JP3330162B2 - シート状部材用保持装置 - Google Patents

シート状部材用保持装置

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JP3330162B2
JP3330162B2 JP20980492A JP20980492A JP3330162B2 JP 3330162 B2 JP3330162 B2 JP 3330162B2 JP 20980492 A JP20980492 A JP 20980492A JP 20980492 A JP20980492 A JP 20980492A JP 3330162 B2 JP3330162 B2 JP 3330162B2
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富夫 濱
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状部材用保持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シート状部材用保持装置とし
ては、シート状部材を一枚ずつ保持する必要性があるた
め、把持装置によらず、吸着パッドによる保持装置が用
いられている。この保持装置によれば、吸着パッドに連
通した真空ポンプ等の真空発生装置によって発生する吸
引力によりシート状部材を吸着して保持することがで
き、移動装置と組み合わせてシート状部材等の搬送装置
として広く利用されている。この保持装置では通気性が
小さいため吸着し易く重量の軽いシート状部材を、一枚
ずつ保持するには好適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の保持装置においては、シート状部材が布のような通
気性を有する場合に吸引空気が流通してしまうため、吸
着力を高めることが難しかった。このため、特にクリー
ニング工場などで衣類を搬送する際のように、重量の重
いものを保持することは難しく、吸着力を高めるために
大型の真空ポンプ等を使用することは可能であるが、所
定の吸引力を得るために大きなエネルギーを消費してし
まうという課題があった。このため、クリーニング工場
または縫製工場などの布類等のシート状部材を扱う所で
は、シート状部材を好適に一枚ずつ保持して搬送するこ
とが難しく、自動化のための大きな課題となっていた。
【0004】そこで、本発明の目的は、重量の重い布等
の通気性のあるシート状部材についても、エネルギー消
費量を抑えて一枚ずつ好適に保持することが可能なシー
ト状部材用保持装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明のシ
ート状部材用保持装置は、基体に形成され、内部に移動
自在に嵌入されたピストンにより前室と後室が画成され
たシリンダと、後端側において前記ピストンに固定され
ると共に、前記シリンダの後室に連通し、先端側が前記
基体から外方に突出し、先端部でシート状部材に当接し
て該シート状部材を吸着可能に設けられた吸着管と、該
吸着管を前記基体から突出する方向に付勢する付勢部材
と、前記シリンダの後室に連通し、該後室および前記吸
着管内を負圧にして、前記シート状部材を吸着管により
吸着する減圧装置と、前記シリンダの前室に連通し、前
記後室および吸着管内が所定の圧力よりも減圧された際
に、該前室に圧縮空気を送り込み、前記付勢部材の付勢
力に抗して前記ピストンを移動させ前記吸着管を前記基
体方向に移動させる圧縮空気源と、前記シリンダの後室
内の圧力を検知する圧力センサーと、該圧力センサーに
より検知される前記後室の圧力が所定の圧力よりも減圧
された際には開放されて、前記圧縮空気源から前記シリ
ンダの前室内に圧縮空気が供給されるように、前記圧縮
空気源と前記シリンダの前室との間に設けられたバルブ
と、前記基体に設けられ、前記吸着管がシート状部材を
吸着して基体方向に移動した際に、該吸着管先端よりも
前方で前記シート状部材を把持する把持装置とを具備す
る。このことにより、布等のシート状部材を確実に保持
することができる。
【0006】
【作用】本発明のシート状部材用保持装置によれば、シ
ート状部材を吸着した吸着管が、該内部が減圧状態にな
って確実にシート状部材を吸着した状態で、基体内方向
に移動することで、積層されたシート状部材の最上部の
一枚だけを持ち上げることができる。なお、この際に吸
着管によって持ち上げられるのは、通常、シート状部材
の一部分のみでよい。そして、上記の如く持ち上げられ
たシート状部材の一部分を、把持装置によって吸着管の
前方で把持することができる。これにより、布等の通気
性があり、かつ、重量の重いシート状部材でも、一枚ず
つ確実に保持することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかるシート状
部材用保持装置の一実施例を示す断面図であり、図2は
図1の実施例の作動状態を示す断面図である。また、図
3は図1の実施例の外観を示す斜視図である。10は吸
着管であり、軸線方向に長い筒体をなし、先端がシート
状部材に好適に当接可能なゴム等の弾性部材からなる吸
着部12に形成されており、後端には、ピストン14が
形成されている。また、吸着部12に隣接してフランジ
