JP3329187B2 - 変速制御装置 - Google Patents

変速制御装置

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JP3329187B2
JP3329187B2 JP14051696A JP14051696A JP3329187B2 JP 3329187 B2 JP3329187 B2 JP 3329187B2 JP 14051696 A JP14051696 A JP 14051696A JP 14051696 A JP14051696 A JP 14051696A JP 3329187 B2 JP3329187 B2 JP 3329187B2
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浩 松本
滋樹 福島
信秀 志賀
健 本村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動操作によりギ
ヤシフト用アクチュエータを遠隔操作する手動シフトモ
ードと、自動変速シフトを行なう自動シフトモードとを
そなえたセミオートマチック式変速機装置に用いて好適
の、変速制御装置に関し、特に、両シフトモード間にお
ける操作上の調和やマニュアルモードでの操作性の向上
を図った、変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バスやトラック等の大型車では、未だに
手動変速機が主流となっているが、このような手動変速
機では、一般に、運転席側のチェンジレバー(=シフト
操作手段)と、エンジンの出力部に付設された変速機と
を、いずれも機械式のもので構成して、このチェンジレ
バーと変速機とをコントロールロッド等のリンク機構で
機械的に連結した構造になっている。
【0003】このような機械式の変速機では、シフト時
のギヤ機構の駆動を、ドライバのシフト操作力に頼って
おり、ドライバには所要の操作力が要求される。このた
め、特に、市街地走行時のように頻繁にシフト操作を要
求される場合には、このシフト操作が、ドライバにとっ
て大きな負担となる。そこで、変速機におけるギヤの噛
合状態のシフトの為の駆動を行なうアクチュエータを設
けて、このアクチュエータを電気信号を介して遠隔操作
するようにした遠隔操作式の変速機装置が開発されてい
る。
【0004】即ち、アクチュエータとしては、例えば空
気圧や油圧等を駆動源として電磁式の制御弁を制御する
ことで、変速機におけるギヤの噛合状態のシフトを行な
えるようなものとする。この一方で、チェンジレバーを
操作するとこれに応じて所要の電気信号を出力するよう
に構成する。そして、チェンジレバーからの信号を受け
て変速機のアクチュエータ側の制御弁に所要の電気信号
を出力して、該制御弁を制御するように構成する。
【0005】これによって、単にチェンジレバーを操作
するだけの小さな力で、シフトを行なえるようになり、
シフト操作に関するドライバの負担が軽減される。とこ
ろで、シフト操作に関するドライバの負担を更に軽減す
るには、自動変速機を採用すればよい。この自動変速機
は、小型車の場合には、クラッチに代えてトルクコンバ
ータを採用したものが主流になっているが、バスやトラ
ック等の大型車では、駆動トルクの伝達量が大きくトル
クコンバータの負担が過大となるので、手動変速機と同
様に、クラッチを自動的に断接するアクチュエータを設
けて、クラッチペダルを踏むことなく、変速シフトを行
なえるようにしている。
【0006】そして、このような自動変速と遠隔操作に
よる手動変速とを選択的に切りえ可能に構成された、
いわゆるセミオートマチック式変速機装置と称される変
速制御装置が、例えば特開平6−241298号公報等
に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の変速制御装置では、自動変速モード時にクラッチ操作
(即ち、クラッチペダルの踏み込み)が行なわれると、
このクラッチ操作中には変速動作を中止(シフトキャン
セル)して、クラッチ操作(即ち、クラッチペダルの踏
み込み)の終了後には必要に応じて自動変速動作を実行
するように構成されている。これは、以下の理由によ
る。
【0008】つまり、自動変速モードによる走行中に
は、クラッチ操作は変速要求に応じて自動的に行なうよ
うになっているので、ドライバにはクラッチペダルを踏
んでほしくない。そこで、自動変速モードでの走行中に
自動変速シフトを行なっている最中にクラッチペダルを
踏み込んだらシフトキャンセルするようにして違和感を
与えることで、ドライバにこのような状況下ではクラッ
チペダルを踏み込まないように案内しているのである。
【0009】また、従来の変速制御装置では、手動変速
モードによる走行中にはチェンジレバーの操作に対して
何らかの反力を与えることによりシフトフィーリングを
与えているが、自動変速モードによる走行中にはこのよ
うなチェンジレバーの操作に対する反力は本来不要であ
り与えないようになっている。このため、自動変速モー
ドによる走行中に手動により変速操作を行なおうとして
も、ドライバはギヤシフトの完了を容易には認識するこ
とができず、適切な手動変速操作を行ないにくい。そこ
で、自動変速モード時に、クラッチペダルを踏み込んで
の手動変速の操作についても禁止するようにしているの
である。
【0010】しかしながら、このように、自動変速モー
ド時にクラッチ操作が行なわれるとシフトキャンセルを
行なうと、クラッチ操作中に車速が大きく変化するよう
な場合には、クラッチ操作の終了後に変速動作が開始さ
れて実行されることになり、変速動作の開始が遅れるこ
とからクラッチ操作の終了後に一旦大きく減速してから
再び加速するような事態を招くことがあり、このような
車両のもたつきや速度変化が走行フィーリングを悪化さ
せている。
【0011】また、変速制御装置におけるチェンジレバ
ーの構成として、チェンジレバーを前方へ倒すとシフト
アップ指令が行なわれ、チェンジレバーを後方へ倒すと
シフトダウン指令が行なわれるようにした、いわゆるア
ップダウン式のチェンジレバーが考えられている。この
ようなアップダウン式チェンジレバーは、バスやトラッ
ク等の大型車における変速機のように変速段が多い場合
にも、チェンジレバーの移動モード(シフトパターン)
をシンプルに構成することができるが、例えば2速段か
ら4速段へ3速段を飛び越して一気にシフトアップさせ
る(これを、飛び越しシフトという)場合には1アクシ
ョンでは行なえない。
【0012】そこで、このような飛び越しシフトを行な
う場合、複数段のシフトアップを行なうにはチェンジレ
バーを前方へ複数回連続して倒すように操作し、複数段
のシフトダウンを行なうにはチェンジレバーを後方へ複
数回連続して倒すように操作することが考えられる。と
ころで、このようにしてアップダウン式チェンジレバー
において飛び越しシフトを行なう際には、チェンジレバ
ーの操作信号を受けて変速にかかる指令信号を出力する
コントローラは、シフト操作があった場合にこのシフト
操作が単一シフト(飛び越しシフトでない1段分だけの
シフト)であるか飛び越しシフトであるかを判定しなく
てはならない。
【0013】そこで、従来は、シフト操作が単一シフト
であるか飛び越しシフトであるかの判定を次のようにし
て行なっていた。つまり、シフト操作が開始されたら所
定時間ΔTだけ待機して、この所定時間ΔT内に操作さ
れたシフト操作情報に基づいてシフト指令を行なうので
ある。この場合の待機時間ΔTは、チェンジレバーで複
数段の飛び越しシフト操作を行なうことのできるだけの
時間として設定されており、例えば4段飛び越しの飛び
越しシフトまで行なえるようにするには、チェンジレバ
ーを4回連続してアップ操作又はダウン操作するに十分
な時間だけ待機するように時間ΔTを設定するのであ
る。
【0014】しかしながら、このように待機時間ΔTを
設定すると、例え単一シフトであってもこの待機時間Δ
T分だけ遅れて変速動作が開始されるので、変速開始ま
でに時間がかかってしまうという不具合が生じる。本発
明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、自動変速モ
ード時にクラッチ操作が行なわれても走行フィーリング
を悪化させないようにし、また手動モード時の飛び越し
シフトを速やかに且つ確実に行なえるようにした、変速
制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の変速制御装置は、車両にそなえられたエンジ
ンと、該エンジンと動力伝達系との間に介装されたクラ
ッチ機構と、運転者が踏み込み操作可能なクラッチペダ
ルと、該クラッチペダルの踏み込み操作状態又は入力さ
れる電気信号に応じて該クラッチ機構を断接駆動するク
ラッチ用アクチュエータと、該クラッチ機構を介して該
エンジンから出力される回転トルクを複数の変速段のい
ずれかにより変速して出力する変速ギヤ機構を有する変
速機と、電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切り
替えながら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシフ
ト用アクチュエータと、該変速機の手動シフト操作を行
なう操作手段であって、該手動シフト操作に応じた信号
を出力して該ギヤシフト用アクチュエータの作動を制御
しうるシフト操作手段と、該エンジンの負荷状態を検出
するエンジン負荷検出手段と、運転者による手動シフト
操作に応じて該変速段がシフトされる手動シフトモード
と、該エンジン負荷検出手段で検出された該エンジンの
負荷状態に応じて設定される最適変速段に応じて該変速
段がシフトされる自動シフトモードとを、選択的に切り
替えるためのシフトモード選択操作手段と、シフトモー
ド選択操作手段からの選択信号に基づいて、該手動シフ
トモードが選択されると、該シフト操作手段からの信号
に応じて該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト
用アクチュエータへ指令信号を出力する手動変速制御を
行ない、該自動シフトモードが選択されると、該最適変
速段に基づいて該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤ
シフト用アクチュエータへ指令信号を出力する自動変速
制御を行なう制御手段とをそなえ、該制御手段が、該シ
フトモード選択操作手段によって該自動シフトモードが
選択されている場合に該クラッチペダルの踏み込み操作
が行なわれると、該クラッチ機構を断駆動するとともに
該自動変速制御を続行して該自動変速制御によりギヤシ
フト動作とクラッチ断接動作とを行なうように構成され
ていることを特徴としている。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】請求項記載の本発明の変速制御装置は、
請求項1記載の装置において、該制御手段が、該変速制
御時に該シフト操作手段からの信号に応じて該クラッチ
用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ
指令信号を出力して、該クラッチ機構の断接駆動及び該
ギヤ機構の噛合状態の切り替えを制御するように構成さ
れていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図15は本発明の一実
施形態としての変速制御装置を示すもので、図1はその
全体構成を示す模式的な構成図、図2は本装置が適用さ
れる変速制御装置のシフト操作手段(チェンジレバー)
を示す斜視図、図3はそのシフト操作手段(チェンジレ
バー)のシフトパターンを示す図、図4はそのクラッチ
用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエータを示
す模式的な構成図、図5〜図11はいずれもその動作を
説明するためのフローチャート、図12〜図15はいず
れもその動作を説明するためのタイムチャートである。
【0022】この実施形態の変速制御装置は、手動シフ
トモードと自動シフトモードとを選択して実行できるよ
うになっており、手動シフトモードでは、ドライバの手
動操作による変速段のシフト指令を電気信号としてクラ
ッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエータ
に伝達してこれらのクラッチ用アクチュエータ及びギヤ
シフト用アクチュエータを遠隔操作し、自動シフトモー
ドでは、車両の走行状態(例えば車速やエンジン負荷)
に応じた最適変速段にするために変速段の切替が必要な
時にクラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチ
ュエータの作動を制御する。
【0023】さらに、本装置を具体的に説明すると、本
変速制御装置は、車両に設けられたディーゼルエンジン
1に装備されており、図1に示すように、エンジン1の
出力部に付設されたクラッチ機構2と、変速機本体即ち
セミオートマチックトランスミッション(以下、セミ自
動T/Mという)3と、セミ自動T/M3の作動を制御
する制御手段(セミ自動T/Mコントロールユニット)
11と、エンジン1の電子ガバナ1A用の制御手段(電
子ガバナコントロールユニット)12とをそなえてい
る。
【0024】また、制御手段であるセミ自動T/Mコン
トロールユニット11は、手動シフトモード時に遠隔操
作による手動変速制御を行なう手動変速用遠隔操作制御
部11Aと、自動シフトモード時に、クラッチ遮断動作
とギヤシフト動作とクラッチ接合動作とを制御して自動
変速制御を行なう自動変速用遠隔操作制御部11Bとを
そなえている。
【0025】なお、エンジン1は、ディーゼルエンジン
であり、上述のように電子制御ガバナ(電子ガバナ)1
Aをそなえている。また、クラッチ機構2は、クラッチ
用アクチュエータとして機能するクラッチブースタ2A
