JP4394416B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、アダプティブアレイアンテナを備えた基地局装置などの無線通信装置に関し、特に、運用中にアンテナのキャリブレーションに関する特性が変化するような場合においても、適切なアンテナキャリブレーションを実現する無線通信装置に関する。
例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動体無線通信システムでは、複数のアンテナから構成されるアダプティブアレイアンテナを備えた基地局装置により移動局装置との間で無線通信することが行われている。
また、このような基地局装置では、各アンテナにおける送信処理と受信処理との間の誤差や、複数のアンテナにおける送信処理の間の誤差或いは受信処理の間の誤差を補正(キャリブレーション)するために、アンテナのキャリブレーションの処理が行われる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−261668号公報
しかしながら、従来におけるアダプティブアレイアンテナを備えた基地局装置では、例えば、運用中にアンテナのキャリブレーションに関する特性が変化してしまうようなことが生じ、このため、適切なアンテナキャリブレーションが実現されなくなってしまうといった問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、例えば、運用中にアンテナのキャリブレーションに関する特性が変化するような場合においても、適切なアンテナキャリブレーションを実現することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信装置では、複数のアンテナを備え、次のようにして、1又は2以上のアンテナを用いて無線により通信するとともに、1又は2以上のアンテナを用いてアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行する。
すなわち、アンテナ割り当て切り替え手段が、複数のアンテナの中で、無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるアンテナの割り当てを切り替える。そして、無線通信手段が、アンテナ割り当て切り替え手段により無線通信に用いるものとして割り当てられたアンテナを用いて、無線により通信する。また、アンテナキャリブレーション処理実行手段が、アンテナ割り当て切り替え手段によりアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるものとして割り当てられたアンテナを用いて、アンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行する。
従って、複数のアンテナの中で、無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるアンテナの割り当てが切り替えられるため、種々な環境や状況に対応した無線通信やキャリブレーション処理が可能である。例えば、通信相手との無線通信の実行中(運用中)に、無線通信に用いられているアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行することにより、運用中に当該アンテナ系のキャリブレーションに関する特性が変化するような場合においても、適切なアンテナキャリブレーションを実現することができる。
ここで、無線通信装置に備えられる複数のアンテナの総数としては、種々な数が用いられてもよく、一例として、無線通信に用いられるアレイアンテナを構成する2以上のアンテナと、キャリブレーション処理を実行するために用いられる1つのアンテナが備えられる。
また、無線通信に用いられるアンテナの数としては、特に限定はなく、1つであってもよく、或いは、2以上であってもよい。
また、アンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いられるアンテナの数としては、特に限定はなく、1つであってもよく、或いは、2以上であってもよい。
また、無線通信としては、例えば、通信相手となる無線通信装置に対して信号を無線により送信することや、通信相手となる無線通信装置から無線により送信された信号を受信することが行われる。
また、アンテナ系に関するキャリブレーション処理としては、種々な処理が用いられてもよく、例えば、無線通信に用いられるアンテナの系の送信や受信や送受信に関する信号振幅の誤差や信号位相の誤差を補正するための処理が用いられる。
また、複数のアンテナの中で無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるアンテナの割り当てを切り替える態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、運用中に動的に切り替える態様を用いることもできる。
また、アンテナ割り当て切り替え手段による切り替えを行うタイミングとしては、種々なタイミングが用いられてもよく、例えば、定期的なタイミングが用いられてもよく、また、例えば、ガードタイムの期間のように、実質的に情報の無線通信が行われない期間にアンテナ割り当ての切り替えを行うような態様を用いることもできる。
本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、次のような構成とする。
すなわち、無線通信手段により通信相手から無線受信する通信信号の周波数(第1周波数)と、無線通信手段により通信相手に対して無線送信する通信信号の周波数(第2周波数)とは異なっている。
そして、それぞれのアンテナ系では、受信信号処理経路とキャリブレーション処理系路を備え、使用処理経路切り替え手段が受信信号処理系路とキャリブレーション処理経路とで使用する処理系路を切り替える。