部18が設けられている。前記ピストン14は、本装置
の基体20内部に形成されたシリンダ22に、該シリン
ダ22の軸線方向に往復動可能に嵌入されている。な
お、ピストン14の外周に嵌合固定されたリング状のガ
スケット15によって、ピストン14とシリンダ22と
の気密がなされ、さらにシリンダ22内は先端側の前室
60と、後端側の後室61に画成されている。
【0008】この吸着管10は、常時は該吸着管10の
内部に設けられた段部16と、該段部16に対向するシ
リンダ22の後内端部24との間に配設された付勢部材
であるスプリング26により、基体20から突出する方
向に付勢されている。なお、28はガイド管であり、吸
着管10内に進入された状態で吸着管10内と真空発生
装置54とを連通するようにシリンダ22の後内端部2
4から延設されており、前記スプリング26を所定の位
置に留まるようにガイドしている。
【0009】30は把持部材であり、基体20の先端部
に前記吸着管10を挟んで対向する位置に設けられた二
つの軸32の各々に回動可能に軸着されている。この把
持部材30の先端部には、布等のシート状部材を滑りな
く好適に把持することができるように、ゴム材などの弾
性部材31が装着されており、後端面は、基体20に固
定され把持部材30を所定の範囲内のみで回動可能に規
制する規制部材36に当接するよう形成されている。ま
た、各把持部材30の軸32近傍で吸着管10に面する
部分には、二個の突起部からなる従動カム部34が設け
られている。
【0010】40は原動カムであり、前記吸着管10に
その軸線方向に沿って往復動可能に外嵌されると共に、
前記各把持部材30の従動カム部34に設けられた二個
の突起部の間に係合され、常時はバネ42によって基体
から離反する方向に付勢されている。なお、この原動カ
ム40は、規制部材36によって回動が規制された把持
部材30の従動カム部34に係合しているため、図1に
示すように所定の位置で停止され、それ以上に基部から
離反する方向に移動することはない。また、図2のよう
に吸着管10が、基体20内方向に移動した際にも把持
部材30の回動は規制部材36によって規制されるた
め、図2に示すように原動カムは、所定の位置で停止さ
れ、それ以上に基体20の内方向に移動することはな
い。
【0011】50は圧縮空気の供給部であり、圧縮空気
を所定の圧力に調整して基体20に設けられたシリン
の前室60に導入することができる。なお、51はワン
タッチ式の管継手であり、この管継手に圧縮空気源から
延設されたチューブが接続されている。52はセンサー
であり、シリンダの後室61に連通し、吸着管10内お
よびシリンダの後室61の圧力が、所定値よりも低下し
たことを感知することができる圧力センサーである。こ
のセンサー52により得られた信号で、前記圧縮空気源
から延設されたチューブの中途に設けられたバルブを開
き、前記供給部50を介して圧縮空気を、シリンダの前
室60に供給することができる。
【0012】54は真空発生装置であり、例えば本願出
願人が先に出願し、特開昭63−65200号公報に開
示される技術がある。この真空発生装置54は、流路の
一部が絞られているノズルに圧縮空気を導入することに
よって、周囲の空気を吸収して負圧状態を作りだすエジ
ェクタを具備している。54aは圧縮空気を導入するた
めの接続口であり、54bは排気口である。なお、38
はガスケットであり、摺動する吸着管10に摺接し、シ
リンダ22を気密している。また、図3に示す60は移
動感知センサーであり、本装置全体の往復動方向の移動
量を感知することができ、62は取り付け穴であり、本
装置を他の駆動装置等に装着するために設けられた貫通
穴である。
【0013】次に、以上の構成からなる本発明のシート
状部材用保持装置の作動状態を図1及び図2に基づいて
説明する。先ず、図1の示すように吸着管10が基体か
ら突出した状態で、別途設けられた駆動装置により吸着
管10を、布等のシート状部材の表面に当接させる。こ
のとき、吸着管10はシリンダの後室61(ガイド管2
8)を介して減圧装置である真空発生装置54に連通さ
れているため、吸管10の吸着部12が被吸着物であ
るシート状部材に密着すると、吸着管10内および後室
61が減圧され、シート状部材が吸着された状態とな
る。
【0014】次に後室61の圧力が所定の値より低下し
た時点(すなわち、シート状部材が確実に吸着された時
点)で、センサー52がその圧力を感知して信号を発生
する。この信号によってバルブが開き、圧縮空気源から
圧縮空気の供給部50を介して所定の圧力の圧縮空気が
シリンダの前室60に供給される。この圧縮空気によっ
て、基体20から突出していた吸着管10は、スプリン
グ26の付勢力に抗して基体20内方向に移動し、最終
的に図2に示す位置で停止する。
【0015】この吸着管10の移動途中で、吸着管10
の先端が、把持部材30の先端部よりも基体20内方向
に移動すると、吸着管10の先端部に設けられたフラン
ジ部18が、原動カム40に当接し、原動カム40をバ
ネ42の付勢力に抗して基体20の内方向に移動させ
る。この原動カム40の移動により、各把持部材30の
先端部が内方に回動し、吸着部12の先端に吸着された
シート状部材が、その吸着部の前方で該一対の把持装置
30によって挟持される。
【0016】すなわち、被保持物である最上部に置かれ
