JP2018032893A - 無線装置、及び検出方法 - Google Patents

無線装置、及び検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018032893A
JP2018032893A JP2016161639A JP2016161639A JP2018032893A JP 2018032893 A JP2018032893 A JP 2018032893A JP 2016161639 A JP2016161639 A JP 2016161639A JP 2016161639 A JP2016161639 A JP 2016161639A JP 2018032893 A JP2018032893 A JP 2018032893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
antennas
ant
phase
amplitude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016161639A
Other languages
English (en)
Inventor
光彦 満保
Mitsuhiko Mitsuyasu
光彦 満保
藤井 賢一
Kenichi Fujii
賢一 藤井
直貴 塩谷
Naoki Shioya
直貴 塩谷
武史 辻本
Takeshi Tsujimoto
武史 辻本
倉本 佳吾
Keigo Kuramoto
佳吾 倉本
成人 松野
Shigeto Matsuno
成人 松野
康夫 中島
Yasuo Nakajima
康夫 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2016161639A priority Critical patent/JP2018032893A/ja
Priority to US15/652,850 priority patent/US20180054263A1/en
Publication of JP2018032893A publication Critical patent/JP2018032893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W52/00Power management, e.g. TPC [Transmission Power Control], power saving or power classes
    • H04W52/04TPC
    • H04W52/30TPC using constraints in the total amount of available transmission power
    • H04W52/36TPC using constraints in the total amount of available transmission power with a discrete range or set of values, e.g. step size, ramping or offsets
    • H04W52/367Power values between minimum and maximum limits, e.g. dynamic range
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B17/00Monitoring; Testing
    • H04B17/10Monitoring; Testing of transmitters
    • H04B17/11Monitoring; Testing of transmitters for calibration
    • H04B17/12Monitoring; Testing of transmitters for calibration of transmit antennas, e.g. of the amplitude or phase
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/38Transceivers, i.e. devices in which transmitter and receiver form a structural unit and in which at least one part is used for functions of transmitting and receiving
    • H04B1/40Circuits
    • H04B1/44Transmit/receive switching
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L5/00Arrangements affording multiple use of the transmission path
    • H04L5/14Two-way operation using the same type of signal, i.e. duplex
    • H04L5/16Half-duplex systems; Simplex/duplex switching; Transmission of break signals non-automatically inverting the direction of transmission
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/28Combinations of substantially independent non-interacting antenna units or systems
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/267Phased-array testing or checking devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】各アンテナの受信パスで生じる振幅や位相の誤差を容易に検出すること。【解決手段】複数のアンテナ11、12、13を介して信号Sigを送受信する無線部14と、複数のアンテナ11、12、13のうち第1のアンテナから送信される信号Sigを、第1のアンテナに隣接する第2のアンテナ及び第3のアンテナで受信するように無線部14を制御し、第2のアンテナで受信された信号Sigと第3のアンテナで受信された信号Sigとの間で少なくとも振幅又は位相の差分を検出する制御部15とを有する、無線装置10が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、無線装置、及び検出方法に関する。
モバイルネットワークの分野においては、広い範囲をカバーするマクロセルの内部に小規模なスモールセルを配置してスループットの向上を実現する新たな無線ネットワークの仕組み(ヘテロジニアスネットワーク)が検討されている。ヘテロジニアスネットワークではマクロセル内に多数のスモールセルが配置されるため、スモールセルの間でセル間干渉が生じやすい。そのため、セル間干渉を効果的に回避するための技術として、近年、ビームフォーミングが注目されている。
ビームフォーミングは、複数のアンテナを利用して特定の方向に電力が集中するようにビームの指向性を制御する技術である。ビームの指向性は、各アンテナから出力される電波の振幅及び位相を調整し、電波が強め合う方向を特定の方向に向けることで制御できる。また、振幅及び位相の調整により、電波が打ち消し合う方向(NULL)を制御することもできる。そのため、隣接セルのユーザに対してNULLが向くようにすることで、セル間干渉を効果的に回避することが可能になる。
但し、振幅及び位相の調整に誤差が生じると、ビームやNULLの方向が所望の方向からずれてしまう。そのため、ビームフォーミングを実行する無線装置は、各アンテナから送信される信号の振幅及び位相を正しく制御できるように事前に調整が施される。
送信回路(TX回路)から出力される信号は、アンテナに接続される信号線路を経由してアンテナに入力され、アンテナを介して空中に出力される。他方、アンテナを介して受信される信号は、アンテナに接続される信号線路を経由して受信回路(RX回路)に入力される。振幅及び位相の変化は、信号が空中を伝搬する伝搬チャネルや、アンテナを含む信号線路で生じる。そのため、信号線路の経年変化などに起因して、その信号線路における振幅及び位相の変化量が変わりうる。つまり、事後的に信号の振幅及び位相に誤差が生じうる。
上記の誤差が生じると、ビームやNULLが向く方向にずれが生じうる。また、誤差の影響でサイドローブが増大してセル間干渉の抑制効果が低減しうる。なお、複数のアンテナを用いて信号を送信する無線通信システムにおいて、振幅及び位相の誤差を補正する方法が提案されている。
その1つとして、送信装置チェーン及び受信装置チェーンに含まれるアンテナ素子のアレイ・アンテナを含む通信局内で動作する通信局を較正する方法が提案されている。この方法では、あるアンテナ素子に関連する送信装置チェーンが信号を送信し、そのアンテナ素子に関連しない受信装置チェーンが信号を受信する。そして、送信装置チェーン及び受信装置チェーンに関連する伝達関数に応じて各アンテナ素子の較正係数が決定され、通信局が較正される。
また、無線通信用のアンテナと、キャリブレーション処理用のアンテナとを切替え、無線通信用のアンテナで無線通信し、キャリブレーション処理用のアンテナでキャリブレーション処理を実行する方法が提案されている。また、1つの受信機ユニットとN個の送信機ユニットとの組み合わせ、及び、1つの送信機ユニットとN個の受信機ユニットとの組み合わせを用いて事前に送信チェーン及び受信チェーンの校正を実施するMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)通信システムが提案されている。
