JP3330394B2 - 電子ビーム発生装置 - Google Patents

電子ビーム発生装置

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JP3330394B2
JP3330394B2 JP25015192A JP25015192A JP3330394B2 JP 3330394 B2 JP3330394 B2 JP 3330394B2 JP 25015192 A JP25015192 A JP 25015192A JP 25015192 A JP25015192 A JP 25015192A JP 3330394 B2 JP3330394 B2 JP 3330394B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/306Ferroelectric cathodes

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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子ビーム発生装置に
関し、とりわけ強誘電体の分極反転現象を利用した電子
ビーム発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワードプロセッサ、ノート型パー
ソナルコンピュータ、携帯型ゲームの旺盛な需要に支え
られて、固体画像表示素子の生産、販売が急激に伸びて
いる。特に、液晶は低消費電力性から、他の固体画像素
子を凌いでいる。
【0003】液晶ディスプレイは、一般に、図20に示
された単純マトリクス型と、図21に示されたアクティ
ブマトリクス型に大別される。前者はその構造の簡単さ
から高密度化に有利とされたが、非選択セルへのクロス
トークが悪く、高密度化の目的である分解能の向上は図
れなかった。これに対し、1ピクセルに1つのスイッチ
ングトランジスタを含んだ、後者のアクティブマトリク
ス型は、非選択セルへのクロストークの問題点が無く、
高分解能の画像が得られ、大幅な画質の改善が図られ
る。このように、液晶ディスプレイは、近年大量に利用
されるようにになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな液晶ディスプレイに於いても、以下のような問題が
ある。第1に、液晶ディスプレイが自己発光型のディス
プレイではないということが挙げられる。これに対して
は、バックライトELや、バックライト蛍光管を用いて
改善を図っているが、寿命や消費電力の問題がある。ま
た、他のディスプレイに比べ視野角が狭く、時間応答性
も悪い。
【0005】また、特にアクティブマトリクスタイプ
は、製造工程が複雑で製造コストが高いという問題があ
った。
【0006】これらの欠点は、今後、情報産業分野に大
量に必要とされる画像表示装置としては不満足な点であ
り、これらの課題が改良された画像表示装置が必要であ
った。ブラウン管を用いた画像表示装置は、視野角、時
間応答性、分解能で優れてはいるが真空管装置であり、
携帯性に乏しく、消費電力も大きい。
【0007】以上のように、従来の画像表示素子は改良
はされつつあるが、画像分解能、時間応答性、視野角、
自己発光性、消費電力、コストという点を同時に満足す
ることのできる画像表示装置は無く、これらの要件を満
足する画像表示装置が望まれていた。
【0008】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、画像分解能、時間応答性、視野角、自己発光性、消
費電力、コストという点を同時に満足することのできる
電子ビーム発生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、
誘電体薄膜と、上記強誘電体薄膜の上面に設けられ開口
を有する上部電極と、上記強誘電体薄膜の下面に設けら
れた下部電極とを有する電子ビーム発生素子と、上記上
