JP3334315B2 - 通気針用フィルター - Google Patents

通気針用フィルター

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JP3334315B2 JP02631794A JP2631794A JP3334315B2 JP 3334315 B2 JP3334315 B2 JP 3334315B2 JP 02631794 A JP02631794 A JP 02631794A JP 2631794 A JP2631794 A JP 2631794A JP 3334315 B2 JP3334315 B2 JP 3334315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通気針用フィルターに
関し、さらに詳しくは、輸液・輸血セット、連結管等に
おいて、通気用に用いられる通気針に装着され、空気中
の雑菌や異物の混入を防ぐためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輸液・輸血セット、連結管等にお
いて、例えば、薬液瓶から薬液を排出させるため、薬液
瓶の止栓部に通気針を貫通させ、これを介して、外気を
薬液瓶中に導入することが行われている。点滴瓶を例に
とると、図1に示すように、点滴瓶1を使用して点滴を
行うときに、薬液2の流出に伴って瓶内に負圧が生じる
ので、空気を補給して外気圧と平衡にするために、通気
針3が止栓4に貫通して装着される。
【0003】通気針には、通気性を与える機能の他に、
液漏れ防止や雑菌等の混入防止の機能を有することが求
められる。そこで、通気針には、空気中の雑菌や異物が
薬液中に混入するのを防ぐために、通常、各種材質から
なるフィルターが組み込まれている。フィルターとして
は、例えば、脱脂綿などの細かな繊維を丸めたもの、合
成樹脂の繊維を織り重ねた構造のデイブスタイプのも
の、多孔質膜などが用いられている。図2に、通気針本
体5の基部6(樹脂成形品)に多孔質膜7からなるフィ
ルターを装着した構造の通気針の断面部分図を示す。
【0004】ところで、薬液瓶を逆さの状態にして薬液
を排出する際、当初、瓶内は陽圧状態にあるため、通気
針内に薬液が流入することがある。また、薬液瓶に栓を
した状態で注射器により薬液を追加する場合があるが、
この場合、薬液瓶を逆さまにして通気針を止栓に穿刺す
ると、高い内圧のために薬液が通気針内に流入する。こ
のように、様々な原因によって通気針内に薬液が流入
し、通気針内に装着されたフィルターが薬液と接触する
ことが多い。
【0005】脱脂綿などの繊維を丸めたタイプのフィル
ターは、液漏れや雑菌等の混入を防止する作用が不十分
であるだけではなく、薬液と接触して濡れると、外気の
流入に伴って通気針内の薬液が逆流し、一旦フィルター
に捕集された雑菌や異物が薬液瓶内に混入してしまうと
いう不都合がある。デイブスタイプのフィルターは、構
造上、密な部分と粗な部分のバラツキが生じ易いため、
孔径分布が広く、耐水圧性が不十分で、通気性、除菌効
果にも問題がある。
【0006】これに対して、四弗化エチレン樹脂多孔質
膜などの撥水性の多孔質膜は、通気性が均一で、液漏れ
防止性及び雑菌や塵埃等の異物の混入防止性に優れてい
るため、汎用されている(特公平1−15304号)。
しかしながら、薬液が水系であっても、蛋白質やビタミ
ン等の界面活性剤を含有する液体の場合には、撥水性の
多孔質膜をフィルターとして使用しても、液体と接触す
ると、表面に濡れが生じ、徐々に液体が多孔質膜の内部
に浸透する。即ち、撥水性の多孔質膜は、水に対して十
分な撥水性を示し、通気針用フィルターとして好適なも
のであるが、蛋白質やビタミン等の界面活性剤を含有す
る液体に対しては、接触角が低下し、濡れ易くなる。液
体が多孔質膜の微細な多孔性空間内に浸透すると、毛管
力が発生するため、液中へ空気を散気するのに非常に大
きな圧力を要し、ひどい場合には通気性がなくなるとい