また、下りリンク信号の送信時間帯以外の時間帯を候補時間帯として検出し、その候補時間帯の中から選択した時間帯にキャリブレーションを開始する無線通信装置が提案されている。また、複数のアンテナ間で実施する試験信号の送受信によりキャリブレーションを実現するTDD(Time Division Duplex)方式の通信装置が提案されている。この通信装置は、増幅器及び減衰率が可変の減衰器を有する。そして、この通信装置は、減衰器が試験信号を減衰させる場合に、減衰後の試験信号が使用可能な電力の信号となるように減衰率を制御する。
特表2002−530998号公報 特開2005−130323号公報 特表2007−531467号公報 特開2010−041269号公報 WO00/008777 特開2009−182441号公報
上記の方法では、TX回路に接続される信号線路(送信パス)で生じた誤差と、RX回路に接続される信号線路(受信パス)で生じた誤差とを区別していない。送信パスで生じている誤差を検出し、TX回路における振幅及び位相の制御に反映させることができれば、より効果的に誤差を抑制できる可能性がある。同様に、受信パスで生じている誤差をRX回路における振幅及び位相の制御に反映させることができれば、より効果的に誤差を低減できる可能性がある。
1つの側面によれば、本開示の目的は、各アンテナの受信パスで生じる振幅や位相の誤差を容易に検出することが可能な無線装置、及び検出方法を提供することにある。
一態様によれば、複数のアンテナを介して信号を送受信する無線部と、複数のアンテナのうち第1のアンテナから送信される信号を、第1のアンテナに隣接する第2のアンテナ及び第3のアンテナで受信するように無線部を制御し、第2のアンテナで受信された信号と第3のアンテナで受信された信号との間で少なくとも振幅又は位相の差分を検出する制御部とを有する、無線装置が提供される。
各アンテナの受信パスで生じる振幅や位相の誤差を容易に検出することができる。
第1実施形態に係る無線装置の一例を示した図である。 第2実施形態に係る無線装置の一例を示した図である。 第2実施形態に係るFPGAの機能の一例を示した図である。 アンテナの本数が奇数の場合における振幅・位相の補正方法について説明するための図である。 第2実施形態に係るRX補正方法(アンテナの本数が奇数の場合)について説明するための図である。 第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が奇数の場合)を示したフロー図である。 第2実施形態に係るTX補正方法(アンテナの本数が奇数の場合)について説明するための図である。 第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が奇数の場合)を示したフロー図である。 アンテナの本数が偶数の場合における振幅・位相の補正方法について説明するための図である。 アンテナグループ及びグループ間補正について説明するための図である。 第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第1のフロー図である。 第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第2のフロー図である。 第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第3のフロー図である。 第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第1のフロー図である。 第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第2のフロー図である。 第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第3のフロー図である。 RF回路の振幅・位相誤差を補正した場合の放射パターンと、補正前の放射パターンとを比較した図である。 第2実施形態に係る補正タイミングの制御について説明するための図である。 第2実施形態に係る振幅・位相の補正を実施する際の電力制御について説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
<1.第1実施形態>
図1を参照しながら、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、複数のアンテナを有する無線装置に関し、各アンテナの受信パスで生じる振幅・位相の誤差を検出する方法に関する。図1は、第1実施形態に係る無線装置の一例を示した図である。なお、図1に示した無線装置10は、第1実施形態に係る無線装置の一例である。
図1に示すように、無線装置10は、アンテナ11、12、13と、無線部14と、制御部15と、記憶部16とを有する。
無線部14は、アンテナ11、12、13のそれぞれに接続される複数のRF(Radio Frequency)回路を有する。RF回路は、信号を出力する送信回路(TX回路)及び信号が入力される受信回路(RX回路;図中の符号R)を含む。TX回路は、信号の振幅・位相を制御する。RX回路は、信号の振幅・位相を検出する。以下、TX回路から出力される信号がアンテナを介して送信されるまでの信号経路を送信パス、アンテナを介して受信される信号がRX回路に入力されるまでの信号経路を受信パスと呼ぶ場合がある。
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサである。記憶部16は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置、或いは、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
無線部14は、アンテナ11、12、13を介して信号Sigを送受信する。制御部15は、アンテナ11、12、13のうち第1のアンテナから送信される信号Sigを、第1のアンテナに隣接する第2のアンテナ及び第3のアンテナで受信するように無線部14を制御する。
図1の例では、アンテナ11、12、13が、アンテナ11、12、13の順に等間隔で配置されている。例えば、制御部15は、(A)に示すように、第1のアンテナ(TX)としてアンテナ11を選択する。また、制御部15は、第2のアンテナ(RX)及び第3のアンテナ(RX)として、アンテナ11に隣接するアンテナ12、13を選択する。そして、制御部15は、無線部14を制御し、アンテナ11から振幅A1、位相P1の信号を送信させ、その信号をアンテナ12、13で受信させる。
アンテナ11、12の距離と、アンテナ11、13の距離とは同じであるから、アンテナ11、12間で生じる振幅及び位相の変化量と、アンテナ11、13間で生じる振幅及び位相の変化量とは近似的に等しい。また、アンテナ12、13で受信される信号は同じアンテナ11から送信される信号であるから、送信パスにおいて生じる振幅及び位相の変化量はアンテナ12、13で受信される信号の間で等しい。
従って、アンテナ12で受信される信号の振幅及び位相と、アンテナ13で受信される信号の振幅及び位相との差分が、アンテナ12の受信パスで生じる振幅及び位相の変化量と、アンテナ13の受信パスで生じる振幅及び位相の変化量との差となる。
制御部15は、アンテナ12、13を介して無線部14が受信した信号の振幅及び位相の差分を検出する。なお、振幅の誤差が無視できる事情、或いは、位相の誤差が無視できる事情がある場合には、振幅及び位相の一方について差分を検出する仕組みに変形してもよい。制御部15は、検出した差分の情報を記憶部16に格納する。
アンテナ12に繋がるRX回路で検出された信号の振幅をA2と表記し、アンテナ13に繋がるRX回路で検出された信号の振幅をA3と表記すると、(A)の例では、記憶部16に差分dA23(dA23=A2−A3)の値が格納される。同様に、アンテナ12に対応する位相をP2、アンテナ13に対応する位相をP3と表記すると、(A)の例では、記憶部16に差分dP23(dP23=P2−P3)の値が格納される。
(B)の例は、アンテナ12を送信アンテナ(TX)とし、アンテナ11、13を受信アンテナ(RX)とする場合を示している。アンテナ11に繋がるRX回路で検出される信号の振幅をA1と表記すると、(B)の例では、記憶部16に差分dA13(dA13=A1−A3)の値が格納される。同様に、アンテナ11に対応する位相をP1と表記すると、(B)の例では、記憶部16に差分dP13(dP13=P1−P3)の値が格納される。
制御部15は、記憶部16を参照し、アンテナ12のRX回路で検出される振幅A2に差分dA23を加算し、位相P2に差分dP23を加算する((C)を参照)。この処理により、アンテナ12、13の受信パスで生じる誤差が補正される。また、制御部15は、記憶部16を参照し、アンテナ13のRX回路で検出される振幅A3に差分dA13を加算し、位相P3に差分dP13を加算する((C)を参照)。この処理により、アンテナ11、13の受信パスで生じる誤差が補正される。
なお、図1に示したA2m、A3mは補正後の振幅、P2m、P3mは補正後の位相を示す。上記の補正により、アンテナ11、12、13から等距離の送信点で同振幅、同位相の信号を出力した場合、アンテナ11、12、13のRX回路で受信される補正後の振幅及び位相は等しくなる。
上記のように、無線装置10によれば、外部アンテナ(無線装置10の外部に設置するアンテナ)を利用せず、受信パスの経年変化などに起因する振幅及び位相の誤差を容易に補正することが可能になる。また、無線装置10によれば、送信パス及び受信パスを区別し、受信パスで生じる誤差を検出して、検出した誤差をRX補正に反映させることで、受信パスで生じる誤差が効果的に補正される。
以上、第1実施形態について説明した。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、複数のアンテナを有する無線装置に関し、各アンテナの受信パスで生じる振幅・位相の誤差を補正する方法に関する。
[2−1.無線装置]
まず、図2を参照しながら、第2実施形態に係る無線装置の一例として、無線装置100について説明する。図2は、第2実施形態に係る無線装置の一例を示した図である。
図2に示すように、無線装置100は、例えば、RRH(Remote Radio Head)などの基地局装置であり、C−BBU(Centralized Base Band Unit)などの制御装置50に接続される。C−BBUは、複数のRRHを集中制御する制御装置の一例である。
