させるために設置してあるものである。スクリ
ーンパネル61面にレーザ光6′をほぼ垂直に入射させ
るためには、投射レンズ12からの出射光は、図12の
ように収束光としてもよいし、発散光としてもよい。ま
た、スクリーンパネル61の構造によっては、必ずしも
レーザ光をスクリーンパネル61面に垂直に入射させる
必要はない。第1の実施の形態との違いは、スクリーン
パネル61が曲面形状になっていることである。これに
よって、第1の実施の形態より広い視域が得られる。図
13及び図14を用いて、スクリーンパネル61の形状
と視域の関係を説明する。図13に示す様に、平面スク
リーンパネル11の場合、点像P14,P15,P16
の全てを見ることのできる範囲は、視域13である。一
方、図14に示す様に、曲面スクリーンパネル61の場
合は、点像P64,P65,P66の全てを見ることの
できる範囲は、視域63となり、視域13より広くな
る。
【0043】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。図15に、本発明の拡散板を有する3次元画像表示
装置81の実施の形態の概略図を示す。3次元画像表示
装置81は、レーザ光源2,変調器4,XY偏向器5,
制御コンピュータ7,画像データメモリ9,スクリーン
パネル11,投射レンズ12及び拡散板93から基本的
に構成されている。図11において、まず、表示したい
3次元画像データ8(図では球状物体)を用意する。こ
こで用意する3次元画像データ8は、従来例の3次元画
像データに加えて、表示する画像の各点(各画素)の位
置関係のデータも含めて持っている。これにより、表示
物体の裏側が透けて見えないように表示することができ
る。
【0044】制御コンピュータ7によって変調器4およ
びXY偏向器5を制御し、レーザ光6をラスタスキャン
によりスクリーンパネル11上の3次元画像を構成する
点像に対応する要素ホログラムに順次投射していく。こ
のとき、レーザ光6は、拡散板93を通らずに、スクリ
ーンパネル11に入射するようにしてある。スクリーン
パネル11からの回折光は、拡散板93により、若干そ
の光線方向に拡散される。これによって、少ない要素ホ
ログラムによって、より広い視域を確保することができ
る。点像の表示に関しては、第1の実施の形態及び第2
の実施の形態と同様に、その点像が見えるか見えないか
を判定し、その画素に対応するどの要素ホログラムにレ
ーザ光を照射するか決定する。この時、レーザ光6の走
査速度が十分に高速であれば、スクリーンパネル11上
に3次元画像90が表示できる。なお、投射レンズ12
は、スクリーンパネル11にレーザ光6をほぼ垂直に入
射させるために設置してあるものである。スクリーンパ
ネル11の構造によっては、必ずしもレーザ光を垂直入
射させる必要はない。図16は、拡散板93の作用を説
明するための図を示すものである。図16に示すよう
に、点像P94を再生する光線95を95′と95″の
間で拡散することにより、光線96で再生しなければな
らない視域をカバーでき、必要な要素ホログラムの数を
低減できる。すなわち、同じ面積のスクリーンパネル1
1で、より多くの点像を再生(表示)できる。
【0045】図17〜図19は、上記した拡散板を適用
した場合のより具体的な構成を例示するものである。図
17では、拡散板の中心部をくりぬいてドーナツ状にし
た拡散板93aを用いて、レーザ光6aを通すようにし
たものである。スクリーンパネル11のホログラム要素
h51,h52からの回折光は、P5で3次元画像を作
るが、光線L52,L51による3次元画像10は、拡
散板93aを通して見ることができる。また、図18で
は、拡散板93bとスクリーンパネル11の位置を相対
的にずらすことにより、レーザ光6bを拡散板93bを
通さずに、スクリーンパネル11に照射するようにした
ものである。上記図17と同様に、3次元画像10は、
拡散板93bを通して見ることができる。また、図19
では、拡散板93cにレーザ光6cがかからないよう
に、レーザ光6cを斜めから照射するようにしたもので
ある。3次元画像10は、上記した例と同様に、拡散板
93cを通して見ることができる。
【0046】以上、第1ないし第3の実施の形態で述べ
た3次元画像表示装置において、スクリーンパネルを構
成する要素ホログラムは、すべて同じ大きさであっても
よいが、スクリーンパネルと表示する点像の距離に応じ
て、要素ホログラムの大きさを変えてもよい。その理由
は、要素ホログラムが小さいほど、また、点像と要素ホ
ログラムの距離が遠いほど、点像がよりボケてしまうた
めである。従って、遠い点像には、大きな要素ホログラ
ムを、近い点像には、小さな要素ホログラムを対応させ
ることで、スクリーンパネル上の面積利用効率を高める
ことができる。すなわち、同じ面積のスクリーンパネル
の中により多くの要素ホログラムを形成でき、より多く
の点像を再生(表示)できる。そして、より広い視域が
可能となる。ただし、この場合に、スクリーンパネルに
照射されるレーザ光のビーム径の大きさを、要素ホログ
ラムの大きさ(表示する点像とスクリーンパネルとの距
離)に応じて、変化させる必要がある。スクリーンパネ
ルに照射されるレーザ光のビーム径の大きさを変える方
法としては、光軸方向の焦点調整を行うことで、実現で
きる。
【0047】また、第1ないし第3の実施の形態で述べ
た3次元画像表示装置において、1つの点像に対応する
要素ホログラムの数は、すべて同じであったが、表示す
る点像の位置に応じて、点像に対応する要素ホログラム
の数を変えてもよい。すなわち、同じ面積のスクリーン
パネルの中の限られた数の要素ホログラムで、より多く
の点像を再生(表示)でき、スクリーンパネル上の面積
利用効率を高めることができる。
【0048】また、第1ないし第3の実施の形態で述べ
た3次元画像表示装置において、スクリーンパネルを構
成する要素ホログラムが一つで、複数の点像を表示する
ことも可能である。つまり、複数の点像が、距離的に近
く、対応する要素ホログラムから回折される同じ光線上
にあれば、一つの要素ホログラムで複数の点像を表示す
ることもできる。これによって、上記と同様に、より多
くの点像を再生(表示)できる。
【0049】この点を図20に従って、以下に説明す
る。図20は、一つの要素ホログラムで複数の点像を表
示する場合の動作状態を示すものである。図20におい
て、スクリーンパネル11dに設けた要素ホログラムh
71は、点像P7b及び点像P7aを表示できる。図2
0(A)の場合は、光線L71の方向からは、点像P7
aは点像P7bに隠れているため、本来は表示する必要
はないが、図20(B)のように、お椀状の3次元画像
10を表示する場合にも、同じ要素ホログラムh71
で、点像P7aを表示できるようにする。これによっ
て、少ない要素ホログラムの数で多くの点像を表示する
ことができる。
【0050】また、第1ないし第3の実施の形態で述べ
た3次元画像表示装置において、回折素子として、リッ
プマンタイプ(体積型)の要素ホログラムを用いたが、
2次元タイプの要素ホログラムや回折格子を用いてもよ
い。すなわち、リップマンタイプ(体積型)の要素ホロ
グラムを用いた場合は、スクリーンパネルは、反射型ス
クリーンパネルとなるが、2次元タイプの要素ホログラ
ムや回折格子を用いて、反射型や透過型のスクリーンパ
ネルを用いることもできる。
【0051】これまでに記載した本発明の三次元像表示
装置の各実施の形態において要素ホログラムパネルとし
て反射型を用いる例が示され、図8にスクリーンパネル
を構成する要素ホログラムの作製方法の一例が開示され
たが、ここでは、要素ホログラムパネルの作製方法のさ
らなる発明についてその実施形態を示し、また、それに
伴ってそのパネルが適用し得る三次元像表示装置の実施
形態についても述べることにする。
【0052】(第4の実施の形態)図21ないし23
は、本発明の反射型要素ホログラムパネルの作製方法の
実施の形態の概略を示すものである。先ず、図21に示
すようにホログラム感光材料が塗布(ラミネート)され
た透明基板(図21では透明基板と合わせてホログラム
記録材料PH1と表現している)をホログラム感光材料
が塗布された面を拡散板D1の方向へ向ける。レーザ光
