JP2001300714A - ダイカストマシン - Google Patents

ダイカストマシン

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JP2001300714A
JP2001300714A JP2000123166A JP2000123166A JP2001300714A JP 2001300714 A JP2001300714 A JP 2001300714A JP 2000123166 A JP2000123166 A JP 2000123166A JP 2000123166 A JP2000123166 A JP 2000123166A JP 2001300714 A JP2001300714 A JP 2001300714A
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裕明 河内
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Toyo Machinery and Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出シリンダのロッド側に発生するサージ圧
力を抑えつつ、射出プランジャを急速減速させることの
できるダイカストマシンを提供する。 【解決手段】 射出完了前に射出シリンダ(1)のヘッド
側の油圧を減圧する油圧減圧手段と、油圧減圧手段の作
動と同時又はその後にロッド側の油圧を高めて射出ロッ
ドの速度を減速させる減速手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト装置に
関するものであり、特に充填時間の短いものに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来のダイカストマシンにおける
油圧回路の要部油圧系統図である。
【0003】(51)はダイカストマシンの射出シリンダで
あり、その射出ロッド(52)に射出プランジャ(図1には
図示せず)が装着される。
【0004】図7は射出プランジャ(71)の周辺部を示し
た図である。射出ロッド(52)に取り付けられた射出プラ
ンジャ(71)は、前進することにより給油ノズル(72)から
給湯スリーブ(73)に供給されたアルミニウム等の溶湯(8
0)を金型側に押し出し(射出し)、キャビティ(74)内に
溶湯(80)を充填する。
【0005】射出シリンダ(51)は圧油源となる射出アキ
ュムレータ(53)によって作動する。射出アキュムレータ
(53)から供給される圧油は低速射出チェック弁(59)と低
速速度調整弁(60)、又は高速射出チェック弁(58)を通っ
て高速速度調整弁(55)に流入する。
【0006】高速速度調整弁(55)は開度調整することが
でき、これにより射出シリンダ(51)のヘッド室に流入す
るオイルの最大流量を調整し、射出ロッド(52)の高速移
動時の速度を調整することができる。
【0007】射出工程が開始され射出ロッド(52)が前進
すると、射出シリンダ(51)のロッド室から押し出された
戻り油は、戻り油管路(67)、高速減速複合弁(66)を介し
てタンク(68)に流入する。
【0008】射出が完了する直前に、射出ロッド(52)の
速度を減速する。そして、射出が完了すると増圧チェッ
ク弁(56)がONになり、射出アキュムレータ(53)の油圧
によって増圧シリンダ(57)が移動し、射出ロッド(52)の
ヘッド側を押圧する。これにより、キャビティ(74)の微
細な形状を溶湯に精密に転写させることができる。
【0009】各段階における切替弁の切換タイミング
は、射出ロッド(52)と連動するスイッチング部材(61)
と、複数のリミットスイッチ(62)〜(65)により射出ロッ
ド(52)の位置を検出して制御している。
【0010】ところで、近年ではMg(マグネシウム)
のダイカスト成形が普及し、成形品の薄肉化が進められ
ている。薄肉であるため、1回に使用する溶湯量が少な
く、溶湯が冷めやすい。そこで、溶湯の金型への充填時