部電極及び下部電極に接続されて、上記強誘電体薄膜の
分極反転に伴う束縛電荷の放出を行わせるべく電圧を選
択的に供給するスイッチング素子とを具備し、上記電子
ビーム発生素子及びスイッチング素子を2次元的に複数
個配列することを特徴とする。
【0010】またこの発明は、強誘電体の分極反転時に
伴う束縛電荷の放出を行う電子ビーム発生素子と、この
電子ビーム発生素子に接続されて、上記束縛電荷の放出
を行わせるべく電圧を選択的に供給するスイッチング素
子から成り、2次元的に複数個配列された電子ビーム発
生手段と、この電子ビーム発生手段のスイッチング素子
に接続されて上記電子ビーム発生素子を選択し、電圧を
印加する駆動手段と、上記電子ビーム発生手段の強誘電
体の反転信号を入力して電圧を発生する反転手段と、こ
の反転手段の動作タイミングを制御する反転タイミング
制御手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明による画像表示装置にあっては、その
基本構成はマトリクス状に配列された、新しい原理によ
る電子ビーム発生セルアレイと、電子ビームの入射によ
って発光する蛍光体を塗布したスクリーンから成る。電
子ビームの走査は、電子ビーム発生セルアレイを順次動
作させることによる。したがって、この発明による画像
表示装置は、電子ビームによって蛍光体を発光させると
いう点ではブラウン管と同じであるが、電子ビームの走
査は電子ビーム発生セルアレイを順次動作させることに
よるので、電子ビームの走査はブラウン管のようにセク
タ走査させる必要がなく、リニア走査であるので、その
ためのスペースが不要で小型化、薄型化が可能である。
また、電子ビームは垂直に短飛距離で蛍光体面に入射す
るので、蛍光体の蛍光にじみが少なく、高分解能で大画
面の画像表示が可能となる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0013】初めに、この発明の根幹をなす、新しい原
理による電子ビーム発生素子について説明する。
【0014】強誘電体の分極反転に伴う電子ビーム放出
については、G.I.Rosenman et a
l.;Ferroelectrics,1990,vo
l.110,pp.99〜112、及び浅野肇等;強誘
電体応用会議,1992,予稿集,pp.69の研究が
ある。これらの要旨は、以下に記すようなものである。
【0015】図4は、周知の強誘電体の印加電圧−分極
特性である。同図から、印加電圧除去後、その分極状況
は印加電圧の極性によって、異なる極性の残留分極値P
r、−Prを有する。
【0016】図5は、この発明による電子ビーム発生装
置に用いる強誘電体の電子ビーム発生原理を説明する図
である。図5(a)は、強誘電体1に残留分極状態Pr
2が形成されている状態を示している。このような系で
エネルギー的な安定状態は、強誘電体1の表面に束縛電
荷3及び4を生じ、且つ残留分極2と反対向きに反電界
(図示していない)が作用することによって安定する。
【0017】いま、温度、圧力、外部電界等の作用で、
図5(b)に示されるように、残留分極状態Pr2が変
化(減少)して図中5のようになると、束縛状態の束縛
電荷3及び4の一部が束縛を解かれ、自由電荷状態6及
び7となって電極上に浮遊する。この電荷は外部から検
出可能で、温度に対しては焦電電荷、圧力に対しては圧
電電荷、外部電界に対しては変位電荷として検出するこ
とができる。尚、電極が存在しない場合は、強誘電体1
の表面に漂着する。
【0018】この自由電荷は、束縛電荷が束縛状態を解
かれ、電極表面または強誘電体表面に移動してきたもの
であり、その力8が働くが、この力8は残留分極の時間
的変化速度に比例する。したがって、図5(c)に示さ
れるように、残留分極が図中9のように反転した時、電
荷が束縛状態を解かれて電極表面または強誘電体表面に
移動する力は最大となり、電荷6は強誘電体1の表面に
留まらず、軌跡10を経て真空中に放出される力8を作
用される。
【0019】このような現象は、既に上述したG.I.