源などのような可干渉性を有するビームを拡散板D1へ
入射させ、その拡散透過光である球面発散光LS1がホ
ログラム記録材料PH1に物体光として入射するように
する。また、参照光として平面波LR1を図21のよう
にホログラム記録材料PH1の逆側から入射させる。こ
の時、拡散板D1の光源側に対物レンズを該対物レンズ
の焦点の距離の位置に配置し、拡散板D1の直後にアパ
ーチャを配置して拡散光LS1を絞ることにより後述す
る点像の大きさを小さくすることも可能である。使用し
たホログラム記録材料PH1が銀塩であるならば現像・
漂白処理の後処理をし、フォトポリマーであるならばU
Vcure(紫外線キュア)とbake(熱処理)の後
処理をする。このようにして作製された点像ホログラム
HG1は図22に示すように、点像ホログラムの記録の
参照光と逆向きの平面波LR1′を照射することによっ
て、点像ホログラム記録時にあった拡散板D1の位置に
明るい点状の点像I1を再生することが出来る。この点
像は点像ホログラムHG1によって回折(反射)された
光L1がこの位置に集光したことによる再生実像であ
り、そのディスプレイとしての視域は点像ホログラムH
G1の大きさで決まっている。
【0053】このように反射鏡として機能をもつ点像ホ
ログラムHG1は、図23に示すように所望の大きい開
口したマスクMK1と未露光のホログラム記録材料PH
2と密着する。ここで用いるマスクMK1はICマスク
パターン等を描画する電子線描画装置によって、ガラス
基板上に蒸着された金属膜を剥離して作製したものを用
いても良いし、液晶テレビ等に用いられる液晶空間光変
調器をリアルタイムの書き換え可能なマスクとして用い
ても良い。また、点像ホムグラムHG1の材料面と未使
用のホログラム記録材料PH2の材料面は対向するよう
に配置し、かつ、マスクMK1と点像ホログラムHG1
と未使用のホログラム記録材料PH2はなるべく密着す
るように配置することが望ましい。というのは、ホログ
ラム記録材料PH2に記録するのは平面波LR2と回折
光L2による干渉縞であるので、点像ホログラムHG1
の記録面とホログラム記録材料PH2の材料面が離れす
ぎていると、点像ホログラムHG1による回折光L2と
平面波LR2がホログラム記録材料PH2のマスク開口
部に対応する領域に入射しなくなってしまうからであ
る。このような配置を取ることによって、図21に示す
平面波LR1と逆向きに伝播する平面波LR2を図23
のマスクMK1側から入射させることにより、未使用の
ホログラム記録材料PH2には点像ホログラムHG1に
よる回折光L2と平面波LR2がそれぞれ同じ領域にそ
れぞれ逆側から入射し、この2光束による干渉縞がホロ
グラム記録材料PH2に記録される。この干渉縞は点像
ホログラムHG1の図23に示すマスクMK1の開口部
のみの視域部分の点像ホログラムが転写されたホログラ
ムとなる。ここでも、この1つのホログラムのことを要
素ホログラムと呼び、要素ホログラムが記録させた基板
(ホログラム記録材料を含む)のことを要素ホログラム
パネルと呼ぶ。
【0054】このようにして、作成された要素ホロクラ
ムパネルEP2は図24に示すように、図23に示した
と同じマスクMK1′に重ねられる。マスクMK1′側
から平面波LR2′を入射させることで図23で作製さ
れた要素ホログラムが再生され要素ホログラムパネルE
P2の反射側に回折光L2′によって宙に浮いた点像I
2が形成される。ここまでの説明は1つの要素ホロクラ
ムがどのように記録されて再生されるかを説明したもの
であって、実際にはホログラム記録材料PH2には複数
の点像のそれぞれ視域が分割された要素ホログラムをホ
ログラム記録材料PH2に数多く記録する。以下では、
点像の視域を広くし、点像を三次元空間を離散的に埋め
尽くすようにするための要素ホログラムの記録方法につ
いて述べる。
【0055】先ず、1つの点像の視域を広げるための要
素ホログラムの作製方法について述ベる。図23ではマ
スクMK1に1つの開口を開けただけなので図24に示
すように、点像I2の視域はこの1つの開口の大きさに
よって決まっている。視域を大きくするためには図25
に示すように、マスクMK2に複数の開口を開けること
で解決する。この場合マスクMK2の開口部は図25に
示すように、隣同士を連続的に開けてもよいが、後で述
べるように複数個の点像の要素ホログラムを記録しなけ
ればならないので、1つの点像につきマスクMK2の開
口部を全面に離散させるようにすれば良い。この様にし
て複数個の開口部を設けて1つの点像のホログラムの視
域を分割して複数個の要素ホログラムを作製すること
で、図24に示した要素ホログラムの再生と同様に、図
26のようにして要素ホログラムパネルEP3の各開に
よる回折光L2′,L3′により視域が広げられた1つ
の点像I3の実像再生が可能になる。
【0056】次に、複数個の点像の要素ホログラムを2
次元平面的に並ぶように記録する方法について述べる。
図27に示すように点像ホログラムHG1のみを図中の
矢印に示すように移動させ、図25と異なる場所に開口
を開けたマスクMK1を重ねて平面波LR2を照射する
ことにより、ホログラム記録材料PH2に対して垂直方
向の距離は変わらないがホログラム記録材料PH2面に
対し平行に移動した位置に実像である点像I4bを形成
する回折光L4cとマスクMK1をそのまま透過する平
面波LR2とによる干渉縞が要素ホログラムとしてホロ
グラム記録材料PH2に記録される。この場合、点像ホ
ログラムHG1を移動させる際に、マスクMK1を取り
替えなければならないが、前述した液晶空間光変調器を
マスクMK1として用いることにより開口画素毎の透過
率変調が可能とするのでマスクMK1の取り替えが不要
になる。このように点像ホログラムHG1を2次元平面
内で移動させ異なる開口部を開ける(もしくは液晶空間
光変調器の異なる画素開口の透過率を上げる)という操
作を繰り返すことによって要素ホログラムをホログラム
記録材料PH2上に次々と作製することができる。この
ようにして作製した要素ホログラムパネルEP4は図2
8に示すように、マスクMK1′側から入射する平面波
LR2′により要素ホログラムパネルEP4の反射側に
位置と視域(回折光L4a′,L4b′,L4c′の範
囲)の大きさが異なる2つの点像I5aとI5bが再生
される。
【0057】以上は、要素ホログラムパネルEP4の面
と平行な面内に複数の点像I5a…をそれぞれ視域を分
割して再生することが出来る要素ホログラムの作製方法
について述べたが、次に、要素ホログラムパネルに垂直
な方向に任意の距離で要素ホログラムパネルに平行な面
内に複数個の点像を視域を分割して再生可能な要素ホロ
グラムの作製方法について述べる。要素ホログラムパネ
ルに垂直な方向に特定の距離の位置に再生可能な点像の
要素ホログラムを作製するには、先ず図29に示すよう
にホログラム記録材料PH1に対して拡散板D1の位置
を図21の拡散板D1の位置からズラして(図29では
図21よりも離している)マスターである点像ホログラ
ムHG1を作製する。このようにして記録された点像ホ
ログラムHG1は図30に示すように、図29に示され
ている平面波LR1と逆向きに伝播する平面波LR1′
を照射すると、回折光L1′が発生して拡散板D1のあ
った位置に点像I6′を実像として結ぶ。このような作
用を持つ点像ホログラムを図31のように、図28のマ
スクMK1′の開口と異なる場所に開口の開いたマスク
MK3と点像ホログラムHG1ホログラム記録材料PH
2をサンドイッチしてマスクMK3側から平面波LR2
を照射することによって、点像ホログラムHG1による
回折光L4と平面波LR2による2光束干渉縞がホログ
ラム記録材料PH2の未露光部分に要素ホログラムとし
て記録される。このようにして記録された要素ホログラ
ムパネルEP5は図32の配置を採ることによって図2
8に示すような2つの再生点像I5a,I5bに加え
て、さらに離れた位置にもう一つの点像I6を再生する
ものとなる。
【0058】図29のホログラム記録材料PH1と拡散
板D1の距離を離散的に変えてマスターホログラムであ
る点像ホログラムHG1を奥行き分複数枚作製し、前述
の方法を繰り返すことによって、要素ホログラムパネル
から垂直の方向に再生点像が並ぶように要素ホログラム
