JP3334995B2 - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JP3334995B2
JP3334995B2 JP03894494A JP3894494A JP3334995B2 JP 3334995 B2 JP3334995 B2 JP 3334995B2 JP 03894494 A JP03894494 A JP 03894494A JP 3894494 A JP3894494 A JP 3894494A JP 3334995 B2 JP3334995 B2 JP 3334995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、先に流体の導電率を測定する
電磁流量計を特願平3−222939号で提案した。
【0003】その後、この第1の従来技術の欠点に気付
き、この欠点をなくす電磁流量計を特願平4−1202
05号で提案した(特開平5−312610号公報)。
これを以下第2の従来技術と呼ぶ。
【0004】これらの従来技術は次のようなものであっ
た。
【0005】
【第1の従来技術】図7は、第1の従来技術における電
磁流量計検出器の流管内の等価回路と変換器の電気回路
の一部を示したものである。
【0006】図7において、1は円筒形の流管、2,3
は流管1の内周壁に対向配置された電極、4,5は流管
1の上・下に配置された励磁コイル、6はアース電極
で、流管1〜アース電極6で周知の電磁流量計検出器を
構成している。
【0007】7は導電率測定用の短絡回路で、電極2と
アース電極6との間に接続した短絡抵抗Rinと導電率測
定用の短絡スイッチS1 の直列回路と、電極3とアース
電極6との間に接続した短絡抵抗Rinと導電率測定用の
短絡スイッチS1 の直列回路とからなる。
【0008】8はハイパスフィルタで図示のように2個
のコンデンサCと2個の抵抗Rとが接続されている。9
はハイパスフィルタ8を通した電極2,3の電圧を増幅
する差動増幅器で、その増幅度はGである。
【0009】10はオフセット補償回路で、抵抗R1
2 ,R3 、オペアンプA1 ,A2、コンデンサC1
びスイッチS2 を図示のように接続して構成されてい
る。スイッチS2 は周知のように、励磁コイル4,5の
励磁電流の方形波と同期してオン・オフされる。
【0010】е1 ,е2 はアース電極6に対する流量信
号電圧で、検出器の形状が左右対稱であっても、流速分
布が左右対稱でなければ同じ値にならない。この流量信
号電圧е1 ,е2 の周波数は励磁周波数と同じfexであ
る。
【0011】V1 ,V2 はそれぞれ電極2,3とアース
電極6間の電気化学的な電位差で、その変動周波数fc
が非常に小さいため、以後便宜的に直流オフセット電圧
と呼ぶ。左右の直流オフセット電圧V1 ,V2 は通常違
う値である。
【0012】Rw は電極2,3とアース電極6間の流体
の電気抵抗で、検出器の幾何学的形状が左右対稱で、流
体の導電率が一様であれば、左右で同じ値となる。従っ
て通常Rw は左右同じ値となる。
【0013】ハイパスフィルタ8のコンデンサCの容量
Cと、抵抗Rの抵抗値Rで決まる時定数CRは 1/fex≪CR≪1/fc となるように選ばれている。
【0014】このように時定数CRを定めることで、流
量信号電圧е1 ,е2 はハイパスフィルタ8を殆ど減衰
しないで通過し、直流オフセット電圧V1 ,V2 はハイ
パスフィルタ8で大きく減衰して殆ど通過しない。
【0015】短絡スイッチS1 がオフのときの差動増幅
器9の出力E1 を[E1 OFF とあらわすと、 [E1 OFF =G[(1−δ)(е1 −е2 )+ε(V1 −V2 )]…(1) となる。但し、δ≪1,ε≪1である。
【0016】短絡スイッチS1 がオンの時の出力を[E
1 ONとあらわすと、 [E1 ON=[Rin/(Rw +Rin)]G[(1−δ)(е1 −е2 )+ε( V1 −V2 )]…(2) となる。
【0017】上記(1)式と(2)式の比をとると次の
(3)式となり、短絡抵抗Rinは既知であるから、流体
の電気抵抗Rw が知れる。しかも、流体の電気抵抗Rw
は導電率と反比例の関係にあるから、(3)式から流体
の導電率を特定できる。
【0018】 [E1 OFF /[E1 ON=1+Rw /Rin …(3) つまり、差動増幅器9の出力E1 を使って、原理的には
流体の導電率Wc を、流量補正などにそのまま使える。
【0019】
【第1の従来技術の欠点1】 短絡スイッチS1 のオン
・オフの間隔が長い場合。上記第1の従来技術では、暗
黙のうちに、重要な仮定を行っていた。それは流量信号
電圧е1 ,е2 、直流オフセット電圧V1 ,V2 、及び
流体の電気抵抗R w が、出力[E1 OFF と[E1 ON
を測定している間、一定であるという仮定である。
【0020】しかし、実際にはこれらの量は程度の差こ
そあれ時々刻々変化しているため、全て導電率測定の誤
差の原因となる。これによる誤差は、短絡スイッチS1
のオン・オフの間隔が長い程、その間に、これらの量が
変化する機会が増えるので、大きくなる虞れが増大す
る。
【0021】