Rosenman及び浅野によって、種々の強誘電体に
於いて確認されている(Ferroelectric
s,1990.Vol.110 PP99−112)。
【0020】次に、実際の素子構成を用いて説明する。
【0021】図6はこの発明による電子ビーム発生装置
に用いられる強誘電体の電子ビーム発生素子の基本構造
図、図7は図6の電子ビーム発生素子の構造の印加電圧
極性と分極反転、電子ビーム発生の関係を示した図であ
る。
【0022】図6(a)は、上記電子ビーム発生素子の
構造を示す平面図、図6(b)は同図(a)のA−A線
に沿った断面図である。この電子ビーム発生素子は、強
誘電体薄板または薄膜11を上下の電極12及び13で
挟み、且つ上部電極12には電子ビーム放出孔14が形
成された構造となっている。尚、15は強誘電体薄板ま
たは薄膜11用の基板であり、16は放出された電子ビ
ームの軌跡である。
【0023】電子ビーム放出は、上下の電極12、13
間に分極反転するような極性を有したステップ、または
パルス状電圧を印加することによって得られる。この場
合、電子ビーム放出孔14には電極が存在しないので、
この部分に直接電界は作用しないが、周囲の電極が存在
する部分に於ける分極反転の影響を受けて分極反転す
る。したがって、該電子ビーム放出孔14の面積が大き
すぎると、電子ビーム放出孔部の分極反転は不十分とな
り、電子ビームが放出されなくなる。
【0024】また、一度分極反転させると、同一極性の
電圧を印加しても分極反転が起こらず、従って電子ビー
ム放出が起こらないことになる。更に、逆極性の電圧を
印加しても、正電荷の放出が起きても電子ビームではな
いので、蛍光体を発光させることはできない。尚。次の
最初と同極性の電圧印加を待つ方法もあるが、この方法
では時間応答性が悪くなる。これに対して、図8に示さ
れる電極配置では、このような欠点がなく、電圧印加1
回毎に放出が可能となる。
【0025】図8は、上記電子ビーム発生装置に用いる
強誘電体の電子ビーム発生素子の他の構造例を示した図
で、図8(a)は平面図、図8(b)は同図(a)のB
−B線に沿った断面図である。図8に於いて、17は強
誘電体であり、この強誘電体17を挟むように、上部電
極18a、18bと下部電極19が形成されている。上
部電極18a、18bは互いに分離されており、各々に
電子ビーム放出孔20a、20bが設けられている。す
なわち、この電極構造は3端子構造となっていて、電圧
印加は電極18aと18bの間で行われる。尚、21は
強誘電体薄板または薄膜17を設けるための基板であ
る。
【0026】図9は、印加電圧極性と、残留分極方向、
電子ビーム放出側の関係について示した図である。先
ず、図9(a)に示されるように、電子ビーム発生素子
22は、初期状態が左側電極18a部で下向き、右側電
極18b部では上向きの残留分極状態にあるとする。次
いで、図9(b)に示されるように、右側電極18bに
正電圧+Vを与え、左側電極18aを接地し、分極が反
転するようにする。これによって、右側電極18bから
は電子ビーム23bが放出される。左側電極18a部も
分極反転するが、ここからは上述したように、電子ビー
ムは放出されない。次に、図9(c)に示されるよう
に、左側電極18aに正電圧を与え、右側電極18bを
接地状態にして電圧を印加すると再び分極反転を越し、
今度は左側電極18aから電子ビーム23aが放出さ
れ、右側電極18bからは放出されない。
【0027】このように、図8に示されるような電極配
置にし、正負のパルス電圧を交互に電極18a、18b
の間に印加することによって、全ての電圧パルスに対応
して絶え間なく電子ビームを放出することができるよう
になる。
【0028】図1は、この発明による電子ビーム発生装
置の回路構成図である。電子ビーム発生セル24は、ス
イッチングトランジスタ25と、電子ビーム発生素子2
2を有している。そして、この電子ビーム発生セル24
は、スイッチングトランジスタ25のソースと、電子ビ
ーム発生素子22の上部電極の一方18aを接続した構
成となっている。
【0029】また、スイッチングトランジスタ25のゲ
ートにはワード線WLが、スイッチングトランジスタ2
5のドレインにはドライブラインDLが接続されてお
