JPH07121340B2 - 中空繊維膜 - Google Patents

中空繊維膜

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JPH07121340B2
JPH07121340B2 JP4073308A JP7330892A JPH07121340B2 JP H07121340 B2 JPH07121340 B2 JP H07121340B2 JP 4073308 A JP4073308 A JP 4073308A JP 7330892 A JP7330892 A JP 7330892A JP H07121340 B2 JPH07121340 B2 JP H07121340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の酸素/窒素の分離
係数を有する中空繊維膜に関するものであり、ボイラー
供給水脱酸素装置等用の気液接触装置、培養槽等に用い
られるものである。
【0002】
【従来の技術】気液接触用隔膜として用いられる中空繊
維膜としては、多孔質層と非多孔質層とからなり、酸素
/窒素の分離係数が1.2以上のものが知られている
(特開昭59−196706号)。
【0003】かかる中空繊維膜は、各種用途に用いられ
るが、よりガス交換速度が高い中空繊維膜が要望されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気液接触装
置に用いた場合、ガス交換速度がより向上した中空繊維
膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は25℃における
酸素透過速度Q(O)が1×10−6[cm(ST
P)/cm・sec・cmHg]以上であり、酸素/
窒素の分離係数が0.94〜1.09であり、かつ実質
的にエタノールを透過させないエタノール遮断層を有
し、空孔率が7〜50%であり、主としてポリオレフィ
ン系重合体からなり、内径が10〜500μmでかつ厚
さが5〜100μmであることを特徴とする中空繊維
膜、又、該膜が圧力差0.5kgf/cmでのエタノ
ール透過量が0〜30cm(min・m )である
ものに関する。
【0006】本発明の中空繊維膜は、膜内部に微細な細
孔(空隙)を有するものの、膜の表裏は実質上細孔によ
って連通していない、所謂非連通孔タイプの多孔質膜で
ある。膜内部に細孔が多く存在するほど酸素や二酸化炭
素等のガス透過速度が高くなり、気体−液体間のガス交
換速度が増す。しかしながら、空孔率を高くし過ぎると
細孔は互いに連結し、膜の表裏を連通する細孔(連通
孔)が発生する。そのため本発明の膜は、その空孔率
(体積空孔率)が7〜50%のものが好ましく、膜の製
造方法によって多少異なるが、10〜35%のものがよ
り好ましい。本発明での膜は、上記の様に実質上連通孔
を有しない多孔質膜、換言すると、部分的な連通孔およ
び独立気泡の一方または両方を複雑に保有する多孔質膜
であるが、さらにその構造について詳しく論じると、膜
の一方の側(中空繊維膜の外表面もしくは内表面)には
細孔が開孔しているが他の側に細孔が開孔していない場
合、膜の内部には細孔が存在するものの膜の内外両表面
には細孔が開孔していない場合、膜の内外両表面共に細
孔が開孔しているものの該細孔が膜内部で途切れてい
て、表裏を連通していない場合等があり、実際にはこれ
らの構造が混在する事が多い。膜表面における細孔の開
口状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)による表面から
の観察で視認できる。本発明の膜は上記のいずれの構造
であっても良いが、膜の少なくとも一方の側に細孔が開
孔していない層を持つものが好ましい。細孔の大きさに
特に制限は無いが、酸素透過速度や膜強度等の点から、
直径0.005〜10μmが好ましく、0.03〜1μm
がさらに好ましい。
【0007】本発明の膜は25℃における酸素透過速度
Q(O)が1×10−6[cm(STP)/cm
・sec・cmHg]以上、好ましくは7×10
−6[cm(STP)/cm・sec・cmHg]
以上、より好ましくは5×10−5〜1×10−3[c
(STP)/(cm・sec・cmHg)]のも