【第1の従来技術の欠点2】 短絡スイッチS1 のオン
・オフの間隔が短い場合。前記欠点1の見地から、短絡
スイッチS1 のオン・オフの間隔は短くした方が良い。
【0022】但し、短絡スイッチS1 がオンとオフの各
状態で、流量信号е1 ,е2 をちゃんと測定する必要が
あるから、少くとも、励磁の1周期の間は、短絡スイッ
チS 1 をオン又はオフのどちらかの状態に保つ必要があ
る。
【0023】このように考えると、図8に示すように、
励磁の1周期毎に短絡スイッチS1をオン・オフするの
が最適と考えられる。ところが、こうすると、オン・オ
フの間隔が長いときには殆ど問題にならなかった次のよ
うな問題点が新しく発生してくる。
【0024】それは、直流オフセット電圧V1 ,V2
変動の問題である。直流オフセット電圧は電極及びアー
ス電極と流体との電気化学的平衡により生じる量であ
り、平衡状態に達するには一定の時間を要する。
【0025】短絡スイッチS1 をオン・オフすると、電
極2,3とアース電極6とは、短絡抵抗Rinを介して接
続されている状態と、切り離されている状態の2つの平
衡状態の間をいったり来たりしようとする(図9参
照)。
【0026】例えば、直流オフセット電圧V1 について
考えると、短絡スイッチS1 がオフの間は、短絡スイッ
チS1 がオフの時の平衡状態の飽和電圧[V1 SAT
OFF へ漸近的に近づこうとし、図9で符号イで示すよう
に上昇する。短絡スイッチS1がオンの間は、短絡スイ
ッチS1 がオンの時の平衡状態の飽和電圧[V1 SAT
ONへ漸近的に近づこうとし、図9で符号ロで示すように
下降する。
【0027】直流オフセット電圧V2 もV1 と同じよう
に変化するが、飽和電圧[V1 SATOFF
[V2 SAT OFF の値は一般に多少の差があり、同じよ
うに飽和電圧[V1 SAT ONと[V2 SAT ONの値は一
致しない。
【0028】また、直流オフセット電圧V1 ,V2 のこ
のような変化は、励磁周波数の1/2の周波数で起るた
め、図7のハイパスフィルタ8を殆ど減衰せずに容易に
通過する。従って図7の差動増幅器の出力E1 も図10
のように変化してしまう。
【0029】図10で、差動増幅器の出力E1 は、短絡
スイッチS1 がオンの間は電極電圧が流体の電気抵抗R
w と短絡抵抗Rinで分圧されるため、短絡スイッチS1
がオンに切替わるときには段差δ1 を、短絡スイッチS
1 がオフに切替わるときには段差δ2 が生じる。
【0030】このように、直流オフセット電圧V1 ,V
2 が短絡回路7でスイッチングされて、ハイパスフィル
タ8を通過し、差動増幅器9で増幅されて、その出力E
1 が図10のように段差δ1 ,δ2 をもつと、この変化
分が、オフセット補償回路10で処理されて流量計測の
誤差となる。
【0031】以下にそのメカニズムを詳述する。一般に
電磁流量計の変換器の回路は、図7の電極2,3の電圧
をハイパスフィルタ8を通したあと差動増幅器9で増幅
し、その後、オフセット電圧を除去するオフセット補償
回路10を設けるのが普通である。
【0032】オフセット補償回路10は、差動増幅器9
の出力E1 に残っている流量信号以外の直流分が、さら
に後段の増幅器で次々増幅されて増幅器が飽和してしま
うのを防ぐために、オフセット電圧を除去するように設
けられるもので、オペアンプA1 と抵抗R1 ,R2 とで
構成される反転増幅器と、オペアンプA2 と抵抗R3
コンデンサC1 で構成される積分回路と、オフセット補
償コントロール用のスイッチS2 とが図示のように接続
・構成されている。
【0033】スイッチS2 は励磁電流の切替えに同期し
てオン・オフされる。又、前記オペアンプA1 を含む反
転増幅器の増幅度は、説明を簡単にするために1である
とする。
【0034】スイッチS2 をオンすると、積分回路はオ
ペアンプA1 の出力E3 を積分していき、スイッチS2
をオフすると、その時の出力E2 の値をホールドする。
このオフセット補償回路10では積分回路の出力E2
オペアンプA1 の入力に帰還されるため、結果的にスイ
ッチS2 がオンされるとオペアンプA1 の出力(つまり
オフセット補償回路10の出力)E3 が零ボルトになる
ようにオフセット補償回路全体が作動する。
【0035】この動作を図11のタイミングチャートに
従って説明する。差動増幅器9の出力E1 には流量信号
еの他に直流分VD が重畳しているとする。流量信号е
は前記G(1−δ)(е1 −е2 )であり、直流分VD
は前記Gε(V1 −V2 )に相当する。
【0036】期間t1 において、オフセット補償コント
ロール用のスイッチS2 がオンすると、オペアンプA1
の出力E3 により積分回路のコンデンサC1 が充電さ
れ、積分回路の出力E2 は徐々に低下し、出力E1 とE
2 の差が縮小されていく。すると出力E3 の値も低下し
てコンデンサC1 の充電速度が低下していく。
【0037】こうして、この回路は、出力E3 が零ボル
トになって安定し、その時、E1 =E2 となっている。
従って積分回路の時定数C1 ×R3 を期間t1 ,t3
に比較してうんと小さく定めておけば、期間t1 の終了
時点でE11≒E21とすることができる。