り、更に、電子ビーム発生素子22の上部電極の他方1
8bにはビットラインBLが接続されている。そして、
上記それぞれのラインへの電圧印加タイミングによっ
て、2次元に配列された電子ビーム発生セル24が順次
走査される。
【0030】図2は、この発明による電子ビーム発生装
置の走査系の回路構成図である。同図に於いて、X方向
デコーダドライバ26で、271 、272 、273
…、27n 、…等で構成されるX方向配列線27のうち
の一本を選択し、ビット線デコーダ28でも同じX方向
配列線を選択するよう、ADD端子29に命令を入力す
る。
【0031】このような状態で、Y方向デコーダドライ
バ32で、331 、332 、…、33n 、…等で構成さ
れるY方向配列線33のうちの一本を選択し、スイッチ
ングトランジスタ25をオン状態にして電子ビーム発生
素子22の両上部電極間に電圧が加わるようにする。
【0032】ビット線BLに接続してある反転回路34
は、電子ビーム発生素子22の分極反転を検出し、Y方
向配列線(DL)の駆動電圧が0になった直後にビット
線側が正の電圧を発生するようにさせる回路である。こ
れは、DRAM等の半導体メモリで構成されるもので、
一般的に用いられているセンスアンプ回路と同じであ
る。分極反転の判定は、基準電圧35との比較による。
【0033】反転タイミング回路36は、上記分極反転
の検出を、いかなる時刻に於いて実施するかを決める回
路である。この回路も、センスアンプと同様にDRAM
等の半導体メモリでセンスアンプと共に、一般的に用い
られているセンスタイミング制御回路と同等の役割を果
たすものである。これらの回路に対する動作命令はCE
端子30及び31を通して行う。
【0034】図3は、以上の動作を表すタイムチャート
である。図3(a)はワードラインWL、同図(b)は
ドライブラインDL、そして同図(c)はビットライン
BLの電圧のタイムチャートを示している。
【0035】次に、この発明の電子ビーム発生装置の第
1の実施例を説明する。
【0036】図10及び図11はこの発明による電子ビ
ーム発生装置に用いられる強誘電体の電子ビーム発生素
子の構造を示すもので、図10は正面図、図11は図1
0のC−C線に沿った断面図である。また、図12はこ
の強誘電体の電子ビーム発生素子を製造するプロセスを
示した図である。
【0037】先ず、フィールド酸化膜37、拡散部(ド
レイン領域)38、拡散部(ソース領域)39が形成さ
れた半導体基板40上に、ゲート電極41、層間絶縁膜
42が施される(図12(a))。
【0038】そして、フィールド酸化膜37上に白金等
の電極43が形成される(図12(b))。
【0039】更に、その上にチタン酸バリウムBaTi
3 、ジルコンチタン酸鉛Pb(Zr・Ti)O3 (以
下PZTと略記する)、チタン酸鉛PbTiO3 (以下
PTと略記する)、Bi4 Ti3 12等Bi層状構造強
誘電体(以下BLSFと略記する)等の強誘電体薄膜4
4が、スパッタ、ゾルゲルスピンオン、CVD等で形成
され、下部電極、強誘電体薄膜がイオンビームミリン
グ、RIE等で島状にエッチングされる。この後、エッ
チングされて形成された島状膜45、46の断面をカバ
ーするように、第2の層間絶縁膜47が形成される(図
12(c))。
【0040】そして、拡散領域38、39とのコンタク
トを取るため、コンタクトホール48、49を設けた
後、配線電極兼上部電極(配線電極50、51、52、
53、上部電極54)が形成される。この後、電子ビー
ム放出孔55と、上部電極54及び配線電極50、5
1、52、53を残してエッチングされる(図12
(d))。尚、571 及び572 は、ワード線である。
【0041】この実施例の電子ビーム発生装置の動作回
路は、上述した図2の回路に示されたものと同じである
ので、重複を避けるため、ここでは説明を省略する。
【0042】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。
【0043】図13は、第2の実施例を示したもので、
画像記憶型の電子ビーム発生装置の回路構成図である。
【0044】すなわち、電子ビーム発生セルを同時に記
