JP2910675B2 - 変速制御装置 - Google Patents

変速制御装置

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JP2910675B2
JP2910675B2 JP8140517A JP14051796A JP2910675B2 JP 2910675 B2 JP2910675 B2 JP 2910675B2 JP 8140517 A JP8140517 A JP 8140517A JP 14051796 A JP14051796 A JP 14051796A JP 2910675 B2 JP2910675 B2 JP 2910675B2
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gear
clutch
speed
automatic
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浩 松本
滋樹 福島
信秀 志賀
健 本村
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動操作によりギ
ヤシフト用アクチュエータを遠隔操作する手動シフトモ
ードと、自動変速シフトを行なう自動シフトモードとを
そなえた変速制御装置に関し、特に、両シフトモード間
における操作上の調和を図った、変速制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】バスやトラック等の大型車では、未だに
手動変速機が主流となっているが、このような手動変速
機では、一般に、運転席側のチェンジレバー(=シフト
操作手段)と、エンジンの出力部に付設された変速機と
を、いずれも機械式のもので構成して、このチェンジレ
バーと変速機とをコントロールロッド等のリンク機構で
機械的に連結した構造になっている。
【0003】このような機械式の変速機では、シフト時
のギヤ機構の駆動を、ドライバのシフト操作力に頼って
おり、ドライバには所要の操作力が要求される。このた
め、特に、市街地走行時のように頻繁にシフト操作を要
求される場合には、このシフト操作が、ドライバにとっ
て大きな負担となる。そこで、変速機におけるギヤの噛
合状態のシフトの為の駆動を行なうアクチュエータを設
けて、このアクチュエータを電気信号を介して遠隔操作
するようにした遠隔操作式の変速機装置が開発されてい
る。
【0004】即ち、アクチュエータとしては、例えば空
気圧や油圧等を駆動源として電磁式の制御弁を制御する
ことで、変速機におけるギヤの噛合状態のシフトを行な
えるようなものとする。この一方で、チェンジレバーを
操作するとこれに応じて所要の電気信号を出力するよう
に構成する。そして、チェンジレバーからの信号を受け
て変速機のアクチュエータ側の制御弁に所要の電気信号
を出力して、該制御弁を制御するように構成する。
【0005】これによって、単にチェンジレバーを操作
するだけの小さな力で、シフトを行なえるようになり、
シフト操作に関するドライバの負担が軽減される。とこ
ろで、シフト操作に関するドライバの負担を更に軽減す
るには、自動変速機を採用すればよい。この自動変速機
は、小型車の場合には、クラッチに代えてトルクコンバ
ータを採用したものが主流になっているが、バスやトラ
ック等の大型車では、駆動トルクの伝達量が大きくトル
クコンバータの負担が過大となるので、手動変速機と同
様に、クラッチを自動的に断接するアクチュエータを設
けて、クラッチペダルを踏むことなく、変速シフトを行
なえるようにしている。
【0006】そして、このような自動変速と遠隔操作に
よる手動変速とを選択的に切り換え可能に構成された、
いわゆるセミオートマチック式変速機装置と称される変
速制御装置が、例えば特開平6−241298号公報等
に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バスやトラ
ック等の大型車では、一般に変速段が多いため、シフト
レバーとしてH型シフトパターンのものを用いると、各
変速段のシフトポジションを設けなくてはならないの
で、シフトレバー装置の大型化や複雑化を招いてしま
う。
【0008】そこで、いわゆるI型シフトパターンのシ
フトレバーを採用することが考えられ、上述の従来の変
速制御装置でも用いられている。このI型シフトパター
ンのものは、チェンジレバーを前方へ倒すとシフトアッ
プ指令が行なわれ、チェンジレバーを後方へ倒すとシフ
トダウン指令が行なわれるようにした、いわゆるアップ
ダウン式のチェンジレバーである。
【0009】また、上述の従来の変速制御装置では、自
動変速と遠隔操作による手動変速とを選択的に切り換え
る為の切替スイッチを、手動変速のためのシフトレバー
とは別に装備している。しかしながら、シフトレバー以
外のスイッチによりシフトモードを切り替えるようにす
ると、切替自体が容易ではあるが、ドライバがシフト切
替を自覚しにくいおそれがある。
【0010】また、このようにシフトモード専用スイッ
チによりシフトモードを切り替える構成では、シフトモ
ード専用スイッチの状態によってシフトレバーの操作効
果が異なることになり、操作の組み合わせが複雑となる
おそれもあり、ドライバの誤認識を招くおそれもある。
そこで、一つのシフトレバーの操作位置によりシフトモ
ードを選択するような構成が考えられる。特に、上述の
アップダウン式のI型シフトパターンのチェンジレバー
に、自動シフトか手動シフトかいずれかのシフトモード
を選択できるように構成することが考えられる。
【0011】この場合、シフトレバーの操作位置とし
て、手動シフトモード時に用いる手動変速位置(マニュ
アルポジション)と、自動シフトモード時に用いる自動
変速位置(ドライブポジション)とを設けるが、このほ
か、中立位置(ニュートラルポジション)や後退位置
(リバースポジション)をそなえる必要がある。また、
手動変速位置にはシフトアップ操作位置とシフトダウン
操作位置とを隣接させる必要がある。
【0012】このような自動・手動切替スイッチの機能
を有するアップダウン式のシフトレバーでは、中立位置
から自動変速位置を経て手動変速位置に操作するような
配置が一般的に考えられる。そして、車両の発進時に着
目すると、発進時にシフトレバーが中立位置から自動変
速位置に操作されれば、変速ギヤを中立状態から発進用
の変速段に自動的に切り替えるようにする必要がある。
このような発進用変速段は、トラック等の大型車の場
合、一般には第2速が用いられるため、自動シフトモー
ドでの発進時にもこの第2速に変速ギヤを切り替えるこ
とになる。
【0013】ところが、車両が大きな荷重を搭載してい
る場合や登坂路で発進する場合等では第2速よりも第1
速の方が発進時に適している場合がある。この場合に
は、ドライバが手動シフトモードにセットして、変速ギ
ヤを第1速に切り替えて発進操作を行なえばよい。この
ような発進時には、シフトレバーを中立位置から自動変
速位置を経て手動変速位置に操作して手動シフトモード
をセットすることになるが、途中で自動変速位置に入る
ことになるため、この自動変速位置に応じて上述のよう
に自動シフトモードでの発進変速段即ち第2速に変速ギ
ヤが切り替えられることになり、この後に手動で変速ギ
ヤを第1速に切り替えたとしても、変速ギヤは中立状態
から一旦第2速へ切り替えられてから第1速に入ること
になり、変速ギヤを第1速へ速やかに切り替えることが
できないという課題が生じる。
【0014】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、シフト操作手段の操作で自動シフトモードと手動
シフトモードとを切り替えることができるようにしなが
ら、発進時に、自動シフトモードによる所要の発進段へ
の自動切替と、手動シフトモードによる好みの発進段へ
の手動切替とを、それぞれ速やかに行なえるようにし
た、変速制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の変速制御装置は、車両にそなえられたエンジ
ンと、該エンジンと動力伝達系との間に介装されたクラ
ッチ機構と、該クラッチ機構の断接操作を行なうクラッ
チペダルと、該クラッチペダルの操作状態又は入力され
る電気信号に応じて該クラッチ機構を断接駆動するクラ
ッチ用アクチュエータと、該クラッチ機構を介して該エ
ンジンから出力される回転トルクを複数の変速段のいず
れかにより変速して出力する変速ギヤ機構を有する変速
機と、電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切り替
えながら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシフト
用アクチュエータと、該変速機の手動シフト操作を行な
う操作手段であって、該手動シフト操作に応じた信号を
出力して該ギヤシフト用アクチュエータの作動を制御し
うるシフト操作手段と、該変速段を手動でシフトする手
動シフトモードと、該変速段を自動的にシフトする自動
シフトモードとを、選択的に切り替えるための手動・自
動選択操作手段と、該エンジンの回転数を検出するエン
ジン回転数検出手段と、該エンジンの負荷要求状態を検
出するエンジン負荷検出手段と、該手動・自動選択操作
手段からの選択信号に基づいて、該手動シフトモードが
選択されると、該シフト操作手段からの信号に応じて該
クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュ
エータへ指令信号を出力して、遠隔操作による手動変速
制御を行ない、該自動シフトモードが選択されると、該
エンジン回転数検出手段及び該エンジン負荷検出手段か
らの検出信号に応じて選択される該変速段に基づいて該
クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュ
エータへ対応する指令信号を出力して、自動変速制御を
行なう制御手段とをそなえ、該シフト操作手段が、該変
速ギヤ機構を中立状態に設定する中立位置と、該変速ギ
ヤ機構を自動変速操作状態に設定する自動変速位置と、
該変速ギヤ機構を手動変速操作状態に設定する手動変速
位置とをこの順番に操作するようにそなえるとともに、
該手動変速位置からシフトアップ指令を行なえるシフト
アップ位置と、該手動変速位置からシフトダウン指令を
行なえるシフトダウン位置とをそなえた、アップダウン
式操作レバーを有し、該制御手段が、該車両の発進時に
該アップダウン式操作レバーが該中立位置を経て該自動
変速位置を所定時間内に通過して該手動変速位置に操作
されると、該変速ギヤ機構を中立状態に保持するように
構成されていることを特徴としている。
【0016】請求項2記載の本発明の変速制御装置は、
請求項1記載の構成において、該シフト操作手段が、該
中立位置に隣接して変速ギヤ機構を後退状態に設定する
後退位置をそなえ、該制御手段が、該車両の発進時に該
アップダウン式操作レバーが該後退位置を経て該自動変
速位置を所定時間内に通過して該手動変速位置に操作さ
れると、該変速ギヤ機構を中立状態に設定するように構
成されていることを特徴としている。
