JP3330796B2 - 自動車内装材用プロピレン重合体組成物 - Google Patents

自動車内装材用プロピレン重合体組成物

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JP3330796B2
JP3330796B2 JP25467795A JP25467795A JP3330796B2 JP 3330796 B2 JP3330796 B2 JP 3330796B2 JP 25467795 A JP25467795 A JP 25467795A JP 25467795 A JP25467795 A JP 25467795A JP 3330796 B2 JP3330796 B2 JP 3330796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、自動車内装材用プロピレ
ン重合体組成物に関し、さらに詳しくは、成形性、耐熱
性に優れるとともに硬度、剛性に優れしかも衝撃強度に
も優れた成形体を形成しうる自動車内装材用プロピレン
重合体組成物に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性ポリプロピレンは、硬度、
剛性、耐熱性、表面光沢性などに優れているが、耐衝撃
性には劣るという問題点があり、特にトリム、インスツ
ルメンタルパネル、コラムカバーなどの自動車内装材用
途に用いられるポリプロピレンには、耐衝撃性の向上が
望まれている。
【0003】このため従来、耐衝撃性が向上されたポリ
プロピレン組成物が種々提案されており、たとえば結晶
性ポリプロピレンに、ポリエチレン、ゴム状物質などの
改質剤が配合されたポリプロピレン組成物が知られてい
る。このようなゴム状物質としては、一般的に非晶性あ
るいは低結晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合
体(EPR)、ポリイソブチレン、ポリブタジエンなど
が用いられている。
【0004】しかしながら上記のようなゴム状物質の添
加により耐衝撃性を向上させるためには、ポリプロピレ
ンに多量のゴム状物質を含有させる必要がある。ゴム状
物質を多量に含有するポリプロピレン組成物は、耐衝撃
性が改善されるものの、剛性、耐熱性および表面硬度が
大きく低下してしまう。
【0005】このため上記のようなゴム状物質ととも
に、剛性を付与するためにタルクなどの無機充填剤を含
有するポリプロピレン組成物が提案されている。しかし
ながら多量のゴム状物質を含有するポリプロピレン組成
物は、無機充填剤の配合による剛性の向上には限界があ
って、高剛性が要求される用途には利用できないという
問題点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、硬度、剛性に優れしかも衝撃
強度とともに成形性にも優れた自動車内装材用プロピレ
ン重合体組成物を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る自動車内装材用プロピレン
重合体組成物は、 [A] (1) ASTM D1238に準拠して測定されるメルト
フローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が
50〜400g/10分であり、 (2) 常温n-デカン可溶成分を3〜13重量%の量で含有
し、該常温n-デカン可溶成分の極限粘度[η]が5〜
dl/gであり、かつエチレンから導かれる単位を30〜
50モル%の量で含有し、 (3) ポリプロピレン成分のメルトフローレートが80〜
350g/10分であり、かつ13C−NMR法により求め
られるペンタッドアイソタクティシティ(I5)が0.9
78以上である、プロピレンブロック共重合体53〜6
1重量%と、 [B] (1) 1-オクテンから導かれる単位を7〜15モル%の量
で含有し、 (2) 極限粘度[η]が1.5〜3.5dl/gであり、 (3) ガラス転移点(Tg)が−50℃以下であり、かつ (4) 融点(Tm)が90℃以下である、エチレン・1-オ
クテンランダム共重合体21〜25重量%と、 [C]タルク18〜22重量%とからなり、 (i) メルトフローレート(MFR)が28g/10分以上
であり、 (ii)曲げ弾性率(FM)が25000kg/cm2以上であ
り、 (iii) アイゾット衝撃強度(IZ;23℃)が20kg・
cm/cm以上であり、 (iv)ロックウエル硬度(Rスケール)が85以上であ
り、かつ (v) 該プロピレン重合体組成物の射出成形品では、プロ
ピレンブロック共重合体[A]成分が透過型電子顕微鏡
により、c軸方向に5nm〜20nm、a軸方向に5n
m〜20nmの大きさの微結晶として観察されることを
特徴としている。
【0008】
【発明の具体的説明】以下に本発明に係る自動車内装材
用プロピレン重合体組成物について具体的に説明する。
なお本発明において「重合」という語は、単独重合のみ
ならず、共重合を包含した意で用いられることがあり、
また「重合体」という語は、単独重合体のみならず、共
重合体を包含した意で用いられることがある。
【0009】本発明に係る自動車内装材用プロピレン重
合体組成物は、特定の[A]プロピレンブロック共重合
体と、[B]エチレン・1-オクテンランダム共重合体
と、[C]タルクとから形成されており、後述するよう
な物性を有しているとともに、その射出成形品は特定の
ミクロ構造を有している。以下、まず本発明に係る自動