を作製することができる。さらに、要素ホログラムパネ
ルに垂直方向に特定の距離の位置にできるこれらの点像
に対しても、図23に示す方法を用いて視域を分割して
ホログラム記録材料全面に要素ホログラムを多数個記録
し、かつ図27に示す方法を用いて要素ホログラムパネ
ルの面と平行である2次に平面内に複数の点像を並べる
ように要素ホログラムをホログラム記録材料全面に作製
する。以上、説明したことを1つの手順としてまとめる
と、先ず、それぞれ再生される高さが異なる点像のホロ
グラムを複数枚作製し、1つ1つの点像ホログラムとマ
スク(液晶空間光変調器)の間に未露光のホログラム記
録材料をサンドイッチし密着させる。点像ホログラムを
その面内にそって移動させては液晶空間光変調器の全面
に適当にサンプリングされた画素開口の透過率を上げホ
ログラム記録材料の露光感度分の光を当てて点像ホログ
ラムのコピーを行う。点像ホログラムをがこの平面内を
くまなく移動して露光が完了したら、点像ホログラムを
別の点像ホログラムと取り替えて同様の動作を繰り返
す。これらの手順を行った結果、図33のように要素ホ
ログラムパネルEP6上に浮かぶ三次元空間上を網羅す
る点像群を再生することが可能となる要素ホログラムパ
ネルを作製することが出来る。
【0059】なお、この実施の形態では、点像のホログ
ラムをマスターホログラムとして用い、マスクを用いて
ホログラム記録材料に視域を分割して記録していたが、
必ずしも点像のホログラムを使用する必要はなく、平面
波を入射するとその反射光が1点に集光する機能を持つ
反射鏡を用いればよい。また、この実施の形態では、要
素ホログラムパネルの面から同じ高さで、その面内に多
数の点像の要素ホログラムを記録する場合には、図27
に示す様に、マスターホログラムである点像のホログラ
ム(若しくは、平面波にたいして反射光が1点に集光す
る反射鏡を)その面内移動させ、かつ、マスクを取り替
えていたが、それぞれの点像の要素ホログラムの記録に
対して、同じパターンのマスクを用いる場合には、パタ
ーンを構成する複数の開口部の相対位置は同一で、その
パターンの重心のマスク上での絶対位置だけが異なって
いるだけなので、図27に示したように、点像ホログラ
ムHG1を移動させ、かつ、マスクMK1も移動させる
ことにより、ホログラム記録材料PH2の未露光部分に
別の点像の要素ホログラムを記録することが出来る。
【0060】(第5の実施の形態)ここでは、上記第4
の実施の形態でその作製方法を説明した反射型の要素ホ
ログラムパネルを用いる三次元像表示装置の実施の形態
について説明する。図34のように要素ホログラムパネ
ルEP7と液晶空間光変調器LM1を重ね、要素ホログ
ラムパネルEP7上の1つ1つの要素ホログラムが液晶
空間光変調器LM1の1つ1つの画素開口に対応する構
成にし、液晶空間光変調器LM1の側から平面波RL
7′を入射させ液晶光変調器LM1によって各要素ホロ
グラムへの光ビームの照射の有無(もしくは照射の光強
度)を選択し、図34に示すように要素ホログラムパネ
ルEP7上方に円形像I7を表示するようにした装置に
ついて、以下に説明する。
【0061】図33に示すように要素ホログラムパネル
EP6にはその要素ホログラムパネル上方の限定さたれ
た三次元空間の領域に離散的に要素ホログラムパネルの
大きさで限定される視域を持った点像が再生されるよう
に要素ホログラムが敷き詰められている。それらの要素
ホログラム1つ1つには液晶空間光調器LM1の画素開
口が対応しているので、各要各ホログラムの再生の有無
が液晶空間光変調器LM1の透過率制御で可能になって
いる。図34に示す円形を再生するために同図の円形を
形作っている点像を構成する各要素ホログラムに対応す
る液晶空間光調器LM1の画素開口の透過率のみを上
げ、それ以外の画素開口の透過率を0にすると要素ホロ
グラムパネルEP7上方に点像で作られる円形が再生さ
れる。ここでは、透過率を中間値にすることで明るさも
制御可能である。
【0062】しかしながら、各点像に対応する全ての要
素ホログラムを再生させると全ての点像に対して視域が
広くなってしまうので、隠点・線処理がなされなく本来
見えない点像が透けて見えてしまう場合がある。このこ
とを解決するために、この装置にて隠点・線処理をする
ことを以下に述べる。図34ないし図37には共通して
液晶空間光変調器LM1の上側からその液晶空間光変調
器LM1の大きさと同じ径に拡大された平面波RL7′
が入射しているが、これはレーザー光源等の可干渉性を
有する光源からの光ビームを顕微鏡用対物レンズとコリ
メートレンズ、もしくは顕微鏡用対物レンズと放物面鏡
によってつくられる従来よく知られた光学系によって、
そのビーム径を広げたものであるので図示はしていな
い。
【0063】また、図35に示すように円形を形作る点
像で一番上の点像I7aにおいては、要素ホログラムパ
ネルEP7全体に散っているこの点像I7aに対応する
要素ホログラム全てを再生しても再生される点像I7a
からの光線(回折光L7a)は他の点像を横切ることは
ないので、この点像I7aの再生にはこの点像I7aに
対応する要素ホログラム全てを液晶空間光変調器LM1
によって選択し再生すればよい。すなわち、要素ホログ
ラムパネルEP7の点線部分にある点像I7aに対応す
る全ての要素ホログラムを再生させる。次に、図36に
示すように上から2番目にある点像I7bの隠点・線処
理をした再生について述べる。この場合、図36に示す
ように要素ホログラムパネルEP7の右側領域(要素ホ
ログラムパネルの点線部分)にあるこの点像I7bに対
応する要素ホログラムを全て選択し再生することでこの
点像I7bからの光線(回折光L7b)は、他の点像を
横切ることはないので、他の点像を通してこの点像I7
aをみることは出来ない。よってこの点像I7aに対し
ての隠点・線処理が可能となる。同様に、図37に示す
ように1番下にある点像I7cの再生には、要素ホログ
ラムパネルEP7の両端の領域(要素ホログラムパネル
の点線部分)にあるこの点像I7cに対応する要素ホロ
グラムを再生すれば良いことになる。他の点像の再生も
上記と同様に同時に行う、結果的に図38に示す様に要
素ホログラムパネルEP7の上方から観察すると、各点
像I7を囲む領域の内部に各点像からの光線L7が存在
せず、すなわち、隠点・線処理が施された円形状の三次
元像を視認することが出来るのである。
【0064】以上に示した通り、本発明の要素ホログラ
ムパネルを有する三次元像表示装置によれば、任意の三
次元形状を要素ホログラムパネル上方に隠点・線処理を
施して再生することができるのである。なお、図中に
は、0次回折光である反射光は図示していないが、液晶
空間光変調器へ入射させる平面波に入射角度を持たせる
ことで視域外に導くこともできる。但し、その場合、液
晶空間光変調器の液晶層によって偏光方向が変化してし
まうので、光を透過させたくないのに光が透過してしま
う等の問題が生じる可能性もあるので、なるべく液晶空
間光変調器への平面波の入射は、垂直入射とすることが
望ましい。また、要素ホログラムパネルを作製する際の
ホログラム記録材料としてデュポン社製のフォトポリマ
ーHRF700X001−20等の記録材料で厚いもの
を使用することにより、回折効率を大きくすることがで
きる。表示させる三次元像のデータは、予めメモリに電
子的に保持していても良いし、コンピュータによって計
算してもよい。該データは図示していない液晶空間光変
調器の駆動装置へ送られ、リアルタイムに三次元像の表
示が可能となるので、動画像の三次元表示が可能とな
る。
【0065】(請求項6の実施の形態)第5の実施の形
態は、要素ホログラムパネル上の各要素ホログラムの再
生の有無を液晶空間光変調器によって選択したものであ
るが、光ビーム偏向器とレンズで構成されるレーザ光の
XY高速スキャンニング光学系に光ビーム強度変調器を
組み合わせることによっても各要素ホログラムの再生の
有無を選択できる(図1にその基本的な装置構成が示さ
れる)。その場合に、光ビーム強度変調器により透過/
遮光の選択だけでなく、その中間の透過率の制御ができ
るならば、再生光である要素ホログラムパネルに作用し
た後の回折光の強度を変えることができるので、再生像