【0017】請求項3記載の本発明の変速制御装置は、
請求項1又は2記載の構成において、該制御手段が、該
変速制御時に該シフト操作手段からの信号に応じて該ク
ラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュエ
ータへ指令信号を出力して、該クラッチ機構の断接駆動
及び該ギヤ機構の噛合状態の切り替えを制御するように
構成されていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図11は本発明の一実
施形態としての変速制御装置を示すもので、図1はその
全体構成を示す模式的な構成図、図2は本装置が適用さ
れる変速制御装置のシフト操作手段(チェンジレバー)
を示す斜視図、図3はそのシフト操作手段(チェンジレ
バー)のシフトパターンを示す図、図4はそのクラッチ
用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエータを示
す模式的な構成図、図5〜図11はいずれもその動作を
説明するためのフローチャートである。
【0019】この実施形態の変速制御装置は、手動シフ
トモードと自動シフトモードとを選択して実行できるよ
うになっており、手動シフトモードでは、ドライバの手
動操作による変速段のシフト指令を電気信号としてクラ
ッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエータ
に伝達してこれらのクラッチ用アクチュエータ及びギヤ
シフト用アクチュエータを遠隔操作し、自動シフトモー
ドでは、車両の走行状態(例えば車速やエンジン負荷)
に応じた最適変速段にするために変速段の切替が必要な
時にクラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチ
ュエータの作動を制御する。
【0020】さらに、本装置を具体的に説明すると、本
変速制御装置は、車両に設けられたディーゼルエンジン
1に装備されており、図1に示すように、エンジン1の
出力部に付設されたクラッチ機構2と、変速機本体即ち
セミオートマチックトランスミッション(以下、セミ自
動T/Mという)3と、セミ自動T/M3の作動を制御
する制御手段(セミ自動T/Mコントロールユニット)
11と、エンジン1の電子ガバナ1A用の制御手段(電
子ガバナコントロールユニット)12とをそなえてい
る。
【0021】また、制御手段であるセミ自動T/Mコン
トロールユニット11は、手動シフトモード時に遠隔操
作による手動変速制御を行なう手動変速用遠隔操作制御
部11Aと、自動シフトモード時に、クラッチ遮断動作
とギヤシフト動作とクラッチ接合動作とを制御して自動
変速制御を行なう自動変速用遠隔操作制御部11Bとを
そなえている。
【0022】なお、エンジン1は、ディーゼルエンジン
であり、上述のように電子制御ガバナ(電子ガバナ)1
Aをそなえている。また、クラッチ機構2は、クラッチ
用アクチュエータとして機能するクラッチブースタ2A
を付設されており、このクラッチブースタ2Aはエアタ
ンク31からのエアの供給状態に応じて、クラッチ機構
2を断接駆動する。また、クラッチ機構2には、クラッ
チストロークを検出するクラッチストロークセンサ2B
がそなえられている。
【0023】変速機本体3は、前進7段・後進1段の変
速段を有しており、ギヤシフト用アクチュエータとして
のギヤシフトユニット(GSU)3Aが付設されてい
る。このギヤシフトユニット3Aは、変速機本体3のギ
ヤ機構の噛合状態を切り替えながら変速段を所要の状態
にシフト駆動するものである。そして、これらの電子ガ
バナ1A,クラッチブースタ2A及びギヤシフトユニッ
ト3Aは、セミ自動T/Mコントロールユニット11及
び電子ガバナコントロールユニット12によって、電気
信号を通じて制御されるようになっている。
【0024】セミ自動T/Mコントロールユニット11
には、シフト操作手段及び手動・自動選択操作手段とし
てのチェンジレバーユニット4,車両の車速を検出する
車速検出手段(車速センサ)21,クラッチストローク
センサ2B,クラッチペダル6の踏み込みを検出するク
ラッチスイッチ40,トランスミッション3の変速段を
検出するトランスミッションギヤセンサ(図示略),ク
ラッチ回転速度(すなわち、クラッチ機構2の出力側回
転数)を検出するクラッチ回転数センサ(クラッチ出力
回転数検出手段)22,ブレーキペダル80が踏み込ま
れるとONになりブレーキの作動を検出するブレーキ検
出手段としてのストップランプスイッチ(ブレーキのエ
ア圧を検知するタイプも含む)70,ガバナコントロー
ルユニット12,エマージェンシスイッチ23,ディス
プレイユニット13,モード切替時に信号音(ピッ音)
を発生する切替ブザー13A及び警報ブザー14がそれ
ぞれ接続されている。
【0025】また、電子ガバナコントロールユニット1
2には、電子ガバナ1A,アクセル踏込量センサ24,
エンジン回転数センサ25及びセミ自動T/Mコントロ
ールユニット11がそれぞれ接続されている。なお、ア
クセル踏込量センサ24はアクセルペダル7に付設され
る。そして、チェンジレバーユニット4を通じて手動シ
フトモードが選択されると、セミ自動T/Mコントロー
ルユニット11に設けられた手動変速用遠隔操作制御部
11Aを介して、チェンジレバーユニット4からの指令
に基づいて、ギヤシフトユニット3Aのみ、又は、ギヤ
シフトユニット3A及びクラッチブースタ2Aが遠隔操
作されるようになっている。
【0026】つまり、本装置における手動変速用遠隔操
作制御部11Aでは、手動シフトモード時には、発進時
を除いて、チェンジレバーユニット4のチェンジレバー
4Aを手動操作するだけで、ギヤシフトユニット3A及
びクラッチブースタ2Aを遠隔操作して、変速機本体3
の要部及びクラッチ機構2を駆動しながら、クラッチ
断,ギヤチェンジ,クラッチ接の動作を制御するように
なっている。
【0027】また、チェンジレバー4Aの手動操作は、
機械的な駆動力のいる操作ではなく、電気的な制御信号
を出力するスイッチ操作なので、極めて小さな操作力で
シフト操作できる。ここでは、このようなチェンジレバ
ー4Aの手動操作の制御をフィンガータッチ制御又はフ
ィンガー制御といい、また、手動シフトモードに代えて
フィンガータッチシフトモードともいう。
【0028】また、本変速制御装置では、チェンジレバ
ー4Aを通じて自動シフトモードが選択されると、発進
時のクラッチ接続操作を除いて自動シフトモードを実施
しうるようになっている。このような自動シフトモード
時には、セミ自動T/Mコントロールユニット11の自
動変速用遠隔操作制御部11Bを介して、各種の情報に
基づきギヤシフトユニット3A及びクラッチブースタ2
Aが遠隔操作されるとともに、電子ガバナコントロール
ユニット12を介して、各種の情報に基づき電子ガバナ
1Aが遠隔操作されるようになっている。
【0029】ところで、本装置では、走行中、例えば第
2速〜第7速の変速段領域で自動シフトモードを実行し
うるようになっている。バスやトラック等の大型車の場
合には、第1速の変速段を使用するのは高負荷発進時や
高負荷極低速時等であり、通常走行時には、第2速〜第
7速の変速段領域で走行状態に適した変速段を選択しう
る。したがって、本装置では、通常走行時にはほとんど
の状況下で自動シフトモードによる変速制御を行なうこ
とができるのである。
【0030】発進時には、クラッチを徐々に接合してい
ってクラッチによるトルク伝達量を緩やかに増加させる
ようにする必要があるが、このような発進時のクラッチ
接合を適切に自動制御するには、現状ではクラッチブー
スタ2Aの構造やその制御の更なる複雑化を招くことに
なる。そこで、本装置では、このような装置や制御の複
雑化を回避するように、発進時については、自動シフト
モードが実行されないようになっており、また、手動シ
フトモードによる発進についても自動クラッチ制御は行
なわず、手動操作のみによりクラッチ接続を行なうよう
になっているのである。
【0031】したがって、本発明の変速制御装置では、
発進時を除いたほとんど全ての走行状況下で自動シフト
モードを実施することができ、また、クラッチ操作(ク
ラッチペダル6の踏込操作)を要しない手動シフトモー
ドも発進時を除いた全ての走行状況下で実施することが
でき、ドライバの負担を大きく軽減することができるよ
うになっているのである。
【0032】もちろん、車両が停車する際には自動的に
クラッチ機構2が断状態(接続遮断)に駆動されるよう
に構成されている。このため、図1に示すように、自動
変速用遠隔操作制御部11Bには、車両の停止を判定す
る停止判定手段50と、クラッチブースタ2Aを制御す
る停車時クラッチ制御手段60とが設けられており、こ
れら停止判定手段50とクラッチ制御手段60とによ
り、自動シフトモード時のクラッチ操作,アクセル操作
及びギヤシフト動作が制御されるようになっている。
【0033】ここで、停止判定手段50には、車速セン
サ21,クラッチ回転数センサ22及びストップランプ
スイッチ70が接続されており、これら各センサ類2
1,22,70からの情報に基づいて、クラッチ回転速
度が所定速度(例えば600rpm)以下であり、且つ
ブレーキ作動中であって且つ車速が所定車速(例えば3
0km/h)以下の場合に、車両が停止している又は停
止直前であると判定するようになっている。
【0034】また、停車時クラッチ制御手段60は、上
記停止判定手段50により車両の停止(又は停止直前)
が判定されるとエンストを防止すべくクラッチ機構2の
接続を遮断するようにクラッチブースタ2Aを制御する
ようになっている。そして、、車両停止時には、所定時
間クラッチを切り離した状態に保持するようになってい
る。
【0035】また、車両の走行状態を検出するために、
エンジン1には、エンジン負荷検出手段90が設けられ
ている。このエンジン負荷検出手段90は、上述のアク
セル踏込量センサ24,エンジン回転数センサ25及び
トランスミッションギヤセンサ(図示略)から構成され
ており、例えばアクセル開度やエンジン回転数等からエ
ンジン1の負荷状態を検出するものである。そして、自
動変速用遠隔操作制御部11Bでは、車速センサ21及
びエンジン負荷検出手段90等からの検出情報に基づい
て変速すべき目標変速段を設定するようになっている。
【0036】また、停車時クラッチ制御手段60による
クラッチ機構2の遮断完了後には、車両の速度状態やエ
ンジン1の負荷状態に応じて最適な変速段を設定し、こ
の変速段へのシフトを行なうようになっている。なお、
このような自動変速制御やクラッチ遮断制御については
後で詳述する。ところで、チェンジレバーユニット4
は、図2に示すように、比較的ショートストロークのチ
ェンジレバー4Aをそなえている。
【0037】このチェンジレバー4Aのシフトパターン
は、図3に示すようになっており、N(ニュートラル)
と、R(リバース)と、D(ドライブ)と、H(ホール
ド)と、UP(シフトアップ)と、DOWN(シフトダ
ウン)との、6つのポジションをそなえたI型シフトパ
ターンになっている。なお、Dポジションを選択すると
自動シフトモードを設定でき、Hポジションを選択する
