JP3333083B2 - ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法 - Google Patents

ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法

Info

Publication number
JP3333083B2
JP3333083B2 JP07875896A JP7875896A JP3333083B2 JP 3333083 B2 JP3333083 B2 JP 3333083B2 JP 07875896 A JP07875896 A JP 07875896A JP 7875896 A JP7875896 A JP 7875896A JP 3333083 B2 JP3333083 B2 JP 3333083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
cylinder chamber
booster
main
main cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07875896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09267373A (ja
Inventor
健二 杉田
良三 田中
Original Assignee
株式会社名機製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社名機製作所 filed Critical 株式会社名機製作所
Priority to JP07875896A priority Critical patent/JP3333083B2/ja
Publication of JPH09267373A publication Critical patent/JPH09267373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3333083B2 publication Critical patent/JP3333083B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、射出圧縮成形に際して好適に用
いられるブースタラム式型締装置とブースタラム式型締
装置を用いた射出圧縮成形方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】樹脂の成形方法の一つとして、従来から、
所定の圧縮代だけ開いた型停止位置(射出開始位置)で
型閉合わせされた金型の成形キャビティに樹脂材料を射
出,充填した後に、金型を圧締して型締めすることによ
り、成形キャビティ内の樹脂材料を圧縮せしめる射出圧
縮成形方法が知られており、製品におけるヒケやソリ等
の不良防止等といった効果が認められている。
【0003】また、射出圧縮成形を含む樹脂成形に用い
られる直圧式型締装置の一種として、従来から、主シリ
ンダ室に滑動可能に嵌合せしめられた主ラムに対して、
該主ラムの外径よりも小さな外径のブースタラムが同軸
的に挿入されて、該主ラム内にブースタシリンダ室が形
成せしめられ、それら主シリンダ室およびブースタシリ
ンダ室に圧力油を給排して主ラムを駆動することによ
り、該主ラムに取り付けられた可動盤を固定盤に対して
接近・離隔方向に移動せしめるようにしたブースタラム
式型締装置が知られている。かかるブースタラム式型締
装置においては、ブースタシリンダ室に作動油を供給せ
しめてブースタシリンダ室の油圧力で主ラムを駆動せし
めることにより、可動盤を高速移動せしめることが出来
ると共に、主シリンダ室に作動油を供給せしめて主シリ
ンダ室の油圧力で主ラムを駆動せしめることにより、可
動盤を高圧駆動せしめることが出来る。
【0004】ところで、このようなブースタラム式型締
装置を用いて射出圧縮成形を行うに際しては、例えば、
ブースタシリンダ室の油圧力で主ラムを駆動せしめるこ
とにより、可動金型を固定金型に対して高速型移動せし
めて所定の射出開始位置に導き、金型間に形成された成
形キャビティに樹脂材料を射出,充填せしめた後、主シ
リンダ室の油圧力で主ラムを駆動せしめることにより、
可動金型を固定金型に対して高圧型締作動せしめて、成
形キャビティ内の樹脂材料を圧縮せしめることが考えら
れる。このようにすれば、高速型合わせ作動が実現され
て、成形サイクルの短縮が図られると共に、圧縮圧力を
有利に得ることができるのである。
【0005】ところが、射出圧縮成形に際しては、射出
用に大量の作動油が必要となるために、主シリンダ室に
供給される作動油の油圧ポンプ容量が不足し易く、型締
作動時に十分な型締速度が得られ難いという問題を内在
していたのであり、特に、薄物製品の成形時には、樹脂
材料に対する圧縮速度が不足してしまい、圧縮による有
効な樹脂流動を生ぜしめることが難しいという問題があ
った。
【0006】また、前述の如きブースタラム式型締装置
を用いた射出圧縮成形においては、ブースタシリンダ室
の油圧力で主ラムを駆動することにより可動金型が所定
の射出開始位置にまで導かれることとなるが、その際、
可動金型の停止位置精度を十分に確保することが難し
く、圧縮代の制御精度が低下して目的とする圧縮効果を
安定して得ることが難しいという問題もあった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、型締作動時に主シリンダ室へ供給される作
動油量が十分に確保され得て、適当な圧縮速度と圧縮圧
力を容易に且つ安定して得ることの出来る、ブースタラ
ム式型締装置とブースタラム式型締装置を用いた射出圧
縮成形方法を提供することにある。
【0008】また、本発明は、可動金型の射出開始位置
への停止位置精度が向上されて、樹脂材料に対する圧縮
代を高精度に制御することの出来る、ブースタラム式型
締装置とブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形
方法を提供することも、目的とする。
【0009】更にまた、本発明は、射出圧縮成形に際し
て有利に用いられると共に、固定金型と可動金型の間
に、型開き方向に付勢力を及ぼすスプリングが内蔵され
たスプリング型を用いて、樹脂圧縮工程を有しない一般