間の短縮が求められ、充填速度の高速化が図られてい
る。
【0011】しかしながら、高速化を行うと高速充填サ
ージが大きくなる。すると、高速充填サージによりキャ
ビティが押し広げられ、その隙間に溶湯が侵入して成形
品にバリを生じさせ易くなる。
【0012】そこで、高速充填サージを防ぐために高速
充填が完了する前の段階で射出プランジャを減速させて
いる。
【0013】減速は、戻り油管路(67)に設けた高速減速
複合弁(66)を締めることにより行っている。すなわち、
高速減速複合弁(66)を締めて射出シリンダ(51)のロッド
側の圧力を高くすることにより、射出ロッド(52)を急速
に減速させていた。
【0014】しかしながら、射出シリンダ(51)のロッド
側の圧力を急に大きくして急速に減速させると、ロッド
側に大きなサージ圧力発生し、射出シリンダ(51)のロッ
ド側パッキングや高速減速複合弁(66)に大きなサージ圧
力による衝撃が加わる。そのため、パッキングや高速減
速複合弁(66)が破損し易いという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は射出シ
リンダのロッド側に発生するサージ圧力を抑えつつ、射
出プランジャを急速減速させることのできるダイカスト
マシンを提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ダイカストマシンは、射出完了前に射出シリンダ(1)の
ヘッド側の油圧を減圧する油圧減圧手段と、前記油圧減
圧手段の作動と同時又は前記油圧減圧手段の作動後に射
出シリンダ(1)のロッド側の油圧を高めて射出ロッド(2)
の速度を減速させる減速手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0017】これによれば、射出シリンダ(1)のロッド
側の油圧を高めて射出シリンダ(1)の射出ロッド(2)を急
減速させると同時、又はそれ以前に射出シリンダ(1)の
ヘッド側の油圧が減圧されているので、急減速時に射出
シリンダ(1)のロッド側に発生するサージ圧力を抑える
ことができる。
【0018】したがって、ロッド側パッキングや流量制
御手段に大きなサージ圧力による衝撃が加わることが防
止できる。
【0019】請求項2記載のダイカストマシンは、溶湯
(80)を金型のキャビティ(74)に射出する射出シリンダ
(1)と、該射出シリンダ(1)の油圧源となる射出アキュム
レータ(3)と、溶湯(80)がキャビティ(74)に充填された
後に前記射出シリンダの充填圧を増大させる増圧アキュ
ムレータ(4)と、射出シリンダ(1)のヘッド側(1a)と射出
アキュムレータ(3)との間の管路に設けられた差圧式チ
ェック弁(5)と、射出シリンダ(1)のロッド側(1b)から押
し出されたオイルの流量を制御するロッド側流量調整手
段(16)と、射出シリンダの減圧開始位置を検出する減圧
開始位置検出手段(34)と、前記減圧開始位置より金型側
に位置する減速開始位置を検出する減速開始位置検出手
段(35)とを有し、前記差圧式チェック弁(5)は減圧開始
位置検出手段(34)がONになった際に切替弁(13)により
流量を絞り込むように制御され、前記ロッド側流量調整
手段(16)は減速開始位置検出手段(35)がONになった際
に切替弁(18)によりロッド側から押し出されたオイルの
流量を絞るように制御されることを特徴とする。
【0020】これによれば、減圧開始位置になると切替
弁(13)がONとなって差圧式チェック弁(5)の流量が絞
られる。これにより、射出シリンダ(1)のヘッド側(1a)
の油圧が減圧される。
【0021】次いで、減速開始位置になると切替弁(18)
がONとなり、ロッド側流量調整手段(16)の流量が絞ら
れる。これにより、射出シリンダ(1)のロッド側(1b)の
油圧が急に高くなり、射出ロッド(2)は急減速する。
【0022】射出ロッド(2)を急減速しても、射出シリ
ンダ(1)のヘッド側(1a)の油圧は既に減圧されているの
で、ロッド側に大きなサージ圧力は発生しない。
