JP3334578B2 - シリコン単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン単結晶薄
膜の製造方法に関する。更に詳しくは、シリコン単結晶
上にシリコン単結晶薄膜等を成長させる工程において、
シリコン単結晶の表面に生成している自然酸化膜を予め
除去する方法に関する。
【0002】
【関連技術】半導体装置の製造に用いられるシリコン単
結晶基板の表面には、通常10〜15オングストローム
の厚さの二酸化珪素からなる自然酸化膜が生成してい
る。このシリコン単結晶基板上にシリコン単結晶薄膜等
を成長させる時には、自然酸化膜を予め除去しておくこ
とが不可欠である。表面に自然酸化膜が残存したままで
はシリコン単結晶基板の結晶軸に関する情報が隠されて
しまうので、自然酸化膜を除去せずに例えば気相エピタ
キシャル成長によりシリコン単結晶薄膜をシリコン単結
晶基板上に成長させると、シリコン単結晶薄膜の結晶性
を保つことができなくなる。
【0003】従来、シリコン単結晶基板の表面に生成し
た自然酸化膜を除去する方法として、シリコン単結晶基
板を1100℃付近に昇温して水素ガス中に保持するこ
とにより自然酸化膜を還元したり、同じく高温に保持し
て塩化水素ガスを流すことにより基板表面のシリコンご
と自然酸化膜を取り去るなどの方法が採用されている。
また、塩化水素ガスと同一の効果を有してシリコンに作
用する弗化水素ガスを、同じく高温で用いて処理する方
法も提案されている。
【0004】一方、シリコン単結晶基板を昇温しないで
自然酸化膜を除去する方法として、弗化水素ガスと窒素
ガス及び水蒸気の三種混合ガス、あるいは、弗化水素ガ
スと窒素ガス及びアルコール蒸気の三種混合ガスを用い
て、自然酸化膜を四弗化珪素にして除去する方法が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
のうち、1100℃以上の高温で処理する方法では、シ
リコン単結晶基板からホウ素等のドーパントが外方拡散
により気化し、シリコン単結晶基板の断面方向のドーパ
ント分布を崩すことがある。この場合には、シリコン単
結晶基板の表面から深さ1ミクロン前後にわたってドー
パント濃度が低下する層が形成されると共にいわゆるオ
ートドーピング現象が発生し、シリコン単結晶薄膜の直
径方向のドーパント濃度が意図した値と異なる結果にな
る場合が多い。
【0006】また、上記方法は自然酸化膜と共にシリコ
ン単結晶もエッチングする方法であるために、自然酸化
膜除去後のシリコン単結晶基板の表面には凹凸が形成さ
れ、その後に例えばシリコン単結晶薄膜などの気相成長
を行うためには適当でない表面状態が形成されることが
ある。
【0007】一方、弗化水素ガスと窒素ガス及び水蒸気
の混合ガス、あるいは、弗化水素ガスと窒素ガス及びア
ルコール蒸気の混合ガスを用いて処理する方法において
も、弗化水素ガスがシリコン表面を著しくエッチングし
て、上記と同様にシリコン単結晶基板の表面に凹凸が形
成される場合がある。これは、主として自然酸化膜を除
去する反応を加速するために添加される水蒸気やアルコ
ール蒸気により、弗化水素ガスの腐食性が著しく増長さ
れるためである。
【0008】そこで、窒素ガス中に無水弗化水素を添加
した混合ガスを用いて処理する方法も検討されている。
この場合には、自然酸化膜除去は進行するものの、再現
性、除去速度の安定性に問題があり、成功率が低いため
に工業プロセスとして使用することができない。
【0009】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑
みてなされたものであり、高温で処理する必要がなく、
ドーパントの外方拡散やオートドーピング現象を引き起
こさず、且つ滑らかな表面を得ることができるシリコン
単結晶薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで発明者は、自然酸
化膜を除去する前処理工程のガス組成に着目し、自然酸
化膜を低温で除去でき、且つ表面荒れが少ない方法を検
討した。その結果、高度に還元性の雰囲気が必要である
ことが判明した。そこで、温度を低温のままとして、弗
化水素ガスを水素ガスに混合させた混合ガスにシリコン
単結晶の表面を暴露させる方法が、シリコン単結晶の表
面を荒さず、且つ自然酸化膜除去の再現性及び除去速度
の安定性に優れた方法であることを見い出し、本発明を
なすに至った。
【0011】請求項1に記載の発明は、シリコン単結晶