的な射出成形方法に従い、両金型を型閉じして型締保持
せしめた後に成形キャビティ内に樹脂材料を射出充填す
るスプリング型成形に際しても、有利に用いられ得るブ
ースタラム式型締装置を提供することも、目的とする。
【0010】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、ブースタラム式型締装置に関する本発明の特徴とす
るところは、主シリンダ室に滑動可能に配された主ラム
にブースタラムを挿入し、該主ラム内にブースタシリン
ダ室を形成すると共に、それらブースタシリンダ室およ
び主シリンダ室に油圧ポンプからの作動油を給排せしめ
て主ラムを駆動することにより、固定盤に装着された固
定金型に対して可動盤に装着された可動金型を移動せし
めて所定の射出開始位置に導き、両金型間に形成された
成形キャビティに樹脂材料を射出,充填した後に、可動
金型と固定金型を型締作動せしめて、成形キャビティ内
の樹脂材料を圧縮成形するようにしたブースタラム式型
締装置において、(a)前記油圧ポンプからの作動油を
前記ブースタシリンダ室に供給せしめて、該ブースタシ
リンダ室の油圧力にて前記主ラムを駆動することによ
り、前記可動金型を型閉方向に高速型移動せしめた後、
該油圧ポンプからの作動油を前記主シリンダ室に供給せ
しめ、該主シリンダ室の油圧力にて前記主ラムを駆動し
て前記可動金型を低速型移動せしめることにより、該可
動金型を前記射出開始位置に導くライン切換手段と、
(b)前記主シリンダ室に接続されて、該主シリンダ室
に作動油を供給することにより、前記主ラムに対して型
閉方向の駆動力を及ぼす蓄圧手段と、(c)該蓄圧手段
の前記主シリンダ室への接続ラインに設けられて、該接
続ラインを遮断すると共に、前記成形キャビティへの樹
脂材料の射出,充填後に該接続ラインを連通せしめるこ
とにより、前記油圧ポンプからの作動油と該蓄圧手段か
らの作動油を共に該主シリンダ室に供給せしめて、該主
シリンダ室の油圧力にて前記主ラムを駆動することによ
り、前記可動金型を型締作動せしめる第一の連通/遮断
手段と、(d)該蓄圧手段の前記主シリンダ室への接続
ラインに設けられた流量制御手段と、(e)該蓄圧手段
の前記主シリンダ室への接続ラインに設けられた圧力制
御手段とを、有するブースタラム式型締装置にある。
【0011】このような本発明に従う構造とされたブー
スタラム式型締装置においては、型締作動時に、油圧ポ
ンプと蓄圧手段の両方から型閉側の主シリンダ室に圧力
油が供給されて主ラムが型閉方向に駆動されることか
ら、十分な作動油量ひいては型締速度が確保されるので
あり、また、流量制御手段と圧力制御手段によって、型
締作動時における型締速度と型締圧力を、広い範囲に亘
って容易に設定,制御することが出来るのである。そし
て、それ故、油圧ポンプ容量が小さい場合でも、適当な
型締速度等の条件を容易に設定することができ、射出圧
縮成形による所期の効果を有利に且つ安定して得ること
が可能となるのである。なお、請求項1に記載の本発明
において、主シリンダ室とは、原則として、圧力油の供
給により主ラムに対して型閉方向の駆動力を及ぼす型閉
側主シリンダ室と、圧力油の供給により主ラムに対して
型開方向の駆動力を及ぼす型開側主シリンダ室との、両
者を含むが、請求項1の記載からも明らかなように、蓄
圧手段は、圧力油の供給により、主ラムに対して型閉方
向の駆動力を及ぼす型閉側主シリンダ室に対して接続さ
れることとなる。
【0012】さらに、本発明に従う構造とされたブース
タラム式型締装置においては、型合わせ作動の途中から
可動金型が射出開始位置に導かれるまで、主シリンダ室
の油圧力に基づいて主ラムが駆動されることから、可動
金型の停止位置精度が向上されて、樹脂材料に対する圧
縮代を高精度に制御することが出来るのである。
【0013】また、本発明に従うブースタラム式型締装
置において、前記ライン切換手段としては、例えば、請
求項2に記載されているように、かかるライン切換手段
が、前記可動金型の型閉方向への高速型移動作動の途中
で低速型移動作動に切り換えて、該可動金型を型閉方向
に低速型移動せしめて前記射出開始位置に導くようにな
っている構成や、或いは、請求項3に記載されているよ
うに、かかるライン切換手段が、前記可動金型を型閉方
向に高速型移動作動せしめて型閉完了位置に導いた後、
低速型移動作動に切り換えて、該可動金型を型開方向に
低速型移動せしめて前記射出開始位置に導くようになっ
ている構成が、何れも、好適に採用され得る。
【0014】そして、このような何れのライン切換手段
を採用しても、上述の如き、本発明の効果が、何れも有
効に発揮され得るのである。
【0015】また、ブースタラム式型締装置に関する本
発明においては、請求項4に記載されているように、前
記油圧ポンプを型閉側の前記主シリンダ室に接続するメ
インラインにシーケンスバルブを配設せしめて、該油圧
ポンプを前記ブースタシリンダ室に接続するブースタラ
インの油圧力の上昇によって該シーケンスバルブを介し
て作動油を該型閉側の主シリンダ室に供給せしめると共
に、該シーケンスバルブをバイパスするようにして、該
ブースタラインを該型閉側の主シリンダ室に接続するバ
イパスラインと、該バイパスラインを遮断すると共に、
前記高速型移動から前記低速型移動への切換えに際して
該バイパスラインを連通せしめる第二の連通/遮断手段
とを、設けてなる構成も、好適に採用され得る。
【0016】このような構成を採用すれば、バイパスラ
インを第二の連通/遮断手段によって常時遮断せしめた
状態下において、従来から公知のスプリング型成形を実
施することが可能となる。しかも、射出圧縮成形を実施
するに際しては、型合わせ作動途中からの主シリンダ室
への作動油の供給が、バイパスラインを通じて行われる
ことにより、ブースタシリンダ室の油圧力に基づく高速
型移動から主シリンダ室の油圧力に基づく低速型移動へ
の切換えがスムーズに為され得て、シーケンスバルブに
よる主シリンダ室への作動油供給阻害等に起因する制御
の不安定性が有利に防止されて、型合わせ作動および型
締作動時における作動の安定化が図られ得る。
【0017】また、ブースタラム式型締装置に関する本
発明においては、請求項5に記載されているように、前
記可動金型を前記型締作動による圧縮完了位置にまで移
動せしめた後に、前記蓄圧手段の前記主シリンダ室への
