JP3332911B2 - 無線装置およびそのキャリブレーション方法 - Google Patents
無線装置およびそのキャリブレーション方法Info
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Description
方法に関し、特に、アダプティブアレイ無線基地局にお
いて用いられる無線装置およびそのキャリブレーション
方法に関する。
して、アレイアンテナを用いたアダプティブアレイ(ad
aptive array)無線基地局が実用化されている。このよ
うなアダプティブアレイ無線基地局の動作原理について
は、たとえば下記の文献に説明されている。
" Proc. IEEE, vol.55,No.12, pp.2143-2159 (Dec. 1
967 ) . S. P. Applebaum : “Adaptive Arrays " , IEEE Tra
ns. Antennas & Propag.,vol.AP-24, No.5, pp.585-598
(Sept. 1976) . O. L. Frost, III : “Adaptive Least Squares Opti
mization Subject to Linear Equality Constraints, "
SEL-70-055, Technical Report No.6796-2,Informatio
n System Lab., Stanford Univ. (Aug. 1970 ) . B. Widrow and S. D. Stearns : “Adaptive Signal
Processing, "Prentice-Hall, Englewood Cliffs (198
5) . R. A. Monzingo and T. W. Miller : “Introduction
to Adaptive Arrays,"John Wiley & Sons, New York
(1980) . J. E. Hudson : “Adaptive Array Principles," Pet
er Peregrinus Ltd.,London (1981) . R. T. Compton, Jr.: “Adaptive Antennas − Conce
pts and Performance,"Prentice-Hall, Englewood Clif
fs (1988) . E. Nicolau and D. Zaharia: “Adaptive Arrays," E
lsevier, Amsterdam (1989) . 図68は、このようなアダプティブアレイ無線基地局
の動作原理を概念的に示す模式図である。図68におい
て、1つのアダプティブアレイ無線基地局1は、n本の
アンテナ#1,#2,#3,…,#nからなるアレイア
ンテナ2を備えており、その電波が届く範囲を第1の斜
線領域3として表わす。一方、隣接する他の無線基地局
6の電波が届く範囲を第2の斜線領域7として表わす。
ダプティブアレイ無線基地局1との間で電波信号の送受
信が行なわれる(矢印5)。一方、領域7内で、他のユ
ーザBの端末である携帯電話機8と無線基地局6との間
で電波信号の送受信が行なわれる(矢印9)。
の周波数とユーザBの携帯電話機8の電波信号の周波数
とが等しいとき、ユーザBの位置によっては、ユーザB
の携帯電話機8からの電波信号が領域3内で不要な干渉
信号となり、ユーザAの携帯電話機4とアダプティブア
レイ無線基地局1との間の電波信号に混入してしまうこ
とになる。
電波信号を受信したアダプティブアレイ無線基地局1で
は、何らかの処理を施さなければ、ユーザAおよびBの
双方からの信号が混じった信号を出力することとなり、
本来通話すべきユーザAの通話が妨げられることにな
る。
からの信号を出力信号から除去するために、次のような
処理を行なっている。図69は、アダプティブアレイ無
線基地局1の構成を示す概略ブロック図である。
の信号をB(t)とすると、図68のアレイアンテナ2
を構成する第1のアンテナ#1での受信信号x1(t)
は、次式のように表わされる: x1(t)=a1×A(t)+b1×B(t) ここで、a1,b1は、後述するようにリアルタイム
で変化する係数である。
は、次式のように表わされる: x2(t)=a2×A(t)+b2×B(t) ここで、a2,b2も同様にリアルタイムで変化する
係数である。
は、次式のように表わされる: x3(t)=a3×A(t)+b3×B(t) ここで、a3,b3も同様にリアルタイムで変化する
係数である。
は、次式のように表わされる: xn(t)=an×A(t)+bn×B(t) ここで、an,bnも同様にリアルタイムで変化する
係数である。
からの電波信号に対し、アレイアンテナ2を構成するア
ンテナ#1,#2,#3,…,#nのそれぞれの相対位
置が異なるため(各アンテナ同士は互いに、電波信号の
波長の5倍、すなわち1メートル程度の間隔をあけて配
されている)、それぞれのアンテナでの受信強度に差が
生じることを表わしている。
に、ユーザBからの電波信号に対し、アンテナ#1,#
2,#3,…,#nのそれぞれでの受信強度に差が生じ
ることを表わしている。各ユーザは移動しているため、
これらの係数はリアルタイムで変化する。
2(t),x3(t),…,xn(t)は、対応するス
イッチ10−1,10−2,10−3,…,10−nを
介してアダプティブアレイ無線基地局1を構成する受信
部1Rに入り、ウエイトベクトル制御部11に与えられ
るとともに、対応する乗算器12−1,12−2,12
−3,…,12−nの一方入力にそれぞれ与えられる。
御部11からそれぞれのアンテナでの受信信号に対する
重みw1,w2,w3,…,wnが印加される。これら
の重みは、後述するように、ウエイトベクトル制御部1
1により、リアルタイムで算出される。
は、乗算器12−1を経て、w1×(a1A(t)+b
1B(t))となり、アンテナ#2での受信信号x2
(t)は、乗算器12−2を経て、w2×(a2A
(t)+b2B(t))となり、アンテナ#3での受信
信号x3(t)は、乗算器12−3を経て、w3×(a
3A(t)+b3B(t))となり、さらにアンテナ#
nでの受信信号xn(t)は、乗算器12−nを経て、
wn×(anA(t)+bnB(t))となる。
12−nの出力は、加算器13で加算され、その出力は
下記のようになる: w1(a1A(t)+b1B(t))+w2(a2A(t)+b2B(t)) +w3(a3A(t)+b3B(t))+…+wn(anA(t)+bnB(t )) これを信号A(t)に関する項と信号B(t)に関す
る項とに分けると次のようになる: (w1a1+w2a2+w3a3+…+wnan)A(t)+(w1b1+w 2b2+w3b3+…+wnbn)B(t) ここで、後述するように、アダプティブアレイ無線基
地局1は、ユーザA,Bを識別し、所望のユーザからの
信号のみを抽出できるように上記重みw1,w2,w
3,…,wnを計算する。たとえば、図69の例では、
ウエイトベクトル制御部11は、本来通話すべきユーザ
Aからの信号A(t)のみを抽出するために、係数a
1,a2,a3,…,an,b1,b2,b3,…,b
nを定数とみなし、信号A(t)の係数が全体として
1、信号B(t)の係数が全体として0となるように、
重みw1,w2,w3,…,wnを計算する。
立一次方程式を解くことにより、信号A(t)の係数が
1、信号B(t)の係数が0となる重みw1,w2,w
3,…,wnをリアルタイムで算出する: w1a1+w2a2+w3a3+…+wnan=1 w1b1+w2b2+w3b3+…+wnbn=0 この連立一次方程式の解法の説明は省略するが、先に
列挙した文献に記載されてるとおり周知であり、現にア
ダプティブアレイ無線基地局において既に実用化されて
いるものである。
ることにより、加算器13の出力信号は下記のとおりと
なる: 出力信号=1×A(t)+0×B(t)=A(t) なお、前記のユーザA,Bの識別は次のように行なわ
れる。図70は、携帯電話機の電波信号のフレーム構成
を示す概略図である。携帯電話機の電波信号は大きく
は、無線基地局にとって既知の信号系列からなるプリア
ンブルと、無線基地局にとって未知の信号系列からなる
データ(音声など)とから構成される。
にとって通話すべき所望のユーザかどうかを見分けるた
めの情報の信号系列を含んでいる。アダプティブアレイ
無線基地局1のウエイトベクトル制御部11(図69)
は、メモリ14から取出したユーザAに対応したトレー
ニング信号と、受信した信号系列とを対比し、ユーザA
に対応する信号系列を含んでいると思われる信号を抽出
するようにウエイトベクトル制御(重みの決定)を行な
う。このようにして抽出されたユーザAの信号は、出力
信号SRX(t)としてアダプティブアレイ無線基地局1
から外部出力される。
TX(t)は、アダプティブアレイ無線基地局1を構成す
る送信部1Tに入り、乗算器15−1,15−2,15
−3,…,15−nの一方入力に与えられる。これらの
乗算器の他方入力にはそれぞれ、ウエイトベクトル制御
部11により先に受信信号に基づいて算出された重みw
1,w2,w3,…,wnがコピーされて印加される。
対応するスイッチ10−1,10−2,10−3,…,
10−nを介して、対応するアンテナ#1,#2,#
3,…,#nに送られ、図66の領域3内に送信され
る。
される信号には、受信信号と同様にユーザAをターゲッ
トとする重み付けがされているため、送信された電波信
号はあたかもユーザAに対する指向性を有するかのよう
にユーザAの携帯電話機4により受信される。図71
は、このようなユーザAとアダプティブアレイ無線基地
局1との間での電波信号の授受をイメージ化した図であ
る。現実に電波が届く範囲を示す図68の領域3に対比
して、図71の仮想上の領域3aに示すようにアダプテ
ィブアレイ無線基地局1からはユーザAの携帯電話機4
をターゲットとして指向性を伴って電波信号が飛ばされ
ている状態がイメージされる。
地局1との間でこのような指向性を伴った電波信号の送
受信を実現するためには、アダプティブアレイ無線基地
局1において重みw1,w2,w3,…,wnが厳密に
算出され、受信部1Rと送信部1Tとで、受信信号およ
び送信信号に対し同等に重み付けされる必要がある。し
かしながら、たとえ重み付けの制御が完全になされたと
しても、受信信号に対し、送信信号の伝送特性が変化
し、目標に向かって送信信号を飛ばすことができない場
合がある。
地局1において、スイッチ10−1,10−2,10−
3,…,10−nおよび受信部1Rの対応する乗算器1
2−1,12−2,12−3,…,12−nの間の距離
と、スイッチ10−1,10−2,10−3,…,10
−nおよび送信部1Tの対応する乗算器15−1,15
−2,15−3,…,15−nの間の距離とは、通常は
完全に同一であることはない。これらの距離に差があれ
ば、各アンテナで送受信される受信信号と送信信号との
間に位相回転量の差、振幅変動量の差などが生じてしま
い、ターゲットとなるユーザとアダプティブアレイ無線
基地局との間で良好な指向性をもって電波信号の送受信
を行なうことができなくなる。
10−1,10−2,10−3,…,10−nと受信部
1Rの対応する乗算器との間の経路はそれぞれ、必要な
受信回路を含み、これらのスイッチと送信部1Tの対応
する乗算器との間の経路はそれぞれ、必要な送信回路を
含んでいる。したがって、これらの回路を構成するアン
プ、フィルタ等の特性によっても、各アンテナで送受信
される受信信号と送信信号との間に位相回転量の差、振
幅変動量の差などが生じてしまうことになる。
ては、アレイアンテナ2を構成する各アンテナごとに、
受信回路の位相回転量、振幅変動量などの伝送特性と、
送信回路の位相回転量、振幅変動量などの伝送特性とを
測定し、その差を補償する必要がある。従来はこれらの
伝送特性を測定するための測定回路がアダプティブアレ
イ無線基地局に別途設けられていたため、アダプティブ
アレイ無線基地局の回路構成が大型化および複雑化し、
コストも高くなるという問題点があった。
つ安価な構成で受信回路および送信回路の伝送特性の差
を推定し、補償することができる無線装置およびそのキ
ャリブレーション方法を提供することを目的とする。
無線装置に関し、n(nはn≧3の整数)個の信号伝送
系と、制御装置と、信号処理回路と、メモリと、演算回
路とを備えている。
共用する送信回路および受信回路とを含んでいる。
送系の各々の送信回路から既知の信号を送信し、かつ送
信された信号をn個の信号伝送系の複数のものの受信回
路で受信するように制御を行なう。
号伝送系の受信回路で受信された信号に対し既知の信号
を用いて所定の信号処理を行なう。
回路によって得られた信号を記憶する。
個の信号伝送系の各々の送信回路および受信回路のそれ
ぞれを信号が通過することによって当該信号に生じる位
相回転量および振幅変動量の少なくとも一方に関する情
報を算出する。
る送信回路および受信回路とを各々が含む、n(nはn
≧3の整数)個の信号伝送系を備えた無線装置のための
キャリブレーション方法に関し、制御ステップと、信号
処理ステップと、記憶ステップと、演算ステップと、キ
ャリブレーションステップとを含んでいる。制御ステッ
プは、キャリブレーション時に、n個の信号伝送系の各
々の送信回路から既知の信号を送信し、かつ送信された
信号をn個の信号伝送系の複数のものの受信回路で受信
するように制御を行なう。信号処理ステップは、信号伝
送系ごとに受信回路で受信された信号に対し既知の信号
を用いて所定の信号処理を行なう。記憶ステップは、信
号伝送系の複数のものにおける信号処理の結果得られた
信号を記憶する。演算ステップは、記憶された信号に基
づいて、n個の信号伝送系の各々の送信回路および受信
回路のそれぞれを信号が通過することによって当該信号
に生じる位相回転量および振幅変動量の少なくとも一方
に関する情報を算出する。キャリブレーションステップ
は、算出された情報に基づいて、n個の信号伝送系の各
々の送信回路および受信回路の間の位相回転量の差およ
び振幅変動量の差の少なくとも一方のキャリブレーショ
ンを行なう。
局の第1の基本構成の要部を示す概略ブロック図であ
る。
局の第1の基本構成の変形例を示す概略ブロック図であ
る。
局の第2の基本構成の要部を示す概略ブロック図であ
る。
局の第2の基本構成の変形例を示す概略ブロック図であ
る。
号の位相回転量および振幅変動量を示した図である。
ブアレイ無線基地局におけるキャリブレーション時の信
号の送受信の態様を示す模式図である。
である。
である。
フロー図である。
すフロー図である。
概略ブロック図である。
図である。
例を示す概略ブロック図である。
図である。
を示すブロック図である。
フロー図である。
を示すブロック図である。
ブロー図である。
ィブアレイ無線基地局におけるキャリブレーション時の
信号の送受信の態様を示す模式図である。
図である。
図である。
すフロー図である。
すフロー図である。
概略ブロック図である。
フロー図である。
フロー図である。
例を示す概略ブロック図である。
フロー図である。
フロー図である。
を示すブロック図である。
フロー図である。
を示すブロック図である。
するフロー図である。
成を示すブロック図である。
フロー図である。
図である。
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
包括的に示すフロー図である。
図である。
図である。
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
図である。
図である。
構成を示すブロック図である。
すフロー図である。
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
作を包括的に示すフロー図である。
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
チンを示すフロー図である。
構成を示すブロック図である。
説明するフロー図である。
図である。
示すフロー図である。
示すフロー図である。
の前半を示すフロー図である。
の後半を示すフロー図である。
示すフロー図である。
示すフロー図である。
示すフロー図である。
構成を示すブロック図である。
3を示すブロック図である。
4を示すブロック図である。
を概念的に示す模式図である。
す概略ブロック図である。
す概略図である。
の間の電波信号の授受をイメージ化した模式図である。
局の第1の基本構成の要部を示す概略ブロック図であ
る。図1の基本構成は、アダプティブアレイ無線基地局
のうち、この発明に関連する位相回転量および振幅変動
量の推定ならびにそれらのキャリブレーションに関する
部分のみを示しており、前述の図69に示した受信信号
および送信信号の重み付けのための受信部IRおよび送
信部1Tに対応する部分は図示省略している。以後説明
する各実施の形態においても同様である。
理回路20と、アレイアンテナを構成するn個のアンテ
ナ素子ANT1,…,ANTj,…,ANTk,…,AN
Tnと、それぞれのアンテナ素子に対応して設けられた
アンテナ共用器SW1,…,SWj,SWk,…,SW
nと、それぞれのアンテナ素子に対応して、アンテナ共
用器と信号処理回路20との間に設けられた送信回路T
X1,…,TXj,…,TXk,…,TXnおよび受信回路
RX1,…,RXj,…,RXk,…,RXnとを備えてい
る。
れのアンテナ素子から送信すべき既知の信号S
1(t),…,Sj(t),…,Sk(t),…,S
n(t)が予め記憶されるとともに後述する算出された
各信号を記憶するためのメモリ21と、このメモリ21
との間で制御信号およびデータの送受信を行なう制御装
置22と、それぞれのアンテナ素子に対応してメモリ2
1と送信回路TXとの間に設けられた、フェイズシフタ
PS1,…,PSj,…PSk,…,PSn、アッテネータ
ATT1,…,ATTj,…,ATTk,…,ATTnおよ
び送信信号出力装置SG1,…,SGj,…,SGk,
…,SGnと、それぞれのアンテナ素子に対応して受信
回路RXとメモリ21との間に設けられた受信信号測定
装置SM1,…,SMj,…,SMk,…,SMn、位相抽
出回路PE1,…,PEj,…,PEk,…,PEnおよび
振幅抽出回路AE1,…,AEj,…,AEk,…,AEn
とを備えている。
TXnの各々は、たとえば周波数変換器、アンプ、フィ
ルタ、拡散器などからなり、対応する送信信号出力装置
SGから対応するアンテナ共用器SWまでの経路に存在
する回路を総称するものとする。なお、図2以降の各図
においては、図示の都合上、各送信回路TXの図示を省
略しており、各送信信号出力装置SGと対応のアンテナ
共用器SWとの間のラインTXがそのような送信回路の
存在を示しているものとする。
…,RXnの各々も、たとえば周波数変換器、アンプ、
フィルタ、逆拡散器などからなり、対応するアンテナ共
用器SWから対応する受信信号測定装置SMまでの経路
に存在する回路を総称するものとする。なお、図2以降
の各図においては、図示の都合上、各受信回路RXの図
示を省略しており、各アンテナ共用器SWと対応の受信
信号測定装置SMとの間のラインRXがそのような受信
回路の存在を示しているものとする。
それぞれのアンテナ素子に対応する既知の信号S
1(t),…,Sj(t),…,Sk(t),…,S
n(t)は、対応するフェイズシフタPS1,…,P
Sj,…,PSk,…,PSnによりθ1,…,θj,…,
θk,…,θnだけ位相が回転させられ、信号S1(t)
exp(iθ1),…,Sj(t)exp(iθj),
…,Sk(t)exp(iθk),…,Sn(t)exp
(iθn)となる。なお、それぞれのフェイズシフタの
位相回転量は制御装置22からの制御信号により制御さ
れる。