を付設されており、このクラッチブースタ2Aはエアタ
ンク31からのエアの供給状態に応じて、クラッチ機構
2を断接駆動する。また、クラッチ機構2には、クラッ
チストロークを検出するクラッチストロークセンサ2B
がそなえられている。
【0026】変速機本体3は、前進7段・後進1段の変
速段を有しており、ギヤシフト用アクチュエータとして
のギヤシフトユニット(GSU)3Aが付設されてい
る。このギヤシフトユニット3Aは、変速機本体3のギ
ヤ機構の噛合状態を切り替えながら変速段を所要の状態
にシフト駆動するものである。そして、これらの電子ガ
バナ1A,クラッチブースタ2A及びギヤシフトユニッ
ト3Aは、セミ自動T/Mコントロールユニット11及
び電子ガバナコントロールユニット12によって、電気
信号を通じて制御されるようになっている。
【0027】セミ自動T/Mコントロールユニット11
には、シフト操作手段及び手動・自動選択操作手段又は
シフトモード選択操作手段としてのチェンジレバーユニ
ット4,車両の車速を検出する車速検出手段(車速セン
サ)21,クラッチストロークセンサ2B,クラッチペ
ダル6の踏み込みを検出するクラッチスイッチ40,ト
ランスミッション3の変速段を検出するトランスミッシ
ョンギヤセンサ(図示略),クラッチ回転速度(すなわ
ち、クラッチ機構2の出力側回転数)を検出するクラッ
チ回転数センサ(クラッチ出力回転数検出手段)22,
ブレーキペダル80が踏み込まれるとONになりブレー
キの作動を検出するブレーキ検出手段としてのストップ
ランプスイッチ(ブレーキのエア圧を検知するタイプも
含む)70,ガバナコントロールユニット12,エマー
ジェンシスイッチ23,ディスプレイユニット13,モ
ード切替時に信号音(ピッ音)を発生する切替ブザー1
3A及び警報ブザー14がそれぞれ接続されている。
【0028】また、電子ガバナコントロールユニット1
2には、電子ガバナ1A,アクセル踏込量センサ24,
エンジン回転数センサ25及びセミ自動T/Mコントロ
ールユニット11がそれぞれ接続されている。なお、ア
クセル踏込量センサ24はアクセルペダル7に付設され
る。そして、チェンジレバーユニット4を通じて手動シ
フトモードが選択されると、セミ自動T/Mコントロー
ルユニット11に設けられた手動変速用遠隔操作制御部
11Aを介して、チェンジレバーユニット4からの指令
に基づいて、ギヤシフトユニット3Aのみ、又は、ギヤ
シフトユニット3A及びクラッチブースタ2Aが遠隔操
作されるようになっている。
【0029】つまり、本装置における手動変速用遠隔操
作制御部11Aでは、手動シフトモード時には、発進時
を除いて、チェンジレバーユニット4のチェンジレバー
4Aを手動操作するだけで、ギヤシフトユニット3A及
びクラッチブースタ2Aを遠隔操作して、変速機本体3
の要部及びクラッチ機構2を駆動しながら、クラッチ
断,ギヤチェンジ,クラッチ接の動作を制御するように
なっている。
【0030】また、チェンジレバー4Aの手動操作は、
機械的な駆動力のいる操作ではなく、電気的な制御信号
を出力するスイッチ操作なので、極めて小さな操作力で
シフト操作できる。ここでは、このようなチェンジレバ
ー4Aの手動操作の制御をフィンガータッチ制御又はフ
ィンガー制御といい、また、手動シフトモードに代えて
フィンガータッチシフトモードともいう。
【0031】また、本変速制御装置では、チェンジレバ
ー4Aを通じて自動シフトモードが選択されると、発進
時のクラッチ接続操作を除いて自動シフトモードを実施
しうるようになっている。このような自動シフトモード
時には、セミ自動T/Mコントロールユニット11の自
動変速用遠隔操作制御部11Bを介して、各種の情報に
基づきギヤシフトユニット3A及びクラッチブースタ2
Aが遠隔操作されるとともに、電子ガバナコントロール
ユニット12を介して、各種の情報に基づき電子ガバナ
1Aが遠隔操作されるようになっている。
【0032】ところで、本装置では、走行中、例えば第
2速〜第7速の変速段領域で自動シフトモードを実行し
うるようになっている。バスやトラック等の大型車の場
合には、第1速の変速段を使用するのは高負荷発進時や
高負荷極低速時等であり、通常走行時には、第2速〜第
7速の変速段領域で走行状態に適した変速段を選択しう
る。したがって、本装置では、通常走行時にはほとんど
の状況下で自動シフトモードによる変速制御を行なうこ
とができるのである。
【0033】発進時には、クラッチを徐々に接合してい
ってクラッチによるトルク伝達量を緩やかに増加させる
ようにする必要があるが、このような発進時のクラッチ
接合を適切に自動制御するには、現状ではクラッチブー
スタ2Aの構造やその制御の更なる複雑化を招くことに
なる。そこで、本装置では、このような装置や制御の複
雑化を回避するように、発進時については、自動シフト
モードが実行されないようになっており、また、手動シ
フトモードによる発進についても自動クラッチ制御は行
なわず、手動操作のみによりクラッチ接続を行なうよう
になっているのである。
【0034】したがって、本発明の変速制御装置では、
発進時を除いたほとんど全ての走行状況下で自動シフト
モードを実施することができ、また、クラッチ操作(ク
ラッチペダル6の踏込操作)を要しない手動シフトモー
ドも発進時を除いた全ての走行状況下で実施することが
でき、ドライバの負担を大きく軽減することができるよ
うになっているのである。
【0035】もちろん、車両が停車する際には自動的に
クラッチ機構2が断状態(接続遮断)に駆動されるよう
に構成されている。このため、図1に示すように、自動
変速用遠隔操作制御部11Bには、車両の停止を判定す
る停止判定手段50と、クラッチブースタ2Aを制御す
る停車時クラッチ制御手段60とが設けられており、こ
れら停止判定手段50とクラッチ制御手段60とによ
り、自動シフトモード時のクラッチ操作,アクセル操作
及びギヤシフト動作が制御されるようになっている。
【0036】ここで、停止判定手段50には、車速セン
サ21,クラッチ回転数センサ22及びストップランプ
スイッチ70が接続されており、これら各センサ類2
1,22,70からの情報に基づいて、クラッチ回転速
度が所定速度(例えば600rpm)以下であり、且つ
ブレーキ作動中であって且つ車速が所定車速(例えば3
0km/h)以下の場合に、車両が停止している又は停
止直前であると判定するようになっている。
【0037】また、停車時クラッチ制御手段60は、上
記停止判定手段50により車両の停止(又は停止直前)
が判定されるとエンストを防止すべくクラッチ機構2の
接続を遮断するようにクラッチブースタ2Aを制御する
ようになっている。そして、車両停止時には、所定時間
クラッチを切り離した状態に保持するようになってい
る。
【0038】ところで、従来の変速制御装置では、自動
シフトモードでの走行中にはドライバにクラッチペダル
6を踏み込まないようにしてもらいたいために、クラッ
チペダル6を踏み込んだらシフトキャンセルするように
していたが、本装置では、自動シフトモードの時には、
クラッチペダル6の踏み込みに関係なく常に走行状態に
最適の変速段が選択されるよう切替制御が行なわれるよ
うになっている。
【0039】このように、自動変速モード時にもクラッ
チ操作の有無に係わらず、適切な変速段の切替制御が行
なわれるようにすることで、変速動作の遅延が回避され
て、例えクラッチ操作を行なってもこのクラッチ操作の
終了後には、適切な変速段が選択されているようにな
り、クラッチ操作時の車両のもたつきや速度変化を抑制
でき、走行フィーリングの悪化を防止できるようになっ
ているのである。
【0040】また、車両の走行状態を検出するために、
エンジン1には、エンジン負荷検出手段90が設けられ
ている。このエンジン負荷検出手段90は、上述のアク
セル踏込量センサ24,エンジン回転数センサ25及び
トランスミッションギヤセンサ(図示略)から構成され
ており、例えばアクセル開度やエンジン回転数等からエ
ンジン1の負荷状態を検出するものである。そして、自
動変速用遠隔操作制御部11Bでは、車速センサ21及
びエンジン負荷検出手段90等からの検出情報に基づい
て変速すべき目標変速段を設定するようになっている。
【0041】また、停車時クラッチ制御手段60による
クラッチ機構2の遮断完了後には、車両の速度状態やエ
ンジン1の負荷状態に応じて最適な変速段を設定し、こ
の変速段へのシフトを行なうようになっている。なお、
このような自動変速制御やクラッチ遮断制御については
後で詳述する。ところで、チェンジレバーユニット4
は、図2に示すように、比較的ショートストロークのチ
ェンジレバー4Aをそなえている。
【0042】このチェンジレバー4Aのシフトパターン
は、図3に示すようになっており、N(ニュートラル)
と、R(リバース)と、D(ドライブ)と、H(ホール
ド)と、UP(シフトアップ)と、DOWN(シフトダ
ウン)との、6つのポジションをそなえたI型シフトパ
ターンになっている。なお、Dポジションを選択すると
自動シフトモードを設定でき、Hポジションを選択する
と手動シフトモード時に変速段を保持(即ち、Hol
d)する。なお、Hポジションでは手動シフトモードと
なるので、M(マニュアル)ポジションとも称すること
にする。
【0043】このうち、Nポジション,Rポジション,
Dポジション及びSポジションの各ポジションに入れた
場合には、操作後にチェンジレバー4Aから手を離して
もこの位置でチェンジレバー4Aが停止するが、UPポ
ジション及びDOWNポジションでは、チェンジレバー
4Aから手を放すとHポジションに自動的に戻るように
なっている。
【0044】したがって、シフト操作時以外には、チェ
ンジレバー4Aは、N(ニュートラル)又はD(ドライ
ブ)又はH(ホールド)のポジションにあり、このチェ
ンジレバー4Aの位置からは選択されている変速段を認
識できない。そこで、この装置では、セミ自動T/Mコ
ントロールユニット11からの信号を受けて、ディスプ
レイユニット13で、現在の変速段の表示、即ち、1
速,2速,3速,4速,5速,6速,7速,R(リバー
ス),N(ニュートラル),D(ドライブ)の表示を行
なうようになっている。
【0045】また、ディスプレイユニット13では、自
動変速インジケータランプの点灯又は消灯によりシフト
モードが自動シフトモードか手動シフトモードかの表示
を行なうようにもなっている。そして、N,D,N,U
P,DOWN,Rの各ポジションに応じて、指令信号を
出力するようになっている。なお、各ポジションの間の
過渡的なポジションでも、指令信号を出力するようにな
っている。つまり、HポジションとUPポジションとの
間,HポジションとDOWNポジションとの間では、H
ポジションに応じた指令信号が出力され、Nポジション
とRポジションとの間,NポジションとDポジションと
の間では、Nポジションに応じた指令信号が出力され、
DポジションとHポジションとの間では、Hポジション
に応じた指令信号が出力されるようになっている。即
ち、UP,DOWN,R,Dの指令信号は、チェンジレ
バー4Aがこれらのポジションに入ったときのみに指令
信号がされ、過渡的なポジションでは、第1にNポジシ
ョン信号が優先されて、第2にHポジション信号が優先
されるようになっている。
【0046】ところで、本チェンジレバー4Aは、この
ようにいわゆるアップダウン式のものであるため、バス
やトラック等の大型車における変速機のように変速段が
多い場合にも、チェンジレバーの移動モード(シフトパ
ターン)をシンプルに構成することができるが、例えば
2速段から4速段へ3速段を飛び越して一気にシフトア
ップさせる(これを、飛び越しシフトという)場合には
何らかの工夫が要求される。
【0047】そこで、本装置では、例えば複数段のシフ
トアップを行なうにはチェンジレバーを前方へ複数回連
続して倒すように操作し、複数段のシフトダウンを行な
うにはチェンジレバーを後方へ複数回連続して倒すよう
に操作することで、このような飛び越しシフトを実現で
きるようになっている。このようにしてアップダウン式
チェンジレバーにおいて飛び越しシフトを行なう際に
は、シフト操作があった場合にこのシフト操作が、単一
シフト即ち飛び越しシフトでない1段分だけのシフトで
あるか、飛び越しシフトであるかを判定しなくてはなら
ない。そこで、本装置の手動変速用遠隔操作制御部11
Aでは、以下のような飛び越しシフト判定手段100を
そなえている。
【0048】つまり、飛び越しシフト判定手段100
は、チェンジレバー4AがHポジションからUPポジシ
ョン又はDOWNポジションへ操作されたら(これを第
1指令操作という)、所定時間Δt内に、これに連続し
た飛び越しシフトのためのシフト操作(これを第2指令
操作という)が行なわれたら飛び越しシフト指令であ
り、所定時間Δt内に、第2指令操作が行なわれなけれ
ば単一シフト指令であると判定するようになっている。
【0049】特に、この判定の閾値となる所定時間Δt
は、一回のシフト操作に要する時間に応じて設定されて
いる。つまり、一回のシフト操作は、チェンジレバー4
AをHポジションとUPポジションとの間、又は、Hポ
ジションとDOWNポジションとの間で往復させるた
め、この操作には一定の時間を要する。もちろん、ドラ
イバによって操作速度が異なるので、所定時間Δtは、
ゆっくりと操作するドライバでも一回のシフト操作を完
了しうる時間(これをt1とする)よりもやや長い時間
(Δt=t1+α,α:微小値)に設定されている。
【0050】また、同じ飛び越しシフトの場合にも、例
えば第2速から第4速への1段飛び越しの他に、例えば
第2速から第5速への2段飛び越しや第2速から第6速
への3段飛び越し等も考えられる。また、飛び越しシフ
ト判定手段100では、シフト操作が行なわれたら常に
この時点から所定時間Δt内で更なるシフト操作が行な
われたか否かを判定するようになっている。
【0051】したがって、例えば図13に示すように、
2回連続してシフト操作が行なわれれば、第1指令操作