う問題があった。特に点滴瓶のように内外の差圧のみに
よって通気性を確保する場合には、多孔質膜内に浸透し
た液体は容易に抜け難く、したがって空気が入らないた
め、点滴が止まってしまうことがある。
【0007】上記のような不都合を解消するために、例
えば、通気針の基部に複数個のフィルターを重ねて配置
し、少なくとも通気針側(液体と接触する側、即ち接液
側)に撥水性を有する疎水性物質で形成されたフィルタ
ーを配置することが提案されている(実開昭58−92
946号)。しかし、このような手段を採用しても、平
滑な撥水性のフィルターは、蛋白質やビタミン等の界面
活性剤を含有する液体に対して濡れ易く、微多孔内に容
易に浸透して通気性が損なわれる。
【0008】また、四弗化エチレン樹脂多孔質膜からな
るフィルターの接液側の一部に撥水性膜を重ねたり、フ
ィルターを通気針の基部に溶着する際に、基部の一部を
非溶着部分が生じる構造にして、フィルターの一部に液
体が入り込まない部分を設ける方法が提案されている
(特公平3−8229号)。しかし、この方法では、フ
ィルターの液体と接触する部分には液体が浸透するた
め、通気性確保の手段としては改良の余地がある。ま
た、この方法は、製造工程が煩雑である。一方、液体が
微細な多孔性空間内に浸透し難くするために、例えば、
多孔質膜の孔径を小さくすると、通気抵抗が大きくな
り、通気性が阻害される。通気性を向上させるために多
孔質膜の孔径を大きくすると、雑菌が侵入し易くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蛋白
質や界面活性剤等を含有する水溶液のように、多孔質膜
の表面に濡れを生じ易い液体を薬液とする場合であって
も、多孔質膜からなるフィルターの微細な多孔性空間内
に液体が浸透しにくく、通気性が損なわれることがない
通気針用フィルターを提供することにある。本発明者
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、四弗化エチレン樹脂多孔質膜の少なくとも接液
側の面に凹凸構造を設け、かつ、その凹部の平均深さを
8μm以上とすることにより、多孔質膜の表面に濡れを
生じ易い液体と接触した場合であっても、低い散気圧力
で十分な通気性を確保できることを見出した。
【0010】凹凸構造は、例えば、四弗化エチレン樹脂
多孔質膜の表面を四弗化エチレン樹脂の熱分解温度以上
に加熱することにより形成することができるが、それに
よって、微細な多孔質構造を保持したままで表面を粗面
化することができる。粗面化することにより、液体に対
する界面張力と表面積が向上し、あるいは液滴と接触し
ない箇所が生じることにより、多孔性空間内への液体の
浸透が防止されるものと推定される。一方、多孔質構造
が保持されているため、本発明のフィルターにより、雑
菌や異物の混入を防ぐことができる。また、本発明のフ
ィルターは、通常の方法により通気針へ装着することが
できる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに
至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、四弗化エチレン樹脂多孔質膜からなる通気針用フィ
ルターにおいて、該四弗化エチレン樹脂多孔質膜の少な
くとも接液側の面に、凹部の平均深さが8μm以上の凹
凸構造が設けられていることを特徴とする通気針用フィ
ルターが提供される。
【0012】以下、本発明について詳述する。四弗化エ
チレン樹脂多孔質膜を製造するには、先ず、四弗化エチ
レン樹脂の未燒結粉末に液状潤滑剤を混和し、押出、圧
延等により所定形状に予備成形する。得られた成形体か
ら液状潤滑剤を除去し、あるいは除去することなく、少
なくとも一軸方向に延伸する。次に、延伸により得られ
た成形体を収縮しないように固定した状態で、樹脂の融
点である327℃以上の温度に加熱して、延伸した構造