憶セルとしても用いるものでセル構成は、上述した第1
の実施例と全く同じであり、周辺回路のみメモリ動作用
としたものである。
【0045】記憶状態は上記図9(a)を図4の−Pr
の状態に対応させて「1」の記憶状態に、また図9
(b)を図4のPrの状態に対応させて「0」の記憶状
態とする。
【0046】強誘電体は、図4に示された如く、電圧印
加なしで記憶状態を保持できるという特徴を有してお
り、不揮発性メモリとすることができる。スイッチング
トランジスタ25はアクセストランジスタとして機能
し、メモリ回路に対して選択信号を受けたとき、強誘電
体キャパシタと直列接続となっている。
【0047】いま、スイッチングトランジスタ25をオ
ン状態にして、電子ビーム発生素子22内のキャパシタ
及びトランジスタ25を経て、駆動線DL及びビット線
BLの間に直列接続を構成する。この回路は、駆動線D
Lとビット線BLの相対的電圧状態で、強誘電体キャパ
シタの上部電極18a、18b間に加わる電圧極性を正
及び負の2つの状態をとることができ、Pr、−Prの
2つの分極状態を生ずることができる。これは、このメ
モリ回路の書込み機能に対応する。
【0048】また、駆動線DLに正のパルス及びビット
線BLを接地状態にすることにより、強誘電体キャパシ
タに蓄積された分極状態に対応したデータ信号をビット
線BLに生じ、これによりメモリ回路の読出し機能を生
ずる。
【0049】図4より、駆動線DLに正のパルス及びビ
ット線BLを接地状態にすると、Pr(「0」)の状態
にある時はパルス除去後の分極変化量は無く、−Pr
(「1」)の状態にある時はパルス除去後の分極変化量
は2Prとなり、これに相当した電荷量が反転回路兼セ
ンスアンプ61に入力される。
【0050】このように、−Pr(「1」)の状態を読
出すということは、読出し動作によって−Pr
(「1」)の状態からPr(「0」)の状態に反転して
しまい、元の記憶状態が破壊されてしまうことを意味し
ている。したがって、最初の記憶状態に戻すために再書
込み動作が必要である。これは、−Pr(「1」)の状
態を読出した時に電荷量が反転回路兼センスアンプ61
に入力されたことにより、駆動線DLの正の印加パルス
除去後に反転回路兼センスアンプ61からビット線BL
に正のパルス電圧を供給するという動作を用いる。
【0051】タイミング制御回路62は、反転回路兼セ
ンスアンプ61を動作させるタイミングを決定するため
のもので、タイミングの決定の仕方でPr(「0」)の
状態を読出した時の信号量に差が生じる。すなわち、反
転回路兼センスアンプ61を動作させるタイミングが駆
動線DLの正の印加パルス時間以内であれば、Pr
(「0」)の状態にある時の読出し信号は0ではなくな
り、−Pr(「1」)の状態を読出す時の信号との差が
小さくなる。
【0052】一方、反転回路兼センスアンプ61を動作
させるタイミングが駆動線DLの正の印加パルス幅より
長くパルス終了時刻が遅延すると、Pr(「0」)の状
態にある時の読出し信号は「0」となり、−Pr
(「1」)の状態を読出す時の信号との差が大きくな
る。何れの場合も、反転回路兼センスアンプ61には基
準電圧35との比較によって記憶状態を判別することが
好ましい。
【0053】尚、データI/O及びデコーダ63は、反
転回路兼センスアンプ61の出力と共に、I/O端子6
4、CE端子31、R/W端子65より動作命令を受け
て動作する。
【0054】以上、図13に示されるように電子ビーム
発生装置を構成することで、出力画像を不揮発的に記憶
することができるようになる。
【0055】尚、上述した第1及び第2実施例の何れに
於いても、画像出力するためには蛍光体を塗布したスク
リーンと真空状態が必要である。
【0056】図14は、この蛍光体を塗布したスクリー
ンと真空状態を有した電子ビーム発生装置の断面構造を
示したものである。すなわち、上述した第1の実施例の
電子ビーム発生装置に、電子ビーム放出面側の第2の層
間絶縁膜47上にスペーサ66を立てる。そして、この
スペーサ66の上に、蛍光体67をその表面に塗布した
スクリーン68を対向させ、これにより生じる空隙部6
9を10-4Torr以上の真空状態として、封止する。