車内装材用プロピレン重合体組成物を形成する各成分に
ついて説明する。
【0010】[A]プロピレンブロック共重合体 本発明では、下記のような特性を有する特定のプロピレ
ンブロック共重合体が用いられる。このプロピレンブロ
ック共重合体は、高結晶性のポリプロピレン成分と、常
温(23℃)n-デカン可溶成分であるエチレン・プロピ
レン共重合ゴム成分とから形成されていることが好まし
い。
【0011】(1) 本発明で用いられるプロピレンブロッ
ク共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM
D1238、230℃、2.16kg荷重下)は、50〜
400g/10分好ましくは50〜90g/10分である。
このようなMFR値のプロピレンブロック共重合体から
は、流動性に優れ、大型品も成形することができるよう
なプロピレン重合体組成物が得られる。なおMFR値が
400g/10分を超えるプロピレンブロック共重合体か
ら形成される組成物は耐衝撃性(IZ衝撃強度)に劣る
ことがある。
【0012】(2) 本発明で用いられるプロピレンブロッ
ク共重合体は、常温(23℃)n-デカン可溶成分を3〜
13重量%好ましくは4〜10重量%の量で含有してい
る。この常温n-デカン可溶成分の極限粘度[η](13
5℃、デカリン中で測定)は、5〜10dl/g好ましく
は5〜8dl/gである。またこの常温n-デカン可溶成分
は、エチレンから導かれる単位を30〜50モル%好ま
しくは35〜45モル%の量で含有している。この常温
n-デカン可溶成分は、プロピレンブロック共重合体
[A]中のゴム成分であり、エチレン・プロピレン共重
合ゴム成分であることが好ましい。
【0013】本発明で用いられるプロピレンブロック共
重合体は、上記のように極限粘度が高く、かつエチレン
単位を特定量で含有するゴム成分(常温n-デカン可溶成
分)を特定量で含有しており、このようなプロピレンブ
ロック共重合体からは、耐衝撃性(IZ衝撃強度)に優
れ、かつ剛性に優れたプロピレン重合体組成物を形成す
ることができる。
【0014】なおプロピレンブロック共重合体の常温n-
デカン可溶成分含量は、試料(プロピレンブロック共重
合体)5gを、沸騰n-デカン200cc中に5時間浸漬し
て溶解した後、室温まで冷却して、析出した固相をG4
ガラスフィルターで濾過した後、乾燥して測定した固相
重量から逆算して求めることができる。
【0015】本発明で用いられるプロピレンブロック共
重合体[A]の常温n-デカン可溶成分は、本発明の目的
を損なわない範囲で、エチレンおよびプロピレン以外の
重合性化合物から導かれる単位を含有していてもよい。
このような他の重合性化合物としては、具体的にたとえ
ば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-
オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセン、
4-メチル-1- ペンテンなどのα−オレフィン、ビニルシ
クロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボル
ナンなどのビニル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル、無水マレイン酸などの不飽和有機酸またはその誘
導体などが挙げられる。
【0016】(3) 本発明で用いられるプロピレンブロッ
ク共重合体のポリプロピレン成分のメルトフローレート
(MFR)は、60〜450g/10分好ましくは80〜
350g/10分である。
【0017】またこのポリプロピレン成分の13C−NM
R法により求められるペンタッドアイソタクティシティ
5 は、0.97以上好ましくは0.973以上である。
ペンタッドアイソタクティシティI5 は、エイ・ザムベ
ル(A.Zambelli )らにより、Macromolecules 6、925
(1973) に提案された方法すなわち13C−NMR法(核
磁気共鳴法)によって測定されるポリプロピレン分子鎖
中のペンタッド単位でのアイソタクティック分率であ
り、プロピレン単位が5個連続してアイソタクティック
結合したプロピレンモノマー単位の分率である。
【0018】上述のNMRの測定におけるピークの帰属
は、Macromolecules 8、687(1975)の記載に基づいて行
われる。また13C−NMRは、フーリエ変換NMR[5
00MHz(水素核測定時)]装置を用いて、周波数1
25MHzで、20000回の積算測定することによ
り、シグナル検出限界を0.001まで向上させて測定
することができる。ポリプロピレン成分のI5 がこのよ
うな値であるプロピレンブロック共重合体からは、剛性
に優れた組成物を得ることができる。
【0019】上記のような本発明で用いられる[A]プ
ロピレンブロック共重合体は、エチレンから導かれる単
位を、該共重合体中に、2〜9モル%好ましくは2〜8
モル%の量で含有していることが望ましい。なお上記の
エチレンから導かれる単位の含有量は、プロピレンブロ
ック共重合体またはn-デカン可溶成分を、赤外線分光
法、NMR法などの常法によってそれぞれ測定すること
により求められる。
【0020】本発明で用いられるプロピレンブロック共
重合体[A]は、ゴム部がエチレン、プロピレンおよび
他の重合性モノマーの三元系共重合体と、ゴム部がエチ
レンとプロピレンとの二元系共重合体であるプロピレン