の表面を0℃〜100℃にて弗化水素ガスと水素ガスの
混合ガスに暴露して該シリコン単結晶の表面に生成して
いる自然酸化膜を除去した後に、水素ガス雰囲気を維持
したまま該シリコン単結晶上にシリコン単結晶薄膜を成
長させることを特徴とするシリコン単結晶薄膜の製造方
を提供する。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記シリコン単
結晶の表面を0℃〜100℃にて前記混合ガスに暴露す
る時間が0.5〜3分であることを特徴とする請求項1
記載のシリコン単結晶薄膜の製造方法を提供する。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記シリコン単
結晶の表面を0℃〜100℃にて前記混合ガスに暴露し
た後に、該シリコン単結晶の表面を20〜80%の湿度
を含む雰囲気に暴露させ、その後さらに該シリコン単結
晶の表面を0℃〜100℃にて弗化水素ガスと水素ガス
の混合ガスに再度暴露することを特徴とする請求項1又
は2記載のシリコン単結晶薄膜の製造方法を提供する。
【0014】請求項4に記載の発明は、前記シリコン単
結晶の表面を0℃〜100℃にて前記混合ガスに暴露す
る前に、該シリコン単結晶の表面に生成している自然酸
化膜の厚さを予め10オングストローム以下に調整して
おくことを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶薄
膜の製造方法を提供する。
【0015】
【0016】本発明においては、シリコン単結晶の表面
には作用することなく、シリコン単結晶の表面を覆って
いる自然酸化膜のみを速やかに除去できるので、シリコ
ン単結晶の表面が荒れることなくシリコン単結晶の表面
を露出させることができる。また、水素ガス雰囲気中で
シリコン単結晶の表面を弗化水素ガスに暴露すると、窒
素ガス雰囲気中に比較してシリコン単結晶表面の弗素終
端が少なく、水素終端の完全性を高くすることができ
る。シリコン単結晶表面に弗素終端が多いとシリコンは
単結晶成長することができず、シリコン単結晶の表面に
多結晶膜が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法を実施する際には、
例えば図1に示す装置を用いる。即ち、石英ガラスから
なる反応容器1内に、表面に二酸化珪素からなる自然酸
化膜3が生成しているシリコン単結晶基板2を載置し、
弗化水素ガスと水素ガスを予め混合させて得た混合ガス
を反応容器1の入口4から導入して、シリコン単結晶基
板2の表面を0℃〜100℃にて混合ガスに暴露・接触
させる。すると、弗化水素によりシリコン単結晶基板2
の表面の自然酸化膜3が除去されるという、極めて簡単
にして確実な方法である。
【0018】
【実施例】次に、図1に示す装置を用い、シリコン単結
晶基板2の表面を水素ガスと弗化水素ガスの混合ガスに
暴露して自然酸化膜を除去する実施例を説明する。
【0019】(実施例1)厚さ15オングストロームの
自然酸化膜3が生成しているシリコン単結晶基板2を反
応容器1内に載置し、水素ガス49.5リットル毎分に
無水弗化水素ガス0.5リットル毎分を混合させて作製
した1.0%の弗化水素−水素混合ガスを反応容器1内
に導入し、23℃でシリコン単結晶基板2の表面を室温
にて該混合ガスに暴露した。その後、シリコン単結晶基
板2の表面の自然酸化膜3の厚さを、エリプソメトリー
により測定した。なお、本発明において室温とは、温度
調整機を備えていない部屋の温度が年間に変動する範囲
の温度であり、具体的には0〜35℃の温度のことであ
る。
【0020】図2は、上記混合ガスに暴露した時間と自
然酸化膜3の厚さとの関係を示す。当初の厚さが15オ
ングストロームあった自然酸化膜3は、混合ガスへの暴
露時間が0.5分程度にて約10オングストローム除去
されて5オングストロームの厚さの自然酸化膜3が残留
していた。その後、暴露時間が10分に至るまで処理を
継続しても、それ以上には自然酸化膜3の除去が進行し
なかった。
【0021】弗化水素−水素混合ガス導入後、自然酸化
膜3の除去が開始されてから終了するまでに、速い時に
は僅か0.5分以内にて終了するが、自然酸化膜3の除
去が開始されるまでには少々の待ち時間があるために、
シリコン単結晶基板2の表面全体の自然酸化膜3の除去
が進行するためには0.5分以上が必要である。一方、
3分以上継続しても自然酸化膜3の除去は進行せず、3
分以上の継続は無意味であることが判った。従って、弗
化水素−水素混合ガスによるシリコン単結晶基板2の表