【0038】期間t2 では、オフセット補償コントロー
ル用のスイッチS2 はオフとなる。従ってE2 =E21
一定となり、出力E3 としては、このE2 =E21≒E11
に対する変化分が反転されて現れる。
【0039】期間t3 で再びスイッチS2 がオンされ、
出力E3 が零ボルトになるように、出力E2 はE22に向
って変化し、この期間の終了時点でE2 =E22≒E12
なる。
【0040】期間t4 では、スイッチS2 がオフとな
り、出力E2 はE2 =E22=一定となる。そして、出力
3 は、E2 =E22≒E12に対する変化分が現れる。以
後、上記期間t1 〜期間t4 の繰り返しが期間t5 以降
に行われる。
【0041】結局、オフセット補償回路10は、その積
分回路が積分動作を行なう補償期間t1 ,t3 ,t5
7 …の各最後に、流量信号еと直流分VD を含む電圧
1 1 ,E12,E13,E14,…をホールドし、次の期間
で、その電圧に対する変化分だけを出力することによっ
て直流分VD を除去するよう作動する。
【0042】次に簡単のために、流量信号еが零ボルト
であるとして、直流分VD が図12のように変化した場
合に、どのような誤差が生じるか説明する。この場合、
直流分VD は、出力E1 そのものである。又、流量信号
еが零ボルトであるから、オフセット補償回路の出力E
3 は本来零ボルトでなければならない。
【0043】ところが、図11に基づいて説明したよう
に、オフセット補償回路10は、常に補償期間t1 ,t
3 ,t5 ,…の最後の出力電圧E11,E12,…に対する
変化分を出力E3 として出すため、直流オフセット電圧
1 ,V2 が短絡回路7でスイッチングされて、出力E
1 に図12に示すような飛びがあると、その飛びの分δ
11,δ12,δ13,…があたかも信号であるかのように、
出力E3 に現われ、これが誤差になる。
【0044】ここまでは、図1における積分回路の時定
数C1 ×R3 が期間t1 ,t2 ,…に比較してかなり小
さく、そのため、期間t1 が終了した時点での出力E2
の値E21は、殆ど出力E11と等しいと考えてきたが、時
定数C1 ×R3 が大きくなっても、期間t1 中の出力E
1 のある重みつき平均値が期間t1 終了時点での出力E
2 の値となるだけで、誤差が生じることに変りはない。
【0045】図8に示したように、導電率測定用の短絡
スイッチS1 を短い間隔でオン・オフした時の誤差の現
われ方を流量信号分を含めて図13に示す。出力E
1 は、点線で示した直流オフセット電圧分の上に振幅е
の流量信号が乗っている。
【0046】この場合、点線で示した直流オフセット電
圧分がなければ、出力E3 としては片側振幅がеの、図
の一点鎖線ハで示したような信号が出るはずである(図
11のE3 の波形のように)。
【0047】ところが、出力E1 に点線で示す直流オフ
セット電圧分があるために、実際の出力E3 は、実線の
ニに示すようになり、直流オフセット電圧分に飛びが生
じた直後に大きな誤差が生じる。出力E3 にこのような
大きな誤差が生じた部分を矢印Cで示す。
【0048】そして、出力E1 の直流オフセット電圧分
に飛びが生じるのは、導電率測定用の短絡スイッチS1
をオン又はオフしたときである。そして、短絡スイッチ
1をオン・オフした直後の矢印Cで示す信号の後に続
く矢印Dで示した信号には直流オフセット電圧分に生じ
た飛びによる誤差が生じない。
【0049】
【第2の従来技術】前記第1の従来技術では、短絡スイ
ッチS1 のオン・オフの間隔が長いと、流量信号電圧е
1 ,е2 、直流オフセット電圧V1 ,V2 、及び流体の
電気抵抗R w が、出力[E1 OFF と[E1 ONを測定
している間に変化してしまう機会が増えるので、導電率
測定の誤差が大きくなる虞れがある(欠点1)。
【0050】そこで、短絡スイッチS1 のオン・オフの
間隔を短くすると、短絡スイッチS 1 をオン・オフする
都度出力E1 の直流オフセット電圧分に飛びが生じ、こ
の直流オフセット電圧分に飛びが生じた直後に、オフセ
ット補償回路10の出力E3に大きな誤差が生じる(欠
点2)。
【0051】第2の従来技術では、この欠点2として先
に説明した、短絡スイッチS1 をオン・オフした直後の
オフセット補償回路10の出力E3 の誤差が導電率測定
に悪影響しない電磁流量計を提案している。
【0052】そのために、流量信号を誘起する電極を短
絡抵抗を介して間欠的に接地する導電率測定用の短絡ス
イッチと、流量信号中に含まれる直流分を除去するため
のオフセット補償回路とを有するとともに、短絡スイッ
チをオン・オフした直後のオフセット補償回路の出力を
サンプリングしないようにしている。
【0053】第2の従来技術の回路の主要部を図14に
示す。図14の回路は、導電率測定用の短絡スイッチS
1 のオン・オフを励磁電流の1.5周期毎に行なう点
が、前記図7の従来技術の回路と異なり、見掛上の回路
構成は変っていないので、回路構成の説明は省略する。
【0054】先に図13で説明したように、オフセット
補償回路の出力に大きな誤差が生じるのは、差動増幅器
の出力E3 の直流オフセット電圧分に飛びが生じた直後