を燒結固定すると、強度の向上した四弗化エチレン樹脂
多孔質膜を得ることができる。このような方法で得られ
た四弗化エチレン樹脂多孔質膜は、繊維と該繊維によっ
て互いに連結された結節とからなる微細繊維状組織を有
する多孔質体である。
【0013】四弗化エチレン樹脂多孔質膜は、撥水性を
有するため、通気針用フィルター材料として最適のもの
である。この四弗化エチレン樹脂多孔質膜が通気性と雑
菌等の混入防止性を兼ね備えるためには、孔径を通常
0.05〜10μm、好ましくは0.1〜10μm程度
とする。この孔径が小さ過ぎると、通気抵抗が大きくな
って、通気性が損なわれる。孔径が大き過ぎると、雑菌
の混入を防ぐことができない。また、四弗化エチレン樹
脂多孔質膜は、通常、気孔率を30〜95%、膜厚を
0.02〜2mm程度とする。
【0014】四弗化エチレン樹脂多孔質膜は、撥水性を
有するものの、蛋白質やビタミン等界面活性剤を含有す
る液体に対しては接触角が低下し、濡れ易くなる。しか
も、表面が平滑なため、接触角の低下に伴い液体が微細
な多孔性空間内に浸透し易くなる。繊維−結節構造を有
する四弗化エチレン樹脂多孔質膜は、孔径を小さくして
も液体の浸透を防ぐことは容易ではない。その結果、該
多孔質膜からなるフィルターの通気性が阻害されて、十
分な気体流量を得ることができず、ついには通気しなく
なる場合が生じる。
【0015】フィルターが液体に接触して濡れを生じる
と、微細な多孔性空間内に液体が侵入し、その結果、バ
ブルポイントが生じることになる。一般に雑菌や塵埃の
混入を防ぐために、フィルターの孔径は0.05〜10
μm程度としているが、これらの孔径におけるバブルポ
イントは、表1に示すように孔径と相関があり、上記孔
径の範囲内においては決して小さい値ではない。孔径が
10μmより大きい場合、液体とのバブルポイントは小
さくなるが、雑菌等の混入防止性が低下する。表1に、
表面張力が40dyn/cmの液体を用いた場合におけ
る四弗化エチレン樹脂多孔質膜の孔径とバブルポイント
(ASTM F−316)との関係を示す。
【0016】
【表1】
【0017】本発明では、撥水性の四弗化エチレン樹脂
多孔質膜が、その表面に濡れを生じ易い液体と接触した
場合であっても、該液体が多孔性空間内に浸透しにくく
するために、該多孔質膜の少なくとも接液側の面に凹凸
構造を設ける。四弗化エチレン樹脂多孔質膜の表面に、
多孔性を阻害することなく凹凸構造を設ける方法として
は、例えば、加熱燒結工程で、四弗化エチレン樹脂多孔
質膜の一部分を他の部分より高い温度に加熱するか、あ
るいは全体を均一に加熱燒結した後、さらに多孔質膜の
一部分を加熱して、その部分の繊維の切断、分解または
除去を起こさせる方法がある。
【0018】四弗化エチレン樹脂多孔質膜の表面を四弗
化エチレン樹脂の融点以上に加熱すると、表面から内部
に向って順次分解が起こる。樹脂の分解は、最も細かい
繊維から先に起こり、太い繊維や結節部の分解が遅れる
ため、最外層に見かけ上内部より孔径が大きくなった部
分、即ち粗面化された部分が形成される。この場合、繊
維の切断、分解または除去により凹部が形成され、残っ
た結節が凸部を形成する。加熱処理の程度にもよるが、
通常、一方では繊維の切断、分解または除去により結節
間が広がる部分が生じ、他方では結節間の収縮による結
節の融着合体する部分が生じる。繊維の切断、分解また
は除去により結節間が広がった部分が凹部となり、結節
間が収縮して寄り集まった部分が凸部を形成する。
【0019】加熱方法は、特に限定されないが、例え
ば、輻射炉を利用する方法、金属ロールやソルトバスを
熱媒とする方法、熱風を利用する方法、ガスバーナー等
による火炎を利用する方法、またはレーザー光を利用す
る方法などが挙げられる。加熱温度は、四弗化エチレン
樹脂の融点以上の温度、好ましくは該樹脂の顕著な重量
減少が見られる400℃以上の温度である。例えば、7
00〜1000℃の加熱炉で熱処理する方法、400〜
1000℃に加熱した金属ロールに接触させる方法、加