【0023】増圧はヘッド側の圧力を増大させる増圧ア
キュムレータにより行う。
【0024】請求項3記載のダイカストマシンは、溶湯
(80)を金型のキャビティ(74)に射出する射出シリンダ
(1)と、溶湯(80)がキャビティ(74)に充填された後に充
填圧を増大させる増圧シリンダ(9)と、前記射出シリン
ダ(1)と前記増圧シリンダ(9)の油圧源となる射出アキュ
ムレータ(3)と、射出シリンダ(1)のヘッド側(1a)と射出
アキュムレータ(3)との間の管路に設けられた差圧式チ
ェック弁(5)と、射出シリンダ(1)のロッド側(1b)から押
し出されたオイルの流量を制御するロッド側流量調整手
段(16)と、射出シリンダ(1)の減圧減速開始位置を検出
する減圧減速開始位置検出手段とを有し、減圧減速開始
位置検出手段がONになった際に前記差圧式チェック弁
(5)は切替弁(13)により流量を絞り込むように制御さ
れ、前記ロッド側流量調整手段(16)は切替弁(18)により
ロッド側から押し出されたオイルの流量を絞るように制
御されることを特徴とする。
【0025】この場合も、請求項1の場合と同様に射出
ロッド(2)を急減速しても、射出シリンダ(1)のヘッド側
(1a)の油圧は既に減圧されているので、ロッド側に大き
なサージ圧力は発生しない。
【0026】増圧は充填圧を増大させる増圧シリンダー
を作動させることにより行う。
【0027】請求項4記載のダイカストマシンは、請求
項2又は請求項3記載のダイカストマシンにおいて、ロ
ッド側流量調整手段(16)はサーボ弁であることを特徴と
する。
【0028】これによれば、ロッド側における低速、高
速、減速の各流量調整を1個のサーボ弁(電磁比例流量
制御弁)で行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用
いて説明する。
【0030】[実施例1]図1は本実施例のダイカスト
マシンにおける油圧回路の要部油圧系統図を示した図で
ある。尚、説明容易のために、ロッド後退時の油圧回路
は省略して図示している。
【0031】(1)はダイカストマシンの射出シリンダで
あり、その射出ロッド(2)に射出プランジャ(図7参
照)が装着される。
【0032】圧油源となる射出アキュムレータ(3)によ
って、射出プランジャを前進させてアルミニウムやマグ
ネシウム等の金属溶湯を金型キャビティに射出充填し、
射出がほぼ完了すると圧油源を増圧アキュムレータ(4)
に切り替えて増圧工程に入ることは従来と同様である。
【0033】構成の多くは、上述した図7の従来例と略
同じであるが、差圧チェック弁(5)とそれに接続される
管路と切替弁(13)、及び従来のリミットスイッチに加え
て、高速化開始と減速開始との間に減圧開始のタイミン
グを検出するリミットスイッチ(34)を有していることが
異なる。
【0034】図中において(5)は差圧チェック弁であ
り、射出時に射出アキュムレータ(3)からの圧油を適度
に流量調整しながら射出シリンダ(1)のヘッド室(1a)に
流入させて射出ロッド(2)を前進させる働きを有してい
る。本実施例では特開平1−150457号に記載されている
差圧チェック弁を用いた。
【0035】図2はこの差圧チェック弁(5)の断面図で
ある。弁箱(5a)の中に弁体(6)が収納されている。射出
アキュムレータ(3)からの圧油は管路(14a)から弁箱(5a)
内の流入側室(7b)に流入する。
【0036】すると、流入側室(7b)内の油圧が高まり、
弁体(6)は流入側室(7b)内のオイルに押圧されてバネ(5
a)に抗して図中右側(後述する開度調整部(5b)側)に移
動する。
【0037】これにより、弁体(6)により仕切られてい
た流入側室(7b)と流出側室(7c)とが連通し、オイルは弁
箱(5a)と弁体(6)との間を通って流出側室(7c)に入り、
管路(14b)から流出してシリンダ(1)のヘッド室(1a)へ送
られる。
【0038】したがって、弁箱(5a)と弁体(6)との間の
隙間に形成された流入側室(7b)と流出側室(7c)との間の