後にまず所定時間Δtだけ待機するとこの間に第2指令
操作が行なわれることになり、飛び越しシフト判定手段
100では、この第2指令操作が行なわれた時点から新
たに所定時間Δtだけ待機する。この間に、次なる指令
操作(第3指令操作)が行なわれなければ、シフト操作
は2回連続のものだと判定することができ、この場合に
は1段飛び越しシフトを行なうことになる。
【0052】また、例えば図14に示すように、3回連
続してシフト操作が行なわれれば、第1指令操作後の所
定時間Δt内に第2指令操作が行なわれ、この第2指令
操作後の新たな所定時間Δt内に第3指令操作が行なわ
れるが、この第3指令操作後の新たな所定時間Δt内に
は次なる指令操作(第4指令操作)は行なわれず、シフ
ト操作は3回連続のものだと判定することができる。こ
の場合には、2段飛び越しシフトを行なうことになる。
【0053】このようにして、各シフト操作後に常に所
定時間(即ち、一回のシフト操作に要する時間)Δtだ
け待機して判定を行なうことで、1段飛び越しシフトや
2段飛び越しのみならず、3段飛び越しシフトやこれ以
上の複数段の飛び越しシフトについても確実に判定し
て、シフト指令することができる。しかも、このような
判定にかかる待機時間を短縮させることができるのであ
る。
【0054】なお、ここで、本装置と対比するために、
従来考えられていた飛び越しシフトの判定について説明
しておくと、従来は、図15に示すように、十分な待機
時間ΔTを設けて、この待機時間ΔT内で、何回連続し
てシフト操作が行なわれたか否かによって、単一シフト
か飛び越しシフトか、また、飛び越しシフトの場合、何
段飛び越しかを判定する。
【0055】したがって、待機時間ΔTは、予想される
複数飛び越しに要する操作時間に応じて設定される。例
えば第2速から第7速への5段飛び越しまで考慮すれ
ば、待機時間ΔTはシフト操作5回分に応じた時間に設
定する必要がある。しかしながら、このように判定のた
めの待機時間ΔTを長く設定すれば、例え単一シフトの
場合にも、この長い待機時間ΔTか経過してからでない
と、シフト動作が開始されないので、シフト指令操作か
ら実際のシフト動作の開始するまでに長い時間を要して
いた。
【0056】本装置では、この飛び越しシフトの判定に
かかる待機時間Δtが、上述のようにシフト操作1回分
だけに応じた時間に設定されているので、従来の待機時
間ΔTに比べて飛躍的に短縮されている。つまり、いず
れのシフトの場合にも、シフト指令操作後、シフト操作
1回相当の時間分の遅れだけでシフト動作を開始するこ
とができるのである。
【0057】また、本装置の手動変速用遠隔操作制御部
11Aには、シフト指令されたシフトが可能か否かを判
定するシフト可能判定手段102がさらにそなえられて
いる。このシフト可能判定手段102は、シフト指令操
作があったらこのシフト指令に対するシフトが可能か否
かを判定する第1判定部102Aと、シフト指令操作が
あったらさらにこのシフト指令操作に連続したシフト指
令操作があった場合(即ち、飛び越しシフトの指令操作
った場合)にこのような飛び越しシフトが可能か否
かを判定する第2判定部102Bとをそなえている。
【0058】第1判定部102A及び第2判定部102
Bは、それぞれのシフトを実行した場合にエンジン回転
数が適正な範囲内に納まればシフト可能(即ち、エンジ
ン回転数が適正)と判定し、それぞれのシフトを実行し
た場合にエンジン回転数が適正な範囲内に納まらなけれ
ばシフト不可能(即ち、エンジン回転数が不適正)と判
定する。
【0059】つまり、第1判定部102Aでは、シフト
指令操作を受けてこの操作に対するシフトが可能か否か
をエンジン回転数に基づいて判定し、第2判定部102
Bでは、シフト指令操作を受けてこの操作にさらに連続
してシフト指令操作が行なわれた場合の連続シフト指令
操作に対するシフトが可能か否かをエンジン回転数に基
づいて判定する。
【0060】なお、適正なエンジン回転数の範囲とは、
その下限値をエンジンがエンストを生じない程度の回転
数に設定され、その上限値をエンジンがオーバレブしな
いような回転数に設定されている。そして、そして、手
動変速用遠隔操作制御部11Aでは、第1判定部102
Aでシフト不可能と判定された場合には、シフト指令操
作があってもシフト制御は行なわずに、警報ブザー14
等を通じてシフト不可能を警告し、また、第1判定部1
02Aではシフト可能と判定されたが第2判定部102
Bではシフト不可能と判定された場合には、待機時間Δ
tだけ待機することなく、この判定直後に、シフト指令
操作に基づいたシフト制御を実行してしまうようになっ
ている。
【0061】また、第1判定部102Aでも第2判定部
102Bでもシフト可能と判定された場合には、第1指
令操作後に、上述のように待機時間Δtだけ待機する。
そして、この待機時間Δt内に第1指令操作に連続した
シフト指令操作(第2指令操作)がなければ、1回のシ
フト指令操作に応じたシフト制御を行ない、第2指令操
作があれば、さらに、第1判定部102A及び第2判定
部102Bによる判定を行なう。
【0062】ここで、もしも第1判定部102Aではシ
フト可能と判定されたが第2判定部102Bではシフト
不可能と判定された場合には、待機時間Δtだけ待機す
ることなく、この判定直後に、第1指令操作及び第2指
令操作に基づいた1段飛び越しのシフト制御を実行す
る。一方、第1判定部102Aでも第2判定部102B
でもシフト可能と判定された場合には、さらに待機時間
Δtだけ待機する。そして、この待機時間Δt内に第2
指令操作に連続したシフト指令操作(第3指令操作)が
なければ、2回のシフト指令操作に応じた1段飛び越し
のシフト制御を行ない、第3指令操作があれば、再び、
第1判定部102A及び第2判定部102Bによる判定
を行なう。
【0063】以下、さらに連続したシフト指令操作があ
った場合にもこれと同様にして、第1判定部102A及
び第2判定部102Bによる判定に基づいて制御を行な
っていくが、このようにして、連続したシフト指令が行
なわれる前に、この連続したシフト指令が不可能な場合
には待機時間Δtの待機を行なうことなく、速やかにシ
フト動作を開始できるようになっているのである。
【0064】ところで、ギヤシフトユニット3A及びク
ラッチブースタ2Aを駆動するエアライン系及び油圧ラ
イン系については、図4に示すように構成されている。
図4において、31はメインエアタンクであり、エマー
ジェンシタンク31Cが付設されている。31Aはサブ
エアタンクであり、ブレーキ用タンクとウェットタンク
とをそなえている。31Bはブレーキ用タンクのサブエ
アタンクである。
【0065】また、32はエア配管(エアホース)、3
3はチェックバルブ、34はダブルチェックバルブ、3
5A〜35Cはローエアプレッシャスイッチである。3
6B〜36Dは電磁式の3ウェイバルブであって、ここ
では、バルブ36BをMVP,バルブ36CをMVR,
バルブ36DをMVWとも呼ぶ。36E,36Fは電磁
バルブであって、バルブ36Eはエア供給を行なうもの
でここではMVXとも呼び、バルブ36Eはエア抜きを
行なうものでここではMVYとも呼ぶ。
【0066】これらの電磁バルブ36B,36C,36
E,36Fは、いずれもセミ自動T/Mコントロールユ
ニット11からの指令信号に応じて切り替えられる。電
磁式3ウェイバルブ36Bは、メインタンク31とエマ
ージェンシタンク31Cとの利用状態を切り替えるため
のもので、通常時にはメインタンク31からのエア圧が
利用されるように排出状態とされ、メインタンク31が
正常に働かないような緊急時にはエマージェンシタンク
31Cからのエア圧が利用されるように連通状態とされ
る。
【0067】電磁式3ウェイバルブ36Cは、ギヤシフ
トユニット3Aにおけるシフト力を切り替えるためのも
ので、シフト力を通常状態(大きくない状態)にすると
きには排出状態とされシフト力を大きくするときには連
通状態とされる。ところで、クラッチ2は、クラッチブ
ースタ2Aにエア圧を供給されると離隔状態(切状態)
となり、クラッチブースタ2Aのエア圧が抜かれると接
合状態(接状態)となるように構成されている。そし
て、電磁式バルブ36Eが作動するとクラッチブースタ
2Aにエア圧が供給されてクラッチ2の離隔状態とな
り、電磁式バルブ36Fが作動するとクラッチブースタ
2Aのエア圧が除去されてクラッチ2の接合状態となる
ように設定されている。
【0068】電磁式3ウェイバルブ36Dは、ギヤ入れ
駐車時に電磁式バルブ36Eの破損により、クラッチが
切れることのないようにエア圧の供給を断つためのもの
で、通常時にはエアホース32を開通する連通状態とさ
れ、エンジン停止時にはクラッチブースタ2Aのエア圧
を除去する排出状態とされる。また、37Aは例えば出
力エア圧が3.9kg/cm2の低圧レデューシングバルブで
あり、37Bは例えば出力エア圧は7.5kg/cm2の高圧
レデューシングバルブである。
【0069】38はリレーバルブであり、このリレーバ
ルブ38はサブエアタンク31Aからクラッチブースタ
2Aにエア圧を供給するエアホース32に介装されてい
る。また、このリレーバルブ38は、クラッチペダル6
の踏み込みに応じて作動するマスタシリンダ6Aと油路
41を介して接続されており、クラッチペダル6を踏み
込んでいない時には、クラッチブースタ2Aのエア圧を
排出する排出状態となって、クラッチ2が接合状態とさ
れて、クラッチペダル6の踏込時には、クラッチブース
タ2Aにエア圧を供給する供給状態となり、クラッチ2
が離隔状態とされるようになっている。
【0070】また、39はエアドライヤである。さら
に、ギヤシフトユニット3A内には、図示しないが、M
VA〜MVFの6つの電磁バルブが設けられており、こ
れらのバルブの開閉に応じて、ギヤ機構の噛合状態が切
り替えられる。これらの電磁バルブMVA〜MVFも、
それぞれセミ自動T/Mコントロールユニット11から
の指令信号に応じて切り替えられる。
【0071】ところで、この装置では、上述のように、
変速機のコントロールモードに、手動シフトモードと自
動シフトモードとがあるが、チェンジレバー4AがHポ
ジションの手動シフトモードに設定されたときや、チェ
ンジレバー4AがDポジションッチの自動シフトモード
に設定されたが自動シフトモードの設定条件を満たさな
いとき等に、手動シフトモードとなる。
【0072】この手動シフトモードの際には、セミ自動
T/Mコントロールユニット11では、電磁バルブ36
C(つまり、MVR)及びMVA〜MVFの制御を以下
のごとく行なうようになっている。つまり、車両が停止
状態であれば、クラッチペダル6の踏込中に、チェンジ
レバー4AがNポジションからRポジションへシフト指
令されると、セミ自動T/Mコントロールユニット11
から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜M
VFのうちの対応する電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、Rポジショ
ンへ切り替えられるようになっている。
【0073】このとき、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11では、トランスミッションギヤセンサ(図示
略)から実際に選択されている変速段情報を受けて、こ
れをセミ自動T/Mコントロールユニット11から出力
された指令変速段(目標変速段)と比較して、選択変速
段が指令変速段と一致するとシフト動作が完了したと判
断する。
【0074】また、車両の停止状態でクラッチペダル6
の踏込中に、チェンジレバー4AがNポジションからD
ポジションへシフト指令操作されて所定時間t1(t1
は極く短い時間)が経過したら、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11から、ギヤシフトユニット3Aの電
磁バルブMVA〜MVFのうちの対応する電磁バルブへ
作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合
状態が、N状態(中立状態)から第2速へ切り替えられ
るようになっている。
【0075】この第2速は、バスやトラック等が通常の
発進時に使用する変速段であり、チェンジレバー4Aを
Dポジションへ操作すれば、発進準備が完了し、クラッ
チペダル6の踏込を解除しながら発進を行なうことがで
きる。このように第2速が選択された後に、チェンジレ
バー4AがDポジションからHポジションへ操作される
と第2速を保持することになる。
【0076】これに引き続いて、HポジションからUP
ポジション又はDOWNポジションへ指令操作される
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11から、ギ
ヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのう
ちの対応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速
機本体3のギヤ機構の噛合状態が、UP操作の場合は第
3速へ、DOWN操作の場合は第1速へと切り替えられ
るようになっている。
【0077】また、本装置の手動変速用遠隔操作制御部
11Aには、車両の発進時にチェンジレバー4AがNポ
ジションからDポジションを経てHポジションへと操作
される場合に、Dポジション(自動変速位置)を通過す
る時間が予め設定された所定時間t1内であるか否かを
判定する自動変速位置通過判定手段104と、この自動
変速位置通過判定手段104からの判定結果に基づい
て、Dポジションを速やかに通過した場合には、変速ギ
ヤを2速状態に切り替えることなく、Hポジションへ入
ったときも変速ギヤをN状態に保持する中立保持手段1
06とがそなえられている。
【0078】つまり、自動変速位置通過判定手段104
で、車両の停止状態でクラッチペダル6の踏込中に、チ