に明暗をつけることも可能になる。光ビーム強度変調器
は、図示しない同期手段によって光ビーム偏向器による
スキャンニングと同期が取られており、電子的に保持さ
れている三次元画像データに基づき、各要素ホログラム
の再生の有無や再生光の明るさを決定する。光ビーム偏
向器は、光ビーム強度変調器によって強度が変調された
平面波である光ビームをXYに高速スキャンニングをす
るもので、レンズの焦点距離の位置に配置されている。
光ビーム偏向器によって偏光された光ビームは、レンズ
により要素ホログラムパネルにほぼ垂直に入射するよう
に、伝搬方向が変えられる。このようにして、要素ホロ
グラムパネル上の各要素ホログラム全てを平面波によっ
てラスタスキャンできるように構成されている。本方式
による隠点/隠線処理を施した三次元像の表示は、第5
の実施形態で説明したと同じ原理によってなされるの
で、本実施の形態では、説明を省略する。また、図面で
は、光ビームは要素ホログラムパネルにほぼ垂直に入射
するように記載されているが、本実施の形態では、第5
の実施の形態で説明したように、各要素ホログラムの再
生の有無に液晶空間光変調器を用いていないので、要素
ホログラムによる0次回折光を表示像の視域外にそらす
ために、要素ホログラムパネルへの入射光に入射角を持
たせることも可能になる。但しその場合、要素ホログラ
ムパネルの製作には、第4の実施の形態で説明した液晶
空間光変調器は、一般的に斜め入射の偏光特性が良くな
く、マスクとして使用することはできないので、開口部
の開いた固定マスクを用いることが望ましい。以上説明
したように、電子的の保持された三次元像を隠点/隠線
処理を施し要素ホログラムパネル上に表示することがで
き、しかも、リアルタイムで書き換えることが可能とな
る。
【0066】ここからの開示には、要素ホログラムパネ
ルとして透過型のパネルを作製する方法及び、それに伴
って透過型パネルを用いた3次元像表示装置についての
実施の形態を示す。
【0067】(第7の実施形態)図39ないし図41
は、本発明の透過型要素ホログラムパネルの作製方法の
実施の形態の概略を示すものである。先ず、図39に示
すようにホログラム感光材料が塗布された透明基板をホ
ログラム感光材料が塗布された面を拡散板D1の方向へ
向ける(図39では透明基板と合せてホログラム記録材
料PH1と表現している)。レーザ光源などのような可
干渉性を有するビームを拡散板D1へ入射させ、その拡
散透過光である球面発散光LS3がホログラム記録材料
PH1に物体光として入射するようにする。また、参照
光として平面波LR3を図39のようにホログラム記録
材料PH1の同じ側から入射させる。この時、参照光で
ある平面波LR3はホログラム記録材料PH1に斜めか
ら入射するようにする。この時、このホログラムの回折
効率は露光量によって決まるが、回折効率が50%にな
るように露光量を調節して露光する。使用したホログラ
ム記録材料PH1が銀塩であるならば現像・漂白処理の
後処理をし、フォトポリマーであるならばUVcure
とbakeの後処理をする。このようにして作製された
点像ホログラムHG2は図40に示すように、ホログラ
ムの記録の参照光と逆向きの平面波LR3′を照射する
ことによって、ホログラム記録時にあった拡散板D1の
位置に明るい点状の輝点I8を再生することが出来る。
この点像I8はホログラムHG2による回折光L5が作
る再生実像であり、その視域はホログラムHG2の大き
さで決まっている。また、この点像ホログラムHG2は
回折効率が50%となるように作製してあるので図40
に示すように0次回折光である透過光LT3′が生じ
る。
【0068】このような作用をもつ点像ホログラムHG
2を図41に示すように、所望の開口の開いたマスクM
K5と未露光のホログラム記録材料PH4の間にサンド
イッチする。ここで用いるマスクMK5はICマスクパ
ターン等を描画する電子線描画装置によって、ガラス基
板上に蒸着された金属膜を剥離して作製したものを用い
ても良いし、液晶テレビ等に用いられる液晶空間光変調
器を用いてリアルタイムのマスクパターンの形成を用い
ても良い。また、点像ホログラムHG2の材料面と未使
用のホログラム記録材料PH4の材料面は対向するよう
に配置する。マスクMK5と点像ホログラムHG2と未
使用のホログラム記録材料PH4はなるべく密着するよ
うに配置することが望ましい。というのは、ホログラム
記録材料PH4に記録するのは透過光LT4と回折光L
6による2光束干渉縞であるのでホログラム記録材料P
H4と点像ホログラムHG2が離れていると干渉縞の記
録される面積が小さくなってしまうからである。また、
マスクMK5と点像ホログラムHG2が離れていると、
マスクMK5の開口部による回折現像により点像ホログ
ラムHG2を再生する平面波LR4の波面が崩れてしま
うためである。このような配置を取ることによって、図
39に示す平面波LR3と逆向きに伝播する平面波LR
4を図41のマスクMK5側から入射させることによ
り、マスク開口部を透過した平面波LR4により未使用
のホログラム記録材料PH4には点像ホログラムHG2
による回折光L6と透過光LT4がそれぞれ同じ領域に
入射し、この2光束による干渉縞がホログラム記録材料
PH4に記録される。この干渉縞は点像ホログラムHG
2の図41に示すマスクMK5の開口部のみの視域部分
の点像ホログラムが転写されたホログラムとなる。ここ
でも、この1つのホログラムのことを要素ホログラムと
呼び、要素ホログラムが記録された基板のことを要素ホ
ログラムパネルと呼ぶ。
【0069】このようにして作製された要素ホログラム
パネルEP12は図42に示すように、図41に示した
マスクMK5と同じものからなるマスクMK5′と透明
基板TB1が重ねられる。この透明基板TB1は点像ホ
ログラムHG2と同じ屈折率と厚みを有するものであ
る。マスクMK5′側から平面波LR4′を入射させる
ことで図41で作製された要素ホログラムが再生され要
素ホログラムパネルEP12の透過側に宙に浮いた回折
光L6′による点像I9が形成される。ここで、透明基
板TB1は点像ホログラムHG2と同じ屈折率と厚みを
有するものであるので、図42に示すように平面波LR
4′がマスクMK5′に対して斜めに入射する場合であ
っても要素ホログラム作製時と同じ向きに進む平面波L
R4′で要素ホログラムが再生されるので再生点像I9
は明るく歪みのないものとなる。
【0070】上記までの説明では、1つの要素ホログラ
ムがどのように記録されて再生されるかを説明したもの
であって、実際にはホログラム記録材料PH4には複数
の点像のそれぞれ視域が分割された要素ホログラムをホ
ログラム記録材料PH4に数多く記録する。以下では、
点像の視域を広くし、点像を三次元空間を離散的に埋め
尽くすようにするための要素ホログラムの記録方法につ
いて述べる。先ず、1つの点像の視域を広げるための要
素ホログラムの作製方法について述べる。図41ではマ
スクMK5に1つの開口を開けただけなので図42に示
すように、点像I9の視域はこの1つの開口の大きさに
よって決まっている。視域を大きくするためには図43
に示すように、マスクMK6に複数の開口を開けること
で解決する。
【0071】この様に、複数個の開口部を設けて1つの
点像のホログラムの視域を分割して複数個の要素ホログ
ラムを作製することで、図42に示した要素ホログラム
の再生と同様に、図44のようにして視域(回折光L
6′とL7′による)が広げられた1つの点像I9aの
実像再生が可能になる。この場合、マスクMK6の開口
部は図43に示すように隣同士を連続的に開けてもよい
が、後で述べるように複数個の点像の要素ホログラムを
記録しなければならないので、1つの点像につきマスク
の開口部を全面に離散させるようにすれば良い。
【0072】次に、複数個の点像が2次元平面的に並ぶ
ように記録するための要素ホログラムの作製方法につい
て述べる。図45に示すようにマスクMK7とホログラ
ム記録材料PH5にサンドイッチされた点像ホログラム
HG2を移動させ、図43と異なる場所に開口の開いた
マスクMK7を重ねて平面波LR4を照射することによ
り、ホログラム記録材料PH5に対して距離は変わらな
いがホログラム記録材料PH5と平行に移動した位置に