無線装置100は、アンテナ101a、…、101h、RF回路102a、…、102h、及びFPGA103を有する。なお、図2の例では、説明の都合上、アンテナの本数が8本の場合を例に挙げているが、アンテナの本数は3以上の任意の数に変形することが可能である。アンテナ101a、…、101hには、それぞれRF回路102a、…、102hが接続されている。なお、RF回路102a、…、102hは同じ要素を有する。
(A)には、RF回路102hの主な要素が示されている。例えば、RF回路102hは、主な要素として、アンテナ101hで受信される信号の振幅及び位相を検出するRX回路や、アンテナ101hで送信される信号及び位相を制御するTX回路及びPA(Power Amplifier)を有する。また、RF回路102hは、アンテナ101hとRX回路とを結ぶ受信パスと、アンテナ101hとTX回路とを結ぶ送信パスとを切替えるサーキュレータ(Circulator)を有する。
また、RF回路102hは、FPGA103からTX回路へ向けて出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(Digital to Analog Converter)を有する。また、RF回路102hは、RX回路からFPGA103へ向けて出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Convertor)を有する。また、RF回路102hには、負帰還制御に用いるフィードバック信号(FB Signal)を取得する分岐線路などが設けられる。
無線装置100は、例えば、ビームフォーミングの機能を有する。この場合、FPGA103は、RF回路102a、…、102hをそれぞれ制御し、アンテナ101a、…、101hで同時に送受信される信号の振幅及び位相を調整して、アンテナ101a、…、101hで形成されるビームの指向性を制御する。
なお、アンテナ101a、…、101hに対応する送信パス及び受信パスは、設計上の都合などにより互いに異なる長さを有する場合がある。そのため、アンテナ101a、…、101hで出力される信号の振幅及び位相がRF回路102a、…、102hで適切に調整され、精度良く所望の方向にビームが向くように事前にRF回路102a、…、102hの調整値が設定される。しかし、送信パスや受信パスの経年劣化などに起因して振幅及び位相に誤差が生じることがある。そのため、第2実施形態に係るFPGA103は、このような誤差を補正する機能を有する。
図3に示すように、FPGA103は、上記の誤差を補正する機能の主な要素として、演算部131、RAM132、位相・振幅検出器133、スイッチ134、137、138、139、及びFIR(Finite Impulse Response)135a、…、135h、136a、…、136hを有する。図3は、第2実施形態に係るFPGAの機能の一例を示した図である。
演算部131は、FPGA103の演算処理機能を担う回路要素である。位相・振幅検出器133は、アンテナ101a、…、101hで受信される信号の位相と振幅とを検出する機能を担う回路要素である。スイッチ134は、FIR136a、…、136h(RF回路102a、…、102hのRX回路に対応)に接続される経路を切替えるスイッチである。
スイッチ137は、FIR135a、…、135h(RF回路102a、…、102hのTX回路に対応)のいずれかに至る経路と、FIR136a、…、136h(RF回路102a、…、102hのRX回路に対応)のいずれかに至る経路とを切替えるスイッチである。スイッチ138は、FIR135a、…、135h(RF回路102a、…、102hのTX回路に対応)に接続される経路を切替えるスイッチである。スイッチ139は、FIR136a、…、136h(RF回路102a、…、102hのRX回路に対応)に接続される経路を切替えるスイッチである。
FIR135a、…、135h、136a、…、136hは、通過する信号の振幅及び位相の特性を変化させる機能を担う回路要素である。FIR135a、…、135hは、スイッチ137、138を経由して演算部131から入力される制御信号(振幅及び位相のシフト量を指定する信号)に基づいて通過する信号の振幅及び位相を変化させる。FIR136a、…、136hは、スイッチ137、139を経由して演算部131から入力される制御信号(振幅及び位相のシフト量を指定する信号)に基づいて通過する信号の振幅及び位相を変化させる。
演算部131は、上記の補正を実施する際、送信アンテナと受信アンテナとの組み合わせを選択する。例えば、受信パスで生じる誤差を補正する場合、演算部131は、1本の送信アンテナと、送信アンテナに隣接する2本の受信アンテナとを選択する。そして、演算部131は、RF回路102a、…、102hのうち、選択した送信アンテナに対応するRF回路を制御して信号を送信する。
また、演算部131は、選択した2本の受信アンテナに対応する経路が位相・振幅検出器133に接続されるようにスイッチ134を切替える。位相・振幅検出器133は、スイッチ134を介して入力される各信号から振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。
演算部131は、RAM132に格納された振幅及び位相の情報から上記の誤差を検出し、誤差の補正対象となる受信パスに対応するFIRと演算部131とが接続されるようにスイッチ137、139を切替える。そして、演算部131は、振幅及び位相の誤差が打ち消されるように設定した振幅及び位相のシフト量を示す制御信号を出力する。演算部131に接続されたFIRは、演算部131から出力された制御信号を受け、その制御信号で指定されたシフト量だけ信号の振幅及び位相をシフトさせる。
一方、送信パスで生じる誤差を補正する場合、演算部131は、1本の受信アンテナと、受信アンテナに隣接する2本の送信アンテナとを選択する。そして、演算部131は、RF回路102a、…、102hのうち、選択した2本の送信アンテナに対応するRF回路を制御して同じ信号を送信する。
また、演算部131は、選択した受信アンテナに対応する経路が位相・振幅検出器133に接続されるようにスイッチ134を切替える。位相・振幅検出器133は、スイッチ134を介して入力される各信号から振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。
演算部131は、RAM132に格納された振幅及び位相の情報から上記の誤差を検出し、誤差の補正対象となる送信パスに対応するFIRと演算部131とが接続されるようにスイッチ137、138を切替える。そして、演算部131は、振幅及び位相の誤差が打ち消されるように設定した振幅及び位相のシフト量を示す制御信号を出力する。演算部131に接続されたFIRは、演算部131から出力された制御信号を受け、その制御信号で指定されたシフト量だけ信号の振幅及び位相をシフトさせる。
以下、受信パスで生じる誤差を補正する方法(RX補正)及び送信パスで生じる誤差を補正する方法(TX補正)について、さらに説明する。
[2−2.補正方法#1:奇数アンテナ]
まず、図4を参照しながら、アンテナの本数が奇数の場合におけるRX補正及びTX補正について説明する。図4は、アンテナの本数が奇数の場合における振幅・位相の補正方法について説明するための図である。
なお、図4の例では、説明の都合上、アンテナの本数を3本とし、無線装置100にはアンテナ101a、101b、101cが設けられているとする。また、アンテナ101a、101bの距離、アンテナ101b、101cの距離、アンテナ101c、101aの距離は等しいとする。
また、アンテナ101aの送信パスで生じる位相変化量をtPa、受信パスで生じる位相変化量をrPaと表記する。同様に、アンテナ101bの送信パスで生じる位相変化量をtPb、受信パスで生じる位相変化量をrPbと表記し、アンテナ101cの送信パスで生じる位相変化量をtPc、受信パスで生じる位相変化量をrPcと表記する。
また、隣接するアンテナ間(アンテナ101a、101b間、アンテナ101b、101c間、アンテナ101c、101a間)で生じる位相変化量をPspと表記する。また、tPi、tPj(i,j=a,b,c;i≠j)の差分をΔtPij(ΔtPij=tPi−tPj)と表記する。同様に、rPi、rPj(i,j=a,b,c;i≠j)の差分をΔrPij(ΔrPij=rPi−rPj)と表記する。
(RX補正)
まず、図5を参照しながら、RX補正について説明する。図5は、第2実施形態に係るRX補正方法(アンテナの本数が奇数の場合)について説明するための図である。
図5の例では、まず、(A)のように、アンテナ101a、101b、101cの中から送信アンテナ(TX)としてアンテナ101aが選択される。また、アンテナ101aに隣接するアンテナ101b、101cが受信アンテナ(RX)として選択される。この場合、アンテナ101aで送信された信号がアンテナ101b、101cで受信される。
アンテナ101aのTX回路から出力され、アンテナ101bのRX回路に入力されるまでの間に、信号の位相は、送信パスでtPaだけ変化し、空中でPspだけ変化し、受信パスでrPbだけ変化している。つまり、アンテナ101bで受信される信号の位相変化量は、(tPa+Psp+rPb)となる。同様に、アンテナ101cで受信される信号の位相変化量は、(tPa+Psp+rPc)となる。
従って、アンテナ101b、101cで受信される信号の位相差は(rPb−rPc)となる。つまり、アンテナ101b、101cの受信パスで生じる位相変化量の差分ΔrPbcが得られる。なお、アンテナ101b、101cの受信パスに経年変化などがなければ、ΔrPbcは0(無視できる大きさ)となる。
次に、アンテナ101a、101bの組み合わせに対応する受信パスの位相誤差を検出するため、(B)のように、アンテナ101a、101b、101cの中から送信アンテナ(TX)としてアンテナ101cが選択される。また、アンテナ101cに隣接するアンテナ101b、101aが受信アンテナ(RX)として選択される。この場合、アンテナ101cで送信された信号がアンテナ101b、101aで受信される。