と手動シフトモード時に変速段を保持(即ち、Hol
d)する。なお、Hポジションでは手動シフトモードと
なるので、M(マニュアル)ポジションとも称すること
にする。
【0038】このうち、Nポジション,Rポジション,
Dポジション及びHポジションの各ポジションに入れた
場合には、操作後にチェンジレバー4Aから手を離して
もこの位置でチェンジレバー4Aが停止するが、UPポ
ジション及びDOWNポジションでは、チェンジレバー
4Aから手を放すとHポジションに自動的に戻るように
なっている。
【0039】したがって、シフト操作時以外には、チェ
ンジレバー4Aは、N(ニュートラル)又はD(ドライ
ブ)又はH(ホールド)のポジションにあり、このチェ
ンジレバー4Aの位置からは選択されている変速段を認
識できない。そこで、この装置では、セミ自動T/Mコ
ントロールユニット11からの信号を受けて、ディスプ
レイユニット13で、現在の変速段の表示、即ち、1
速,2速,3速,4速,5速,6速,7速,R(リバー
ス),N(ニュートラル),D(ドライブ)の表示を行
なうようになっている。
【0040】また、ディスプレイユニット13では、自
動変速インジケータランプの点灯又は消灯によりシフト
モードが自動シフトモードか手動シフトモードかの表示
を行なうようにもなっている。そして、N,D,H,U
P,DOWN,Rの各ポジションに応じて、指令信号を
出力するようになっている。なお、各ポジションの間の
過渡的なポジションでも、指令信号を出力するようにな
っている。つまり、HポジションとUPポジションとの
間,HポジションとDOWNポジションとの間では、H
ポジションに応じた指令信号が出力され、Nポジション
とRポジションとの間,NポジションとDポジションと
の間では、Nポジションに応じた指令信号が出力され、
DポジションとHポジションとの間では、Hポジション
に応じた指令信号が出力されるようになっている。即
ち、UP,DOWN,R,Dの指令信号は、チェンジレ
バー4Aがこれらのポジションに入ったときのみに指令
信号がされ、過渡的なポジションでは、第1にNポジシ
ョン信号が優先されて、第2にHポジション信号が優先
されるようになっている。
【0041】ところで、ギヤシフトユニット3A及びク
ラッチブースタ2Aを駆動するエアライン系及び油圧ラ
イン系については、図4に示すように構成されている。
図4において、31はメインエアタンクであり、エマー
ジェンシタンク31Cが付設されている。31Aはサブ
エアタンクであり、ブレーキ用タンクとウェットタンク
とをそなえている。31Bはブレーキ用タンクのサブエ
アタンクである。
【0042】また、32はエア配管(エアホース)、3
3はチェックバルブ、34はダブルチェックバルブ、3
5A〜35Cはローエアプレッシャスイッチである。3
6B〜36Dは電磁式の3ウェイバルブであって、ここ
では、バルブ36BをMVP,バルブ36CをMVR,
バルブ36DをMVWとも呼ぶ。36E,36Fは電磁
バルブであって、バルブ36Eはエア供給を行なうもの
でここではMVXとも呼び、バルブ36Eはエア抜きを
行なうものでここではMVYとも呼ぶ。
【0043】これらの電磁バルブ36B,36C,36
E,36Fは、いずれもセミ自動T/Mコントロールユ
ニット11からの指令信号に応じて切り替えられる。電
磁式3ウェイバルブ36Bは、メインタンク31とエマ
ージェンシタンク31Cとの利用状態を切り替えるため
のもので、通常時にはメインタンク31からのエア圧が
利用されるように排出状態とされ、メインタンク31が
正常に働かないような緊急時にはエマージェンシタンク
31Cからのエア圧が利用されるように連通状態とされ
る。
【0044】電磁式3ウェイバルブ36Cは、ギヤシフ
トユニット3Aにおけるシフト力を切り替えるためのも
ので、シフト力を通常状態(大きくない状態)にすると
きには排出状態とされシフト力を大きくするときには連
通状態とされる。ところで、クラッチ2は、クラッチブ
ースタ2Aにエア圧を供給されると離隔状態(切状態)
となり、クラッチブースタ2Aのエア圧が抜かれると接
合状態(接状態)となるように構成されている。そし
て、電磁式バルブ36Eが作動するとクラッチブースタ
2Aにエア圧が供給されてクラッチ2の離隔状態とな
り、電磁式バルブ36Fが作動するとクラッチブースタ
2Aのエア圧が除去されてクラッチ2の接合状態となる
ように設定されている。
【0045】電磁式3ウェイバルブ36Dは、ギヤ入れ
駐車時に電磁式バルブ36Eの破損により、クラッチが
切れることのないようにエア圧の供給を断つためのもの
で、通常時にはエアホース32を開通する連通状態とさ
れ、エンジン停止時にはクラッチブースタ2Aのエア圧
を除去する排出状態とされる。また、37Aは例えば出
力エア圧が3.9kg/cm2の低圧レデューシングバルブで
あり、37Bは例えば出力エア圧は7.5kg/cm2の高圧
レデューシングバルブである。
【0046】38はリレーバルブであり、このリレーバ
ルブ38はサブエアタンク31Aからクラッチブースタ
2Aにエア圧を供給するエアホース32に介装されてい
る。また、このリレーバルブ38は、クラッチペダル6
の踏み込みに応じて作動するマスタシリンダ6Aと油路
41を介して接続されており、クラッチペダル6を踏み
込んでいない時には、クラッチブースタ2Aのエア圧を
排出する排出状態となって、クラッチ2が接合状態とさ
れて、クラッチペダル6の踏込時には、クラッチブース
タ2Aにエア圧を供給する供給状態となり、クラッチ2
が離隔状態とされるようになっている。
【0047】また、39はエアドライヤである。さら
に、ギヤシフトユニット3A内には、図示しないが、M
VA〜MVFの6つの電磁バルブが設けられており、こ
れらのバルブの開閉に応じて、ギヤ機構の噛合状態が切
り替えられる。これらの電磁バルブMVA〜MVFも、
それぞれセミ自動T/Mコントロールユニット11から
の指令信号に応じて切り替えられる。
【0048】ところで、この装置では、上述のように、
変速機のコントロールモードに、手動シフトモードと自
動シフトモードとがあるが、チェンジレバー4AがHポ
ジションッチの手動シフトモードに設定されたときや、
チェンジレバー4AがDポジションッチの自動シフトモ
ードに設定されたが自動シフトモードの設定条件を満た
さないとき等に、手動シフトモードとなる。
【0049】この手動シフトモードの際には、セミ自動
T/Mコントロールユニット11では、電磁バルブ36
C(つまり、MVR)及びMVA〜MVFの制御を以下
のごとく行なうようになっている。つまり、車両が停止
状態であれば、クラッチペダル6の踏込中に、チェンジ
レバー4AがNポジションからRポジションへシフト指
令されると、セミ自動T/Mコントロールユニット11
から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜M
VFのうちの対応する電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、Rポジショ
ンへ切り替えられるようになっている。
【0050】このとき、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11では、トランスミッションギヤセンサ(図示
略)から実際に選択されている変速段情報を受けて、こ
れをセミ自動T/Mコントロールユニット11から出力
された指令変速段(目標変速段)と比較して、選択変速
段が指令変速段と一致するとシフト動作が完了したと判
断する。
【0051】また、車両の停止状態でクラッチペダル6
の踏込中に、チェンジレバー4AがNポジションからD
ポジションへシフト指令操作されて所定時間t1(t1
は極く短い時間)が経過したら、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11から、ギヤシフトユニット3Aの電
磁バルブMVA〜MVFのうちの対応する電磁バルブへ
作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合
状態が、N状態(中立状態)から第2速へ切り替えられ
るようになっている。
【0052】この第2速は、バスやトラック等が通常の
発進時に使用する変速段であり、チェンジレバー4Aを
Dポジションへ操作すれば、発進準備が完了し、クラッ
チペダル6の踏込を解除しながら発進を行なうことがで
きる。このように第2速が選択された後に、チェンジレ
バー4AがDポジションからHポジションへ操作される
と第2速を保持することになる。
【0053】これに引き続いて、HポジションからUP
ポジション又はDOWNポジションへ指令操作される
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11から、ギ
ヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのう
ちの対応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速
機本体3のギヤ機構の噛合状態が、UP操作の場合は第
3速へ、DOWN操作の場合は第1速へと切り替えられ
るようになっている。
【0054】また、本装置の手動変速用遠隔操作制御部
11Aには、車両の発進時にチェンジレバー4AがNポ
ジションからDポジションを経てHポジションへと操作
される場合に、Dポジション(自動変速位置)を通過す
る時間が予め設定された所定時間t1内であるか否かを
判定する自動変速位置通過判定手段104と、この自動
変速位置通過判定手段104からの判定結果に基づい
て、Dポジションを速やかに通過した場合には、変速ギ
ヤを2速状態に切り替えることなく、Hポジションへ入
ったときも変速ギヤをN状態に保持する中立保持手段1
06とがそなえられている。
【0055】つまり、自動変速位置通過判定手段104
で、車両の停止状態でクラッチペダル6の踏込中に、チ
ェンジレバー4AがNポジションから所定時間t1内に
Dポジションを経てHポジションへと速やかにシフト指
令操作されたと判定すると、中立保持手段106が、変
速ギヤを2速状態に切り替えることなく、中立状態に保
持するようになっている。
【0056】そして、この中立状態のHポジションから
DOWNポジションへ指令操作されると、セミ自動T/
Mコントロールユニット11から、ギヤシフトユニット
3Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの対応する電磁
バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態が、第1速へと切り替えられるようになっ
ている。
【0057】したがって、発進時に、クラッチペダル6
を踏み込みながらチェンジレバー4AをNポジションか
らDポジションを経てHポジション次いでDOWNポジ
ションへと連続操作すれば、変速段は中立状態から直接
第1速へセットされることになり、この後、クラッチを
結合することで速やかに1速発進を行なうことができ
る。
【0058】もちろん、通常の第2速による発進をした
ければ、チェンジレバー4AをNポジションからDポジ