また、受信信号処理経路では、第1周波数成分抽出手段がアンテナにより無線受信される信号から第1周波数の成分を抽出し、増幅手段が第1周波数成分抽出手段による抽出結果を増幅させ、第1の周波数変換手段が増幅手段による増幅結果を所定の周波数の信号へ変換する。
また、キャリブレーション処理系路では、第2周波数成分抽出手段がアンテナにより無線受信される信号から第2周波数の成分を抽出し、減衰手段が第2周波数成分抽出手段による抽出結果を減衰させ、第2の周波数変換手段が減衰手段による減衰結果を所定の周波数の信号へ変換する。
従って、アンテナ系では、例えば、通信相手から無線受信される信号を受信信号処理経路により処理する状態と、他のアンテナ系から無線送信される信号を受信してキャリブレーション処理系路により処理してキャリブレーション処理を実行する状態とを切り替えることが可能である。
ここで、通信相手としては、種々なものが用いられてもよい。一例として、本発明に係る無線通信装置を移動体無線通信システムの基地局装置に適用した場合には、通信相手として移動局装置などを用いることができる。
また、通信相手から無線受信する通信信号や、通信相手に対して無線送信する通信信号としては、それぞれ、種々な信号が用いられてもよい。
また、第1周波数や、第2周波数としては、それぞれ、種々な周波数が用いられてもよい。
また、アンテナ系のキャリブレーション処理を実行するために使用される信号としては、例えば、通信相手に対して無線送信する通信信号が用いられてもよく、或いは、キャリブレーションに専用の信号が用意されて用いられてもよい。
また、第1の周波数変換手段による変換後の所定の周波数の信号の当該周波数と、第2の周波数変換手段による変換後の所定の周波数の信号の当該周波数としては、それぞれ、種々な周波数が用いられてもよく、例えば、互いに同一の周波数が用いられる。
本発明に係る無線通信装置では、例えば、それぞれのアンテナについて、送信系と受信系とで共通のアンテナが共用される、或いは、送信系と受信系とで別個なアンテナが用いられる。
ここで、それぞれのアンテナとしては、種々なアンテナが用いられてもよい。また、種々なアンテナの配置が用いられてもよい。
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
一構成例として、無線通信に用いられるアンテナから無線送信される信号(例えば、通信信号、或いは、キャリブレーション用の信号)を、アンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いられるアンテナにより受信し、当該受信結果に基づいて、アンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行する。例えば、アンテナ系について送信と受信との間のキャリブレーション(送受信キャリブレーション)などを実行する。
一構成例として、無線通信に用いられる複数のアンテナ系に対して1つずつ順番にキャリブレーション処理を実行していく。
一構成例として、複数のアンテナの中で、1つのアンテナがアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いられ、残りのアンテナが無線通信に用いられる。
一構成例として、複数のアンテナの中で、2以上のアンテナがアンテナ系に関するキャリブレーション処理に用いられ、残りのアンテナが無線通信に用いられる。
一構成例として、無線通信では、複数のアンテナがアレイアンテナとして用いられる。例えば、複数のアンテナがアダプティブアレイアンテナとして用いられる。
一構成例として、いずれかのアンテナの系に障害が発生した場合には、残りのアンテナの中で無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理に用いるアンテナが割り当てられる。
ここで、アンテナ系の障害としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、アンテナの障害や、アンテナ以外の受信回路などの障害が用いられる。
一構成例として、いずれかのアンテナの系に障害が発生した場合には、障害が発生したアンテナ系の数と同数のアンテナを無線通信に用いる複数のアンテナから除外する。
一構成例として、いずれかのアンテナに障害が発生した場合には、その旨を管理側などへ通知する。
一構成例として、送信アンテナと受信アンテナが異なる場合には、アレイアンテナ(例えば、アダプティブアレイアンテナ)を構成する数の送信アンテナのアンテナ系が確保され、残りのアンテナ系の全部又は一部の受信アンテナがアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いられる。
以上説明したように、本発明に係る無線通信装置によると、複数のアンテナの中で無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるアンテナの割り当てを切り替え、無線通信や、アンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するようにしたため、種々な環境や状況に対応した無線通信やキャリブレーション処理が可能であり、例えば、運用中にアンテナ系のキャリブレーションに関する特性が変化するような場合においても、適切なアンテナキャリブレーションを実現することが可能である。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、複数である(N+1)個の系から構成されたアダプティブアレイアンテナを備えた移動体無線通信の基地局装置に本発明を適用した場合を示す。また、本実施例では、アンテナの送受信キャリブレーションなどのキャリブレーション処理を行う場合を示す。