接続ラインを、前記第一の連通/遮断手段によって遮断
して、前記油圧ポンプから該主シリンダ室への作動油の
供給によって該主シリンダ室の型締保持圧を維持せしめ
る構成も、好適に採用される。
【0018】このような構成を採用すれば、容量の小さ
い油圧ポンプでも、十分に大きな型締速度を確保しつ
つ、大きな型締保持圧を維持せしめることが出来るので
あり、しかも、型締保持の段階で、蓄圧手段に作動油を
供給して蓄圧することにより、成形サイクルの向上を図
ることも可能となる。
【0019】一方、ブースタラム式型締装置を用いた射
出圧縮成形方法に関する本発明の特徴とするところは、
主シリンダ室に滑動可能に配された主ラムにブースタラ
ムを挿入し、該主ラム内にブースタシリンダ室を形成す
ると共に、それらブースタシリンダ室及び/又は主シリ
ンダ室に油圧ポンプからの作動油を給排せしめて主ラム
を駆動することにより、固定盤に装着された固定金型に
対して可動盤に装着された可動金型を接近,離隔方向に
駆動せしめるようにしたブースタラム式型締装置を用
い、前記可動金型を前記固定金型に対して移動せしめて
所定の射出開始位置でそれら両金型間に形成された成形
キャビティに樹脂材料を射出,充填した後、該可動金型
と該固定金型を型締作動せしめて成形キャビティ内の樹
脂材料を圧縮することにより射出圧縮成形するに際し
て、前記ブースタシリンダ室に作動油を供給して該ブー
スタシリンダ室の油圧力にて主ラムを駆動することによ
り、前記可動金型を型閉方向に移動せしめた後、前記主
シリンダ室に作動油を供給して該主シリンダ室の油圧力
にて主ラムを駆動することにより低速型移動に切り換え
て、前記可動金型を前記射出開始位置に導き、前記成形
キャビティへの前記樹脂材料の射出,充填後に、前記主
シリンダ室に蓄圧器を連通せしめて、該主シリンダ室に
対して前記油圧ポンプと共に該蓄圧器からも作動油を供
給することにより、該主シリンダ室の油圧力に基づいて
前記主ラムを駆動せしめて前記型締作動を行うようにし
たことにある。
【0020】このような本発明方法に従えば、金型の型
合わせ作動の途中から可動金型が射出開始位置に導かれ
るまで、可動盤が主シリンダ室の油圧力に基づいて駆動
されることにより、優れた可動盤の停止位置精度が発揮
されることに加えて、型締作動時に油圧ポンプと蓄圧手
段の両方から主シリンダ室に圧力油が供給されることか
ら、十分な作動油量ひいては型締速度が確保されるので
あり、それによって、射出圧縮成形による目的とする効
果を有利に且つ安定して得ることが可能となるのであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態・実施例】以下、本発明を更に具体
的に明らかにするために、本発明の実施例について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0022】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
たブースタラム式型締装置の概略が示されている。この
図において、10は、型締装置本体であって、主シリン
ダ12を有している。また、主シリンダ12に対して固
定盤14が所定距離を隔てて対向配置されており、該固
定盤14が主シリンダ12に対して、4本のタイバー1
8によって相対位置固定に連結されている。更にまた、
主シリンダ12と固定盤14の間には可動盤16が配設
されており、タイバー18で支持せしめられて、該可動
盤16が固定盤14に対して接近/離隔方向に案内され
ることにより、固定盤14に装着された固定金型20と
可動盤16に装着された可動金型22が、型開閉作動せ
しめられるようになっている。
【0023】また、主シリンダ12のシリンダ室には、
主ラム26が軸方向に滑動可能に且つ液密に挿入配置さ
れており、この主ラム26の前端部が主シリンダ12か
ら前方に突出せしめられて可動盤16に固定されてい
る。なお、主シリンダ室は、主ラム26のピストン部分
によって前方側と後方側とに液密に仕切られており、以
て、前方側の型閉側主シリンダ室(以下、単に「主シリ
ンダ室」という)27と後方側の型開側主シリンダ室
(以下、「型開きシリンダ室」という)29の二つの主
シリンダ室が形成されている。更にまた、主シリンダ1
2の後端側(図1中、左側)には、バルブシリンダ24
が一体的に設けられており、このバルブシリンダ24の
シリンダ室25が、主シリンダ12の主シリンダ室27
に連通された状態で同軸的に形成されている。
【0024】また、バルブシリンダ室25および主シリ
ンダ室27には、主ラム26よりも小径の円筒形状のブ
ースタラム28が、バルブシリンダ24の後端部から軸
方向に向かって延び出し、バルブシリンダ室25を貫通
して主シリンダ室27にまで至る長さで配設されてい
る。また一方、主ラム26には、後端面に開口する有底
穴30が形成されており、この有底穴30にブースタラ
ム28の先端部分が滑動可能に且つ液密に挿入されるこ
とによりブースタシリンダ室31が形成されている。
【0025】さらに、バルブシリンダ24の周壁部に
は、連通孔32が貫設されており、バルブシリンダ室2
5が、この連通孔32から、供給・排出ライン34を通
じて、外部油タンク36に接続されている。また、バル
ブシリンダ室25には、略円筒形状のプレフィルバルブ
38が滑動可能に収容配置されており、このプレフィル
バルブ38が、コイルスプリング40によってバルブシ
リンダ室25内の軸方向前端部に保持せしめられるよう
になっていると共に、プレフィルバルブ38の外周に形
成された駆動シリンダ室42に圧力油を供給することに
よって、該プレフィルバルブ38がコイルスプリング4
0の付勢力に抗して軸方向後方に変位せしめられるよう
になっている。そして、このプレフィルバルブ38がバ
ルブシリンダ室25内の軸方向前端部に位置せしめられ
ることによって、連通孔32が遮断される一方、プレフ
ィルバルブ38がバルブシリンダ室25内の軸方向後端
部に位置せしめられることによって、連通孔32が開口
され、主シリンダ室27が、バルブシリンダ室25を通
じ、供給・排出ライン34により外部油タンク36に接
続されるようになっている。なお、駆動シリンダ室42
は、電磁切換バルブ44を介して、油圧ポンプ46に接
続されており、この油圧ポンプ46の切換操作によっ