ェンジレバー4AがNポジションから所定時間t1内に
Dポジションを経てHポジションへと速やかにシフト指
令操作されたと判定すると、中立保持手段106が、変
速ギヤを2速状態に切り替えることなく、中立状態に保
持するようになっている。
【0079】そして、この中立状態のHポジションから
DOWNポジションへ指令操作されると、セミ自動T/
Mコントロールユニット11から、ギヤシフトユニット
3Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの対応する電磁
バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態が、第1速へと切り替えられるようになっ
ている。
【0080】したがって、発進時に、クラッチペダル6
を踏み込みながらチェンジレバー4AをNポジションか
らDポジションを経てHポジション次いでDOWNポジ
ションへと連続操作すれば、変速段は中立状態から直接
第1速へセットされることになり、この後、クラッチを
結合することで速やかに1速発進を行なうことができ
る。
【0081】もちろん、通常の第2速による発進をした
ければ、チェンジレバー4AをNポジションからDポジ
ションに移動させてクラッチを結合すればよい。いずれ
にしても、中立状態から発進したい変速段へ直接切り替
えることができるため、発進時に変速機のもたつきが解
消されることになる。なお、中立状態のHポジションか
らUPポジションへ指令操作されると、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態は、第2速へと切り替えられる。
【0082】また、上述のRポジションや第2速ポジシ
ョンや第1速ポジションへの各シフト時において、シフ
ト動作が完了する前に、チェンジレバー4AをNポジシ
ョンやHポジションに戻してしまうと、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態は、N状態(ニュートラル状態)に
戻されるようになっている。さらに、車両の停止状態で
クラッチペダル6の踏込中に、チェンジレバー4AがD
ポジション又はHポジション又はRポジションからNポ
ジションへシフト指令されると、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態は、N状態(中立状態)に切り替えられる
ようになっている。
【0083】一方、車両の走行状態(前進走行状態)に
おける変速段切替については、前進走行状態では変速機
本体3のRポジションへのシフトが禁止されている。つ
まり、車両の走行状態でクラッチペダル6の踏込中に、
チェンジレバー4AがNポジションからRポジションへ
シフト指令されると、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11からは、この指令に応じたシフト信号は出力さ
れずに、警告ブザー14に作動信号が出力されて、警告
音でドライバに警告が発せられるようになっている。
【0084】また、車両の走行状態には、チェンジレバ
ー4Aは通常はDポジションかHポジションにセットさ
れており、Hポジションの場合は、既にセットされた変
速段を保持しているが、チェンジレバー4AがHポジシ
ョンからUPポジション又はDOWNポジションへシフ
ト指令操作されると、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、車速センサ21の検出情報に基づいて、
指令操作された変速段が車両の走行状態や変速機の特性
に対して適正であれば設定可能であり、指令操作に応じ
た変速段を設定するが、指令操作された変速段が車両の
走行状態や変速機の特性に対して適正でなければ現変速
段を続行するか指令操作により近い変速段を設定するよ
うになっいる。
【0085】そして、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブM
VA〜MVFのうちの設定された変速段に対応する電磁
バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態が、所要の変速段ポジションへ切り替えら
れるようになっている。例えば、チェンジレバー4Aが
Hポジションでニュートラル状態で無いことを前提とす
るが、車両の走行中に、チェンジレバー4AがHポジシ
ョンからUPポジションへシフト指令されると、セミ自
動T/Mコントロールユニット11では、現変速段が既
に最高速段(第7速)に設定されている場合と、変速段
切替後にエンジン回転数が適正な範囲内よりも低回転に
なってしまう場合とを除いて、現変速段よりも1段高い
変速段を設定する。
【0086】そして、この新たに1段高く設定した変速
段よりもさらにもう1段高い変速段(飛び越しシフトの
変速段)について、これが設定不可能である場合には、
速やかに、セミ自動T/Mコントロールユニット11か
ら、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MV
Fのうちの設定した変速段に対応する電磁バルブへ作動
信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態
が、現変速段よりも1段高い変速段のポジションへシフ
トアップされるようになっている。
【0087】なお、新たな変速段の設定が不可能である
場合には、設定しようとする変速段が最高速段(ここで
は第7段)を越えてしまう場合、即ち、1段飛び越しな
らば現変速段が第6速である場合と、飛び越しシフトの
変速段への切替後にエンジン回転数が適正な範囲よりも
低回転になってしまう場合とがある。一方、上記の飛び
越しシフトの変速段が設定可能である場合には、所定時
間Δtだけ待機して、この間に連続したシフト操作がな
ければ、セミ自動T/Mコントロールユニット11か
ら、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MV
Fのうちの設定した変速段に対応する電磁バルブへ作動
信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態
が、現変速段よりも1段高い変速段のポジションへシフ
トアップされるようになっている。
【0088】また、現変速段が既に最高速段(第7速)
に設定されている場合や、変速段切替後にエンジン回転
数が適正な範囲内に納まらない場合には、シフトアップ
指令に応じたシフト信号は出力されずに、警告ブザー1
4に作動信号が出力されて、警告音でドライバに警告が
発せられるようになっている。そして、所定時間Δtだ
け待機している間に連続したシフト操作があれば、さら
に上述と同様に次なる連続シフト操作(2段飛び越しシ
フト操作)を想定して、この2段飛び越しの変速段が設
定可能か否かを判定する。
【0089】ここで、2段飛び越しシフトアップの変速
段が設定不可能の場合には、速やかに、セミ自動T/M
コントロールユニット11から、ギヤシフトユニット3
Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの設定した変速段
に対応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速機
本体3のギヤ機構の噛合状態が、現変速段よりも2段高
い変速段のポジションへシフトアップされるようになっ
ている。
【0090】一方、2段飛び越しシフトアップの変速段
が設定可能の場合には、さらに所定時間Δtだけ待機し
て、次なる連続シフト操作(2段飛び越しシフト操作)
の有無に応じて所要の変速段の設定を行なって、セミ自
動T/Mコントロールユニット11によるギヤシフトユ
ニット3Aの制御により、設定変速段への切替を行な
う。3段飛び越し以上の変速段が設定された場合にも、
以下同様に制御する。
【0091】逆に、車両の走行中に、チェンジレバー4
AがHポジションからDOWNポジションへシフト指令
されると、シフトアップの場合と同様にシフトダウン制
御が行なわれるようになっている。つまり、チェンジレ
バー4AがHポジションでニュートラル状態で無いこと
を前提とするが、車両の走行中に、チェンジレバー4A
がHポジションからDOWNポジションへシフト指令さ
れると、セミ自動T/Mコントロールユニット11で
は、現変速段が既に最低速段(第1速)に設定されてい
る場合と、変速段切替後にエンジン回転数が適正な範囲
内よりも高くなってしまう場合とを除いて、現変速段よ
りも1段低い変速段を設定する。
【0092】そして、この新たに1段低い設定した変速
段よりもさらにもう1段低い変速段(飛び越しシフトの
変速段)について、これが設定不可能である場合には、
速やかに、セミ自動T/Mコントロールユニット11か
ら、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MV
Fのうちの設定した変速段に対応する電磁バルブへ作動
信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態
が、現変速段よりも1段低い変速段のポジションへシフ
トダウンされるようになっている。
【0093】なお、新たな変速段の設定が不可能である
場合には、設定しようとする変速段が最低速段(ここで
は第1段)を下回ってしまう場合、即ち、1段飛び越し
ならば現変速段が第2速である場合と、飛び越しシフト
の変速段への切替後にエンジン回転数が適正な範囲より
も高くなってしまう場合とがある。一方、上記の飛び越
しシフトの変速段が設定可能である場合には、所定時間
Δtだけ待機して連続したシフト操作がなければ、セミ
自動T/Mコントロールユニット11から、ギヤシフト
ユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの設定
した変速段に対応する電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、現変速段よ
りも1段低い変速段のポジションへシフトダウンされる
ようになっている。
【0094】また、現変速段が既に最低速段(第1速)
に設定されている場合や、変速段切替後にエンジン回転
数が適正な範囲内よりも高くなってしまう場合には、シ
フトアップ指令に応じたシフト信号は出力されずに、警
告ブザー14に作動信号が出力されて、警告音でドライ
バに警告が発せられるようになっている。そして、所定
時間Δtだけ待機している間に連続したシフト操作があ
れば、さらに上述と同様に次なる連続シフト操作(2段
飛び越しシフト操作)を想定して、この2段飛び越しの
変速段が設定可能か否かを判定する。
【0095】ここで、2段飛び越しシフトダウンの変速
段が設定不可能の場合には、速やかに、セミ自動T/M
コントロールユニット11から、ギヤシフトユニット3
Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの設定した変速段
に対応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速機
本体3のギヤ機構の噛合状態が、現変速段よりも2段低
い変速段のポジションへシフトダウンされるようになっ
ている。
【0096】一方、2段飛び越しシフトダウンの変速段
が設定可能の場合には、さらに所定時間Δtだけ待機し
て、次なる連続シフト操作(2段飛び越しシフト操作)
の有無に応じて所要の変速段の設定を行なって、セミ自
動T/Mコントロールユニット11によるギヤシフトユ
ニット3Aの制御により、設定変速段への切替を行な
う。3段飛び越し以上の変速段が設定された場合にも、
以下同様に制御する。
【0097】さらに、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、車速信号やクラッチ回転数信号と、これ
から変速しようとする変速段とに基づいて、変速機のシ
ンクロ負荷を求めて、シンクロ負荷が所定値以上の高負
荷時(例えば第2速への切替時)には、電磁式3ウェイ
バルブ36Cを連通状態に制御してレデューシングバル
ブを低圧レデューシングバルブ37Aから高圧レデュー
シングバルブ37Bに切り替えて、ギヤシフトユニット
3Aでシフトのために用いるエア圧を大きくしてシフト
力を大きくさせるようになっている。
【0098】一方、チェンジレバー4AがDポジション
の自動シフトモードに設定されて且つ自動シフトモード
の設定条件が満たされると、自動シフトモードとなる。
この自動シフトモードの際に、セミ自動T/Mコントロ
ールユニット11の自動変速用遠隔操作制御部11Bで
は、電磁バルブ36E,36F(つまり、MVX,MV
Y)及びMVA〜MVFの制御を以下のごとく行なうと
ともに、電子ガバナコントロールユニット12を介して
電子ガバナ1Aを制御することで、エンジンの作動状態
を制御するようになっている。
【0099】なお、この自動シフトモードでは、アクセ
ルペダルの踏込量に応じた最適な変速段(これを目標変
速段とする)を設定して、この目標変速段と実際の変速
段とが異なっているときには、シフトダウン後のエンジ
ンのオーバランを招かない限り、次のようにしてシフト
操作を行なう。 まず、アクセル戻し制御を行なう。つまり、アクセル
ペダルの操作状態に関係なくアクセルを戻すように制御
する。即ち、電子ガバナコントロールユニット12で
は、通常、アクセルペダルの踏込量信号を受けて、この
踏込量に対応して電子ガバナ1Aを制御してエンジンの
出力状態を調整する。しかし、この自動シフトモードの
シフト操作時には、踏込量信号に関係なく、セミ自動T
/Mコントロールユニット11から、アクセルを戻すよ
うに制御信号が出力されて、電子ガバナコントロールユ
ニット12ではアクセルペダルの踏込量信号に代えてこ
のアクセル戻し信号によって、電子ガバナ1Aを制御す
るようになっている。
【0100】アクセルが戻ったら、クラッチを切る。
つまり、アクセルが戻ると(即ち、電子ガバナ1Aがア