本発明の第1実施例を説明する。
図1には、本発明の第1実施例に係る基地局装置のアダプティブアレイアンテナに関する部分の構成例を示してある。
本例の基地局装置には、(N+1)個の系のそれぞれに、アンテナA1〜AN、Acと、送受切り替え用のスイッチ(SW)B1〜BN、Bcと、受信回路(Rx)C1〜CN、Ccと、A/D(Analog to Digital)変換器(ADC)D1〜DN、Dcと、各アンテナA1〜AN、Acの受信信号に対して各アンテナA1〜AN、Acの受信ウエイトを乗算するための乗算器E1〜EN、Ecと、送信信号に対して各アンテナA1〜AN、Acの送信ウエイトを乗算するための乗算器F1〜FN、Fcと、D/A(Digital to Analog)変換器(DAC)G1〜GN、Gcと、送信回路(Tx)H1〜HN、Hcが備えられている。
また、本例の基地局装置には、(N+1)個の系に共通に、受信ウエイト乗算後の各アンテナA1〜AN、Acによる受信信号を総和してアダプティブアレイアンテナ全体としての受信信号を取得する加算器1と、当該受信信号に基づいて各アンテナA1〜AN、Acの受信ウエイトや各アンテナA1〜AN、Acの送信ウエイトを算出することやキャリブレーションの処理を行うウエイト計算・キャリブレーション回路2が備えられている。
図2には、本例の基地局装置の受信回路C1の構成例を示してある。なお、本例では、全ての系の受信回路C1〜CN、Ccは同様な構成を有している。
本例の受信回路C1には、アイソレータ11と、2つの信号処理系を切り替えるための2つのスイッチ12、21と、受信信号の中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯のバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)22が備えられている。また、一方の信号処理系として、送信周波数帯のバンドパスフィルタ(TxBPF)13と、可変減衰器14と、発信器15と、周波数変換ミキサ16が備えられており、他方の信号処理系として、受信周波数帯のバンドパスフィルタ(RxBPF)17と、増幅器18と、発信器19と、周波数変換ミキサ20が備えられている。
なお、上記図2に示した構成について、例えば、アイソレータ11は一般的に使用されるものであるが、必ずしも備えられなくともよい。また、キャリブレーションを行う系(一方の信号処理系)の可変減衰器14は、キャリブレーションを行うための信号の送信アンテナと受信アンテナとの間の距離が比較的近いことから、受信信号を減衰するために備えられている。
本例の基地局装置により行われる動作の一例を示す。
本例の基地局装置では、複数のアンテナ素子A1〜AN、Ac毎に、受信系統と送信系統をスイッチB1〜BN、Bcで分波する。
各アンテナA1〜AN、Acにより無線受信された信号は、それぞれのスイッチB1〜BN、Bcを経由してそれぞれの受信回路C1〜CN、Ccに入力される。
各受信回路部C1〜CN、Ccには、上記図2に示されるように、アンテナのキャリブレーションを行うために送信周波数帯を通過させるブロック(一方の信号処理系)と、受信処理を行うために受信周波数帯を通過させるブロック(他方の信号処理系)がある。
各受信回路C1〜CN、Ccでは、入力信号が送受信信号共用のアイソレータ11を通過した後のところで、それぞれの信号処理系をスイッチ12で切り替える構成となっている。
そして、キャリブレーションを行う場合には、スイッチ12により一方の信号処理系へ切り替える。この場合、信号が送信周波数帯のバンドバスフィルタ13を通過した後に、位相特性や振幅特性が既知の可変減衰器14により当該信号のレベルを適切なレベルにコントロールし、その後、当該信号の周波数をミキサ16により受信IF周波数帯と同じ周波数にして、当該信号がスイッチ21を経て受信IF周波数帯のバンドパスフィルタ22を通して出力される。
また、アレイ系で動作する場合には、スイッチ12により他方の信号処理系(受信回路系)へ切り替える。この場合、信号はバンドパスフィルタ17を通って低雑音増幅器18により増幅され、その後、当該信号の周波数をミキサ20により受信IF周波数帯に変換して、当該信号がスイッチ21を経てバンドパスフィルタ22を通して出力される。
なお、各信号処理系の発信器15、19としては、それぞれ発信する信号の周波数が異なっており、例えば、各信号処理系について、1つの発信器から分配された信号を各アレイ系列#1〜#N、#Cへ供給している。
また、本例の基地局装置の受信回路部C1〜CN、Ccでは、キャリブレーションのために機能するときには送信信号を抽出して出力し、受信機として機能するときには受信信号を抽出して出力するが、必ずしも本例の構成に限られず、同様な処理が実現される他の種々な構成が用いられてもよい。
次に、各受信回路C1〜CN、Ccを通過した信号は、各A/D変換器D1〜DN、Dcによりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、ウエイト計算・キャリブレーション回路2による計算結果により複素振幅の重み付けが行われる。そして、重み付け後の(N+1)個の受信信号が加算器(合成器)1により加算(合成)され、当該加算結果が受信信号として出力される。
なお、重み付けでは、各アンテナA1〜AN、Acによる受信信号と各アンテナA1〜AN、Acに対応した受信ウエイトとが各乗算器E1〜EN、Ecにおいて乗算される。
このとき、受信ウエイトや送信ウエイトのウエイト計算は、アダプティブアルゴリズムに基づいて行われる。アルゴリズムでは、例えば、参照信号を利用することや、包絡線が一定であることを利用することなどができ、種々なアルゴリズムが用いられてもよい。
ウエイト計算・キャリブレーション回路2は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのように、デジタル信号処理を容易に実現することができるものから構成されるのが好ましい。