アンテナ101cのTX回路から出力され、アンテナ101bのRX回路に入力されるまでの間に、信号の位相は、送信パスでtPcだけ変化し、空中でPspだけ変化し、受信パスでrPbだけ変化している。つまり、アンテナ101bで受信される信号の位相変化量は、(tPc+Psp+rPb)となる。同様に、アンテナ101aで受信される信号の位相変化量は、(tPc+Psp+rPa)となる。
従って、アンテナ101b、101aで受信される信号の位相差は(rPb−rPa)となる。つまり、アンテナ101b、101aの受信パスで生じる位相変化量の差分ΔrPba(−ΔrPab)が得られる。なお、アンテナ101b、101aの受信パスに経年変化などがなければ、ΔrPbaは0(無視できる大きさ)となる。同様に、(C)のように送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせを選択することで、アンテナ101c、101aの受信パスで生じる位相変化量の差分ΔrPca(−ΔrPac)が得られる。
なお、アンテナを選択する順序は上記の例に限定されない。また、アンテナの選択及び差分ΔrPij(i,j=a,b,c;i≠j)の計算は演算部131が実行する。また、演算部131は、差分ΔrPijが得られたタイミングで、受信アンテナの一方に対応する経路で信号の位相が差分ΔrPijだけシフトされるように、順次、その受信アンテナに対応するFIRによる位相のシフト量を制御する。
アンテナ数が奇数の場合、上記の方法で受信アンテナのペアを順次選択し、全てのペアについて位相変化量の差分を検出することで、検出した差分に基づいて各アンテナの受信パスで生じる位相誤差を補正することが可能になる。なお、上記の説明における位相変化量を振幅変化量に置き換えることで、同じ方法で振幅誤差の補正を実現できる。
ここで、図6を参照しながら、RX補正の際に無線装置100が実行する処理について、さらに説明する。図6は、第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が奇数の場合)を示したフロー図である。
なお、ここでは、説明の都合上、無線装置100が有するアンテナの本数をN本(Nは奇数)とし、n番目のアンテナをANT#nと表記する。また、ANT#m(m>N)はANT#(m−N)と同じアンテナを表す。また、ANT#m(m<1)はANT#(m+N)と同じアンテナを表す。また、ANT#1、ANT#2、…、ANT#Nは、インデックス#1、#2、…、#Nの順に等間隔で配置されているとする。
(S101)演算部131は、ANT#1を基準のアンテナとし、インデックスnを1に設定する。つまり、ANT#1、#2、…、#Nと等距離にある送信点から同じ信号を送信した場合に、ANT#2、…、#Nで受信される信号の振幅及び位相がANT#1で受信される信号の振幅及び位相と等しくなるように誤差が補正される。
(S102)演算部131は、送信アンテナ(TX)としてANT#nを選択する。
(S103)演算部131は、受信アンテナ(RX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを受信アンテナとして選択する。
(S104)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#nから信号を送信すると共に、ANT#nで送信された信号をANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信する。
(S105)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で受信された信号の位相と、ANT#(n+1)で受信された信号の位相との差分ΔrP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔrA(n-1)(n+1)を検出する。
なお、ANT#k(k=1,2,…,N)の送信パスで生じる位相変化量をtPk、受信パスで生じる位相変化量をrPkと表記する。また、ANT#kの送信パスで生じる振幅変化量をtAk、受信パスで生じる振幅変化量をrAkと表記する。ANT#(k−1)、ANT#(k+1)を受信アンテナとする場合、位相の差分ΔrP(k-1)(k+1)は(rP(k-1)−rP(k+1))となり、振幅の差分ΔrA(k-1)(k+1)は(rA(k-1)−rA(k+1))となる。
(S106)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の位相に差分ΔrP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の振幅に差分ΔrA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S107)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S108)演算部131は、全ての受信パスに関するRX補正(全てのRX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。例えば、演算部131は、選択しうる受信アンテナのペアを全て選択し終えた場合、RX補正を実施し終えたと判定する。RX補正を実施し終えた場合、図6に示した一連の処理は終了する。一方、RX補正を実施し終えていない場合、処理はS102へと進む。
以上、アンテナ本数が奇数の場合におけるRX補正について説明した。
(TX補正)
次に、図7を参照しながら、TX補正について説明する。図7は、第2実施形態に係るTX補正方法(アンテナの本数が奇数の場合)について説明するための図である。
図7の例では、まず、(A)のように、アンテナ101a、101b、101cの中から受信アンテナ(RX)としてアンテナ101aが選択される。また、アンテナ101aに隣接するアンテナ101b、101cが送信アンテナ(TX)として選択される。この場合、アンテナ101b、101cで送信された信号がアンテナ101aで受信される。
アンテナ101bのTX回路から出力され、アンテナ101aのRX回路に入力されるまでの間に、信号の位相は、送信パスでtPbだけ変化し、空中でPspだけ変化し、受信パスでrPaだけ変化している。つまり、アンテナ101aで受信される信号の位相変化量は、(tPb+Psp+rPa)となる。同様に、アンテナ101cで送信される信号の位相変化量は、(tPc+Psp+rPa)となる。
従って、アンテナ101b、101cで送信される信号の位相差は(tPb−tPc)となる。つまり、アンテナ101b、101cの送信パスで生じる位相変化量の差分ΔtPbcが得られる。なお、アンテナ101b、101cの送信パスに経年変化などがなければ、ΔtPbcは0(無視できる大きさ)となる。
次に、アンテナ101a、101bの組み合わせに対応する送信パスの位相誤差を検出するため、(B)のように、アンテナ101a、101b、101cの中から受信アンテナ(RX)としてアンテナ101cが選択される。また、アンテナ101cに隣接するアンテナ101b、101aが送信アンテナ(TX)として選択される。この場合、アンテナ101b、101aで送信された信号がアンテナ101cで受信される。
アンテナ101bのTX回路から出力され、アンテナ101cのRX回路に入力されるまでの間に、信号の位相は、送信パスでtPbだけ変化し、空中でPspだけ変化し、受信パスでrPcだけ変化している。つまり、アンテナ101bで送信される信号の位相変化量は、(tPb+Psp+rPc)となる。同様に、アンテナ101aで送信される信号の位相変化量は、(tPa+Psp+rPc)となる。
従って、アンテナ101b、101aで送信される信号の位相差は(tPb−tPa)となる。つまり、アンテナ101b、101aの送信パスで生じる位相変化量の差分ΔtPba(−ΔtPab)が得られる。なお、アンテナ101b、101aの送信パスに経年変化などがなければ、ΔtPbaは0(無視できる大きさ)となる。同様に、(C)のように送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせを選択することで、アンテナ101c、101aの送信パスで生じる位相変化量の差分ΔtPca(−ΔtPac)が得られる。
なお、アンテナを選択する順序は上記の例に限定されない。また、アンテナの選択及び差分ΔtPij(i,j=a,b,c;i≠j)の計算は演算部131が実行する。また、演算部131は、差分ΔtPijが得られたタイミングで、送信アンテナの一方に対応する経路で信号の位相が差分ΔtPijだけシフトされるように、順次、その送信アンテナに対応するFIRによる位相のシフト量を制御する。
アンテナ数が奇数の場合、上記の方法で送信アンテナのペアを順次選択し、全てのペアについて位相変化量の差分を検出することで、検出した差分に基づいて各アンテナの送信パスで生じる位相誤差を補正することが可能になる。なお、上記の説明における位相変化量を振幅変化量に置き換えることで、同じ方法で振幅誤差の補正を実現できる。
ここで、図8を参照しながら、TX補正の際に無線装置100が実行する処理について、さらに説明する。図8は、第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が奇数の場合)を示したフロー図である。
なお、ここでは、説明の都合上、無線装置100が有するアンテナの本数をN本(Nは奇数)とし、n番目のアンテナをANT#nと表記する。また、ANT#m(m>N)はANT#(m−N)と同じアンテナを表す。また、ANT#m(m<1)はANT#(m+N)と同じアンテナを表す。また、ANT#1、ANT#2、…、ANT#Nは、インデックス#1、#2、…、#Nの順に等間隔で配置されているとする。
(S111)演算部131は、ANT#1を基準のアンテナとし、インデックスnを1に設定する。つまり、ANT#1、#2、…、#Nと等距離にある受信点に向けて同じ信号を送信した場合に、ANT#2、…、#Nで送信される信号の振幅及び位相が、ANT#1で送信される信号の振幅及び位相と受信点で等しくなるように誤差が補正される。