ブロック共重合体との混合物であってもよい。
【0021】また本発明で用いられるプロピレンブロッ
ク共重合体[A]は、3-メチル-1-ブテン、3,3-ジメチ
ル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ヘ
キセン、3,5,5-トリメチル-1- ヘキセン、ビニルシクロ
ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン
などの単独重合体または共重合体を、たとえば前重合に
より形成される前重合体として含有していると、結晶化
速度が大きい。
【0022】上記のような本発明で用いられるプロピレ
ンブロック共重合体は、種々の方法により製造すること
ができるが、たとえば立体規則性触媒を用いて製造する
ことができる。具体的には、固体状チタン触媒成分と有
機金属化合物触媒成分とさらに必要に応じて電子供与体
とから形成される触媒を用いて製造することができる。
【0023】本発明では、固体状チタン触媒成分として
は、具体的に、三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物
が、比表面積が100m2/g以上である担体に担持さ
れた固体状チタン触媒成分、あるいはマグネシウム、ハ
ロゲン、電子供与体(好ましくは芳香族カルボン酸エス
テルまたはアルキル基含有エーテル)およびチタンを必
須成分とし、これらの必須成分が比表面積100m2
g以上である担体に担持された固体状チタン触媒成分が
挙げられる。これらのうち、特に後者の固体状チタン触
媒成分が好ましい。
【0024】また有機金属化合物触媒成分としては、有
機アルミニウム化合物が好ましく、有機アルミニウム化
合物としては具体的に、トリアルキルアルミニウム、ジ
アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウム
セスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなど
が挙げられる。なお有機アルミニウム化合物は、使用す
るチタン触媒成分の種類に合わせて適宜選択することが
できる。
【0025】電子供与体としては、窒素原子、リン原
子、硫黄原子、ケイ素原子あるいはホウ素原子などを有
する有機化合物を使用することができ、好ましくは上記
のような原子を有するエステル化合物およびエーテル化
合物などが挙げられる。このような触媒は、さらに共粉
砕等の手法により活性化されてもよく、また上記のよう
なオレフィンが前重合されていてもよい。
【0026】[B]エチレン・1-オクテンランダム共重
合体 (1)本発明で用いられるエチレン・1-オクテンランダム
共重合体は、1-オクテンから誘導される構成単位を7〜
15モル%、好ましくは8〜13モル%の量で含有して
いる。
【0027】(2)本発明で用いられるエチレン・1-オク
テンランダム共重合体の極限粘度[η](135℃、デ
カリン中で測定)は、1.5〜3.5dl/g、好ましくは
1.5〜3.0dl/gである。
【0028】(3)本発明で用いられるエチレン・1-オク
テンランダム共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−
50℃以下、好ましくは−55℃以下である。 (4)またエチレン・1-オクテンランダム共重合体の融点
(Tm)は90℃以下、好ましくは85℃以下である。
なおこの融点は、DSC法により主ピークとして測定さ
れる。
【0029】また本発明で用いられるエチレン・1-オク
テンランダム共重合体の共重合モノマー連鎖分布のラン
ダム性を示すパラメータ(B値)が1.0〜1.4である
ことが好ましい。このような[B]エチレン・1-オクテ
ンランダム共重合体におけるB値は、13C−NMRスペ
クトルと下記式から求められる。
【0030】
【数1】
【0031】(式中、PEおよびPOは、それぞれエチレ
ン・1-オクテン共重合体中に含有されるエチレン成分の
モル分率および1-オクテン成分のモル分率を示し、POE
は全dyad連鎖の1-オクテン−エチレン連鎖のモル分
率を示す。) このB値が1.0よりも小さいエチレン・1-オクテンラ
ンダム共重合体を含むポリプロピレン組成物は、耐衝撃
性が低下する傾向にある。
【0032】本発明に用いられるエチレン・1-オクテン
ランダム共重合体の密度は、0.875〜0.895g/
cm3であり、好ましくは0.875〜0.890g/c
3である。密度が0.875g/cm3以下であると、
PP組成物の硬度が充分ではなく、また密度が0.89
5g/cm3以上であると、耐衝撃強度が発現しないこ
とがある。
【0033】上記のようなエチレン・1-オクテンランダ
ム共重合体は、ポリプロピレンとの相溶性に優れ、この
共重合体を含有してなるポリプロピレン組成物は、剛性
に優れるとともに耐衝撃性にも優れ、しかも流動性にも
優れているため、外観に優れた成形品を形成することが
できる。
【0034】上記のようなエチレン・1-オクテンランダ
ム共重合体は、公知のバナジウム系触媒またはメタロセ
ン系触媒を用いて製造することができる。[C]タルク 本発明では、タルク[C]として、平均粒径0.2〜3
μm特に0.2〜2.5μmの微粉末タルクが好ましく用
いられる。
【0035】またこのタルクは、平均粒径5μm以上の
粒子の含有量が、10重量%以下好ましくは8重量%以
下であることが好ましい。なおタルクの平均粒径は、液
相沈降方法によって測定することができる。本発明で