のである。(酸素透過速度はASTM D1434に準
拠して測定される)酸素透過速度がこの値より低い場合
は、気体−液体間のガス交換速度、例えば血液への酸素
溶解速度や、血液からの二酸化炭素除去速度などのガス
交換速度が遅くなる。本発明の膜の場合、二酸化炭素の
透過速度は酸素の透過速度ほぼ同程度若しくは高くな
るため、酸素透過速度が上記値であれば、例えば血液か
らの二酸化炭素除去量は十分である。酸素透過速度は高
い方が好ましいのは勿論である。酸素透過速度を高める
には酸素透過係数の大きな素材を選定すること、空孔率
を高めること、気体が膜素材の重合体中を溶解・拡散機
構で透過すべき実質膜厚を薄くすること、といった方法
をとる事ができる。しかし、その達し得る酸素透過速度
には自ずと限界はあろうが、高いこと自体による不都合
はないので、その意味から酸素透過速度に上限を定める
ことを要しない。
【0008】膜の表裏を連通した細孔、所謂連通孔が存
在すると、酸素透過速度は高くなるものの、液体の漏出
が生じる場合があり好ましくない。連通孔の有無と存在
量は、エタノールの透過量で判定できる。エタノール
は、膜に連通孔が存在すれば、その内部に浸入して液状
のまま膜を透過する。例えば、多孔膜型人工肺に用いら
れる連通孔タイプのポリプロピレン膜の場合、膜の一方
の側より0.5kgf/cmの加圧下に70%エタノ
ールを圧入すると、1000〜40000ml/(mi
n・m)の速度でエタノールが透過してくるが、本発
明の膜ではエタノール透過量は著しく少なく、実質的に
不透過である。ここでいう「実質的に不透過」とは、同
じ測定条件下でエタノール透過量が0〜30ml/(m
in・m )であることを意味する。エタノール透過量
は、好ましくは0〜10ml/(min・m )以下、
さらに好ましくは0〜2ml/(min・m )以下で
ある。
【0009】本発明の膜における連通していない部分、
即ちこのエタノールを「実質的に不透過」とするエタノ
ール遮断層が本発明の膜のどの位置に存在するかを特定
することは、本発明において必須ではなく、膜の表面の
片側または両側に存在しても良いことは勿論、膜の内部
に、単層、複層を問わず、複雑な形状で実質的に存在す
るのであっても良い。 特に中空繊維膜の内表面もしく
は外表面にエタノール遮断層を形成する事が好ましい。
さらに、遮断層の厚みを薄くする目的から、遮断層は1
層である事が好ましい。この様な遮断層(非多孔層)が膜
表面に形成されているかどうかは、走査型電子顕微鏡
(SEM)で確認する事ができる。
【0010】エタノール遮断層の膜全体に於る平均的な
全実質厚みは気体透過速度の実測値から計算により推定
する事ができる。即ち、膜を透過する気体は、膜中の遮
断層を溶解・拡散流れで透過する部分と膜の表裏を連結
する連通孔をクヌーセン流れで透過する部分の和である
として(並列構造)解いた式(1)を用い、酸素透過速度お
よび窒素透過速度の実測値から計算される。
【0011】
【数3】 但し
【0012】
【数4】 本発明に於ける、(1)式で計算される中空繊維膜の遮
断層厚みは10μm以下、好ましくは2μm以下、さら
に好ましくは0.7μm以下である。しかしながら製造
技術上、遮断層厚みを0.01μm以下でする事は極め
て困難である。
【0013】上記(1)式で計算される遮断層の厚みはα
<1の場合には誤差が大きくなる。この様な場合には、
酸素/窒素の測定の代わりに二酸化炭素/窒素の測定か
ら求めることができる。
【0014】又、本発明に用いられる膜としては、上述
のα(酸素/窒素の分離係数)が0.94〜1.09
好ましくは0.95〜1.09のものである。
【0015】而して、中空繊維膜は、25℃における酸
素透過速度Q(O)が1×10 −6 〜1×10
−3 [cm (STP)/)cm ・sec・cmH
g]、酸素/窒素の分離係数αが0.94〜1.09
酸素透過速度と窒素透過速度から計算されるエタノール
遮断層の厚みが0.01〜2μmであり、かつ圧力差
0.5kgf/cmでのエタノール透過量が0〜30
cm /(min・m 以下、空孔率が7〜50%で
あり、内径が10〜500μmで、且つ厚さが5〜10
0μmであるものが好適である。かかる膜は、特開昭5
