JP3327345B2 - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

空洞含有ポリエステル系フィルム

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JP3327345B2 JP16756192A JP16756192A JP3327345B2 JP 3327345 B2 JP3327345 B2 JP 3327345B2 JP 16756192 A JP16756192 A JP 16756192A JP 16756192 A JP16756192 A JP 16756192A JP 3327345 B2 JP3327345 B2 JP 3327345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料などに用いる際、表面剥離強度や隠ぺい
性、白色性などが改良されたフィルム内部に微細な空洞
を多量に含有し、かつ接着性の良好な空洞含有ポリエス
テルフィルムに関する。合成樹脂を主原料とした紙代替
物である合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法
安定性、表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強
度などに優れている。近年、これらの長所を活かした用
途展開が進められている。
【0002】ポリエステルを主原料とした紙と類似した
機能を有するフィルムを得る方法として、微細な空洞を
フィルム内部に多量に含有させる方法には、フィルム自
体を軽量化できる点や適度な柔軟性を付与できて、鮮明
な印刷や転写が可能になるという利点がある。微細な空
洞をフィルム内部に生成させる方法として、従来、ポリ
エステルと相溶しないポリマーを押出機で溶融混練し、
ポリエステル中に該ポリマーを微粒子に分散させたシー
トを得て更に該シートを延伸することによって微粒子の
周囲に空洞を発生させる方法が開示されている。
【0003】空洞のために用いられるポリエステルに非
相溶のポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)としては、
ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49−1347
55号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえば特公昭4
9−2016号公報、特公昭54−29550号公報)
が好ましい。これまでの空洞含有ポリエステル系フィル
ムは、軽量性、隠ぺい性、腰が強いなどの優れた性質が
あったが、親水性ポリマーや疎水性ポリマーとフィルム
の接着性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の欠
点、即ち、空洞の分布を適性化することによって、印刷
や印字、複写など鮮明でかつ耐久性あり隠ぺい性
や白色性、表面強度に優れ、かつ接着性、易滑性を有す
る基材を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
ステルに該ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂が混合
された重合体混合物を少なくとも1軸に配向することに
より作られる微細な空洞を含有するポリエステル層
(A)の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂からなる層
(B)を設けた空洞含有ポリエステル系フィルム(C)
に、さらに、その少なくとも片面に水溶性樹脂、水乳化
性樹脂および水分散性樹脂の少なくとも一種と、次式
(D)で示される有機ほう素高分子化合物の複合体とを
主成分とする組成物(E)を積層してなる空洞含有ポリ
エステルフィルムであって、該A層の表面から3μmま
でに含まれる空洞含有率が8体積%以下であり、かつフ
ィルム(C)全体の平均空洞含有率が10体積%以上5
0体積%以下であることを特徴とする空洞含有ポリエス
テル系フィルムに関する。
【化5】 ここで、pは10〜100000;qは0または1であ
qが1のときaは、
【化6】 であり、XおよびZは1個の末端エーテル残基を有し炭
素数の合計が100以下の含酸素炭化水素基、Yは、
【化7】 (ただし、Rは炭素数1〜34の炭化水素基)もしくは
【化8】 (ただし、R’は炭素数2〜34の炭化水素基) であり、l,m,nはそれぞれ独立して0または1であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
ステルに該ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂が混合
された重合体混合物を少なくとも1軸に配向することに
より作られる微細な空洞を含有するポリエステル層
(A)の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂からなる層
(B)を設けた空洞含有ポリエステル系フィルム(C)
に、さらに、その少なくとも片面に水溶性樹脂、水乳化
性樹脂および水分散性樹脂の少なくとも一種と、次式
(D)で示される有機ほう素高分子化合物の複合体とを
主成分とする組成物(E)が積層された空洞含有ポリエ
ステルフィルムであって、該A層の表面から3μmまで
に含まれる空洞含有率が8体積%以下であり、かつフィ
ルム(C)全体の平均空洞含有率が10体積%以上50
体積%以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステ
ルフィルムに関する。
【0007】得られた重合体混合物は、更に速度差をも
ったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持
して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気
圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延
伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。配向
処理することにより、ポリエステルと空洞発現剤の界面
で剥離が起こり空洞が発現する。
【0008】したがってポリエステルに混合させる該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とす
る空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全体
に対して3重量%〜35重量%が好ましい。3重量%未
満では、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目
的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、40
重量%以上では、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性や
強度が著しく損なわれる。
【0009】該重合体混合物を配向処理する条件は、空
洞の生成と密接に関係する。したがって本目的を達成す