は、このようなタルクのうちでも、アスペクト比(縦ま
たは横のいずれかの長さと厚みの比を示す)の平均値が
3以上、特に4以上であるタルクが好ましく用いられ
る。
【0036】また本発明で用いられるタルクは、無処理
であっても予め表面処理されていてもよい。この表面処
理に例としては、具体的には、シランカップリング剤、
高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネ
ート、樹脂酸、ポリエチレングリコールなどの処理剤を
用いる化学的または物理的処理が挙げられる。
【0037】このような表面処理が施されたタルクを用
いると、ウェルド強度、塗装性、成形加工性にも優れた
プロピレン重合体組成物を得ることができる。自動車内装材用プロピレン重合体組成物 本発明に係る自動車内装材用プロピレン重合体組成物
は、上記のような[A]プロピレンブロック共重合体
と、[B]エチレン・1-ブテンランダム共重合体と、
[C]タルクとから形成され、[A]プロピレンブロッ
ク共重合体を、53〜61重量%好ましくは56〜60
重量%の量で、[B]エチレン・1-ブテンランダム共重
合体(EOR)を、21〜25重量%好ましくは21〜
23重量%の量で、[C]タルクを、18〜22重量%
の量で含有している。
【0038】本発明に係る自動車内装材用プロピレン重
合体組成物は、上記のような量の各成分を混練すること
により得られるが、前述したように本発明で用いられる
EOR[B]は、プロピレンブロック共重合体[A]と
の相溶性に優れており、プロピレンブロック共重合体
[A]とEOR[B]とからは、耐熱性に優れるととも
に、硬度、剛性および衝撃強度のいずれにも優れた成形
品を形成することができる。またこのプロピレン重合体
組成物は、成形性にも優れており、外観に優れた成形品
を形成することができる。
【0039】具体的に、本発明に係る自動車内装材用プ
ロピレン重合体組成物は、下記のような特性を有してい
る。 (i) メルトフローレート(MFR)(ASTM D12
38;230℃、2.16kg荷重下)が、28g/10分
以上好ましくは30〜400g/10分であり、 (ii)曲げ弾性率(FM)(ASTM D−790)が、
25000kg/cm2 以上好ましくは25000〜270
00kg/cm2 であり、 (iii) アイゾット衝撃強度(IZ)(ASTM D−2
56)が、20kg・cm/cm以上であり、かつ (iv)ロックウエル硬度(HR)(ASTM D−64
8)が85以上である。このように本発明に係る自動車
内装材用プロピレン重合体組成物は、剛性、硬度、衝撃
強度などに優れている。 (v) さらにプロピレン重合体組成物の射出成形品では、
プロピレンブロック共重合体[A]成分は、透過型電子
顕微鏡によりc軸方向に5nm〜20nm、a軸方向に
5nm〜20nmの大きさの微結晶として観察される。
【0040】本発明では、このような透過型電子顕微鏡
(TEM)による射出成形品中のプロピレンブロック共
重合体[A]微結晶の観察は、下記のように行なわれ
る。プロピレン重合体系組成物の射出成形品(角板)中
央部から採取した相構造観察用試料を、RuO4 (ルテ
ニウム酸)水溶液に常温で16〜24時間浸漬した後、
ウルトラミクロトームを用いて常温で、T−500〜2
000Åの厚みの超薄膜切片を作成する。この切片につ
いて、200kV日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡
H−8100を用いて観察し、射出成形品のプロピレン
ブロック共重合体[A]微結晶のa軸方向およびc軸方
向のサイズを求める。この際、射出成形時の樹脂流れ方
向に垂直で、射出試験片の厚み方向に平行な方向から観
察を行なう。
【0041】図1に、本発明に係る自動車内装材用プロ
ピレン重合体系組成物の射出成形品について観察される
透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示し、図2に、この
写真で観察された結晶構造の模式図を示す。
【0042】このように本発明に係る自動車内装材用プ
ロピレン重合体系組成物の射出成形品では、プロピレン
ブロック共重合体[A]成分が微結晶を形成し、この結
晶部分と非結晶部分とはナノメータレベルで分散構造を
形成しており、モレキュラーコンポジット的なポリマー
アロイを形成している。
【0043】射出成形されたときにこのような微結晶構
造を形成するプロピレン重合体組成物は、優れた硬度、
剛性、耐衝撃性などの機械的強度を発現することができ
る。本発明に係る自動車内装材用プロピレン重合体組成
物は、上記のようなプロピレンブロック共重合体[A]
とエチレン・1-オクテンランダム共重合体[B]とタル
ク[C]とを、一般的に樹脂組成物の混練方法として広
く知られている方法によって混練することにより調製す
ることができる。
【0044】この際には、たとえば一軸押出機、二軸押
出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ロールなどの
混練装置を用いることができる。上記のような各成分を
押出機などの混練装置で混練することにより混練物とし
て得られるプロピレン重合体組成物は、通常、ペレット
状に成形されて使用される。
【0045】本発明では、プロピレン重合体組成物の調
製に際して成分[A]、[B]および[C]を混練装置
に添加する順序は限定されず、同時でもよく別々でもよ