9−196706号に開示されている、多孔質層と非多
孔質層とからなり、酸素/窒素の分離係数αが1.2以
上の中空繊維膜に比べて、一般の膜型気液接触装置、例
えばボイラー供給水の脱酸素、培養槽等に於いて、ガス
交換速度が高く、装置がコンパクトにできるメリツトを
有する。即ち、特開昭59−196706号の膜でも気
液接触装置に用いて有効であるが、より優れた性能、即
ち、気−液系における高いガス交換能力を指向して止ま
ない市場要求からすれば、上記の好適な中空繊維膜が要
望に応じ得るものである。
【0016】尚、上記中空繊維膜は、前述する如く、一
般の膜型気液接触装置、即ち膜を介して液体と気体を接
触せしめ、液体中への気体の溶解若しくは液体中に含溶
存する気体の放出若しくはこれらの溶解と放出とを同時
に行わしめることを目的としたもの、例えばボイラー供
給水の脱酸素装置、培養槽、生物廃水処理における酸素
供給装置等に利用できる。一般の気液接触装置において
は、特に素材がポリ−4−メチルペンテン−1の場合、
使用により膜が親水化されるような事態は生じない。こ
の為、一般の気液接触装置用ガス交換膜として用い得る
は、エタノール透過量が0〜30cm /(min・
)の膜であれば、液体が漏洩せず、高いガス交換速
度を持つため好ましい。
【0017】本発明の膜を構成する重合体はポリオレフ
ィンが好適である。ポリオレフィン系重合体は、素材と
しての酸素および二酸化炭素の透過係数が大きいこと、
非連通孔形多孔質膜に成形し易いこと、残留溶剤の恐れ
の無い溶融法で膜を成形できること、機械的強度が強く
て膜厚を小さく出来るため装置がコンパクトになるこ
と、有害な不純物を含有しにくいこと、吸水性が無く取
扱いが容易なこと、耐薬品性があり滅菌が容易なこと、
安価であること、といった特長を有している。本発明に
用いるポリオレフィン系重合体としては、例えばポリ−
4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリブテン−1およびこれらの共重合体等を例示す
ることができるが、これらの中でポリ−4−メチルペン
テン−1が気体透過係数が大きいことにより酸素透過速
度Q(O2)を高くして遮断層厚みLを薄くする事がで
き、かつ膜表面に遮断層を形成し易いので特に好まし
い。また、ポリ−4−メチルペンテン−1は、その表面
エネルギーが前記例示の各ポリオレフィン系重合体の中
で最も小さいため、膜表面に凝縮した水蒸気が膜を濡ら
して広がり、ガス交換面積を低下させる現象が起こりに
くいなどから、本発明において好適な素材である。
【0018】本発明で用いられる主としてポリオレフィ
ン系重合体から成る素材は、ポリオレフィンの1種以上
を主要成分とするものであればよく、他の物質を含有す
ることも可能である。例えば、架橋剤や抗菌剤等を含有
しても良いし、他のポリマーとブレンドする事もでき
る。また、プラズマ処理等の表面処理や放射線架橋等の
処理を行なう事も可能である。
【0019】本発明に用いる膜の形状は、中空繊維状も
しくは管状であり、内径は10〜500μm、好ましく
は100〜300μm、膜厚は5〜100μm、好まし
くは10〜40μmである。本発明の膜はシリコン均質
膜に比べて、内径に対する膜厚が小さい。又、本発明の
膜は、中空繊維を簾状のシートとして用いるのが好まし
い。かかる簾状シートは中空繊維に対して垂直方向に縦
糸又は粘着テープで中空繊維を編組するか、接着剤が付
着した糸で中空接着剤を接着する等によつて得たものが
使用できる。勿論、該簾状シートは上記のもののみに限
定されるものではない。
【0020】本発明に用いる膜は、その製法については
特に限定はないが、一般には溶融法、乾式法および乾湿
式法が適しており(中でも溶融法が膜の性能および生産
性の両面に於て特に好適であり)、例えば、特開昭59
−196706、特開昭59−229320、特開昭6
1−101206、特開昭61−101227に開示さ
れている方法で製造する事ができる。
【0021】特に、次の様な条件で製造するのが好まし
い。即ち、溶融温度を(Tm+15)〜(Tm+65)℃
(但し、Tmはポリマーの結晶融点)、非晶延伸のDRを
1.0〜1.1熱処理の温度を(Tm−35)〜(Tm−1
0)℃、熱処理時間を2〜30秒、DRを1.0〜1.