ッテネータATT1,…,ATTj,…,ATTk,…,
ATTnにより、A1,…,Aj,…,Ak,…,Anだけ
振幅変動させられ、信号A1S1(t)exp(i
θ1),…,AjSj(t)exp(iθj),…,AkSk
(t)exp(iθk),…,AnSn(t)exp(i
θn)となる。なお、それぞれのアッテネータの振幅変
動量は制御装置22からの制御信号により制御される。
置SG1,…,SGj,…,SGk,…,SGnから送信さ
れ、対応する送信回路TX1,…,TXj,…,TXk,
…,TXnを介して対応するアンテナ共用器SW1,…,
SWj,…,SWk,…,SWnに与えられる。
からの制御信号に応じて、対応する送信回路TXからの
信号を、対応するアンテナ素子ANTまたは受信回路R
Xのいずれかに選択的に与えるよう切換わる。
素子ANTに与えられる信号は、電波信号として放出さ
れる。なお、アンテナ共用器SWがアンテナ素子側に接
続されていない場合、当該アンテナ共用器に入った送信
信号はそのまま対応する受信回路RXによって受信され
る。
素子ANT1,…,ANTj,…,ANTk,…,ANTn
で受信された信号は、対応するアンテナ共用器SW1,
…,SWj,…,SWk,…,SWnを介して、対応する
受信信号測定装置SM1,…,SMj,…,SMk,…,
SMnに与えられる。なお、前述のように、アンテナ共
用器SWがアンテナ素子側に接続されていない場合に
は、アンテナ素子ではなく対応する送信回路TXからの
信号が対応する受信信号測定装置SMに与えられること
になる。
れ、対応する位相抽出回路PE1,…,PEj,…,PE
k,…,PEnおよび振幅抽出回路AE1,…,AEj,
…,AEk,…,AEnに並列に与えられる。後述するよ
うに、これらの位相抽出回路PEおよび振幅抽出回路A
Eで抽出された情報はメモリ21に与えられ、そこに蓄
えられる。
k,…,SGnおよび受信信号測定装置SM1,…,S
Mj,…,SMk,…,SMnの動作は、制御装置22か
らの制御信号によって制御される。
係する一群の回路構成を(信号)伝送系と称することと
する。
時には、メモリ21からの既知の信号ではなく、図示し
ない送信部(図69の1T参照)によって各伝送系ごと
に重みづけされた送信信号が、図示しない信号経路を介
して当該伝送系のフェイズシフタPSに与えられ、以後
アッテネータATT、送信信号出力装置SG、送信回路
TX、およびアンテナ共用器SWを介してアンテナ素子
ANTにより送出される。また、各アンテナ素子ANT
によって受信された信号は、当該伝送系のアンテナ共用
器SW、受信回路RXを介して受信信号測定装置SMに
よって受信された後、位相抽出回路PEおよび振幅抽出
回路AEではなく、図示しない信号経路を介して、図示
しない受信部(図69の1R参照)に与えられて重みづ
け処理がなされ、出力信号として外部へ供給される。
の基本構成の変形例を示す概略ブロック図である。図2
の構成は、以下の点を除いて、図1に示した第1の基本
構成と同じである。
フタPSおよびアッテネータATTが信号処理回路20
内に設けられているが、図2に示した変形例では、これ
らのフェイズシフタPSおよびアッテネータATTが、
信号処理回路20の外部に、すなわち当該伝送系の送信
信号出力装置SGと送信回路TXとの間に設けられてい
る。
ATTの配置場所については、メモリ21と各アンテナ
共用器SWとの間であれば制約はなく、特に図示しない
が、フェイズシフタPSおよびアッテネータATTの一
方を信号処理回路20内に、他方を信号処理回路20外
に、別々に配するように構成してもよい。またフェイズ
シフタPSおよびアッテネータATTは、信号処理回路
20の内部および外部の双方に設けてもよい。
局の第2の基本構成の要部を示す概略ブロック図であ
る。図3に示した第2の基本構成は、以下の点を除い
て、図1に示した第1の基本構成と同じである。
装置22から制御信号は与えられておらず、図1の第1
の基本構成のように、送信回路TXからの信号が直接受
信回路RXに与えられるように各アンテナ共用器SWが
切換わることはない。したがって、各伝送系の送信回路
TXからの信号は必ず対応するアンテナ共用器SWを介
してアンテナ素子ANTから送信され、アンテナ素子A
NTで受信された信号は対応するアンテナ共用器SWを
介して受信回路RXに与えられる。その他の構成は、図
1の第1の基本構成と同じであり、ここでは説明を繰返
さない。
の基本構成の変形例を示す概略ブロック図である。図4
の構成は、以下の点を除いて、図3に示した第2の基本
構成と同じである。
フタPSおよびアッテネータATTが信号処理回路20
内に設けられているが、図4に示した変形例では、これ
らのフェイズシフタPSおよびアッテネータATTが、
信号処理回路20の外部に設けられている。
タPSおよびアッテネータATTの配置場所について
は、メモリ21と各アンテナ共用器SWとの間であれば
制約はなく、特に図示しないが、フェイズシフタPSお
よびアッテネータATTの一方を信号処理回路20内
に、他方をその外部に、別々に配するように構成しても
よい。また、フェイズシフタPSおよびアッテネータA
TTを、信号処理回路20の内部および外部の双方に設
けてもよい。
理および具体的な実施の形態について個別に説明するこ
ととするが、その前に、以後の説明に用いる各種の変数
について、以下にように定義することとする: Sj(t):j番目の送信信号出力装置SGjから出力
される既知の信号 RXjk(t):j番目の送信信号出力装置SGjから
出力された信号Sj(t)が、k番目の受信信号測定装
置SMkによって測定された信号 θj:j番目のフェイズシフタPSjを信号が通過する
ことによって生じる信号の位相回転量 ΔφRXj:j番目の受信回路RXjを信号が通過する
ことによって生じる信号の位相回転量 ΔφTXj:j番目の送信回路TXjを信号が通過する
ことによって生じる信号の位相回転量 φjk:j番目のアンテナ共用器SWjからj番目のア
ンテナ素子ANTjまでを信号が通過することによって
生じる信号の位相回転量と、j番目のアンテナ素子AN
Tjからk番目のアンテナ素子ANTkまで電波信号が伝
播することによって生じる信号の位相回転量と、k番目
のアンテナ素子ANTkからk番目のアンテナ共用器S
Wkまでを信号が通過することによって生じる信号の位
相回転量との合計値 Aj:j番目のアッテネータATTjを信号が通過する
ことによって生じる信号の振幅変動量 ARXj:j番目の受信回路RXjを信号が通過するこ
とによって生じる信号の振幅変動量 ATXj:j番目の送信回路TXjを信号が通過するこ
とによって生じる信号の振幅変動量 Ajk:j番目のアンテナ共用器SWjからj番目のア
ンテナ素子ANTjまで信号が通過することによって生
じる信号の振幅変動量と、j番目のアンテナ素子ANT
jからk番目のアンテナ素子ANTkまで電波信号が伝播
することによって生じる信号の振幅変動量と、k番目の
アンテナ素子ANTkからk番目のアンテナ共用器SWk
までを信号が通過することによって生じる信号の振幅変
動量との合計値 n:アンテナ素子数(伝送系の数) なお、図5は、上述の各種の変数のうち、信号の位相
回転量および振幅変動量を、先に説明した第1および第
2の基本構成の該当部位に表示した図である。
るアダプティブアレイ無線基地局におけるキャリブレー
ション時の信号の送受信の態様を模式的に示す図であ
る。以下に、図6を参照して、この発明の第1の基本構
成によるアダプティブアレイ無線基地局の動作原理につ
いて説明する。
の制御信号に応じて、たとえばj番目の伝送系のフェイ
ズシフタPSjの位相回転量が0に、アッテネータAT
Tjの振幅変動量Ajが1(=0dB)にセットされる。
そしてメモリ21からは制御装置22の制御により、こ
のj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj(t)が出
力され、当該伝送系のフェイズシフタPSj、アッテネ
ータATTj、送信信号出力装置SGj、送信回路T
Xj、アンテナ共用器SWj、およびアンテナ素子ANT
jを介して電波信号として送出される。
べての伝送系の各々、たとえばk番目の伝送系のアンテ
ナ素子ANTkおよび受信回路RXkで受信され、受信信
号送信装置SMkで受信信号RXjk(t)として測定さ
れる。
送系のアンテナ共用器SWjのスッチが送信回路TXjを
同じ伝送系の受信回路RXjに接続するように切換える
ことにより、送信回路TXjからの送信信号が当該伝送
系自身の受信回路RXjで受信され、受信信号測定装置
SMjで受信信号RXjj(t)として測定される。
された測定され信号RXjk(t)は、下記の式(1−
1)で表わされるが、さらに信号を送信するj番目の伝
送系を1番目からn番目まで順次切換えて、その都度1
番目からn番目までのすべての伝送系で受信された測定
された信号RXjk(t)は、下記の式(1−2)で表わ
される。
し、iは虚数単位(i2=−1)を表わしている。
既知の信号Sj(t)で割ると、下記の式(1−3)で
表わされるようになり、さらにその式の両辺の自然対数
を計算すると下記の式(1−4)で表わされるようにな
る。
の自然対数を意味する。ここで、式(1−4)の左辺を
loge[v+w]と表わす。ただし、 AjkATXjARXk exp{i(φjk+ΔφTXj+ΔφRXk)}=v njk(t)/Sj(t)=w ここで、信号電力対雑音電力比(S/N比)が十分よ
いと仮定すればv>wとなる。
テイラー展開すると、下記の式(1−5)のとおりにな
り、上述のようにS/N比が十分よい(|w/v|<<
1)と仮定したので、式(1−5)の右辺のw/v以後
の項は無視することができる。ここで、先の式(1−
4)の右辺と、式(1−5)の右辺とから、下記の等式
(1−6)が導かれる。
(1−7)が導かれ、実数部に着目すると下記の式(1
−8)が導かれる。なお、これらの式において、Im
[・]は[・]の虚数部を意味し、Re[・]は[・]
の実数部を意味するものとする。
−7)と、振幅に関する方程式である式(1−8)とを
別々に分離している。
れた受信信号であり、Sj(t)は既知の信号である。
したがって、式(1−7)および式(1−8)のそれぞ
れの右辺の値は計算によって容易に求めることができ
る。
の右辺の計算によって求められた値をYjk,Xjkとする
と、それぞれの式は、下記の式(1−9)および式(1
−10)のように表わされる。
式からなる連立一次方程式であり、下記の式(1−1
1)のように表現される。
であるが、全く同一の回路および伝播路を通過した信号
の位相回転量であり、それらの値は互いに一致する(た
だしj≠k)。したがって、連立一次方程式(1−1
1)中の未知の変数であるφjkの個数はn(n−1)/
2個であり、未知の変数であるΔφTXj、ΔφRXkの
個数は2n個である。((j=1,2,…,n),(k
=1,2,…,n))。したがって、上記の連立一次方
程式(1−11)の未知の変数の総計は(n2+3n)
/2個となる。
一次方程式からなる連立一次方程式であり、下記の式
(1−12)のように表現される。
…(1-12) ここで、AjkとAkjとは、それぞれ伝播する方向は逆
であるが、全く同一の回路または伝播路を通過した信号
の振動変動量であり、それらの値は互いに一致する(た
だしj≠k)。したがって、連立一次方程式(1−1
2)中の未知の変数であるloge[Ajk]の個数はn
(n−1)/2個であり、未知の変数であるlog
e[ATXj]、loge[ARXk]の個数は2n個であ
る((j=1,2,…,n),(k=1,2,…,
n))。したがって、上記の連立一次方程式(1−1
2)の未知の変数の総数も(n2+3n)/2個とな
る。
方程式を構成する式の総数n2が少なくとも未知の変数
の個数(n2+3n)/2と同じでなければならない。
すなわち、nが3以上のとき、n2≧(n2+3n)/2
が成立するため、信号伝送系の数nが3以上であれば、
連立一次方程式(1−11)および(1−12)の各々
において、方程式の個数が未知の変数の個数を上回り、
双方の連立一次方程式においてすべての未知の変数の値
を求めることが可能となる。
(1−12)を解くことにより、すべての伝送系におい
て、送信回路TXj(j=1,2,…,n)を通過する
ことによって生じる信号の位相回転量ΔφTXjおよび
振幅変動量ATXjと、受信回路RXjを通過することに
よって生じる信号の位相回転量ΔφRXjおよび振幅変
動量ARXjとを算出することができる。
ごとの受信回路と送信回路との間の位相回転量の差の情
報を当該伝送系のフェイズシフタに与え、各伝送系ごと
の受信回路と送信回路との間の振幅変動量の差に関する
情報を当該伝送系のアッテネータに与えることにり、各
伝送系ごとに、受信信号と送信信号との間の位相回転量
および振幅変動量の差を補償し、伝送特性のキャリブレ
ーションを行なうことができる。
Xjk(t)を既知の信号Sj(t)で除算して得られた
信号の自然対数を計算して虚数部と実数部とに分離する
ように構成されているが、入力信号を実数部と虚数部と
に分離して出力する機能を有する直交検波回路を用いて
も、この発明によるアダプティブアレイ無線基地局の動
作原理を実現することができる。すなわち、直交検波回
路から出力されるI信号とQ信号とを用いても、容易に
受信信号の位相成分と振幅成分とを抽出することが可能
である。
て得られる式(1−3)の右辺の信号{RXjk(t)/
Sj(t)}が直交検波回路に入力され、I信号とQ信
号とに分離されたものとする。ここで直交検波回路の入
力信号の振幅値をAとすると、次式で表わされる。
と、次式で表わされる。
相成分と振幅成分とを容易に分離することができる。な
お、直交検波回路を用いて位相成分と直交成分とを抽出
する技術自体は周知の技術である。
本構成を実現した場合、位相抽出回路の出力信号を
Yjk,振幅抽出回路の出力信号をXjkとすると、次式で
表わされる。
関する方程式とに分離することができ、以下、これまで
に説明した手順と同様の手順により、送信回路と受信回
路との間の位相回転量差および振幅変動量差を計算する
ことができる。
信号を既知の信号で除算した信号から位相成分と振幅成
分とを抽出する際に、上述の直交検波回路の技術を用い
ることができる。
の外部の要因によって常に変化するため、この発明のア
ダプティブアレイ無線基地局では、上述のような伝送特
性の推定およびキャリブレーションは数時間おきに、1
日数回の頻度で行なわれる。
実には、信号処理回路20を構成するマイクロコンピュ
ータにより、ソフトウェア的に実行される。図7および
図8は、上述の第1の基本構成の動作をマイクロコンピ
ュータを用いてソフトウェア的に実現する際のフロー図
である。
より)位相および振幅誤差の推定命令が発せられると、
上述のキャリブレーション動作が開始される。
系が選択され、ステップS1−2において、当該伝送系
のフェイズシフタPS1の位相回転量を0に、アッテネ
ータATT1の振幅変動量A1が1(=0dB)にセット
される。そして、メモリ21からは、この1番目の伝送
系に対応する既知の信号S1(t)が出力される。
され、ステップS1−4において、当該伝送系がk=1
番目に該当するか否かが判断される。ここでk=j=1
なので、ステップS1−5において、当該伝送系の送信
回路TX1と受信回路RX1とを接続するようにアンテナ
共用器SW1が切換えられる。
受信信号測定装置SM1により、上述の式(1−1)に
基づいて受信信号RX11(t)を測定し、式(1−3)
によりRX11(t)/S1(t)を算出し、さらに式
(1−6)、(1−7)、(1−8)により、虚数部と
実数部とに分離する。そして、RX11(t)/S
1(t)の位相成分を式(1−9)のように抽出してY
11としてメモリ21に記憶し、RX11(t)/S
1(t)の振幅成分を式(1−10)のように抽出して
X11としてメモリ21に記憶する。
てkの値を1ずつインクリメントしながら、ステップS
1−9において当該伝送系(j=1)の送信回路TX1
とアンテナ素子ANT1とを接続するようにアンテナ共
用器SW1が切換えられる。
アンテナ素子ANT1から送信された電波信号をk番目
の伝送系の受信信号測定装置SMk で測定してRX
1k(t)を求め、前述のように式(1−6)〜(1−1
0)により、RX1k(t)/S1 (t)の位相成分
Y1k、振幅成分X1kを算出してメモリ21に記憶する。
定されると、ステップS1−10,S1−11において
jの値を1インクリメントして、次の伝送系j=2にお
いて、上述のステップS1−2〜S1−9の動作を繰返
す。
nに達したことが判定されると、(j=1,2,…,
n),(k=1,2,…,n)のすべての組合せに対す
るYjk,Xjkが算出され、メモリ21に記憶されたこと
になる。
1に記憶されているすべてのYjk,Xjk(j=1,2,
…,n),(k=1,2,…,n)を用いて、上述の式
(1−11)および(1−12)の2つの連立一次方程
式を解く。
系ごとの送信回路と受信回路との間の位相回転量の差お
よび振幅変動量の比を、対応する伝送系の(予め0に設
定されている)フェイズシフタPSおよび(予め1に設
定されている)アッテネータATTにそれぞれ設定す
る。これにより、各伝送系の送信時に上記の伝送特性の
差がそれぞれ補償され、キャリブレーションが実行され
る。
示した動作の変形例を示すフロー図である。図9および
図10に示す動作は、以下の点を除いて図7および図8
に示した動作と同じであり、共通する動作については説
明を繰返さない。
て、各伝送系のフェイズシフタの位相回転量を0に、ア
ッテネータの振幅変動量を1(=0dB)に設定してい
るが、図9の例では、ステップS1−2aにおいて、そ
のような設定を行なわず、そのときのフェズシフタPS
jの位相回転量θjおよびアッテネータATTjの振幅変
動量Ajを測定し、それぞれメモリ21に記憶してい
る。
て、伝送系ごとに、算出された送信回路と受信回路との
間の位相回転量の差および振幅変動量の比を、対応する
伝送系の予め0に設定されたフェイズシフタおよび予め
1に設定されたアッテネータに設定することにより、位
相回転量差および振幅変動量差を補償するキャリブレー
ションを行なっているのに対し、図10の例では、ステ
ップS1−13aにおいて、キャリブレーションの開始
時に図9のステップS1−2aで測定されメモリ21に
記憶されているフェイズシフタおよびアッテネータの初
期値であるθjおよびAjを読出し、これらの初期値を、
算出された位相回転量の差および振幅変動量の比で補償
することにより、キャリブレーションを行なっている。
構成の変形例であり、各伝送系の送信回路と受信回路と
の間の位相回転量差のみを推定する場合のアダプティブ
アレイ無線基地局の信号処理回路20の構成を示すブロ
ック図である。図11の回路構成は、各伝送系ごとにア
ッテネータATTjおよび振幅抽出回路AEj(j=1,
2,…,n)が省略されている点を除いて、図1に示し
た第1の基本構成と同じであるので、図1の説明を援用
して、図11の説明を省略する。また、図12は、図1
1に示した回路の動作をマイクロコンピュータを用いて
ソフトウェア的に実現する際のフロー図であり、振幅成
分に関する演算が省略されている点を除いて、図7およ
び図8に示した第1の基本構成の動作フロー図と同じで
あるので、図7および図8の説明を援用して、図12の
説明を省略する。
構成のさらなる変形例であり、各伝送系の送信回路と受
信回路との間の振幅変動量差のみを推定する場合のアダ
プティブアレイ無線基地局の信号処理回路20の構成を
示すブロック図である。図13の回路構成は、各伝送系
ごとにフェイズシフタPSjおよび位相抽出回路PE
j(j=1,2,…,n)が省略されている点を除い
て、図1に示した第1の基本構成と同じであるので、図
1の説明を援用して、図13の説明を省略する。