熱されたヒーターにファンで空気を送気し、600℃〜
700℃の熱風を送る方法がある。直接ガスバーナーの
火炎で処理する場合には、プロパンガス等に適度に酸素
濃度を高めた空気を混合する等の方法により火炎の温度
を調節して用いる。レーザー光を用いる方法としては、
特に炭酸ガスレーザーが好適に用いられる。加熱時間
は、必要な処理深度、被処理部分の密度、加熱温度、加
熱手段によって異なる。一般に、600℃以上の熱風を
用いる場合30秒以下、火炎や炭酸ガスレーザーを用い
る場合1秒以下が望ましい。
【0020】表面部分の孔径や粗面の深さ(凹部の深
さ)は、加熱温度や加熱時間を変えることにより、任意
に設定できる。これらの加熱処理による表面加工におい
て、より高温で素早く加熱すると細かい凹凸構造にな
り、より低温でゆっくり加熱すると粗い凹凸構造にな
る。特に耐水圧の向上には加熱温度を高くし、加熱時間
を短くして処理を行うことが好ましい。加熱温度を高く
するとひだの数が増し、緻密なひだが形成され易く、水
滴が侵入しにくくなるからである。この加熱処理法によ
れば、四弗化エチレン樹脂多孔質膜の内部の多孔性構造
は変化しないので、全体としての耐水圧の劣化もない。
別法として、四弗化エチレン樹脂多孔質体に凹凸のある
四弗化エチレン樹脂シートをラミネートしても同等の結
果が得られる。
【0021】四弗化エチレン樹脂多孔質膜の表面を加熱
処理すると、多数の微小な凹部と凸部とが形成され、表
面部分が粗面化する。図3に、その断面略図を示す。四
弗化エチレン樹脂多孔質膜8の加熱処理された表面に
は、多数の凹部10と凸部9が形成される。非処理面の
側には、多孔質構造が残存する。両面を加熱処理する場
合には、中心層に、多孔質構造が残存するように処理の
程度を加減する。
【0022】四弗化エチレン樹脂多孔質膜の表面に凹凸
構造を形成すると、液体に対する界面張力と表面積が向
上し、あるいは液滴と接触しない箇所が生じることによ
り、多孔性空間内への液体の浸透が防止されるものと推
定される。例えば、図3に示される凹凸構造の部分に液
体が接触した場合、液滴は凹部の下端にまで浸透しない
ため、その下部の多孔質構造部分は、液体との接触や液
体の浸透から守られると推定される。したがって、多孔
質膜が液体と接触した後でも、小さな圧力で通気を行う
ことが可能である。一方、多孔質構造が保持されている
ため、雑菌や異物の混入を防ぐことができる。
【0023】このように、本発明のフィルターは、凹凸
構造部分と多孔質部分がいずれも撥水性であり、しかも
凹凸構造により粗面化されているため、液体と接触して
も液体の侵入はある程度までしか進行せず、その結果、
多孔質部分は濡れずにすむ。したがって、小さな圧力さ
え与えてやれば散気することとなる。
【0024】凹凸構造は、図3に示す凹部10の深さa
の平均値が8μm以上であることが必要である。凹部の
平均深さが8μm未満と小さい場合には、液滴が凹部に
侵入して多孔質部分を濡らすため、粗面化による散気圧
力の低減効果が損なわれる。凹部の深さの上限は、特に
限定されないが、多孔質膜の膜厚によりおのずと限定さ
れる。即ち、凹部が多孔質膜を貫通すると、多孔質構造
が破壊されて、除菌効果が損なわれる。したがって、多
孔質構造が残存する深さまでとすることが必要である。
このように、凹部の平均深さは、膜厚によっても左右さ
れるが、通常、8〜70μm程度で十分である。また、
図3に示す凹凸構造における結節間距離cは、未処理の
物と比較して大きく、通常、30〜150μm程度であ
る。
【0025】本発明の通気針用フィルターは、例えば、
図2に示すように、通気針本体5の基部6(樹脂成形
品)に融着等の手段によって装着することができる。本
発明のフィルターは、強度保持の目的等で不織布等とラ
ミネートしたものでもよい。他材とのラミネートは、通
常、フィルターの接気側に行う。
【0026】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。