2、冷延伸DRを1.1〜1.6、熱延伸DRを1.3〜
2.0の範囲で製造する。又、到達結晶化度20%以上
のポリオレフィン重合体を中空繊維状に溶融押出成形
し、これを必要に応じ配向延伸と熱処理を行ない、冷延
伸と熱固定を行なう事により中空繊維膜の少なくとも一
方の側に平滑な遮断層を有する多孔質膜を製造する事が
できる。この方法で製造した膜は、その生成機構に由来
して膜中の細孔が膜表面に対して垂直方向に長い構造を
持つためか、比較的低い空孔率で十分に高い酸素透過速
度と実質的にアルコール不透過性を示し、しかも高い機
械的強度を持ち膜厚を小さくできる事、溶剤等を一切使
用しないので有害物の溶出が無い事、生産性が高く複合
膜に比べてはるかに低コストの膜を製造できる事、とい
った特徴を持つ。
【0022】
【実施例】以下実施例等によって本発明をさらに具体的
に説明する。
【0023】(実施例1) メルトインデックス(ASTM D1238による)2
6のポリ−4−メチルペンテン−1を、直径6mmの円
環型中空繊維用ノズルを用いて、紡糸温度290℃、引
取速度300m/分、ドラフト380で溶融紡糸し、中
空繊維を得た。この時ノズル口下3〜35cmの範囲を
温度25℃、風速1.5m/秒の風で冷却した。得られ
た中空繊維を温度35℃、延伸倍率(DR)1.05
で、ローラー系を用いて連続的に非晶延伸し、次いで2
20℃、DR 1.1で熱風循環型恒温槽中に導入して
5秒間滞留させる事により熱処理を行ない、引続き35
℃、DR1.2の冷延伸、150℃、DR1.4の熱延
伸、および200℃、DR0.93の熱固定を行なっ
て、外径246μm、膜厚25μmの中空繊維膜を得
た。この膜の内外表面を12,000倍のSEMで観察
したところ、中空糸内表面には孔径約0.1μmの細孔
が1cm当り約50×10個開口しているのが観測
されるのに対し、外表面にはその1/50程度の開口し
か存在しなかつた。この膜の気体透過性はQ(O)=
2.0×10−4cm(STP)/(cm・sec
・cmHg))α=1.09であり、第(1)式および
ポリ4−メチルペンテン−1の特性値P(O)=2.
0×10−9cm(STP)・cm/(cm・se
c・cmHg)、α=4.1を用いて計算したエタノ
ール遮断層(L)の厚みは0.53μmであつた。
【0024】この中空繊維膜0.5gを長さ約10mmに
切って比重びんに詰め、真空ポンプで1×10-2torr以
下に脱気したのち水銀を充填し、重量を計ったところ2
5℃における中空繊維膜の体積は0.800cm3であっ
た。ポリ−4−メチルペンテン−1の真比重0.82を
用いて計算すると、この中空繊維膜の空孔率は23.8
%であつた。
【0025】上記中空糸膜20本(実効長10cm)を図3
に示した装置に組込み、液体が中空糸膜の外表面に接す
る系での酸素の溶解速度を測定した。図3において、液
体(水)を満すケース(8)は、バルブ(16)(17)が付さ
れた液体導入口(12)および液体排出口(13)が設けら
れており、磁気撹拌機(9)上に配置されている。(10)
は撹拌子であり、(11)は酸素センサーである。繊維束
状の中空糸膜(18)は両端付近で樹脂封止部(20)によ
り束ねられており、主体部分が液体中に浸漬され、ゴム
栓(19)を介してケース(8)外にその開口端が出てお
り、気体導入口(14)および気体排気口(15)に接続さ
れている。
【0026】測定に当つては、中空糸膜の中空部に酸素
を通じ、水中の酸素濃度を酸素センサー(11)により測
定した。測定及び解析はYASUDA等;J.Appl.Po
lym.Sci.,16、595(1972)に記載されている
方法によつた。測定は25℃恒温室内で行ない溶存酸素
濃度計として電気化学計器(株)社製DOC−10型を用
いた。また膜面積の計算に当つては、中空糸外表面積を
膜面積とした。 測定で得た気液系での酸素透過速度Q
1(O2)は1.29×10-5cm3(STP)/(cm2・sec・c
mHg)であつた。
【0027】(実施例2)紡糸ドラフトが390、熱処
理条件が220℃、DR1.05、熱延伸DRが1.4、
熱固定のDRが0.93であること以外には実施例1と
同条件で製造した中空繊維膜は、外径245μm、膜厚
24μmであつた。SEMにより観察すると、中空糸内
表面には孔径約0.1μmの細孔が1cm2当り約50×1
9個開口しているのが観測されるのに対し、外表面に
はその1/50程度の開口しか存在しなかつた。この膜
の気体透過性はQ(O2)=8.7×10-4cm3(STP)
/(cm2・sec・cmHg)、α=0.960、であり、第
(1)式およびポリ-4メチルペンテン-1の特性値P
(O2)=2.0×10-9cm3(STP)・cm/(cm2・sec・
cmHg)、α1=4.1、を用いて計算した遮断層厚みは
0.68μmであつた。実施例1と同様にして測定したこ
の中空糸の空孔率は24.3%であつた。
【0028】上記中空糸膜を用いて実施例1と同様にし
て測定を行なつたところ気液系での酸素透過速度Q1(O
2)は9.05×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・cmH
g)であつた。
【0029】(比較例1)紡糸ドラフトが270、熱処
理条件が200℃、DR1.3、熱延伸DRが1.2、熱
固定のDRが0.9であること以外には実施例1と同条
件で製造した中空繊維膜は、外径272μm、膜厚27
μmであつた。SEMによると、図1に見られる様に、
内表面は平滑で、細孔がほとんど認められず、又、図2
に見られるように外表面には0.2μm程度の微細孔が
多数認められた。実施例1と同様にして測定したこの中
空糸の空孔率は18.0%であつた。
【0030】またこの中空膜をガラス管に封入し、AS
TM D1434圧力法に準拠して25℃にて気体透過
速度を測定したところの、Q(O2)=4.5×10-5cm
3(STP)/(cm2・sec・cmHg)、Q(CO2)=3.
4×10-5(cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg)、α
(O2/N2)=1.2、L(遮断層)=1.3μmであつ
た。
【0031】上記膜を用いて実施例1と同様にして測定
を行なったところ、この膜の気液系での酸素透過速度Q
1(O2)は6.6×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・
cmHg)であつた。
【0032】(比較例2)紡糸温度が300℃である事
および非晶延伸の延伸倍率が1.2である事以外は比較
例1と全く同様にして中空繊維膜を製造した。この中空
繊維膜には、SEM観察によれば、内表面、外表面共に
SEMの解像力(約30Å)以上の孔径の細孔は全く認
められなかつた。また、この膜の外径は250μm、膜
厚は25μm、空孔率は11%、酸素透過速度Q
(O2)は8×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・cmH
g)、αは4.1、Lは2.5μm、Q(CO2)は3.9
×10-5cm3(STP)/cm2・sec・cmHg)であつた。
【0033】上記膜を用いて実施例1と同様にして測定
を行なったところ、この膜の気液系での酸素透過速度Q
1(O2)は4.6×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・
cmHg)であつた。
【0034】(実施例3)メルトインデックス(AST
M D1238による)3.5のポリプロピレンを、直
径6mmの円環型中空繊維用ノズルを用いて、紡糸温度2
50℃、引取速度300m/分、ドラフト270で溶融
紡糸し、外径345μm、膜厚34μmの中空繊維を得
た。この時ノズル口下3〜35cmの範囲を温度8℃、風
速1.5m/秒の風で冷却した。得られた中空繊維を温
度35℃、延伸倍率(DR)1.2で、ローラー系を用
いて連続的に非晶延伸し、次いで140℃、DR1.3
で熱風循環型恒温槽中に導入して5秒間滞留させる事に
より熱処理を行ない、引続き10℃、DR1.2の冷延
伸、140℃、DR1.2の熱延伸、および140℃、
DR0.9の熱固定を行なって、外径257μm、内径
205μm、膜厚26μmの中空繊維膜を得た。この膜
の内外表面を12,000倍のSEMで観察したとこ
ろ、内表面には微細孔がほとんど認められず、外表面に
は0.1μm程度の微細孔が多数存在した。この膜の空
孔率は31%、酸素透過速度Q(O2)は3.4×10-4cm
3(STP)/(cm2・sec・cmHg)、αは0.94、Lは
1.6μm、Q(CO2)は2.92×10-4cm3(STP)
/(cm2・sec・cmHg)であった。尚、Lの計算はQ
(O2)を用いた場合は誤差が大きいため、Q(CO2)に基
づいた。
【0035】(実施例4)メルトインデックス1.8、
密度0.96のポリエチレンを、直径10mmの円環型中
空繊維用ノズルを用いて、紡糸温度230℃、ドラフト
700、冷却風温12℃、冷却風速1.5m/sで溶融
紡糸した。得られた中空繊維を、ローラー系にて連続的
に、20℃、DR1.2で非晶延伸し、80℃、DR1.
2、滞留時間5秒で熱処理し、20℃、DR1.3で冷
延伸し、60℃、DR1.2で熱延伸し、80℃、DR
1.0で熱固定して、内径200μm、膜厚24μmの
中空繊維膜を得た。SEM観察によれば、この膜は、内
外両表面共に細孔は認められず、膜断面の内外表面間は
孔径約1μmの細孔から成る多孔質層であった。またこ
の膜の空孔率は25%、酸素透過速度Q(O2)は1.5×
10-4cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg)、αは0.9
5、Lは0.6μm、Q(CO2)は1.33×10-4cm
3(STP)/(cm2・sec・cmHg)であった。尚、Lは実
施例3と同様にして算出した。
【0036】(実施例5) 紡糸ドラフトが350、熱処理条件が220℃、DR
1.1、熱延伸DRが1.4であること以外には実施例
1と同条件で製造した中空繊維膜は、外径255μm、
膜厚26μmであつた。SEMにより観察すると、中空
糸内表面には孔径約0.1μmの細孔が1cm当り約
50×10個開口しているのが観測されるのに対し、
外表面にはその1/50程度の開口しか存在しなかつ
た。この膜の気体透過性はQ(O)=3×10−4
(STP)/(cm・sec・cmHg)、α=
1.02であり、Q(CO)=3.4×10−4cm
(STP)/(cm・sec・cmHg)であり、
第(1)式およびポリ4メチルペンテン−1の特性値P
(O)=2.0×10−9cm(STP)・cm
(cm・sec・cmHg)、α=4.1を用いて
計算したエタノール遮断層の厚みLは0.6μmであつ
た。実施例1と同様にして測定したこの中空糸の空孔率
は23.5%であつた。
【0037】(実施例6)熱処理の時間が10秒、冷延
伸倍率が1.3、熱延伸倍率が1.8であること以外は実
施例5と同様の方法で製造した中空繊維膜の特性はQ
(O2)=3.0×10-4cm3(STP)/(cm2・sec・cmH
g)、α=0.98、L=1.1μm、Q(CO2)=3.0×
10-4cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg)、空孔率=2
7%であつた。
【0038】
【発明の効果】本発明の中空繊維膜は、従来の中空繊維
膜に比べてガス交換速度が向上したものであり、気液接
触装置等のガス交換膜として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の中空繊維の内表面を走査型電子顕微
鏡写真である。
【図2】比較例1の中空繊維の外表面を走査型電子顕微
鏡写真である。
【図3】実施例1〜2及び比較例1で用いられる気液接
触装置の概略図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 磁気撹拌機 3 撹拌子 4 酸素センサー 5 液体導入口 6 液体排出口 7 気体導入口 8 気体排出口 9 バルブ 10 中空糸膜 11 ゴム栓、 12 樹脂封止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−106770(JP,A) 特開 平3−238029(JP,A) 特開 昭59−229320(JP,A) 特開 昭63−258605(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃における酸素透過速度Q(O
    が1×10−6[cm(STP)/cm・sec・
    cmHg]以上であり、酸素/窒素の分離係数が0.9
    4〜1.09であり、かつ実質的にエタノールを透過さ
    せないエタノール遮断層を有し、空孔率が7〜50%で
    あり、主としてポリオレフィン系重合体からなり、内径
    が10〜500μmでかつ厚さが5〜100μmである
    ことを特徴とする中空繊維膜。
  2. 【請求項2】 圧力差0.5kgf/cmでのエタノ
    ール透過量が0〜30cm /(min・m )である
    ことを特徴とする請求項1記載の中空繊維膜。
  3. 【請求項3】 下記式(1)で計算されるエタノール遮
    断層の厚みが2〜0.01μmである請求項1記載の中
    空繊維膜。記 【数1】 但し 【数2】
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