実像である点像I10bを形成する回折光L8と点像ホ
ログラムHG2をそのまま透過する透過光LT6とによ
る干渉縞が要素ホログラムとしてホログラム記録材料P
H5に記録される。この場合、点像ホログラムHG2を
移動させる際に、マスクMK7を取り替えなければなら
ないが、前述した液晶空間光変調器をマスクMK7とし
て用いることにより開口画素毎の透過率変調が可能とな
るのでマスクMK7の取り替えが不要になる。このよう
に点像ホログラムHG2を2次元平面内で移動させ異な
る開口部を開ける(もしくは液晶空間光変調器の異なる
画素開口の透過率を上げる)という操作を繰り返すこと
によって所望の要素ホログラムをホログラム記録材料P
H5上に次々と作製することができる。このようにして
作製した要素ホログラムパネルEP14は図46に示す
ように、マスクMK7′と、点像ホログラムHG2と同
じ屈折率と厚みを有する透明基板TB1とを密着するこ
とで、マスクMK7′側から入射する平面波LR4′に
より要素ホログラムの透過側に位置と視域の大きさが異
なる2つの点像I11a,I11bが再生される。
【0073】以上は、要素ホログラムパネルEP14の
面と平行な面内に複数の点像I11をそれぞれ視域を分
割して再生することが出来る要素ホログラムの作製方法
について述べた。次に、要素ホログラムパネルに垂直な
方向に任意の距離で要素ホログラムパネルに平行な面内
に複数個の点像を視域を分割して再生可能な要素ホログ
ラムの作製方法について述べる。要素ホログラムパネル
に垂直な方向に特定の距離の位置に再生可能な点像の要
素ホログラムを作製するには、先ず図47に示すように
ホログラム記録材料PH1に対して拡散板D1の位置を
図39の拡散板D1の位置からズラして(図47では図
39よりも離している)マスターである点像ホログラム
HG2を作製する。このようにして記録された点像ホロ
グラムHG2は図48に示すように、図47が示してい
る平面波LR3と逆向きに伝播する平面波LR3′を照
射すると、回折光L9が発生して拡散板D1のあった位
置に点像I12を実像として結ぶ。また図40と同様に
この場合にも0次光である透過光LT3′が発生する。
このような作用を持つ点像ホログラムHG2を図49の
ように、図46のマスク開口と異なる場所に開口の開い
たマスクMK5とホログラム記録材料PH4の間にサン
ドイッチしてマスクMK5側から平面波LR4を照射す
ることによって、点像ホログラムHG2による透過光L
T7と回折光L10による2光束干渉縞がホログラム記
録材料PH4の未露光部分に要素ホログラムとして記録
される。このようにして記録された要素ホログラムパネ
ルEP15は図50に配置を採ることによって図46に
示すような2つの再生点像I11aとI11bに加え
て、さらに離れた位置にもう1つの点像I12を再生す
るものとなる。
【0074】図47のホログラム記録材料PH1と拡散
板D1の距離を離散的に変えてマスターホログラムであ
る点像ホログラムを奥行き分複数枚作製し、前述の方法
を繰り返すことによって、要素ホログラムパネルから垂
直の方向に再生点像が並ぶように要素ホログラムを作製
することができる。さらに、要素ホログラムパネルに垂
直方向に特定の距離の位置にできるこれらの点像に対し
ても、図41に示す方法を用いて視域を分割してホログ
ラム記録材料全面に要素ホログラムを多数個記録し、か
つ図45に示す方法を用いて要素ホログラムパネルの面
と平行である2次元平面内に複数の点像を並べるように
要素ホログラムをホログラム記録材料全面に作製する。
以上、説明したことを1つの手順としてまとめると、先
ず、それぞれ再生される高さが異なる点像のホログラム
を複数枚作製し、1つ1つの点像ホログラムを液晶空間
光変調器と未露光のホログラム記録材料の間にサンドイ
ッチし密着させる。点像ホログラムをその面内にそって
少し移動させては液晶空間光変調器の全面に適当にサン
プリングされた画素開口の透過率を上げホログラム記録
材料の露光感度分の光を当てて点像ホログラムのコピー
を行う。点像ホログラムがこの平面内をくまなく移動し
て露光が完了したら、別の点像ホログラムと取り替えて
同様の動作を繰り返す。このような手順を行った結果、
図33のように要素ホログラムパネルEP6上に浮かぶ
三次元空間上を網羅する点像群を再生することが可能と
なる要素ホログラムパネルを作製することが出来る。
【0075】(第8の実施の形態)ここでは、上記第7
の実施の形態でその作製方法を説明したような透過型の
要素ホログラムパネルを用いる三次元像表示装置の実施
の形態について説明する。図51のように要素ホログラ
ムパネルEP16と液晶空間変調器LM2の間に第7の
実施の形態による要素ホログラムパネルの作製の際に使
用した点像ホログラムの透明基板TB1と同じ屈折率と
厚みを持った透明基体TB2を挿入した構成にし、液晶
空間光変調器LM2の側から平面波LR5′を入射させ
液晶空間光変調器LM2によって各要素ホログラムへの
ビームの照射の有無を選択し、図51に示すように要素
ホログラムパネルEP16上方に円形像I12を表示す
るようにした装置について以下に説明する。要素ホログ
ラムパネルEP16にはこの要素ホログラムパネル上方
に限定された三次元空間の領域に離散的に要素ホログラ
ムパネルの大きさで限定される視域を持った点像が再生
される(図33参照)ように要素ホログラムが敷き詰め
られている。それらの要素ホログラム1つ1つには液晶
空間光変調器LM2の画素開口が対応しているので、各
要素ホログラムの再生の有無が液晶空間光変調器LM2
の透過率制御で可能になっている。図51に示す円形を
再生するための同図の円形を形作っている点像I12に
対応する要素ホログラムに対応する液晶空間光変調器L
M2の画素開口の透過率のみを上げ、それ以外の画素開
口の透過率を0にすると要素ホログラムパネル上方に点
像で作られる円形が再生される。しかしながら、各点像
に対応する全ての要素ホログラムを再生させると全ての
点像に対して視域が広くなってしまい、本来見えない点
像が透けて見えてしまうことになるので、このようなこ
とがないように、隠点・線処理がなされる。
【0076】この装置における隠点・線処理について、
以下に述べる。図51ないし図54には共通して液晶空
間光変調器LM2の下側からこの液晶空間光変調器の大
きさと同じ径に拡大された平面波LR5′が入射してい
るが、これはレーザー光源等の可干渉性を有する光を発
生する光源からの光ビームを顕微鏡用対物レンズとコリ
メートレンズ、もしくは顕微鏡用対物レンズと放物面鏡
によってつくられる従来よく知られた光学系(図示せ
ず)によって、そのビーム径を広げたものである。ま
ず、図52に示すように円形を形作る点像で一番上の点
像I12aにおいては、要素ホログラムパネルEP16
全体に散っているこの点像I12aに対応する要素ホロ
グラム全てを再生しても再生される点像I12aからの
光線(回折光L12a)は他の点像を横切ることはない
のでこの点像I12aの再生にはこの点像I12aに対
応する要素ホログラム全てを液晶空間光変調器LM2に
よって選択し再生すればよい。次に、図53に示すよう
に上から2番目にある点像I12bの隠点・線処理をし
た再生について述べる。この場合、図53に示すように
要素ホログラムパネルEP16の右側領域(要素ホログ
ラムパネルの点線部分)にあるこの点像I12bに対応
する要素ホログラムを全て選択し再生することでこの点
像I12bからの光線(回折光L12b)が他の点像を
横切ることはないので、他の点像を通じてこの点像I1
2bをみることは出来ない。よって隠点・線処理が可能
となる。同様に、図54に示すように1番下にある点像
I12cの再生には、要素ホログラムパネルEP16の
両端の領域(要素ホログラムパネルの点線部分)にある
要素ホログラムを再生すれば良いのである。他の点像の
再生も上記と同様に行う、結果的に図38に示す様に要
素ホログラムパネルEP16の上方から観察すると隠点
・線処理が施された円形状の三次元像を視認することが
出来るのである。
【0077】以上示した通り、本発明の要素ホログラム
パネルを有する三次元像表示装置によれば、任意の三次
元形状を要素ホログラムパネルを透過した上方に隠点・
線処理を施して再生することができるのである。なお、