また、送信についても、受信回路部側と同様に、受信信号を基にウエイト計算・キャリブレーション回路2及び各乗算器F1〜FN、Fcにより送信信号に対する重み付けと位相や振幅や周波数の補正などを行い、各D/A変換器G1〜GNにより送信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換し、そして、送信信号が各送信回路H1〜HN、Hcにおいて送信周波数に周波数変換されて適切な信号レベルに増幅された後に、各スイッチB1〜BNを通して各アンテナ(#1〜#N、#C)A1〜AN、Acから適切なアンテナパターンにて送信される。
ここで、本例の基地局装置では、アンテナパターンに寄与するアレイ素子数Nに1を加えた(N+1)個の同一のアレイ系統を有しており、キャリブレーションを行うアンテナ(アンテナA1〜AN、Acのいずれか)以外の任意のアンテナがアレイアンテナとして機能する。一例として、N本のアンテナA1〜ANの系を用いてN本のアンテナA1〜ANから構成されるアダプティブアレイアンテナを実現し、残りの1本のアンテナAcの系を用いて、当該アダプティブアレイアンテナを構成する各アンテナA1〜ANから無線送信される信号を無線受信して、当該受信結果に基づいてアンテナのキャリブレーション処理を実行する。
なお、本例では、アンテナの総数をアレイ素子数Nに1を加えた数(N+1)以下とする全ての場合或いは必要な一部の場合について、各アンテナ系の信号の位相・振幅におけるアンテナパターンの情報や、各アンテナ間の相互結合量の情報を事前に把握していることが好ましく、これらの情報を格納したテーブルに基づいてウエイト計算・キャリブレーション回路2を動作させることができる。
また、キャリブレーションのタイミングとしては、例えば、N本のアンテナから成る基地局装置である場合には、アンテナ“1”からアンテナ“N”まで順番にキャリブレーションを行い、このような順番で、キャリブレーションを行うことを許容されたフレームでキャリブレーションを行うような態様を用いることができる。この態様では、例えば、基地局装置などにおいて、キャリブレーション用の信号を既知の振幅と既知の位相で微弱な電波にて送信する。全てのアレイ系のキャリブレーションが終了した後には、継続してキャリブレーションを行ってもよく、或いは、任意の時間間隔で定期的にキャリブレーションを行ってもよい。
本例では、N本のアンテナ“1”〜“N”がアレイ系で動作して1本のアンテナ“N+1”がキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムや、N本のアンテナ“2”〜“N+1” がアレイ系で動作して1本のアンテナ“1”がキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムや、N本のアンテナ“1”、“3”〜“N+1” がアレイ系で動作して1本のアンテナ“2”がキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムなどのように、それぞれのパターンに対応したアルゴリズムを用意して切り替えて使用する。
また、本例の基地局装置のシステムでは、例えば、複数のアレイ系統のうちの1つ(或いは、2以上)のアンテナ及び装置に障害が発生したような場合には、このことがキャリブレーションにより判明するため、障害が発生したアレイ系統を除く各アレイ系統でアンテナビームを形成して、運用を継続することも可能である。また、このような障害が発生したときに、当該障害に関する情報を管理センタなどへ通知する構成としてもよい。
また、本例の基地局装置のシステムでは、例えば、アレイ系統のうちの1つ或いは2以上のアンテナ及び装置に障害が発生して、これがキャリブレーションにより判明したときには、障害が発生したアレイ系統を除くアレイ系統から1つのアレイ系統を除いた系統(障害のないアレイ系統の数−1)でアンテナビームを形成し、当該1つのアレイ系統のアンテナをキャリブレーション用のアンテナとして機能させるようなことができる。
同様に、本例の基地局装置のシステムでは、アレイ系統のうちの1つ或いは2以上のアンテナ及び装置に障害が発生したときには、障害が発生したアレイ系統を除くアレイ系統から任意の1つのアレイ系統を除いた任意の系統でアンテナビームを形成し、当該1つのアレイ系統のアンテナをキャリブレーション用のアンテナとして機能させるようなことができる。
ここで、アレイアンテナを構成する1以上のアンテナに障害が発生して、アレイアンテナを構成するアンテナの総数が変化した場合には、通常、制御の方法を変化させることが必要となる。このため、例えば、予めアレイアンテナを構成するアンテナの一部が欠けた場合のアルゴリズムを用意する。
具体的には、N本のアンテナがアレイ系で動作して1本のアンテナがキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムのほかに、(N−1)本のアンテナがアレイ系で動作して1本のアンテナがキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムや、(N−2)本のアンテナがアレイ系で動作して1本のアンテナがキャリブレーション系で動作した場合のアルゴリズムなどのように、一部のアンテナが欠けたそれぞれのパターンに対応したアルゴリズムを用意して切り替えて使用する。
なお、このように障害が発生してアレイ系統の総数が1以上少なくなる場合には、アンテナのヌルとなる角度点が1以上減少するため、通常、正常運用時と比べて性能が劣化すると考えられる。このため、運用を継続することは可能であるが、早急のメンテナンスを行うことが望ましいと考えられる。
本発明の第2実施例を説明する。
図3には、本例の基地局装置のアダプティブアレイアンテナに関する部分の構成例を示してある。
