JP3327711B2 - レーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置 - Google Patents

レーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置

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JP3327711B2 JP32863994A JP32863994A JP3327711B2 JP 3327711 B2 JP3327711 B2 JP 3327711B2 JP 32863994 A JP32863994 A JP 32863994A JP 32863994 A JP32863994 A JP 32863994A JP 3327711 B2 JP3327711 B2 JP 3327711B2
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代 裕 之 矢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導飛翔体のレーザ散
乱光を用いた誘導制御とりわけビームライディング方式
の誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ビームライディング方式の誘導制御方式
としては、例えば、特開平2−242098号公報に示
されているように、誘導レーザパルスと飛翔体とのずれ
の方向を機体後部のレーザレシーバで検知し、そのずれ
の方向に応じて対応するインパルススラスタ等の軌道修
正手段を作動させることによって、飛翔体が常に誘導レ
ーザパルスの中心にあるよう経路を修正しながら飛翔さ
せるようにしたものが知られている。
【0003】上記のような方式では、誘導レーザパルス
を飛翔体の後端部に向けて照射するようにしているた
め、飛翔体が加速のために後方に排出するロケットモー
タの噴煙の中を誘導レーザパルスを透過させる必要があ
る。しかも、ロケットモータの噴煙は誘導レーザパルス
を吸収散乱させる特性を有している。
【0004】このため、誘導レーザパルスを飛翔体側に
確実に伝達できないことがあり、誘導レーザパルスと飛
翔体とのずれの方向を検知できないことがあるという問
題があった。
【0005】そこで、特開平5−45094号公報にお
いて、上記の問題を解決する手段として、ロケットモー
タ噴煙の中を誘導レーザパルスを透過させることなしに
誘導レーザパルスを飛翔体側方に伝達し、誘導レーザパ
ルスと飛翔体とのずれの方向を検知する方法が開示され
ている。
【0006】これは、機体外周の等分位置に機体の外側
に向かって放射状の視野をもつ複数の光検出器を備える
とともに、軌道修正手段を備えた飛翔体を所定方向に向
けて発射させ、機体の外周には飛翔指令方向を中心にも
ち、かつ、機体を取り囲む正三角形の頂部に相当する部
位にそれぞれ機体後方から誘導レーザパルスを照射し、
誘導レーザパルスからのレーザ散乱光を複数の光検出器
でとらえて所定の演算を行なうことにより、飛翔指令方
向と飛翔体の機軸とのずれを修正するのに必要な飛翔体
の軌道修正方向を求めるものである。
【0007】この方法によると、例えば、機体を取り囲
むような正三角形の頂部に相当する部位にそれぞれ機体
後方から誘導レーザパルスを照射すると、ロケットモー
タ噴煙によって誘導レーザパルスが遮られることがなく
なる。
【0008】そして、前記誘導レーザパルスは、通常、
大気中に存在する微粒子によって吸収散乱されることか
ら、誘導レーザパルスが光検出器の側方を通過するとき
に、誘導レーザパルスからのレーザ散乱光のうち各光検
出器の方向を指向するレーザ散乱光を各光検出器でとら
え、この光検出器の受光面のどの部分でレーザ散乱光を
受光したかによって各検出器の光軸中心に対するレーザ
散乱光の入射角が特定される。この各光検出器における
レーザ散乱光の入射角をもとに、所定の演算を行なうこ
とにより現在の飛翔体の機軸の位置が特定され、さらに
は上記の正三角形の中心、すなわち飛翔指令方向と機軸
とのずれの方向が求まる。
【0009】このような、飛翔体の機体側方に発射した
誘導レーザパルスのレーザ散乱光の入射角を機体外周に
備わった光検出器により検出し、この検出したレーザ散
乱光の入射角の情報をもとに、所定の演算を行なうこと
により現在の飛翔体の機軸の位置を正確に特定するため
には、当然のことながら、レーザ散乱光の入射角を正確