クセルが戻ったときに相当する状態になると)、電子ガ
バナコントロールユニット12からこれに応じた信号が
出力されて、セミ自動T/Mコントロールユニット11
では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Eに作動指
令信号を出力して、電磁式バルブ36Eを作動させて、
クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラッチ2
を離隔状態(切)にする。
【0101】クラッチが切れたら、ギヤをニュートラ
ルへ戻す。つまり、クラッチストロークセンサ2Bか
ら、クラッチが切れたことに対応する信号が出力される
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11では、こ
の信号を受けて、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブ
MVA〜MVFのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が
出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、ニ
ュートラル位置に戻される。
【0102】ギヤがニュートラルへ戻ったら、目標変
速段と車速とからクラッチの入出力軸間の回転速度差が
所定以内になるように、エンジンの回転数を制御する。
つまり、トランスミッションギヤセンサから、ギヤがニ
ュートラルへ戻ったことに対応する信号が出力される
と、電子ガバナコントロールユニット12では、この信
号を受けて、目標変速段と実車速とからエンジンの目標
回転数を設定して、エンジン回転数センサ25から得ら
れる実際のエンジンの回転数が目標回転数に近づくよう
に電子ガバナ1Aを制御する。
【0103】この一方で、ギヤを目標変速段へシフト
する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニット1
1から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜
MVFのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、目標変速段
へシフトされる。 さらに、ギヤの目標変速段へのシフトが完了してエン
ジンの回転数が所要の状態に制御されたら、クラッチを
接合する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11では、トランスミッションギヤセンサから現変速
段を示す信号を受けて、この信号と指令信号とから、ギ
ヤが目標変速段へシフトされたか判断する。また、電子
ガバナコントロールユニット12では、エンジン回転数
センサ25から現エンジン回転数を示す信号を受けて、
この信号と目標とするエンジン回転数とから、実エンジ
ンの回転数が目標回転数に対して一定以内に近づいたか
判断する。そして、電子ガバナコントロールユニット1
2から、実エンジンの回転数が目標回転数に対して一定
以内に近づくと、エンジン回転数制御を完了した旨の信
号が出力される。セミ自動T/Mコントロールユニット
11では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Fに作
動指令信号を出力して、電磁式バルブ36Fを作動させ
て、クラッチブースタ2Aのエア圧を除去して、クラッ
チ2を接合状態にする。
【0104】クラッチの接合が完了したら、シフト操
作を終えて、アクセル調整をアクセルペダルの操作状態
に対応する通常の状態に戻す。つまり、クラッチストロ
ークセンサ2Bから、クラッチが接合したことに対応す
る信号が出力されると、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11からの仮想的な踏込量信号の出力が終えられ
るとともに、電子ガバナコントロールユニット12で
は、アクセルペダル7の踏込量信号に対応して電子ガバ
ナ1Aを制御してエンジンの出力状態を調整する通常の
制御状態に復帰する。
【0105】また、この自動シフトモード時には、前述
のように、車両停止時にエンストを起こしたりしないよ
うに、停止判定手段50及び停車時クラッチ制御手段6
0により車両停止時のクラッチの遮断制御(又はクラッ
チの切り離し制御)を以下のようにして実行するように
なっている。まず、車速センサ21,クラッチ回転数セ
ンサ22及びストップランプスイッチ70からの情報に
基づいて、クラッチ回転速度が所定速度(例えば600
rpm)以下であり、且つブレーキが作動中(即ち、ブ
レーキペダル80が踏み込まれている状態)であって、
且つ車速が所定車速(例えば30km/h)以下である
と、停止判定手段50では車両が停止状態であると判断
する。なお、上述したように、ここでの車両停止状態と
は、必ずしも車両が完全に停止している状態のみを指す
ものではなく、車両が停止しそうな状態をも含めたもの
である。
【0106】そして、このような場合、停車時クラッチ
制御手段60によりクラッチの切り離し制御が行なわれ
る。すなわち、上述のと同様に、電磁式バルブ36E
に作動指令信号を出力して電磁式バルブ36Eを作動さ
せ、クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラッ
チ2を離隔状態(切)にする。このとき、自動的にクラ
ッチを切り離したことを知らせるブザー(ここでは、警
報ブザー14)を鳴動させる。
【0107】また、エマージェンシスイッチ23は、セ
ミ自動T/Mコントロールユニット11の万一のフェイ
ル時にそなえて設けられたもので、チェンジレバー4A
からの指令信号を、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11を介在させずに、直接ギヤシフトユニット3Aに
送る直接操作モードに切り替えるためのスイッチであ
る。
【0108】次に、エンジン負荷検出手段90や車速セ
ンサ21等からの情報や、セミ自動T/Mコントロール
ユニット11内に設けられたマップに基づいてギヤを目
標変速段へシフトする。つまり、ここでは上述のと同
様に、セミ自動T/Mコントロールユニット11から、
ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFの
うちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速
機本体3のギヤ機構の噛合状態が目標変速段へシフトさ
れる。
【0109】そして、目標変速段へのシフト完了後、ス
トップランプスイッチ70のON信号が検出されている
間(即ち、ブレーキの作動中)は、変速機本体3のギヤ
機構を目標変速段にシフトしたまま、クラッチの切り離
し状態を保持する。このとき、車両が完全に停止してい
れば、2速に設定されるようになっている。なお、通常
このような前進7速をそなえた車両では、1速は発進に
用いるようなギ比よりもさらに低いギ比に設定され
ており、例えば積載物が満載状態であるようなときに用
いられる変速段である。したがって、本実施形態では、
自動シフトモード時に車両が完全停止すると、発進用の
変速段としての2速に設定されるようになっているので
ある。
【0110】なお、このように車両が完全停止してか
ら、クラッチの切り離し状態を自動的に保持していると
きであって、このクラッチの切り離し完了から所定時間
(例えば5分)以上経過すると、ギヤシフトユニット3
Aがニュートラル状態にシフトされる。この後、図示し
ないトランスミッションギヤセンサによりギヤシフトユ
ニット3Aがニュートラルとなったことが確認されると
クラッチが接続される。すなわち、このような場合はド
ライバが当分車両を発進させる意思がないものとして、
機構をニュートラルにシフトするとともに、変速モ
ードを手動変速モードに切りえるようになっているの
である。
【0111】また、車両の停止後、変速機本体3のギヤ
機構が目標変速段にシフトされて、クラッチの切り離し
状態が保持されているときに、ドライバがクラッチペダ
ル6を踏むと、クラッチの切り離し状態が解除されて、
ドライバの意思によりクラッチが断接されるようにな
る。もちろん、このときの変速段は、上記の目標変速段
にシフトされたままであるので、ドライバがクラッチペ
ダル6を離すことで、車両が発進するようになってい
る。
【0112】なお、車両停止条件の成立後にクラッチの
切り離し制御が開始され、クラッチ切り離し制御完了前
に上述の車両停止条件が不成立となった場合でも、クラ
ッチの切り離し動作を一旦完了させるようになってい
る。ところで、この車両には、図示はしないがABS
(アンチロックブレーキシステム)やASR(アンチス
ピンレギュレータ)がそなえられている。ここで、AB
Sとは、ブレーキ作動時の車輪の空転を防止する装置で
あり、ASRとは、駆動輪の発進や加速時のタイヤスリ
ップを制御して、安定した駆動力を確保するための装置
である。
【0113】そして、本装置では、このようなABSや
ASRが作動中のときはクラッチの断接制御は行なわな
いようになっている。これは、ABSやASRが作動中
のときは、通常は車両の状態とドライバの意思とが一致
していない時であって、且つ過渡的な運動状態であるか
らである。また、本変速機装置では、前述のように、車
速センサ21及びエンジン負荷検出手段90等からの検
出情報に基づいて変速すべき目標変速段を設定するが、
この変速段切替は変速マップに基づいて行なうようにな
っている。
【0114】特に、ここでは、変速マップとして、比較
的低い変速段を使用してより高めのエンジン回転数を使
用しながらより高いエンジン出力を得るようにしたパワ
ーモードのマップと、比較的高い変速段を使用してより
低めのエンジン回転数を使用しながらより低燃費の運転
が行なえるようにしたエコノミーモードのマップとが設
けられ、図示しないセレクトスイッチにより、いずれか
のモードを選択して、対応するマップに基づいて変速を
行なうようになっている。
【0115】本発明の一実施形態としての変速制御装置
は、上述のように構成されているので、例えば、図5〜
図11に示すフローチャートにしたがって、変速機3の
シフト動作が行なわれる。ここで、図5は自動変速モー
ド時の制御概要を説明するためのメインフローチャート
であって、自動変速と車両停止時のクラッチ切り離し制
御との判断について説明するフローチャートである。
【0116】図5に示すように、まずステップS10に
おいて、車両のイニシャル制御データがセミ自動T/M
コントロールユニット11にセットされる。イニシャル
制御データとは、車両データの初期値であって、この場
合、エンジン1を始動させる前の車両の状態が記憶され
る。次に、イグニッションキースイッチがACC(アク
セサリ)位置になると、ステップS20において、後述
するアクセサリ時のサブルーチンを実行し、その後、イ
グニッションキースイッチがON位置になると、ステッ
プS30においてエンジン始動のサブルーチンを実行し
てエンジンが始動する。
【0117】そして、エンジン1の始動後、自動変速モ
ードに設定されると、ステップS40において、車速セ
ンサ21からの情報に基づいて車速が所定値(ここで
は、30km/h)以下か否かを判定する。ここで、車
速が所定値以下でない場合は、次にステップS50に進
んで自動変速のサブルーチンを実行し、その後、次の制
御周期で、再びステップS40に戻る。
【0118】また、ステップS40で、車速が所定以下
であると判断された場合は、ステップS60に進む。こ
のステップS60では、クラッチ回転数センサ22から
の情報に基づいてクラッチの回転数が所定値(例えば6
00rpm)以下かどうかを判定する。クラッチ回転数
が所定値以下でない場合は、次にステップS70に進
み、停車時クラッチ制御手段60によるクラッチの切り
離し作業の実行中であるかどうかを判断する。そして、
クラッチの切り離し作業の実行中であれば、次にステッ
プS80に進んで車両停止時のサブルーチンを実行し、
車両停止時のクラッチ制御を実行する。また、クラッチ
の切り離し作業が実行中でないときは、次にステップS
5に進んで自動変速ルーチンを実行する。
【0119】また、ステップS60において、クラッチ
回転数が所定値以下の場合は、ステップS80に進み、
車両停止時のクラッチ制御を行なう。なお、ステップS
90は、エンスト時のルーチンであり、エンストを起こ
すとステップS90のエンスト時制御を実行してからス
テップS30に進む。このようにして、メインルーチン
制御が行なわれるが、さて図5に示すフローチャートで
は、エンジン1の始動やその後の自動シフトモード選択
時における自動変速制御や停止制御の大まかな流れにつ
いて説明したが、次に図6のフローチャートを用いて、
図5のステップS20のアクセサリ時サブルーチン、即
ち、イグニッションスイッチがACC(アクセサリ)位
置にある場合のサブルーチンについて説明する。
【0120】図6に示すように、まず、ステップB10
において、イグニッションキースイッチがACC位置で
あるかどうかを判定し、ACC位置でなければACC時
の制御は行なわずにリターンする。また、ACC位置で
あればステップB20に進む。このステップB20では
トランスミッションギヤセンサからの情報に基づいて、
変速機3のギ位置(変速段)をディスプレイユニット
13に表示する。
【0121】次に、ステップB30で変速段がニュート
ラルかどうかを判定し、ニュートラルであればステップ
B40でニュートラル信号を出力してステップB10に
戻る。また、変速段がニュートラルでなければ、ステッ
プB50でニュートラル信号の出力をオフにしてステッ
プB10に戻る。したがって、図5のステップS20に
おいては、イグニッションキースイッチがACC位置と
なると、ディスプレイユニット13にギ位置を表示す
るとともに、ニュートラルであればニュートラル信号を