【0057】次に、この発明の第3の実施例を説明す
る。
【0058】図15は、この発明による第3の実施例を
示すもので、図15(a)は正面図、図15(b)は同
図(a)のD−D線に沿った断面図、図15(c)は同
図(a)のE−E線に沿った断面図である。
【0059】以下、図16乃至図19を参照して、動作
を説明する。尚、同実施例では、説明を簡単にするた
め、電子ビーム発生セルが5×5の場合について記載す
る。
【0060】図15に示される電子ビーム発生装置は、
酸化亜鉛系バリスタセラミクス薄板と、強誘電体セラミ
クス薄板の接合構造になっている。すなわち、両面に銀
等の電極を全面に賦した(但し図では片面(71)のみ
図示する)酸化亜鉛系、特に酸化亜鉛ZnO−酸化ビス
マスBi2 3 にアンチモンSb、コバルトCo、マン
ガンMnを添加したセラミクスバリスタ薄板72に、両
面に銀等の電極を両面に賦した(但し図では片面(7
3)のみ図示する)ジルコンチタン酸鉛PZT等の強誘
電体セラミクス板74が、銀を含んだ蝋材等で接合され
る。
【0061】更に、両面から切り溝75、76が形成さ
れている。また、強誘電体の上部電極には、電子ビーム
放出孔77が形成されている。このような両面からの切
り溝構造は、電子ビーム放出セル部のみ厚くなってい
て、その他の部位は薄くなっている。
【0062】次に、このような構造の電子ビーム放出動
作について説明する。
【0063】電子ビーム発生セル1つ分の等価回路は、
図17、図18に示されるように、強誘電体電子ビーム
発生素子81と、図19(a)に示されるようなスイッ
チ特性P1 を有する対称性バリスタ82との直列接続で
表すことができる。更に、対称性バリスタ82は、キャ
パシタ83と可変直流抵抗84が接続された並列回路で
表すことができる。
【0064】強誘電体の分極−電圧特性は、単体であれ
ば一般に、例えば図19(b)に示されるP2 (実
線)、P3 (点線)のように、ロット間、ロット内でば
らつきを示す。このような時、特に問題となることは抗
電界がばらつくということであり、印加電圧の決め方が
極めて難しくなる。
【0065】しかし、これにスイッチ特性を有する対称
性バリスタ82を直列接続すると、図19(c)に示さ
れるP4 のように角型性が増し、抗電界も安定する。こ
のように、スイッチ素子が必要なのは図16に示された
ような、上下に直交したストライプ電極のみでは非選択
セルにも表に示したような電圧が加わり、その電圧によ
って図19(b)のP2 に示されたように、非選択セル
に加わる電圧(1/2)Vapp によって、図中Fから
F′へと減極し分極状態が破壊されるからである。
【0066】図16(a)に示されるように、いま、強
誘電体薄板の両面に直交したストライプ電極(例として
3×3)を配し、例えばC32のセルに書込み、読出し電
圧Vapp が加わるようにすると、その他の非選択セルに
は、図16(b)の表に示されるように、(2/5)V
app 、(1/5)Vapp が加わる。また、n×nのメモ
リセル容量の場合は、(n−1)/(2n−1)・Vap
p 、または1/(2n−1)・Vapp の電圧が加わる。
したがって、nが大きいときの非選択セルに加わる最大
電圧は1/2・Vapp となる。
【0067】しかし、図17、図18に示されるよう
に、強誘電体電子ビーム発生素子81と図19(a)に
1 で示されるようなスイッチ特性を有する対称性バリ
スタ82との直列接続によって得られる図19(c)の
ような分極−印加電圧特性を用いれば、非選択セルに加
わる電圧(1/2)Vapp によって残留分極値が変化す
ることはない。対称性バリスタは、上述した第1の実施
例に於けるスイッチングトランジスタと同じ理由で入っ
ていると言えるが、構造はこの第3の実施例の方が簡単
である。
【0068】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、画像分
解能、時間応答性、視野角、自己発光性、消費電力、コ
ストという点を同時に満足することのできる電子ビーム
発生装置を提供することができ、これに蛍光体を塗布し
たスクリーンを併用することによって自己発光型の高速