たシート状部材の一部を吸着管10で持ち上げた後、そ
の部分を把持部材30によって把持できるため、例えば
積層された布状のシート状部材を、最上部のものから一
枚ずつ確実に保持することができる。このとき、吸着管
10による吸着力は、シート状部材の一部のみを持ち上
げるだけの力があればよく、たとえ被保持物が布のよう
に通気性のあるものでも、減圧装置である真空ポンプの
容量を大きく高める必要がない。したがって、消費エネ
ルギーを極力小さく抑えつつ被保持物を保持することが
できる。
【0017】上記の実施例においては、カム機構によっ
て吸着管の移動に連動させて把持部材を回動させ、シー
ト状部材を挟持する構成となっているが、本発明はこれ
に限られることはなく、センサーの信号によって制御可
能に設けられたソレノイド等を把持部材の駆動手段とし
て別途設けてもよい。以上、本発明の好適な実施例につ
いて種々述べてきたが、本発明はこの実施例に限定され
るものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内でさら
に多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0018】
【発明の効果】本発明のシート状部材用保持装置によれ
ば、シート状部材を吸着した吸着管が、シート状部材の
一部を持ち上げた後、その部分を把持部材が把持でき、
シート状部材を一枚ずつ確実に保持することができる。
これにより、本発明によれば、布等の通気性があり、か
つ、重量のあるシート状部材についても、エネルギー消
費量を最小限に抑えて好適に一枚ずつ保持することがで
きる。また、シート状部材を吸着するための減圧装置
を、吸着管を基体方向に移動させる減圧装置と共通に用
いているので、装置全体の小型化が可能である。また、
シリンダの前室に圧縮空気を供給して吸着管を移動させ
ることで、シリンダの小型化が可能であり、シリンダの
後室を素早く減圧することができ、また僅かな圧縮空気
の供給で吸着管の移動が可能である等、顕著な効果を奏
するものである。更に圧力センサーを設けることで、シ
ート状部材を確実に吸着した(吸着によって負圧が形成
される)状態で吸着管が移動することになり、把持装置
によって確実に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシート状部材用保持装置の一実
施例を示す断面図
【図2】図1の実施例の作動状態を示す断面図
【図3】図1の実施例の外観を示す斜視図
【符号の説明】
10 吸着管 14 ピストン 18 フランジ部 20 基体 22 シリンダ 26 スプリング 30 把持部材 32 軸 34 従動カム部 36 規制部材 40 原動カム 42 バネ 50 圧縮空気の供給部60 前室 61 後室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−178790(JP,A) 実開 昭63−111900(JP,U) 実開 昭58−84886(JP,U) 実開 昭63−151459(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 15/00 - 15/08 B65H 3/00 301 B65H 3/08 350

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に形成され、内部に移動自在に嵌入
    されたピストンにより前室と後室が画成されたシリンダ
    と、 後端側において前記ピストンに固定されると共に、前記
    シリンダの後室に連通し、先端側が前記基体から外方に
    突出し、先端部でシート状部材に当接して該シート状部
    材を吸着可能に設けられた吸着管と、 該吸着管を前記基体から突出する方向に付勢する付勢部
    材と、 前記シリンダの後室に連通し、該後室および前記吸着管
    内を負圧にして、前記シート状部材を吸着管により吸着
    する減圧装置と、 前記シリンダの前室に連通し、前記後室および吸着管内
    が所定の圧力よりも減圧された際に、該前室に圧縮空気
    を送り込み、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ピスト
    ンを移動させ前記吸着管を前記基体方向に移動させる圧
    縮空気源と、 前記シリンダの後室内の圧力を検知する圧力センサー
    と、 該圧力センサーにより検知される前記後室の圧力が所定
    の圧力よりも減圧された際には開放されて、前記圧縮空
    気源から前記シリンダの前室内に圧縮空気が供給される
    ように、前記圧縮空気源と前記シリンダの前室との間に
    設けられたバルブと、 前記基体に設けられ、前記吸着管がシート状部材を吸着
    して基体方向に移動した際に、該吸着管先端よりも前方
    で前記シート状部材を把持する把持装置とを具備するこ
    とを特徴とするシート状部材用保持装置。
JP20980492A 1992-07-14 1992-07-14 シート状部材用保持装置 Expired - Lifetime JP3330162B2 (ja)

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