であり、このときの矢印Cで示す信号を使わなければ誤
差が小さくなる。
【0055】又、直流オフセット電圧の変動が直線的と
見なせる場合には、この方法により、誤差を零にするこ
とができる。図14の回路について、図15のタイミン
グチャートを用いて、このことを以下に説明する。
【0056】(イ) 励磁電流の変化に対し、導電率測
定用の短絡スイッチS1 を図15のタイミングでオン・
オフする。この場合短絡スイッチS1 のオン又はオフ時
間は、励磁電流の1.5周期で、励磁電流の切換えに同
期してオン・オフされる。
【0057】(ロ) オフセット補償回路10の入力に
は図15にE1 で示すように、破線のように直線的に変
る直流オフセット電圧分に振幅еの流量信号が乗ってい
る。 (ハ) オフセット補償回路10の出力E3 は図15の
実線のようになる。一方、信号出力としては、出力E3
の1点鎖線で示した値が欲しい訳だから、実線と1点鎖
線の違い、つまり出力E3 の図で、点点をちりばめた部
分の、実線と1点鎖線の差が誤差となる。
【0058】(ニ) 誤差が大きいのは、図15でも導
電率測定用の短絡スイッチS1 を切り換えた直後の信号
3 であるから、まず、このときの信号を流量計測に使
用しないだけでも誤差は小さくなる。
【0059】(ホ) 更に、直観的に、a′とb′,
c′とd′の面積が等しいから、ハッチングした部分の
a+b,c+dをそれぞれ、導電率測定用の短絡スイッ
チS1をオフ又はオンしたときの信号として使えば、励
磁電流の1周期の間の信号を使うことになって、誤差分
が相殺される。この点を次に説明する。
【0060】(ヘ) 期間t1 ,t2 に限って説明す
る。今面積a,bを対象としているので、期間t1 の信
号を正負反転してやる。そして、期間t2 の信号及び本
来ほしい信号を図示すると図16のようになる。
【0061】 図16で、期間t1 の信号は A−D−H 期間t2 の信号は A−B−F 本来欲しい信号は A−C−Gである。
【0062】図16の面積CGEの2倍は、面積BFG
Eと面積DHGEの和と等しくなる。そのことを以下に
説明する。オフセット補償回路10の入力E1 として、
定数α,βで規定されかつ時間tに対して直線的に変化
する信号E1 =αt+βが入ってくると、積分回路の出
力E2 は、
【0063】
【数1】
【0064】となり、E3 =−(E2 −E1 )の関係で
あるから E3 =C1 3 α+kе-t/C1R3 となる。この出力E3 の式は、図16の曲線BF,C
G,DHを表わす式であり、αは図3でのtanθに相
当する。又、この式でのеは自然対数の底である。
【0065】図16を基準として、AO=е,このеは
流量信号のе、CB=DC=δとおき、点B,C,D,
Eの時点をt=0とおけば、t=0で、 BE=е+δ,CE=е,DE=е−δ だから、これを初期条件とすれば、曲線BFは E3 =C1 3 tanθ+(е+δ−C1 3 αtan
θ)е-t/C1R3 曲線CGはE3 =е・е-t/C1R3 なお、上式の右辺の二つのеは、前のеが図15におけ
る流量信号еを、後のеが自然対数の底を意味する。後
述の類似の式においても同様である。
【0066】曲線DHはE3 =−C1 3 tanθ+
(е−δ+C1 3 αtanθ)е-t /C1R3 となる。期
間EHの長さをTとすれば、面積CGEは
【0067】
【数2】
【0068】又、面積BFGEと面積DHGEの和は、
【0069】
【数3】
【0070】よって、面積CGE×2=面積BFGE+
面積DHGEとなり、a+d,c+dを信号として使う
ことで誤差分が相殺される。
【0071】(ト) 以上の説明で明らかなように、直
流オフセット電圧分が直線的に変化する時は、導電率測
定用の短絡スイッチS1 をオン・オフした直後の信号だ
けを使用しないことで誤差が除ける。
【0072】実際には、図9で説明したことから直流オ
フセット電圧分は、指数関数的に変化する場合が多い。
指数関数変化の特徴は、最初、変化の非直線性が強い
が、時間の経過につれて非直線性がだんだん小さくなっ
ていく。
【0073】従って、導電率測定用の短絡スイッチS1
を切り換えてから、実用上、直流オフセット電圧分の変
化が直線的とみなせる領域に入るまで待ってサンプリン
グを行なえばよく、このことも第2の従来技術に記載さ
れている。
【0074】例えば、直流オフセット電圧分が図17の
符号ホで示すように変動している時、時間t1 ,t2
は非直線性が強いが、期間t3 ,t4 では直線とみなせ
る程の変化になっている。従って、この場合には、
1 ,t2 の期間のデータを捨て、t3 ,t4 の期間の
データをサンプリングして使う。
【0075】そのために、流量信号を誘起する電極2,
3を短絡抵抗Rinを介して間欠的に接地する導電率測定
用の短絡スイッチS1 と、流量信号中に含まれる直流分
を除去するためのオフセット補償回路10とを有すると
ともに、短絡スイッチS1 をオン・オフした直後から直
流オフセット電圧の変化に非直線性が強いと判断される
期間のオフセット補償回路10の出力E3 を流量信号と
してサンプリングしないようにしている。