本例の基地局装置では、例えば上記図1に示した構成例と比べて、各アンテナ系において、送受切り替え用のスイッチB1〜BN、Bcが備えられてなく、受信専用のアンテナI1〜IN、Icと、送信専用のアンテナQ1〜QN、Qcが備えられている。
なお、受信回路J1〜JN、Jcや、A/D変換器K1〜KN、Kcや、受信側の乗算器L1〜LN、Lcや、送信側の乗算器M1〜MN、Mcや、D/A変換器O1〜ON、Ocや、送信回路P1〜PN、Pcや、加算器31や、ウエイト計算・キャリブレーション回路32の構成や動作としては、例えば上記図1に示したものと同様である。
このように、本例の基地局装置では、送信アレイアンテナと受信アレイアンテナとが異なり、送受切り替えのスイッチは必要なくなる。本例においても、送信に大きく寄与するアンテナ素子数Nに1を加えた数(N+1)のアレイ系統(#1〜#N、#C)があり、アダプティブアレイによる無線通信とアンテナのキャリブレーションとを分担して行う。
次に、以上に示した実施例に関して、更に説明する。
図4(a)には、基地局装置の全体的な構成の一例を示してある。
同図(a)に示した基地局装置には、例えばアンテナや送受信部やウエイト計算部を含んで構成されるアダプティブアレイアンテナ部(AAA部)41と、通信信号の変復調を行うモデム部(変復調部)42と、ベースバンド(BB:Base Band)処理を行うベースバンド部(BB部)43と、これら各処理部41〜43を制御する制御部44が備えられており、また、基地局制御装置等45が備えられている。
ここで、上記図4(a)に示した基地局装置では、例えば、AAA部41の構成として、上記図1に示したようなアダプティブアレイアンテナに関する構成や、上記図3に示したようなアダプティブアレイアンテナに関する構成が用いられる。上記図1や上記図3に示した“受信信号”はモデム部42へ出力され、“送信信号”はモデム部42から入力される。
なお、基地局装置の全体的な構成や、アダプティブアレイアンテナに関する構成としては、必ずしも本実施例で示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
図4(b)には、TDD方式におけるデータ通信(Tx或いはRx)の間のガードフレームの一例や、FDD方式におけるデータ通信(Tx及びRx)の間のガードフレームの一例を示してある。
本実施例に係る基地局装置では、例えば、このようなガードフレームの期間などのように、データが通信中ではない領域であるときに、アレイ用のアンテナとキャリブレーション用のアンテナとを入れ替える(切り替える)動作を行う。これにより、アレイ用のアンテナとキャリブレーション用のアンテナとの切り替えを効率的に行うことができる。
また、他の構成例として、アンテナパターンに寄与するアレイ素子数が(n+m)である素子を有し、複数であるn本のアンテナがアレイアンテナ素子として用いられ、複数であるm本のアンテナがキャリブレーション用のアンテナ素子として動的に機能するような構成とすることも可能である。
ここで、m本のキャリブレーションアンテナでは、キャリブレーションを同時に行うことで、キャリブレーション時間を短縮することが可能である。また、アレイアンテナ素子数が多いときには、アンテナ間の相互結合量が非常に小さいものもあるため、キャリブレーションアンテナを複数用意することで、キャリブレーションを行うアンテナ群のグループ分けをすることも可能である。
また、このような構成において、アレイアンテナを構成するアンテナの1つ或いは2以上に障害が発生したときには、例えば、障害が発生したアンテナ素子数分を除くアレイ系統でアンテナビームを形成し、m本のアンテナをキャリブレーション用のアンテナとして使用するようなことが可能である。
以上のように、本実施例に係る基地局装置では、アンテナパターンに寄与するアレイ素子数Nより1つ多い(N+1)本の素子を有し、任意のアンテナがアレイアンテナ素子或いは1つのキャリブレーションアンテナ素子として動的に変化することが可能であり、これにより、時々刻々と位相変化及び振幅の校正を行うことが可能である。
具体的には、本実施例に係る基地局装置では、第1のアンテナから第(N+1)のアンテナを備える。アンテナパターンに大きく寄与するのは、その内のN本であり、残りの1本はキャリブレーションアンテナとして機能する。アンテナパターンに寄与するN本の各アンテナから1本ずつ順番に既知の振幅と位相で電波を送信し、キャリブレーションアンテナがこれを受信する。キャリブレーション系では、各アンテナから受信した偏差量を算出してこれを現在の補正値として、この受信偏差量を送信パターン形成回路へ供給し、これにより、当該受信偏差量を加味した送信パターンを形成して、このように動的に補正を行う。
このように、アレイアンテナが(N+1)本存在しており、通常は、N本をアレイアンテナの素子として利用し、残りをキャリブレーション用アンテナの素子として用いる。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アレイアンテナ素子の1つ或いは2以上に障害が発生したときに、障害が発生したアンテナを除く各アレイアンテナ素子でアンテナビームを形成し、これにより、運用状態を止めることなく運用を続ける。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アダプティブアレイ基地局が運用中に、1つ或いは2以上のアレイアンテナ素子に障害が発生したときには、運用は継続するが、障害を管理センタへ通知する。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アダプティブアレイ基地局が運用中に、1以上のアレイアンテナ素子に障害が発生したときに、故障したアンテナ素子を除くアレイアンテナ素子より1つ少ない素子でアンテナビームを形成することで運用を止めることなく、残りの1つのアンテナをキャリブレーションアンテナ素子として例えば固定的に機能させる。