面の自然酸化膜3の除去には、0.5分から3分の範囲
が適当であることが結論として導かれる。尚、弗化水素
−水素混合ガスに対する暴露を10分まで継続しても、
シリコン単結晶基板2の表面には表面荒れは観察されな
かった。
【0022】(比較例1)混合ガス中の雰囲気ガスとし
ての水素ガスに替えて、窒素、アルゴン又はヘリウムの
いずれかを雰囲気ガスとして用い、それぞれ1.0%の
弗化水素含有混合ガスを作製し、その他は実施例1に従
ってシリコン単結晶基板2を各弗化水素含有混合ガスに
暴露した。そして、各混合ガスについて自然酸化膜3の
除去速度及びシリコン単結晶基板2の表面状態を調べ
た。その結果、自然酸化膜3の除去速度に関しては、雰
囲気ガスが水素ガスである場合とその他のガスである場
合で顕著な違いは認められなかった。しかし、シリコン
単結晶基板2の表面状態は、水素雰囲気の場合とは大き
く異なり、窒素、アルゴン又はヘリウムを雰囲気ガスと
して用いた場合は表面の曇りが顕著となり、自然酸化膜
3の除去前よりも細かな凹凸が増加する様子が観察され
た。
【0023】このように、水素を雰囲気ガスとして用い
た場合はシリコン単結晶基板2の表面状態が良好である
のに対し、上記各不活性ガスを雰囲気ガスとして用いる
と表面状態が悪化してしまうのは、次のように考えられ
る。
【0024】即ち、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス
並びにヘリウムガスには、実際には微量ながらそれぞれ
例外なく水分が混入しており、この水分は弗化水素の腐
食性を助長して自然酸化膜3の除去を促進させる。さら
に、水分は自然酸化膜3の除去後に現れたシリコン表面
をも酸化する。つまり、自然酸化膜3が除去されて露出
したシリコン表面は極めて活性であるため、雰囲気ガス
中の水分により酸化され、酸化膜を形成する。そして、
生成した酸化膜は弗化水素により除去されるので、シリ
コン表面の浸食が素速く進行する箇所が現れるのであ
る。
【0025】窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス
は不活性であるがため、混入している水分が微量であっ
ても水分が有する酸化作用を抑止することができない。
一方、水素ガスは還元性であるから、水分が混入してい
てもその酸化力を抑止して還元性雰囲気を保つことがで
きる。従って、水素ガスに弗化水素を混合させて自然酸
化膜3の除去を行うと表面状態が良好に保たれるので有
利となる。
【0026】(実施例2)弗化水素ガスの濃度が種々に
異なる弗化水素−水素混合ガスを作製し、その他は実施
例1に従ってシリコン単結晶基板2を弗化水素−水素混
合ガスに暴露した。そして、混合ガス中の弗化水素ガス
の各濃度について、自然酸化膜3の除去速度及びシリコ
ン単結晶基板2の表面状態を調べた。その結果、混合ガ
ス中の弗化水素ガスの濃度が0.5%未満の場合は、自
然酸化膜3の除去は進行するものの除去速度の安定性は
低下することが認められた。従って、混合ガス中の弗化
水素ガスの濃度は0.5%以上であることが望ましい。
【0027】(実施例3)実施例1において、弗化水素
−水素混合ガスへのシリコン単結晶基板2の表面の暴露
を0.5分程度よりも長く継続しても自然酸化膜3の除
去がそれ以上進行しないのは、自然酸化膜3の表面に吸
着し、弗化水素の反応に際して触媒の働きをすると考え
られる水分が、自然酸化膜3の除去の進行とともに失わ
れるためと考えられる。従って、自然酸化膜3の除去の
進行に伴って失われる水分を適度に補給すれば、再び自
然酸化膜3の除去が進むと考えられる。
【0028】また、弗化水素−水素混合ガスへのシリコ
ン単結晶基板2の表面の暴露を100℃より高い雰囲気
中で行うと、自然酸化膜3の表面に吸着された水分が完
全に蒸発してしまい、触媒の働きをすることができな
い。従って、前記暴露を100℃以下で行うことが好ま
しく、より好ましくは室温で行う。
【0029】次に、水分を空気中から補給して自然酸化
膜3の除去を進行させれば良いと考え、水分を補給する
条件を実験により検討した。実施例1に従ってシリコン
単結晶基板2の表面を室温にて弗化水素−水素混合ガス
へ暴露して1回目の自然酸化膜除去を行った後に、シリ
コン単結晶基板2の表面を異なる湿度の清浄空気に室温
にて暴露させてから、シリコン単結晶基板2の表面を室
温にて弗化水素−水素混合ガスへ再度暴露して2回目の
自然酸化膜除去を行った。その結果、清浄空気の湿度が
20%未満では自然酸化膜除去の再開がなされないこと