ロコンピュータを用いてソフトウェア的に実現する際の
フロー図であり、位相成分に関する演算が省略されてい
る点を除いて、図7および図8に示した第1の基本構成
の動作フロー図と同じであるので、図7および図8の説
明を援用して、図14の説明を省略する。
構成によるアダプティブアレイ無線基地局の信号処理回
路20の具体的な回路構成である実施の形態1を示すブ
ロック図である。
各伝送系の位相抽出回路PEjおよび振幅抽出回路AEj
(j=1,2,…,n)が、1つの乗算器MPjと1つ
の信号処理回路SPjとによって構成されている。
図6に関連して説明した式(1−3)の演算を行なう。
すなわち、受信信号測定装置SMjで測定された受信信
号を、当該伝送系の既知の送信信号Sj(t)で除算す
る。
…,n)は、図6に関連して説明した式(1−4)〜
(1−10)の演算を行なう。すなわち、信号処理回路
SPjは、対応する乗算器MPjの出力の自然対数を計算
し、その虚数部をYnjとして抽出して式(1−9)の位
相に関する方程式を形成し、かつ実数部をXnjとして抽
出して式(1−10)の振幅に関する方程式を形成す
る。
するフロー図であり、図7に示した第1の基本構成の動
作の前半に対応している。図7のフロー図と対応して、
図7のステップS1−6で行なわれる信号処理の内容
が、図16のステップS1−6dにより特定的に記載さ
れている。すなわち、図16のステップS1−6dにお
いて、RXjk(t)/Sj(t)の自然対数を計算し、
その虚数部および実数部を抽出することにより、位相成
分の方程式(1−9)および振幅成分の方程式(1−1
0)が得られる。
構成によるアダプティブアレイ無線基地局の信号処理回
路20の他の具体的な回路構成である実施の形態2を示
すブロック図である。
各伝送系の位相抽出回路PEjおよび振幅抽出回路AEj
(j=1,2,…,とn)が、1つの信号処理回路SP
jと2つの減算器SAj,SBjとによって構成されてい
る。
…,n)は、受信信号測定装置SMjで測定された受信
信号の自然対数を計算し、その虚数部を抽出して一方の
減算器SAjに与え、かつ実数部を抽出して他方の減算
器SBjに与える。
数部から、当該伝送系の既知の送信信号Sj(t)の自
然対数を計算したものの虚数部Im[loge{S
j(t)}]を減算する。上記他方の減算器SBjは、与
えられた受信信号の実数部から、当該伝送系の既知の送
信信号Sj(t)の自然対数を計算したものの実数部R
e[loge{Sj(t)}]を減算する。
をYnjとして抽出し、式(1−9)の位相に関する方程
式を形成し、かつ他方の減算器SBjによる実数部の減
算の結果をXnjとして抽出し、式(1−10)の振幅に
関する方程式を形成する。
信号の虚数部と実数部との分離を行なった後に、既知の
信号Sj(t)の虚数部および実数部をそれぞれ減算し
ている。
施の形態1では、虚数部と実数部とに分離するのに先立
って受信信号を既知の信号で除算しており、演算の順序
が前後している。しかしながら、いずれの方法でも最終
的には、式(1−9)および(1−10)で表わす方程
式が得られるため、図17に示す回路構成も図1に示す
第1の基本構成と等価なものと考えられる。
するフロー図であり、図7に示した第1の基本構成の動
作の前半に対応している。図7のフロー図と対比して、
図7のステップS1−6で行なわれる信号処理の内容
が、図18のステップS1−6eにより特定的に記憶さ
れている。すなわち、図18のステップS1−6eにお
いて、RXjk(t)の自然対数を計算したものの虚数部
および実数部から、Sj(t)の自然対数を計算したも
のの虚数部および実数部をそれぞれ減算することによ
り、位相成分の方程式(1−9)および振幅成分の方程
式(1−10)が得られる。
は、先に述べたように、S/N比が十分よいことを前提
とした。すなわち、図15〜図18に示す実施の形態1
および2は、受信信号のS/N比が良好な場合に有効で
あり、後述する他の実施の形態に比べても、比較的少な
い信号処理量で、各伝送系の送信回路・受信回路間の位
相回転量差および振幅変動量差の推定を行なうことがで
きる。
よるアダプティブアレイ無線基地局におけるキャリブレ
ーション時の信号の送受信の態様を模式的に示す図であ
る。以下に、図19を参照して、この発明の第2の基本
構成によるアダプティブアレイ無線基地局の動作原理に
ついて説明する。
の制御信号に応じて、たとえばj番目の伝送系のフェイ
ズシフタPSjの位相回転量が0に、アッテネータAT
Tjの振幅変動量Ajが1(=0dB)にセットされる。
そして、メモリ21からは制御装置22の制御により、
このj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj(t)が
出力され、当該伝送系のフェイズシフタPSj、アッテ
ネータATTj、送信信号出力装置SGj、送信回路TX
j、アンテナ共用器SWj、およびアンテナ素子ANTj
を介して電波信号として送出される。
べての伝送系の各々、たとえばk番目の伝送系のアンテ
ナ素子ANTkおよび受信回路RXkで受信され、受信信
号測定装置SMk で受信信号Rjk(t)として測定され
る。
ティブアレイ無線基地局では、図6に示した第1の基本
構成によるアダプティブアレイ無線基地局とは異なり、
同じ伝送系において送信回路TXと受信回路RXとが接
続さるようにアンテナ共用器SWが切換わることはな
い。
され測定された信号RXjk(t)は、下記の式(1−1
3)で表わされるが、さらに信号を送信するj番目の伝
送系を1番目からn番目まで順次切換えて、その都度、
送信している伝送系を除く1番目からn番目までのすべ
ての伝送系で受信された測定された信号RXjk(t)
は、下記の式(1−14)で表わされる。
る既知の信号Sj(t)で割ると下記の式(1−15)
で表わされるようになり、さらにその式の両辺の自然対
数を計算すると下記の式(1−16)で表わされるよう
になる。
と表わす。ただし、 AjkATXjARXkexp{i(φjk+ΔφTXj+ΔφRXj)}=v njk(t)/Sj(t)=w ここで、信号電力対雑音電力比(S/N比)が十分よ
いと仮定すれば、v>wとなる。
をテイラー展開すると、下記の式(1−17)のとおり
になり、上述のようにS/N比が十分よい(|w/v|
<<1)と仮定したので、式(1−17)の右辺のw/
v以後の項は無視することができる。
7)の右辺とから、下記の等式(1−18)が導かれ
る。
(1−19)が導かれ、実数部に注目すると下記の式
(1−20)が導かれる。
−19)と、振幅に関する方程式である式(1−20)
とを、別々に分離している。
れた信号であり、Sj(t)は既知の信号である。した
がって、式(1−19)および式(1−20)のそれぞ
れの右辺の値は計算によって求めることができる。
ぞれの右辺の計算によって求められた値をYjk,Xjkと
すると、それぞれの式は、下記の式(1−21)および
式(1−22)のように表わされる。
Zjkとおいて式(1−21)に代入すると、下記の式
(1−23)が得られる。また、得られた振幅情報のう
ち、Xjk−Xkj=Vjkとおいて式(1−22)に代入す
ると、下記の式(1−24)が得られる。
であるが、全く同一の回路および伝播路を通過した信号
の位相回転量であり、それらの値は互いに一致する(た
だしj≠k)。したがって、下記の式(1−25)が成
り立つ。
ぞれ伝播する方向は逆であるが、全く同一の回路および
伝播路を通過した信号の振幅変動量であり、それらの値
は互いに一致する(ただしj≠k)。すなわち、下記の
式(1−26)が成り立つ。
ことによって生じる信号の位相回転量と同じ伝送系の送
信回路を信号が通過することによって生じる信号の位相
回転量の差をΔφjとすると、下記の式(1−27)の
ように表わされ、j番目の伝送系の受信回路を信号が通
過することによって生じる信号の振幅変動量と同じ伝送
系の送信回路を信号が通過することによって生じる信号
の振幅変動量との差をΔAjとすると、下記の式(1−
28)のように表わされる。
よび(1−27)を代入すると、下記の式(1−29)
となる。
程式の個数がn(n−1)/2個の連立方程式であり、
次の式(1−30)のように表わされる。
6)および式(1−28)を代入すると、下記の式(1
−31)となる。
程式の個数がn(n−1)/2個の連立方程式であり、
次の式(1−32)のように表わされる。
方程式を構成する式の総数n(n−1)/2が少なくと
も未知の変数の個数nと同じでなければならない。すな
わち、nが3以上のとき、n(n−1)/2≧nが成立
するため、伝送系の数nが3以上であれば、連立一次方
程式(1−31)および(1−32)の各々において、
方程式の個数が未知の変数の個数を上回り、双方の連立
一次方程式においてすべての未知の変数の値を求めるこ
とが可能となる。
び(1−32)を解くことにより、すべての伝送系にお
いて、送信回路および受信回路を通過する信号の間の位
相回転量の差Δφj(j=1,2,…,n)および振幅
変動量の差ΔAj(j=1,2,…n)を算出すること
ができる。
ごとの受信回路と送信回路との間の位相回転量の差に関
する情報を当該伝送系のフェイズシフタに与え、各伝送
系ごとの受信回路と送信回路との間の振幅変動量の差に
関する情報を当該伝送系のアッテネータに与えることに
より、各伝送系ごとに、受信信号と送信信号との間の位
相回転量および振幅変動量の差を補償し、伝送特性のキ
ャリブレーションを行なうことができる。
現実には、信号処理回路20を構成するマイクロコンピ
ュータにより、ソフトウェア的に実行される。図20お
よび図21は、上述の第2の基本構成の動作をマイクロ
コンピュータを用いてソフトウェア的に実現するときの
フロー図である。
より)位相および振幅誤差の推定命令が発せられると、
上述のキャリブレーション動作が開始される。
系が選択され、ステップS2−2において、当該伝送系
のフェイズシフタPS1の位相回転量が0に、アッテネ
ータATT1の振幅変動量A1が1(=0dB)にセット
される。そして、メモリ21からは、この1番目の伝送
系に対応する既知の信号S1(t)が出力される。
され、ステップS2−4において、当該伝送系がk=1
番目に該当するか否かが判断される。ここでk=j=1
なので、何ら処理を行なわず、ステップS2−6,S2
−7においてkの値を1インクリメントする。ステップ
S2−4でk≠jが判断されれば、ステップS2−5に
おいて、1番目の伝送路のアンテナ素子ANT1から送
信された電波信号をk番目の伝送系の受信信号測定装置
SMkで測定してRX1k(t)を求め、前述のように式
(1−13)〜式(1−22)により、RX1k(t)/
S1(t)の位相成分Y1k、振幅成分X1kを算出してメ
モリ21に記憶する。
定されると、ステップS2−8、S2−9においてjの
値を1インクリメントして、次の伝送系j=2におい
て、上述のステップS2−2〜S2−7の動作を繰返
す。
に達したことが判定されると、(j=1,2,…,
n),(k=1,2,…,n)のすべての組合せ(ただ
しj≠k)に対するYjk,Xjkが算出され、メモリ21
に記憶されたことになる。
1、ステップS2−11においてk=j+1に設定し、
前述のようにZjk=Yjk−Ykj、およびVjk=Xjk−X
kjを計算し、メモリ21に記憶する。ステップS2−1
3およびS2−14を介してkを1ずつインクリメント
しながらZjk、Vjkを計算し、ステップS2−13でk
がnに達したことが判定されると、ステップS2−1
5、S2−16を介してjを1ずつインクリメントし、
上述のZjk、Yjk計算を繰返す。ステップS2−15で
jがn−1に達したことが判定されると、(j=1,
2,…,n),(k=1,2,…,n)のすべての組合
せ(ただしj≠k)に対するZjk,Vjkが算出され、メ
モリ21に記憶されたことになる。
憶されているすべてのZjk,Vjk(j=1,2,…,
n)(k=1,2,…,n)(ただしj≠k)を用い
て、上述の式(1−30)および式(1−32)の2つ
の連立一次方程式を解く。
送系ごとの送信回路と受信回路との間の位相回転量の差
および振幅変動量の差を、当該伝送系の(予め0にセッ
トされている)フェイズシフタおよび(予め1に設定さ
れている)アッテネータにそれぞれ設定する。これによ
り、各伝送系の送信時、上記の伝送特性の差がそれぞれ
補償され、キャリブレーションが実行される。
21に示した動作の変形例を示すフロー図である。図2
2および図23に示す動作は、以下の点を除いて図20
および図21に示した動作と同じであり、共通する動作
については説明を繰返さない。
て、各伝送系のフェイズシフタの位相回転量を0に、ア
ッテネータの振幅変動量を1(=0dB)に設定してい
るが、図22の例では、ステップS2−2aにおいて、
そのような設定を行なわず、そのときのフェイズシフタ
PSjの位相回転量θjおよびアッテネータATTjの振
幅変動量Ajを測定し、それぞれメモリ21に記憶して
いる。
て、伝送系ごとに、算出された送信回路と受信回路との
間の位相回転量の差および振幅変動量の差を、対応する
伝送系の予め0に設定されたフェイズシフタおよび予め
1に設定されたアッテネータに設定することにより、上
記差を補償するキャリブレーションを行なっているのに
対し、図23の例では、ステップS2−18aにおい
て、キャリブレーションの開始時に図22のステップS
2−2aで測定されメモリ21に記憶されているフェイ
ズシフタおよびアッテネータの初期値θjおよびAjを読
出し、これらの初期値を、算出された位相回転量の差お
よび振幅変動量の差で補正することにより、キャリブレ
ーションを行なっている。
構成の変形例であり、各伝送系の送信回路と受信回路と
の間の位相回転量差のみを推定する場合のアダプティブ
アレイ無線基地局の信号処理回路20の構成を示すブロ
ック図である。図24の回路構成は、各伝送系ごとにア
ッテネータATTjおよび振幅抽出回路AEj(j=1,
2,…,n)が省略されている点を除いて、図3に示し
た第2の基本構成と同じであるので、図3の説明を援用
して、図24の説明を省略する。
動作をマイクロコンピュータを用いてソフトウェア的に
実現する際のフロー図であり、振幅成分に関する演算が
省略されている点を除いて、図20および図21に示し
たフロー図と同じであるので、図20および図21の説
明を援用して、図25および図26の説明を省略する。
構成のさらなる変形例であり、各伝送系の送信回路と受
信回路との間の振幅変動量差のみを推定する場合のアダ
プティブアレイ無線基地局の信号処理回路20の構成を
示すブロック図である。図27の回路構成は、各伝送系
ごとにフェイズシフタPSjおよび位相抽出回路PE
j(j=1,2,…,n)が省略されている点を除い
て、図3に示した第2の基本構成と同じであるので、図
3の説明を援用して、図27の説明を省略する。
動作をマイクロコンピュータを用いてソフトウェア的に
実現する際のフロー図であり、位相成分に関する演算が
省略されている点を除いて、図20および図21に示し
たフロー図と同じであるので、図20および図21の説
明を援用して、図28および図29の説明を省略する。
構成によるアダプティブアレイ無線基地局の信号処理回
路20の具体的な回路構成である実施の形態3を示すブ
ロック図である。
各伝送系の位相抽出回路PEjおよび振幅抽出回路AEj
(j=1,2,…,n)が、1つの乗算器MPjと1つ
の信号処理回路SPjとによって構成されている。
n)は、図19に関連して説明した式(1−15)の演
算を行なう。すなわち、受信信号測定装置SMjで測定
された受信信号を、当該伝送系の既知の送信信号S
j(t)で除算する。
…,n)は、図19に関連して説明した式(1−16)
〜式(1−22)の演算を行なう。すなわち、信号処理
回路SPjは、対応する乗算器MPjの出力の自然対数を
計算し、その虚数部をYnjとして抽出して式(1−2
1)の位相に関する方程式を形成し、かつ実数部をXnj
として抽出して式(1−22)の振幅に関する方程式を
形成する。
するフロー図であり、図20に示した第2の基本構成の
動作の前半に対応している。図20のフロー図と対比し
て、図20のステップS2−5で行なわれる信号処理の
内容が図31のステップS2−6dにより特定的に記載
されている。すなわち、図31のステップS2−6dに
おいて、RXjk(t)/Sj(t)の自然対数を計算
し、その虚数部および実数部を抽出することにより、位
相成分の方程式(1−21)および振幅成分の方程式
(1−22)が得られる。
構成によるアダプティブアレイ無線基地局の信号処理回
路20の他の具体的な回路構成である実施の形態4を示
すブロック図である。
各伝送系の位相抽出回路PEjおよび振幅抽出回路AEj
(j=1,2,…,n)が、1つの信号処理回路SPj
と2つの減算器SAj,SBjとによって構成されてい
る。
…,n)は、受信信号測定装置SMjで測定された受信
信号の自然対数を計算し、その虚数部を抽出して一方の
減算器SAjに与え、かつ実数部を抽出して他方の減算
器SBjに与える。
数部から、当該伝送系の既知の送信信号Sj(t)の自
然対数を計算したものの虚数部Im[loge{S
j(t)}]を減算する。上記他方の乗算器SBjは、与
えられた受信信号の実数部から、当該伝送系の既知の送
信信号Sj(t)の自然対数を計算したものの実数部R
e[loge{Sj(t)}]を減算する。
をYnjとして抽出し、式(1−21)の位相に関する方
程式を形成し、かつ他方の減算器SBjによる実数部の
減算の結果をXnjとして抽出し、式(1−22)の振幅
に関する方程式を形成する。
信号の虚数部と実数部との分離を行なった後に、既知の
信号Sj(t)の虚数部および実数部をそれぞれ減算し
ている。
実施の形態3では、虚数部と実数部との分離に先立って
受信信号を既知の信号で除算しており、演算の順序が前
後している。しかしながら、いずれの方法でも、結果的
には式(1−21)および式(1−22)で表わす方程
式が得られるため、図32に示す回路構成も図3に示す
第2の基本構成と等価なものと考えられる。
するフロー図であり、図20に示した第2の基本構成の
動作の前半に対応している。図20のフロー図と対比し
て、図20のステップS2−5で行なわれる信号処理の
内容が、図32のステップS2−5eにより特定的に記
載されている。すなわち、図33のステップS2−5e
において、RXjk(t)の自然対数を計算したものの虚
数部および実数部から、Sj(t)の自然対数を計算し
たものの虚数部および実数部をそれぞれ減算することに
より、位相成分の方程式(1−21)および振幅成分の
方程式(1−22)が得られる。
も、前述のように、S/N比が十分よいことを前提とし
た。すなわち、図30〜図33に示す実施の形態3およ
び4は、受信信号のS/N比が良好な場合に有効であ
り、後述する他の実施の形態に比べても、比較的少ない
信号処理で、各伝送系の送信回路・受信回路間の位相回
転量差および振幅変動量差の推定を行なうことができ
る。
回路構成を示すブロック図である。この図34に示す実
施の形態5は、図15に示したこの発明の第1の基本構
成の実施の形態1に、時間平均回路を付加したものであ
る。以下に、この実施の形態5のアダプティブアレイ無
線基地局の動作原理について説明する。
2,…,n)の伝送系のフェイズシフタPSjの位相回
転量θjが0に、アッテネータATTjの振幅変動量Aj
が1(=0dB)にセットされる。そして、メモリ21
からは、このj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj
(t)が読出され、アンテナ素子ANTjを介して送信
される。
の伝送系のアンテナ素子ANTk(k=1,2,…,
n、ただしj≠k)で受信され、各伝送系の受信信号測
定装置SMkで受信信号Rjk(t)として測定される。