出力して、ドライバに変速機3のギ機構の噛合状態を
知らせるのである。
【0122】次に、図5のステップS30に示すエンジ
ン始動サブルーチンについて、図7のフローチャートを
参照して説明する。図7に示すように、まず、ステップ
C10で、ダイヤグノーシスルーチンを実行する。この
ダイヤグノーシスルーチンの詳細は図示しないが、ここ
では、各データ入力を読み込んで、エンジン回転数を算
出し、これらのデータを外部出力するとともに、各種の
エラー判定を行なう。このエラー判定は、具体的には次
のようなものがある。
【0123】例えば、メインエアタンク,エマージェン
シエアタンクのエア供給状態や,エマージェンシ信号ラ
イン,ADコンバータ,電子ガバナ,ラック入力,アク
セル入力,バッテリ電圧,アクセルスイッチ,クラッチ
ストロークセンサ,チェンジレバー,ストップランプ,
ブレーキ系,バッテリ,MVP,エキゾーストブレーキ
カット出力,ブザー用出力,ニュートラルリレー,スタ
ータ可能リレー,MVX,MVY,MVA〜MVF,M
VW,クラッチブースタ,オイルプレッシャ,エンジン
回転等についてのチェックを行ない、チェック結果に応
じてアラームランプを点灯するなどしてエラー表示を行
なう。
【0124】ステップC30では、油圧スイッチ(OP
sw)がON即ち停止状態で且つエンジン回転(NE)
がなし即ちエンジン停止状態であるか否かが判定され、
ここで、Yesつまり油圧停止状態で且つエンジン状態
である場合にはステップC4へ、NoならばステップC
130へ進む。ステップC130へ進んだ場合には、油
圧スイッチがOFF(運転状態)で且つエンジン回転が
なし(エンジン停止状態)であるか否かが判定される。
【0125】ステップC130で、Yesの場合はステ
ップC1へ戻り、Noの場合は油圧スイッチがOFF
(運転状態)で且つエンジン回転があり(エンジン運転
状態)であるので、始動ルーチンを終えてメインルーチ
ンへリターンする。一方、ステップC30からステップ
C40へ進んだ場合には、まず、このステップC40
で、クラッチ接続基準点を読み込んだか否かが判定され
る。
【0126】ここで、クラッチ接続基準点をまだ読み込
んでない場合には、ステップC50で、クラッチ接続基
準点の読み込みを行なう。ついで、ステップC60に進
んで、ディスプレイユニット13によりギヤ位置(変速
段位置)を表示し、ステップC70で後述のギヤチェン
ジルーチン(CHANGE)を行なう。このギヤチェン
ジルーチンにより、発進用の変速段位置(通常は第2
速)へのギヤの切り替えが完了する。
【0127】次いで、ステップC80で、クラッチペダ
ルの踏み込みの有無を判定する。クラッチペダルが踏み
込まれていれば、始動条件を満たすので、ステップC1
20へ進みスタータ電源をオン(ON)にする。一方、
クラッチペダルが踏み込まれていなければ、ステップC
90へ進み、チェンジレバー位置がN(ニュートラル)
になっているか否かが判定される。
【0128】チェンジレバー位置がNでなければ、始動
条件を満たさないので、ステップC110へ進みスター
タ電源をオフ(OFF)にする。一方、チェンジレバー
位置がNならば、さらにステップC100で、ギヤ位置
がNか否かが判定される。ここで、ギヤ位置がNなら、
始動条件を満たすので、ステップC120へ進みスター
タ電源をオン(ON)にする。ギヤ位置がNでなけれ
ば、始動条件を満たさないので、ステップC110へ進
みスタータ電源をオフ(OFF)にする。
【0129】このようにして、ダイヤグノーシス(診
断)処理,クラッチ接続基準点の読み込み,ギヤチェン
ジ処理を完了して、クラッチペダルが踏み込まれている
か、又はチェンジレバー位置及びギヤ位置が共にNであ
るという、始動条件が成り立てば、スタータ電源をオン
(ON)にする。始動条件が成り立たなければ、ドライ
バがクラッチペダルを踏み込むかチェンジレバーを操作
してギヤ位置をNにセットするかして、始動条件が成立
するのを待つことになる。
【0130】このようにして、スタータ電源がオンとな
ったら、エンジン始動サブルーチンを終了するが、ここ
で、上述のギヤチェンジルーチン(CHANGE)を図
8を参照しながら説明する。このギヤチェンジルーチン
は、停車中のギヤチェンジにかかるもので、図8に示す
ように、まず、クラッチペダルの踏み込み中(CL踏込
中)であるか否かの判定を行ない(ステップD10)、
踏み込み中でなければ変速制御は行なわずにメインルー
チンへリターンする。踏み込み中ならば、ステップD2
0へ進み、シフトレバー位置がNか否かを判定して、シ
フトレバー位置がNならばステップD30へ進み、変速
ギヤをN位置へと駆動指令する。
【0131】ステップD20でシフトレバー位置がNで
ないと判定されると、ステップD40へ進み、シフトレ
バー位置がRか否かを判定する。ここで、シフトレバー
位置がRならばステップD50へ進み、車速が0km/
h即ち車両が停止状態か否かを判定する。車両が停止状
態ならステップD70へ進み、変速ギヤをR位置へと駆
動指令する。ステップD50で車両が停止状態でなけれ
ば変速制御を行なわずにメインルーチンへリターンす
る。
【0132】また、ステップD40でシフトレバー位置
がRでないと判定されると、ステップD80へ進み、シ
フトレバー位置がDか否かを判定する。ここで、シフト
レバー位置がDならば、ステップD90へ進み後述する
変速マップ読取ルーチンを実行し、ステップD110へ
進み変速ギヤをステップD90の変速マップ読取ルーチ
ンで読み取った目標変速段位置へと駆動指令する。
【0133】さらに、ステップD80でシフトレバー位
置がDでないと判定されると、ステップD120へ進
み、シフトレバー位置がHか否かを判定する。ここで、
シフトレバー位置がHならば、ステップD130へ進み
このシフトレバー位置がHへセットされる際に、R又は
N位置から速い操作でセットされたか否かが判定され
る。速い操作でHへセットされた場合には、ステップD
150へ進み変速ギヤをN位置へ駆動指令する。速い操
作でなければ、ステップD170へ進み変速ギヤをセカ
ンド(2ND)位置へと駆動指令する。
【0134】そして、ステップD120でシフトレバー
位置がHでないと判定されると、まず、ステップD18
0へ進み、シフトレバー位置がDOWN入力か否かを判
定する。ここで、シフトレバー位置がDOWN入力なら
ば、ステップD200へ進み変速ギヤを現変速段よりも
1段低い変速段位置へ駆動指令する。さらに、ステップ
D180でシフトレバー位置がDOWN入力でないと判
定されると、ステップD210へ進み、シフトレバー位
置がUP入力か否かを判定する。ここで、シフトレバー
位置がUP入力ならば、ステップD230へ進み変速ギ
ヤを現変速段よりも1段高い変速段位置へ駆動指令す
る。
【0135】次に、上述の図5の自動変速ルーチン(ス
テップS5)について、図9〜図11を参照して説明す
る。自動変速ルーチンでは、図9に示すように、まず、
データの読み込みを行ない(ステップF10)、次に、
ダイヤグノーシスルーチンを実行する(ステップF2
0)。このダイヤグノーシスルーチンは、既に説明した
図7のステップC1と同様に行なわれる。ついで、ギヤ
位置表示即ち変速段位置の表示を行なう(ステップF3
0)。
【0136】次に、ステップF40に進み、ABS(ア
ンチロックブレーキシステム)又はASR(アンチスピ
ンレギュレータ=駆動輪の発進や加速時のタイヤスリッ
プを制御して、安定した駆動力を確保する装置)が作動
中か否かを判定する。ここで、ABS又はASRが作動
中であれば、ステップF50に進み、シフトレバー位置
がNになっいるか否かを判定する。ここで、シフトレバ
ー位置がNでなければシフト制御は行なわないが、シフ
トレバー位置がNのときには、ステップF70に進み、
Nレンジのシフト制御を行なう。
【0137】このNレンジのシフト制御は、まず、ステ
ップF70で、実際のギヤ位置がN(ニュートラル)の
位置になっているか否かを判定し、既にギヤ位置がNに
なっていれば、図11に示すクラッチ接続制御に進む。
このクラッチ接続制御については後述する。ギヤ位置が
Nになっていなければ、ステップF80に進み、クラッ
チペダルが踏み込まれているか否かを判定する。
【0138】ここで、クラッチペダルが踏み込まれてい
れば手動シフトモードによるNレンジへのシフト指令を
行ない(ステップF90)、クラッチペダルが踏み込ま
れていなければ自動シフトモードによる変速制御を行な
う(ステップF100)。この自動シフトモードによる
変速制御は、クラッチが切り離れるようにクラッチブー
スタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切後に、ギヤ
シフトユニット3AにNレンジへのシフト指令を出力す
る。
【0139】一方、ABS又はASRが作動中でなけれ
ば、ステップF40からステップF140に進み、シフ
トレバー位置がD(ドライブ)になっているか否かを判
定する。ここで、シフトレバー位置がD位置になってい
れば、ステップF160に進み、シフトレバー位置がD
位置になっていなければ、ステップF60に進む。ステ
ップF60に進んだ場合には、シフトレバー位置がN
(ドライブ)になっているか否かを判定するか、ここ
で、シフトレバー位置がNの場合には、ステップF70
へ進んで上述したようにNレンジのシフト制御を行な
う。シフトレバー位置がNでなければ、ステップF11
0に進み、シフトレバー位置がR(リバース)になって
いるか否かを判定する。
【0140】ステップF160に進むと、前述の変速マ
ップの読み取りを行なう。つまり、図示しないマップに
基づいてアクセル開度(アクセル踏込量)及び車速に基
づいて最適変速段即ち目標変速段を求める。そして、ス
テップF170に進み、目標変速段と現在のギヤ位置
(変速段)とが等しいか否かを判断する。ここで、目標
変速段と現在のギヤ位置とが等しければ、変速段の切替
の必要はなく、図11に示すクラッチ接続制御に進み、
目標変速段と現在のギヤ位置とが等しくなければ、変速
段の切替が必要となり、自動シフトモードによる変速制
御を行なう(ステップF180)。この自動シフトモー
ドによる変速制御は、クラッチが切り離れるようにクラ
ッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切後
に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト指
令を出力する。
【0141】一方、ステップF110でシフトレバー位
置がRになっていると判定されると、変速制御は行なわ
なず、メインルーチンに戻る。また、レバー位置がRに
なっていなければ、図10に示すステップF190以降
に進み、手動シフトモードによる制御を行なう。ステッ
プF190では、入力待機フラグSiFLGが0になっ
ているか否か判定される。この入力待機フラグSiFL
Gは、飛び越しシフト制御のために設定された前述の待
機時間Δtによる待機中に1となり、待機中でなければ
0となる。入力待機フラグSiFLGが1の場合には、
ステップF200へ進んで、入力待ちタイマがΔt秒経
過したか否かが判定されて、入力待ちタイマがΔt秒経
過したら、後述するステップF460へ進み、入力待ち
タイマがΔt秒経過していなけれは、ステップF210
へ進む。一方、入力待機フラグSiFLGが0の場合に
は、ステップF190からステップF210へ進む。
【0142】ステップF210では、UP入力を受けた
か否かを判定する。ここで、UP入力を受けていれば、
さらに、ステップF220で、入力待機フラグSiFL
Gが0になっているか否か判定される。SiFLGが0
でなければ(即ち、SiFLGが1ならば)、ステップ
F230に進み、前回の目標変速段よりもさらに1段高
い変速段を新たな目標変速段とする。SiFLGが0な
らば、ステップF240に進み、現変速段よりも1段高
い変速段を目標変速段に設定する。
【0143】このようにして、目標変速段が設定された
ら、ステップF250で、この目標変速段が第2速〜第
7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変速段
が第2速〜第7速のいずれかでなければ、目標変速段へ
の切替が行なえないので、ステップF490へ進む。目
標変速段が第2速〜第7速のいずれかであればステップ
F260へ進む。
【0144】ステップF260では、目標ギヤ段(目標
変速段)に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲
にあるか否かを判定する。目標変速段ではエンジン回転
数が適正にならなければ目標変速段への切替が行なえな
いので、ステップF490へ進み、現ギヤ位置(現在の
変速段位置)を目標変速段とする。一方、目標変速段で
もエンジン回転数が適正ならばステップF262へ進
む。
【0145】ステップF262では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段高い変速段について、第2速
〜第7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変
速段+1の変速段が第2速〜第7速のいずれかでなけれ
ば、この変速段への切替が行なえないので、ステップF
320へ進む。目標変速段+1の変速段が第2速〜第7
速のいずれかであれば、ステップF270へ進む。
【0146】ステップF270では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段高い変速段について、この変
速段に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲にあ
るか否かを判定する。目標変速段+1の変速段ではエン
ジン回転数が適正にならなければこの変速段への切替が
行なえないので、ステップF320へ進む。目標変速段
+1の変速段でもエンジン回転数が適正であればステッ