があった。一方、湿度が80%を超えると結露し易くな
り、シリコン単結晶基板2の表面に水滴跡が発生し、そ
の後の工程に使用不可能な状態が形成されることが判っ
た。従って、室内の清浄空気の湿度は20〜80%の範
囲が望ましい。
【0030】(実施例4)実施例1に従ってシリコン単
結晶基板2を弗化水素−水素混合ガスに暴露して1回目
の自然酸化膜3の除去工程が終了した後、一旦反応容器
1からシリコン単結晶基板2を取り出して、湿度が60
%の清浄空気内に室温にて24時間保管した。自然酸化
膜3の厚さが5〜6オングストロームであることをエリ
プソメトリーにより測定・確認してから、再び反応容器
1にシリコン単結晶基板2を挿入して、1.0%の弗化
水素−水素混合ガスを反応容器1の入口4から3分間導
入した。
【0031】2回目の自然酸化膜3の除去工程が終了し
た後に、シリコン単結晶基板2の表面の自然酸化膜3の
厚さをエリプソメトリーにより測定したところ、ゼロが
表示され、自然酸化膜3が完全に除去されたことを確認
した。次に、シリコン単結晶基板2の表面を、光散乱を
用いて測定したところ、自然酸化膜3を除去する前と同
等に滑らかな表面であることが判った。
【0032】(実施例5)実施例1によれば、1回の自
然酸化膜除去工程で除去される自然酸化膜3の厚さは1
0オングストローム程度であることから、この自然酸化
膜除去工程以前において自然酸化膜3の厚さを10オン
グストローム以下に調整しておけば、1回の工程で自然
酸化膜3を完全に除去できることは明白である。自然酸
化膜3の厚さを予め10オングストローム以下に調整し
ておく方法としては、弗化水素水溶液によるエッチング
が有望である。
【0033】そこで、表面に自然酸化膜3が生成してい
るシリコン単結晶基板2について、室温で5%弗化水素
水溶液によるエッチングを3分行って自然酸化膜3を除
去した後に水洗し、シリコン単結晶基板2の表面を水素
原子で終端させた。このシリコン単結晶基板2を清浄空
気中に室温で1週間程度保管して、自然酸化膜3の厚さ
を5〜7オングストロームとした。このシリコン単結晶
基板2について、実施例1に従って弗化水素−水素混合
ガスへ暴露したところ、3分以内の暴露により自然酸化
膜3が完全に除去されたことがエリプソメトリーの測定
により判った。
【0034】(実施例6)実施例1〜5の方法により自
然酸化膜3を除去したシリコン単結晶基板2は、水素雰
囲気以外の雰囲気に触れることなくシリコン単結晶薄膜
などの成長に使用することができる。例えば、図1に示
したように、反応容器1の外側に赤外線電球5を設けて
赤外線をシリコン単結晶基板2に照射すれば、シリコン
単結晶薄膜の成長に適する温度にシリコン単結晶基板2
を昇温することができる。ここに、トリクロロシランな
どのシリコン原料化合物ガスを水素ガスに混合して反応
容器1内に導入することにより、シリコン単結晶基板2
の表面にシリコン単結晶薄膜が成長する。
【0035】この代表的実施例を説明する。表面に自然
酸化膜3が生成しているシリコン単結晶基板2につい
て、室温で0.1%弗化水素水溶液によるエッチングを
3分行った後、3分間の水洗を3回実施した。これによ
り、自然酸化膜3の厚さが3オングストロームになって
いることが事前のエリプソメトリーの測定により判って
いる。この自然酸化膜3は保護膜として使用され、基板
表面へのパーティクルの付着を防止する。このシリコン
単結晶基板2を反応容器1内に載置し、窒素ガスにより
反応容器1内の空気を除去した後に、水素ガス49.5
リットル毎分に無水弗化水素ガス0.5リットル毎分を
混合させて作製した1.0%の弗化水素−水素混合ガス
を室温(23℃)において反応容器1内に3分間導入し
た。この処理の後に無水弗化水素ガスの供給を停止し、
水素ガスの流量を100リットル毎分に増大させた。
【0036】ここで、合計40本の2000ワットの赤
外線電球5を反応容器1の外側に配置して通電し、赤外
線をシリコン単結晶基板2に照射した。放射温度計にて
シリコン単結晶基板2の温度を測定し、1000℃に到
達したところでトリクロロシラン12グラム毎分を水素
ガスに混合して反応容器1内に供給し、1分後にトリク
ロロシランガスの供給を停止した。赤外線電球5への通
電を遮断し、水素ガス中にて降温の後に、窒素ガスにて
水素ガスを追い出した。
【0037】反応容器1からシリコン単結晶基板2を取
り出したところ、その表面は鏡面であり、光散乱による
測定においても極めて滑らかな表面であることが確認さ
れた。また、シリコン単結晶基板2の表面に形成された