い。また本発明では、プロピレンブロック共重合体
[A]とEOR[B]とタルク[C]とから予めEOR
[B]とタルク[C]とを高濃度に含有するマスターバ
ッチを調製し、このマスターバッチをプロピレンブロッ
ク共重合体[A]で希釈しながらブレンドコンパウンデ
ィングしたり、成形したりして最終的に上記のような組
成を有するプロピレン重合体組成物を調製することもで
きる。
【0046】上記のような本発明で用いられる各成分
は、混練性に優れており、プロピレン重合体組成物を容
易に形成することができる。本発明に係る自動車内装材
用プロピレン重合体組成物は、上述したような特性を有
しており、従来公知のプロピレン重合体またはプロピレ
ン重合体とエチレン・プロピレン共重合体との組成物な
どに比べて剛性および衝撃強度のいずれにも優れた成形
体を形成することができる。さらにこのプロピレン重合
体組成物は、塗装性、寸法安定性および外観にも優れた
成形体を形成することができる。
【0047】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
特に自動車内装材たとえばトリム、インスツルメンタル
パネル、コラムカバーなどに成形されて用いられる。さ
らに本発明に係る自動車内装材用プロピレン重合体組成
物は、各種添加剤を含有していてもよい。このような添
加剤としては、具体的には、フェノール系、イオウ系、
リン系などの酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、
銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、難
燃剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、紫外線吸
収剤、耐光安定剤、ウェルド強度改良剤などを挙げるこ
とができる。プロピレン重合体組成物は、上記のような
添加剤を含有することによって、物性バランス、耐久
性、塗装性、印刷性、耐傷付き性および成形加工性など
が一層向上された成形体を形成することができる。
【0048】また本発明に係る自動車内装材用プロピレ
ン重合体組成物は、核剤を含有していてもよい。核剤と
しては、従来知られている種々の核剤が特に制限される
ことなく用いられるが、中でも下記に挙げる核剤が好ま
しい。
【0049】
【化1】
【0050】(式中、R1は酸素、硫黄または炭素数1
〜10の炭化水素基であり、R2、R3は水素または炭素
数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3は同種であっ
ても異種であってもよく、R2同士、R3同士またはR2
とR3が結合して環状となっていてもよく、Mは、1〜
3価の金属原子であり、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エ
チル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシ
ウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオ
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、
マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフ
ェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメ
チレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-
ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-
ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,
4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォ
スフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-
ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナ
トリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニ
ル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシ
ウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウ
ム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,
2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] およびこれらの組合せを例示することがで
きる。これらのうちではナトリウム-2,2'-メチレン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ま
しい。
【0051】
【化2】
【0052】(式中、R4は水素または炭素数1〜10
の炭化水素基であり、Mは1〜3価の金属原子であり、
nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェ
ニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-
オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4
-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム
-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウ
ム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アル
ミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート
およびこれらの組合せを例示することができる。これら
のうちではナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル) フ
ォスフェートが好ましい。
【0053】
【化3】
【0054】(式中、R5は水素または炭素数1〜10
の炭化水素基である。) 具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,
3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベ
ンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-
メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビ
トール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベン
ジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベン
ジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せを例示す
ることができる。これらのうちでは、1,3,2,4-ジベンジ
リデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-
メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロ
ルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せが
好ましい。
【0055】その他の核剤としては、芳香族カルボン酸
や脂肪族カルボン酸の金属塩を用いることができ、具体
的には、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸
アルミニウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカ
ルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムな
どが挙げられる。またタルクのような無機化合物も核剤
として用いることができる。
【0056】上記のような核剤は、プロピレンブロック
共重合体[A]100重量部に対して、0.001〜1
0重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特に好まし
くは0.1〜3重量部の量で組成物中に含有されていて
もよい。上記のような核剤を含有していると、プロピレ
ン重合体組成物の結晶化速度が向上され、結晶化時に結
晶粒子を微細化することができるとともに、より高速で
成形することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る自動車内装材用プロピレン
重合体組成物は、上述したように特定の物性を有してお
り、耐熱性、硬度、剛性、衝撃強度にも優れ、さらに成
形性にも優れているとともに該組成物から得られる射出
成形品は特定のミクロ構造を有している。
【0058】さらにこのプロピレン重合体組成物は、塗
装性、寸法安定性および外観にも優れた成形体を形成す
ることができる。本発明に係るプロピレン重合体組成物
は、特に自動車内装材たとえばトリム、インスツルメン
タルパネル、コラムカバーなどに成形されて用いられ
る。
【0059】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお下記の実施例および比較例において、各物性は下記
のように測定した。
【0060】メルトフローレート(MFR) ASTM D−1238に準拠して、230℃、2.1
6kg(ペレット)の条件下で測定した。
【0061】曲げ弾性率(FM) ASTM D−790に準拠して、下記の条件にて曲げ
試験を行って求めた。 試験片;6.4mm(厚さ)×12.7mm(幅)×12
7mm(長さ) スパン間;100mm 曲げ速度;2mm/分 測定温度;23℃
【0062】アイゾット衝撃値(IZ) ASTM D−256に準拠して、下記の条件にて衝撃
試験を行って求めた。 試験片;12.7mm(幅)×6.4mm(厚さ)×64
mm(長さ) ノッチは機械加工 測定温度;23℃引張試験(EL) ASTM D638-84に準拠した。 試験片 ASTM D638−84 No.1ダンベル チャック間距離114mm 温度 23℃ 引張速度 10mm/minロックウエル硬度(HR) ASTM D−648に準拠して、下記の条件にて試験
を行って求めた。 スケール;R 試験片 ;120mm(縦)×130mm(横)×3.