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アダプティブアレイ基地局が運用中に、1以上のアンテナに障害が発したときには、故障したアンテナ素子を除くアレイアンテナ必要素子より1つ少ない素子でアンテナビームを形成し、残りの任意のアンテナをキャリブレーションアンテナとして固定的に機能させる。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、送信アレイアンテナと受信アレイアンテナとが異なる構成において、送信アレイアンテナの素子数より1つ多い素子を有し、任意のアンテナがアレイアンテナ素子或いはキャリブレーションアンテナ素子として動的に変化することが可能であり、これにより、時々刻々と位相変化及び振幅の校正を行うことが可能である。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アンテナパターンに寄与するアレイ素子数(n+m)の素子を有し、任意のアンテナがn本のアレイアンテナ素子或いはm本のキャリブレーションアンテナ素子として動的に変化することが可能であり、これにより、時々刻々と位相変化及び振幅の校正を行うことが可能である。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アレイアンテナ素子の1つ或いは複数にわたって障害が発生したときには、障害が発生したアンテナを除く各アレイアンテナ素子でアンテナビームを形成することにより、運用状態を止めることなく、運用を行う。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば、アレイアンテナ素子に障害が発生したときには、故障したアンテナ素子数分を除くアレイアンテナ素子(故障のないアンテナ素子数−m)でアンテナビームを形成して、運用を止めることなく、残りのm本のアンテナをキャリブレーションアンテナ素子として機能させる。
従って、本実施例に係る基地局装置では、アレイアンテナ素子とアンテナパターンに大きく寄与しないキャリブレーションアンテナでアンテナパターンを形成し、運用中に動的に各アレイアンテナ系列のキャリブレーションを行うことが可能である。また、アレイアンテナとキャリブレーション用アンテナとを共通化することにより、例えば、送信系などが故障したアンテナをキャリブレーション用アンテナとして用いることや、キャリブレーションを1本ずつのアンテナについて行うことが可能である。
また、本実施例に係る基地局装置では、アレイアンテナシステムの弱点である1つ或いは複数のアレイ系列が故障することによる運用停止を最小限に抑えることを保つことができる。例えば、任意のアレイ系統が故障して特性劣化した状態の運用中においても、異常があるときにはすぐに管理センタに通知され、障害に対して迅速に対応することを可能とすることができる。
このように、本実施例に係る基地局装置では、移動体通信端末の無線基地局において、運用中にアンテナキャリブレーションを自動的に行うことができ、これにより、例えば、運用中にアンテナキャリブレーションの補正値が変動するような場合においても、常に、高精度なキャリブレーションを実現することができ、アンテナを用いた高品質な無線通信を実現することができる。
ここで、従来のキャリブレーションでは、キャリブレーション用アンテナがアレイ系アンテナに影響を及ぼさないことを前提としているが、本実施例では、キャリブレーション用アンテナがアレイ系アンテナに影響を及ぼすことを前提としている。
また、本実施例に係る基地局装置に備えられる各アンテナの配置の位置としては、種々な位置が用いられてもよい。本実施例では、キャリブレーション専用アンテナというものを用いておらず、また、各アンテナの設置場所については特に限定はない。複数のアンテナのそれぞれの場所とそれらのアンテナによるフォーミング等については、例えば、それぞれの配置のパターンに対応してアルゴリズムを用意する。
なお、本実施例では、本発明に係る無線通信装置を基地局装置に適用した場合を示した。
また、本実施例に係る基地局装置では、例えば制御部(図示せず)が複数のアンテナA1〜AN、Ac(或いは、I1〜IN、Ic、Q1〜QN、Qc)の中で無線通信に用いるアンテナとキャリブレーション処理に用いるアンテナの割り当てを切り替える機能によりアンテナ割り当て切り替え手段が構成されており、アンテナを用いて無線通信を行う機能により無線通信手段が構成されており、アンテナを用いてアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行する機能によりアンテナキャリブレーション処理実行手段が構成されている。
また、本実施例に係る基地局装置では、それぞれのアンテナ系の受信回路C1〜CN、Cc(或いは、J1〜JN、Jc)に、キャリブレーション処理回路に相当する一方の信号処理系と、受信信号処理経路に相当する他方の信号処理系が備えられており、また、スイッチ12、21がこれら2つの処理系路を切り替える機能により使用処理系路切り替え手段が構成されている。
また、本実施例に係る基地局装置では、受信信号処理経路において、受信周波数帯のバンドパスフィルタ17の機能により第1周波数成分抽出手段が構成されており、増幅器18の機能により増幅手段が構成されており、発信器19の機能及び周波数変換ミキサ20の機能により第1の周波数変換手段が構成されている。
また、本実施例に係る基地局装置では、キャリブレーション処理経路において、送信周波数帯のバンドパスフィルタ13の機能により第2周波数成分抽出手段が構成されており、可変減衰器14の機能により減衰手段が構成されており、発信器15の機能及び周波数変換ミキサ16の機能により第2の周波数変換手段が構成されている。