に検出しなければならない。
【0010】このレーザ散乱光の入射角の検出原理は、
上記したように光検出器の受光面のどの部分でレーザ散
乱光を受光したかによって各検出器の光軸中心に対する
レーザ散乱光の入射角を特定するものであり、光検出器
には2分割型のフォトダイオード、PSD等が用いられ
ている。具体的には、図9の(a)および(b)に示す
ように、例えば、2分割型のフォトダイオードを用いた
光検出器101は、図9の(b)に示すように、電気的
に独立した受光面101Aおよび101Bからなる2つ
の受光面部分に分割されており、図9の(a)において
入射角θで入射されたレーザ散乱光Sは集光レンズ10
2によって集光されて、光検出器101の受光面101
Aおよび101B上にレーザ散乱光スポット103を写
像する。受光面101Aおよび101Bにおいて受光し
たレーザ散乱光Sを光電変換してそれぞれ電流Iaおよ
びIbを出力するのであるが、レーザ散乱光スポット1
03がレーザ散乱光Sの入射角θの変化によって受光面
101Aおよび101B上を移動することにより、受光
面101Aおよび101Bがそれぞれ受光する受光量が
変化し、これに応じて電流IaおよびIbの出力は変化
する。つまり、レーザ散乱光Sの入射角θと電流Iaお
よびIbの出力値の変化との間には一定の相関がある。
このことから、次式(1)に示す演算をおこなって、入
射角θと電流IaおよびIbとの相関を関係づける出力
角度識別信号errを求める。
【0011】 err=(Ia −Ib )/(Ia +Ib ) (1) この角度識別信号errとレーザ散乱光Sの入射角θと
の間には、図10に示すような比例関係があるため(入
射角θがθa 以上またはθb 以下の領域は、レーザ散乱
光スポット103が受光面101Aまたは101Bのど
ちらか一方のみにある場合を示している。)、角度識別
信号errを逐次求めることにより、現在のレーザ散乱
光Sの入射角θを求めることが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一方、原理的には上記
したような手段でレーザ散乱光Sの入射角θを求めるこ
とができるが、実際には、光検出器101を機体の外周
に複数個設けて、それぞれの光検出器101の受光面1
01Aおよび101Bによりレーザ散乱光を受光し、こ
の受光面101Aおよび101Bから光電変換によりそ
れぞれ出力される微弱な電流信号を処理して角度識別信
号errを求めてレーザ散乱光Sの入射角θを求めなけ
ればならない。
【0013】しかし、この処理にあたっては、いくつか
の問題がある。まず、正三角形の頂部に相当する部位に
それぞれ機体後方から照射された3本の誘導レーザパル
スから散乱したレーザ散乱光Sが1個の光検出器101
に同時に2本以上入射するとレーザ散乱光Sの入射方向
が特定できないという問題である。
【0014】また、図11の(a)および(b)に示す
ように、集光レンズ102がレーザ光検出器101の受
光面101Aまたは101Bにレーザ光のスポット10
3を形成することができるレーザ散乱光Sの入射方向の
角度範囲をレーザ光検出器101の視野角αとすると、
機体外部に360度の視野をもって3本のレーザ散乱光
Sの入射方向を同時に特定するためには、当然、光検出
器101を機体外周に複数個設ける必要があるが、加え
て、2本以上のレーザ散乱光Sが同時に1個の光検出器
101に入射することなく、かつ機体外部に360度の
視野を有する必要がある。
【0015】一方、各々の光検出器101の受光面10
1Aおよび101Bによりそれぞれ得た電流信号Iaお
よびIbを処理するに際しては、電流信号IaおよびI
bは微弱であり、また、レーザ散乱光S以外の背景光等
のノイズ成分が含まれているため、この電流信号Iaお
よびIbをそのまま用いてレーザ散乱光Sの入射角θを
特定しようとすると、大きな誤差が生じてしまう。さら
に、光検出器101により受光したレーザ散乱光Sの強
度は大きく変動するため、得られる電流信号Iaおよび
Ibの大きさが変動し、電気信号IaおよびIbを回路
等で処理するときに飽和等を起こしてしまうため、求め
たレーザ散乱光Sの入射角θに誤差が生じてしまうとい
う問題があり、これらの問題を解決することが課題であ
った。
【0016】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、レーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導
制御において、確実にレーザ散乱光の入射方向が特定で
き、かつその誤差を少なくすることを可能とするレーザ
散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ散乱光
入射方向検出装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
レーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ
散乱光入射方向検出装置は、軌道修正手段を備えた飛翔
体を所定方向に向けて発射させ、機体の側方の飛翔指令
方向に中心をもち且つ機体を取り囲む正三角形の頂部に
相当する部位にそれぞれ機体後方から誘導レーザパルス
を照射し、誘導レーザパルスからのレーザ散乱光を機体
外周の等分位置に設けられた機体の外側に向かって放射
状の視野を持つ複数のレーザ光検出器でとらえ、レーザ
光検出器でとらえた誘導レーザパルスからのレーザ散乱
光の入射方向の情報に基づいて飛翔指令方向と機軸との
ずれを修正するのに必要な飛翔体の軌道修正方向を求
め、この軌道修正方向情報に基づいて軌道修正手段を作
動させることにより飛翔体を飛翔指令方向に誘導する飛
翔体の誘導制御において、レーザ散乱光を集光する集光
レンズと、集光されたレーザ散乱光を受光して光電変換
する光電変換素子からなるレーザ光検出器と、レーザ光
検出器から出力される電流信号を処理してレーザ散乱光
の入射方向を特定して飛翔指令方向と機軸とのずれを修
正するのに必要な飛翔体の軌道修正方向を求めるレーザ
光検出信号処理部とから基本的に構成されるレーザ散乱
光入射方向検出装置であって、集光レンズがレーザ光検
出器の受光面にレーザ光のスポットを形成することがで
きるレーザ散乱光の入射方向の角度範囲をレーザ光検出
器の視野角αとしたとき、 n > 360゜/α (但し、α<120゜) (1) を満たす個数nのレーザ光検出器が機体外周の等分位置
に設けられ、レーザ光検出信号処理部は、レーザ光検出
器からの電流を電圧に増幅変換する電流−電圧変換回路
と、電流−電圧変換回路の出力信号に含まれるノイズ成
分を除去するフィルタ回路と、フィルタ回路の出力信号
を増幅する増幅回路と、増幅回路からの出力信号のピー
ク値をホールドするとともに、このピーク値をサンプル
ホールドするピークサンプルホールド回路と、ピークサ
ンプルホールド回路の出力をディジタル値に変換するA
/D変換回路と、A/D変換回路からの出力に基づいて
レーザ散乱光の入射方向を特定して飛翔指令方向と機軸
とのずれを修正するのに必要な飛翔体の軌道修正方向を
求める演算処理回路を基本的に備えるとともに、前記増
幅回路の出力の大きさに応じて電流−電圧変換回路の利
得を調整するAGC回路を備えている構成のものとし、
請求項2として、増幅回路からの出力信号が設定された
しきい値を越えるとピークサンプルホールド回路のサン
プルホールド動作を開始させるための同期信号を発生す
るしきい値判断回路を備えている構成のものとし、請求
項3として、誘導レーザパルスと同期したゲートパルス
を発生させて電流−電圧変換回路への信号の入力を制御
するゲート発生回路を備えている構成のものとしてお
り、上記の構成を課題を解決するための手段としてい
る。
【0018】
【発明の作用】本発明の請求項1に係るレーザ散乱光を
用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向
検出装置では、飛翔体の機体外周の等分位置に設けられ
る光検出器の個数nと光検出器の視野角αとの関係を、 n > 360゜/α (但し、α<120゜) (1) とすることにより、1個の光検出器に同時に複数のレー
ザ散乱光が入射されることのない領域が確保されるとと
もに、機体外部に360度の視野をもって3本のレーザ
散乱光の入射方向が同時に検出されることとなる。
【0019】ここで、視野角α<120゜としたのは、
例えば、図1に示すように、3本の誘導レーザパルスで
つくる正三角形ABCと、飛翔体の機体の外周に設置さ
れた光検出器の位置を点Pとしたとき、点Pにある光検
出器は90゜の視野角αをもつものとすると、点Pにあ
る光検出器に同時にAおよびBからのレーザ散乱光が入
射しない領域は、線分APおよびPCのなす角が90゜
となるような円弧APBの円周内である。同様に、点P
にある光検出器に同時にAおよびCとBおよびCからの
レーザ散乱光が入射しない領域についてそれぞれ考える
と、全体として光検出器に同時に2本以上のレーザ散乱
光が入射しない領域は、図1に示す斜線領域となる。
【0020】また、光検出器の視野角αが60゜の場合
は、図2に示す正三角形ABC内が1つの光検出器に同
時に2本以上のレーザ散乱光が入射しない領域となる。
さらに、図3に示すように、光検出器の視野角αが12
0゜の場合は、正三角形ABCの重心Gのみが1つの光
検出器に同時に2本以上のレーザ散乱光が入射しない領
域となり、飛翔体が少しでも移動すると1つの光検出器
に同時に2本以上のレーザ散乱光が入射することにな
る。
【0021】このことから、光検出器の視野角αは12
0゜未満としておけば、1つの光検出器に同時に2本以
上のレーザ散乱光が入射しない領域が確保されることと
なる。
【0022】一方、図4に示すように、機体1の外周の
等分位置にn個の光検出器2が設けられているとした場
合に、隣り合う光検出器2と飛翔体の機軸とがなす角度
φ(=360゜/n)と視野角αが等しいときには、図
の斜線部分Uから入射するレーザ散乱光はどの光検出器
2にも入射されないため、このような条件では、機体外
部に360度の視野を有し得ない。従って、機体1の外
部に360度の視野を有するためには、光検出器2の視
野角αは角度φよりも大きいことが必要である。逆に、
視野角がαであるときには、機体1の外周の等分位置に
設ける光検出器2の個数nは、(1)式を満たす個数に
する必要がある。
【0023】従って、(1)式の条件を満たせば、確実
に3本すべてのレーザ散乱光の入射方向が特定されるこ
ととなる。
【0024】また、本発明の請求項1に係る装置では、
上記構成とすることにより、光検出器からレーザ光検出
信号処理部に入力された微弱な電流信号は、電流−電圧
変換回路により電圧信号に増幅変換され、この増幅変換
された電圧信号に含まれる背景光等のノイズ成分はフィ
ルタ回路により除去され、フィルタ回路の出力信号を増
幅する増幅回路により再度増幅され、この増幅回路から
の出力信号は、入力信号のピーク値をホールドするとと
もに、このピーク値をサンプルホールドするピークサン
プルホールド回路およびピークサンプルホールド回路の
出力をディジタル値に変換するA/D変換回路を経て演
算処理回路に入力され、レーザ散乱光の入射方向を特定
して飛翔指令方向と機軸とのずれを修正するのに必要な
飛翔体の軌道修正方向が求められる。
【0025】この際、光検出器によって検出されるレー
ザ散乱光の強度は大きく変動することがあるため、上記
の各回路で許容する入力レベルを越える信号が入力され
て飽和した場合には、レーザ散乱光の入射方向の算出結
果に誤りが生じてしまう。
【0026】そこで、増幅回路の出力信号の大きさに応
じて電流−電圧変換回路の利得を調整するAGC(アク
ティブ・ゲイン・コントロール)回路を備えることによ
り、電流−電圧変換回路のダイナミックレンジが広がっ
て、誤ったレーザ散乱光の入射方向の算出が防止される
こととなる。
【0027】さらに、本発明の請求項2に係る装置で
は、光検出器からの信号に対して、適切な値のしきい値
を設けることにより、ノイズ成分等の誤ったデータの処
理が防止されることとなる。
【0028】さらにまた、本発明の請求項3に係る装置
では、機体に向けて発射される誘導レーザパルスとゲー
トパルスを同期させておけば、上記構成とすることによ
り、電流−電圧変換回路へ入力される信号は、誘導レー
ザパルスが発射されたときのみの信号であるため、スパ
イクノイズ等の誤ったデータの処理が防止されることと
なる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0030】図5は、本発明に係るレーザ散乱光を用い
た飛翔体の誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出
装置の一実施例を示すブロック図であり、また、図6は
このレーザ散乱光入射方向検出装置における信号のタイ
ミングチャートである。
【0031】光検出器2には、2分割型のフォトダイオ
ードセンサ、PSD等を用いることができるが、図5で
は、2分割型のフォトダイオードセンサを用いた場合を
示している。
【0032】まず、光検出器2は、機体外周の等分位置
にn個設けられており、入射されたレーザ散乱光Sを光
電変換して、分割された二つの受光面2Aおよび2Bか
ら微弱な電流信号Ia ,Ib をそれぞれ電流−電圧変換
回路3Aおよび3Bへ出力する。
【0033】そして、電流−電圧変換回路3A,3Bで
は、光検出器2からの微弱な電流信号Ia ,Ib をそれ
ぞれ電圧に増幅変換してハイパスフィルタ4(フィルタ
回路)へ出力する。
【0034】ハイパスフィルタ4では、光検出器2によ
り受光した光にはレーザ散乱光S以外の背景光等が直流
成分として含まれているため、低周波帯域を遮断するこ
とにより直流成分(背景光成分等)が除去される。
【0035】ここで、ハイパスフィルタ4からの出力
は、増幅回路5により増幅され、AGC回路6,しきい
値判別回路7およびピークサンプルホールド回路8に入
力されるが、AGC回路6は増幅回路5の出力の最大値
に基づいて電流−電圧変換回路2の出力が飽和しないよ
うに電流−電圧変換回路3A,3Bの利得を調整する機
能を有する。また、レーザ散乱光Sの入射方向の特定の
際に誤差を生じさせないために、電流−電圧変換回路3
A,3Bの利得を同じにする必要があり、利得を変更す
るときは、一対の電流−電圧変換回路3A,3Bの両方
を同時に変更する。
【0036】このようなAGC回路6を設けることによ
り、電流−電圧変換回路3A,3Bのダイナミックレン
ジが広がり、光検出器2の受光するレーザ散乱光Sの強
度が変動しても、飽和等を防止することができる。な
お、電流−電圧変換回路3A,3Bの利得の調整方法
は、増幅回路5の出力の3サンプル平均値に基づいて逐
次決定したり、予想される電流−電圧変換回路3A,3
Bの利得をタイムテーブルとして保持しておいたりする
ことが可能である。
【0037】一方、ピークサンプルホールド回路8は、
増幅回路5から直接入力された信号のピーク値を逐次検
出してホールドする機能と、このピーク値をサンプルホ
ールドする機能とを併せもつ。
【0038】そして、しきい値判別回路8は、図6に示
すように、増幅回路5からの出力が、設定されたしきい
値Vを超えた場合に、トリガ信号T0 を発生する。この
トリガ信号T0 は、ピークサンプルホールド回路8に入
力され、ピークサンプルホールド回路8では、このトリ
ガ信号T0 に同期してサンプルホールド動作を開始す
る。
【0039】また、このトリガ信号T0 が1つのピーク
サンプルホールド回路8に入力されると、全てのピーク
サンプルホールド回路8においてサンプルホールド動作
を開始する構成となっており、また、トリガ信号T0 が
入力されない場合、即ち、増幅回路5の出力が設定され
たしきい値を超えない場合は、サンプルホールド動作は
開始されない。
【0040】次に、ピークサンプルホールド回路8にお
いてサンプルホールドされた値は、サンプルホールドス
タート信号H0 が立ち上がると同時にマルチプレクサ9
に読み込まれる。サンプルホールドスタート信号H0 は
図5には示していないが、ピークサンプルホールド回路
8においてサンプルホールド動作開始時から一定時間経
過後にサンプルホールド回路8からマルチプレクサ9に
送る構成とするか、あるいは、後述する演算処理回路1
1からマルチプレクサ9に送る構成とすることもでき
る。このサンプルホールドスタート信号H0 を設けたの
は、サンプルホールド動作開始時にはサンプルホールド
値が不安定となっている場合があるからである。
【0041】そして、マルチプレクサ9に読み込まれた
データは、A/D変換回路10を介してディジタル値に
変換され演算処理回路11に入力される。この間、ピー
クサンプルホールド回路8のピークホールド状態はピー
クホールドリセット信号R0により解除され次のピーク
値を検出する用意をする。ピークホールドリセット信号
R0 も図示していないが、ピークサンプルホールド回路
8にピークホールドリセット信号R0 を発生する回路を
内蔵するか、あるいは、演算処理回路11から送る構成
とすることができる。
【0042】また、演算処理回路11はA/D変換回路
10からのデータの読み込みを終了すると、読み込み終
了信号R1 をピークサンプルホールド回路8に送り、サ
ンプルホールド状態は解除され、次のトリガ信号T0 の
入力に備える。
【0043】そして、演算処理回路11では、入力され
たデータに基づき、レーザ散乱光Sの入射方向を特定
し、飛翔指令方向と機軸とのずれを修正するのに必要な
飛翔体の軌道修正方向を求める。
【0044】以上のような構成とすることにより、図6
の円内に示すような、しきい値Vを超えない増幅回路5
の出力は、演算処理回路11に読み込まれることがな
く、その結果、S/N比が向上するとともに誤データの
読み込みを低減することができ、飛翔指令方向と機軸と
のずれを修正するのに必要な飛翔体の軌道修正方向をよ
り正確に求めることができる。
【0045】また、しきい値Vの設定は、増幅回路6の
出力のサンプル平均とすることができる。
【0046】ところで、図7は、さらに、スパイクノイ
ズ等の読み込みを防ぐために、電流−電圧変換回路3の
入力部にゲート発生回路12を設けたものである。
【0047】図7において、電流−電圧変換回路3に
は、ゲート発生回路12からゲートパルスG0 が発生し
たときのみ入力信号G2 が入力される。従って、誘導レ
ーザパルスに同期したゲートパルスを発生するようにゲ
ート発生回路12にトリガ信号T1 を入力すれば、誘導
レーザパルスが発射されているときの信号のみが検出さ
れるため、誘導レーザパルスが発射されていないときに
混入したスパイクノイズ等の読み込みを回避することが
できる。
【0048】具体的には、図8に示すように、入力信号
G1 にスパイクノイズ(円内)が混入していたとする
と、ゲート発生回路12から誘導レーザパルに同期する
ゲートパルスG0 を発生させると、電流−電圧変換回路
3への入力信号G2 にはスパイクノイズが混入しないこ
とになる。
【0049】なお、ゲート発生回路12に入力するトリ
ガ信号T1 は、飛翔体を飛翔させる前に予めトリガ信号
を発生させるタイマと誘導レーザパルスを同期させてお
けばよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係るレーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御にお
けるレーザ散乱光入射方向検出装置によれば、1個の光
検出器に同時に複数のレーザ散乱光が入射されることの
ない領域を確保することができるとともに、機体外部に
360度の視野をもって3本のレーザ散乱光の入射方向
を同時にかつ確実に検出することができるという優れた
効果がもたらされる。
【0051】また、本発明の請求項1に記載のレーザ散
乱光入射方向検出装置によれば、増幅回路の出力信号の
大きさを一定に保つために増幅回路の出力に応じて電流
−電圧変換回路の利得を調整するAGC回路を備えたた
め、電流−電圧変換回路のダイナミックレンジを広げる
ことができ、レーザ散乱光の入射方向の算出の誤りを防
止することができるという優れた効果が得られる。
【0052】本発明の請求項2に記載の構成とすれば、
光検出器からの信号に対して、適切な値のしきい値を設
けることにより、ノイズ成分等の誤ったデータの処理を
回避することができ、レーザ散乱光の入射方向をより正
確に特定できるという優れた効果がもたらされる。
【0053】本発明の請求項3に記載の構成とすれば、
誘導レーザパルスが発射されているときの信号のみが検
出されるため、誘導レーザパルスが発射されていないと
きに混入したスパイクノイズ等の読み込みを回避するこ
とができ、その結果、レーザ散乱光の入射方向をより正
確に特定できるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光検出器の視野角(90゜の場合)と光検出器
に同時に2本以上のレーザ散乱光が入射しない領域との
関係を示す説明図である。
【図2】光検出器の視野角(60゜の場合)と光検出器
に同時に2本以上のレーザ散乱光が入射しない領域との
関係を示す説明図である。
【図3】光検出器の視野角(120゜の場合)と光検出
器に同時に2本以上のレーザ散乱光が入射しない領域と
の関係を示す説明図である。
【図4】飛翔体が機体外部に360゜の視野を有しない
一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るレーザ散乱光を用いた飛翔体の誘
導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置の一実施
例を示すブロック図である。
【図6】図5のレーザ散乱光入射方向検出装置における
信号(但し、正負の区別をつけない)のタイミングチャ
ートである。
【図7】本発明に係るレーザ散乱光を用いた飛翔体の誘
導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置の他の実
施例を示すブロック図である。
【図8】ゲート発生回路を設けたときの信号処理の様子
を示す説明図である。
【図9】光検出器(2分割型のフォトダイオード)によ
るレーザ散乱光の検出方法を示す説明図である。
【図10】図9のレーザ散乱光の検出方法における角度
識別信号と散乱光入射角との関係を示す説明図である。
【図11】光検出器の視野角を示す説明図である。
【符号の説明】
1 飛翔体の機体 2 光検出器 3 電流−電圧変換器 4 ハイパスフィルター(フィルタ回路) 5 増幅回路 6 AGC回路 7 しきい値判別回路 8 ピークサンプルホールド回路 9 マルチプレクサ 10 A/D変換回路 11 演算処理回路 12 ゲート発生回路 S レーザ散乱光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−45094(JP,A) 特開 平8−35799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F41G 7/00 - 7/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道修正手段を備えた飛翔体を所定方向
    に向けて発射させ、機体の側方の飛翔指令方向に中心を
    もち且つ機体を取り囲む正三角形の頂部に相当する部位
    にそれぞれ機体後方から誘導レーザパルスを照射し、誘
    導レーザパルスからのレーザ散乱光を機体外周の等分位
    置に設けられた機体の外側に向かって放射状の視野を持
    つ複数のレーザ光検出器でとらえ、レーザ光検出器でと
    らえた誘導レーザパルスからのレーザ散乱光の入射方向
    の情報に基づいて飛翔指令方向と機軸とのずれを修正す
    るのに必要な飛翔体の軌道修正方向を求め、この軌道修
    正方向情報に基づいて軌道修正手段を作動させることに
    より飛翔体を飛翔指令方向に誘導する飛翔体の誘導制御
    において、レーザ散乱光を集光する集光レンズと、集光
    されたレーザ散乱光を受光して光電変換する光電変換素
    子からなるレーザ光検出器と、レーザ光検出器から出力
    される電流信号を処理してレーザ散乱光の入射方向を特
    定して飛翔指令方向と機軸とのずれを修正するのに必要
    な飛翔体の軌道修正方向を求めるレーザ光検出信号処理
    部とから基本的に構成されるレーザ散乱光入射方向検出
    装置であって、集光レンズがレーザ光検出器の受光面に
    レーザ光のスポットを形成することができるレーザ散乱
    光の入射方向の角度範囲をレーザ光検出器の視野角αと
    したとき、 n > 360゜/α (但し、α<120゜) を満たす個数nのレーザ光検出器が機体外周の等分位置
    に設けられ、レーザ光検出信号処理部は、レーザ光検出
    器からの電流を電圧に増幅変換する電流−電圧変換回路
    と、電流−電圧変換回路の出力信号に含まれるノイズ成
    分を除去するフィルタ回路と、フィルタ回路の出力信号
    を増幅する増幅回路と、増幅回路からの出力信号のピー
    ク値をホールドするとともに、このピーク値をサンプル
    ホールドするピークサンプルホールド回路と、ピークサ
    ンプルホールド回路の出力をディジタル値に変換するA
    /D変換回路と、A/D変換回路からの出力に基づいて
    レーザ散乱光の入射方向を特定して飛翔指令方向と機軸
    とのずれを修正するのに必要な飛翔体の軌道修正方向を
    求める演算処理回路を基本的に備えるとともに、前記増
    幅回路の出力の大きさに応じて電流−電圧変換回路の利
    得を調整するAGC回路を備えていることを特徴とする
    レーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけるレーザ
    散乱光入射方向検出装置。
  2. 【請求項2】 増幅回路からの出力信号が設定されたし
    きい値を越えるとピークサンプルホールド回路のサンプ
    ルホールド動作を開始させるための同期信号を発生する
    しきい値判断回路を備えていること特徴とする請求項1
    に記載のレーザ散乱光を用いた飛翔体の誘導制御におけ
    るレーザ散乱光入射方向検出装置。
  3. 【請求項3】 誘導レーザパルスと同期したゲートパル
    スを発生させて電流−電圧変換回路への信号の入力を制
    御するゲート発生回路を備えていることを特徴とする請
    求項1または2に記載のレーザ散乱光を用いた飛翔体の
    誘導制御におけるレーザ散乱光入射方向検出装置。
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