ションに移動させてクラッチを結合すればよい。いずれ
にしても、中立状態から発進したい変速段へ直接切り替
えることができるため、発進時に変速機のもたつきが解
消されることになる。なお、中立状態のHポジションか
らUPポジションへ指令操作されると、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態は、第2速へと切り替えられる。
【0059】また、上述のRポジションや第2速ポジシ
ョンや第1速ポジションへの各シフト時において、シフ
ト動作が完了する前に、チェンジレバー4AをNポジシ
ョンやHポジションに戻してしまうと、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態は、N状態(ニュートラル状態)に
戻されるようになっている。さらに、車両の停止状態で
クラッチペダル6の踏込中に、チェンジレバー4AがD
ポジション又はHポジション又はRポジションからNポ
ジションへシフト指令されると、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態は、N状態(中立状態)に切り替えられる
ようになっている。
【0060】一方、車両の走行状態(前進走行状態)に
おける変速段切替については、前進走行状態では変速機
本体3のRポジションへのシフトが禁止されている。つ
まり、車両の走行状態でクラッチペダル6の踏込中に、
チェンジレバー4AがNポジションからRポジションへ
シフト指令されると、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11からは、この指令に応じたシフト信号は出力さ
れずに、警告ブザー14に作動信号が出力されて、警告
音でドライバに警告が発せられるようになっている。
【0061】また、車両の走行状態には、チェンジレバ
ー4Aは通常はDポジションかHポジションにセットさ
れており、Hポジションの場合は、既にセットされた変
速段を保持しているが、チェンジレバー4AがHポジシ
ョンからUPポジション又はDOWNポジションへシフ
ト指令操作されると、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、車速センサ21の検出情報に基づいて、
指令操作された変速段が車両の走行状態や変速機の特性
に対して適正であれば設定可能であり、指令操作に応じ
た変速段を設定するが、指令操作された変速段が車両の
走行状態や変速機の特性に対して適正でなければ現変速
段を続行するか指令操作により近い変速段を設定するよ
うになっいる。
【0062】そして、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブM
VA〜MVFのうちの設定された変速段に対応する電磁
バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態が、所要の変速段ポジションへ切り替えら
れるようになっている。さらに、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11では、車速信号やクラッチ回転数信
号と、これから変速しようとする変速段とに基づいて、
変速機のシンクロ負荷を求めて、シンクロ負荷が所定値
以上の高負荷時(例えば第2速への切替時)には、電磁
式3ウェイバルブ36Cを連通状態に制御してレデュー
シングバルブを低圧レデューシングバルブ37Aから高
圧レデューシングバルブ37Bに切り替えて、ギヤシフ
トユニット3Aでシフトのために用いるエア圧を大きく
してシフト力を大きくさせるようになっている。
【0063】一方、チェンジレバー4AがDポジション
の自動シフトモードに設定されて且つ自動シフトモード
の設定条件が満たされると、自動シフトモードとなる。
この自動シフトモードの際に、セミ自動T/Mコントロ
ールユニット11の自動変速用遠隔操作制御部11Bで
は、電磁バルブ36E,36F(つまり、MVX,MV
Y)及びMVA〜MVFの制御を以下のごとく行なうと
ともに、電子ガバナコントロールユニット12を介して
電子ガバナ1Aを制御することで、エンジンの作動状態
を制御するようになっている。
【0064】なお、この自動シフトモードでは、アクセ
ルペダルの踏込量に応じた最適な変速段(これを目標変
速段とする)を設定して、この目標変速段と実際の変速
段とが異なっているときには、シフトダウン後のエンジ
ンのオーバランを招かない限り、次のようにしてシフト
操作を行なう。 まず、アクセル戻し制御を行なう。つまり、アクセル
ペダルの操作状態に関係なくアクセルを戻すように制御
する。即ち、電子ガバナコントロールユニット12で
は、通常、アクセルペダルの踏込量信号を受けて、この
踏込量に対応して電子ガバナ1Aを制御してエンジンの
出力状態を調整する。しかし、この自動シフトモードの
シフト操作時には、踏込量信号に関係なく、セミ自動T
/Mコントロールユニット11から、アクセルを戻すよ
うに制御信号が出力されて、電子ガバナコントロールユ
ニット12ではアクセルペダルの踏込量信号に代えてこ
のアクセル戻し信号によって、電子ガバナ1Aを制御す
るようになっている。
【0065】アクセルが戻ったら、クラッチを切る。
つまり、アクセルが戻ると(即ち、電子ガバナ1Aがア
クセルが戻ったときに相当する状態になると)、電子ガ
バナコントロールユニット12からこれに応じた信号が
出力されて、セミ自動T/Mコントロールユニット11
では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Eに作動指
令信号を出力して、電磁式バルブ36Eを作動させて、
クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラッチ2
を離隔状態(切)にする。
【0066】クラッチが切れたら、ギヤをニュートラ
ルへ戻す。つまり、クラッチストロークセンサ2Bか
ら、クラッチが切れたことに対応する信号が出力される
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11では、こ
の信号を受けて、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブ
MVA〜MVFのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が
出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、ニ
ュートラル位置に戻される。
【0067】ギヤがニュートラルへ戻ったら、目標変
速段と車速とからクラッチの入出力軸間の回転速度差が
所定以内になるように、エンジンの回転数を制御する。
つまり、トランスミッションギヤセンサから、ギヤがニ
ュートラルへ戻ったことに対応する信号が出力される
と、電子ガバナコントロールユニット12では、この信
号を受けて、目標変速段と実車速とからエンジンの目標
回転数を設定して、エンジン回転数センサ25から得ら
れる実際のエンジンの回転数が目標回転数に近づくよう
に電子ガバナ1Aを制御する。
【0068】この一方で、ギヤを目標変速段へシフト
する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニット1
1から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜
MVFのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、目標変速段
へシフトされる。 さらに、ギヤの目標変速段へのシフトが完了してエン
ジンの回転数が所要の状態に制御されたら、クラッチを
接合する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11では、トランスミッションギヤセンサから現変速
段を示す信号を受けて、この信号と指令信号とから、ギ
ヤが目標変速段へシフトされたか判断する。また、電子
ガバナコントロールユニット12では、エンジン回転数
センサ25から現エンジン回転数を示す信号を受けて、
この信号と目標とするエンジン回転数とから、実エンジ
ンの回転数が目標回転数に対して一定以内に近づいたか
判断する。そして、電子ガバナコントロールユニット1
2から、実エンジンの回転数が目標回転数に対して一定
以内に近づくと、エンジン回転数制御を完了した旨の信
号が出力される。セミ自動T/Mコントロールユニット
11では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Fに作
動指令信号を出力して、電磁式バルブ36Fを作動させ
て、クラッチブースタ2Aのエア圧を除去して、クラッ
チ2を接合状態にする。
【0069】クラッチの接合が完了したら、シフト操
作を終えて、アクセル調整をアクセルペダルの操作状態
に対応する通常の状態に戻す。つまり、クラッチストロ
ークセンサ2Bから、クラッチが接合したことに対応す
る信号が出力されると、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11からの仮想的な踏込量信号の出力が終えられ
るとともに、電子ガバナコントロールユニット12で
は、アクセルペダル7の踏込量信号に対応して電子ガバ
ナ1Aを制御してエンジンの出力状態を調整する通常の
制御状態に復帰する。
【0070】また、この自動シフトモード時には、前述
のように、車両停止時にエンストを起こしたりしないよ
うに、停止判定手段50及び停車時クラッチ制御手段6
0により車両停止時のクラッチの遮断制御(又はクラッ
チの切り離し制御)を以下のようにして実行するように
なっている。まず、車速センサ21,クラッチ回転数セ
ンサ22及びストップランプスイッチ70からの情報に
基づいて、クラッチ回転速度が所定速度(例えば600
rpm)以下であり、且つブレーキが作動中(即ち、ブ
レーキペダル80が踏み込まれている状態)であって、
且つ車速が所定車速(例えば30km/h)以下である
と、停止判定手段50では車両が停止状態であると判断
する。なお、上述したように、ここでの車両停止状態と
は、必ずしも車両が完全に停止している状態のみを指す
ものではなく、車両が停止しそうな状態をも含めたもの
である。
【0071】そして、このような場合、停車時クラッチ
制御手段60によりクラッチの切り離し制御が行なわれ
る。すなわち、上述のと同様に、電磁式バルブ36E
に作動指令信号を出力して電磁式バルブ36Eを作動さ
せ、クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラッ
チ2を離隔状態(切)にする。このとき、自動的にクラ
ッチを切り離したことを知らせるブザー(ここでは、警
報ブザー14)を鳴動させる。
【0072】また、エマージェンシスイッチ23は、セ
ミ自動T/Mコントロールユニット11の万一のフェイ
ル時にそなえて設けられたもので、チェンジレバー4A
からの指令信号を、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11を介在させずに、直接ギヤシフトユニット3Aに