流路の大きさがヘッド室(1a)へのオイルの流量を決める
こととなる。
【0039】(5b)は弁箱(5a)内での弁体(6)の移動可能
範囲を調整可能な開度調整部であり、差圧チェック弁
(5)を通るオイルの最大流量を決定する。これにより、
金型のキャビティの大きさなどに対応して、適当な最大
射出速度となるように調整することができる。
【0040】但し、管路(14a)から流入するオイルの油
圧だけではバネ(5c)に抗して弁体(6)を最大限にまで移
動させて流路を確保することができず、差圧チェック弁
(5)を通るオイルの流量は小さい。
【0041】(7a)は弁体(6)のピストン部(6a)と弁箱(5
a)の端部との間に設けられるシリンダ室であり、管路(1
4c)が接続されている。管路(14c)は切替弁(13)を介して
射出アキュムレータ(3)に接続されている。
【0042】シリンダ室(7a)に射出アキュムレータ(3)
からの油圧がかかると、弁体(6)を強く開度調整部(5b)
側に押圧し、流入側室(7b)と流出側室(7c)との間の流路
を大きく確保することができる。したがって、差圧チェ
ック弁(5)を通るオイルの流量を大きくすることができ
る。
【0043】尚、(7e)は開度調整部側油室(7d)と流出側
室(7c)とを連通する小孔であり、オイル逆流時に開度調
整部側油室(7d)の油圧を高めて、弁体(6)を図中左側に
移動させる働きを有している。これにより逆流時に流入
側室(7b)と流出側室(7c)との間の流路は閉鎖される。
【0044】(31)は射出ロッド(2)と連動するスイッチ
ング部材であり、各種リミットスイッチ(32),(33),(3
4),(35),(36)と接触して射出ロッド(2)の位置を検出
させるのに用いられる。
【0045】[動作説明(射出開始−低速時)]射出ア
キュムレータ(3)からのオイルは低速射出チェック弁(1
2)と、低速速度調整弁(11)を通って差圧チェック弁(5)
に流入する。
【0046】低速速度調整弁(11)は低速射出時のオイル
流量を制御する働きを有しており、成形品のキャビティ
形状等の条件により予め調整しておく。したがって、同
じ成形品を連続して成形するような場合には原則として
再調整する必要はない。
【0047】この時点では低速射出チェック弁(12)と並
列に設けられている高速射出チェック弁(10)は閉じられ
ており、ここを経由して差圧チェック弁(5)に流入する
オイルはほとんどない。
【0048】射出アキュムレータ(3)からのオイルは低
速速度調整弁(11)より上流の位置で分岐し、切替弁(1
3)、管路(14c)を通って差圧チェック弁(5)のシリンダ室
(7a)に入る。
【0049】そして、シリンダ室(7a)に圧力をかけて差
圧チェック弁(5)内の流路が広がるように弁体(6)を(図
中右側に)押圧する。したがって、差圧チェック弁(5)
に流入したオイルは少ない抵抗で射出シリンダ(1)のヘ
ッド室(1a)に流入する。
【0050】ヘッド室(1a)に油圧がかかると射出ロッド
(2)が前進し、射出シリンダ(1)のロッド室(1b)から押し
出された戻り油は、戻り油管路(15)、高速減速複合弁(1
6)を介してタンク(20)に戻る。
【0051】高速減速複合弁(16)は流量制御弁体(16a)
と、該流量制御弁体(16a)の背部に設けられた減速用弁
体(16b)を備えている。
【0052】流量制御弁体(16a)の後方の油室には速度
制御用の切替弁(17)が接続されている。又、減速用弁体
(16b)の後方の油室には減速用の切替弁(18)が接続され
ている。
【0053】射出ロッドの停止時又は移動開始直後の低
速移動時における切替弁(17)、(18)と高速減速複合弁(1
6)の動きを図3に示す。
【0054】切替弁(17)は「OFF」の状態であり、射
出アキュムレータ(3)からの油圧にが流量制御弁体(16a)
の後方であって、減速用弁体(16b)の前方の油室にかか
る。
【0055】一方、切替弁(18)は「OFF」の状態であ
り、油圧源には接続されないので減速用弁体(16b)の後
方には油圧がかからない。