回路TXjを同じ伝送系の受信回路RXjに接続するよう
に切換わることにより、送信回路TXjからの送信信号
が当該伝送系自身の受信回路SMjで受信信号RX
jj(t)として測定される。
され測定された信号RXjk(t)は、図6の第1の基本
構成に関連して先に説明した式(1−1)で表わされる
が、さらに信号を送信する伝送系を1番目からn番目ま
で順次切換えて、その都度、1番目からn番目までのす
べての伝送系で受信され測定された信号RXjk(t)
は、先に説明した式(1−2)で表わされる。なお、こ
れらの式において、njk(t)は雑音を表わす。
既知の信号Sf(t)で除算し、雑音を含む項を左辺か
ら右辺へ移行すると、下記の式(2−1)となる。そし
て、各伝送系の時間平均回路TAj(j=1,2,…,
n)でこの式(2−1)に対して時間平均を行なうと、
左辺は時間に対して常に定数であるので、下記の式(2
−2)となる。
平均操作を意味する。
(t)]=0なので、各伝送系の信号処理回路SPjで
上記の式(2−2)の両辺の自然対数を計算すると、下
記の式(2−3)で表わされるようになる。そして、そ
の虚数部に着目すると下記の式(2−4)が導かれ、そ
の実数部に着目すると下記の式(2−5)が導かれる。
右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求める
ことができ、その算出結果はメモリ21に記憶される。
右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、下記
の式(2−6)および(2−7)のように表わされる。
じであり、伝送系の数nが3以上であれば、メモリ21
に記憶された値Yjk,Xjkを用いて上述の連立一次方程
式(2−6)および(2−7)を解くことにより、すべ
ての伝送系において、送信回路TXj(j=1,2,
…,n)を通過することによって生じる信号の位相回転
量ΔφTXjおよび振幅変動量ATXjと、受信回路RX
jを通過することによって生じる信号の位相回転量Δφ
RXjおよび振幅変動量ARXjとを算出することができ
る。
路と送信回路との間の位相差情報を当該伝送系のフェイ
ズシフタに与え、各伝送系ごとの振幅変動量情報を当該
伝送系のアッテネータに与えることにより、各伝送系ご
とに受信信号と送信信号との間の伝送特性のキャリブレ
ーションを行なうことができる。
するフロー図であり、図16に示した実施の形態1の動
作に対応している。図16のフロー図と対比して、図3
5では、ステップS1−6fにおいてAve[・]で表
わされる時間平均操作が加わっている点で異なってい
る。すなわち、図35のステップS1−6fにおいて、
loge[Ave{RXjk(t)/Sj(t)}]の虚数
部および実数部を抽出することにより、位相成分の方程
式(2−6)および振幅成分の方程式(2−7)を得て
いる。
ーチンを詳細に示すフロー図である。図36のフロー図
において、テンポラリーな変数Tmpを0とおき、時間
Tに達するまでRXjk(t)/Sj(t)の累算を行な
う。そして、その累算結果をTで除算して時間平均Tm
p/Tを算出し、その自然対数を計算して虚数部Yj
k,実数部Xjkを抽出している。
ロー図と同じであり、その説明を省略する。
伝送系ごとに時間平均回路を設けることにより雑音成分
を含む項を消去できるので、たとえ受信信号の雑音成分
が多くS/N比が悪くても、雑音の影響による推定の誤
差を抑えることができ、各伝送系の位相差および振幅変
動量情報を良好に推定することが可能となる。
回路構成を示すブロック図である。この図37に示す実
施の形態6は、図15に示したこの発明の第1の基本構
成の実施の形態1において、図34の実施の形態5とは
異なる位置に時間平均回路を付加したものである。
j(t)で除算し、実施の形態5のように時間平均を行
なうことなく、自然対数を計算し、テイラー展開する。
S/N比がそれほど良くない条件では、テイラー展開の
結果は下記の近似式(2−8)で表現できる。
に抽出して時間平均を行なうと、左辺の雑音成分N
jk(t)を含む項は0となり、他の項は時間に対して定
数であるので、下記の式(2−9)および(2−10)
が得られる。
右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求める
ことができ、その算出結果はすべてメモリ21に記憶さ
れる。
右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、図3
4に関連して説明した連立一次方程式(2−6)および
(2−7)となり、以後の処理は図34に関連して説明
した処理と同じである。
回路構成を示すブロック図である。この図38に示す実
施の形態7は、図15に示したこの発明の第1の実施の
形態1における信号処理回路SPjを、対数計算回路L
Cjと時間平均回路TAjとI/Q分離回路IQjとで置
換えたものである。
両辺を既知の信号Sj(t)で除算し、対数計算回路L
Cjで両辺の自然対数を計算してテイラー展開する。S
/N比がそれほど良くない条件では、テイラー展開の結
果は前述の式(2−8)となる。
に、この段階で虚数部と実数部との分離を行なうことな
く、式(2−8)に対して時間平均回路TAjにより時
間平均操作を行なう。この場合、式(2−8)の左辺第
1項および第2項は時間に対して定数であり、雑音成分
Njk(t)を含む項は時間平均により0となるので、下
記の式(2−11)が得られる。
−11)の両辺の虚数部および実数部を別々に抽出する
と、下記の式(2−12)および(2−13)が得られ
る。
の右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求め
ることができ、その算出結果はすべてのメモリ21に記
憶される。
の右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、図
34に関連して説明した連立一次方程式(2−6)およ
び(2−7)となり、以後の処理は図34に関連して説
明した処理と同じである。
および7の動作を包括的に説明するフロー図であり、図
16に示した実施の形態1の動作に対応している。
6gに対応する、実施の形態6の計算ルーチンを示すフ
ロー図であり、図41は、図39のフロー図のステップ
S1−6gに対応する、実施の形態7の計算ルーチンを
示すフロー図である。
oge{RXjk(t)/Sj(t)}の虚数部および実数
部を分離した後、時間平均を行なって、位相成分Yjk、
振幅成分Xjkを得ている。
Yjk,Xjkを0とおき、時間Tに達するまでlog
e(RXjk(t)/Sj(t))の虚数部および実数部の
累算を行なう。そして、その累算結果をTで除算して時
間平均Yjk/T,Xjk/Tを算出し、位相成分Yjk、振
幅成分Xjkとして出力する。このステップS1−6gを
除いて、実施の形態6の他の処理は図16の実施の形態
1の処理と同じである。
oge(RXjk(t)/Sj(t))の時間平均を行なっ
た後、虚数部と実数部とを分離して位相成分Yjkと振幅
成分Xjkとを得ている。
テンポラリーな変数Tmpを0とおき、時間Tに達するま
でloge{RXjk(t)/Sj(t)}の累算を行な
う。そして、その累算結果をTで除算して時間平均Tmp
/Tを算出し、その虚数部を位相成分Yjkとして、実数
部を振幅成分Xjkとして抽出している。このステップS
1−6gを除いて、実施の形態7の他の処理は図16の
実施の形態1の処理と同じである。
回路構成を示すブロック図である。この図42に示す実
施の形態8は、図37に示す実施の形態6と対比して、
既知の信号Sj(t)による除算を、測定された受信信
号RXjp(t)に対してでなく、自然対数が計算されか
つ虚数部および実数部に分離されて時間平均された受信
信号に対して最終段階で行なう点で相違しているだけで
ある。
回路構成を示すブロック図である。この図43に示す実
施の形態9は、図38に示す実施の形態7と対比して、
既知の信号Sj(t)による除算を、測定された受信信
号RXjk(t)に対してでなく、自然対数が計算され、
時間平均され、かつ虚数部および実数部に分離された受
信信号に対して最終段階で行なう点で相違しているだけ
である。
動作もまた、図39のフロー図によって包括的に示され
る。また、図44は、図39のフロー図のステップS1
−6gに対応する、実施の形態8の計算ルーチンを示す
フロー図であり、図45は、図39のフロー図のステッ
プS1−6gに対応する、実施の形態9の計算ルーチン
を示すフロー図である。
oge{RXjk(t)}の虚数部および実数部を分離し
た後、時間平均を行ない、その後、メモリに入っている
loge{Sj(t)}の虚数部および実数部の平均値を
それぞれ減算して、位相成分Yjk、振幅成分Xjkを得て
いる。
Yjk,Xjkを0とおき、時間Tに達するまでlog
e{RXjk(t)}の虚数部および実数部の累算を行な
う。そして、その累算結果をTで除算して時間平均Yjk
/T,Xjk/Tを算出し、そこから、メモリ21に記憶
されているloge{Sj(t)}の虚数部および実数部
の平均値をそれぞれ減算して、位相成分Yjk、振幅成分
Xjkとして出力する。このステップS1−6gを除い
て、実施の形態8の他の処理は図16の実施の形態1の
処理と同じである。
oge{RXjk(t)}の時間平均を行なった後、虚数
部および実数部に分離し、その後、メモリに入っている
loge{Sj(t)}の平均値の虚数部および実数部を
それぞれ減算して、位相成分Yjk,Xjkを得ている。
テンポラリーな変数Tmpを0とおき、時間Tに達する
までloge{RXjk(t)}の累算を行なう。そし
て、その累算結果をTで除算して時間平均Tmp/Tを
算出し、そこから、メモリ21に記憶されているlog
e{Sj(t)}の平均値の虚数部および実数部をそれ
ぞれ減算して、位相成分Yjkおよび振幅成分Xjkを得て
いる。
ば、各伝送系ごとに時間平均回路を設けることにより雑
音成分を含む項を消去できるので、たとえ受信信号のS
/N比が悪くても、雑音の影響による推定の誤差を抑え
ることができ、各伝送系の位相差および振幅変動量情報
を良好に推定することが可能となる。
な回路構成を示すブロック図である。この図46に示す
実施の形態10は、図30に示したこの発明の第2の基
本構成の実施の形態3に、時間平均回路を付加したもの
である。以下に、この実施の形態10のアダプティブア
レイ無線基地局の動作原理について説明する。
2,…,n)の伝送系のフェイズシフタPSjの位相回
転量θjが0に、アッテネータATTjの振幅変動量Aj
が1(=0dB)にセットされる。そして、メモリ21
からは、このj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj
(t)が読出され、アンテナ素子ANTjを介して送信
される。
の伝送系のアンテナ素子ANTk(k=1,2,…,
n、ただしj≠k)で受信され、各伝送系の受信信号測
定装置SMkで受信信号RXjk(t)として測定され
る。
系において送信回路と受信回路とが接続されるようにア
ンテナ共用器が切換わることはない。
され測定された信号RXjk(t)は、図19の第2の基
本構成に関連して先に説明した式(1−13)で表わさ
れるが、さらに信号を送信する伝送系を1番目からn番
目まで順次切換えて、その都度、送信している伝送系を
除く1番目からn番目までのすべての伝送系で受信され
測定された信号RXjk(t)は、先に説明した式(1−
14)で表わされる。なお、これらの式において、njk
(t)は雑音を表わす。
で既知の信号Sj(t)で除算し、雑音を含む項を左辺
から右辺へ移行すると、図34に関して先に説明した式
(2−1)となる。そして、各伝送系の時間平均回路T
Aj(j=1,2,…,n)でこの式(2−1)に対し
て時間平均を行なうと、左辺は時間に対して定数である
ので、先の式(2−2)となる。
(t)]=0なので、各伝送系の信号処理回路SPjで
先の式(2−2)の両辺の自然対数を計算すると、下記
の式(2−3)で表わされるようになる。そして、その
虚数部に着目すると下記の式(2−14)が導かれ、そ
の実数部に着目すると下記の式(2−15)が導かれ
る。
れの右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求
めることができ、その算出結果は、メモリ21に記憶さ
れる。
れの右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、
下記の式(2−16)および(2−17)のように表わ
される。
Zjkとおいて式(2−16)に代入すると、下記の連立
一次方程式(2−18)が得られる。また、得られた振
幅情報のうち、Xjk−Xkj=Vjkとおいて、式(2−1
7)に代入すると、下記の式(2−19)が得られる。
同じであり、伝送系の数nが3以上であれば、メモリ2
1に記憶された値Yjk,Xjkを用いて、上述の連立一次
方程式(2−18)および(2−19)を解くことによ
り、すべての伝送系において、送信回路および受信回路
を通過する信号の間の位相回転量の差Δφjおよび振幅
変動量の差ΔAjを算出することができる。
路と送信回路との間の位相差情報を当該伝送系のフェイ
ズシフタに与え、各伝送系ごとの振幅変動量情報を当該
伝送系のアッテネータに与えることにより、各伝送系ご
とに受信信号と送信信号との間の伝送特性のキャリブレ
ーションを行なうことができる。
明するフロー図であり、図31に示した実施の形態3の
動作に対応している。図31のフロー図と対比して、図
47では、ステップS2−5fにおいてAve[・]で
表わされる時間平均操作が加わっている点で異なってい
る。すなわち、図47のステップS2−5fにおいて、
loge[Ave{RXjk(t)/Sj(t)}]の虚数
部および実数部を抽出することにより、位相成分の方程
式(2−18)および振幅成分の方程式(1−19)を
得ている。
関連して説明した図36の計算のルーチンと同じなの
で、説明を省略する。
ロー図と同じであり、その説明を省略する。
各伝送系ごとに、時間平均回路を設けることにより雑音
成分を含む項を消去できるので、たとえ受信信号の雑音
成分が多くS/N比が悪くても、雑音の影響による推定
の誤差を抑えることができ、各伝送系の位相差および振
幅変動量情報を良好に推定することが可能となる。
な回路構成を示すブロック図である。この図48に示す
実施の形態11は、図30に示したこの発明の第1の基
本構成の実施の形態3において、図46の実施の形態1
0とは異なる位置に時間平均回路を付加したものであ
る。
j(t)で除算し、実施の形態10のように時間平均を
行なうことなく、自然対数を計算し、テイラー展開す
る。S/N比がそれほど良くない条件では、テイラー展
開の結果は先の近似式(2−8)で表現できる。この式
(2−8)の両辺の虚数部および実数部を別々に抽出し
て時間平均を行なうと、左辺の雑音成分Njk(t)を含
む項は0となり、他の項は時間に対して定数であるので
下記の式(2−20)および(2−21)が得られる。
の右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求め
ることができ、その算出結果はすべてメモリ21に記憶
される。
の右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、図
46に関連して説明した式(2−16)および(2−1
7)となり、以後の処理は図46に関連して説明した処
理と同じである。
な回路構成を示すブロック図である。この図49に示す
実施の形態12は、図30に示したこの発明の第2の基
本構成の実施の形態3における信号処理回路SPjを、
対数計算回路LCjと時間平均回路TAjとI/Q分離回
路IQjとで置換えたものである。
両辺を既知の信号Sj(t)で除算し、対数計算回路L
Cjで両辺の自然対数を計算してテイラー展開する。S
/N比がそれほど良くない条件では、テイラー展開の結
果は前述の式(2−8)となる。
うに、この段階で虚数部と実数部との分離を行なうこと
なく、式(2−8)に対して時間平均回路TAjにより
時間平均操作を行なう。この場合、式(2−8)の左辺
第1項および第2項は時間に対して定数であり、雑音成
分Njk(t)を含む項は時間平均により0となるので、
前述の式(2−11)が得られる。
1)の両辺の虚数部および実数部を別々に抽出すると、
下記の式(2−22)および(2−23)が得られる。
の右辺は、各伝送系ごとに測定および計算によって求め
ることができ、その算出結果はすべてメモリ21に記憶
される。
れの右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、
図46に関連して説明した連立一次方程式(2−16)
および(2−17)となり、以後の処理は図46に関連
して説明した処理と同じである。
1および12の動作を包括的に説明するフロー図であ
り、図31に示した実施の形態3の動作に対応してい
る。
ーチンは、実施の形態6に関連して先に説明した図40
の計算ルーチンと同じなので、説明を省略する。また、
実施の形態11の場合のステップS2−5gの計算ルー
チンは、実施の形態7に関連して先に説明した図41の
計算ルーチンと同じなので、説明を省略する。
によれば、各伝送系ごとに時間平均回路を設けることに
より、たとえ受信信号のS/N比が悪くても雑音の影響
による位相差情報の推定誤差を抑えることができる。
な回路構成を示すブロック図である。
施の形態11と対比して、既知の信号Sj(t)による
除算を、測定された受信信号RXjk(t)に対してでな
く、自然対数が計算されかつ虚数部および実数部に分離
されて時間平均された受信信号に対して最終段階で行な
う点で相違しているだけである。
な回路構成を示すブロック図である。この図52に示す
実施の形態14は、図49に示す実施の形態12と対比
して、既知の信号Sj(t)による除算を、測定された
受信信号RXjk(t)に対してでなく、自然対数が計算
され、時間平均され、かつ虚数部および実数部に分離さ
れた受信信号に対して最終段階で行なう点で相違してい
るだけである。
4の動作もまた、図50のフロー図によって包括的に示
される。
ーチンは、実施の形態8に関連して先に説明した図44
の計算ルーチンと同じなので説明は省略する。
ーチンは、実施の形態9に関連して先に説明した図45
の計算ルーチンと同じなので説明を省略する。
によれば、各伝送系ごとに時間平均回路を設けることに
より、たとえ受信信号のS/N比が悪くても、雑音の影
響による位相差および振幅変動量情報の推定誤差を抑え
ることができる。
な回路構成を示すブロック図である。この図53に示す
実施の形態15は、図15に示したこの発明の第1の基
本構成の実施の形態1の各伝送系の乗算器MPjを相関
器CRj(j=1,2,…,n)で置換えたものであ
る。以下に、この実施の形態15のアダプティブアレイ
無線基地局の動作原理について説明する。
2,…,n)の伝送系のフェイズシフタPSjの位相回
転量θjが0に、アッテネータATTjの振幅変動量Aj
が1(=0dB)にセットされる。そして、メモリ21
からは、このj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj
(t)が読出され、アンテナ素子ANTjを介して送信
される。
の伝送系のアンテナ素子ANTk(k=1,2,…,
n、ただしj≠k)で受信され、各伝送系の受信信号測
定装置SMkで受信信号RXjk(t)として測定され
る。
回路TXjを同じ伝送系の受信回路RXjに接続するよう
に切換わることにより、送信回路TXjからの送信信号
が当該伝送系自身の受信回路SMjで受信信号RX