送る直接操作モードに切り替えるためのスイッチであ
る。
【0073】次に、エンジン負荷検出手段90や車速セ
ンサ21等からの情報や、セミ自動T/Mコントロール
ユニット11内に設けられたマップに基づいてギヤを目
標変速段へシフトする。つまり、ここでは上述のと同
様に、セミ自動T/Mコントロールユニット11から、
ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFの
うちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速
機本体3のギヤ機構の噛合状態が目標変速段へシフトさ
れる。
【0074】そして、目標変速段へのシフト完了後、ス
トップランプスイッチ70のON信号が検出されている
間(即ち、ブレーキの作動中)は、変速機本体3のギヤ
機構を目標変速段にシフトしたまま、クラッチの切り離
し状態を保持する。このとき、車両が完全に停止してい
れば、2速に設定されるようになっている。なお、通常
このような前進7速をそなえた車両では、1速は発進に
用いるようなギア比よりもさらに低いギア比に設定され
ており、例えば積載物が満載状態であるようなときに用
いられる変速段である。したがって、本実施形態では、
自動シフトモード時に車両が完全停止すると、発進用の
変速段としての2速に設定されるようになっているので
ある。
【0075】なお、このように車両が完全停止してか
ら、クラッチの切り離し状態を自動的に保持していると
きであって、このクラッチの切り離し完了から所定時間
(例えば5分)以上経過すると、ギヤシフトユニット3
Aがニュートラル状態にシフトされる。この後、図示し
ないトランスミッションギヤセンサによりギヤシフトユ
ニット3Aがニュートラルとなったことが確認されると
クラッチが接続される。すなわち、このような場合はド
ライバが当分車両を発進させる意思がないものとして、
ギア機構をニュートラルにシフトするとともに、変速モ
ードを手動変速モードに切り換えるようになっているの
である。
【0076】また、車両の停止後、変速機本体3のギヤ
機構が目標変速段にシフトされて、クラッチの切り離し
状態が保持されているときに、ドライバがクラッチペダ
ル6を踏むと、クラッチの切り離し状態が解除されて、
ドライバの意思によりクラッチが断接されるようにな
る。もちろん、このときの変速段は、上記の目標変速段
にシフトされたままであるので、ドライバがクラッチペ
ダル6を離すことで、車両が発進するようになってい
る。
【0077】なお、車両停止条件の成立後にクラッチの
切り離し制御が開始され、クラッチ切り離し制御完了前
に上述の車両停止条件が不成立となった場合でも、クラ
ッチの切り離し動作を一旦完了させるようになってい
る。ところで、この車両には、図示はしないがABS
(アンチロックブレーキシステム)やASR(アンチス
ピンレギュレータ)がそなえられている。ここで、AB
Sとは、ブレーキ作動時の車輪の空転を防止する装置で
あり、ASRとは、駆動輪の発進や加速時のタイヤスリ
ップを制御して、安定した駆動力を確保するための装置
である。
【0078】そして、本装置では、このようなABSや
ASRが作動中のときはクラッチの断接制御は行なわな
いようになっている。これは、ABSやASRが作動中
のときは、通常は車両の状態とドライバの意思とが一致
していない時であって、且つ過渡的な運動状態であるか
らである。また、本変速機装置では、前述のように、車
速センサ21及びエンジン負荷検出手段90等からの検
出情報に基づいて変速すべき目標変速段を設定するが、
この変速段切替は変速マップに基づいて行なうようにな
っている。
【0079】特に、ここでは、変速マップとして、比較
的低い変速段を使用してより高めのエンジン回転数を使
用しながらより高いエンジン出力を得るようにしたパワ
ーモードのマップと、比較的高い変速段を使用してより
低めのエンジン回転数を使用しながらより低燃費の運転
が行なえるようにしたエコノミーモードのマップとが設
けられ、図示しないセレクトスイッチにより、いずれか
のモードを選択して、対応するマップに基づいて変速を
行なうようになっている。
【0080】本発明の一実施形態としての変速制御装置
は、上述のように構成されているので、例えば、図5〜
図11に示すフローチャートにしたがって、変速機3の
シフト動作が行なわれる。ここで、図5は自動変速モー
ド時の制御概要を説明するためのメインフローチャート
であって、自動変速と車両停止時のクラッチ切り離し制
御との判断について説明するフローチャートである。
【0081】図5に示すように、まずステップS10に
おいて、車両のイニシャル制御データがセミ自動T/M
コントロールユニット11にセットされる。イニシャル
制御データとは、車両データの初期値であって、この場
合、エンジン1を始動させる前の車両の状態が記憶され
る。次に、イグニッションキースイッチがACC(アク
セサリ)位置になると、ステップS20において、後述
するアクセサリ時のサブルーチンを実行し、その後、イ
グニッションキースイッチがON位置になると、ステッ
プS30においてエンジン始動のサブルーチンを実行し
てエンジンが始動する。
【0082】そして、エンジン1の始動後、自動変速モ
ードに設定されると、ステップS40において、車速セ
ンサ21からの情報に基づいて車速が所定値(ここで
は、30km/h)以下か否かを判定する。ここで、車
速が所定値以下でない場合は、次にステップS50に進
んで自動変速のサブルーチンを実行し、その後、次の制
御周期で、再びステップS40に戻る。
【0083】また、ステップS40で、車速が所定以下
であると判断された場合は、ステップS60に進む。こ
のステップS60では、クラッチ回転数センサ22から
の情報に基づいてクラッチの回転数が所定値(例えば6
00rpm)以下かどうかを判定する。クラッチ回転数
が所定値以下でない場合は、次にステップS70に進
み、停車時クラッチ制御手段60によるクラッチの切り
離し作業の実行中であるかどうかを判断する。そして、
クラッチの切り離し作業の実行中であれば、次にステッ
プS80に進んで車両停止時のサブルーチンを実行し、
車両停止時のクラッチ制御を実行する。また、クラッチ
の切り離し作業が実行中でないときは、次にステップS
5に進んで自動変速ルーチンを実行する。
【0084】また、ステップS60において、クラッチ
回転数が所定値以下の場合は、ステップS80に進み、
車両停止時のクラッチ制御を行なう。なお、ステップS
90は、エンスト時のルーチンであり、エンストを起こ
すとステップS90のエンスト時制御を実行してからス
テップS30に進む。このようにして、メインルーチン
制御が行なわれるが、さて図5に示すフローチャートで
は、エンジン1の始動やその後の自動シフトモード選択
時における自動変速制御や停止制御の大まかな流れにつ
いて説明したが、次に図6のフローチャートを用いて、
図5のステップS20のアクセサリ時サブルーチン、即
ち、イグニッションスイッチがACC(アクセサリ)位
置にある場合のサブルーチンについて説明する。
【0085】図6に示すように、まず、ステップB10
において、イグニッションキースイッチがACC位置で
あるかどうかを判定し、ACC位置でなければACC時
の制御は行なわずにリターンする。また、ACC位置で
あればステップB20に進む。このステップB20では
トランスミッションギヤセンサからの情報に基づいて、
変速機3のギア位置(変速段)をディスプレイユニット
13に表示する。
【0086】次に、ステップB30で変速段がニュート
ラルかどうかを判定し、ニュートラルであればステップ
B40でニュートラル信号を出力してステップB10に
戻る。また、変速段がニュートラルでなければ、ステッ
プB50でニュートラル信号の出力をオフにしてステッ
プB10に戻る。したがって、図5のステップS20に
おいては、イグニッションキースイッチがACC位置と
なると、ディスプレイユニット13にギア位置を表示す
るとともに、ニュートラルであればニュートラル信号を
出力して、ドライバに変速機3のギア機構の噛合状態を
知らせるのである。
【0087】次に、図5のステップS30に示すエンジ
ン始動サブルーチンについて、図7のフローチャートを
参照して説明する。図7に示すように、まず、ステップ
C10で、ダイヤグノーシスルーチンを実行する。この
ダイヤグノーシスルーチンの詳細は図示しないが、ここ
では、各データ入力を読み込んで、エンジン回転数を算
出し、これらのデータを外部出力するとともに、各種の
エラー判定を行なう。このエラー判定は、具体的には次
のようなものがある。
【0088】例えば、メインエアタンク,エマージェン
シエアタンクのエア供給状態や,エマージェンシ信号ラ
イン,ADコンバータ,電子ガバナ,ラック入力,アク
セル入力,バッテリ電圧,アクセルスイッチ,クラッチ
ストロークセンサ,チェンジレバー,ストップランプ,
ブレーキ系,バッテリ,MVP,エキゾーストブレーキ
カット出力,ブザー用出力,ニュートラルリレー,スタ
ータ可能リレー,MVX,MVY,MVA〜MVF,M
VW,クラッチブースタ,オイルプレッシャ,エンジン
回転等についてのチェックを行ない、チェック結果に応
じてアラームランプを点灯するなどしてエラー表示を行
なう。
【0089】ステップC30では、油圧スイッチ(OP
sw)がON即ち停止状態で且つエンジン回転(NE)
がなし即ちエンジン停止状態であるか否かが判定され、
ここで、Yesつまり油圧停止状態で且つエンジン状態
である場合にはステップC4へ、NoならばステップC
130へ進む。ステップC130へ進んだ場合には、油
圧スイッチがOFF(運転状態)で且つエンジン回転が
なし(エンジン停止状態)であるか否かが判定される。
【0090】ステップC130で、Yesの場合はステ
ップC1へ戻り、Noの場合は油圧スイッチがOFF
(運転状態)で且つエンジン回転があり(エンジン運転
状態)であるので、始動ルーチンを終えてメインルーチ
ンへリターンする。一方、ステップC30からステップ
C40へ進んだ場合には、まず、このステップC40
で、クラッチ接続基準点を読み込んだか否かが判定され
る。
【0091】ここで、クラッチ接続基準点をまだ読み込
んでない場合には、ステップC50で、クラッチ接続基
準点の読み込みを行なう。ついで、ステップC60に進
んで、ディスプレイユニット13によりギヤ位置(変速
段位置)を表示し、ステップC70で後述のギヤチェン
ジルーチン(CHANGE)を行なう。このギヤチェン
ジルーチンにより、発進用の変速段位置(通常は第2
速)へのギヤの切り替えが完了する。
【0092】次いで、ステップC80で、クラッチペダ
ルの踏み込みの有無を判定する。クラッチペダルが踏み
込まれていれば、始動条件を満たすので、ステップC1
20へ進みスタータ電源をオン(ON)にする。一方、
クラッチペダルが踏み込まれていなければ、ステップC
90へ進み、チェンジレバー位置がN(ニュートラル)
になっているか否かが判定される。
【0093】チェンジレバー位置がNでなければ、始動
条件を満たさないので、ステップC110へ進みスター