プF280へ進む。
【0147】ステップF280では、再び入力待機フラ
グSiFLGが0になっているか否か判定される。ここ
で、SiFLGが0でなければ(即ち、SiFLGが1
ならば)、ステップF310に進み、入力待ちタイマを
リセットしてスタートさせた上で、ステップF490に
進む。SiFLGが0ならば、ステップF290に進
み、入力待ちタイマをスタートさせ、更に、ステップF
300で、入力待機フラグSiFLGを1にセットした
上で、ステップF490に進む。
【0148】一方、目標変速段+1の変速段が設定でき
ない場合は、上述のようにステップF320へ進むが、
このステップF320では、ステップF230又はステ
ップF240で設定した目標変速段への変速制御を行な
う。即ち、まず、クラッチペダルが切り離れるようにク
ラッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切
後に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト
指令を出力する。
【0149】ついで、ステップF330で、入力待機フ
ラグSiFLGを0にセットして、ステップF340
で、入力待ちタイマをリセットさせた上で、ステップF
490に進む。ステップF490では、目標変速段と現
在のギヤ位置(変速段)とが等しいか否かを判断する。
ここで、目標変速段と現在のギヤ位置とが等しければ、
変速段の切替の必要はなく、図11に示すクラッチ接続
制御に進み、目標変速段と現在のギヤ位置とが等しくな
ければ、メインルーチンへリターンする。
【0150】一方、ステップF210でUP入力を受け
てないと判断されると、ステップF350に進み、DO
WN入力を受けているか否かが判定される。ここで、D
OWN入力を受けていれば、さらに、ステップF360
で、入力待機フラグSiFLGが0になっているか否か
判定される。SiFLGが0でなければ(即ち、SiF
LGが1ならば)、ステップF380に進み、前回の目
標変速段よりもさらに1段低い変速段を新たな目標変速
段とする。SiFLGが0ならば、ステップF370に
進み、現変速段よりも1段低い変速段を目標変速段に設
定する。
【0151】このようにして、目標変速段が設定された
ら、ステップF390で、この目標変速段が第2速〜第
7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変速段
が第2速〜第7速のいずれかでなければ、目標変速段へ
の切替が行なえないので、ステップF490へ進む。目
標変速段が第2速〜第7速のいずれかであればステップ
F400へ進む。
【0152】ステップF400では、目標ギヤ段(目標
変速段)に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲
にあるか否かを判定する。目標変速段ではエンジン回転
数が適正にならなければ目標変速段への切替が行なえな
いので、ステップF490へ進み、現ギヤ位置(現在の
変速段位置)を目標変速段とする。一方、目標変速段で
もエンジン回転数が適正ならばステップF402へ進
む。
【0153】ステップF262では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段低い変速段について、第2速
〜第7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変
速段−1の変速段が第2速〜第7速のいずれかでなけれ
ば、この変速段への切替が行なえないので、ステップF
460へ進む。目標変速段−1の変速段が第2速〜第7
速のいずれかであれば、ステップF410へ進む。
【0154】ステップF410では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段低い変速段について、この変
速段に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲にあ
るか否かを判定する。目標変速段−1の変速段ではエン
ジン回転数が適正にならなければこの変速段への切替が
行なえないので、ステップF460へ進む。目標変速段
−1の変速段でもエンジン回転数が適正であればステッ
プF420へ進む。
【0155】ステップF420では、再び入力待機フラ
グSiFLGが0になっているか否か判定される。ここ
で、SiFLGが0でなければ(即ち、SiFLGが1
ならば)、ステップF450に進み、入力待ちタイマを
リセットしてスタートさせた上で、ステップF490に
進む。SiFLGが0ならば、ステップF430に進
み、入力待ちタイマをスタートさせ、更に、ステップF
440で、入力待機フラグSiFLGを1にセットした
上で、ステップF490に進む。
【0156】一方、目標変速段−1の変速段が設定でき
ない場合は、上述のようにステップF460へ進むが、
このステップF460では、ステップF380又はステ
ップF370で設定した目標変速段への変速制御を行な
う。即ち、まず、クラッチペダルが切り離れるようにク
ラッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切
後に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト
指令を出力する。
【0157】ついで、ステップF470で、入力待機フ
ラグSiFLGを0にセットして、ステップF480
で、入力待ちタイマをリセットさせた上で、ステップF
490に進む。ステップF490では前述のような処理
を行なう。最後に、上記の図11を参照してクラッチ接
続制御について説明する。
【0158】クラッチ接続制御では、図11に示すよう
に、変速ギヤがNになっているか否かを判定し(ステッ
プF850)、変速ギヤがNでなければ、ステップF8
60に進み、クラッチの接続が完了したか否かが判定さ
れる。ここで、クラッチの接続が完了していれば、ステ
ップF870に進み、エキゾーストブレーキ,パワータ
ード(圧縮解放型エンジン補助ブレーキ)のカットを解
除SD、ステップF910に進む。
【0159】また、クラッチの接続が完了していなけれ
ば、ステップF890に進み、クラッチが同期したか否
かを判定し、同期していればステップF910に進み、
同期していなければステップF900に進む。ステップ
F900では、疑似アクセル信号VACとしてクラッチ
回転力相当を出力し、メインフローチャートにリターン
する。
【0160】なお、疑似アクセル信号VACとは、アク
セルペダルの操作に応じたアクセル信号ではなく、エン
ジン回転制御のために一時的に用いる制御用アクセル信
号である。一方、ステップF910に進んだ場合には、
クラッチをつなぎ、次に、疑似アクセル信号VACの出
力中か否かを判定して(ステップF920)、疑似アク
セル信号VACの出力中の場合は、疑似アクセル信号V
ACを現アクセル状態に応じた信号に段階的に戻してい
く(ステップF930)。そして、2速から3速へのシ
フトアップであるか否かを判定して(ステップF94
0)、2速から3速へのシフトアップであれば、クラッ
チ接続後はじめての制御周期か否かを判定して(ステッ
プF950)、はじめてなら、クラッチ接続の基準点を
読み取って、いすれも、メインフローチャートにリター
ンする。
【0161】このようにして、変速段の切替制御を行な
うが、特に、自動シフトモード時の選択中にクラッチペ
ダルの踏み込みがあっても自動変速制御を続行するよう
に構成されるので、クラッチ操作中に車速が大きく変化
するような場合にも、これに応じて常に最適の変速段へ
の変速動作が行なわれることになり、自動シフトモード
時にクラッチペダルを踏み込んでしまっても、車両のも
たつきや速度変化を招くことなく、適切な変速動作が速
やかに行なわれるようになり、走行フィーリングが向上
する。
【0162】また、上述のようにして、手動シフトモー
ド時における変速段の切替制御を行なうことで、例えば
シフトアップ入力又はシフトダウン入力があり、この入
力のあったシフトアップ又はシフトダウンは可能である
が、この入力に続いて飛び越しシフトアップ又は飛び越
しシフトダウンは不可能であるとされる時には、図10
のステップF220,F240,F250,F260,
F262,F320を経て変速制御を行なうことになる
が、この際の変速動作は図12に示すようになる。
【0163】つまり、図12に示すように、シフトアッ
プ入力又はシフトダウン入力があると、入力のあったシ
フトアップ又はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び
越しシフトアップ又は飛び越しシフトダウンが可能であ
るか否かが判定され、入力のあったシフトアップ又はシ
フトダウンは可能だがこれに続く飛び越しシフトは不可
能なので、飛び越しシフトを行なうことができず、した
がって、飛び越しシフトのための待機時間Δtを待機す
る必要なく、すぐに、変速動作を開始する。
【0164】具体的には、変速ギヤのギヤ抜きとクラッ
チ(C/L)切とを開始して、ギヤ抜きとクラッチ切と
が完了したら、1段シフトアップ又はシフトダウンする
ための変速ギヤのギヤ入れを開始し、ギヤ入れの完了後
に、クラッチの接合を開始する。そして、クラッチの接
合が完了したら、変速動作が終了する。このようにし
て、予め飛び越しシフトが不可能と推定できる場合に
は、速やかに変速段の切替を行なうことができるため、
変速時間を大幅に短縮させることができる利点がある。
特に、変速ギヤやクラッチを電気信号に基づいて機械的
に駆動する、いわゆるメカニカルオートマチックトラン
スミッションで課題となり易い変速時間の短縮が実現し
て、操作性が格段に向上するのである。
【0165】また、例えば、手動シフトモード時にシフ
トアップ入力又はシフトダウン入力があった場合には、
一回のシフトレバー操作に要する時間に応じた待機時間
Δtだけ待機し、しかもシフト入力がある度に待機時間
Δtをリセットしながら待機して、飛び越しシフトの有
無を判定するので、飛び越しシフトの判定を従来よりも
速やかに行なえるようになり、この点でも、変速時間の
短縮に寄与する。
【0166】例えば、図12を参照して説明すると、シ
フトアップ入力又はシフトダウン入力が1回のみあっ
て、この入力のあったシフトアップ又はシフトダウンも
これに続く飛び越しシフトのためのシフトアップ又はシ
フトダウンも可能のときには、飛び越しシフトのための
待機時間Δtを待機した上で、つまり、シフト入力から
Δt後に、変速動作を開始することになる。
【0167】また、例えば図13は、2回の連続したシ
フトアップ入力又はシフトダウン入力があって且つこれ
らの入力された変速段へのシフトが可能であり、これら
の入力に続いて更に飛び越しシフトアップ又は飛び越し
シフトダウンも可能であるとされた場合である。これ
は、図10のステップF220,F240,F250,
F260,F262,F270,F280,F290,
F300,F490を経て、更に、ステップF220,
F230,F250,F260,F262,F270,
F280,F310,F490を経ることになるが、こ
の際の変速動作は図13に示すようになる。
【0168】つまり、図13に示すように、シフトアッ
プ入力又はシフトダウン入力があると、入力のあったシ
フトアップ又はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び
越しシフトアップ又は飛び越しシフトダウンが可能であ
るか否かが判定され、ここではともにシフト可能と判定
され、飛び越しシフトのための待機時間Δtを待機す
る。
【0169】そして、この待機中に、飛び越しシフトの
ための連続したシフトアップ入力又はシフトダウン入力
がある。ここで、入力のあった2回目のシフトアップ又
はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び越しシフトア
ップ又は飛び越しシフトダウン(即ち、3回目のシフ
ト)が可能であるか否かが判定され、ここではともにシ
フト可能と判定され、2段飛び越しシフトのための待機
時間Δtを待機する。
【0170】そして、この2回目の待機時間Δt内に、
2段飛び越しシフトのための更なる連続したシフトアッ
プ入力又はシフトダウン入力がないので、2回目のシフ
ト操作から待機時間Δtを経て、変速動作を開始する。
このシフト動作の内容は、図12で説明したのでここで
は省略するが、ここでは、飛び越しシフトなので、変速
ギヤのギヤ入れは2段シフトアップ又は2段シフトダウ
ンの位置に行なう。
【0171】また、例えば図14は、3回の連続したシ
フトアップ入力又はシフトダウン入力があって且つこれ
らの入力された変速段へのシフトが可能であり、これら
の入力に続いて更に飛び越しシフトアップ又は飛び越し
シフトダウンも可能であるとされた場合である。これ
は、図10のステップF220,F240,F250,
F260,F262,F270,F280,F290,
F300,F490を経て、F220,F230,F2
50,F260,F262,F270,F280,F3
10,F490を3回繰り返すが、この際の変速動作は
図14に示すようになる。
【0172】つまり、図14に示すように、シフトアッ
プ入力又はシフトダウン入力があると、入力のあったシ
フトアップ又はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び
越しシフトアップ又は飛び越しシフトダウンが可能であ
るか否かが判定され、ここではともにシフト可能と判定
され、飛び越しシフトのための待機時間Δtを待機す
る。
【0173】そして、この待機中に、飛び越しシフトの
ための連続したシフトアップ入力又はシフトダウン入力
がある。ここで、入力のあった2回目のシフトアップ又
はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び越しシフトア