て、駆動シリンダ室42が、油圧ポンプ46または外部
油タンク36に択一的に接続されるようになっている。
【0026】また一方、ブースタシリンダ室31は、ブ
ースタラム28の内孔を通じて、ブースタライン50に
より、電磁切換バルブ52と電磁切換バルブ53に接続
されており、電磁切換バルブ52の切換操作によって、
ブースタシリンダ室31が油圧ポンプ46に対して接続
/遮断されるようになっていると共に、電磁切換バルブ
53の切換操作によって、ブースタシリンダ室31が、
絞り33を介して、外部油タンク36に対して連通/遮
断されるようになっている。即ち、電磁切換バルブ52
の切換操作でブースタシリンダ室31を油圧ポンプ46
に接続することにより、作動油がブースタシリンダ室3
1に供給されるようになっている一方、電磁切換バルブ
53の切換操作でブースタシリンダ室31を外部油タン
ク36に接続することにより、ブースタシリンダ室31
が圧抜きされるようになっている。なお、ブースタライ
ン50に対して油圧ポンプ46の作動油を供給するライ
ンには、リリーフバルブ54が接続されており、このリ
リーフバルブ54によって、油圧ポンプ46から吐出さ
れた作動油の油圧が一定値以下に保持されるようになっ
ている。また、ブースタライン50には、電磁切換バル
ブ52をバイパスするようにして、ブースタシリンダ室
31から油圧ポンプ46側への作動油の逆流を許容する
逆止弁56を備えた保護ライン58が接続されている。
【0027】さらに、ブースタシリンダ室31を電磁切
換バルブ52に接続するブースタライン50には、メイ
ンライン64が接続されており、このメインライン64
によって、電磁切換バルブ52が、逆止弁付シーケンス
バルブ60を介して、バルブシリンダ室25を通じて主
シリンダ室27に連通されている。そして、電磁切換バ
ルブ52の切換操作によって、主シリンダ室27が油圧
ポンプ46に対して接続/遮断されるようになっている
と共に、ブースタライン50に接続された電磁切換バル
ブ53の切換操作によって、主シリンダ室27が外部油
タンク36に対して連通/遮断されるようになってい
る。即ち、電磁切換バルブ52の切換操作で主シリンダ
室27を油圧ポンプ46に接続することにより、作動油
が主シリンダ室27に供給されるようになっている一
方、電磁切換バルブ53の切換操作で主シリンダ室27
を絞り33を通じて外部油タンク36に接続することに
より、主シリンダ室27が圧抜きされるようになってい
る。
【0028】なお、メインライン64上には逆止弁付シ
ーケンスバルブ60が配設されていることから、ブース
タシリンダ室31に作動油を供給するブースタライン5
0の圧力が一定値以上に上昇した場合に、メインライン
64を通じて主シリンダ室27への作動油の供給が行わ
れるようになっている。また、電磁切換バルブ52の切
換操作により、作動油をブースタシリンダ室31または
主シリンダ室27に供給せしめるに際しては、型開きシ
リンダ室29が、電磁切換バルブ52を介して、外部油
タンク36に接続されて圧抜きされるようになってい
る。更にまた、かかる型開きシリンダ室29には、電磁
切換バルブ52の切換操作により、油圧ポンプ46から
作動油が供給されるようになっている。
【0029】また、電磁切換バルブ52をブースタシリ
ンダ室31に接続するブースタライン50には、バイパ
スライン66が接続されており、このバイパスライン6
6によって、逆止弁付シーケンスバルブ60の両側(メ
インライン64における電磁切換バルブ52側と主シリ
ンダ室27側)が連通されている。また、このバイパス
ライン66上には、電磁切換バルブ68が配設されてお
り、該電磁切換バルブ68の切換操作により、バイパス
ライン66が連通/遮断されるようになっている。要す
るに、電磁切換バルブ68の切換操作でバイパスライン
66を連通せしめることにより、油圧ポンプ46からの
作動油が、逆止弁付シーケンスバルブ60を経ることな
く、直接に、主シリンダ室27に供給されるようになっ
ているのである。
【0030】さらに、油圧ポンプ46から供給される作
動油を電磁切換バルブ52に導くポンプライン70に
は、接続ライン72を通じて、蓄圧手段としてのアキュ
ムレータ74が接続されている。そして、接続ライン7
2上に配された開閉バルブ76の操作によって、アキュ
ムレータ74がポンプライン70に対して連通/遮断せ
しめられ、開閉バルブ76による連通状態下、アキュム
レータ74に蓄圧された作動油が、電磁切換バルブ52
の切換操作で、メインライン64に導かれ得るようにな
っている。
【0031】なお、接続ライン72には、アキュムレー
タ74に圧力油を供給して蓄圧せしめる蓄圧用ポンプ7
8が、逆止弁80を介して、接続されていると共に、ア
キュムレータ74を外部油タンク36に連通せしめる圧
抜用バルブ82が接続されている。また、アキュムレー
タ74をポンプライン70に接続する接続ライン72上
にはプレッシャスイッチ86が設けられている一方、蓄
圧用ポンプ78の圧力油の供給ライン上にはリリーフ弁
84が接続されており、このリリーフ弁84の作動制御
用の電磁切換バルブ88が、プレッシャスイッチ86に
てアキュムレータ74の油圧に応じて切り換えられるこ
とにより、アキュムレータ74の油圧が所定値に制御さ
れるようになっている。要するに、電磁切換バルブ88
は、蓄圧用ポンプ78によるアキュムレータ74のチャ
ージ用制御バルブであって、型締装置本体10の作動と
は関係なく、アキュムレータ74の圧力が下がったらプ
レッシャスイッチ86がONして電磁切換バルブ88が
励磁されることにより、蓄圧用ポンプ78からアキュム
レータ74に作動油が供給されて昇圧される一方、アキ
ュムレータ74の圧力が所定値に達したらプレッシャス
イッチ86がOFFして電磁切換バルブ88が解磁され
ることにより、蓄圧用ポンプ78から供給される作動油
が外部油タンク36に導かれて、アキュムレータ74に
所定圧の作動油が貯蔵されるようになっている。
【0032】また、アキュムレータ74に蓄圧された作
動油をポンプライン70に導く接続ライン72上には、
流量制御手段としての流量制御弁90が配設されてお
り、この流量制御弁90によって、アキュムレータ74
からポンプライン70に供給される作動油の流量(単位
時間当たりの流量)を任意に調節することができるよう