jj(t)として測定される。
換えて、その都度、1番目からn番目までのすべての伝
送系で受信された測定された信号RXjk(t)は、下記
の式(3−1)で表わされる。
まれるすべての干渉信号の合成信号を表わしている。こ
こで干渉信号とは、従来の技術で説明したような他のユ
ーザからの電波信号等を含んでいる。
知の信号Sj(t)との相互相関値CSjkを計算する。
相互相関値は、時間tの関数である2つの信号を共通の
時間軸上で互いに乗算した結果を加算し、その時間平均
を求めたものであり、次の式(3−2)のように表わさ
れる。そして、この式(3−2)を計算すると式(3−
3)となる。
間、および送信信号と雑音成分との間には、相関がな
い。このため、既知の信号Sj(t)、干渉信号I
jk(t)、および雑音成分Njk(t)の間には、次の式
(3−4)、(3−5)および(3−6)が成立する。
び(3−6)を、上述の式(3−3)に代入すると、下
記の式(3−7)で表わされるようになり、その自然対
数を計算すると式(3−8)のように表わされる。
が導かれ、実数部に着目すると式(3−10)が導かれ
る。
の右辺は各伝送系ごとに測定および計算によって求める
ことができ、その結果はメモリ21に記憶される。
の右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、下
記の式(3−11)および(3−12)のように表わさ
れる。
じであり、伝送系の数nが3以上であれば、メモリ21
に記憶された値Yjk,Xjkを用いて、上述の連立方程式
(3−11)および(3−12)を解くことにより、す
べての伝送系において、送信回路TXjを通過すること
によって生じる信号の位相回転量ΔφTXjおよび振幅
変動量ATXjと、受信回路RXjを通過することによっ
て生じる信号の位相回転量ΔφRXjおよび振幅変動量
ARXjとを算出することができる。
路と送信回路との間の位相差情報を当該伝送系のフェイ
ズシフタに与え、各伝送系ごとの振幅変動量情報を当該
伝送系のアッテネータに与えることにより、各伝送系ご
とに受信信号と送信信号との間の伝送特性のキャリブレ
ーションを行なうことができる。
プS1−6dに対応する、実施の形態15のYjk,Xjk
の計算ルーチンを示すフロー図である。図54のフロー
図において、テンポラリーな変数Tmpを0とおき、時
間Tに達するまでRXjk(t)・Sj(t)の累算を行
なう。そして、この累算結果をTで除算して時間平均T
mp/Tを算出し、その自然対数を計算して虚数部
Yjk、実数部Xjkを抽出している。
態1のフロー図と同じであり、その説明を省略する。
各伝送系ごとに相関回路を設けて受信信号RXjk(t)
と既知の信号Sj(t)との相関処理を行なうことによ
り、雑音成分Njk(t)および干渉信号Ijk(t)が消
失している。したがって、受信信号のS/N比が悪い場
合、または受信信号に干渉信号が混入した場合、または
その双方の場合において、雑音成分、または干渉信号、
またはその双方の影響による推定誤差を抑えることがで
き、各伝送系ごとの位相差および振幅変動量情報を良好
に推定することができる。
な回路構成を示すブロック図である。この図55に示す
実施の形態16は、図30に示したこの発明の第2の基
本構成の実施の形態3の各伝送系の乗算器MPjを相関
器CRj(j=1,2,…,n)で置換えたものであ
る。以下に、この実施の形態16のアダプティブアレイ
無線基地局の動作原理について説明する。
2,…,n)の伝送系のフェイズシフタPSjの位相回
転量θjが0に、アッテネータATTjの振幅変動量Aj
が1(=0dB)にセットされる。そして、メモリ21
からは、このj番目の伝送系に対応する既知の信号Sj
(t)が読出され、アンテナ素子ANTjを介して送信
される。
の伝送系のアンテナ素子ANTk(k=1,2,…,
n、ただしj≠k)で受信され、各伝送系の受信信号測
定器装置SMkで受信信号RXjk(t)として測定され
る。
おいて送信回路と受信回路とが接続されるようにアンテ
ナ共用器が切換わることはない。
換えて、その都度、送信している伝送系を除く1番目か
らn番目までのすべての伝送系で受信された測定された
信号RXjk(t)は、下記の式(3−13)で表わされ
る。
知の信号Sj(t)との相互相関値CSjkを計算する
と、式(3−14)となる。
を、上述の式(3−14)に代入すると、下記の式(3
−15)で表わされるようになり、その自然対数を計算
すると式(3−16)のように表わされる。
7)が導かれ、実数部に着目すると式(3−18)が導
かれる。
れの右辺は各伝送系ごとに測定および計算によって求め
ることができ、その結果はメモリ21に記憶される。
れの右辺の値をYjk,Xjkとすると、それぞれの式は、
下記の式(3−19)および(3−20)のように表わ
される。
kj=Zjkとおいて式(3−19)に代入すると下記の連
立一次方程式(3−21)が得られ、また得られた振幅
情報のうちXjk−Xkj=Vjkとおいて、式(3−20)
に代入すると下記の連立一次方程式(3−22)が得ら
れる。
同じであり、伝送系の数nが3以上であれば、メモリ2
1に記憶された値Yjk,Xjkを用いて、上述の連立一次
方程式(3−21)および(3−22)を解くことによ
り、すべての伝送系において、送信回路および受信回路
を通過する信号の間の位相回転量の差および振動変動量
の差を算出することができる。
号と送信信号との間の位相差情報を当該伝送系のフェイ
ズシフタに与え、各伝送系ごとの振幅変動量情報を当該
伝送系のアッテネータに与えることにより、各伝送系ご
とに受信信号と送信信号との間の伝送特性のキャリブレ
ーションを行なうことができる。
は、図54に示した実施の形態15の計算ルーチンと同
じなので、その図示および説明は省略する。
態3のフロー図と同じであり、その説明を省略する。
各伝送系ごとに相関回路を設けて受信信号RXjk(t)
と既知の信号Sj(t)との相関処理を行なうことによ
り、雑音成分Njk(t)および干渉信号Ijk(t)が消
失している。したがって、受信信号のS/N比が悪い場
合、または受信信号に干渉信号が混入した場合、または
その双方の場合において、雑音成分、または干渉信号、
またはその双方の影響による推定誤差を抑えることがで
き、各伝送系ごとの位相差および振幅変動量情報を良好
に推定することができる。
送信系を1番目からn番目まで順次切換えて、その都
度、送信している伝送系を除く1番目からn番目までの
すべての伝送系で受信された信号を測定し、上述の処理
を行なっている。
態17では、図55に示した構成において、すべての伝
送系から同時に信号を送信し、かつすべての伝送系で同
時に信号を受信することにより、キャリブレーションに
要する時間を短縮している。
成において、すべての伝送系のフェイズシフタPSjの
位相回転量θjが0に、アッテネータATTjの振動変動
量Ajが1(=0dB)にセットされる。そして、メモ
リ21からは、すべての伝送系に対応する既知の信号S
j(t)が読出され、すべてのアンテナ素子ANTjを介
して同時に送信される。
のすべての伝送系のアンテナ素子ANTk(k=1,
2,…,n、ただしj≠k)で受信される。
kで他のすべての伝送系から同時に受信され測定される
信号RXk(t)は下記の式(4−1)で表わされる。
との相互相関値CSjkを計算する。この相互相関値は、
次の式(4−2)のように表わされる。
互いに異なる信号系列であり、その相互相関値は次の式
(4−3)を満たす。
ように、送信信号と雑音との間の相互相関値は0であ
り、式(3−4)に示したように送信信号の自己相関値
は1である。
との相互相関値を計算すると、式(4−2)は下記の式
(4−4)のように表わされ、このRXk(t)とS
j(t)との相互相関処理を、すべての既知の送信信号
Sj(t),(j=1,2,…,n、ただしj≠k)お
よびすべての受信信号RXk(t),(k=1,2,
…,n)に対して行なうと、得られる相互相関値は実施
の形態17の式(3−15)で表わされる値となる。
実施の形態16の式(3−16)のように表わされ、そ
の虚数部に着目すると前述の式(3−19)が導かれ、
実数部に着目すると式(3−20)が導かれる。以後の
処理は、実施の形態16の処理と同じなので説明を省略
する。
を説明するフロー図であり、図57は、図56のフロー
図のステップS3−2に対応する、実施の形態17の計
算ルーチンを示すフロー図である。
べての伝送系から既知の信号Sj(t)が同時に送信さ
れ、ステップS3−2において、すべての伝送系で受信
信号の測定が同時に行なわれる点で、先行するいずれの
実施の形態とも相違している。
に、テンポラリーな変数Tmpを0として、時間Tに達
するまでRXk(t)・Sj(t)の累算を行なう。そし
て、この累算結果をTで除算して時間平均Tmp/Tを
算出し、その自然対数を計算して、虚数部Yjk、実数部
Xjkを抽出している。
うことにより、すべての伝送系からの送信信号S
j(t)とすべての伝送系で受信された信号RXk(t)
との相互相関処理が行なわれることになる。
明を省略する。
1およびS3−2により、すべての伝送系からの送信信
号Sj(t)とすべての伝送系で受信された信号RX
k(t)との相互相関処理を行ない、得られたYjkの連
立一次方程式(3−19)およびYjkの連立一次方程式
(3−20)を直接解くことにより、各伝送系の受信回
路の位相回転量および振幅変動量を求めるように構成し
てもよい。
ーション時に既知の信号Sj(t)の同時送受信を行な
っているので、送信する伝送系を順次切り換えていた先
行する各実施の形態と比べても、キャリブレーションに
要する時間を短縮することができる。
ダプティブアレイ無線基地局では、最終的に前述の連立
一次方程式(1−30)および(1−32)を解くこと
により、すべての伝送系の受信回路および送信回路を通
過する信号の位相回転量の差Δφjおよび振幅変動量の
差ΔAjを求めている。
転量の差Δφj,(j=1,2,…,n)が同じ値であ
った場合には下記の式(5−1)が成り立ち、すべての
伝送系において送受信回路の振幅変動量の差ΔAj,
(j=1,2,…,n)が同じ値であった場合には、下
記の式(5−2)が成り立つ。
実に位相回転量の差または振幅変動量の差が生じていて
も、前述の式(1−30)および(1−32)から導出
される連立方程式はすべて継続関係になってしまい、解
が不定となる。したがって、正確な位相回転量の差およ
び振幅変動量の差を推定することができない場合が生じ
得る。
善したものであり、キャリブレーションを行なう前に、
各伝送系の、フェイズシフタの位相回転量、またはアッ
テネータの振幅変動量、またはその両方を、それぞれ予
めある値に設定しておくことにより、送受信回路間の位
相回転量の差および/または振幅変動量の差が、伝送系
の間でほぼ同じ値になることを回避し、各伝送系の位相
回転量の差および振幅変動量の差の推定の精度を向上さ
せたものである。
この発明の第2の基本構成によるアダプティブアレイ無
線基地局において、キャリブレーション時に、予め、j
番目の伝送系のフェイズシフタPSjの位相回転量がθj
に、アッテネータATTjの振幅変動量がAjにセットさ
れる。但し、伝送系の間では、それぞれのフェイズシフ
タの位相回転量はθj≠θkとなるように、そしてそれぞ
れのアッテネータの振幅変動量はAj≠Akとなるように
設定されるものとする。
の信号Sj(t)が読出され、送信回路を介して出力さ
れる。そして、送信された信号は、j番目の伝送系を除
く他のすべての伝送系の各々の受信回路で受信され、受
信信号測定装置SMkで受信信号RXjk(t)として受
信される。信号を送信する伝送系を1番目からn番目ま
で順次切換えて、その都度送信している伝送系を除くす
べての伝送系で受信され測定された信号RXjk(t)
は、下記の式(5−3)で表わされる。
既知の信号Sj(t)で割り、さらに両辺の自然対数を
計算してテイラー展開すると、S/N比が十分よけれ
ば、下記の式(5−4)が得られる。そして、この式
(5−4)の虚数部に注目すると下記の式(5−5)が
導かれ、実数部に注目すると下記の式(5−6)が導か
れる。
右辺の値は計算によって求めることができる。そこで、
式(5−5)および(5−6)のそれぞれの右辺の計算
によって求められた値をYjk、Xjkとすると、それぞれ
の式は、下記の式(5−7)および(5−8)のように
表わされる。
値を考慮して、各伝送系の送受信回路間の位相回転量の
差Δφjおよび振幅変動量の差ΔAjを下記の式(5−1
0)および(5−11)のように定義する。
すると下記の式(5−12)が得られ、Xjk−Xkj=V
jkとおいて式(5−8)に代入すると下記の式(5−1
3)が得られる。
第2の基本構成の動作と同じであり、これらの連立一次
方程式(5−12)および(5−13)を解けば、各伝
送系における送受信回路間の位相回転量の差および振幅
変動量の差を算出することができる。
態18の動作をマイクロコンピュータを用いてソフトウ
ェア的に実現する際のフロー図である。図58および図
59に示したフロー図は、以下の点を除いて図20およ
び図21に示したこの発明の第2の基本構成の動作と同
じである。
のフェイズシフタPSjの位相回転量が、0ではなく既
知の値θjに、アッテネータATTjの振幅変動量が、1
ではなく既知の値Ajにセットされる。
リブレーションのための各伝送系のフェイズシフタの位
相回転量およびアッテネータの振幅変動量を設定する際
に、上述の既知の値θjおよびAjがそれぞれ考慮されて
いる。
ー図に関する説明を援用して、ここではその説明を省略
する。
59に示した実施の形態18の変形例を示すフロー図で
ある。この変形例においては、上述の実施の形態18と
同様に、まず各伝送系のフェイズシフタの位相回転量を
θjに、アッテネータの振幅変動量をAjに設定した後、
既知の信号Sj(t)を送信しており、その後も実施の
形態18と全く同じ演算処理により、ZjkとVjkとが算
出されている。
Vjkの絶対値が十分な大きさを有しているか否かが判定
される。すなわち、ステップS2−19で、算出された
Zjkの絶対値がZの最小値であるMZと比較され、|Z
jk|がMZより小さければ、ステップS2−20でさら
にMZがそのときの|Zjk|で置換えられる。同様に、
ステップS2−21で、算出されたVjkの絶対値がVの
最小値であるMVと比較され、|Vjk|がMVより小さ
ければ、ステップS2−22でさらにMVがそのときの
|Vjk|で置換えられる。
MZ、MVがそれぞれ所定の基準値CZ、CVよりも小
さいことが判定されると、フェイズシフタの位相回転量
およびアッテネータの振幅変動量の初期設定値であるθ
j、Ajが十分ではなかったとして、ステップS2−24
において、位相回転量θjおよび振幅変動量Ajがそれぞ
れ適当な値に変更された後、Zjk、Vjkの算出が再度行
なわれる。その結果、得られたMZ、MVがそれぞれC
Z、CVよりも大きいことが判定されれば、以後は図5
9の実施の形態18と同じ処理が行なわれる。
最終的には位相回転量に関する連立一次方程式および振
幅変動量に関する連立一次方程式を解くことにより、位
相回転量、振幅変動量、位相回転量差および振幅変動量
差を算出している。
素子数が3本の場合、未知の変数の数と各連立一次方程
式を構成する独立の方程式の数とが共に3個であり、等
しい。したがってこの場合には3個の方程式のすべてが
連立一次方程式を解くのに用いられる。しかしながら、
アンテナ素子数が4本以上になると、独立の方程式の数
が未知の変数の数を上回ることになる。
本以上の場合、測定された受信信号と送信した信号とに
基づいて計算された連立一次方程式を構成するすべての
独立の方程式のうち、より高い精度で導出された方程式
を必要数、すなわち未知の変数の個数と同数だけ選択し
て、連立一次方程式を解くように構成している。
は、測定や計算によって得られた値である|Xjk|、|
Yjk|、|Vjk|、または|Zjk|が大きな値をとる方
程式から順に選択されることになる。
ー図であり、以下の点を除いて、図21に示したこの発
明の第2の基本構成の後半の動作と同じである。すなわ
ち、ステップS2−25ですべてのZjkの絶対値を計算
して値の大きい順にソートし、かつステップS2−26
ですべてのVjkの絶対値を計算して値の大きい順にソー
トする。そして、|Zjk|の値の大きい順に、未知の変
数の個数に相当するn個の方程式を選択して位相回転量
差に関する連立一次方程式を構成して解を計算し、また
|Vjk|の値の大きい順に、n個の方程式を選択して振
幅変動量差に関する連立一次方程式を構成して解を計算
する。その他の動作については、図20および図21の
フロー図に関する説明を援用して、ここではその説明を
省略する。
導出された方程式を選び出して連立一次方程式を構成し
ているので、位相回転量および振幅変動量に関する精度
の高い推定結果を得ることができる。
合、各連立一次方程式を構成する複数の独立の方程式の
うち、解を得るために用いられない方程式が出てくる。
この発明の実施の形態20では、このように解を得るた
めに用いられた方程式以外の方程式を、位相回転量およ
び振幅変動量に関する情報の推定結果の検証に用いるも
のである。たとえば、アンテナ素子数が4本で、送受信
回路の位相回転量差を求める場合の連立方程式は、下記
の独立の方程式(6−1)〜(6−6)から構成される
ことになる。
式(6−1)、(6−2)、(6−5)、(6−6)を
用いて4個の未知の変数Δφ1〜Δφ4を算出するものと
し、実際に計算された値をtmpΔφj,(j=1,
2,3,4)とする。この実施の形態20では、これら
の値tmpΔφjを、解を算出するのに用いられなかっ
た式(6−3)、(6−4)に導入し、誤差e1,(1
=1,2,…)を計算する。この場合未使用の2つの方
程式を用いて2つの誤差e1,e2が下記の式(6−7)
および(6−8)のように算出される。
値よりも小さければ、上述の推定結果tmpΔφj,
(j=1,2,3,4)は正しいものとみなし、出力さ
れることになる。一方、誤差e1,e2が所定の基準値よ
りも大きければ、上述の4つの式を用いた推定結果は正
しくないとみなし、誤差e1,e2が所定の基準値よりも
小さくなるまで、測定をやり直すなどして、推定処理を
続行する。
示すフロー図であり、以下の点を除いて図62に示した
この発明の実施の形態19の動作と同じである。
に関するn個の独立の方程式からなる連立一次方程式お
よび振幅変動量差情報に関するn個の独立の方程式から
なる連立一次方程式のそれぞれを解いて解を求め、ステ
ップS2−29において、計算された解を、この解の算
出に用いられなかった方程式に代入して、ZjkおよびV
jkの最大値Zmax,Vmaxをそれぞれ算出する。そして、
ステップS2−30において、算出された最大値がそれ
ぞれ所定の基準値CZ,CV以下であるか否かが判断さ
れ、所定の基準値以上であることが判断されるまで以上
の測定および演算が繰返される。
である。
推定された位相回転量に関する情報および振幅変動量に
関する情報を、各伝送系の位相回転装置としてのフェイ
ズシフタおよび振幅変動装置としてのアッテネータに伝
達し、各伝送系の送受信回路間において、位相回転量差
および振幅変動量差が0となるように補償を行なってい
る。
形特性を有する回路要素(たとえばアンプ)を含む場
合、送信回路に入力される信号のパワーまたは受信回路
に入力される信号のパワーによっては、位相特性および
振幅特性が変化して上述の補償がきかなくなることがあ
る。
に入力される信号のパワーまたは受信回路に入力される
信号のパワーにより位相特性および振幅特性が変化した
場合でも、推定動作によって一旦得られたキャリブレー
ション結果と、メモリに予め記録されている補正テーブ
ルとを用いて、フェイズシフタおよびアッテネータに設