シリコン単結晶薄膜の厚さは約1ミクロンであることが
光反射法による測定から明らかになった。
【0038】(比較例2)比較のために、上記の実施例
6において無水弗化水素ガスの供給を停止した後に、水
素ガスから乾燥窒素ガスに切り換えて反応容器1内を窒
素雰囲気に室温で3分間維持した後に、再び水素ガス雰
囲気に戻し、赤外線電球5により昇温して、1000℃
においてトリクロロシランガスを導入した。
【0039】その後、シリコン単結晶基板2を取り出し
て観察したところ、その表面は白濁しており、正常なシ
リコン単結晶薄膜の成長が進行しなかったことを示して
いる。従って、窒素ガスの雰囲気、即ち窒素ガス中に含
まれる水分に接触することにより、シリコン単結晶基板
2の表面の酸化が直ちに進行し、シリコン単結晶薄膜の
成長には適さない表面状態になることが明らかである。
【0040】従って、実施例1〜5の効果をより有効に
用いるためには、実施例6のように、水素ガス雰囲気の
ままシリコン単結晶薄膜の成長を行うのが望ましいこと
が実験により確認された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
温度において自然酸化膜の除去を行うことができるの
で、ドーパントの外方拡散やオートドーピング現象を引
き起こすことがない。また、極めて短時間に自然酸化膜
を除去できるので、生産性を向上できる。更に、弗化水
素ガスを水素ガス雰囲気で用いることにより、水分とシ
リコン表面との反応を抑止できるので、自然酸化膜の除
去後に極めて滑らかな表面を得ることができ、シリコン
単結晶薄膜成長のために極めて好適である。また、水素
ガス雰囲気中でシリコン単結晶の表面を弗化水素ガスに
暴露すると、窒素ガス雰囲気中に比較してシリコン単結
晶表面の弗素終端が少なく、水素終端の完全性を高くす
ることができるので、シリコン多結晶膜の形成を抑制す
ることができ、シリコン単結晶薄膜成長のために極めて
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する際に用いる装置の一例
を示す概略断面図である。
【図2】表面に自然酸化膜が生成しているシリコン単結
晶基板を弗化水素−水素混合ガスに暴露して自然酸化膜
を除去した時の残留自然酸化膜厚さを示すグラフであ
る。
【符合の説明】
1 反応容器 2 シリコン単結晶基板 3 自然酸化膜 4 反応容器の入口 5 赤外線電球
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−36653(JP,A) 特開 平7−321046(JP,A) 特開 平7−86240(JP,A) 特開 平3−116727(JP,A) 特開 平6−163484(JP,A) 特開 平5−217968(JP,A) 特開 平4−146620(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶の表面を0℃〜100
    ℃にて弗化水素ガスと水素ガスの混合ガスに暴露して該
    シリコン単結晶の表面に生成している自然酸化膜を除去
    した後に、水素ガス雰囲気を維持したまま該シリコン単
    結晶上にシリコン単結晶薄膜を成長させることを特徴と
    するシリコン単結晶薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン単結晶の表面を0℃〜1
    00℃にて前記混合ガスに暴露する時間が0.5〜3分
    であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコン単結晶の表面を0℃〜1
    00℃にて前記混合ガスに暴露した後に、該シリコン単
    結晶の表面を20〜80%の湿度を含む雰囲気に暴露さ
    せ、その後さらに該シリコン単結晶の表面を0℃〜10
    0℃にて弗化水素ガスと水素ガスの混合ガスに再度暴露
    することを特徴とする請求項1又は2記載のシリコン単
    結晶薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコン単結晶の表面を0℃〜1
    00℃にて前記混合ガスに暴露する前に、該シリコン単
    結晶の表面に生成している自然酸化膜の厚さを予め10
    オングストローム以下に調整しておくことを特徴とする
    請求項1記載のシリコン単結晶薄膜の製造方法。
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