(S112)演算部131は、受信アンテナ(RX)としてANT#nを選択する。
(S113)演算部131は、送信アンテナ(TX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを送信アンテナとして選択する。
(S114)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)から同じ信号を送信すると共に、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)から送信された信号をANT#nで受信する。
(S115)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で送信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で送信された信号の位相と、ANT#(n+1)で送信された信号の位相との差分ΔtP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔtA(n-1)(n+1)を検出する。
なお、ANT#k(k=1,2,…,N)の送信パスで生じる位相変化量をtPk、受信パスで生じる位相変化量をrPkと表記する。また、ANT#kの送信パスで生じる振幅変化量をtAk、受信パスで生じる振幅変化量をrAkと表記する。ANT#(k−1)、ANT#(k+1)を送信アンテナとする場合、位相の差分ΔtP(k-1)(k+1)は(tP(k-1)−tP(k+1))となり、振幅の差分ΔtA(k-1)(k+1)は(tA(k-1)−tA(k+1))となる。
(S116)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の位相に差分ΔtP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の振幅に差分ΔtA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S117)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S118)演算部131は、全ての受信パスに関するTX補正(全てのTX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。例えば、演算部131は、選択しうる送信アンテナのペアを全て選択し終えた場合、TX補正を実施し終えたと判定する。TX補正を実施し終えた場合、図8に示した一連の処理は終了する。一方、TX補正を実施し終えていない場合、処理はS112へと進む。
以上、アンテナ本数が奇数の場合におけるTX補正について説明した。
[2−3.補正方法#2:偶数アンテナ]
次に、図9を参照しながら、アンテナの本数が偶数の場合におけるRX補正及びTX補正について説明する。図9は、アンテナの本数が偶数の場合における振幅・位相の補正方法について説明するための図である。
なお、図9の例では、説明の都合上、アンテナの本数を4本とし、無線装置100にはアンテナ101a、101b、101c、101dが設けられているとする。また、アンテナ101a、101bの距離、アンテナ101b、101cの距離、アンテナ101c、101dの距離、アンテナ101d、101aの距離は等しいとする。
また、アンテナ101aの送信パスで生じる位相変化量をtPa、受信パスで生じる位相変化量をrPaと表記する。同様に、アンテナ101bの送信パスで生じる位相変化量をtPb、受信パスで生じる位相変化量をrPbと表記し、アンテナ101cの送信パスで生じる位相変化量をtPc、受信パスで生じる位相変化量をrPcと表記する。また、アンテナ101dの送信パスで生じる位相変化量をtPd、受信パスで生じる位相変化量をrPdと表記する。
また、隣接するアンテナ間(アンテナ101a、101b間、アンテナ101b、101c間、アンテナ101c、101d間、アンテナ101d、101a間)で生じる位相変化量をPspと表記する。また、tPi、tPj(i,j=a,b,c,d;i≠j)の差分をΔtPij(ΔtPij=tPi−tPj)と表記する。同様に、rPi、rPj(i,j=a,b,c,d;i≠j)の差分をΔrPij(ΔrPij=rPi−rPj)と表記する。
アンテナの本数が奇数の場合、送信アンテナを順に変更しながら、1本の送信アンテナと、その送信アンテナに隣接する2本の受信アンテナとを選択する選択方法で、各受信パスの誤差補正に利用する受信アンテナのペアを選択することができた。しかし、アンテナの本数が偶数の場合、上記の選択方法では、誤差が補正された2つのアンテナグループが得られ、アンテナグループ間の誤差が補正されずに残存する。
例えば、図9の例で位相のRX補正を実施する場合、アンテナ101bを送信アンテナとすると、アンテナ101a、101cが受信アンテナとして選択される。この選択により、アンテナ101a、101c間の誤差ΔrPacが補正される。また、アンテナ101cを送信アンテナとすると、アンテナ101b、101dが受信アンテナとして選択される。この選択により、アンテナ101b、101d間の誤差ΔrPbdが補正される。
同様に、アンテナ101dを送信アンテナとすると、アンテナ101c、101aが受信アンテナとして選択される。また、アンテナ101aを送信アンテナとすると、アンテナ101d、101bが受信アンテナとして選択される。これらの選択は、誤差ΔrPac(−ΔrPca)、ΔrPbd(−ΔrPdb)を与える。
つまり、アンテナ101a、101c間の誤差ΔrPac、及び、アンテナ101b、101d間の誤差ΔrPbdを補正することはできるが、アンテナ101a、101b間の誤差ΔrPabが補正されない。この場合、アンテナ101a、101cが一方のアンテナグループをなし、アンテナ101a、101bが他方のアンテナグループをなす。このような事情から、アンテナ数が偶数の無線装置100は、2つのアンテナグループ間の誤差を補正する機能(グループ間補正の機能)を有する。
ここで、図10を参照しながら、アンテナグループ及びグループ間補正について、さらに説明する。図10は、アンテナグループ及びグループ間補正について説明するための図である。なお、説明の都合上、ここではアンテナの本数を8本とし、各アンテナをインデックス#1、#2、…、#8で区別する。また、インデックス#k(k=1,2,…,8)のアンテナをANT#kと表記する。また、ANT#1、ANT#2、…、ANT#8は、図10に示すように、インデックスの順に等間隔で配置されているとする。
RX補正の場合、1本の送信アンテナと、送信アンテナに隣接する2本の受信アンテナが選択される。例えば、ANT#1を送信アンテナとすると、ANT#8、ANT#2が受信アンテナとして選択される。そのため、ANT#8、ANT#2の間における誤差ΔrP28を補正することができる。
同様に、ANT#k(k=2,…,8)を送信アンテナとして選択した場合、ANT#(k−1)、ANT#(k+1)が受信アンテナとして選択される。但し、ANT#m(m<1)はANT#(m+8)と同じアンテナを示し、ANT#m(m>8)はANT#(m−8)と同じアンテナを示す。そして、ANT#(k−1)、ANT#(k+1)の間における誤差ΔrP(k-1)(k+1)が補正される。
一方のアンテナグループは、奇数のインデックスを有するアンテナの集合(奇数アンテナグループ;ANT#1、ANT#3、ANT#5、ANT#7)となる。上記の補正方法を適用することで、奇数アンテナグループのアンテナについては受信パスで生じる誤差が補正された状態になる。つまり、図10の鎖線で結ばれたアンテナの組(奇数アンテナグループ)は、相互に振幅及び位相が正しく補正された状態にある。
他方のアンテナグループは、偶数のインデックスを有するアンテナの集合(偶数アンテナグループ;ANT#2、ANT#4、ANT#6、ANT#8)となる。上記の補正方法を適用することで、偶数アンテナグループのアンテナについては受信パスで生じる誤差が補正された状態になる。つまり、図10の実線で結ばれたアンテナの組(偶数アンテナグループ)は、相互に振幅及び位相が正しく補正された状態にある。
奇数アンテナグループと偶数アンテナグループとの間で、振幅及び位相の誤差を補正するため、演算部131は、1本の送信アンテナと、3本の受信アンテナとの組を選択する。例えば、送信アンテナが奇数アンテナグループのアンテナである場合、演算部131は、偶数アンテナグループの中から、送信アンテナと等距離にある2本のアンテナを受信アンテナとして選択する。また、演算部131は、奇数アンテナグループの中から、2本の受信アンテナと等距離にある1本のアンテナを受信アンテナとして選択する。
そして、演算部131は、RF回路を制御して、選択した送信アンテナから信号を送信し、その信号を3本の受信アンテナで受信する。例えば、演算部131は、ANT#1を送信アンテナ、ANT#4、ANT#5、ANT#6を受信アンテナとして選択する。ANT#k(k=4,5,6)に対応するRX回路で受信された信号の位相をgPrkとすると、奇数アンテナグループと偶数アンテナグループとの間にある位相の誤差ΔgPr(グループ間誤差)は、{(gPr5−gPr4)−(gPr5−gPr6)}で与えられる。
つまり、送信アンテナと同じアンテナグループの中から選択された受信アンテナと、送信アンテナと異なるアンテナグループの中から選択された各受信アンテナとの間の位相誤差を求めるとグループ間誤差が得られる。演算部131は、上記の方法によりグループ間誤差ΔgPrを検出し、一方のアンテナグループに含まれる各アンテナで受信される信号の位相をグループ間誤差ΔgPrだけシフトさせる。例えば、演算部131は、ANT#2、#4、#6、#8のRX回路から出力される信号の位相がΔgPrだけシフトするように、そのRX回路に対応するFIRを制御する。
なお、振幅誤差の補正についても同様である。また、TX補正の場合には、送信アンテナのアンテナグループが形成されるため、上記の説明における送信アンテナと受信アンテナとを読み替えることで、同様にTX補正に適用される。
(RX補正)