【0076】そして、直流オフセット電圧分の変化が直
線的とみなせる領域に入るまで、オフセット補償回路1
0の出力E3 を流量信号としてサンプリングしないで待
つ期間は、図17ではt1 +t2 で励磁の1周期になっ
ている。この待ち時間は一般的には励磁周期の整数倍に
固定されている。
【0077】次に図14の回路を含む図18の電磁流量
計について、図19のタイミングチャートに基いて説明
する。1は電極2,3を備えた円筒形の流管、7は導電
率測定用の短絡回路で、2個の短絡スイッチRinと短絡
スイッチS1 とからなる。
【0078】9は電極2,3の流量信号を増幅する差動
増幅器(プリアンプ)、10はオフセット補償回路、1
1は反転/非反転増幅回路、12は積分回路、13は積
分回路12の出力をディジタル信号に変換するA/D変
換回路、14はA/D変換回路のディジタル出力値を演
算して流体の導電率や流量を算出する信号処理回路で、
測定した流体の導電率を用いて、流量計測の導電率によ
る誤差の補正や、導電率を外部へ出力することもする。
【0079】反転/非反転増幅回路11は、タイミング
発生回路15からの反転/非反転コントロール信号によ
り、反転と非反転の動作が切り換えられ、オフセット補
償回路10の出力E3 を整流する(図19のE4
照)。
【0080】この整流出力E4 は、積分回路12によ
り、オフセット補償回路10の補償期間t4 , 6 又は
10, t12 の間だけ積分され(図19のE4 のa+bが
求められ)、これがA/D変換回路13でその都度ディ
ジタル値に変換される。
【0081】励磁の切り換えと、導電率測定用短絡スイ
ッチS1 の同期関係は、図15の場合と同じである。こ
うして、励磁の3回毎に、そのうちの2回の励磁時のデ
ータを積分回路12で積分し、A/D変換回路13でデ
ィジタル値にその都度変換し、信号処理回路14で導電
率や流量を算出する。
【0082】タイミング発生回路15は、導電率測定用
短絡スイッチコントロール信号、オフセット補償コント
ロール信号、積分コントロール信号及びA/Dコントロ
ール信号等も発生し、各対象回路の動作は、図19のタ
イミングチャートと、前記図14、図15に対する説明
から、容易に理解される。
【0083】
【発明が解決しようとする課題】電磁流量計では、その
消費電流を低減することが継続した課題とされている。
特に電源に一次電池(乾電池)例えばリチウム電池を用
いる積算電磁流量計ではその要望が強い。
【0084】ところが、前記第2の従来技術では、短絡
スイッチS1 をオン・オフした直後のオフセット補償回
路10の出力E3 を流量信号としてサンプリングしない
で、その後の出力E3 のうち、a,bやc,dなどをサ
ンプリングして流体の導電率や流量を計測している。
【0085】また、前記第2の従来技術では、短絡スイ
ッチS1 をオン・オフした直後から直流オフセット電圧
の変化に非直線性が強いと判断される期間のオフセット
補償回路10の出力E3 を流量信号としてサンプリング
しないで、その後の出力E3のうち、a,bやc,dな
どをサンプリングして流体の導電率や流量を計測してい
る。
【0086】そこで、本発明は、前記第2の従来技術
が、短絡スイッチS1 をオン・オフした直後を含む期間
に、オフセット補償回路10の出力E3 をサンプリング
しない時期がある特徴に注目し、この特徴とからめて、
計測精度に殆ど悪影響を与えないで電磁流量計の低消費
電力化を図ることを第1の目的とする。
【0087】また、前記第2の従来技術では、短絡スイ
ッチS1 をオン・オフした直後から、直流オフセット電
圧の変化が直線的とみなせる領域に入るまで、オフセッ
ト補償回路10の出力E3 をサンプリングしないで待つ
待ち時間が励磁周期の整数倍に固定されているため、ム
ダ時間が発生し、計測の応答性が良くないという問題点
もあった。
【0088】そこで、本発明は、前記待ち時間が励磁周
期の整数倍に固定されていることによるムダ時間に基づ
く応答性の悪さを改善できる電磁流量計を提供すること
を第2の目的とする。
【0089】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、流量信号を誘起する電極
(2、3)を短絡抵抗(Rin)を介して間欠的に接地す
る導電率測定用の短絡スイッチ(S1 )と、流量信号中
に含まれる直流分を除去するためのオフセット補償回路
(10)とを有するとともに、短絡スイッチ(S1 )を
オン・オフした直後のオフセット補償回路(10)の出
力(E3 )を流量信号としてサンプリングしない電磁流
量計において、短絡スイッチ(S1 )のオン・オフ各期
間のうち、短絡スイッチ(S1 )をオン・オフした直後
の一定期間(t0 )の間、励磁を停止することを特徴と
する。
【0090】そして、前記第1と第2の目的を達成する
ために、請求項2の発明は、流量信号を誘起する電極
(2、3)を短絡抵抗(Rin)を介して間欠的に接地す
る導電率測定用の短絡スイッチ(S1 )と、流量信号中
に含まれる直流分を除去するためのオフセット補償回路
(10)とを有するとともに、短絡スイッチ(S1 )を
オン・オフした直後から直流オフセット電圧の変化に非