定される位相回転量および振幅変動量を適正な値に補正
するものである。
構成を示すブロック図である。図65の実施の形態にお
いて、位相回転量を補償するために計算されるキャリブ
レーション情報はΔφ1,Δφ2,…,Δφnであり、振
幅変動量を補償するために計算されるキャリブレーショ
ン情報はΔA1,ΔA2,…,ΔAnである。
ときの送信信号の比較的低いパワーをPCTX、受信信号
の比較的低いパワーをPCRXとする。一方、現在の送信
信号のパワーをPTX、受信信号のパワーをPRXとする、
ここでメモリ内には位相回転量情報および振幅変動量情
報の補正用の情報が予め記憶されているものとし、制御
装置22により、PTXとPCTXに対応する送信系の補正
情報を、またはPRXとPCRXとに対応する受信系の補正
情報をメモリ21から読出し、上述の算出されたそれぞ
れのキャリブレーション値に加えた後、位相回転装置と
してのフェイズシフタおよび振幅変動装置としてのアッ
テネータに与えるように構成されている。これにより、
送信回路または受信回路に非線形回路要素が含まれる場
合であっても、受信信号パワーまたは送信信号パワーに
拘らず、常に位相回転量差情報および振幅変動量差情報
に関する最適のキャリブレーションを行なうことができ
る。
適当な間隔で間引いた補正情報をメモリに記憶してお
き、補正情報の使用時に補間により最適な補正値を求め
るように構成することも可能である。
各伝送系において受信回路と送信回路との間の振幅変動
量の差が推定される。しかしながら、位相回転量の場合
とは異なり、振幅変動量の場合には、送信回路と受信回
路との間に特性差があること自体は大きな問題ではな
く、送受信回路間の振幅変動量差がそれぞれの伝送系に
おいて異なっていることが最大の問題である。したがっ
て、振幅情報のキャリブレーションに関しては、上述の
各実施の形態のように各伝送系の受信回路と送信回路と
の間の振幅変動量差が0となるように各伝送系の振幅変
動装置であるアッテネータの振幅変動量を制御する方法
の他に、それぞれの伝送系の送受信回路間の振幅変動量
差が共通のある値になるように、各伝送系の振幅変動装
置であるアッテネータの振幅変動量を制御するように構
成してもよい。
地局の第3の基本構成の概要を示す概略ブロック図であ
る。図66の第3の基本構成は、先に説明した第1およ
び第2の基本構成と同様に、アダプティブアレイ無線基
地局のうち、この発明に関連する位相回転量および振幅
変動量の推定ならびにこれらのキャリブレーションに関
する部分のみを示している。
は、4つの信号伝送系からなり、それぞれの信号伝送系
のアンテナ素子(合計4個)が正確に正方形の頂点にそ
れぞれ配置されていることを特徴としている。
基地局は、図示しないメモリおよび制御装置からなる信
号処理回路20と、正方形のアレイアンテナを構成する
アンテナ素子ANT1,ANT2,ANT3およびAN
T4と、それぞれのアンテナ素子に対応して設けられた
アンテナ共用器SW1,SW2,SW3およびSW4
と、それぞれのアンテナ素子に対応してアンテナ共用器
と信号処理回路20との間に設けられた送信回路TX
1,TX2,TX3,TX4および受信回路RX1,R
X2,RX3,RX4とを備えている。
信号処理回路20は、キャリブレーション時にそれぞれ
のアンテナ素子から既知の信号を送信し、他のアンテナ
素子からの受信信号を実測し、実測値を用いて所定の演
算を行い、後述する受信応答ベクトルおよび送信ベクト
ルを算出し、その算出結果に応じて位相回転量および振
幅変動量のキャリブレーションを行うデジタル信号処理
機能を有しているものとする。
々は、信号処理回路20から対応するアンテナ共用器S
Wまでの経路に存在する回路を総称するものであり、受
信回路RX1,RX2,RX3,RX4の各々は、対応
するアンテナ共用器SWから信号処理回路20までの経
路に存在する回路を総称するものである。
TX4の各々は、各伝送系において、信号処理回路20
から出力された信号が対応する送信回路TXおよびアン
テナ共用器SWを通過して対応するアンテナ素子ANT
に至るまでの位相回転量を表わし、θRX1,θRX
2,θRX3,θRX4の各々は、各伝送系において、
対応するアンテナ素子ANTで受信された信号が対応す
るアンテナ共用器SWおよび受信回路RXを通過して信
号処理回路20に至るまでの位相回転量を表わしてい
る。
NT2間における信号の位相回転量、θ13はアンテナ
素子ANT1,ANT3間における信号の位相回転量、
θ14はアンテナ素子ANT1,ANT4間における信
号の位相回転量、θ23はアンテナ素子ANT2,AN
T3間における信号の位相回転量、θ24はアンテナ素
子ANT2,ANT4間における信号の位相回転量、θ
34はアンテナ素子ANT3,ANT4間における信号
の位相回転量を表わしている。
6の構成において受信応答ベクトルと送信応答ベクトル
とを求め、その位相データの差を補正値として求めるも
のである。
る。
位相θIT1が0に固定された信号が、送信回路TX
1、アンテナ共用器SW1を介してアンテナ素子ANT
1から送信され、他のアンテナ素子ANT2,ANT
3,ANT4で受信される。
W2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの位相回転量θR21
は、次の式(7−1)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR31
は、次の式(7−2)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR41
は、次の式(7−3)で表わされる。
位相θIT2が0に固定された信号が、送信回路TX
2、アンテナ共用器SW2を介してアンテナ素子ANT
2から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
3,ANT4で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの位相回転量θR12
は、次の式(7−7)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR32
は、次の式(7−8)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR42
は、次の式(7−9)で表わされる。
位相θIT3が0に固定された信号が、送信回路TX
3、アンテナ共用器SW3を介してアンテナ素子ANT
3から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
2,ANT4で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの位相回転量θR13
は、次の式(7−13)で表わされる。
2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR23
は、次の式(7−14)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR43
は、次の式(7−15)で表わされる。
と、 θR13−θR23=θRX1−θRX2+(θ13−θ23) (θRX1−θRX2)=(θR13−θR23)−(θ13−θ23) …(7−16) 同様に、(7−14)式から(7−15)式を減じる
と、 θR23−θR43=θRX2−θRX4+(θ23−θ34) (θRX2−θRX4)=(θR23−θR43)−(θ23−θ34) …(7−17) 同様に、(7−15)式から(7−13)式を減じる
と、 θR43−θR13=θRX4−θRX1+(θ34−θ13) (θRX4−θRX1)=(θR43−θR13)−(θ34−θ13) …(7−18) 図66の構成において、信号処理回路20から初期
位相θIT4が0に固定された信号が、送信回路TX
4、アンテナ共用器SW4を介してアンテナ素子ANT
4から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
2,ANT3で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの位相回転量θR14
は、次の式(7−19)で表わされる。
2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR24
は、次の式(7−20)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの位相回転量θR34
は、次の式(7−21)で表わされる。
と、 θR14−θR24=θRX1−θRX2+(θ14−θ24) (θRX1−θRX2)=(θR14−θR24)−(θ14−θ24) …(7−22) 同様に、(7−20)式から(7−21)式を減じる
と、 θR24−θR34=θRX2−θRX3+(θ24−θ34) (θRX2−θRX3)=(θR24−θR34)−(θ24−θ34) …(7−23) 同様に、(7−21)式から(7−19)式を減じる
と、 θR34−θR14=θRX3−θRX1+(θ34−θ14) (θRX3−θRX1)=(θR34−θR14)−(θ34−θ14) …(7−24) アンテナ素子ANT1およびANT2の受信信号の
位相回転量の差(θRX1−θRX2)を算出する: 上述の式(7−16)および(7−22)の各々より
(θRX1−θRX2)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
れているため、θ14=θ23,θ13=θ24が成り
立つ。したがって、上式は、次の式(7−25)とな
る。
X1−θRX2)の値が算出される。
位相回転量の差(θRX2−θRX3)を算出する: 上述の式(7−4)および(7−23)の各々より
(θRX2−θRX3)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−26)となる。
X2−θRX3)の値が算出される。
位相回転量の差(θRX3−θRX4)を算出する: 上述の式(7−5)および(7−11)の各々より
(θRX3−θRX4)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−27)となる。
X3−θRX4)の値が算出される。
位相回転量の差(θRX4−θRX1)を算出する: 上述の式(7−12)および(7−18)の各々より
(θRX4−θRX1)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−28)となる。
X4−θRX1)の値が算出される。
号の位相回転量をR(1)=θRX1,R(2)=θR
X2,R(3)=θRX3,R(4)=θRX4と表わ
すと、R(1),R(2),R(3),R(4)を成分
とするベクトルRが 位相データの受信応答ベクトルである。
に、それぞれの位相回転量の差分は、実測値により(θ
RX1−θRX2),(θRX2−θRX3),(θR
X3−θRX4),(θRX4−θRX1)の値として
具体的に算出されているが、個々の位相回転量R
(1),R(2),R(3),R(4)の値を知るには
情報が不足している。
R(1)を基準値0とおくことにより、上述の各差分の
算出値から残りの伝送系の位相回転量を個々に算出する
ことが可能となる。すなわち、たとえばR(1)=0と
おけば、 R(1)−R(2)=(θRX1−θRX2)より R(2)=R(1)−(θRX1−θRX2)とな
り、上記差分の実測値に基づいてR(2)の値が算出さ
れる。
より R(3)=R(2)−(θRX2−θRX3)とな
り、上記差分の実測値に基づいてR(3)の値が算出さ
れる。
より R(4)=R(3)−(θRX3−θRX4)とな
り、上記差分の実測値に基づいてR(4)の値が算出さ
れる。
0とおくことにより、他の伝送系の位相回転量が個々に
求まり、その結果、位相データの受信応答ベクトルが得
られることになる。
くつかの方法について説明する。
RX1)であるが、R(1)=0とおいているため、測
定が正しく行なわれていれば、本来的にR(4)−(θ
RX4−θRX1)はほぼ0となるはずである。
RX1)|とおき、もしもrtmpが誤差しきい値以上
であれば、測定にミスがあったものと判断される。
4)式の平均をとることにより、アンテナ素子ANT1
およびANT3の位相回転量の差(θRX1−θRX
3)を求める。
ため、 (θRX1−θRX3)={(θR12−θR32)−(θR34−θR1 4)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため(θRX1
−θRX3)の値が算出される。
3)であるが、測定が正しく行われていれば、本来的
に、 {R(1)−R(3)}−(θRX1−θRX3)は
ほぼ0となるはずである。
(θRX1−θRX3)|とおき、もしもrtmpが誤
差しきい値以上であれば、測定にミスがあったものと判
断される。
6)式の平均をとることにより、アンテナ素子ANT2
およびANT4の位相回転量の差(θRX2−θRX
4)を求める。
ため、 (θRX2−θRX4)={(θR23−θR43)−(θR41−θR2 1)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため(θRX2
−θRX4)の値が算出される。
4)であるが、測定が正しく行われていれば、本来的
に、 {R(2)−R(4)}−(θRX2−θRX4)は
ほぼ0となるはずである。
(θRX2−θRX4)|とおき、もしもrtmpが誤
差しきい値以上であれば、測定にミスがあったものと判
断される。
位相回転量の差(θTX1−θTX2)を算出する: 前述の(7−2)式から(7−8)式を減じると、 θR31−θR32=θTX1−θTX2+(θ13−θ23) (θTX1−θTX2)=(θR31−θR32)−(θ13−θ23) …(7−29) 同様に、(7−3)式から(7−9)式を減じると、 θR41−θR42=θTX1−θTX2+(θ14−θ24) (θTX1−θTX2)=(θR41−θR42)−(θ14−θ24) …(7−30) これらの式(7−29)および(7−30)の各々よ
り(θTX1−θTX2)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
め、上式は、次の式(7−31)となる。
−θTX2)の値が算出される。
位相回転量の差(θTX2−θTX3)を算出する: 前述の(7−7)式から(7−13)式を減じると、 θR12−θR13=θTX2−θTX3+(θ12−θ13) (θTX2−θTX3)=(θR12−θR13)−(θ12−θ13) …(7−32) 同様に、(7−9)式から(7−15)式を減じる
と、 θR42−θR43=θTX2−θTX3+(θ24−θ34) (θTX2−θTX3)=(θR42−θR43)−(θ24−θ34) …(7−33) これらの式(7−32)および(7−33)の各々よ
り(θTX2−θTX3)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−34)となる。
−θTX3)の値が算出される。
位相回転量の差(θTX3−θTX4)を算出する: 前述の(7−13)式から(7−19)式を減じる
と、 (θR13−θR14)=θTX3−θTX4+(θ13−θ14) (θTX3−θTX4)=(θR13−θR14)−(θ13−θ14) …(7−35) 同様に、(7−14)式から(7−20)式を減じる
と、 θR23−θR24=θTX3−θTX4+(θ23−θ24) (θTX3−θTX4)=(θR23−θR24)−(θ23−θ24) …(7−36) これらの式(7−35)および(7−36)の各々よ
り(θTX3−θTX4)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−37)となる。
−θTX4)の値が算出される。
位相回転量の差(θTX4−θTX1)を算出する: 前述の(7−20)式より(7−1)式を減じると、 θR24−θR21=θTX4−θTX1+(θ24−θ12) (θTX4−θTX1)=(θR24−θR21)−(θ24−θ12) …(7−38) 同様に、(7−21)式より(7−2)式を減じる
と、 θR34−θR31=θTX4−θTX1+(θ34−θ13) (θTX4−θTX1)=(θR34−θR31)−(θ34−θ13) …(7−39) これらの式(7−38)および(7−39)の各々よ
り(θTX4−θTX1)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ため、上式は、次の式(7−40)となる。
−θTX1)の値が算出される。
号の位相回転量をT(1)=θTX1,T(2)=θT
X2,T(3)=θTX3,T(4)=θTX4と表わ
すと、(T(1),T(2),T(3),T(4))を
成分とするベクトルTが位相データの送信応答ベクトル
である。
7),(7−40)で求めたように、それぞれの位相回
転量の差分は、実測値により(θTX1−θTX2),
(θTX2−θTX3),(θTX3−θTX4),
(θTX4−θTX1)の値として具体的に算出されて
いるが、個々の位相回転量T(1),T(2),T
(3),T(4)の値を知るには情報が不足している。
ばT(1)を基準値0とおくことにより、上述の各差分
の算出値から残りの伝送系の位相回転量を個々に算出す
ることが可能となる。すなわち、たとえばT(1)=0
とおけば、 T(1)−T(2)=(θTX1−θTX2)より T(2)=T(1)−(θTX1−θTX2)とな
り、上記差分の実測値に基づいてT(2)の値が算出さ
れる。
より T(3)=T(2)−(θTX2−θTX3)とな
り、上記差分の実測値に基づいてT(3)の値が算出さ
れる。
より T(4)=T(3)−(θTX3−θTX4)とな
り、上記差分の実測値に基づいてT(4)の値が算出さ
れる。
0とおくことにより、他の伝送系の位相回転量が個々に
求まり、その結果、位相データの送信応答ベクトルが得
られることになる。
くつかの方法について説明する。
TX1)であるが、T(1)=0とおいているため、測
定が正しく行われていれば、本来的にT(4)−(θT
X4−θTX1)はほぼ0となるはずである。
TX1)|とおき、もしもrtmpが誤差しきい値以上
であれば、測定にミスがあったものと判断する。
の位相回転量の差(θTX1−θTX3)を求める。
と、 θR41−θR43=θTX1−θTX3+(θ14−θ34) (θTX1−θTX3)=(θR41−θR43)−(θ14−θ34) …(7−42) これら(7−41)式および(7−42)式の平均を
とることにより (θTX1−θTX3)=[{(θR21−θR23)−(θ12−θ2 3)}+{(θR41−θR43)−(θ14−θ34)}]/2 ここでθ12=θ23,θ14=θ34が成り立つた
め、 (θTX1−θTX3)={(θR21−θR23)+(θR41−θR4 3)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため(θTX1
−θTX3)の値が算出される。
3)であるが、測定が正しく行われていれば、本来的
に、 {T(1)−T(3)}−(θTX1−θTX3)は
ほぼ0となるはずである。したがって、rtmp=|
{T(1)−T(3)}−(θTX1−θTX3)|と
おき、もしもrtmpが誤差しきい値以上であれば、測
定にミスがあったものと判断される。
4の位相回転量の差(θTX2−θTX4)を求める。
と、 θR32−θR34=θTX2−θTX4+(θ23−θ34) (θTX2−θTX4)=(θR32−θR34)−(θ23−θ34) …(7−44) これら(7−43)式および(7−44)式の平均を