ここで、図11〜図13を参照しながら、アンテナ数が偶数の場合におけるRX補正の際に無線装置100が実行する処理について、さらに説明する。
図11は、第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第1のフロー図である。図12は、第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第2のフロー図である。図13は、第2実施形態に係るRX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第3のフロー図である。
なお、ここでは、説明の都合上、無線装置100が有するアンテナの本数をN本(Nは偶数)とし、n番目のアンテナをANT#nと表記する。また、ANT#m(m>N)はANT#(m−N)と同じアンテナを表す。また、ANT#m(m<1)はANT#(m+N)と同じアンテナを表す。また、ANT#1、ANT#2、…、ANT#Nは、インデックス#1、#2、…、#Nの順に等間隔で配置されているとする。
(S201)演算部131は、ANT#1を基準のアンテナとし、インデックスnを1に設定する。
(S202)演算部131は、送信アンテナ(TX)としてANT#nを選択する。
(S203)演算部131は、受信アンテナ(RX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを受信アンテナとして選択する。
(S204)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#nから信号を送信すると共に、ANT#nで送信された信号をANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信する。
(S205)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で受信された信号の位相と、ANT#(n+1)で受信された信号の位相との差分ΔrP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔrA(n-1)(n+1)を検出する。
なお、ANT#k(k=1,2,…,N)の送信パスで生じる位相変化量をtPk、受信パスで生じる位相変化量をrPkと表記する。また、ANT#kの送信パスで生じる振幅変化量をtAk、受信パスで生じる振幅変化量をrAkと表記する。ANT#(k−1)、ANT#(k+1)を受信アンテナとする場合、位相の差分ΔrP(k-1)(k+1)は(rP(k-1)−rP(k+1))となり、振幅の差分ΔrA(k-1)(k+1)は(rA(k-1)−rA(k+1))となる。
(S206)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の位相に差分ΔrP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の振幅に差分ΔrA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S207)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S208)演算部131は、半数の受信パスに関するRX補正(半数のRX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。
S201でnが1に設定されるため、S202では奇数のインデックスを有するアンテナが送信アンテナとして選択される。そのため、S202からS207において、偶数アンテナグループのアンテナに対応する受信パスのRX補正が実施される。
例えば、演算部131は、選択しうる受信アンテナのペアを全て選択し終えた場合(n>Nの場合)、半数のRX補正を実施し終えたと判定する。半数のRX補正を実施し終えた場合、処理はS209へと進む。一方、RX補正を実施し終えていない場合、処理はS202へと進む。
(S209)演算部131は、インデックスnを2に設定する。つまり、奇数アンテナグループのアンテナに対応する受信パスをRX補正の対象に設定する。
(S210)演算部131は、送信アンテナ(TX)としてANT#nを選択する。
(S211)演算部131は、受信アンテナ(RX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを受信アンテナとして選択する。
(S212)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#nから信号を送信すると共に、ANT#nで送信された信号をANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信する。
(S213)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で受信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で受信された信号の位相と、ANT#(n+1)で受信された信号の位相との差分ΔrP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔrA(n-1)(n+1)を検出する。
(S214)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の位相に差分ΔrP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたRX回路から出力される信号の振幅に差分ΔrA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのRX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S215)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S216)演算部131は、残り半数の受信パスに関するRX補正(残り半数のRX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。
S209でnが2に設定されるため、S210では偶数のインデックスを有するアンテナが送信アンテナとして選択される。そのため、S210からS215において、奇数アンテナグループのアンテナに対応する受信パスのRX補正が実施される。
例えば、演算部131は、選択しうる受信アンテナのペアを全て選択し終えた場合(n>Nの場合)、半数のRX補正を実施し終えたと判定する。半数のRX補正を実施し終えた場合、処理はS217へと進む。一方、RX補正を実施し終えていない場合、処理はS210へと進む。
(S217)演算部131は、グループ間補正を実施するため、送信アンテナ(TX)としてANT#1を選択する。ANT#1は奇数アンテナグループに属する。
(S218)演算部131は、受信アンテナ(RX)として、ANT#4、ANT#5、ANT#6を選択する。ANT#4、ANT#6は、ANT#1とは異なる偶数アンテナグループに属し、ANT#1から等距離にあるアンテナペアである。ANT#5は、ANT#1と同じ奇数アンテナグループに属し、ANT#4、#6から等距離にあるアンテナである。
(S219)演算部131は、ANT#1で送信された信号をANT#4、ANT#5、ANT#6で受信するようにRF回路を制御する。ANT#4のRX回路で受信した振幅gAr4及び位相gPr4、ANT#5のRX回路で受信した振幅gAr5及び位相gPr5、ANT#6のRX回路で受信した振幅gAr6及び位相gPr6は位相・振幅検出器133により検出され、検出された振幅及び位相の情報がRAM132に格納される。
(S220)演算部131は、RAM132を参照し、振幅及び位相の情報(gAr4,gPr4)、(gAr5,gPr5)、(gAr6,gPr6)から、下記の式(1)及び式(2)に基づいて位相のグループ間誤差ΔgPr及び振幅のグループ間誤差ΔgArを計算する。
ΔgPr=(gPr5−gPr4)−(gPr5−gPr6
…(1)
ΔgAr=(gAr5−gAr4)−(gAr5−gAr6
…(2)
(S221)演算部131は、奇数アンテナグループに属する全てのANT#k(kは奇数)に接続されたRX回路が出力する信号の位相にΔgPr(グループ間の差分)が加算されるようにFIRを制御する。また、演算部131は、奇数アンテナグループに属する全てのANT#k(kは奇数)に接続されたRX回路が出力する信号の振幅にΔgAr(グループ間の差分)が加算されるようにFIRを制御する。つまり、演算部131は、ΔgPr及びΔgArを用いてグループ間誤差を補正する。
S221の処理が完了すると、図11〜図13に示した一連の処理は終了する。上記の方法を適用することでグループ間誤差が補正されるため、アンテナ数が偶数の場合でも全ての受信パスについてRX補正を実現することができる。
(TX補正)
次に、図14〜図16を参照しながら、アンテナ数が偶数の場合におけるTX補正の際に無線装置100が実行する処理について、さらに説明する。
図14は、第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第1のフロー図である。図15は、第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第2のフロー図である。図16は、第2実施形態に係るTX補正に関して無線装置が実行する処理の流れ(アンテナの本数が偶数の場合)を示した第3のフロー図である。
(S231)演算部131は、ANT#1を基準のアンテナとし、インデックスnを1に設定する。
(S232)演算部131は、受信アンテナ(RX)としてANT#nを選択する。
(S233)演算部131は、送信アンテナ(TX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを送信アンテナとして選択する。
(S234)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)から信号を送信すると共に、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で送信された信号をANT#nで受信する。
(S235)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で送信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で送信された信号の位相と、ANT#(n+1)で送信された信号の位相との差分ΔtP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔtA(n-1)(n+1)を検出する。
なお、ANT#k(k=1,2,…,N)の送信パスで生じる位相変化量をtPk、受信パスで生じる位相変化量をrPkと表記する。また、ANT#kの送信パスで生じる振幅変化量をtAk、受信パスで生じる振幅変化量をrAkと表記する。ANT#(k−1)、ANT#(k+1)を送信アンテナとする場合、位相の差分ΔtP(k-1)(k+1)は(tP(k-1)−tP(k+1))となり、振幅の差分ΔtA(k-1)(k+1)は(tA(k-1)−tA(k+1))となる。
(S236)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の位相に差分ΔtP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の振幅に差分ΔtA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S237)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S238)演算部131は、半数の受信パスに関するTX補正(半数のTX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。
S231でnが1に設定されるため、S232では奇数のインデックスを有するアンテナが受信アンテナとして選択される。そのため、S232からS237において、偶数アンテナグループのアンテナに対応する送信パスのTX補正が実施される。
例えば、演算部131は、選択しうる送信アンテナのペアを全て選択し終えた場合(n>Nの場合)、半数のTX補正を実施し終えたと判定する。半数のTX補正を実施し終えた場合、処理はS239へと進む。一方、TX補正を実施し終えていない場合、処理はS232へと進む。
(S239)演算部131は、インデックスnを2に設定する。つまり、奇数アンテナグループのアンテナに対応する送信パスをTX補正の対象に設定する。
(S240)演算部131は、受信アンテナ(RX)としてANT#nを選択する。
(S241)演算部131は、送信アンテナ(TX)として、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)を選択する。つまり、演算部131は、ANT#nに隣接する2本のアンテナを送信アンテナとして選択する。
(S242)演算部131は、RF回路を制御して、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)から信号を送信すると共に、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で送信された信号をANT#nで受信する。
(S243)位相・振幅検出器133は、ANT#(n−1)、ANT#(n+1)で送信された信号の振幅及び位相を検出し、検出した振幅及び位相の情報をRAM132に格納する。演算部131は、RAM132に格納された情報を参照し、ANT#(n−1)で送信された信号の位相と、ANT#(n+1)で送信された信号の位相との差分ΔtP(n-1)(n+1)を検出する。演算部131は、同様の方法で振幅の差分ΔtA(n-1)(n+1)を検出する。
(S244)演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の位相に差分ΔtP(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに位相のシフト量を設定する。また、演算部131は、ANT#(n+1)に接続されたTX回路から出力される信号の振幅に差分ΔtA(n-1)(n+1)が加算されるように、そのTX回路に対応するFIRに振幅のシフト量を設定する。
(S245)演算部131は、インデックスnを2インクリメントする。
(S246)演算部131は、半数の受信パスに関するTX補正(残り半数のTX回路から出力される信号の振幅及び位相に関する補正)を実施し終えたか否かを判定する。
S239でnが2に設定されるため、S240では偶数のインデックスを有するアンテナが受信アンテナとして選択される。そのため、S240からS245において、奇数アンテナグループのアンテナに対応する送信パスのTX補正が実施される。
例えば、演算部131は、選択しうる送信アンテナのペアを全て選択し終えた場合(n>Nの場合)、残り半数のTX補正を実施し終えたと判定する。残り半数のTX補正を実施し終えた場合、処理はS247へと進む。一方、TX補正を実施し終えていない場合、処理はS240へと進む。
(S247)演算部131は、グループ間補正を実施するため、受信アンテナ(RX)としてANT#1を選択する。ANT#1は奇数アンテナグループに属する。
(S248)演算部131は、送信アンテナ(TX)として、ANT#4、ANT#5、ANT#6を選択する。ANT#4、ANT#6は、ANT#1とは異なる偶数アンテナグループに属し、ANT#1から等距離にあるアンテナペアである。ANT#5は、ANT#1と同じ奇数アンテナグループに属し、ANT#4、#6から等距離にあるアンテナである。
(S249)演算部131は、ANT#4、ANT#5、ANT#6で送信された信号をANT#1で受信するようにRF回路を制御する。
ANT#4で送信してANT#1のRX回路で受信した振幅gAt4及び位相gPt4、ANT#5で送信してANT#1のRX回路で受信した振幅gAt5及び位相gPt5は位相・振幅検出器133により検出され、検出された振幅及び位相の情報がRAM132に格納される。また、ANT#6で送信してANT#1のRX回路で受信した振幅gAt6及び位相gPt6は位相・振幅検出器133により検出され、検出された振幅及び位相の情報がRAM132に格納される。
(S250)演算部131は、RAM132を参照し、振幅及び位相の情報(gAt4,gPt4)、(gAt5,gPt5)、(gAt6,gPt6)から、下記の式(3)及び式(4)に基づいて位相のグループ間誤差ΔgPt及び振幅のグループ間誤差ΔgAtを計算する。
ΔgPt=(gPt5−gPt4)−(gPt5−gPt6
…(3)
ΔgAt=(gAt5−gAt4)−(gAt5−gAt6
…(4)
(S251)演算部131は、奇数アンテナグループに属する全てのANT#k(kは奇数)に接続されたTX回路が出力する信号の位相にΔgPt(グループ間の差分)が加算されるようにFIRを制御する。また、演算部131は、奇数アンテナグループに属する全てのANT#k(kは奇数)に接続されたTX回路が出力する信号の振幅にΔgAt(グループ間の差分)が加算されるようにFIRを制御する。つまり、演算部131は、ΔgPt及びΔgAtを用いてグループ間誤差を補正する。
S251の処理が完了すると、図14〜図16に示した一連の処理は終了する。上記の方法を適用することでグループ間誤差が補正されるため、アンテナ数が奇数の場合でも全ての送信パスについてTX補正を実現することができる。
(ビーム特性の向上)
上述した第2実施形態の技術を適用し、送信パス及び受信パスで生じる誤差を補正すると、図17に示すように、ビームの指向性が改善する。図17は、RF回路の振幅・位相誤差を補正した場合の放射パターンと、補正前の放射パターンとを比較した図である。
(A)は、誤差を補正する前の放射パターンである。(A)のハッチングを施した部分がビームの拡がりを表している。(A)に示すように、上記の誤差が生じていると、サイドローブが大きく拡がる。そのため、隣接セルへの干渉が大きくなる。一方、(B)は誤差を補正した後の放射パターンである。(A)(B)の放射パターンを比較すると、(B)ではサイドローブの拡がりが抑制されていることが分かる。つまり、上述した第2実施形態の技術を適用することでセル間干渉を抑制する効果が得られることが分かる。
[2−4.補正タイミング・電力制御]
さて、上述した第2実施形態の技術は様々な無線通信システムに適用可能である。例えば、TDD方式を採用する無線通信システムにも適用しうる。一例として、TDD−LTE(Long Term Evolution)方式では、図18に示すように、上りリンク(Uplink)及び下りリンク(Downlink)の通信タイミングが規定されている。なお、図18は、第2実施形態に係る補正タイミングの制御について説明するための図である。
図18のように、1つのSFN(Single Frequency Network)が複数の区間(0から9の区間)に分けられ、各区間に下りリンクの通信が許容される下り区間(D)及び上りリンクの通信が許容される上り区間(U)が設定されている。また、下り区間(D)と上り区間(U)とが切替わる周期(Switch point periodicity)が設定され、その設定に従って下り区間(D)と上り区間(U)との間の切替えが実施される。
また、下り区間(D)と上り区間(U)とが切替わるタイミングで、下り区間(D)と上り区間(U)との間にスペシャルサブフレーム(S)が挿入される。スペシャルサブフレーム(S)は、3種類の区間(DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、GAP、UpPTS(Uplink PTS))に分けられている。GAPは、送信も受信も実施されない区間である。なお、DLは下り区間、ULは上り区間である。
TDD方式の場合、送受信で同一周波数が利用される。そして、全てのアンテナに対応する送受信ユニットは同期しているため、1つのユニットが送信中に同じタイミングで他のユニットが受信することはない。そのため、1つのアンテナアレイに含まれる複数のアンテナを送信及び受信に割り当てる第2実施形態の補正方法を適用する場合、GAP区間を利用して誤差の検出を実施するのが好適である。