になっている。更にまた、接続ライン72には、圧力制
御手段としての電磁リリーフ弁92が、流量制御弁90
よりもポンプライン70側において接続されており、こ
の電磁リリーフ弁92によって、アキュムレータ74か
らポンプライン70に供給される作動油の圧力を任意に
調節することができるようになっている。
【0033】更にまた、特に本実施例では、図面上に明
示はされていないが、ブースタライン50とメインライ
ン64に対してバイパスライン66を通じて接続された
電磁切換バルブ68と、ポンプライン70に対して接続
ライン72を通じて接続されたアキュムレータ74や蓄
圧用ポンプ78,流量制御弁90,電磁リリーフ弁92
等が、ユニット94としてまとめられた構造とされてお
り、型締装置の油圧回路に対して後付け可能とされてい
る。要するに、ユニット94を除く部分(油圧ポンプ4
6やブースタライン50,メインライン64,電磁切換
バルブ52,逆止弁付シーケンスバルブ60など)は、
一般的な射出成形に際して用いられているブースタラム
式型締装置における一般的な油圧回路であり(例えば、
実公平4−18817号等参照)、従って、このような
従来から公知の油圧回路を備えたブースタラム式型締装
置に対して、上述の如きユニット94を装着することに
よって、大幅な改造を必要とすることなく、前述の如き
本実施例構造のブースタラム式型締装置を得ることが出
来るようになっているのである。
【0034】次に、上述の如き構造とされた本実施例に
おける型締装置を用いて射出圧縮成形を実施するに際し
ての作動形態の具体例を、説明する。
【0035】先ず、金型の型開き状態下、電磁切換バル
ブ52のソレノイドCを励磁せしめて、油圧ポンプ46
からの作動油をブースタシリンダ室31に供給する。同
時に、電磁切換バルブ44を解磁し、プレフィルバルブ
38を後方に移動させることにより、連通孔32を通じ
て、主シリンダ室27を外部油タンク36に連通せしめ
る。これにより、ブースタシリンダ室31の油圧力に基
づいて、主ラム26が高速前進せしめられて、図2に示
されているように、可動金型22が固定金型20に対し
て型閉方向(前進方向)に高速型移動せしめられる。
【0036】続いて、可動金型22が前進し、可動盤1
6に取り付けられたカム(図示せず)が第一のリミット
スイッチ(図示せず)を押すと、油圧ポンプ46の吐出
油量を調節すること等によってブースタシリンダ室31
に供給する油量を減らして減速する。これにより、主ラ
ム26の前進速度が減速されて、図2中に点:a〜bの
区間で示されているように、可動金型22が固定金型2
0に対して型閉方向に減速型移動せしめられる。
【0037】次に、可動金型22が更に前進し、可動盤
16に取り付けられたカムが第二のリミットスイッチ
(図示せず)を押すと、電磁切換バルブ44を励磁し、
プレフィルバルブ38を前方に移動させることにより、
主シリンダ室27を密閉する。同時に、電磁切換バルブ
68を励磁し、油圧ポンプ46からの作動油を、バイパ
スライン66を通じて主シリンダ室27に供給する。こ
れにより、主シリンダ室27の油圧力に基づいて、主ラ
ム26が低速前進せしめられて、図2中に点:b〜cの
区間で示されているように、可動金型22が固定金型2
0に対して型閉方向に低速型移動せしめられる。
【0038】さらに、可動金型22が低速型移動によ
り、予め決定された射出開始位置:cにまで移動せしめ
られて、可動盤16に取り付けられたカムが第三のリミ
ットスイッチ(図示せず)を押すと、電磁切換バルブ5
2を解磁し、油圧ポンプ46から主シリンダ室27およ
びブースタシリンダ室31への作動油の供給を、一時的
に停止させて、可動金型22を射出開始位置:cに停
止,保持せしめる。なお、この射出開始位置:cは、固
定金型20と可動金型22の型閉完了位置:eから予め
定められた量だけ型開きした位置である。
【0039】そして、この射出開始位置:cに可動金型
22を保持せしめた状態下、固定金型20と可動金型2
2の間に形成された成形キャビティに対して、図示しな
い射出装置によって所定の樹脂材料を射出,充填する。
【0040】かかる樹脂材料の射出,充填が完了し、更
にタイマ機構等によって設定された一定の時間が経過し
た後、電磁切換バルブ52のソレノイドCを励磁せしめ
て、油圧ポンプ46からの作動油を、再び主シリンダ室
27に供給する。同時に、接続ライン72上の開閉バル
ブ76を開操作して、アキュムレータ74からの作動油
も、主シリンダ室27に供給する。これにより、主シリ
ンダ室27の油圧力に基づいて、主ラム26が高圧前進
せしめられて、図2中に点:c〜dの区間で示されてい
るように、可動金型22が圧縮完了位置:dまで移動せ
しめられて型締作動せしめられ、以て、金型20,22
の成形キャビティに充填された樹脂材料に対して、圧縮
作用が加えられる。
【0041】そして、可動金型22が型締作動により、
圧縮完了位置:dにまで移動せしめられたことが、主シ
リンダ室27の圧力やリミットスイッチ等で確認される
と、開閉バルブ76を閉操作し、アキュムレータ74を
主シリンダ室27から遮断せしめて、油圧ポンプ46か
ら主シリンダ室27に供給される圧力油だけによって、
可動金型22を固定金型20に対して型締保持せしめ
る。
【0042】その後、所定の冷却,固化時間の経過後、
電磁切換バルブ44を解磁すると共に、電磁切換バルブ
53を励磁して型締圧抜きした後、電磁切換バルブ52
のソレノイドOを励磁せしめて、油圧ポンプ46から型
開きシリンダ室29に作動油を供給することにより、主
ラム26を後退駆動せしめて、可動金型22を固定金型
20に対して型開きし、成形品を取り出す。
【0043】なお、上述の説明から明らかなように、本
実施例では、高速型移動から低速型移動に切り換えるラ
イン切換手段が、電磁切換バルブ52及び電磁切換バル
ブ68を含んで構成されていると共に、接続ラインを連
通/遮断する第一の連通/遮断手段が、開閉バルブ76
を含んで構成されており、また、シーケンスバルブ60
のバイパスラインを連通/遮断する第二の連通/遮断手
段が、電磁切換バルブ68によって構成されている。
【0044】このような射出圧縮成形によれば、型締作
動時に、油圧ポンプ46とアキュムレータ74の両方か
ら主シリンダ室27に圧力油が供給されることから、十
分な作動油量ひいては型締速度が確保される。また、ア