とることにより (θTX2−θTX4)=[{(θR12−θR14)−(θ12−θ1 4)}−{(θR32−θR34)−(θ23−θ34)}]/2 ここで、θ12=θ14,θ23=θ34が成り立つ
ため、 (θTX2−θTX4)={(θR12−θR14)+(θR32−θR3 4)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため(θTX2
−θTX4)の値が算出される。
4)であるが、測定が正しく行なわれていれば、本来的
に、 {T(2)−T(4)}−(θTX2−θTX4)
はほぼ0となるはずである。
(θTX2−θTX4)|とおき、もしもrtmpが誤
差しきい値以上であれば、測定にミスがあったものと判
断される。
量R(1),R(2),R(3),R(4)から、送信
応答ベクトルTの位相回転量T(1),T(2),T
(3),T(4)をそれぞれ減算することにより、対応
する伝送系ごとに位相回転量の受信時と送信時との差、
すなわち位相補正量を算出することができる。
出された位相補正量により、たとえば送信信号の初期位
相を予めシフトすることにより、位相回転量のキャリブ
レーションを実行する。
において、各部の振幅変動量を示したものであり、アダ
プティブアレイ無線基地局の構成そのものは図66に示
したものと同じである。
TX4の各々は、各伝送系において、信号処理回路20
から出力された信号が対応する送信回路TXおよびアン
テナ共用器SWを通過して対応するアンテナ素子ANT
に至るまでの振幅変動量を表わし、ARX,ARX2,
ARX3,ARX4の各々は、各伝送系において、対応
するアンテナ素子ANTで受信された信号が対応するア
ンテナ共用器SWおよび受信回路RXを通過して信号処
理回路20に至るまでの振幅変動量を表わしている。
ANT2間における信号の振幅変動量、A13はアンテ
ナ素子ANT1,ANT3間における信号の振幅変動
量、A14はアンテナ素子ANT1,ANT4間におけ
る信号の振幅変動量、A23はアンテナ素子ANT2,
ANT3間における信号の振幅変動量、A24はアンテ
ナ素子ANT2,ANT4間における信号の振幅変動
量、A34はアンテナ素子ANT3,ANT4間におけ
る信号の振幅変動量を表わしている。
7の構成において受信応答ベクトルと送信応答ベクトル
とを求め、その振幅データの差を補正値として求めるも
のである。
る。
初期振幅AIT1が1に固定された信号が、送信回路T
X1、アンテナ共用器SW1を介してアンテナ素子AN
T1から送信され、他のアンテナ素子ANT2,ANT
3,ANT4で受信される。
W2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの振幅変動量AR21
は、次の式(8−1)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR31
は、次の式(8−2)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR41
は、次の式(8−3)で表わされる。
振幅AIT2が1に固定された信号が、送信回路TX
2、アンテナ共用器SW2を介してアンテナ素子ANT
2から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
3,ANT4で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの振幅変動量AR12
は、次の式(8−7)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR32
は、次の式(8−8)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR42
は、次の式(8−9)で表わされる。
振幅AIT3が1に固定された信号が、送信回路TX
3、アンテナ共用器SW3を介してアンテナ素子ANT
3から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
2,ANT4で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの位相回転量AR13
は、次の式(8−13)で表わされる。
2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR23
は、次の式(8−14)で表わされる。
4、受信回路RX4を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR43
は、次の式(8−15)で表わされる。
と、 AR13/AR23=ARX1/ARX2*(A13/A23) (ARX1/ARX2)=(AR13/AR23)/(A13/A23) …(8−16) 同様に、(8−14)式を(8−15)式で除算する
と、 AR23/AR43=ARX2/ARX4*(A23/A34) (ARX2/ARX4)=(AR23/AR43)/(A23/A34) …(8−17) 同様に、(8−15)式を(8−13)式で除算する
と、 AR43/AR13=ARX4/ARX1*(A34/A13) (ARX4/ARX1)=(AR43/AR13)/(A34/A13) …(8−18) 図67の構成において、信号処理回路20から初期
位相AIT4が1に固定された信号が、送信回路TX
4、アンテナ共用器SW4を介してアンテナ素子ANT
4から送信され、他のアンテナ素子ANT1,ANT
2,ANT3で受信される。
W1、受信回路RX1を介して信号処理回路20で受信
された信号の、送信から受信までの振幅変動量AR14
は、次の式(8−19)で表わされる。
2、受信回路RX2を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR24
は、次の式(8−20)で表わされる。
3、受信回路RX3を介して信号処理回路20で受信さ
れた信号の、送信から受信までの振幅変動量AR34
は、次の式(8−21)で表わされる。
と、 AR14/AR24=ARX1/ARX2*(A14/A24) (ARX1/ARX2)=(AR14/AR24)/(A14/A24) …(8−22) 同様に、(8−20)式を(8−21)式で除算する
と、 AR24/AR34=ARX2/ARX3*(A24/A34) (ARX2/ARX3)=(AR24/AR34)/(A24/A34) …(8−23) 同様に、(8−19)式を(8−21)式で除算する
と、 AR14/AR34=ARX1/ARX3*(A14/A34) (ARX1/ARX3)=(AR14/AR34)/(A14/A34) …(8−24) アンテナ素子ANT1およびANT2の受信信号の
振幅変動量の差(ARX1−ARX2)を算出する: 上述の式(8−16)および(8−22)の各々より
(ARX1/ARX2)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。なお、両式の右辺第1項
は実測値から得ることができ、第2項については、アン
テナ素子間隔から厳密な値を計算することができる。し
たがって、算出された両式の値の差が誤差しきい値以下
の場合にのみ、測定ミスがないものとして以下の平均化
処理を行なう。以後の平均化処理の説明についても同様
である。
テナ素子間隔から計算された値に基づいて求められるた
め、差分(ARX1/ARX2)の値が算出される。
振幅変動量の差(ARX2/ARX3)を算出する: 上述の式(8−4)および(8−23)の各々より
(ARX2/ARX3)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため、差分(ARX
2/ARX3)の値が算出される。
振幅変動量の差(ARX3−ARX4)を算出する: 上述の式(8−5)および(8−11)の各々より
(ARX3/ARX4)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため、差分(ARX
3/ARX4)の値が算出される。
振幅変動量の差(ARX4−ARX1)を算出する: 上述の式(8−12)および(8−18)の各々より
(ARX4/ARX1)は求まるが、より精度を向上さ
せるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため、差分(ARX
4/ARX1)の値が算出される。
の振幅変動量をAR(1)=ARX1,AR(2)=A
RX2,AR(3)=ARX3,AR(4)=ARX4
と表わすと、AR(1),AR(2),AR(3),A
R(4)を成分とするベクトルARが振幅データの受信
応答ベクトルである。
に、それぞれの振幅変動量の差分は、実測値等により
(ARX1/ARX2),(ARX2/ARX3),
(ARX3/ARX4),(ARX4/ARX1)の値
として具体的に算出されているが、個々の振幅変動量A
R(1),AR(2),AR(3),AR(4)の値を
知るには情報が不足している。
AR(1)を基準値1とおくことにより、上述の各差分
の算出値から残りの伝送系の振幅変動量を個々に算出す
ることが可能となる。すなわち、たとえばR(1)=1
とおけば、 AR(1)/AR(2)=(ARX1/ARX2)よ
り AR(2)=AR(1)/(ARX1/ARX2)と
なり、上記差分の実測値に基づいてAR(2)の値が算
出される。
X3)より AR(3)=AR(2)/(ARX2/ARX3)と
なり、上記差分の実測値に基づいてAR(3)の値が算
出される。
X4)より AR(4)=AR(3)/(ARX3/ARX4)と
なり、上記差分の実測値に基づいて、AR(4)の値が
算出される。
1とおくことにより、他の伝送系の振幅変動量が個々に
求まり、その結果、振幅データの受信応答ベクトルが得
られることになる。
くつかの方法について説明する。
/ARX1)であるが、AR(1)=1とおいているた
め、測定が正しく行なわれていれば、本来的にAR
(4)/(ARX4/ARX1)はほぼ1となるはずで
ある。
ARX1)|とおき、もしもrtmpが誤差しきい値以
上であれば、測定にミスがあったものと判断される。
4)式の平均をとることにより、アンテナ素子ANT1
およびANT3の振幅変動量の差(ARX1/ARX
3)を求める。
ため、 (ARX1/ARX3)={(AR12/AR32)+(AR14/AR3 4)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため、(ARX
1/ARX3)の値が算出される。
X3)であるが、測定が正しく行なわれていれば、本来
的に、{AR(1)/AR(3)}/(ARX1/AR
X3)はほぼ1となるはずである。
(3)}/(ARX1/ARX3)−1|とおき、もし
もrtmpが誤差しきい値以上であれば、測定にミスが
あったものと判断される。
6)式の平均をとることにより、アンテナ素子ANT2
およびANT4の振幅変動量の差(ARX2/ARX
4)を求める。
ため、 (ARX2/ARX4)={(AR23/AR43)+(AR21/AR4 1)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため、(ARX
2/ARX4)の値が算出される。
X4)であるが、測定が正しく行なわれていれば、本来
的に、 {AR(2)/AR(4)}/(ARX2/ARX
4)はほぼ1となるはずである。
(4)}/(ARX2/ARX4)−1|とおき、もし
もrtmpが誤差しきい値以上であれば、測定にミスが
あったものと判断される。
振幅変動量の差(ATX1/ATX2)を算出する: 前述の(8−2)式を(8−8)式で除算すると、 AR31/AR32=ATX1/ATX2*(A13/A23) (ATX1/ATX2)=(AR31/AR32)/(A13/A23) …(8−29) 同様に、(8−3)式を(8−9)式で除算すると、 AR41/AR42=ATX1/ATX2*(A14/A24) (ATX1/ATX2)=(AR41/AR42)/(A14/A24) …(8−30) これらの式(8−29)および(8−30)の各々よ
り(ATX1/ATX2)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため差分(ATX1
/ATX2)の値が算出される。
振幅変動量の差(ATX2/ATX3)を算出する: 前述の(8−7)式を(8−13)式で除算すると、 AR12/AR13=ATX2/ATX3*(A12/A13) (ATX2/ATX3)=(AR12/AR13)/(A12/A13) …(8−32) 同様に、(8−9)式を(8−15)式で除算する
と、 AR42/AR43=ATX2/ATX3*(A24/A34) (ATX2/ATX3)=(AR42/AR43)/(A24/A34) …(8−33) これらの式(8−32)および(8−33)の各々よ
り(ATX2/ATX3)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため差分(ATX2
/ATX3)の値が算出される。
振幅変動量の差(ATX3/ATX4)を算出する: 前述の(8−13)式を(8−19)式で除算する
と、 AR13/AR14=ATX3/ATX4*(A13/A14) (ATX3/ATX4)=(AR13/AR14)/(A13/A14) …(8−35) 同様に、(8−14)式を(8−20)式で除算する
と、 AR23/AR24=ATX3/ATX4*(A23/A24) (ATX3/ATX4)=(AR23/AR24)/(A23/A24) …(8−36) これらの式(8−35)および(8−36)の各々よ
り(ATX3/ATX4)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため差分(ATX3
/ATX4)の値が算出される。
振幅変動量の差(ATX4/ATX1)を算出する: 前述の(8−20)式を(8−1)式で除算すると、 AR24/AR21=ATX4/ATX1*(A24/A12) (ATX4/ATX1)=(AR24/AR21)/(A24/A12) …(8−38) 同様に、(8−21)式を(8−2)式で除算する
と、 AR34/AR31=ATX4/ATX1*(A34/A13) (ATX4/ATX1)=(AR34/AR31)/(A34/A13) …(8−39) これらの式(8−38)および(8−39)の各々よ
り(ATX4/ATX1)は求まるが、より精度を向上
させるため、両式の平均をとる。
ら計算した値に基づいて求められるため差分(ATX4
/ATX1)の値が算出される。
号の振幅変動量AT(1)=ATX1,AT(2)=A
TX2,AT(3)=ATX3,AT(4)=ATX4
と表わすと、(AT(1),AT(2),AT(3),
AT(4))を成分とするベクトルATが振幅データの
送信応答ベクトルである。
7),(8−40)で求めたように、それぞれの振幅変
動量の差分は、実測値により(ATX1/ATX2),
(ATX2/ATX3),(ATX3/ATX4),
(ATX4/ATX1)の値として具体的に算出されて
いるが、個々の振幅変動量AT(1),AT(2),A
T(3),AT(4)の値を知るには情報が不足してい
る。
ばAT(1)を基準値1とおくことにより、上述の各差
分の算出値から残りの伝送系の振幅変動量を個々に算出
することが可能となる。すなわち、たとえばAT(1)
=1とおけば、 AT(1)/AT(2)=(ATX1/ATX2)よ
り AT(2)=AT(1)/(ATX1/ATX2)と
なり、上記差分の実測値に基づいてAT(2)の値が算
出される。
3)より AT(3)=AT(2)/(ATX2/ATX3)と
なり、上記差分の実測値に基づいてAT(3)の値が算
出される。
4)より AT(4)=AT(3)/(ATX3/ATX4)と
なり、上記差分の実測値に基づいてAT(4)の値が算
出される。
1とおくことにより、他の伝送系の振幅変動量が個々に
求まり、その結果、振幅データの送信応答ベクトルが得
られることになる。
くつかの方法について説明する。
/AT1)であるが、AT(1)=1とおいているた
め、測定が正しく行なわれていれば、本来的にAT
(4)/(ATX4/ATX1)はほぼ1となるはずで
ある。
AT1)−1|とおき、もしもrtmpが誤差しきい値
以上であれば、測定ミスがあったものと判断する。
の振幅変動量の差(ATX1/ATX3)を求める。
と、 AR41/AR43=ATX1/ATX3*(A14/A34) (ATX1/ATX3)=(AR41/AR43)/(A14/A34) …(8−42) これら(8−41)式および(8−42)式の平均を
とることにより (ATX1/ATX3)=[{(AR21/AR23)/(A12/A2 3)}+{(AR41/AR43)/(A14/A34)}]/2 ここでA12=A23=A34=A14が成り立つた
め、 (ATX1/ATX3)={(AR21/AR23)+(AR41/AR4 3)}/2 この式の右辺は実測値から求められるため(ATX1
/ATX3)の値が算出される。
X3)であるが、測定が正しく行なわれていれば、本来
的に、 {AT(1)/AT(3)}/(ATX1/ATX
3)はほぼ1となるはずである。したがって、rtmp
=|{AT(1)/AT(3)}/(ATX1/ATX
3)−1|とおき、もしもrtmpが誤差しきい値以上
であれば、測定にミスがあったものと判断される。
4の振幅変動量の差(ATX2/ATX4)を求める。
と、 AR32/AR34=ATX2/ATX4*(A23/A34) (ATX2/ATX4)=(AR32/AR34)/(A23/A34) …(8−44) これら(8−43)式および(8−44)式の平均を
とることにより (ATX2/ATX4)=[{(AR12/AR14)/(A12−A1 4)}+{(AR32/AR34)/(A23/A34)}]/2 ここで、A12=A23=A34=A14が成り立つ
ため、 (ATX2/ATX4)={(AR12/AR14)+(AR32/AR3
4)} /2 この式の右辺は実測値から求められるため(ATX2
/ATX4)の値が算出される。
X4)であるが、測定が正しく行なわれていれば、本来
的に、 {AT(2)/AT(4)}/(ATX2/ATX
4)はほぼ1となるはずである。
(4)}/(ATX2/ATX4)−1|とおき、もし
もrtmpが誤差しきい値以上であれば、測定にミスが
あったものと判断される。
動量AR(1),AR(2),AR(3),AR(4)
から、送信応答ベクトルATの振幅変動量AT(1),
AT(2),AT(3),AT(4)をそれぞれ減算す
ることにより、対応する伝送系ごとに振幅変動量の受信
時と送信時との差、すなわち振幅補正量を算出すること
ができる。
出された振幅補正量により、たとえば送信信号の初期振
幅を予め調整することにより、振幅変動量のキャリブレ
ーションを実行する。
む無線装置において、それぞれの伝送系において送信し
た既知の信号と測定された受信信号とに基づいて当該伝
送系の伝送特性に関する情報を推定するように構成した
ので、特別な測定回路を別途設けることなく簡単かつ安
価な構成で、各伝送系の受信回路と送信回路との間の伝
送特性のキャリブレーションを行なうことができる。
Claims (34)
- 【請求項1】 伝送特性のキャリブレーションが可能な
無線装置であって、 アンテナ(ANT)と、前記アンテナを共用する送信回
路(TX)および受信回路(RX)とを各々が含む、n
(nはn≧3の整数)個の信号伝送系と、 キャリブレーション時に、前記n個の信号伝送系の各々
の前記送信回路から既知の信号を送信し、かつ前記送信
された信号を前記n個の信号伝送系の複数のものの前記
受信回路で受信するように制御を行なう制御手段(2