図中には0次回折光である透過光は図示していないが液
晶空間光変調器への入射させる平面波に入射各度を持た
せることで視域外に導くことが出来る。また、要素ホロ
グラムパネルを作製する際のホログラム記録材料として
デュポン社製のフォトポリマーHRF700X001−
10等の記録材料で厚いものを使用することにより、1
次回折の回折効率を大きくすることで、0次回折光であ
る透過光の強度を小さくすることもできる。表示させる
三次元像のデータは予めメモリに電子的に保持していて
も良いし、コンピュータによって計算してもよい。該デ
ータは図示していない液晶空間光変調器の駆動装置へ送
られ、リアルタイムに三次元像の表示が可能となるので
動画像の三次元表示が可能となる。
【0078】(第9の実施例の形態)第8の実施の形態
は要素ホログラムパネル上の各要素ホログラムの再生の
有無を液晶空間光変調器によって選択したものである
が、図55に示されるように、光ビーム偏向器5とレン
ズ12から構成されるレーザ光のXY高速スキャンニン
グ光学系に光ビーム強度変調器4を組み合わせることに
よっても各要素ホログラムの再生の有無を選択できる。
また、光ビーム強度変調器4により透過/遮光の選択だ
けでなくその中間の透過率の制御ができるならば、再生
光である回折光L13の強度を変えることができるの
で、再生像I13に明暗をつけることも可能になる。光
ビーム強度変調器4は図示しない同期手段によって光ビ
ーム偏向器5によるスキャンニングと同期が取られてお
り、電子的に保持されている三次元画像データ(図示せ
ず)に基づき各要素ホログラムの再生の有無や再生光の
明るさが決定される。光ビーム偏向器5は光ビーム強度
変調器4によって強度が変調された平面波である光ビー
ム6をXYに高速スキャンニングをするもので、レンズ
12の焦点距離の位置に配置している。光ビーム偏向器
5によって偏向された光ビーム6はレンズ12により要
素ホログラムパネルEP17に一定の入射角をもって入
射するように伝搬方向が変えられる。このようにして、
要素ホログラムパネル上の各要素ホログラム全てを平面
波6によってラスタスキャンできるように構成されてい
る。この方式により隠点/隠線処理を施した三次元像の
表示は第8の実施の形態で説明したと同じ原理によって
なされるので本実施の形態では説明を省略する。また、
図面では光ビーム6は要素ホログラムEP17にほぼ垂
直に入射するように記載してあるが、この実施の形態で
は第8の実施の形態で説明したように各要素ホログラム
の再生の有無の液晶空間光変調器を用していないので要
素ホログラムによる0次回折光を表示像の視域外にそら
すために要素ホログラムパネルへの入射光に入射角を持
たせることも可能になる。但し、その場合に、要素ホロ
グラムパネルの製作には第7の実施の形態で説明した液
晶空間光調器は一般的に斜めに入射の偏光特性が良くな
く、マスクとして使用することは出来ないので、開口部
の開いた固定マスクを用いることが望ましい。以上説明
したように、電子的の保持された三次元像を隠点/隠線
処理を施し要素ホログラムパネル上に表示することが出
来、しかもリアルタイムで書き換えることが可能とな
る。
【0079】なお、透過型要素ホログラムパネルに関す
る上記の実施の形態では、液晶空間光変調器へ入射させ
る平面波に入射角を持たせていたが、これは0次回折光
である透過光を視域外へさそらすためであり、0次の回
折効率が小さく三次元表示物の視認に障害がなければ、
垂直入射であっても良い。ただしその場合には図42、
図44、図46、図50、図52、図53、図54、図
55の透明基板TB1,TB2は不要になる。
【0080】
【発明の効果】1の発明は、スクリーンパネルを構成
する複数の回折素子に照射される光の制御が、3次元画
像データに基づいて回折素子の単位で制御手段によって
行われるため、3次元画像の干渉縞をコンピュータで計
算する必要がなく、その干渉縞のデータを保持する大容
量の画像データメモリや高速なデータ転送が必要なくな
る。そのために、大きな3次元画像を表示することが可
能となる。更に、回折素子に作用する光は、3次元画像
データに基づいて作られている各回折素子の特性によ
り、該回折素子ごとに異なる点像を表示するようにし、
しかも、その出力光を制御手段により制御することがで
きるので、種々の表示内容に対応して手段を適応させる
ことができ、より現実に近い表示が可能となる。例え
ば、ある視点から隠れるはずの表示部を実現するために
隠れる方向へ回折光が出力されないように制御するとい
ったことを行うことができる。従って、多くの表示内容
及び視点に対応することが可能となり、応用範囲が広が
ることになる。更に、回折素子によって回折され、表示
される点像は、スクリーンパネルから離れた場所に形成
させるため、スクリーンパネルを移動させる必要がな
い。すなわち、動く部分がない表示部が可能となり、観
察者への危険も小さくなり、また、応用範囲が広がるこ
とになる。
【0081】更には、スクリーンパネルを構成する回折
素子中の複数の素子で視域を分割するようにしているの
で、各素子における表示の条件を選択することにより隠
線・隠点等の処理が可能となって種々の表示形態に対応
することができる。
【0082】第2の発明は、上記第1の発明の効果に加
えて、変調光発生手段の機能を光ビーム発生手段,光変
調手段,及び2次元走査手段という各要素で分担して構
成しているので、それぞれを変更可能な部品として、し
かも、既存の部品によっても供給できる。
【0083】第3の発明は、上記第2の発明の効果に加
えて、光ビーム平行走査を一定の走査範囲で単純に繰り
返すことでスクリーンパネルの走査を行うため、スクリ
ーンパネル上で光ビームの作用を受ける表示面を有効に
利用することになり、装置空間の利用効率が高くなる。
例えば、スクリーンパネルで回折されずに、直接反射し
てしまう光は、入射光と同じ光路で戻っていくため、観
察者の眼に入ることがなくなる。
【0084】第4の発明は、上記1ないしの発明の
効果に加えて、ホログラフィ技術で製作した要素ホログ
ラムを回折素子とすることによって、作製時と同じ光学
条件で特定の方向へ回折光波面を出力することができ、
製作が容易で効率の良い回折素子で装置を構成すること
となり表示性能の良い装置を得ることができる。
【0085】第5の発明は、上記第4の発明の効果に加
えて、変調光発生手段の構成要素として液晶空間光変調
器を用いることにより、構成要素数が少なくコンパクト
な装置を提供し得るものである。
【0086】第6の発明は、上記第4,5の発明の効果
に加えて、可干渉性を有する光線を発生させる光源から
発生した光線が、そのビーム径を広げるための光学系に
よりビーム径が広げられ、その光路中に配置して空間的
に光の透過率を変調することの出来る液晶空間光変調器
によって、基板に視域を分割した点像ホログラムをドッ
ト状に記録した反射型の要素ホログラムパネルの再生す
べき要素ホログラムの領域に光線を導くことにより電子
的に保持されている三次元像を再生光線の入射側におけ
る要素ホログラムパネル上方に隠点・線処理をした実像
として表示することが出来る。
【0087】第7の発明は、上記第4,5の発明の効果
に加えて、可干渉性を有する光線を発生させる光源から
発生した光線が、そのビーム径を広げるための光学系に
よりビーム径が広げられ、その光路中に配置して空間的
に光の透過率を変調することの出来る液晶空間光変調器
によって、基板に視域を分割した点像のホログラムをド
ット状に記録した透過型の要素ホログラムパネルの再生
すべき要素ホログラムの領域に該光線を導くことにより
電子的に保持されている三次元像を再生光線の出射側に
おける要素ホログラムパネル上方に隠点・線処理をした
実像として表示することが出来る。
【0088】第8の発明は、上記第7発明の効果に加
えて、要素ホログラムパネル作製時に用いた点像ホログ
ラムを支持していた透明基板と同屈折率で同じ厚みの透
明基板を液晶空間光変調器と要素ホログラムパネルの間
に挿入しているので、ビーム径を広げられた光線に液晶
空間光変調器に対して入射角を持たせることができるの
で、三次元像再生に不要な0次回折光を視域外へと導く
ことができる。
【0089】第9の発明は、上記1ないしの発明の