【0056】これにより、流量制御弁体(16a)は図中右
方に押圧されるので、戻り油管路(15)とタンク(20)との
間の流路は狭くなり、流量は絞られる。
【0057】尚、減速用弁体(16b)は前方からの油圧に
より、後方(図中左側)に移動する。
【0058】[動作説明(高速時)]射出プランジャ先
端が前進してプランジャスリーブの溶湯供給口に至ると
射出ロッド(2)と連動するスイッチング部材(31)が高速
切替リミットスイッチ(33)を押す。
【0059】すると高速射出チェック弁(10)のパイロッ
ト管路の油圧がゼロとなり、射出アキュムレータ(3)か
らのオイルは高速射出チェック弁(10)を通って差圧チェ
ック弁(5)に流入する。したがって、差圧チェック弁(5)
には低速射出チェック弁(12)を通ったオイルと、高速射
出チェック弁(10)を通ったオイルとが共に流入すること
となる。
【0060】差圧チェック弁(5)への単位時間当たりの
オイル流入量が増えるため、射出シリンダ(1)のヘッド
室(1a)に流入する単位時間当たりのオイル量も増える。
そして、射出ロッド(2)は高速でキャビティ方向(図の
左方向)に移動し、その先端に取り付けられた射出プラ
ンジャは高速で前進して溶湯を金型キャビティ内に射出
する。
【0061】又、高速切替リミットスイッチ(33)がON
になると高速減速複合弁(16)に接続された切替弁(17)が
ONとなる。流量制御弁体(16a)の後方の油室は射出ア
キュムレータ(3)から切断され、タンク(20)に接続され
る。図4はこの高速射出時の高速減速複合弁(16)と切替
弁(17)の状態を示した図である。
【0062】流量制御弁体(16a)は後方を支える油圧が
無くなるため、戻り油管路(15)からのオイルに押圧され
て後退する。そのため、戻り油管路(15)とタンク(20)と
の間の流路が広くなり、射出シリンダ(1)のロッド室(1
b)から押し出された戻り油は少ない抵抗でタンク(20)に
戻される。
【0063】尚、切替弁(18)は「OFF」のままであ
る。
【0064】[動作説明(減圧開始)]射出プランジャ
先端が更に前進して充填完了の少し手前まで至るとスイ
ッチング部材(31)が減圧開始用切替リミットスイッチ(3
4)を押す。
【0065】これにより射出アキュムレータ(3)と差圧
チェック弁(5)のシリンダ室(7a)との間に設けられてい
る切替弁(13)が「ON」になる。すると差圧チェック弁
(5)のシリンダ室(7a)が射出アキュムレータ(3)から切り
離され、タンク(20)に接続される。
【0066】これにより差圧チェック弁(5)のシリンダ
室(7a)の油圧が抜けて、弁体(6)は図中左方向に移動し
差圧チェック弁(5)内の流路が狭くなる。差圧チェック
弁(5)を通って射出シリンダ(1)のヘッド室(1a)に流入す
る単位時間当たりのオイル量は少なくなるので、ヘッド
室(1a)の油圧が低下する。
【0067】[動作説明(減速開始)]射出プランジャ
先端が更に前進するとスイッチング部材(31)が減速開始
用切替リミットスイッチ(35)を押す。
【0068】すると切替弁(18)が「ON」になり、高速
減速複合弁(16)の減速用弁体(16b)の後方に位置する油
室が射出アキュムレータ(3)と接続され、減速用弁体(16
b)の後方に油圧がかかる。図5はこのときの高速減速複
合弁(16)と切替弁(18)の様子を示した図である。
【0069】減速用弁体(16b)の面積は流量制御弁体(16
a)の面積より大きく、大きな油圧がかかる。減速用弁体
(16b)は流量制御弁体(16a)側に移動し、流量制御弁体(1
6a)を後方から押圧し、戻り油管路(15)とタンク(20)と
の間の流路が急激に狭くなる。したがって、射出ロッド
(2)は急に減速される。
【0070】しかしながら、その前の減圧の段階で射出
ロッド(2)を押し出すヘッド側の油圧は減圧されている
ため、射出ロッド(2)を急減速させてもロッド側に発生
するサージ圧力は少ない。
【0071】そのため、射出シリンダ(1)のロッド側パ
ッキングや高速減速複合弁(16)に大きなサージ圧力によ