タ電源をオフ(OFF)にする。一方、チェンジレバー
位置がNならば、さらにステップC100で、ギヤ位置
がNか否かが判定される。ここで、ギヤ位置がNなら、
始動条件を満たすので、ステップC120へ進みスター
タ電源をオン(ON)にする。ギヤ位置がNでなけれ
ば、始動条件を満たさないので、ステップC110へ進
みスタータ電源をオフ(OFF)にする。
【0094】このようにして、ダイヤグノーシス(診
断)処理,クラッチ接続基準点の読み込み,ギヤチェン
ジ処理を完了して、クラッチペダルが踏み込まれている
か、又はチェンジレバー位置及びギヤ位置が共にNであ
るという、始動条件が成り立てば、スタータ電源をオン
(ON)にする。始動条件が成り立たなければ、ドライ
バがクラッチペダルを踏み込むかチェンジレバーを操作
してギヤ位置をNにセットするかして、始動条件が成立
するのを待つことになる。
【0095】このようにして、スタータ電源がオンとな
ったら、エンジン始動サブルーチンを終了するが、ここ
で、上述のギヤチェンジルーチン(CHANGE)を図
8を参照しながら説明する。このギヤチェンジルーチン
は、停車中のギヤチェンジにかかるもので、図8に示す
ように、まず、クラッチペダルの踏み込み中(CL踏込
中)であるか否かの判定を行ない(ステップD10)、
踏み込み中でなければ変速制御は行なわずにメインルー
チンへリターンする。踏み込み中ならば、ステップD2
0へ進み、シフトレバー位置がNか否かを判定して、シ
フトレバー位置がNならばステップD30へ進み、変速
ギヤをN位置へと駆動指令する。
【0096】ステップD20でシフトレバー位置がNで
ないと判定されると、ステップD40へ進み、シフトレ
バー位置がRか否かを判定する。ここで、シフトレバー
位置がRならばステップD50へ進み、車速が0km/
h即ち車両が停止状態か否かを判定する。車両が停止状
態なら、変速ギヤをR位置へと駆動指令する。ステップ
D50で車両が停止状態でなければ変速制御を行なわず
にメインルーチンへリターンする。
【0097】また、ステップD40でシフトレバー位置
がRでないと判定されると、ステップD80へ進み、シ
フトレバー位置がDか否かを判定する。ここで、シフト
レバー位置がDならば、ステップD90へ進み後述する
変速マップ読取ルーチンを実行し、ステップD110へ
進み変速ギヤをステップD90の変速マップ読取ルーチ
ンで読み取った目標変速段位置へと駆動指令する。
【0098】さらに、ステップD80でシフトレバー位
置がDでないと判定されると、ステップD120へ進
み、シフトレバー位置がHか否かを判定する。ここで、
シフトレバー位置がHならば、ステップD130へ進み
このシフトレバー位置がHへセットされる際に、R又は
N位置から速い操作でセットされたか否かが判定され
る。速い操作でHへセットされた場合には、ステップD
150へ進み変速ギヤをN位置へ駆動指令する。速い操
作でなければ、ステップD170へ進み変速ギヤをセカ
ンド(2ND)位置へと駆動指令する。
【0099】そして、ステップD120でシフトレバー
位置がHでないと判定されると、まず、ステップD18
0へ進み、シフトレバー位置がDOWN入力か否かを判
定する。ここで、シフトレバー位置がDOWN入力なら
ば、ステップD200へ進み変速ギヤを現変速段よりも
1段低い変速段位置へ駆動指令する。さらに、ステップ
D180でシフトレバー位置がDOWN入力でないと判
定されると、ステップD210へ進み、シフトレバー位
置がUP入力か否かを判定する。ここで、シフトレバー
位置がUP入力ならば、ステップD230へ進み変速ギ
ヤを現変速段よりも1段高い変速段位置へ駆動指令す
る。
【0100】次に、上述の図5の自動変速ルーチン(ス
テップS5)について、図9〜図11を参照して説明す
る。自動変速ルーチンでは、図9に示すように、まず、
データの読み込みを行ない(ステップF10)、次に、
ダイヤグノーシスルーチンを実行する(ステップF2
0)。このダイヤグノーシスルーチンは、既に説明した
図7のステップC1と同様に行なわれる。ついで、ギヤ
位置表示即ち変速段位置の表示を行なう(ステップF3
0)。
【0101】次に、ステップF40に進み、ABS(ア
ンチロックブレーキシステム)又はASR(アンチスピ
ンレギュレータ=駆動輪の発進や加速時のタイヤスリッ
プを制御して、安定した駆動力を確保する装置)が作動
中か否かを判定する。ここで、ABS又はASRが作動
中であれば、ステップF50に進み、シフトレバー位置
がNになっいるか否かを判定する。ここで、シフトレバ
ー位置がNでなければシフト制御は行なわないが、シフ
トレバー位置がNのときには、ステップF70に進み、
Nレンジのシフト制御を行なう。
【0102】このNレンジのシフト制御は、まず、ステ
ップF70で、実際のギヤ位置がN(ニュートラル)の
位置になっているか否かを判定し、既にギヤ位置がNに
なっていれば、図11に示すクラッチ接続制御に進む。
このクラッチ接続制御については後述する。ギヤ位置が
Nになっていなければ、ステップF80に進み、クラッ
チペダルが踏み込まれているか否かを判定する。
【0103】ここで、クラッチペダルが踏み込まれてい
れば手動シフトモードによるNレンジへのシフト指令を
行ない(ステップF90)、クラッチペダルが踏み込ま
れていなければ自動シフトモードによる変速制御を行な
う(ステップF100)。この自動シフトモードによる
変速制御は、クラッチが切り離れるようにクラッチブー
スタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切後に、ギヤ
シフトユニット3AにNレンジへのシフト指令を出力す
る。
【0104】一方、ABS又はASRが作動中でなけれ
ば、ステップF40からステップF140に進み、シフ
トレバー位置がD(ドライブ)になっているか否かを判
定する。ここで、シフトレバー位置がD位置になってい
れば、ステップF150に進み、シフトレバー位置がD
位置になっていなければ、ステップF60に進む。ステ
ップF60に進んだ場合には、シフトレバー位置がN
(ドライブ)になっているか否かを判定するか、ここ
で、シフトレバー位置がNの場合には、ステップF70
へ進んで上述したようにNレンジのシフト制御を行な
う。シフトレバー位置がNでなければ、ステップF11
0に進み、シフトレバー位置がR(リバース)になって
いるか否かを判定する。
【0105】ステップF160に進むと、前述の変速マ
ップの読み取りを行なう。つまり、図示しないマップに
基づいてアクセル開度(アクセル踏込量)及び車速に基
づいて最適変速段即ち目標変速段を求める。そして、ス
テップF170に進み、目標変速段と現在のギヤ位置
(変速段)とが等しいか否かを判断する。ここで、目標
変速段と現在のギヤ位置とが等しければ、変速段の切替
の必要はなく、図11に示すクラッチ接続制御に進み、
目標変速段と現在のギヤ位置とが等しくなければ、変速
段の切替が必要となり、自動シフトモードによる変速制
御を行なう(ステップF180)。この自動シフトモー
ドによる変速制御は、クラッチが切り離れるようにクラ
ッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切後
に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト指
令を出力する。
【0106】一方、ステップF110でシフトレバー位
置がRになっていると判定されると、変速制御は行なわ
なず、メインルーチンに戻る。また、レバー位置がRに
なっていなければ、図10に示すステップF190以降
に進み、手動シフトモードによる制御を行なう。ステッ
プF190では、入力待機フラグSiFLGが0になっ
ているか否か判定される。この入力待機フラグSiFL
Gは、飛び越しシフト制御のために設定された前述の待
機時間Δtによる待機中に1となり、待機中でなければ
0となる。入力待機フラグSiFLGが1の場合には、
ステップF200へ進んで、入力待ちタイマがΔt秒経
過したか否かが判定されて、入力待ちタイマがΔt秒経
過したら、後述するステップF460へ進み、入力待ち
タイマがΔt秒経過していなけれは、ステップF210
へ進む。一方、入力待機フラグSiFLGが0の場合に
は、ステップF190からステップF210へ進む。
【0107】ステップF210では、UP入力を受けた
か否かを判定する。ここで、UP入力を受けていれば、
さらに、ステップF220で、入力待機フラグSiFL
Gが0になっているか否か判定される。SiFLGが0
でなければ(即ち、SiFLGが1ならば)、ステップ
F230に進み、前回の目標変速段よりもさらに1段高
い変速段を新たな目標変速段とする。SiFLGが0な
らば、ステップF240に進み、現変速段よりも1段高
い変速段を目標変速段に設定する。
【0108】このようにして、目標変速段が設定された
ら、ステップF250で、この目標変速段が第2速〜第
7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変速段
が第2速〜第7速のいずれかでなければ、目標変速段へ
の切替が行なえないので、ステップF490へ進む。目
標変速段が第2速〜第7速のいずれかであればステップ
F260へ進む。
【0109】ステップF260では、目標ギヤ段(目標
変速段)に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲
にあるか否かを判定する。目標変速段ではエンジン回転
数が適正にならなければ目標変速段への切替が行なえな
いので、ステップF490へ進み、現ギヤ位置(現在の
変速段位置)を目標変速段とする。一方、目標変速段で
もエンジン回転数が適正ならばステップF262へ進
む。
【0110】ステップF262では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段高い変速段について、第2速
〜第7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変
速段+1の変速段が第2速〜第7速のいずれかでなけれ
ば、この変速段への切替が行なえないので、ステップF
320へ進む。目標変速段+1の変速段が第2速〜第7
速のいずれかであれば、ステップF270へ進む。
【0111】ステップF270では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段高い変速段について、この変
速段に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲にあ
るか否かを判定する。目標変速段+1の変速段ではエン
ジン回転数が適正にならなければこの変速段への切替が
行なえないので、ステップF320へ進む。目標変速段
+1の変速段でもエンジン回転数が適正であればステッ
プF280へ進む。
【0112】ステップF280では、再び入力待機フラ
グSiFLGが0になっているか否か判定される。ここ
で、SiFLGが0でなければ(即ち、SiFLGが1
ならば)、ステップF310に進み、入力待ちタイマを
リセットしてスタートさせた上で、ステップF490に