効果に加えて、スクリーンパネルを2枚以上重ねたスク
リーンパネルで構成することにより、より多くの点像、
大きな3次元画像の表示が可能となり、また、カラー化
も可能となり、表示性能のより良い、応用範囲の広い3
次元画像の表示装置を得ることができる。
【0090】第10の発明は、上記1ないしの発明
の効果に加えて、スクリーンパネルが曲面形状をなして
いることで、より広い範囲から3次元画像の全体を見る
ことが可能となる。
【0091】第11の発明は、上記1ないし10の発
明の効果に加えて、前記スクリーンパネルが拡散板を有
していることで、少ない回折素子(要素ホログラム)
で、より広い視域が、または、より多くの点像の表示が
可能となる。
【0092】第12の発明は、上記第4ないし11の発
明の効果に加えて、スクリーンパネルを構成する要素ホ
ログラムが一つの要素ホログラムで複数の点像を表示す
ることになるので、より多くの点像、大きな3次元画像
の表示が可能となる。
【0093】
【0094】
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態における概略構成を示す図である。
【図2】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルにより点像を表示する原理
を説明するための図を示すものである。
【図3】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルの構成を模式的に示す図で
ある。
【図4】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルの動作状態を示す図で、図
4〜図7は、異なる要素ホログラムの状態を示すもので
ある。
【図5】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルの他の動作状態を示す図
で、図4〜図7は、異なる要素ホログラムの状態を示す
ものである。
【図6】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルの更に他の動作状態を示す
図で、図4〜図7は、異なる要素ホログラムの状態を示
すものである。
【図7】本発明の3次元画像表示装置の第1の実施の形
態におけるスクリーンパネルの更に他の動作状態を示す
図で、図4〜図7は、異なる要素ホログラムの状態を示
すものである。
【図8】本発明で用いるスクリーンパネルの製作方法の
一例を示す図で、その方法に用いる光学系及びその製作
手順を説明するためのものである。
【図9】3枚のスクリーンパネルを重ねる形態としたス
クリーンパネルの一例における動作状態を示す図であ
る。
【図10】3枚のスクリーンパネルを重ねる形態とした
スクリーンパネルの他の例における動作状態を示す図で
ある。
【図11】3枚のスクリーンパネルを重ねる形態とした
スクリーンパネルの更に他の例における動作状態を示す
図である。
【図12】本発明の曲面パネルを有する3次元画像表示
装置の第2の実施の形態の概略構成を示す図である。
【図13】本発明の3次元画像表示装置の平面スクリー
ンパネルの動作状態を示す図である。
【図14】本発明の図12と同様の3次元画像表示装置
の曲面スクリーンパネルの動作状態を示す図である。
【図15】本発明の光拡散板を有する3次元画像表示装
置の第3の実施の形態の概略構成を示す図である。
【図16】本発明の図15と同様の3次元画像表示装置
の拡散板の動作状態を説明するための図である。
【図17】拡散板を適用した本発明の3次元画像表示装
置の実施例を示す図である。
【図18】拡散板を適用した本発明の3次元画像表示装
置の他の実施例を示す図である。
【図19】拡散板を適用した本発明の3次元画像表示装
置の更に他の実施例を示す図である。
【図20】一つの要素ホログラムで複数の点像を表示す
る場合の動作状態を示すものである。
【図21】反射型要素ホログラムの作製の一工程に用い
る点像のマスターホログラムの作製光学系を示す図であ
る。
【図22】図21で作製された点像ホログラムの再生像
形成における作用を示す図である。
【図23】図21で作製された点像ホログラムによって
要素ホログラムを作製するための光学系を示す図であ
る。
【図24】図23で作製された要素ホログラムの再生光
学系を示す図である。
【図25】図23と同様の図で、マスクの開口を増やし
て、要素ホログラムを作製する光学系を示す図である。
【図26】図25で作製された要素ホログラムの再生光
学系を示す図である。
【図27】複数の点像が再生できる要素ホログラムを作
製する光学系を示す図である。
【図28】図27で作製された要素ホログラムの再生光
学系を示す図である。
【図29】図21と同様の図で、ホログラム面に垂直に
変化させた点像のマスターホログラムの作製光学系を示
す図である。
【図30】図29で作製された点像ホログラムの再生像
の形成作用を示す図である。
【図31】図29で作製された要素ホログラムを作製す
る光学系を示す図である。
【図32】図28及び図31を合成した要素ホログラム
の再生光学系を示す図である。
【図33】要素ホログラムパネル要素ホログラムとして
作り込まれた点像を全て再生した状態を示す図である。
【図34】本発明の反射型要素ホログラムを用いた三次
元表示装置の構成を示す図である。
【図35】図34と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その1)である。
【図36】図34と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その2)である。
【図37】図34と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その3)である。
【図38】隠点・線処理がなされた三次元像を示す図で
ある。
【図39】透過型要素ホログラムの作製の一工程に用い
る点像のマスターホログラムの作製光学系を示す図であ
る。
【図40】図39で作製された点像のホログラムの再生
像形成作用を示す図である。
【図41】図39で作製された点像のホログラムによっ
て要素ホログラムを作製する光学系を示す図である。
【図42】図41で作製された要素ホログラムの再生光
学系を示す図である。
【図43】図41と同様の図で、マスクの開口を増やし
て、要素ホログラムを作製する光学系を示す図である。
【図44】図43作製された要素ホログラムの再生光学
系を示す図である。
【図45】複数の点像が再生できる要素ホログラムを作
製する光学系を示す図である。
【図46】図45で作製された要素ホログラムの再生光
学系を示す図である。
【図47】図39と同様の図で、ホログラム面に垂直に
変化させた点像マスターホログラムの作製光学系を示す
図である。
【図48】図47で作製された点像ホログラムの再生像
の形成作用を示す図である。
【図49】図47で作製された要素ホログラムを作製す
る光学系を示す図である。
【図50】図46及び49を合成した要素ホログラムの
再生光学系を示す図である。
【図51】本発明の透過型要素ホログラムを用いた三次
元表示装置の構成を示す図である。
【図52】図51と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その1)である。
【図53】図51と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その2)である。
【図54】図51と同様の図で、隠点・線処理を説明す
るための図(その3)である。
【図55】本発明の透過型要素ホログラムパネルを用い
た光ビーム偏向式の三次元像表示装置の構成を示す図で
ある。
【図56】従来の実時間動画ホログラフィックディスプ
レイの概要を示す図である。
【図57】従来のホログラムを用いた他の3次元画像表
示装置の構成の概要を示す図である。
【図58】従来のホログラムを用いた他の3次元画像表
示装置に用いるホログラムに関する構成の概要を示す図
である。
【図59】従来のホログラムを用いた他の3次元画像表
示装置に用いる回折素子アレイの概要図を示すものであ
る。
【図60】図59と同様の回折素子を用いた従来の3次