り破損するという問題は生じにくい。
【0072】[動作説明(増圧開始)]射出プランジャ
先端が更に前進して充填完了の位置まで至るとスイッチ
ング部材(31)が増圧切替リミットスイッチ(36)を押し増
圧工程に入る。
【0073】すると増圧チェック弁(8)が「ON」とな
り、射出アキュムレータ(3)による油圧が射出シリンダ
(1)のヘッド側に設けられている増圧シリンダ(7)に送ら
れる。
【0074】油圧を受けた増圧シリンダ(7)は射出シリ
ンダ(1)の射出ロッド(2)を強い力でキャビティ側に押圧
する。この増圧によりキャビティ内に充填された溶湯に
高圧がかかり、キャビティの微細な形状を溶湯に精密に
転写させることができる。キャビティ内の溶湯が冷却し
て硬化するまで、この状態を保持する。
【0075】尚、増圧力に高い安定性が必要な場合は、
増圧シリンダ(7)の油圧源として射出アキュムレータ(3)
とは別に専用の油圧源を設けても良い。
【0076】[動作説明(シリンダ戻し増圧開始)]増
圧状態での冷却が済むと、各切替弁をリセットし、図示
しない後退バルブを「ON」にしてロッド側に油圧をか
けて射出ロッド(2)を後退させる。
【0077】後退位置は戻りリミットスイッチ(32)によ
り検知し、所定の位置で射出ロッド(2)を停止する。こ
れにより、1回の成形が完了する。
【0078】[実施例2]図8は実施例2の油圧回路の
要部油圧系統図である。実施例1においては増圧を増圧
シリンダーを用いて行ったが、本実施例では別途増圧ア
キュムレータ(4)を用いて行った。
【0079】増圧チェック弁(8)が「ON」となると、
増圧アキュムレータ(4)からの高圧のオイルが射出シリ
ンダ(1)のヘッド側に送られる。一般に増圧アキュムレ
ータ(4)の圧力は、射出アキュムレータ(3)の圧力の2倍
程度に設定される。
【0080】差圧チェック弁(5)は逆止弁としても機能
するので、増圧アキュムレータ(4)の高圧が射出アキュ
ムレータ(3)にかかることはない。
【0081】それ以外の構成や効果は実施例1と同じで
ある。
【0082】[実施例3](図示せず) 実施例1においてはシリンダ側の流量制限は高速減速複
合弁により行ったが、本実施例ではそれに代えて電磁比
例流量制御弁(サーボ弁)を用いた。
【0083】そして、リミットスイッチからの信号に基
づく電気信号により戻り油管路(15)からタンク(20)へ流
出するオイルの流量を調整した。
【0084】ロッド側における低速、高速、減速の各流
量調整を1個のサーボ弁(電磁比例流量制御弁)で行う
ことができ、配管もシンプルなものとすることができ
る。
【0085】それ以外の構成や効果は実施例1と同じで
ある。
【0086】尚、上記各実施例では減圧を開始した後に
減速をスタートしたが、減圧と減速を同時に行ってもロ
ッド側に発生するサージ圧力を有る程度低くすることが
できる。
【0087】但し、減圧より先に減速を開始すると、従
来と同様にロッド側に大きなサージ圧力が発生するので
適当でない。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように本発明により、射出シ
リンダのロッド側に発生するサージ圧力を抑えつつ、射
出プランジャを急速減速させることのできるダイカスト
マシンを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の油圧回路の要部油圧系統図。
【図2】本発明に用いた差圧チェック弁の断面図。
【図3】高速減速複合弁と切替弁の状態を示した図(停
止、低速時)。
【図4】高速減速複合弁と切替弁の状態を示した図(高
速時)。
【図5】高速減速複合弁と切替弁の状態を示した図(減
速時)。
【図6】従来のダイカストマシンにおける油圧回路を示
した要部油圧系統図。
【図7】射出プランジャの周辺部を示した図。
【図8】実施例2の油圧回路の要部油圧系統図。
【符号の説明】