直線性が強いと判断される期間のオフセット補償回路
(10)の出力(E3 )を流量信号としてサンプリング
しない電磁流量計において、短絡スイッチ(S1 )のオ
ン・オフ各期間のうち、短絡スイッチ(S1 )をオン・
オフした直後の一定期間(tx ,tx +t0 )の間、励
磁を停止することを特徴とする。
【0091】
【作用】励磁を停止している間は励磁電力を消費しな
い。又、励磁を停止している間は、流速に対応した流量
信号が電極に誘起しない。
【0092】請求項2の発明では、更に、励磁を停止す
る期間(tx 又はtx +t0 )が励磁周期の整数倍に固
定されることなく、最適化でき、全体の測定周期を可能
な限り短くすることができる。
【0093】
【実施例】図1は本発明の第1実施例のブロック図、図
2は図1の実施例における電磁流量計検出器の流管内の
等価回路と変換器の電気回路の一部を示したものであ
る。この第1実施例は請求項1の発明に対応する。
【0094】両図において、1は円筒形の流管、2,3
は流管1の内周壁に対向配置された電極、4,5は流管
1の上・下に配置された励磁コイル、6はアース電極
で、流管1〜アース電極6で周知の電磁流量計検出器を
構成している。
【0095】7は導電率測定用の短絡回路で、電極2と
アース電極6との間に接続した短絡抵抗Rinと導電率測
定用の短絡スイッチS1 の直列回路と、電極3とアース
電極6との間に接続した短絡抵抗Rinと導電率測定用の
短絡スイッチS1 の直列回路とからなる。
【0096】8はハイパスフィルタで図示のように2個
のコンデンサCと2個の抵抗Rとが接続されている。な
お、図1ではハイパスフィルタ8が図示されていない
が、図が繁雑になるのを避けて省略したためで、実際に
は図2と同じようにハイパスフィルタ8が設けてある。
【0097】9はハイパスフィルタ8を通った電極2,
3の電圧を増幅する差動増幅器(プリアンプ)である。
10はオフセット補償回路で、差動増幅器9の出力E1
に残っている流量信号以外の直流分がさらに後段の増幅
器で次々と増幅されて増幅器が飽和してしまうのを防ぐ
ために、オフセット電圧を除去するように設けられたも
ので、オペアンプA1 と抵抗R1 ,R2 とで構成される
反転増幅器と、オペアンプA2 と抵抗R 3 とコンデンサ
1 で構成される積分回路と、オフセット補償コントロ
ール用のスイッチS2 とが図示のように接続・構成され
ている。
【0098】11は反転/非反転増幅回路で、タイミン
グ発生回路15からの反転/非反転コントロール信号に
より、反転と非反転の動作が切り換えられ、オフセット
補償回路10の出力E3 を整流する。
【0099】12は積分回路で、反転/非反転回路11
の整流出力E4 を特定時期の間だけサンプリングして積
分する。13は積分回路12の出力E5 をディジタル信
号に変換するA/D変換回路、14はA/D変換回路の
ディジタル出力値を演算して、流体の導電率や流量値を
算出する信号処理回路で、測定した流体の導電率を用い
て、流量計測値の誤差を導電率で補正したり、導電率の
値を外部へ出力することもする。
【0100】16は励磁コイル4,5へ所定の励磁電流
を供給する励磁電源回路である。タイミング発生回路1
5は、導電率測定用短絡スイッチコントロール信号、オ
フセット補償コントロール信号(スイッチS2 をオン・
オフする信号)、積分コントロール信号、A/Dコント
ロール信号及び励磁コントロール信号等も発生し、各対
象回路を制御する。
【0101】なお、図1、図2の第1実施例のハードの
構成は、図14と図18で説明した第2の従来技術と大
体において類似しているので、同じ部分の説明は詳述し
ない。
【0102】図2でе1 ,е2 はアース電極6に対する
流量信号電圧で、励磁コイル4,5が励磁されて流路に
磁界がかかっているときに誘起する。V1 ,V2 はそれ
ぞれ電極2,3とアース電極6間の電気化学的な電位差
で、前記従来技術で直流オフセット電圧と呼んでいたも
のである。
【0103】Rw は電極2,3とアース電極6間の流体
の電気抵抗である。図1、図2の第1実施例のタイミン
グチャートを図3、図4に示すが、この第1実施例は、
図3と図4で明らかなように、第2の従来技術の動作を
説明する図15のタイミングチャートの期間t1 に先行
する期間t0 の間は励磁を停止している。期間t0 の符
号は図15には記入されてなくて、図3、図4にだけ記
入されているが、期間t0 は他の期間t1 ,t2 と同じ
時間であるので、第1実施例の励磁に要する電力は、図
15で説明した第2の従来技術の2/3ですむ。
【0104】短絡スイッチS1 のオン・オフの各時間
は、第1実施例と図15で説明した第2の従来技術と同
じである。そして励磁電流の停止に同期してオン・オフ
している。
【0105】オフセット補償回路10のスイッチS
2 は、タイミング発生回路15からのオフセット補償コ
ントロール信号により、励磁の停止、切換に同期してオ
ン・オフされる。
【0106】従って、オフセット補償回路10の積分回
路の出力E2 と、オフセット補償回路10の出力E3
図3のように変化する。なお、この第1実施例では、差