応答高分解能画像表示装置を実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電子ビーム発生装置の回路構成
図である。
【図2】この発明による電子ビーム発生装置の走査系の
回路構成図である。
【図3】図2の電子ビーム発生装置の走査系の動作を現
すタイムチャートである。
【図4】一般的な強誘電体の印加電圧−分極特性を示し
た図である。
【図5】この発明による電子ビーム発生装置に用いる強
誘電体の電子ビーム発生原理を説明する図である。
【図6】この発明による電子ビーム発生装置に用いられ
る強誘電体の電子ビーム発生素子の基本構造図である。
【図7】図6の電子ビーム発生素子の構造の印加電圧極
性と分極反転、電子ビーム発生の関係を示した図であ
る。
【図8】この発明の電子ビーム発生装置に用いる強誘電
体の電子ビーム発生素子の他の構造例を示した図であ
る。
【図9】印加電圧極性と、残留分極方向、電子ビーム放
出側の関係について示した図である。
【図10】この発明の第1の実施例で、電子ビーム発生
装置に用いられる強誘電体の電子ビーム発生素子の構造
を示す正面図である。
【図11】図10の強誘電体の電子ビーム発生素子のC
−C線に沿った断面図である。
【図12】図10及び図11の強誘電体の電子ビーム発
生素子を製造するプロセスを示した図である。
【図13】この発明の第2の実施例を示したもので、画
像記憶型の電子ビーム発生装置の回路構成図である。
【図14】蛍光体を塗布したスクリーンと真空状態を有
した電子ビーム発生装置の断面構造図である。
【図15】この発明による第3の実施例を示す電子ビー
ム発生装置の構造図である。
【図16】図15の電子ビーム発生装置の構造の理由を
説明する図である。
【図17】図15に示した電子ビーム発生装置の等価回
路図である。
【図18】図15に示した電子ビーム発生装置の等価回
路図である。
【図19】図15の電子ビーム発生装置の特性説明図で
ある
【図20】従来の液晶を用いた単純マトリクス構造の画
像表示装置の回路構成図である。
【図21】従来の液晶を用いたアクティブマトリクス構
造の画像表示装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1、17…強誘電体、2、5、9…残留分極状態、3、
4…束縛電荷、6、7…自由電荷状態、8…力、10…
軌跡、11…強誘電体薄板または薄膜、12、13…電
極、14、20a、20b…電子ビーム放出孔、15…
強誘電体薄板または基板、16…電子ビームの軌跡、1
8a、18b…上部電極、19…下部電極、21…基
板、22…電子ビーム発生素子、23a、23b…電子
ビーム、24…電子ビーム発生セル、25…スイッチン
グトランジスタ、26…X方向デコーダドライバ、2
7、271 、272 、273 、…、27n 、…X方向配
列線、28…ビット線デコーダ、29…ADD端子、3
0、31…CE端子、32…Y方向デコーダドライバ、
33、331 、332 、…、33n 、…Y方向配列線、
34…反転回路、35…基準電圧、36…反転タイミン
グ回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体薄膜と、 上記強誘電体薄膜の上面に設けられ開口を有する上部電
    極と、 上記強誘電体薄膜の下面に設けられた下部電極とを有す
    る電子ビーム発生素子と、 上記上部電極及び下部電極に接続されて、上記強誘電体
    薄膜の分極反転に伴う 束縛電荷の放出を行わせるべく電
    圧を選択的に供給するスイッチング素子とを具備し、 上記電子ビーム発生素子及びスイッチング素子を2次元
    的に複数個配列することを特徴とする電子ビーム発生装
    置。
  2. 【請求項2】 上記上部電極は上記強誘電体薄膜の上面
    に互いに分離されて設けられたそれぞれ開口を有する第
    1の上部電極と第2の上部電極から成り、上記スイッチ
    ング素子はこの第1の上部電極と第2の上部電極の間に
    正負のパルス電圧を交互に印加することを特徴とする請
    求項1に記載の電子ビーム発生装置。
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