キュムレータ74から主シリンダ室27に供給される圧
力油の供給流量および供給圧力を、流量制御弁90およ
び電磁リリーフ弁92によって、適当に調節することも
出来る。
【0045】従って、油圧ポンプ46の容量が小さい場
合でも、型締速度や型締圧力を有利に確保することが出
来るのであり、それによって、射出圧縮成形による目的
とする効果を有利に且つ安定して得ることが可能となる
のである。
【0046】また、上述の如き射出圧縮成形によれば、
型合わせ作動(可動金型の移動開始から該可動金型を射
出開始位置にまで移動せしめる作動領域をいう)の途中
から、作動油が主シリンダ室27に供給されて、主シリ
ンダ室27の油圧力に基づいて主ラム26が前進駆動さ
れることから、ブースタシリンダ室31の油圧力に基づ
いて主ラム26を前進駆動せしめる場合に比して、主ラ
ム26の位置制御精度が向上せしめられるのであり、以
て、可動金型22を射出開始位置に停止せしめるに際し
ての停止位置ひいては樹脂材料に対する圧縮代の制御精
度が向上され得、樹脂材料に対して目的とする圧縮量を
安定して及ぼすことが可能となるのである。
【0047】さらに、本実施例の型締装置では、メイン
ライン64において、逆止弁付シーケンスバルブ60を
バイパスするバイパスライン66が設けられており、ブ
ースタシリンダ室31の油圧力に基づく高速型移動から
主シリンダ室27の油圧力に基づく低速型移動に切り換
えるに際して、かかるバイパスライン66を通じて、作
動油が主シリンダ室27に供給せしめられることから、
ブースタシリンダ室31の油圧力が低いために逆止弁付
シーケンスバルブ60によって主シリンダ室27への作
動油の供給が阻止されてしまうことが防止されて、低速
型移動への切り換えがスムーズに為されると共に、低速
型移動時にブースタシリンダ室31と主シリンダ室27
とに作動油が同時に供給されて、油圧力や型移動速度を
容易に制御することが出来るのである。
【0048】また、本実施例の型締装置では、圧縮成形
性を阻害することなく、メインライイン64上に逆止弁
付きシーケンスバルブ60が配設されていることから、
バイパスライン66を機能せしめないことにより、型合
わせおよび型締め後に成形キャビティに樹脂材料を射
出,充填する、圧縮成形でない一般的な射出成形を行う
に際しても、本実施例の型締装置が有利に用いられ得る
のである。
【0049】ところで、上記した作動形態の第一の具体
例においては、可動金型22の型閉方向への高速型移動
作動の途中で低速型移動作動に切り換えられることによ
り、可動金型が、型閉方向への低速型移動によって射出
開始位置まで導かれるようになっていたが、それに代え
て、図3に示されている如く、一度、可動金型を、型閉
方向への高速型移動作動により型閉完了位置に導いた
後、低速型移動作動に切り換えて、再び、可動金型を型
開方向に低速型移動せしめて射出開始位置に導くように
しても良い。
【0050】具体的には、先ず、金型の型開き状態下、
第一の具体例と同様な制御によって、ブースタシリンダ
室31の油圧力に基づいて、可動金型22を固定金型2
0に対して型閉方向に高速型移動せしめると共に、可動
金型22が予め設定された減速位置:aに至ったことが
確認されたら、油圧ポンプ46の吐出油量を調節するこ
と等により、可動金型22を型閉方向に減速型移動せし
める。
【0051】そして、図3中に点a〜eの区間で示され
ているように、かかる可動金型22の型閉方向への減速
型移動により、可動金型22を型閉完了位置にまで導い
て、一度、可動金型22を固定金型20に対して型閉せ
しめる。
【0052】次に、型閉力を増圧することなく、電磁切
換バルブ44を励磁し、プレフィルバルブ38により主
シリンダ室27を密閉すると同時に、電磁切換バルブ5
2のソレノイドOと電磁切換バルブ53を励磁し、油圧
ポンプ46からの作動油を型開きシリンダ室29に供給
すると共に、メインライン64を通じて主シリンダ室2
7の作動油を油タンク36に排出させて圧抜きする。こ
れにより、型開きシリンダ室29の油圧力に基づいて、
主ラム26が低速後退せしめられて、図3中に点:e〜
cの区間で示されているように、可動金型22が固定金
型20に対して型開き方向に低速型移動せしめられる。
なお、その際、主シリンダ室27からの圧抜きラインに
は絞り33が配設されており、主シリンダ室27におけ
る圧力が保たれるようになっている。
【0053】そして、可動金型22が低速型移動によ
り、予め決定された射出開始位置:cにまで移動せしめ
られたことが確認されたら、電磁切換バルブ52,電磁
切換バルブ53を解磁し(電磁切換バルブ44は励磁し
たままで保持)、油圧ポンプ46から型開きシリンダ室
29への作動油の供給を停止させて、可動金型22を射
出開始位置:cに停止,保持せしめる。
【0054】その後は、第一の具体例と同様な制御およ
び工程を経て、射出,圧縮,型締保持,型開きが行わ
れ、目的とする成形品が取り出されることとなる。
【0055】従って、このような作動形態においても、
可動金型22を射出開始位置:cに導く低速型移動時に
おいて、型開側の主シリンダ室29への作動油の供給に
よって駆動力が生ぜしめられると共に、型閉側の主シリ
ンダ室27からの作動油の排出が絞り33によって制限
されることから、主ラムひいては可動金型22を微低速
制御することが出来、前記第一の具体例と同様、可動金
型22を射出開始位置:cに高精度に導くことが可能と
なるのである。
【0056】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0057】例えば、電磁切換バルブ68やアキュムレ
ータ74,蓄圧用ポンプ78,流量制御弁90,電磁リ
リーフ弁92等をユニット構造とすることは、必ずしも
必要でない。
【0058】また、アキュムレータに蓄圧するためのポ
ンプとして、主ラム駆動用の油圧ポンプを併用すること
等も可能である。
【0059】更にまた、前記実施例では、型合わせ作動
に際しての型移動速度が、ブースタシリンダ室31の油
圧力に基づく高速型移動と減速型移動および主シリンダ
室27の油圧力に基づく低速型移動の3つの作動段階で
切り換えられるようになっていたが、ブースタシリンダ
室31の油圧力に基づく高速型移動から直接に主シリン
ダ室27の油圧力に基づく低速型移動に切り換えるよう
にしても良い。