0mm(厚さ) 測定温度;23℃射出成形品の微結晶サイズ プロピレン重合体組成物の射出成形品について前述した
方法によりプロピレンブロック共重合体成分の微結晶サ
イズを測定した。
【0063】以下の実施例および比較例で用いた各成分
を以下に示す。 [A]プロピレンブロック共重合体 実施例で用いたプロピレンブロック共重合体および比較
例で用いたプロピレン重合体を表1に示す。
【0064】
【表1】 表1中、BPP−1〜BPP−2はプロピレンブロック
共重合体であり、PP−3は、ホモポリプロピレンであ
る。
【0065】 [B]エチレン・1-オクテンランダム共重合体 EOR-1:1-オクテンから導かれる単位 10モル% [η] 1.6dl/g Tg:−57℃、Tm:75℃ 密度 0.886g/cm3 EOR-2:1-オクテンから導かれる単位 12モル% [η] 1.6dl/g Tg:−63℃、Tm:60℃ 密度 0.877g/cm3 [C]タルク 平均粒径;2.5μm 平均粒径5μm以上の粒子の含有量;3重量% その他 EPR;エチレンプロピレンランダム共重合体 [η] 1.7dl/g Tg:−54℃ 密度 0.867g/cm3
【0066】
【実施例1〜5】各成分を表2に示すような量で用いて
二軸押出機により200℃で混練造粒して、表2に示す
プロピレン重合体組成物を得た。得られた組成物を、樹
脂温度230℃、金型温度40℃の条件下、415ton
射出成形機にて、ASTM試験片および3mm厚平板
(120mm×130mm)を成形して上記の物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0067】
【比較例1〜2】実施例1において、表2に示すプロピ
レン重合体および表2に示す各成分を用いた以外は、実
施例1と同様にしてプロピレン重合体組成物を得た。結
果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車内装材用プロピレン重合体
系組成物の射出成形品について観察される透過型電子顕
微鏡(TEM)写真を示す。
【図2】図1の電顕写真で観察された結晶構造の模式図
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 堂 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 守 屋 悟 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 審査官 佐藤 邦彦 (56)参考文献 特開 平9−143337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08K 3/34 C08L 23/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] (1) ASTM D1238に準拠して測定されるメルト
    フローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が
    50〜400g/10分であり、 (2) 常温n-デカン可溶成分を3〜13重量%の量で含有
    し、 該常温n-デカン可溶成分の極限粘度[η]が5〜dl/
    gであり、かつエチレンから導かれる単位を30〜50
    モル%の量で含有し、 (3) ポリプロピレン成分のメルトフローレートが80〜
    350g/10分であり、 かつ13C−NMR法により求められるペンタッドアイソ
    タクティシティ(I5)が0.978以上である、 プロピレンブロック共重合体53〜61重量%と、 [B] (1) 1-オクテンから導かれる単位を7〜15モル%の量
    で含有し、 (2) 極限粘度[η]が1.5〜3.5dl/gであり、 (3) ガラス転移点(Tg)が−50℃以下であり、かつ (4) 融点(Tm)が90℃以下である、 エチレン・1-オクテンランダム共重合体21〜25重量
    %と、 [C]タルク18〜22重量%とからなり、 (i) メルトフローレート(MFR)が28g/10分以上
    であり、 (ii)曲げ弾性率(FM)が25000kg/cm2以上であ
    り、 (iii) アイゾット衝撃強度(IZ;23℃)が20kg・
    cm/cm以上であり、 (iv)ロックウエル硬度(Rスケール)が85以上であ
    り、かつ (v) 該プロピレン重合体組成物の射出成形品では、プロ
    ピレンブロック共重合体[A]成分が透過型電子顕微鏡
    により、c軸方向に5nm〜20nm、a軸方向に5n
    m〜20nmの大きさの微結晶として観察されることを
    特徴とする自動車内装材用プロピレン重合体組成物。
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