【0027】[実施例1]孔径5μm、イソプロピルア
ルコール(IPA)バブルポイント0.15kg/cm
2、膜厚100μmの四弗化エチレン樹脂多孔質シート
〔住友電気工業(株)製WP−500−100〕を用い
て、その一方の面を加熱処理して凹凸構造を形成させ
た。具体的には、このシートを線速0.5、1または2
m/分でガスバーナー火炎の中を通過させた。未処理シ
ート及び各処理シートの凹凸深さ等の特性を表2に示
す。未処理シート及び各処理シートを13mmφに打ち
抜き、ステンレス製ホルダーにセットした。このホルダ
ーの上部に、500mlの生理食塩水に対し3mlのビ
タミンK2〔エーザイ(株)製〕を混入した瓶をセット
し、1分後ホルダーの下方から陽圧を加え、液中に散気
が行われ始める圧力を測定した。その結果を併せて表2
に示す。
【0028】
【表2】 (脚注) <凹凸深さ、結節間距離>走査電子顕微鏡(SEM)に
てシート断面の写真を撮り(倍率100倍)、5点以上
の平均値で決める。
【0029】表2の結果から明らかなように、四弗化エ
チレン樹脂多孔質シートの表面に凹凸構造を形成したも
のは、未処理品に比べて、かなり低い圧力で散気を行う
ことができる。例えば、点滴は、0.07kg/cm2
以下の散気圧が好ましいが、本発明品は、界面活性剤等
を含む液体と接触しても、その要求性能を満足するもの
である。
【0030】[実施例2]孔径0.45μm、IPAバ
ブルポイント0.8kg/cm2、膜厚80μmの四弗
化エチレン樹脂多孔質シート〔住友電気工業(株)製W
P−045−80〕を用いたこと以外は、実施例1と同
様に加熱処理し、同じ方法で散気圧力を測定した。結果
を表3に示す。
【0031】
【表3】 表3の結果から明らかなように、フィルターの孔径が小
さい場合であっても、表面に凹凸構造を形成することに
より、低い圧力で散気することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、蛋白質や界面活性剤等
を含有する水溶液のように、多孔質膜の表面に濡れを生
じ易い液体を薬液とする場合であっても、多孔質膜から
なるフィルターの微細な多孔性空間内に液体が浸透しに
くく、通気性が損なわれることがない通気針用フィルタ
ーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、通気針付き点滴瓶の略図である。
【図2】図2は、通気針の構造を示す断面図である。
【図3】図3は、四弗化エチレン樹脂多孔質膜表面の凹
凸構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1:点滴瓶 2:薬液 3:通気針 4:止栓部 5:通気針本体 6:通気針の基部(合成樹脂成形品) 7:多孔質膜からなるフィルター 8:四弗化エチレン樹脂多孔質膜 9:凸部 10:凹部 a:凹部の深さ c:結節間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/162 A61M 5/165 B01D 39/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四弗化エチレン樹脂多孔質膜からなる通
    気針用フィルターにおいて、該四弗化エチレン樹脂多孔
    質膜の少なくとも接液側の面に、凹部の平均深さが8μ
    m以上の凹凸構造が設けられていることを特徴とする通
    気針用フィルター。
  2. 【請求項2】 四弗化エチレン樹脂多孔質膜が、繊維と
    該繊維によって互いに連結された結節とからなる微細繊
    維状組織を有するものであって、かつ、前記凹凸構造が
    微細繊維状組織における繊維の切断、分解または除去に
    より形成されたものである請求項1記載の通気針用フィ
    ルター。
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