【0060】さらに、型締作動における型締圧力も、樹
脂材料や成形品形状等に応じて、複数段階制御を行うこ
とが可能である。
【0061】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0062】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたブースタラム式型締装置において
は、油圧ポンプ容量が蓄圧手段で補われて型締速度を有
利に確保することが出来ると共に、流量制御手段や圧力
制御手段によって型締速度や型締圧力を調節出来ること
から、射出圧縮成形による目的とする効果を有利に且つ
安定して得ることが出来るのである。
【0063】また、かかるブースタラム式型締装置にお
いては、型合わせ初期にはブースタシリンダ室の油圧力
に基づいて可動金型が高速型移動せしめられると共に、
型合わせ終期には主シリンダ室の油圧力に基づいて可動
金型が低速型移動せしめられることから、可動金型を射
出開始位置に停止せしめるに際しての停止位置ひいては
樹脂材料に対する圧縮代の制御精度が向上され得る。
【0064】さらに、本発明方法に従えば、型合わせ作
動に際して、主シリンダ室の油圧力に基づく低速型移動
によって可動金型が射出開始位置に導かれることから、
可動金型の停止位置ひいては樹脂材料に対する圧縮代の
制御精度が有利に確保されると共に、型締作動に際し
て、油圧ポンプ容量が蓄圧手段で補われることから、型
締速度が有利に確保され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのブースタラム式型締
装置の概略を示す説明図である。
【図2】射出圧縮成形方法に関する本発明に従う型合わ
せ及び型締作動の一具体例を説明するためのグラフであ
る。
【図3】射出圧縮成形方法に関する本発明に従う型合わ
せ及び型締作動の別の具体例を説明するためのグラフで
ある。
【符号の説明】
10 型締装置本体 12 主シリンダ 14 固定盤 16 可動盤 20 固定金型 22 可動金型 26 主ラム 27 主シリンダ室 28 ブースタラム 31 ブースタシリンダ室 46 油圧ポンプ 50 ブースタライン 64 メインライン 74 アキュムレータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/00 - 33/76 B29C 45/00 - 45/84

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主シリンダ室に滑動可能に配された主ラ
    ムにブースタラムを挿入し、該主ラム内にブースタシリ
    ンダ室を形成すると共に、それらブースタシリンダ室お
    よび主シリンダ室に油圧ポンプからの作動油を給排せし
    めて主ラムを駆動することにより、固定盤に装着された
    固定金型に対して可動盤に装着された可動金型を移動せ
    しめて所定の射出開始位置に導き、両金型間に形成され
    た成形キャビティに樹脂材料を射出,充填した後に、可
    動金型と固定金型を型締作動せしめて、成形キャビティ
    内の樹脂材料を圧縮成形するようにしたブースタラム式
    型締装置において、 前記油圧ポンプからの作動油を前記ブースタシリンダ室
    に供給せしめて、該ブースタシリンダ室の油圧力にて前
    記主ラムを駆動することにより、前記可動金型を型閉方
    向に高速型移動せしめた後、該油圧ポンプからの作動油
    を前記主シリンダ室に供給せしめ、該主シリンダ室の油
    圧力にて前記主ラムを駆動して前記可動金型を低速型移
    動せしめることにより、該可動金型を前記射出開始位置
    に導くラ イン切換手段と、前記主シリンダ室に接続されて、該主
    シリンダ室に作動油を供給することにより、前記主ラム
    に対して型閉方向の駆動力を及ぼす蓄圧手段と、 該蓄圧手段の前記主シリンダ室への接続ラインに設けら
    れて、該接続ラインを遮断すると共に、前記成形キャビ
    ティへの樹脂材料の射出,充填後に該接続ラインを連通
    せしめることにより、前記油圧ポンプからの作動油と該
    蓄圧手段からの作動油を共に該主シリンダ室に供給せし
    めて、該主シリンダ室の油圧力にて前記主ラムを駆動す
    ることにより、前記可動金型を型締作動せしめる第一の
    連通/遮断手段と、 該蓄圧手段の前記主シリンダ室への接続ラインに設けら
    れた流量制御手段と、 該蓄圧手段の前記主シリンダ室への接続ラインに設けら
    れた圧力制御手段とを、有することを特徴とするブース
    タラム式型締装置。
  2. 【請求項2】 前記ライン切換手段が、前記可動金型の
    型閉方向への高速型移動作動の途中で低速型移動作動に
    切り換えて、該可動金型を型閉方向に低速型移動せしめ
    て前記射出開始位置に導くようになっている請求項1に
    記載のブースタラム式型締装置。
  3. 【請求項3】 前記ライン切換手段が、前記可動金型を
    型閉方向に高速型移動作動せしめて型閉完了位置に導い
    た後、低速型移動作動に切り換えて、該可動金型を型開
    方向に低速型移動せしめて前記射出開始位置に導くよう
    になっている請求項1に記載のブースタラム式型締装
    置。
  4. 【請求項4】 前記油圧ポンプを型閉側の前記主シリン
    ダ室に接続するメインラインにシーケンスバルブが配設
    されており、該油圧ポンプを前記ブースタシリンダ室に
    接続するブースタラインの油圧力の上昇によって該シー
    ケンスバルブを介して作動油が該型閉じ側の主シリンダ
    室に供給されるようになっていると共に、該シーケンス
    バルブをバイパスするようにして、該ブースタラインを
    該型閉側の主シリンダ室に接続するバイパスラインと、
    該バイパスラインを遮断すると共に、前記高速型移動か
    ら前記低速型移動への切換えに際して該バイパスライン
    を連通せしめる第二の連通/遮断手段とが、設けられて
    いる請求項1乃至3の何れかに記載のブースタラム式型
    締装置。
  5. 【請求項5】 前記可動金型を前記型締作動による圧縮
    完了位置にまで移動せしめた後に、前記蓄圧手段の前記