動増幅器9の出力E1 は、前記第2の従来技術で図15
に示す、直線的に変化する破線の直流オフセット電圧分
に振幅еの流量信号が乗っている。但し、本発明の第1
実施例では、期間t0 の間は励磁が停止しているので、
この間の流量信号はゼロである。
【0107】このように、差動増幅器9の出力E1 が、
本発明の第1実施例(図3)と第2の従来技術(図1
5)の場合で違うため、オフセット補償回路10の出力
3 も本発明の第1実施例(図3)と第2の従来技術
(図15)とで違っているが、オフセット補償回路10
の動作原理自体は、本発明の実施例と第2の従来技術
(図15)との間に違いはない。
【0108】それで、図3における出力E3 が得られる
過程の詳細説明は省略するが、最初のオフセット補償の
期間t0 の間は励磁を停止していて、この間は流量信号
がゼロであるため、期間t1 におけるオフセット補償回
路の出力E3 の大きさがе/2になり、図15の第2の
従来技術の場合のеより小さくなる。期間t2 の出力E
3 の大きさは、本発明の第1実施例と、前記図15の第
2の従来技術の場合とは何れも同じ値еである。
【0109】そのため、a+bとかc+dを求める積分
回路12の出力E5 は第2の従来技術と比較して、本発
明の第1実施例では、3/4の値となる。この出力E5
を得るのに、本発明の実施例は、前述のように図15の
第2の従来技術に比較して励磁電力が2/3ですむの
で、本発明の第1実施例は、図15(図19)の第2の
従来技術と同じ出力E5 を得るには(2/3)/(3/
4)=8/9の励磁電力ですみ、励磁電力を約11%節
減できる。
【0110】なお、積分回路12の出力E5 として求め
たa+bとかc+dは、それぞれ短絡スイッチS1 をオ
フにしたときとオンにしたときの値で、前記第1の従来
技術で説明した(3)式の[E1 OFF と[E1 ON
対応(比例)するので、これらの出力E5 をA/D変換
回路13でディジタル値に変換し、信号処理回路14で
流体の電気抵抗Rw を演算して求められる。
【0111】このときは、(3)式と同様に (a+b)/(c+d)=1+Rw /Rin の関係を用いて算出できる。こうして求めた流体の電気
抵抗Rw から流体の導電率を知ることができる。又、求
めた導電率を用いて流量計測誤差を補正することもでき
る。
【0112】上記第1実施例では短絡スイッチS1 のオ
ン・オフ各期間のうち、信号のサンプリング期間(つま
り、スイッチS2 がオンの期間、又は図4で積分コント
ロール信号が積分の間)をその中に含むオフセット補償
回路10の最初の動作周期t 1 が始まる時刻に先行する
期間t0 で、励磁を停止するようにしたが、図5は、上
記第1実施例と同様に、短絡スイッチS1 のオン・オフ
各期間のうち、信号のサンプリング期間をその中に含む
オフセット補償回路の最初の動作周期t1 が始まる時刻
に先行する期間tx +t0 の間、励磁を停止するもの
で、請求項2の発明に対応する第2実施例のタイミング
図である。
【0113】なお、この第2実施例の回路やブロック図
のハード構成は、図1、図2の第1実施例のハード構成
と同様である。この第2実施例は、差動増幅器9の出力
1 が、短絡スイッチS1 のオン又はオフの期間の間に
最初は非直線的に、その後直線的に変化する直流オフセ
ット電圧分が含まれている。
【0114】そして、この直流オフセット電圧分が非直
線的に変化する期間tx +t0 の間励磁を停止するよう
にしている。オフセット補償回路10のスイッチS2
図示のようにオン・オフする。そのため期間tx
0 、t1 、t2 の間に各1回ずつの動作を行なう。そ
して、期間t0 の間に得たaと、期間t2 の間に得たb
の和a+bを前記[E1 OFF に対応する信号とし、同
様にして得たc+dを前記[E1 ONに対応する信号と
して、これらから流体の導電率を求める。
【0115】なお、この第2実施例の図5のタイミング
図は、図の大きさの都合で横軸(時間軸)が図3、図4
に比較して1/2に縮尺して作図してある。そのため、
図5の期間t0 、t1 、t2 が、図3のt0 、t1 、t
2 に比較して半分の時間に一見見えるが、実際には、図
3と同じ時間である。
【0116】そのため、a+bとかc+dは図3の第1
実施例の場合と同じになる。そして、この第2実施例で
は、前記第1実施例と比較して期間t0 の他に期間tx
の間にも励磁を停止するので、その分、更に励磁電力を
減少できる。
【0117】そして、この第2実施例では、期間tx
0 の時間を、前記第2の従来技術の場合のように、必
ずしも励磁の半周期の整数倍に限定する理由はなく、短
絡スイッチS1 がオン又はオフになってから、直流オフ
セット電圧の変化が直線的になるまでの待ち時間に合わ
せて最適値に設定できる。
【0118】このように、直流オフセット電圧の変化に
非直線性が強い場合には、励磁を停止する期間tx +t
0 を、上記待ち時間に合わせて最適化することで、全体
の測定周期を可能な限り短くすることができ、前記従来
技術に比して応答性を早めることができる。
【0119】図6は、本発明の第3実施例のタイミング
図で、ハード構成は図1、図2の第1実施例と同様であ