以下で、本発明に関する技術の背景を示す。なお、ここで記載する事項は、必ずしも全てが従来の技術であるとは限定しない。
例えば、移動体無線通信において、高速通信実現のために、アダプティブアレイアンテナシステムを用いることは非常に有効なことである。アダプティブアレイアンテナシステムは、各アレイ系列の位相や振幅を変更することにより、所望のユーザが存在する方向ヘアンテナパターンのピークを向けることができる。これは、アダプティブなビームフォーミングである。また、アダプティブアレイアンテナシステムでは、例えば、複数であるN素子のアンテナの場合には、#1から#NまでのN個の系列を有する。
また、アダプティブアレイアンテナシステムは、非所望ユーザからの干渉波受信を抑圧し、非所望ユーザ方向への干渉を削減するように送信アンテナパターンのヌル(NULL)を向けることができる。これは、アダプティブなヌルスティアリングである。
そして、アダプティブアレイアンテナシステムでは、通信を行う移動体通信端末に対しては最大の送信電力で通信するアダプティブビームフォーミングを行い、通信を行っていない他の干渉移動体通信端末に対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルスティアリングを行うことができる。
図5には、アダプティブビームフォーミング及びアダプティブヌルスティアリングの一例を示してある。
具体的には、アダプティブアレイアンテナを搭載した基地局装置のアンテナ61及びそのアンテナパターン(指向性パターン)と、複数の移動体通信端末装置71〜73を示してある。
希望波に対応する移動体端末装置72の方向にはビームを向け、妨害波に対応する移動体端末装置71、73の方向にはヌルを向けている。
ところで、移動体通信には、TDMA(Time Division Multiple Access)方式やFDD(Frequency Division Duplex)方式のシステムがあり、例えば、TDMA/TDD(Time Division Duplex)方式の通信システムにおいては、送受の周波数が全く同一である。基地局装置からユーザ端末側の電波伝搬環境とユーザ端末側から基地局装置までの電波伝搬環境が等しく、基地局装置とユーザ端末との間で電波伝搬環境の可逆性が成立する。
つまり、基地局装置側の受信と送信のアンテナパターンを同一にすることができ、非常に簡易な構成で実現することができる。これらは、現在において一部でサービスされているPHS(Personal Handy phone System)基地局装置などで実用されている。
一方、PDC(Pe rsonal Digital Cellular)方式やCDMA(Code Division Multiple Access)方式等のFDDシステムでは、上り回線と下り回線の周波数が異なるため、受信と送信のアンテナパターンを厳密には同一にすることができない。
図6には、FDDシステムにおけるアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示してある。
具体的には、複数であるN個の系のそれぞれに、アンテナR1〜RNと、送受切り替え用のスイッチ(SW)S1〜SNと、受信回路(Rx)T1〜TNと、A/D(Analog to Digital)変換器(ADC)U1〜UNと、各アンテナの受信信号に対して各アンテナの受信ウエイトを乗算するための乗算器V1〜VNと、送信信号に対して各アンテナの送信ウエイトを乗算するための乗算器W1〜WNと、D/A(Digital to Analog)変換器(DAC)X1〜XNと、送信回路(Tx)Y1〜YNが備えられている。
また、N個の系に共通に、受信ウエイト乗算後の各アンテナ受信信号を総和してアダプティブアレイアンテナ全体としての受信信号を取得する加算器81と、当該受信信号に基づいて各アンテナの受信ウエイトや各アンテナの送信ウエイトを算出するウエイト計算回路82が備えられている。
このようなFDDシステムにおけるアダプティブアレイアンテナ装置では、個々のアンテナ素子(#1〜#N)R1〜RNに対する受信信号に基づいて、個々のアンテナ素子R1〜RNに対応する複素振幅の重み付けをウエイト計算回路82で決定し、このウエイトを各アンテナ素子R1〜RNに対応する受信信号に付与する。また、これとともに、当該ウエイトに周波数差成分を含めた補正値(周波数キャリブレーション)を送信データからの送信信号に付与することで、期待するアンテナパターンを形成する。これにより、送受信で同一のパターンを形成することができる。
しかしながら、受信と送信で同一のパターンを形成することは現実的には困難である。
例えば、各アレイ系列の送信アナログ部や受信アナログ部の通過振幅特性及び通過位相特性に偏差(バラツキ)があるため、受信と送信で同じ重みに対する周波数差成分を含めた補正ウエイトを用いた場合においても、受信パターンと送信パターンが異なり、所望方向への利得が低くなったり干渉ユーザヘの利得が高くなったりして、所望のアンテナパターンを生成することができないことがある。
図7には、このようなアダプティブアレイアンテナによる受信パターンZ1と送信パターンZ2の一例を示してあり、偏差により受信パターンZ1と送信パターンZ2とがずれている。
そして、図示されるように、受信パターンZ1から推定したヌル(NULL)角度において、送信パターンのサイドローブピークが向いてしまうようなことが生じ、所望の送信パターンにならない。
このような各アレイ系列のバラツキを取り除く方法として、一般的には、個別のハードウエアキャリブレーションが行われる。具体的には、全ての受信アナログ部と送信アナログ部の偏差を測定して、補正量を予め算出し、そして、実際の運用時にその補正量を考慮して各素子に設定する重みを算出する。