    主シリンダ室への接続ラインが、前記第一の連通/遮断
    手段により遮断されて、前記油圧ポンプからの作動油の
    供給によって該主シリンダ室の型締保持圧が維持される
    ようになっている請求項1乃至4の何れかに記載のブー
    スタラム式型締装置。
  6. 【請求項6】 主シリンダ室に滑動可能に配された主ラ
    ムにブースタラムを挿入し、該主ラム内にブースタシリ
    ンダ室を形成すると共に、それらブースタシリンダ室及
    び/又は主シリンダ室に油圧ポンプからの作動油を給排
    せしめて主ラムを駆動することにより、固定盤に装着さ
    れた固定金型に対して可動盤に装着された可動金型を接
    近,離隔方向に駆動せしめるようにしたブースタラム式
    型締装置を用い、前記可動金型を前記固定金型に対して
    移動せしめて所定の射出開始位置でそれら両金型間に形
    成された成形キャビティに樹脂材料を射出,充填した
    後、該可動金型と該固定金型を型締作動せしめて成形キ
    ャビティ内の樹脂材料を圧縮することにより射出圧縮成
    形するに際して、 前記ブースタシリンダ室に作動油を供給して該ブースタ
    シリンダ室の油圧力にて主ラムを駆動することにより、
    前記可動金型を型閉方向に高速移動せしめた後、前記主
    シリンダ室に作動油を供給して該主シリンダ室の油圧力
    にて主ラムを駆動することにより低速型移動に切り換え
    て、前記可動金型を前記射出開始位置に導き、前記成形
    キャビティへの前記樹脂材料の射出,充填後に、前記主
    シリンダ室に蓄圧器を連通せしめて、該主シリンダ室に
    対して前記油圧ポンプと共に該蓄圧器からも作動油を供
    給することにより、該主シリンダ室の油圧力に基づいて
    前記主ラムを駆動せしめて前記型締作動を行うことを特
    徴とするブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形
    方法。
JP07875896A 1996-04-01 1996-04-01 ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法 Expired - Fee Related JP3333083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07875896A JP3333083B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07875896A JP3333083B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09267373A JPH09267373A (ja) 1997-10-14
JP3333083B2 true JP3333083B2 (ja) 2002-10-07

Family

ID=13670806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07875896A Expired - Fee Related JP3333083B2 (ja) 1996-04-01 1996-04-01 ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3333083B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005014471A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Toshiba Mach Co Ltd 射出プレス成形方法
CN104669576B (zh) * 2015-02-06 2017-10-03 广州一道注塑机械有限公司 一种五点机铰合模机构的伺服油缸控制方法
CN118082134B (zh) * 2024-04-18 2024-07-16 宁波力劲塑机智造有限公司 液压系统及注塑机物流专机

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09267373A (ja) 1997-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4997921B2 (ja) ダイカストマシン及びダイカスト鋳造法
KR100523172B1 (ko) 다이캐스트머시인사출제어방법및장치
US7004224B2 (en) Diecasting machine
JP3401446B2 (ja) 射出成形機等の型締装置
JP3333083B2 (ja) ブースタラム式型締装置およびブースタラム式型締装置を用いた射出圧縮成形方法
JP3662001B2 (ja) ダイカストマシンの射出方法
US7159639B2 (en) Diecasting machine
JP2010201436A (ja) ダイカストマシン及びダイカスト鋳造方法
JP2539327B2 (ja) 射出成形金型および射出成形品製造方法
JP7546469B2 (ja) ダイカストマシン
KR100716049B1 (ko) 성형기 및 성형방법
JP3842726B2 (ja) 型締シリンダのエア抜き機構およびエア抜き方法
JPS63212524A (ja) 射出成形機における型締装置
WO2023074851A1 (ja) 局部加圧装置、成形機及び成形方法
JP5605445B2 (ja) ダイカストマシン及びダイカスト鋳造方法
JP2001300714A (ja) ダイカストマシン
JP2002103383A (ja) 射出成形機用金型の中子駆動装置
JPH0225042B2 (ja)
JP7392523B2 (ja) ダイカスト成形方法および制御装置
JP3234693B2 (ja) 射出成形機の型締装置
JP3210592B2 (ja) 射出成形機及びその型締圧制御方法
JP3273855B2 (ja) 油圧式型締装置
JP2622300B2 (ja) 射出圧縮成形方法
JP2001315180A (ja) 射出成形機の型開制御方法
JPH0528027Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees