JP3328871B2 - Vav制御システム - Google Patents

Vav制御システム

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JP3328871B2
JP3328871B2 JP03171096A JP3171096A JP3328871B2 JP 3328871 B2 JP3328871 B2 JP 3328871B2 JP 03171096 A JP03171096 A JP 03171096A JP 3171096 A JP3171096 A JP 3171096A JP 3328871 B2 JP3328871 B2 JP 3328871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調機からの吹
出給気の供給を受け第1〜第Nの被制御エリアの負荷状
況に応じてそこへの給気吹出量を各個に制御する第1〜
第Nの可変給気量調節手段(VAVコントロールユニッ
ト)を有するVAV制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、大規模な構築物において、空
調機より給気ダクトを介して各部へ給気の供給を行う場
合、各空調対象部位(被制御エリア)の給気吹出口毎に
可変給気量調節ユニット(VAVユニット)を設け、こ
のVAVユニットからの給気吹出量をVAVコントロー
ルユニットにより被制御エリアの負荷状況に応じて制御
するようにしている。すなわち、VAVコントロールユ
ニットによってVAVユニットのダンパ開度を調整する
ことにより、被制御エリアへの給気吹出量(送風量)を
制御するようにしている。
【0003】このVAV制御システムでは、各VAVコ
ントロールユニットからの被制御エリアの負荷状況(室
内状態)を示す制御ステータスに基づいて、空調機から
の吹出給気温度を制御するようにしている。VAVコン
トロールユニットは、吹出給気温度>室内温度の場合、
図8(a)に示すように、現在の室内温度と現在の被制
御エリアへの送風量(VAV風量)とに応じ、制御ステ
ータスとして「不足」,「適暖」,「暖房」,「最
適」,「過暖」の何れかを決定し、制御装置へ送る。ま
た、吹出給気温度<室内温度の場合、図8(b)に示す
ように、現在の室内温度と現在の被制御エリアへの送風
量(VAV風量)とに応じ、制御ステータスとして「不
足」,「適冷」,「冷房」,「最適」,「過冷」の何れ
かを決定し、制御装置へ送る。
【0004】制御装置は、「過冷」(「過暖」)のVA
Vが1つでもあれば、吹出給気温度を大きくアップ(ダ
ウン)する。「過冷」のVAVと「過暖」のVAVとが
混在する場合には、吹出給気温度のアップ/ダウンを多
数決で決定する。「適冷」または「冷房」(「適暖」ま
たは「暖房」)のVAVがある場合には、吹出給気温度
を少しだけアップ(ダウン)する。全てのVAVが「最
適」の場合には吹出給気温度を現状維持する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のVAV制御システムによると、「過冷」のV
AVと「過暖」のVAVとが混在する場合、吹出給気温
度のアップ/ダウンを多数決で決定するようにしている
ので、適切な値として吹出給気温度が定まらないことが
ある。
【0006】例えば、「過冷」のVAVの台数>「過
暖」のVAVの台数であるが、「過冷」のVAVのトー
タルの程度<「過暖」のVAVのトータルの程度でああ
る場合、すなわち、少し「過冷」のVAVが何台かあっ
て,大きく「過暖」のVAVが1台あって,トータルで
みると「過暖」である場合、多数決方式では「過冷」の
台数が多いので吹出給気温度はアップされてしまう。
【0007】図9にその一例を示す。この図では、VA
V〜が「−1」程度の「過冷」、VAVが「+
5」程度の過暖となっている。この場合、多数決方式で
は、3:1で「過冷」と判断される。しかし、実際に
は、「過冷」のVAVのトータルの程度は「−3」で、
「過暖」のVAVのトータルの程度は「+5」であり、
トータルでみると「過暖」である。この場合、吹出給気
温度を適切な値とするためには、吹出給気温度をダウン
させなければならないが、逆にアップされてしまう。こ
のように従来の技術は、上記の矛盾的な要求があった時
に対応できないだけではなく、矛盾がなくても制御の方
向性しか示明できなく、明確的な吹出給気温度設定値を
決定することができなかった。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、吹出給気温
度を常に適切な値とすることのできるVAV制御システ
ムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、第1〜
第Nの可変給気量調節手段毎に、最大給気吹出量とした
場合の現時刻の空調負荷を処理できる第1の給気温度と
最小給気吹出量とした場合の現時刻の空調負荷を処理で
きる第2の給気温度とを求め、この第1の給気温度と第
2の給気温度との間を第1〜第Nの被制御エリアへの
容給気温度範囲として求め、この求めた第1〜第Nの可
変給気量調節手段の許容給気温度範囲に基づいて空調機
からの吹出給気温度を決定するようにしたものである。
この発明によれば、第1〜第Nの可変給気量調節手段の
許容給気温度範囲に基づいて、例えばその共通許容給気
温度範囲の中心が空調機からの吹出給気温度として決定
される。
【0010】第2発明(請求項2に係る発明)は、第1
発明において、第1〜第Nの可変給気量調節手段の許容
給気温度範囲をその可変給気量調節手段毎に予め定めら
れた重み係数によって示される得票率範囲に変換し、そ
の合計得票率が最大の許容給気温度範囲に基づいて空調
機からの吹出給気温度を決定するようにしたものであ
る。この発明によれば、第1〜第Nの可変給気量調節手
段の許容給気温度範囲がその可変給気量調節手段毎に予
め定められた重み係数によって示される得票率範囲に変
換され、その合計得票率が最大の許容給気温度範囲に基
づいて、例えばその最大得票率の許容給気温度範囲の中
心が空調機からの吹出給気温度として決定される。
【0011】第3発明(請求項3に係る発明)は、第1
発明において、第1〜第Nの可変給気量調節手段の許容
給気温度範囲をその可変給気量調節手段毎に予め定めら
れた重み係数によって示される得票率範囲に変換したう
えで、給気温度の加重平均に基づいて空調機からの吹出
給気温度を決定するようにしたものである。この発明に
よれば、第1〜第Nの可変給気量調節手段の許容給気温
度範囲がその可変給気量調節手段毎に予め定められた重
み係数によって示される得票率範囲に変換されたうえ、
給気温度の加重平均に基づいて空調機からの吹出給気温
度が決定される。
【0012】第4発明(請求項4に係る発明)は、第2
発明又は第3発明において、一方の軸に給気温度,他方
の軸に得票率をとったグラフ上に、第1〜第Nの可変給
気量調節手段の各得票率範囲を表示したうえに、空調機
の現在の吹出給気温度および前記吹出給気温度決定手段
によって決定された吹出給気温度を表示するようにした
ものである。この発明によれば、第1〜第Nの可変給気
量調節手段の各得票率範囲がグラフ表示され、さらにこ
のグラフ中に空調機の現在の吹出給気温度および決定さ
れた吹出給気温度が表示される。
【0013】第5発明(請求項5に係る発明)は、第4
発明において、被制御エリア毎に現在の吹出給気温度で
の送風率と前記吹出給気温度決定手段によって決定され
た吹出給気温度での送風率とをグラフ表示したうえ、こ
のグラフ上に被制御エリア毎に最小送風率を明示するよ
うにしたものである。この発明によれば、被制御エリア
毎に現在の吹出給気温度での送風率と決定された吹出給
気温度での送風率とがグラフ表示され、さらにこのグラ
フ中に被制御エリア毎に最小送風率が明示される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。図2はこの発明の一実施の形態を示
すVAV制御システムの計装図である。同図において、
1は空調機であり、電動弁2を介して冷水CWが供給さ
れる冷却コイル3,電動弁4を介して温水HWが供給さ
れる加熱コイル5および送風機6により構成されてい
る。なお、送風機6において、6aはファン、6bはイ
ンバータである。
【0015】空調機1におけるインバータ6bおよび電
動弁2および電動弁4はその動作が制御装置7により制
御されるものとなっており、空調機1においてそのファ
ン6aより吹き出される給気(吹出給気)が、給気ダク
ト8を介し被制御エリア9−1〜9−nへ供給されるも
のとなっている。被制御エリア9−1〜9−nには各エ
リア毎に室温を検出する温度センサT1〜Tnが設けら
れており、温度センサT1〜Tnでの検出温度PVが局
部的に設けられたVAVコントロールユニット10−1
〜10−nへ各個に与えられている。
【0016】VAVコントロールユニット10−1〜1
0−nは、各個に与えられる検出温度PVと設定温度S
Pとの偏差および制御装置7より与えられる吹出給気温
度(給気温度)とに基づいて被制御エリア9−1〜9−
nへの要求風量を演算し、これを制御装置7へ返送する
一方、その要求風量を確保するように、VAVユニット
11−1〜11−nのダンパ12−1〜12−nの開度
を、風速センサ13−1〜13−nの検出々力(実風
量)を見ながら制御する。また、VAVコントロールユ
ニット10−1〜10−nは、現時刻の空調負荷を処理
できる被制御エリア9−1〜9−nへの給気温度の許容
範囲を許容給気温度範囲として求め、この求めた許容給
気温度範囲を制御装置7へ送る機能も有している。
【0017】制御装置7は、VAVコントロールユニッ
ト10−1〜10−nから送られてくる許容給気温度範
囲を、VAVコントロールユニット毎に予め定められた
重み係数Wn(0<Wn<1:ΣWn=1)によって示
される得票率範囲に変換し、この得票率範囲に基づいて
空調機1からの吹出給気温度を決定する。VAVコント
ロールユニット10−1〜10−nでの許容給気温度範
囲の求め方、および制御装置7での得票率範囲への変換
および吹出給気温度の決定方法については、後述する。
なお、VAVユニット11−1〜11−nにおいて、1
4−1〜14−nはダンパ12−1〜12−nの開度を
検出する開度センサである。また、制御装置7に対して
は、CRT等による表示部23が設けられている。
【0018】一方、VAVユニット11−1〜11−n
を通過し、吹出口15−1〜15−nを介して被制御エ
リア9−1〜9−nへ吹き出される給気(給気吹出)
は、被制御エリア9−1〜9−nにおける空調制御に貢
献した後、排気口16−1〜16−nより還気ダクト1
7を経て排気調整用ダンパ18を介して排出されるが、
その一部は還気調整用ダンパ19を介し還気として空調
機1へ戻されるものとなっている。そして、この空調機
1へ戻される還気に対し、外気が外気調整用ダンパ20
を介して所定の割合で取り込まれるものとなっている。
なお、排気調整用ダンパ18,還気調整用ダンパ19,
外気調整用ダンパ20の開度は制御装置7からの指令に
よって調整されるものとなっている。また、制御装置7
へは、空調機1からの吹出給気温度および還気ダクト1
7における還気温度の実際値が、温度センサ21および
22を介して与えられる。
【0019】〔VAVコントロールユニットでの許容給
気温度範囲の求め方〕VAVコントロールユニット10
(10−1〜10−n)は、現時刻の空調負荷を処理で
きる被制御エリア9(9−1〜9−n)への給気温度t
sの許容範囲(許容給気温度範囲)を、tsmin ≦ts
≦tsmax として求める。ここで、tsmin 、tsmax
は、冷房モードでは、tsmin =tz+Δtmax 、ts
max =tz+Δtmin として求め、暖房モードでは、t
min =tz+Δtmin 、tsmax =tz+Δtmax
して求める。
【0020】但し、tzは被制御エリア9の空気温度
(室内温度)、Δtmin は最小給気温度差、Δtmax
最大給気温度差であり、冷暖房モードは「現時刻給気温
度tsreal −室内温度設定値tzsp」により算出し
正を暖房モード、負を冷房モードとする。
【0021】また、最小給気温度差Δtmin はΔtmin
=Q/(Lmax ・c)として求め、最大給気温度差Δt
max はΔtmax =Q/(Lmin ・c)として求める。こ
こで、Lmax はVAVの最大送風量(最大給気吹出量:
設計値)、Lmin はVAVの最小送風量(最小給気吹出
量:設計値)、cは空気の比熱〔kJ/m3 K(Kca
l/m3 ℃)〕、Qは現時刻空調負荷〔KW(kcal
/h)〕であり、現時刻のVAVの送風量をL〔m3
s(m3 /h)〕,現時刻の給気温度差をΔt(Δt=
tsreal−tz)とした場合、顕熱空調負荷の計算式に
よりQ=L・c・Δtとして求められる。
【0022】すなわち、VAVの最大送風量(設計値)
では、最小給気温度差Δtmin 〔Δtmin =Q/(L
max ・c)〕があり、VAVの最小送風量(設計値)で
は、最大給気温度差Δtmax 〔Δtmax =Q/(Lmin
・c)〕があり、最大給気温度差Δtmax と最小給気温
度差Δtmin との間には、許容給気温度範囲が生じる。
この許容給気温度範囲は、現時刻の室内温度tzによ
り、冷房モードでは、tsmin =tz+Δtmax 、ts
max =tz+Δtmin としたうえ、tsmin ≦ts≦t
max として求めることができる。また、暖房モードで
は、tsmin =tz+Δtmin 、tsmax =tz+Δt
max としたうえ、tsmin ≦ts≦tsmaxとして求め
ることができる。
【0023】〔制御装置での得票率範囲への変換〕VA
Vコントロールユニット10−1〜10−nにおいて求
められた許容給気温度範囲は制御装置7へ送られる。制
御装置7は、VAVコントロールユニット10−1〜1
0−nから送られてくる許容給気温度範囲を、VAVコ
ントロールユニット毎に予め定められた重み係数Wn
(0<Wn<1:ΣWn=1)によって示される得票率
範囲に変換する。なお、この場合の重み係数Wnは、そ
のVAV末端の空調面積比(該VAV末端の空調面積/
全系統の空調面積)、またはそのVAV末端空調領域の
重要度、或いは負荷比(該VAV末端の空調負荷/全系
統の空調負荷)とそのVAV末端空調領域の重要度など
で決定する。全系統の重み係数Wnの和は1とする。
【0024】例えば、今、図2において、n=4とす
る。すなわち、VAVコントロールユニット10−1〜
10−4が存在し、VAVコントロールユニット10−
1(以下、VAV−1#と呼ぶ)の許容給気温度範囲が
20℃≦ts≦24℃、VAVコントロールユニット1
0−2(以下、VAV−2#と呼ぶ)の許容給気温度範
囲が18℃≦ts≦23℃、VAVコントロールユニッ
ト10−3(以下、VAV−3#と呼ぶ)の許容給気温
度範囲が17℃≦ts≦21℃、VAVコントロールユ
ニット10−4(以下、VAV−4#と呼ぶ)の許容給
気温度範囲が18℃≦ts≦22℃、VAV−1#の重
み係数WnをWn=0.2、VAV−2#の重み係数W
nをWn=0.3、VAV−3#の重み係数WnをWn
=0.3、VAV−4#の重み係数WnをWn=0.2
とする。
【0025】この場合、制御装置7は、図1に示すよう
に、VAV−1#からの許容給気温度範囲20℃≦ts
≦24℃を、重み係数Wn=0.2(20%)をその得
票率とする得票率範囲S1に変換する。また、VAV−
2#からの許容給気温度範囲18℃≦ts≦23℃を、
重み係数Wn=0.3(30%)をその得票率とする得
票率範囲S2に変換する。また、VAV−3#からの許
容給気温度範囲17℃≦ts≦21℃を、重み係数Wn
=0.3(30%)をその得票率とする得票率範囲S3
に変換する。また、VAV−4#からの許容給気温度範
囲18℃≦ts≦22℃を、重み係数Wn=0.2(2
0%)をその得票率とする得票率範囲S4に変換する。
【0026】〔制御装置での吹出給気温度の決定方法
〕図1から分かるように、VAV−1#〜4#は、2
0℃≦ts≦21℃の共通の許容給気温度範囲を有す
る。この共通の許容給気温度範囲での合計得票率は10
0%に達する。これは、この共通の許容給気温度範囲で
は、どの温度を給気温度としても、VAV−1#〜4#
は現時刻の空調負荷を処理できることを意味している。
そこで、この決定方法では、その合計得票率が最大の
許容給気温度範囲の中心を吹出給気温度として決定す
る。図1の例では、その合計得票率が100%である許
容給気温度範囲の中心、すなわち20℃≦ts≦21℃
の中心である20.5℃を吹出給気温度として決定す
る。
【0027】なお、図1においては、共通許容給気温度
範囲が狭い例で説明したが、実際には図3に示すよう
に、共通許容給気温度範囲は広い。すなわち、図3の例
では、19℃≦ts≦22℃という広い共通許容給気温
度範囲を有している。この場合、この共通許容給気温度
範囲の中心、すなわち19℃≦ts≦22℃の中心であ
る20.5℃が吹出給気温度として決定される。なお、
この場合、省エネを優先とすれば、最大温度差を選び、
室温均一を優先とすれば最少温度差を選ぶ。
【0028】また、図1や図3に示したグラフ、すなわ
ち横軸に給気温度,縦軸に得票率をとってVAV−1#
〜4#の各得票率範囲を示したグラフは、図2に示した
表示部23に運転監視画面として表示される。図中、縦
線P1は現在の吹出給気温度を示し、縦線P2は決定さ
れた吹出給気温度を示している。また、縦線P3は吹出
給気温度の下限、縦線P4は吹出給気温度の上限を示し
ている。
【0029】〔制御装置での吹出給気温度の決定方法
〕図4は図1に対しVAV−4#の許容給気温度範囲
が22℃≦ts≦25℃に変化した場合の得票率の変化
を示す図である。このケースではVAV−1#〜4#を
同時に満足させる共通の許容給気温度範囲が得られな
い。ここで、その合計得票率が最大の許容給気温度範囲
の中心を吹出給気温度として決定すると、20℃≦ts
≦21℃の許容給気温度範囲の中心である20.5℃が
吹出給気温度として決定される。この吹出給気温度で
は、VAV−1#、2#、3#の現時刻の空調負荷を処
理することができるが、VAV−4#の現時刻の空調負
荷を処理することはできない。このため、VAV−4#
の制御する室内温度tzは、設定値tzspから遥かに離
れる可能性がある。
【0030】そこで、この決定方法では、システム全
体での偏差を最小とするために、VAV−1#〜4#の
許容給気温度範囲の加重平均をして、吹出給気温度を決
定する。図4の例では、21℃がVAV−1#、2#、
3#に許容され(合計投票率=80%)、22℃がVA
V−1#、2#、4#に許容されており(合計投票率=
70%)、この2つの給気温度の加重平均をとれば、
(21×0.8+22×0.7)/(0.8+0.7)
=21.47(℃)となり、吹出給気温度は21.47
℃として決定される。この温度は、最高得票範囲にな
く、次高得票範囲にもなく、この2つの得票範囲の中間
範囲にあり、より適切な値となる。なお、この場合、2
つの給気温度の加重平均をとったが、全体の加重平均を
とるようにしてもよい。
【0031】〔制御装置での吹出給気温度の決定方法
図1 ではその合計得票率が最大の許容給気温度範囲(最
高得票率の許容給気温度範囲)は1つしかない。しか
し、場合によっては、最高得票率の許容給気温度範囲が
複数得られることもある。この場合、前述した決定方法
では、どちらか一つを犠牲にするしかない。そこで、
この決定方法では、多数の最高得票率の許容給気温度
範囲が得られた場合、盲目の選択を避けるため、VAV
−1#〜4#の重み係数を再評価することによって、唯
一つの最高得票率の許容給気温度範囲を得るようにす
る。すなわち、VAV−1#〜4#の重み係数を付け直
し、唯一つの最高得票率の許容給気温度範囲が得られる
ようにする。この場合、VAV−1#〜4#に対する重
み係数は、複数種類用意しておく。
【0032】図5は上述した吹出給気温度の決定方法
〜を巧みに取り入れた吹出給気温度の決定アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。先ず、ステップ501
において、最高得票率の許容給気温度範囲を求める。そ
して、この求めた最高得票率の許容給気温度範囲が1つ
であるか否かをチェックし(ステップ502)、1つで
あればステップ503へ進む。ステップ503では最高
得票率が100%か否かをチェックする。最高得票率が
100%であれば、上述した決定方法を適用し、最高
得票率の許容給気温度範囲に基づいて吹出給気温度を決
定する(ステップ504)。
【0033】ステップ503において最高得票率が10
0%でなければ、方式設定フラグをチェックし(ステッ
プ505)、方式AあるいはBを選択する。方式設定フ
ラグによって方式Aが指定されていれば、上述した決定
方法を適用し、最高得票率の許容給気温度範囲に基づ
いて吹出給気温度を決定する(ステップ504)。方式
設定フラグによって方式Bが指定されていれば、上述し
た決定方法を適用し、給気温度の加重平均に基づいて
吹出給気温度を決定する(ステップ506)。
【0034】ステップ505において方式Aを選択した
場合、最高得票率の許容給気温度範囲に入るVAVの割
合は大きくなるが、それ以外のVAVの許容給気温度と
吹出給気温度との偏差は大きくなってしまう。ステップ
505において方式Bを選択した場合、最高得票率の許
容給気温度範囲に入るVAVの割合は小さくなるが、個
々のVAVの許容給気温度と吹出給気温度との偏差は小
さくできる。
【0035】一方、ステップ502において、最高得票
率の許容給気温度範囲が1つでない場合には、すなわち
最高得票率の許容給気温度範囲が複数ある場合には、上
述した決定方法を適用し、重み係数の再評価を行った
後(ステップ507)、ステップ501へ戻る。
【0036】〔吹出給気温度の変化による送風率の変化
の表示〕上述においては、図1や図3,図4に示した給
気温度に対する得票率のグラフを表示部23の画面上に
表示する。この場合、吹出給気温度の変化による送風率
の変化を示すグラフ(図6参照)を併せて表示するよう
にすれば、吹出給気温度の設定を単なる負荷の視点から
評価するだけでなく、空気質の視点からも評価すること
ができるようになる。
【0037】図6では、VAV−1#〜4#毎に、すな
わち被制御エリア毎に、現在の吹出給気温度での送風率
(上段)と決定された吹出給気温度での送風率(下段)
とを対応して示している。なお、同図に示した縦線P
a,Pb,Pc,Pdは、最小送風率限界を示してい
る。
【0038】なお、この実施の形態では、VAV−1#
〜VAV4#がそれぞれ別の被制御エリアに対して設け
られていることを前提としているが、例えばVAV−1
#とVAV−2#とが一つの被制御エリアに対して設け
られている場合、図7に示すように、表示内容G5を追
加し、VAV−1#とVAV−2#とが設置された被制
御エリアに対するものとして、現在の吹出給気温度での
送風率と決定された吹出給気温度での送風率とを対応し
て表示する。この場合、VAV−1#およびVAV−2
#に対する表示内容G1およびG2には個別に最小送風
率限界を明示せず、VAV−1#とVAV−2#とが設
置された被制御エリアに対する表示内容G5に最小送風
率限界(縦線Pe)を併せて明示する。
【0039】運用するとき、送風率の変化は吹出給気温
度の変化に連動するので、図6や図7に示したようなグ
ラフを図1や図3,図4に示したようなグラフと併せて
表示することにより、吹出給気温度の設定を単なる負荷
の視点から評価するだけでなく、空気質の視点からも評
価することができるようになる。すなわち、オペレータ
は、吹出給気温度と送風率とを同時に把握できるので、
空調制御が全体的にうまくいっているかどうかを容易に
判断することができる。なお、ここで言う送風率は、送
風量と最大送風量との比(送風量/最大送風量)であ
る。
【0040】なお、上述した実施の形態では、VAVコ
ントロールユニット10毎の重み係数を制御装置7に持
たせるものとしたが、VAVコントロールユニット10
側に持たせるものとしてもよい。この場合、VAVコン
トロールユニット10において、許容給気温度範囲がそ
の重み係数を得票率とする得票率範囲に変換されたう
え、制御装置7へ送られる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、第1発明では、第1〜第Nの可変給気量
調節手段の許容給気温度範囲に基づいて、例えばその共
通許容給気温度範囲の中心が空調機からの吹出給気温度
として決定されるものとなり、吹出給気温度を常に適切
な値とすることが可能となる。
【0042】第2発明では、第1〜第Nの可変給気量調
節手段の許容給気温度範囲がその可変給気量調節手段毎
に予め定められた重み係数によって示される得票率範囲
に変換され、その合計得票率が最大の許容給気温度範囲
に基づいて、例えばその最大得票率の許容給気温度範囲
の中心が空調機からの吹出給気温度として決定されるも
のとなり、VAV端末の空調面積や空調負荷や重要度を
考慮したうえ、より適切な値として吹出給気温度を決定
することが可能となる。
【0043】第3発明では、第1〜第Nの可変給気量調
節手段の許容給気温度範囲がその可変給気量調節手段毎
に予め定められた重み係数によって示される得票率範囲
に変換されたうえ、給気温度の加重平均に基づいて空調
機からの吹出給気温度が決定されるものとなり、投票結
果で共通許容給気温度範囲がないような場合、個々のV
AVの許容給気温度と吹出給気温度との偏差を小さくす
ることが可能となる。
【0044】第4発明では、第1〜第Nの可変給気量調
節手段の各得票率範囲がグラフ表示され、さらにこのグ
ラフ中に空調機の現在の吹出給気温度および決定された
吹出給気温度が表示されるものとなり、現在の吹出給気
温度と決定された吹出給気温度との関係および吹出給気
温度の決定過程がオペレータに対して分かり易く示され
るものとなる。
【0045】第5発明では、被制御エリア毎に現在の吹
出給気温度での送風率と決定された吹出給気温度での送
風率とがグラフ表示され、さらにこのグラフ中に被制御
エリア毎に最小送風率が明示されるものとなる。これに
より、オペレータは、吹出給気温度と送風率とを同時に
把握でき、空調制御が全体的にうまくいっているかどう
かを容易に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 VAV−1#〜4#の各得票率範囲を示すグ
ラフ(共通許容給気温度範囲が狭い例)である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示すVAV制御シス
テムの計装図である。
【図3】 VAV−1#〜4#の各得票率範囲を示すグ
ラフ(共通許容給気温度範囲が広い例)である。
【図4】 VAV−1#〜4#の各得票率範囲を示すグ
ラフ(共通許容給気温度範囲がない例)である。
【図5】 吹出給気温度の決定方法〜を巧みに取り
入れた吹出給気温度の決定アルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
【図6】 吹出給気温度の変化による送風率の変化を示
すグラフである。
【図7】 吹出給気温度の変化による送風率の変化を示
すグラフ(VAV−1#とVAV−2#とが1つの被制
御エリアに対して設けられている場合)である。
【図8】 従来のVAVコントロールユニットでの制御
ステータスの決定状況を示す図である。
【図9】 その制御ステータスが「過冷」および「過
暖」のVAVの程度を例示する図である。
【符号の説明】
1…空調機、2,4…電動弁、3…冷却コイル、5…加
熱コイル、6…送風機、6a…ファン、6b…インバー
タ、7…制御装置、9−1〜9−n…被制御エリア、1
0−1〜10−n…VAVコントロールユニット、11
−1〜11−n…VAVユニット、12−1〜12−n
…ダンパ、13−1〜13−n…風速センサ、14−1
〜14−n…開度センサ、T1〜Tn…温度センサ、2
3…表示部、S1〜S4…得票率範囲。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−270852(JP,A) 特開 平9−178249(JP,A) 特開 平9−126523(JP,A) 特開 平8−261545(JP,A) 特開 平8−105647(JP,A) 特開 平2−57851(JP,A) 特開 昭61−107034(JP,A) 特開 昭60−11044(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 102

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調機からの吹出給気の供給を受け第1
    〜第Nの被制御エリアの負荷状況に応じてそこへの給気
    吹出量を各個に制御する第1〜第Nの可変給気量調節手
    段と、 この第1〜第Nの可変給気量調節手段毎に、最大給気吹
    出量とした場合の現時刻の空調負荷を処理できる第1の
    給気温度と最小給気吹出量とした場合の現時刻の空調負
    荷を処理できる第2の給気温度とを求め、この第1の給
    気温度と第2の給気温度との間を前記第1〜第Nの被制
    御エリアへの許容給気温度範囲として求める手段と、 この手段によって求められた前記第1〜第Nの可変給気
    量調節手段の許容給気温度範囲に基づいて前記空調機か
    らの吹出給気温度を決定する吹出給気温度決定手段とを
    備えたことを特徴とするVAV制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、吹出給気温度決定手
    段は、前記第1〜第Nの可変給気量調節手段の許容給気
    温度範囲をその可変給気量調節手段毎に予め定められた
    重み係数によって示される得票率範囲に変換し、その合
    計得票率が最大の許容給気温度範囲に基づいて前記空調
    機からの吹出給気温度を決定することを特徴とするVA
    V制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1において、吹出給気温度決定手
    段は、前記第1〜第Nの可変給気量調節手段の許容給気
    温度範囲をその可変給気量調節手段毎に予め定められた
    重み係数によって示される得票率範囲に変換したうえ
    で、給気温度の加重平均に基づいて前記空調機からの吹
    出給気温度を決定することを特徴とするVAV制御シス
    テム。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、一方の軸に給
    気温度,他方の軸に得票率をとったグラフ上に、前記第
    1〜第Nの可変給気量調節手段の各得票率範囲が表示さ
    れたうえに、前記空調機の現在の吹出給気温度および前
    記吹出給気温度決定手段によって決定された吹出給気温
    度が表示されることを特徴とするVAV制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項4において、被制御エリア毎に現
    在の吹出給気温度での送風率と前記吹出給気温度決定手
    段によって決定された吹出給気温度での送風率とがグラ
    フ表示されたうえ、このグラフ上に被制御エリア毎に最
    小送風率が明示されることを特徴とするVAV制御シス
    テム。
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