(1) 射出シリンダ (1a) ヘッド室 (1b) ロッド室 (2) 射出ロッド (3) 射出アキュムレータ (4) 増圧アキュムレータ (5) 差圧チェック弁 (5a) 弁箱 (5b) 開度調整部 (6) 弁体 (6a)ピストン部 (7a) シリンダ室 (7b) 流入側室 (7c) 流出側室 (8) 増圧チェック弁 (9) 増圧シリンダ (10) 高速射出チェック弁 (11) 低速速度調整弁 (12) 低速射出チェック弁 (13) 切替弁(減圧用) (14a) 管路(差圧チェック弁に流出) (14b) 管路(差圧チェック弁から流出) (15) 戻り油管路 (16) 高速減速複合弁 (16a)流量制御弁体 (16b) 減速用弁体 (17) 切替弁(高速用) (18) 切替弁(減速用) (20) タンク (31) スイッチング部材 (32) 戻りリミットスイッチ (33) 高速切替リミットスイッチ (34) 減圧開始用切替リミットスイッチ (35) 減速開始用切替リミットスイッチ (36) 増圧切替リミットスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H089 AA04 BB08 CC01 DA04 DB02 DB13 DB33 EE17 FF03 FF13 GG02 JJ04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出完了前に射出シリンダのヘッド側の
    油圧を減圧する油圧減圧手段と、前記油圧減圧手段の作
    動と同時又は前記油圧減圧手段の作動後に射出シリンダ
    のロッド側の油圧を高めて射出ロッドの速度を減速させ
    る減速手段とを備えたことを特徴とするダイカストマシ
    ン。
  2. 【請求項2】 溶湯を金型のキャビティに射出する射出
    シリンダと、該射出シリンダの油圧源となる射出アキュ
    ムレータと、溶湯がキャビティに充填された後に前記射
    出シリンダの充填圧を増大させる増圧アキュムレータ
    と、 射出シリンダのヘッド側と射出アキュムレータとの間の
    管路に設けられた差圧式チェック弁と、 射出シリンダのロッド側から押し出されたオイルの流量
    を制御するロッド側流量調整手段と、 射出シリンダの減圧開始位置を検出する減圧開始位置検
    出手段と、 前記減圧開始位置より金型側に位置する減速開始位置を
    検出する減速開始位置検出手段とを有し、 前記差圧式チェック弁は減圧開始位置検出手段がONに
    なった際に切替弁により流量を絞り込むように制御さ
    れ、 前記ロッド側流量調整手段は減速開始位置検出手段がO
    Nになった際に切替弁によりロッド側から押し出された
    オイルの流量を絞るように制御されることを特徴とする
    ダイカストマシン。
  3. 【請求項3】 溶湯を金型のキャビティに射出する射出
    シリンダと、溶湯がキャビティに充填された後に充填圧
    を増大させる増圧シリンダと、前記射出シリンダと前記
    増圧シリンダの油圧源となる射出アキュムレータと、 射出シリンダのヘッド側と射出アキュムレータとの間の
    管路に設けられた差圧式チェック弁と、 射出シリンダのロッド側から押し出されたオイルの流量
    を制御するロッド側流量調整手段と、 射出シリンダの減圧開始位置を検出する減圧開始位置検
    出手段と、 前記減圧開始位置より金型側に位置する減速開始位置を
    検出する減速開始位置検出手段とを有し、 前記差圧式チェック弁は減圧開始位置検出手段がONに
    なった際に切替弁により流量を絞り込むように制御さ
    れ、 前記ロッド側流量調整手段は減速開始位置検出手段がO
    Nになった際に切替弁によりロッド側から押し出された
    オイルの流量を絞るように制御されることを特徴とする
    ダイカストマシン。
  4. 【請求項4】 ロッド側流量調整手段はサーボ弁である
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のダイカス
    トマシン。
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