元画像表示装置の概要を示す図である。
【図61】従来の体積走査方式による他の3次元画像表
示装置の構成の概要を示す図である。
【図62】従来の三次元像表示装置の他の例を示す図で
ある。
【図63】従来の三次元像表示装置の他の例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1,71,81…3次元画像表示装置、2,31,11
2,142…レーザ光源、3,6,6′,32,36,
39,44,50,53,104,143,146…レ
ーザ光、4,144…変調器、5,145…XY偏向
器、7,7′,147…制御コンピュータ、8,8′,
148…3次元画像データ、9,9′,149…画像デ
ータメモリ、10,60,90,108,150…3次
元画像、11,11r1,11g1,11b1,11r2
11g2,11b2,11a,11b,11c,61,1
51…スクリーンパネル、12…投射レンズ、13,6
3…視域、21,23,25,52,Pn,P1〜P
6,P7a,P7b,P8,P14,P15,P16,
P64,P65,P66,P94,Prgb1,Prg
2,Pa1,Pb1,Pc1,116-n,116-1,11
6-2…点像、22…ホログラム、24…ホログラムの一
部分、26…要素ホログラム、33…シャッタ、34,
38,45,48…ミラー、35…ビームスプリッタ、
37,46…対物レンズ、40,47…コリメートレン
ズ、41,54…マスク、42,126…基板、43…
感光材料、49…集光レンズ、51,93,93a,9
3b,93c…拡散板、102…ホログラム信号、10
3…AOM、105…ガルバノミラー、106…ポリゴ
ンミラー、107…出力レンズ、109…観察者、11
3…レンズ、114…ホログラム円盤、115…モー
タ、121…回折格子アレイ、122,123,124
…複数の画素、125…セル、132…液晶表示素子、
133…カラーフィルタ、160…発光素子アレイ、1
61…発光素子、162…回転軸、170…液晶空間光
変調器、171…回折格子パネル基板、172…液晶用
駆動装置、D1…拡散板、LR1,LR1′,LR2,
LR2′,LR3,LR3′,LR4,LR4′,LR
5′,LR7′…平面波、LS1,LS2,LS4…球
面発散光、PH1,PH2,PH4…ホログラム記録材
料、HG1,HG2…点像ホログラム、MK1,MK
1′,MK2,MK2′,MK3,MK4,MK5,M
K5′,MK6,MK6′,MK7,MK7′…マス
ク、I1,I2,I3,I4a,I4b,I5a,I5
b,I6,I7,I7a,I7b,I7c,I8,I
8′,I9,I10a,I10b,I11a,I11
b,I12,I12a,I12b,I12c,I13…
点像、L1,L1′,L2,L2′,L3,L3′,L
4′,L4a′,L4b′,L4c,L4c′,L5,
L6,L6′,L7′,L7a,L7b,L9,L1
0,L10′,L12a,L12b,L12c,L13
…回折光、EP1,EP2,EP3,EP4,EP5,
EP6,EP7,EP12,EP13,EP14,EP
15,EP16,EP17…要素ホログラムパネル、L
M1,LM2…液晶空間光変調器、LT3′,LT4,
LT4′,LT5,LT5′,LT6,LT6′,LT
7,LT7′…透過光、TB1,TB2…透明基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 27/22,5/32 G03H 1/00 - 1/24

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーンパネルと、該スクリーンパネ
    ル面上の照射位置を指定可能にするとともに、該指定位
    置の光ごとに変調が与えられる干渉性を有する光を発生
    するようにした変調光発生手段と、表示しようとする3
    次元画像に関するデータを入力するデータ入力手段と、
    該データ入力手段により入力された3次元画像に関する
    データに基づいて前記変調光発生手段を制御する画像表
    示制御手段とを備える3次元像表示装置において、前記
    スクリーンパネルは、表示しようとする3次元画像デー
    タに基づいて作成された複数の回折素子からなり、前記
    変調光発生手段を前記画像表示制御手段により制御する
    ことにより、該複数の回折素子の各回折素子ごとに変調
    された干渉性を有する光を照射するようにするととも
    に、前記回折素子中の複数の素子が同一の点像を形成す
    るようにして、該素子の各々により視域を分割するよう
    にしたことを特徴とする3次元像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記変調光発生手段が、干渉性を有する
    光ビームを発生する手段と、前記光ビームを変調する変
    調手段と、該変調手段からの前記光ビームを2次元走査
    させる走査手段により構成されるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の3次元像表示装置。
  3. 【請求項3】 光ビームを2次元走査させる前記走査手
    段は、該光ビームを平行走査させるようにしたことを特
    徴とする請求項2記載の3次元像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記回折素子を要素ホログラムとしたこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    次元像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記変調光発生手段が、干渉性を有する
    光線を発生させる光源と該光源から発した光線のビーム
    径を拡大する光学系と、該光学系により拡大されたビー
    ムの光路に配置され、光の透過率の制御可能な液晶空間
    光変調器からなり、前記回折素子を要素ホログラムとし
    た前記スクリーンパネルと前記液晶空間光変調器とを一
    体化するようにしたことを特徴とする請求項4記載の
    次元像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記要素ホログラムパネルを反射型とす
    るようにしたことを特徴とする請求項4又は5記載の
    次元像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記要素ホログラムパネルを透過型とす
    るようにしたことを 特徴とする請求項4又は5記載の
    次元像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記液晶空間光変調器と要素ホログラム
    パネルとの間に透明基板を有するようにしたことを特徴
    とする請求項7記載の3次元像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記スクリーンパネルが2枚以上重ねた
    スクリーンパネルから構成されるようにしたことを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の3次元像表
    示装置。
  10. 【請求項10】 前記スクリーンパネルが曲面形状をな
    していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか
    に記載の3次元像表示装置。
  11. 【請求項11】 3次元像を形成する光ビームに作用さ
    せる光拡散板を付加するようにしたことを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれかに記載の3次元画像表示装
    置。
  12. 【請求項12】 前記要素ホログラムが、一つの要素ホ
    ログラムで複数の点像を表示するようにしたことを特徴
    とする請求項4ないし11のいずれかに記載の3次元像
    表示装置。
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