る。この第3実施例は、期間t0 、t1 、t2 の間は励
磁するが期間tx の間は励磁を停止し、これを繰り返
す。そしてこの第3実施例は、請求項2の発明に対応す
る。
【0120】この図6も、図5と同様に、図3に比較し
て横軸(時間軸)が1/2に縮尺して画いてある。
【0121】この第3実施例も、第2実施例と同様に、
直流オフセット電圧の変化に非直線性が強い場合に、期
間tx +t0 を、前記待ち時間に合わせて最適化できる
ため、応答性を早めることができる。
【0122】そして、この第3実施例では、期間t1
直線の期間t0 の間も励磁しているので、出力E3 のa
の大きさが第2実施例の2倍のеが得られる。もっと
も、そのために期間t0 の間の励磁電力を費すことにな
るが、期間txの間、励磁を停止するので、従来技術に
比較して励磁電力を減少できる。
【0123】上記第1実施例の図3において、期間t0
の長さはt1 ,t2 と同じ長さ(時間)にしてあるが、
期間t0 のうちオフセット補償をしていない時間、即ち
スイッチS2 がオフになっている時間の長さは任意に短
くできる。
【0124】そもそも、期間t1 ,t2 において、スイ
ッチS2 がオンしているオフセット補償の期間、即ち流
量信号サンプリングの期間が、オフセット補償回路10
の動作の1周期の後半にずらして設定してあるのは、励
磁の極性反転直後に往々にして生じるスパイク状のノイ
ズ(図3、図5、図6には示していない)をサンプリン
グしないように、スパイク状ノイズがおさまるのを待つ
ためである。
【0125】ところが、図3の第1実施例では期間t0
で励磁しないので、期間t0 のうちスイッチS2 をオフ
にしている時間の長さは任意に短くでき、ゼロにしても
良い。このことによっても応答性を早めることができ
る。
【0126】
【発明の効果】本発明の電磁流量計は、上述のように構
成されているので、流体の導電率や流量を計測する計測
精度に悪影響を与えることなく、消費電力を低減でき
る。
【0127】また、直流オフセット電圧が最初の間非線
形的に変化するものに用いて好適な請求項2の発明で
は、消費電力の低減に加えて、応答性を早めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロック図。
【図2】本発明の第1実施例の電気回路図。
【図3】本発明の第1実施例のタイミング図。
【図4】同タイミング図。
【図5】本発明の第2実施例のタイミング図。
【図6】本発明の第3実施例のタイミング図。
【図7】従来技術の電気回路図。
【図8】励磁電流と導電率測定用短絡スイッチの動作タ
イミングを説明する図。
【図9】直流オフセット電圧の変化を説明する図。
【図10】短絡スイッチのオン・オフによる直流オフセ
ット電圧分の変化を示す線図。
【図11】図7の従来技術のタイミング図。
【図12】同タイミング図。
【図13】同タイミング図。
【図14】従来技術の電気回路図。
【図15】図14の従来技術のタイミング図。
【図16】図14の従来技術での信号処理を説明する線
図。
【図17】従来技術での誤差の原因を説明する線図。
【図18】従来技術のブロック図。
【図19】図18の従来技術のタイミング図。
【符号の説明】
1 流管 2,3 電極 4,5 励磁コイル 6 アース電極 7 短絡回路 10 オフセット補償回路 Rin 短絡抵抗 S1 短絡スイッチ t0 ,t1 ,t2 ,tx 期間 E1 ,E3 出力

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流量信号を誘起する電極(2、3)を短
    絡抵抗(Rin)を介して間欠的に接地する導電率測定用
    の短絡スイッチ(S1 )と、流量信号中に含まれる直流
    分を除去するためのオフセット補償回路(10)とを有
    するとともに、短絡スイッチ(S1 )をオン・オフした
    直後のオフセット補償回路(10)の出力(E3 )を流
    量信号としてサンプリングしない電磁流量計において、 短絡スイッチ(S1 )のオン・オフ各期間のうち、短絡
    スイッチ(S1 )をオン・オフした直後の一定期間(t
    0 )の間、励磁を停止することを特徴とする電磁流量
    計。
  2. 【請求項2】 流量信号を誘起する電極(2、3)を短
    絡抵抗(Rin)を介して間欠的に接地する導電率測定用
    の短絡スイッチ(S1 )と、流量信号中に含まれる直流
    分を除去するためのオフセット補償回路(10)とを有
    するとともに、短絡スイッチ(S1 )をオン・オフした
    直後から直流オフセット電圧の変化に非直線性が強いと
    判断される期間のオフセット補償回路(10)の出力
    (E3 )を流量信号としてサンプリングしない電磁流量
    計において、 短絡スイッチ(S1 )のオン・オフ各期間のうち、短絡
    スイッチ(S1 )をオン・オフした直後の一定期間(t
    x ,tx +t0 )の間、励磁を停止することを特徴とす
    る電磁流量計。
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