進む。SiFLGが0ならば、ステップF290に進
み、入力待ちタイマをスタートさせ、更に、ステップF
300で、入力待機フラグSiFLGを1にセットした
上で、ステップF490に進む。
【0113】一方、目標変速段+1の変速段が設定でき
ない場合は、上述のようにステップF320へ進むが、
このステップF320では、ステップF230又はステ
ップF240で設定した目標変速段への変速制御を行な
う。即ち、まず、クラッチペダルが切り離れるようにク
ラッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切
後に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト
指令を出力する。
【0114】ついで、ステップF330で、入力待機フ
ラグSiFLGを0にセットして、ステップF340
で、入力待ちタイマをリセットさせた上で、ステップF
490に進む。ステップF490では、目標変速段と現
在のギヤ位置(変速段)とが等しいか否かを判断する。
ここで、目標変速段と現在のギヤ位置とが等しければ、
変速段の切替の必要はなく、図11に示すクラッチ接続
制御に進み、目標変速段と現在のギヤ位置とが等しくな
ければ、メインルーチンへリターンする。
【0115】一方、ステップF210でUP入力を受け
てないと判断されると、ステップF350に進み、DO
WN入力を受けているか否かが判定される。ここで、D
OWN入力を受けていれば、さらに、ステップF360
で、入力待機フラグSiFLGが0になっているか否か
判定される。SiFLGが0でなければ(即ち、SiF
LGが1ならば)、ステップF380に進み、前回の目
標変速段よりもさらに1段低い変速段を新たな目標変速
段とする。SiFLGが0ならば、ステップF370に
進み、現変速段よりも1段低い変速段を目標変速段に設
定する。
【0116】このようにして、目標変速段が設定された
ら、ステップF390で、この目標変速段が第2速〜第
7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変速段
が第2速〜第7速のいずれかでなければ、目標変速段へ
の切替が行なえないので、ステップF490へ進む。目
標変速段が第2速〜第7速のいずれかであればステップ
F400へ進む。
【0117】ステップF400では、目標ギヤ段(目標
変速段)に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲
にあるか否かを判定する。目標変速段ではエンジン回転
数が適正にならなければ目標変速段への切替が行なえな
いので、ステップF490へ進み、現ギヤ位置(現在の
変速段位置)を目標変速段とする。一方、目標変速段で
もエンジン回転数が適正ならばステップF402へ進
む。
【0118】ステップF262では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段低い変速段について、第2速
〜第7速のいずれかにあたるか否かを判定する。目標変
速段−1の変速段が第2速〜第7速のいずれかでなけれ
ば、この変速段への切替が行なえないので、ステップF
460へ進む。目標変速段−1の変速段が第2速〜第7
速のいずれかであれば、ステップF410へ進む。
【0119】ステップF410では、目標ギヤ段(目標
変速段)よりもさらに1段低い変速段について、この変
速段に切り替えた場合のエンジン回転数が適正範囲にあ
るか否かを判定する。目標変速段−1の変速段ではエン
ジン回転数が適正にならなければこの変速段への切替が
行なえないので、ステップF460へ進む。目標変速段
−1の変速段でもエンジン回転数が適正であればステッ
プF420へ進む。
【0120】ステップF420では、再び入力待機フラ
グSiFLGが0になっているか否か判定される。ここ
で、SiFLGが0でなければ(即ち、SiFLGが1
ならば)、ステップF450に進み、入力待ちタイマを
リセットしてスタートさせた上で、ステップF490に
進む。SiFLGが0ならば、ステップF430に進
み、入力待ちタイマをスタートさせ、更に、ステップF
440で、入力待機フラグSiFLGを1にセットした
上で、ステップF490に進む。
【0121】一方、目標変速段−1の変速段が設定でき
ない場合は、上述のようにステップF460へ進むが、
このステップF460では、ステップF380又はステ
ップF370で設定した目標変速段への変速制御を行な
う。即ち、まず、クラッチペダルが切り離れるようにク
ラッチブースタ2Aへ指令信号を出力して、クラッチ切
後に、ギヤシフトユニット3Aに目標変速段へのシフト
指令を出力する。
【0122】ついで、ステップF470で、入力待機フ
ラグSiFLGを0にセットして、ステップF480
で、入力待ちタイマをリセットさせた上で、ステップF
490に進む。ステップF490では前述のような処理
を行なう。最後に、上記の図11を参照してクラッチ接
続制御について説明する。
【0123】クラッチ接続制御では、図11に示すよう
に、変速ギヤがNになっているか否かを判定し(ステッ
プF850)、変速ギヤがNでなければ、ステップF8
60に進み、クラッチの接続が完了したか否かが判定さ
れる。ここで、クラッチの接続が完了していれば、ステ
ップF870に進み、エキゾーストブレーキ,パワータ
ード(圧縮解放型エンジン補助ブレーキ)のカットを解
除する。そして、ステップF910に進む。
【0124】また、クラッチの接続が完了していなけれ
ば、ステップF890に進み、クラッチが同期したか否
かを判定し、同期していればステップF910に進み、
同期していなければステップF900に進む。ステップ
F900では、疑似アクセル信号VACとしてクラッチ
回転力相当を出力し、メインフローチャートにリターン
する。
【0125】なお、疑似アクセル信号VACとは、アク
セルペダルの操作に応じたアクセル信号ではなく、エン
ジン回転制御のために一時的に用いる制御用アクセル信
号である。一方、ステップF910に進んだ場合には、
クラッチをつなぎ、次に、疑似アクセル信号VACの出
力中か否かを判定して(ステップF920)、疑似アク
セル信号VACの出力中の場合は、疑似アクセル信号V
ACを現アクセル状態に応じた信号に段階的に戻してい
く(ステップF930)。そして、2速から3速へのシ
フトアップであるか否かを判定して(ステップF94
0)、2速から3速へのシフトアップであれば、クラッ
チ接続後はじめての制御周期か否かを判定して(ステッ
プF950)、はじめてなら、クラッチ接続の基準点を
読み取って、いすれも、メインフローチャートにリター
ンする。
【0126】また、シフトレバーの位置により、自動シ
フトモードと手動シフトモードとを選択することができ
るので、例えばシフトレバー以外のスイッチによりシフ
トモードを切り替える場合に生じやすい誤操作を防止す
ることができる。つまり、シフトレバー以外のシフトモ
ード専用スイッチによりシフトモードを切り替える場合
には、シフトモード専用スイッチの状態によってシフト
レバーの操作効果が異なることになり、ドライバの誤解
を招くおそれがあるが、一つのシフトレバーの位置によ
りシフトモードを選択する構成では、このような誤解を
招かない。
【0127】また、シフトレバーの位置だけで、自動シ
フトモードと手動シフトモードとを選択することができ
るので、ドライバが現在自動シフトモードか手動シフト
モードかをシフトレバーの位置からも確認することがで
きる利点がある。ところが、本実施形態のように、シフ
トレバーの位置により自動シフトモードと手動シフトモ
ードとを選択することができる構成では、自動シフトモ
ードを設定するD(ドライブ)ポジションを経て、手動
シフトモードを設定するH(ホールド)ポジションにセ
ットすることになる。したがって、通常ならば、途中で
自動シフトモードにが設定されるため、始動時には自動
的に2速に入ってしまい、このままでは1速発進したい
場合にも、ニュートラルから一旦に2速を経て1速に入
ることになる。これでは、速やかな1速発進が行なえな
くなってしまう。
【0128】これに対し、本装置では、1速発進したい
場合には、クラッチペダル6を踏み込みながらチェンジ
レバー4AをNポジションからDポジションを経てHポ
ジション次いでDOWNポジションへと連続操作するこ
とで、変速段は中立状態から第2速を経ることなく直接
第1速へセットされることになる。したがって、この
後、クラッチを結合することで速やかに1速発進を行な
うことができるようになり、大荷重を積載した場合の発
進時や上り坂発進時等において1速発進が必要な際に
も、速やかに1速へのシフトにより、円滑な始動を行な
うことができる利点がある。なお、この実施形態では、
変速段が前進7段に設定されているが、勿論、本変速機
装置の変速段はこれに限定されるものでない。また、こ
の実施形態では、第2速以上を、自動シフトモードの可
能な領域に設定しているが、これも、変速機の変速しう
る段数や、エンジン特性や車両特性に応じて、変速段の
自動シフトモードの可能な領域を種々設定しうること
は、言うまでもない。
【0129】また、本実施形態は、メカニカルなクラッ
チをアクチュエータで駆動する自動変速機であるが、本
変速制御装置は、クラッチに代えてトルコンをそなえた
乗用車用自動変速機への適用も考えられる。
【0130】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の変速制御装置によれば、車両にそなえられたエン
ジンと、該エンジンと動力伝達系との間に介装されたク
ラッチ機構と、該クラッチ機構の断接操作を行なうクラ
ッチペダルと、該クラッチペダルの操作状態又は入力さ
れる電気信号に応じて該クラッチ機構を断接駆動するク
ラッチ用アクチュエータと、該クラッチ機構を介して該
エンジンから出力される回転トルクを複数の変速段のい
ずれかにより変速して出力する変速ギヤ機構を有する変
速機と、電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切り
替えながら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシフ
ト用アクチュエータと、該変速機の手動シフト操作を行
なう操作手段であって、該手動シフト操作に応じた信号
を出力して該ギヤシフト用アクチュエータの作動を制御
しうるシフト操作手段と、該変速段を手動でシフトする
手動シフトモードと、該変速段を自動的にシフトする自
動シフトモードとを、選択的に切り替えるための手動・
自動選択操作手段と、該エンジンの回転数を検出するエ
ンジン回転数検出手段と、該エンジンの負荷要求状態を
検出するエンジン負荷検出手段と、該手動・自動選択操
作手段からの選択信号に基づいて、該手動シフトモード
が選択されると、該シフト操作手段からの信号に応じて
該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチ
ュエータへ指令信号を出力して、遠隔操作による手動変
速制御を行ない、該自動シフトモードが選択されると、
該エンジン回転数検出手段及び該エンジン負荷検出手段