しかしながら、最初に求めた補正量が運用中に変化してしまうような場合がある。この原因としては、例えば、昼夜の外気温度変化の違いによるアナログ部のアクテイブ部品(例えば、増幅器、ミキサ、シンセサイザなど)の特性変化がある。また、それ以外のパッシブ部品(例えば、フィルタ、カプラなど)についても若干の特性変化がある。
また、原因としては、装置内部に使用している接続ケーブルの長さの伸縮による微小な位相変動などが考えられる。或いは、アンテナと増幅器とを接続するケーブルが屋外に露出している場合には、風や雨や雪などの外部要因によってケーブルが振動することによる位相変動などが考えられる。
このような変化が生じると、アダプティブアレイアンテナ装置の性能が大幅に劣化し、例えば上記図7に示したアンテナパターンと同様に、所望波と干渉波(ノイズ成分も含む)との比であるSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の劣化が起きる。この結果、干渉抑圧ができずに、通信品質が劣化したりする。このため、キャリブレーションは一度では不十分であり、運用中にリアルタイムにキャリブレーションすることが要求される。
これに対して、本発明では、以上に説明したように、このような従来の問題を解消することができ、有効な効果を実現することができる。
ここで、本発明に係る無線通信装置や通信機や基地局装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る無線通信装置や通信機や基地局装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
本発明の第1実施例に係る基地局装置のアダプティブアレイアンテナに関する部分の構成例を示す図である。 受信回路の構成例を示す図である。 本発明の第2実施例に係る基地局装置のアダプティブアレイアンテナに関する部分の構成例を示す図である。 基地局装置の構成例などを示す図である。 アダプティブアレイアンテナのアンテナパターンの一例を示す図である。 FDDシステムにおけるアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示す図である。 アダプティブアレイアンテナにおける偏差を有する受信パターンと送信パターンの一例を示す図である。
符号の説明
1、31、81・・加算器、
2、32・・ウエイト計算・キャリブレーション回路、
11・・アイソレータ、
13、17、22・・バンドパスフィルタ、
14・・可変減衰器、 15、19・・発信器、
16、20・・ミキサ、 18・・増幅器、
41・・アダプティブアレイアンテナ部、 42・・モデム部、
43・・ベースバンド部、 44・・制御部、
45・・基地局制御装置等、 71〜73・・移動体通信端末装置、
82・・ウエイト計算回路、
61、A1〜AN、Ac、I1〜IN、Ic、Q1〜QN、Qc、R1〜RN・・アンテナ、
12、21、B1〜BN、Bc、S1〜SN・・スイッチ、
C1〜CN、Cc、J1〜JN、Jc、T1〜TN・・受信回路、
D1〜DN、Dc、K1〜KN、Kc、U1〜UN・・A/D変換器、
E1〜EN、Ec、F1〜FN、Fc、L1〜LN、Lc、M1〜MN、Mc、V1〜VN、W1〜WN・・(複素)乗算器、
G1〜GN、Gc、O1〜ON、Oc、X1〜XN・・D/A変換器、
H1〜HN、Hc、P1〜PN、Pc、Y1〜YN・・送信回路、

Claims (2)

  1. 複数のアンテナを備え、1又は2以上のアンテナを用いて無線により通信するとともに、1又は2以上のアンテナを用いてアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行する無線通信装置であって、
    複数のアンテナの中で無線通信に用いるアンテナとアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるアンテナの割り当てを切り替えるアンテナ割り当て切り替え手段と、
    アンテナ割り当て切り替え手段により無線通信に用いるものとして割り当てられたアンテナを用いて無線により通信する無線通信手段と、
    アンテナ割り当て切り替え手段によりアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するために用いるものとして割り当てられたアンテナを用いてアンテナ系に関するキャリブレーション処理を実行するアンテナキャリブレーション処理実行手段と、
    を備え
    無線通信手段により通信相手から無線受信する通信信号の周波数である第1周波数と無線通信手段により通信相手に対して無線送信する通信信号の周波数である第2周波数とは異なっており、
    それぞれのアンテナ系には、アンテナにより無線受信される信号から第1周波数の成分を抽出する第1周波数成分抽出手段及び第1周波数成分抽出手段による抽出結果を増幅させる増幅手段及び増幅手段による増幅結果を所定の周波数の信号へ変換する第1の周波数変換手段を含んで構成される受信信号処理経路と、アンテナにより無線受信される信号から第2周波数の成分を抽出する第2周波数成分抽出手段及び第2周波数成分抽出手段による抽出結果を減衰させる減衰手段及び減衰手段による減衰結果を所定の周波数の信号へ変換する第2の周波数変換手段を含んで構成されるキャリブレーション処理経路と、受信信号処理系路とキャリブレーション処理経路とで使用する処理系路を切り替える使用処理経路切り替え手段と、を備えた、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 請求項に記載の無線通信装置において、
    それぞれのアンテナについて、送信系と受信系とで共通のアンテナが共用される、或いは、送信系と受信系とで別個なアンテナが用いられる、
    ことを特徴とする無線通信装置。
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