2)と、 前記信号伝送系ごとに設けられ、当該信号伝送系の前記
受信回路で受信された信号に対し前記既知の信号を用い
て、前記受信された信号の位相成分および振幅成分の少
なくとも一方に関する情報を表わす信号を算出する信号
処理を行なう信号処理手段(PE,AE)と、 前記信号伝送系の前記複数のものにおける前記信号処理
手段によって得られた信号を記憶する記憶手段(21)
と、 前記記憶手段に記憶された信号に基づいて、前記n個の
信号伝送系の各々の前記送信回路および前記受信回路の
それぞれを信号が通過することによって当該信号に生じ
る位相回転量および振幅変動量の少なくとも一方に関す
る情報を算出する演算手段(22)とを備えた、無線装
置。 - 【請求項2】 前記演算手段によって算出された情報に
基づいて、前記n個の信号伝送系の各々の前記送信回路
および前記受信回路の間の位相回転量の差および振幅変
動量の差の少なくとも一方が0になるように、位相回転
量および振幅変動量の少なくとも一方のキャリブレーシ
ョンを行なうキャリブレーション手段(PS,ATT)
をさらに備えた、請求項1に記載の無線装置。 - 【請求項3】 前記演算手段によって算出された情報に
基づいて、前記n個の信号伝送系の各々の前記送信回路
および前記受信回路の間の振幅変動量の差が前記n個の
信号伝送系の間で互いに等しくなるように、振幅変動量
のキャリブレーションを行なうキャリブレーション手段
(ATT)をさらに備えた、請求項1に記載の無線装
置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路から送信された前記既知の信号
を、前記n個の信号伝送系のすべての前記受信回路で受
信するように制御を行なう、請求項1に記載の無線装
置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路から送信された前記既知の信号
を、前記n個の信号伝送系のうち前記既知の信号を送信
した当該信号伝送系を除く信号伝送系の前記受信回路で
受信するように制御を行なう、請求項1に記載の無線装
置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路からの前記信号の送信を逐次的に
行なう、請求項1に記載の無線装置。 - 【請求項7】 前記制御手段は、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路からの前記信号の送信を同時に行
なう、請求項5に記載の無線装置。 - 【請求項8】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた各々の信号の位相成分と振幅成
分とを抽出する手段(SP)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって抽出された
前記位相成分とからなる第1の連立一次方程式を導出す
る手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって抽出された
前記振幅成分とからなる第2の連立一次方程式を導出す
る手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項6に記載の
無線装置。 - 【請求項9】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた信号の各々の自然対数を計算
し、かつ虚数部と実数部とに分離する手段(SP)とを
含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記虚数部とからなる第1の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記実数部とからなる第2の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項6に記載の
無線装置。 - 【請求項10】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々の自然対
数を計算し、かつ虚数部と実数部とに分離する手段(S
P)と、 前記分離された虚数部から、前記既知の信号の自然対数
を計算した信号の虚数部を減ずる第1の減算を行なう手
段(SA)と、 前記分離された実数部から、前記既知の信号の自然対数
を計算した信号の実数部を減ずる第2の減算を行なう手
段(SB)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第1の減
算により得られた虚数部とからなる第1の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第2の減
算により得られた実数部とからなる第2の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項6に記載の
無線装置。 - 【請求項11】 前記信号処理手段の前記所定の信号処
理は、信号の時間平均処理を含む、請求項6に記載の無
線装置。 - 【請求項12】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた信号の各々を時間平均する手段
(TA)と、 前記時間平均された信号の各々の自然対数を計算し、か
つ虚数部と実数部とに分離する手段(SP)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記虚数部とからなる第1の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記実数部とからなる第2の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項13】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた各々の信号の位相成分と振幅成
分とを抽出する手段(SP)と、 前記抽出された位相成分および振幅成分の各々を時間平
均する手段(TA)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって時間平均さ
れた前記位相成分とからなる第1の連立一次方程式を導
出する手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって時間平均さ
れた前記振幅成分とからなる第2の連立一次方程式を導
出する手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項14】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた信号の各々の自然対数を計算
し、かつ虚数部と実数部とに分離する手段(SP)と、 前記分離された虚数部および実数部の各々を時間平均す
る手段(TA)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって時間平均さ
れた前記虚数部とからなる第1の連立一次方程式を導出
する手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって時間平均さ
れた前記実数部とからなる第2の連立一次方程式を導出
する手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項15】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々を前記既
知の信号で除算する手段(MP)と、 前記除算により得られた信号の各々の自然対数を計算す
る手段(LC)と、 前記自然対数を計算した信号を時間平均する手段(T
A)と、 前記時間平均された信号を虚数部と実数部とに分離する
手段(IQ)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記虚数部とからなる第1の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記実数部とからなる第2の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項16】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々の自然対
数を計算し、かつ虚数部と実数部とに分離する手段(S
P)と、 前記分離された虚数部および実数部の各々を時間平均す
る手段(TA)と、 前記時間平均された虚数部から、前記既知の信号の自然
対数を計算した信号の虚数部を減ずる第1の減算を行な
う手段(SA)と、 前記時間平均された実数部から、前記既知の信号の自然
対数を計算した信号の実数部を減ずる第2の減算を行な
う手段(SB)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第1の減
算により得られた虚数部とからなる第1の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第2の減
算により得られた実数部とからなる第2の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項17】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々の自然対
数を計算する手段(LC)と、 前記自然対数を計算した信号を時間平均する手段(T
A)と、 前記時間平均された信号を虚数部と実数部とに分離する
手段(IQ)と、 前記分離された虚数部から、前記既知の信号の自然対数
を計算した信号の虚数部を減ずる第1の減算を行なう手
段(SA)と、 前記分離された実数部から、前記既知の信号の自然対数
を計算した信号の実数部を減ずる第2の減算を行なう手
段(SB)とを含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第1の減
算により得られた虚数部とからなる第1の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段による前記第2の減
算により得られた実数部とからなる第2の連立一次方程
式を導出する手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項11に記載
の無線装置。 - 【請求項18】 前記信号処理手段の前記所定の信号処
理は、信号の相関処理を含む、請求項1に記載の無線装
置。 - 【請求項19】 前記信号処理手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路から当該信号
伝送系の前記受信回路で受信された信号の各々と前記既
知の信号との相関処理を行なう手段(CR)と、 前記相関処理により得られた信号の各々の自然対数を計
算し、かつ虚数部と実数部とに分離する手段(SP)と
を含み、 前記演算手段は、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の位相回転量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記虚数部とからなる第1の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記信号伝送系のそれぞれの前記送信回路および前記受
信回路の振幅変動量に関する未知の変数と、前記信号伝
送系のそれぞれの前記信号処理手段によって分離された
前記実数部とからなる第2の連立一次方程式を導出する
手段と、 前記第1および第2の連立一次方程式を解いて前記未知
の変数としての前記位相回転量および前記振幅変動量に
関する情報を算出する手段とを含む、請求項18に記載
の無線装置。 - 【請求項20】 各前記信号伝送系ごとの前記送信回路
および前記受信回路のそれぞれの位相回転量の差が前記
n個の信号伝送系の間で互いに異なり、かつ各前記信号
伝送系ごとの前記送信回路および前記受信回路のそれぞ
れの振幅変動量の差が前記n個の信号伝送系の間で互い
に異なるように、各前記信号伝送系ごとに前記位相回転
量の差および前記振幅変動量の差をオフセットする手段
をさらに備えた、請求項5に記載の無線装置。 - 【請求項21】 前記演算手段は、各前記連立一次方程
式を構成する方程式の数が、前記未知の変数を算出する
のに必要な方程式の数よりも多いときに、より高い精度
で導出された方程式を選択して前記未知の変数の算出に
用いる、請求項8、9、10、12、15、16または
17に記載の無線装置。 - 【請求項22】 前記演算手段は、各前記連立一次方程
式を構成する方程式のうち選択されなかった方程式を、
選択された方程式を用いて算出された変数の検証に用い
る、請求項21に記載の無線装置。 - 【請求項23】 各前記信号伝送系の前記送信回路また
は前記受信回路に入力される信号のパワーに応じて、前
記キャリブレーション手段による前記キャリブレーショ
ンの量を補正する手段をさらに備えた、請求項2または
3に記載の無線装置。 - 【請求項24】 アンテナ(ANT)と、前記アンテナ
を共用する送信回路(TX)および受信回路(RX)と
を各々が含む、n(nはn≧3の整数)個の信号伝送系
を備えた無線装置のためのキャリブレーション方法であ
って、 キャリブレーション時に、前記n個の信号伝送系の各々
の前記送信回路から既知の信号を送信し、かつ前記送信
された信号を前記n個の信号伝送系の複数のものの前記
受信回路で受信するように制御を行なうステップと、 前記信号伝送系ごとに前記受信回路で受信された信号に
対し前記既知の信号を用いて、前記受信された信号の位
相成分および振幅成分の少なくとも一方に関する情報を
表わす信号を算出する信号処理を行なうステップと、 前記信号伝送系の前記複数のものにおける前記信号処理
の結果得られた信号を記憶するステップと、 前記記憶された信号に基づいて、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路および前記受信回路のそれぞれを
信号が通過することによって当該信号に生じる位相回転
量および振幅変動量の少なくとも一方に関する情報を算
出するステップと、 前記算出された情報に基づいて、前記n個の信号伝送系
の各々の前記送信回路および前記受信回路の間の位相回
転量の差および振幅変動量の差の少なくとも一方のキャ
リブレーションを行なうステップとを含む、キャリブレ
ーション方法。 - 【請求項25】 前記制御を行なうステップは、前記n
個の信号伝送系の各々の前記送信回路から送信された前
記既知の信号を、前記n個の信号伝送系のすべての前記
受信回路で受信するように制御を行なうステップを含
む、請求項24に記載のキャリブレーション方法。 - 【請求項26】 前記制御を行なうステップは、前記n
個の信号伝送系の各々の前記送信回路から送信された前
記既知の信号を、前記n個の信号伝送系のうち前記既知
の信号を送信した当該信号伝送系を除く信号伝送系の前
記受信回路で受信するように制御を行なうステップを含
む、請求項24に記載のキャリブレーション方法。 - 【請求項27】 前記制御を行なうステップは、前記n
個の信号伝送系の各々の前記送信回路からの前記信号の
送信を逐次的に行なうステップを含む、請求項24に記
載のキャリブレーション方法。 - 【請求項28】 前記制御を行なうステップは、前記n
個の信号伝送系の各々の前記送信回路からの前記信号の
送信を同時に行なうステップを含む、請求項26に記載
のキャリブレーション方法。 - 【請求項29】 前記所定の信号処理を行なうステップ
は、信号の時間平均処理を行なうステップを含む、請求
項27に記載のキャリブレーション方法。 - 【請求項30】 前記所定の信号処理を行なうステップ
は、信号の相関処理を行なうステップを含む、請求項2
4に記載のキャリブレーション方法。 - 【請求項31】 各前記信号伝送系ごとの前記送信回路
および前記受信回路のそれぞれの位相回転量の差が前記
n個の信号伝送系の間で互いに異なり、かつ各前記信号
伝送系ごとの前記送信回路および前記受信回路のそれぞ
れの振幅変動量の差が前記n個の信号伝送系の間で互い
に異なるように、各前記信号伝送系ごとに前記位相回転
量の差および前記振幅変動量の差をオフセットするステ
ップをさらに含む、請求項26に記載のキャリブレーシ
ョン方法。 - 【請求項32】 各前記信号伝送系の前記送信回路また
は前記受信回路に入力される信号のパワーに応じて、前
記キャリブレーションするステップによる前記キャリブ
レーションの量を補正するステップをさらに含む、請求
項24に記載のキャリブレーション方法。 - 【請求項33】 伝送特性のキャリブレーションが可能
な無線装置であって、 アンテナ素子(ANT)と、前記アンテナ素子を共用す
る送信回路(TX)および受信回路(RX)とを各々が
含む、4個の信号伝送系を備え、前記4個の信号伝送系
のそれぞれの前記アンテナ素子は、正方形の頂点に位置
するようにそれぞれ配され、 前記4個の信号伝送系の各々の前記送信回路から初期位
相が固定された信号を送信し、前記信号を送信した当該
信号伝送系を除く残りの信号伝送系の前記受信回路で受
信して、受信した前記信号伝送系ごとに、前記信号の送
信から受信までの位相回転量を測定する手段と、 前記測定された位相回転量に基づいて、前記正方形上で
隣接する2つの信号伝送系の組合せごとに、前記受信回
路間の位相回転量の差を算出する手段と、 前記4個の信号伝送系のいずれか1つの前記受信回路の
位相回転量を所定の基準値におくことにより、残りの信
号伝送系の個々の受信回路の位相回転量を算出する手段
と、 前記測定された位相回転量に基づいて、前記正方形上で
隣接する2つの信号伝送系の組合せごとに、前記送信回
路間の位相回転量の差を算出する手段と、 前記4個の信号伝送系のいずれか1つの前記送信回路の
位相回転量を所定の基準値におくことにより、残りの信
号伝送系の個々の送信回路の位相回転量を算出する手段
と、 前記信号伝送系ごとに算出された受信回路の位相回転量
および送信回路の位相回転量の差を位相補正量として算
出する手段とをさらに備えた、無線装置。 - 【請求項34】 伝送特性のキャリブレーションが可能
な無線装置であって、 アンテナ素子(ANT)と、前記アンテナ素子を共用す
る送信回路(TX)および受信回路(RX)とを各々が
含む、4個の信号伝送系を備え、前記4個の信号伝送系
のそれぞれの前記アンテナ素子は、正方形の頂点に位置
するようにそれぞれ配され、 前記4個の信号伝送系の各々の前記送信回路から初期振
幅が固定された信号を送信し、前記信号を送信した当該
信号伝送系を除く残りの信号伝送系の前記受信回路で受
信して、受信した前記信号伝送系ごとに、前記信号の送
信から受信までの振幅変動量を測定する手段と、 前記測定された振幅変動量に基づいて、前記正方形上で
隣接する2つの信号伝送系の組合せごとに、前記受信回
路間の振幅変動量の差を算出する手段と、 前記4個の信号伝送系のいずれか1つの前記受信回路の
振幅変動量を所定の基準値におくことにより、残りの信
号伝送系の個々の受信回路の振幅変動量を算出する手段
と、 前記測定された振幅変動量に基づいて、前記正方形上で
隣接する2つの信号伝送系の組合せごとに、前記送信回
路間の振幅変動量の差を算出する手段と、 前記4個の信号伝送系のいずれか1つの前記送信回路の
振幅変動量を所定の基準値におくことにより、残りの信
号伝送系の個々の送信回路の振幅変動量を算出する手段
と、 前記信号伝送系ごとに算出された受信回路の振幅変動量
および送信回路の振幅変動量の差を振幅補正量として算
出する手段とをさらに備えた、無線装置。
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