例えば、ANT#1、…、ANT#4を利用する場合、図19に示すように、GAP区間を利用してANT#1、ANT#2、…で信号を順次送信し、ANT#2、ANT#3、…で順次受信するように誤差検出に利用する信号の送受信タイミングが制御される。図19は、第2実施形態に係る振幅・位相の補正を実施する際の電力制御について説明するための図である。
なお、図19のMAXは送信電力が最大の状態、OFFは送信電力が最小の状態、LOWは送信電力が低い状態を示す。また、ONは信号を受信する状態、DETは誤差補正に利用する信号を検出する状態を示す。また、図19の二点鎖線は、送信電力のタイムマスクを示す。タイムマスクは、OFF状態とON状態(MAX)との間の遷移や送信信号の最大起動時間を規定する。GAP区間ではOFF状態への遷移が求められるため、誤差補正用の信号送信に利用する電力は、電波法に抵触しないように、GAP区間におけるタイムマスクの値を下回る大きさに設定される。
以上、第2実施形態について説明した。
10 無線装置
11、12、13 アンテナ
14 無線部
15 制御部
16 記憶部
1、A2、A3、A2m、A3m 振幅
1、P2、P3、P2m、P3m 位相
dA12、dA13、dA23、dP12、dP13、dP23 差分
Sig 信号

Claims (6)

  1. 複数のアンテナを介して信号を送受信する無線部と、
    前記複数のアンテナのうち第1のアンテナから送信される信号を、前記第1のアンテナに隣接する第2のアンテナ及び第3のアンテナで受信するように前記無線部を制御し、前記第2のアンテナで受信された信号と前記第3のアンテナで受信された信号との間で少なくとも振幅又は位相の差分を検出する制御部と
    を有する、無線装置。
  2. 前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間の距離と、前記第1のアンテナと前記第3のアンテナとの間の距離とは等しく、
    前記制御部は、前記第2のアンテナで受信される信号と、前記第3のアンテナで受信される信号との間に生じる前記少なくとも振幅又は位相の誤差を前記差分に基づいて補正する
    請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記無線部は、上りリンクと下りリンクとが切替わるタイミングで前記上りリンクのフレームと前記下りリンクのフレームとの間に、送受信が行われない所定のフレームが挟まれる時分割多重伝送方式により信号を送受信し、
    前記制御部は、前記差分を検出するための信号を前記所定のフレームを利用して送受信するように前記無線部を制御する
    請求項1に記載の無線装置。
  4. 前記複数のアンテナに含まれるアンテナの本数は4以上の偶数であり、
    前記制御部は、
    前記複数のアンテナのうち奇数番目のアンテナの集合について前記誤差を補正し、
    前記複数のアンテナのうち偶数番目のアンテナの集合について前記誤差を補正し、
    前記奇数番目のアンテナで受信される信号と、前記偶数番目のアンテナで受信される信号との間に生じる前記誤差を補正する
    請求項2に記載の無線装置。
  5. 前記制御部は、前記複数のアンテナのうち第4のアンテナに隣接する第5のアンテナ及び第6のアンテナから送信される信号を、前記第4のアンテナで受信するように前記無線部を制御し、前記第5のアンテナで送信された信号と前記第6のアンテナで送信された信号との間で少なくとも振幅又は位相の差分を検出する
    請求項1に記載の無線装置。
  6. 複数のアンテナを介して信号を送受信する無線装置が、
    前記複数のアンテナのうち第1のアンテナから送信される信号を、前記第1のアンテナに隣接する第2のアンテナ及び第3のアンテナで受信し、前記第2のアンテナで受信された信号と前記第3のアンテナで受信された信号との間で少なくとも振幅又は位相の差分を検出する
    検出方法。
JP2016161639A 2016-08-22 2016-08-22 無線装置、及び検出方法 Pending JP2018032893A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161639A JP2018032893A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 無線装置、及び検出方法
US15/652,850 US20180054263A1 (en) 2016-08-22 2017-07-18 Radio apparatus and detection method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161639A JP2018032893A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 無線装置、及び検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018032893A true JP2018032893A (ja) 2018-03-01

Family

ID=61190860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016161639A Pending JP2018032893A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 無線装置、及び検出方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20180054263A1 (ja)
JP (1) JP2018032893A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11588560B2 (en) * 2020-02-21 2023-02-21 Qualcomm Incorporated Adaptation of transmit and receive antennas

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ID27970A (id) * 1998-08-05 2001-05-03 Sanyo Electric Co Radas radio dan metode kalibrasi untuk itu
US20060019712A1 (en) * 2001-11-14 2006-01-26 Seung-Won Choi Calibration apparatus for smart antenna and method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US20180054263A1 (en) 2018-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106489242B (zh) 无线基站
JP6600053B2 (ja) 無線通信システムにおけるビームフォーミングを用いた通信方法及び装置
US7643852B2 (en) Method to calibrate RF paths of an FHOP adaptive base station
KR102036210B1 (ko) 빔포밍 시스템에서 단말의 셀 탐색을 위한 방법 및 장치
US8958412B2 (en) Methods and apparatus for uplink timing alignment in system with large number of antennas
US20180198537A1 (en) Technique For Calibrating An Antenna Array
WO2017097033A1 (zh) 波束处理方法、初始波束发现方法及基站和终端
KR20060129241A (ko) 배열 안테나 전송 링크의 조정 설비 및 방법
US20120020396A1 (en) Calibration of smart antenna systems
CN116193503A (zh) 在无线通信系统中发送、接收信道状态信息的方法及装置
US8818291B2 (en) Method and device for antenna calibration
KR101513846B1 (ko) 아날로그 빔 조향을 이용하여 신호를 전달하기 위한 방법, 송신 스테이션, 수신 스테이션 및 프리앰블 구조
WO2017003966A1 (en) Single channel full duplex wireless base station or access point
KR20170006639A (ko) 무선 주파수 모듈에서의 교정장치 및 방법
JP5520207B2 (ja) 通信装置及び通信方法
JP5546295B2 (ja) 無線通信システムおよび基地局制御装置
JP2018032893A (ja) 無線装置、及び検出方法
JP5536614B2 (ja) 通信装置及び通信方法
JP3547703B2 (ja) 適応アレーアンテナ送受信装置
KR101994325B1 (ko) 통신 시스템에서 어레이 안테나 장치 및 그 제어 방법
JP2008294750A (ja) 通信装置、通信方法、通信システム及びプログラム
US20230239022A1 (en) Multilayer digital sector for advanced antenna systems
US10581642B2 (en) Transmission control device, radio communication system, and radio resource allocation method
US8374301B2 (en) Wireless relay apparatus and wireless relay method
CN118140433A (zh) 使用非互易中继器和空间馈电中继器的无线通信