からの検出信号に応じて選択される該変速段に基づいて
該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチ
ュエータへ対応する指令信号を出力して、自動変速制御
を行なう制御手段とをそなえ、該シフト操作手段が、該
変速ギヤ機構を中立状態に設定する中立位置と、該変速
ギヤ機構を自動変速操作状態に設定する自動変速位置
と、該変速ギヤ機構を手動変速操作状態に設定する手動
変速位置とをこの順番に操作するようにそなえるととも
に、該手動変速位置からシフトアップ指令を行なえるシ
フトアップ位置と、該手動変速位置からシフトダウン指
令を行なえるシフトダウン位置とをそなえた、アップダ
ウン式操作レバーを有し、該制御手段が、該車両の発進
時に該アップダウン式操作レバーが該中立位置を経て該
自動変速位置を所定時間内に通過して該手動変速位置に
操作されると、該変速ギヤ機構を中立状態に保持するよ
うに構成されることにより、始動時に手動シフトモード
によるドライバの好みの変速段へ切替を無駄なく速やか
に行なうことができ、円滑な始動を行なうことができる
利点がある。
【0131】請求項2記載の本発明の変速制御装置によ
れば、請求項1記載の構成において、該シフト操作手段
が、該中立位置に隣接して変速ギヤ機構を後退状態に設
定する後退位置をそなえ、該制御手段が、該車両の発進
時に該アップダウン式操作レバーが該後退位置を経て該
自動変速位置を所定時間内に通過して該手動変速位置に
操作されると、該変速ギヤ機構を中立状態に設定するよ
うに構成されることにより、やはり、始動時に手動シフ
トモードによるドライバの好みの変速段へ切替を無駄な
く速やかに行なうことができ、円滑な始動を行なうこと
ができる利点がある。
【0132】請求項3記載の本発明の変速制御装置によ
れば、請求項1又は2記載の構成において、該制御手段
が、該変速制御時に該シフト操作手段からの信号に応じ
て該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アク
チュエータへ指令信号を出力して、該クラッチ機構の断
接駆動及び該ギヤ機構の噛合状態の切り替えを制御する
ように構成されることにより、大きな駆動力伝達を行な
う変速機においても手動変速と自動変速との併用が可能
になり、また、このような変速機では一般に変速段の切
替動作自体に時間を要するが、特に発進時には、上述の
ように、手動変速による発進変速段への変速段切替を速
やかに行なえるので、手動変速時における操作性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての変速制御装置を示
す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての変速制御装置のシ
フト操作手段を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態としての変速制御装置のシ
フト操作手段のシフトパターンを示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態としての変速制御装置のク
ラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アクチュエー
タにかかるエアライン系及び油圧ライン系を示す模式的
な構成図である。
【図5】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するためのメインルーチンフローチャー
トである。
【図6】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するためのアクセサリ時のサブルーチン
フローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための始動時のサブルーチンフロー
チャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための変速制御にかかるサブルーチ
ンフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としての変速制御装置にお
ける動作を説明するための自動変速時のサブルーチンフ
ローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するための自動変速時のサブルーチン
フローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての変速制御装置に
おける動作を説明するための自動変速時のサブルーチン
フローチャートである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 1A 電子ガバナ 2 クラッチ機構 2A クラッチ用アクチュエータとしてのクラッチブー
スタ 2B クラッチストロークセンサ 3 変速機本体(セミ自動トランスミッション本体) 3A ギヤシフト用アクチュエータとしてのギヤシフト
ユニット(GSU) 4 シフト操作手段及び手動・自動選択操作手段として
のチェンジレバーユニット 4A チェンジレバー(アップダウン式操作レバー) 6 クラッチペダル 7 アクセルペダル 11 制御手段(セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト) 11A 手動変速用遠隔操作制御部 11B 自動変速用遠隔操作制御部 12 電子ガバナ用の制御手段(電子ガバナコントロー
ルユニット) 13 ディスプレイユニット 13A 切替ブザー 14 警報ブザー 21 車速センサ(車速検出手段) 22 クラッチ回転数センサ(クラッチ出力回転数検出
手段) 23 エマージェンシスイッチ 24 アクセル踏込量センサ(アクセル指令手段) 25 エンジン回転数センサ 31 エアタンク(メインエアタンク) 31B サブエアタンク 31C エマージェンシタンク 32 エア配管(エアホース) 33 チェックバルブ 34 ダブルチェックバルブ 35A〜35C ローエアプレッシャスイッチ 36B〜36D 電磁式3ウェイバルブ 36E,36F 電磁バルブ 37A 低圧レデューシングバルブ 37B 高圧レデューシングバルブ 38 リレーバルブ 39 エアドライヤ 40 クラッチスイッチ 50 停止判定手段 60 停車時クラッチ制御手段 70 ストップランプスイッチ(ブレーキ検出手段) 80 ブレーキペダル 90 エンジン負荷検出手段 100 飛び越しシフト判定手段 102 シフト可能判定手段 102A 第1判定部 102B 第2判定部 104 自動変速位置通過判定手段 106 中立保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本村 健 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−203949(JP,A) 特開 平8−93910(JP,A) 実開 平7−22167(JP,U) 実開 平5−71532(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両にそなえられたエンジンと、 該エンジンと動力伝達系との間に介装されたクラッチ機
    構と、 該クラッチ機構の断接操作を行なうクラッチペダルと、 該クラッチペダルの操作状態又は入力される電気信号に
    応じて該クラッチ機構を断接駆動するクラッチ用アクチ
    ュエータと、 該クラッチ機構を介して該エンジンから出力される回転
    トルクを複数の変速段のいずれかにより変速して出力す
    る変速ギヤ機構を有する変速機と、 電気信号に応じて該ギヤ機構の噛合状態を切り替えなが
    ら該変速段を所要の状態にシフトするギヤシフト用アク
    チュエータと、 該変速機の手動シフト操作を行なう操作手段であって、
    該手動シフト操作に応じた信号を出力して該ギヤシフト
    用アクチュエータの作動を制御しうるシフト操作手段
    と、 該変速段を手動でシフトする手動シフトモードと、該変
    速段を自動的にシフトする自動シフトモードとを、選択
    的に切り替えるための手動・自動選択操作手段と、 該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段
    と、 該エンジンの負荷要求状態を検出するエンジン負荷検出
    手段と、 該手動・自動選択操作手段からの選択信号に基づいて、
    該手動シフトモードが選択されると、該シフト操作手段
    からの信号に応じて該クラッチ用アクチュエータ及び該
    ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力して、遠
    隔操作による手動変速制御を行ない、該自動シフトモー
    ドが選択されると、該エンジン回転数検出手段及び該エ
    ンジン負荷検出手段からの検出信号に応じて選択される
    該変速段に基づいて該クラッチ用アクチュエータ及び該
    ギヤシフト用アクチュエータへ対応する指令信号を出力
    して、自動変速制御を行なう制御手段とをそなえ、 該シフト操作手段が、該変速ギヤ機構を中立状態に設定
    する中立位置と、該変速ギヤ機構を自動変速操作状態に
    設定する自動変速位置と、該変速ギヤ機構を手動変速操
    作状態に設定する手動変速位置とをこの順番に操作する
    ようにそなえるとともに、該手動変速位置からシフトア
    ップ指令を行なえるシフトアップ位置と、該手動変速位
    置からシフトダウン指令を行なえるシフトダウン位置と
    をそなえた、アップダウン式操作レバーを有し、 該制御手段が、該車両の発進時に該アップダウン式操作
    レバーが該中立位置を経て該自動変速位置を所定時間内
    に通過して該手動変速位置に操作されると、該変速ギヤ
    機構を中立状態に保持するように構成されていることを
    特徴とする、変速制御装置。
  2. 【請求項2】 該シフト操作手段が、該中立位置に隣接
    して変速ギヤ機構を後退状態に設定する後退位置をそな
    え、 該制御手段が、該車両の発進時に該アップダウン式操作
    レバーが該後退位置を経て該自動変速位置を所定時間内
    に通過して該手動変速位置に操作されると、該変速ギヤ
    機構を中立状態に設定するように構成されていることを
    特徴とする、請求項1記載の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 該制御手段が、該変速制御時に該シフト
    操作手段からの信号に応じて該クラッチ用アクチュエー
    タ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力
    して、該クラッチ機構の断接駆動及び該ギヤ機構の噛合
    状態の切り替えを制御するように構成されていることを
    特徴とする、請求項1又は2記載の変速制御装置。
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