ップ又は飛び越しシフトダウン(即ち、3回目のシフ
ト)が可能であるか否かが判定され、ここではともにシ
フト可能と判定され、2段飛び越しシフトのための待機
時間Δtを待機する。
【0174】そして、この2回目の待機中に、飛び越し
シフトのための連続したシフトアップ入力又はシフトダ
ウン入力がある。ここで、入力のあった3回目のシフト
アップ又はシフトダウンが可能か否か更に続く飛び越し
シフトアップ又は飛び越しシフトダウン(即ち、4回目
のシフト)が可能であるか否かが判定され、ここではと
もにシフト可能と判定され、3段飛び越しシフトのため
の待機時間Δtを待機する。
【0175】そして、この3回目の待機時間Δt内に、
3段飛び越しシフトのための更なる連続したシフトアッ
プ入力又はシフトダウン入力がないので、3回目のシフ
ト操作から待機時間Δtを経て、変速動作を開始する。
このシフト動作の内容は、図14で説明したのでここで
は省略するが、ここでは、2段飛び越しシフトなので、
変速ギヤのギヤ入れは3段シフトアップ又は3段シフト
ダウンの位置に行なう。
【0176】このようにシフト入力がある度に一回のシ
フトレバー操作に要する時間に応じた待機時間Δtだけ
待機して飛び越しシフトの有無を判定するので、飛び越
しシフトの判定を従来よりも速やかに行なえるようにな
るのである。なお、この実施形態では、変速段が前進7
段に設定されているが、勿論、本変速機装置の変速段は
これに限定されるものでない。また、この実施形態で
は、第4速以上を変速段の高速段(つまり、自動シフト
モードの可能な領域)に設定しているが、これも、変速
機の変速しうる段数や、エンジン特性や車両特性に応じ
て、変速段の高速段(自動シフトモードの可能な領域)
を種々設定しうることは、言うまでもない。
【0177】また、本実施形態は、メカニカルなクラッ
チをアクチュエータで駆動する自動変速機であるが、本
変速制御装置は、クラッチに代えてトルコンをそなえた
乗用車用自動変速機への適用も考えられる。
【0178】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の変速制御装置によれば、車両にそなえられたエン
ジンと、該エンジンと動力伝達系との間に介装されたク
ラッチ機構と、運転者が踏み込み操作可能なクラッチペ
ダルと、該クラッチペダルの踏み込み操作状態又は入力
される電気信号に応じて該クラッチ機構を断接駆動する
クラッチ用アクチュエータと、該クラッチ機構を介して
該エンジンから出力される回転トルクを複数の変速段の
いずれかにより変速して出力する変速ギヤ機構を有する
変速機と、電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切
り替えながら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシ
フト用アクチュエータと、該変速機の手動シフト操作を
行なう操作手段であって、該手動シフト操作に応じた信
号を出力して該ギヤシフト用アクチュエータの作動を制
御しうるシフト操作手段と、該エンジンの負荷状態を検
出するエンジン負荷検出手段と、運転者による手動シフ
ト操作に応じて該変速段がシフトされる手動シフトモー
ドと、該エンジン負荷検出手段で検出された該エンジン
の負荷状態に応じて設定される最適変速段に応じて該変
速段がシフトされる自動シフトモードとを、選択的に切
り替えるためのシフトモード選択操作手段と、シフトモ
ード選択操作手段からの選択信号に基づいて、該手動シ
フトモードが選択されると、該シフト操作手段からの信
号に応じて該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフ
ト用アクチュエータへ指令信号を出力する手動変速制御
を行ない、該自動シフトモードが選択されると、該最適
変速段に基づいて該クラッチ用アクチュエータ及び該ギ
ヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力する自動変
速制御を行なう制御手段とをそなえ、該制御手段が、該
シフトモード選択操作手段によって該自動シフトモード
が選択されている場合に該クラッチペダルの踏み込み操
作が行なわれると、該クラッチ機構を断駆動するととも
に該自動変速制御を続行して該自動変速制御によりギヤ
シフト動作とクラッチ断接動作とを行なうように構成さ
れることにより、自動シフトモード時にクラッチを踏み
込み、このクラッチ操作中に車速が大きく変化するよう
な場合にも、これに応じて常に最適の変速段への変速動
作が行なわれることになり、車両のもたつきや速度変化
を招くことなく、適切な変速動作が速やかに行なわれる
ようになり、走行フィーリングが向上する。
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】請求項記載の本発明の変速制御装置によ
れば、請求項記載の装置において、該制御手段が、該
変速制御時に該シフト操作手段からの信号に応じて該ク
ラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュエ
ータへ指令信号を出力して、該クラッチ機構の断接駆動
及び該ギヤ機構の噛合状態の切り替えを制御するように
構成されることにより、大きな駆動力伝達を行なう変速
機においても手動変速と自動変速との併用が可能にな
り、また、このような変速機では一般に変速段の切替動
作自体に時間を要するが、上述のように、変速段の切替
開始までの所要時間を短縮することで、変速にかかる時
間全体を短縮して、手動変速時における操作性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての変速制御装置を示
す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての変速制御装置のシ
フト操作手段を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態としての変速制御装置のシ
フト操作手段のシフトパターンを示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態としての変速制御装置のク
ラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエー
タにかかるエアライン系及び油圧ライン系を示す模式的
な構成図である。
【図5】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するためのメインルーチンフローチャー
トである。
【図6】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するためのアクセサリ時のサブルーチン
フローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための始動時のサブルーチンフロー
チャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための変速制御にかかるサブルーチ
ンフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための自動変速時のサブルーチンフ
ローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するための自動変速時のサブルーチン
フローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するための自動変速時のサブルーチン
フローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するためのタイムチャートである。
【図13】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するためのタイムチャートである。
【図14】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するためのタイムチャートである。
【図15】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 1A 電子ガバナ 2 クラッチ機構 2A クラッチ用アクチュエータとしてのクラッチブー
スタ 2B クラッチストロークセンサ 3 変速機本体(セミ自動トランスミッション本体) 3A ギヤシフト用アクチュエータとしてのギヤシフト
ユニット(GSU) 4 シフト操作手段及び手動・自動選択操作手段として
のチェンジレバーユニット 4A チェンジレバー 6 クラッチペダル 7 アクセルペダル 11 制御手段(セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト) 11A 手動変速用遠隔操作制御部 11B 自動変速用遠隔操作制御部 12 電子ガバナ用の制御手段(電子ガバナコントロー
ルユニット) 13 ディスプレイユニット 13A 切替ブザー 14 警報ブザー 21 車速センサ(車速検出手段) 22 クラッチ回転数センサ(クラッチ出力回転数検出
手段) 23 エマージェンシスイッチ 24 アクセル踏込量センサ(アクセル指令手段) 25 エンジン回転数センサ 31 エアタンク(メインエアタンク) 31B サブエアタンク 31C エマージェンシタンク 32 エア配管(エアホース) 33 チェックバルブ 34 ダブルチェックバルブ 35A〜35C ローエアプレッシャスイッチ 36B〜36D 電磁式3ウェイバルブ 36E,36F 電磁バルブ 37A 低圧レデューシングバルブ 37B 高圧レデューシングバルブ 38 リレーバルブ 39 エアドライヤ 40 クラッチスイッチ 50 停止判定手段 60 停車時クラッチ制御手段 70 ストップランプスイッチ(ブレーキ検出手段) 80 ブレーキペダル 90 エンジン負荷検出手段 100 飛び越しシフト判定手段 102 シフト可能判定手段 102A 第1判定部 102B 第2判定部 104 自動変速位置通過判定手段 106 中立保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // F16H 59:14 F16H 59:42 59:42 59:56 59:56 F16D 25/14 640R 審査官 礒部 賢 (56)参考文献 特開 平6−241298(JP,A) 実開 平6−3726(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16D 25/00 - 39/00 B60K 41/00 - 41/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両にそなえられたエンジンと、 該エンジンと動力伝達系との間に介装されたクラッチ機
    構と、 運転者が踏み込み操作可能なクラッチペダルと、 該クラッチペダルの踏み込み操作状態又は入力される電
    気信号に応じて該クラッチ機構を断接駆動するクラッチ
    用アクチュエータと、 該クラッチ機構を介して該エンジンから出力される回転
    トルクを複数の変速段のいずれかにより変速して出力す
    る変速ギヤ機構を有する変速機と、 電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切り替えなが
    ら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシフト用アク
    チュエータと、 該変速機の手動シフト操作を行なう操作手段であって、
    該手動シフト操作に応じた信号を出力して該ギヤシフト
    用アクチュエータの作動を制御しうるシフト操作手段
    と、 該エンジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段
    と、 運転者による手動シフト操作に応じて該変速段がシフト
    される手動シフトモードと、該エンジン負荷検出手段で
    検出された該エンジンの負荷状態に応じて設定される最
    適変速段に応じて該変速段がシフトされる自動シフトモ
    ードとを、選択的に切り替えるためのシフトモード選択
    操作手段と、 シフトモード選択操作手段からの選択信号に基づいて、
    該手動シフトモードが選択されると、該シフト操作手段
    からの信号に応じて該クラッチ用アクチュエータ及び該
    ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力する手動
    変速制御を行ない、該自動シフトモードが選択される
    と、該最適変速段に基づいて該クラッチ用アクチュエー
    タ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力
    する自動変速制御を行なう制御手段とをそなえ、 該制御手段が、該シフトモード選択操作手段によって該
    自動シフトモードが選択されている場合に該クラッチペ
    ダルの踏み込み操作が行なわれると、該クラッチ機構を
    断駆動するとともに該自動変速制御を続行して該自動変
    速制御によりギヤシフト動作とクラッチ断接動作とを行
    なうように構成されていることを特徴とする、変速制御
    装置。
  2. 【請求項2】 該制御手段が、該変速制御時に該シフト
    操作手段からの信号 に応じて該クラッチ用アクチュエー
    タ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力
    して、該クラッチ機構の断接駆動及び該ギヤ機構の噛合
    状態の切り替えを制御するように構成されていることを
    特徴とする、請求項1記載の変速制御装置。
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