るための条件はたとえば、もっとも一般的に行われてい
る逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の
連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向に
テンター延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のようにな
る。ロール延伸においては多数の空洞を発生させるため
温度をポリエステルの2軸延伸温度+30℃以下、倍率
を1.2〜5倍とするのが好ましい。テンター延伸にお
いては破断せずに安定製膜するため温度を80〜140
℃、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。
【0010】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとしなくてはならない。その方
法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考慮
すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出
し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なく
とも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が
もっとも好ましい。
【0011】かくして得られた空洞含有ポリエステル系
フィルムは、A層の表面から深さ3μmまでの層に含ま
れる空洞含有率が8体積%以下であり、かつ全体層の平
均空洞率が10体積%以上であることが必要である。熱
可塑性樹脂B層を設けない、またはA層の表面から深さ
3μmまでの表層に含まれる空洞が8体積%より多い場
合は、特に表面強度の良好なものが得られない。また空
洞率が体積%以下であってもA層の表層部の厚みが3
μmよりも薄い場合も特に表面強度の良好なものが得
られない。フィルム全体層の平均空洞率が10体積%よ
り少ない場合は空洞含有ポリエステル系フィルム特有
の柔軟性が不十分となり、また描画性、クッション性も
不足する。
【0012】A層の表層部のみ空洞の量を少なくするた
めには、該重合体混合物中の該熱可塑性樹脂の分散粒子
をA層の表層付近の方が中央部付近より細かくする方法
が有効であり、該ポリエステルと該熱可塑性樹脂の溶融
粘度特性や押出機より溶融押しだしするときの条件を選
ぶことによって得られる。本発明フィルムに使用される
組成物に含有され樹脂のうち、水溶性樹脂としては、天
然高分子化合物、半合成高分子化合物および合成高分子
化合物のいずれもが用いられる。天然高分子化合物とし
ては、例えば、澱粉類、アルギン酸ナトリウム、タンパ
ク質(ゼラチンなど)がある。半合成高分子化合物とし
ては、例えば、カルボキシセルロースなどのセルロース
系樹脂、可溶性澱粉などの澱粉系樹脂がある。合成高分
子化合物としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸
塩、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有共重合体、ポリエチ
レンオキシドおよび上記ポリマーの変成体がある。さら
に合成高分子化合物とては、エチレングリコールやペン
タエリスリトールなどの多価アルコールを用いて調製さ
れるエポキシ樹脂;スルホン酸塩基、ホスフィン酸塩
基、アンモニア塩基などの親水性基を高含量で含有する
アクリル系樹脂性、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。
【0013】水乳化性樹脂および水分散性樹脂の素材と
しては、ポリブタジエン、ポリ−(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)などのゴ
ム系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよび
その共重合体などのビニル系樹脂;アクリル酸、メチル
メタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、スチ
レン、グリシジルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどを用いて調整されるアクリ
ル系樹脂;イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどを用いて調製されるポリエステル
系樹脂;および上記グリコール類と、ジイソシアネート
類とにより調製されるポリウレタン系樹脂などがある。
【0014】水乳化性樹脂および水分散性樹脂として
は、この他にも、分子内に親水性基を有するため水系溶
媒において分散性を示すか、もしくは分子内に親水性基
を有するため分散助剤を少量加えることにより水系溶媒
において分散性を示す高分子化合物が包含される。上記
水溶性樹脂、水乳化性樹脂および水分散性樹脂として挙
げられた樹脂のうち、特にポリエステル、ポリウレタン
およびアクリル系樹脂が好ましい。これらについて、以
下に、さらに詳細に記載する。ポリエステルを構成する
カルボン酸成分およびジオール成分のうち、カルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフ
タル酸、1.5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸;p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)
安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸;コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;フマール酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸などの不飽和
脂肪族ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸、
ピロメリット酸などのトリおよびテトラカルボン酸など
が挙げられる。
【0015】ポリエステルを構成するグリコール成分と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1.3−プロパンジオール、1.4−ブタンジオール、
1.5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2.2.4−トリメチル一
1.3−ペンタンジオール、1.4−シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物、ビスヒェノールAのプロピレンオキサイド付加
物、水素化ビスヒェノールAのエチレンオキサイド付加
物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール類
がある。トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリおよ
びテトラオールを併用してもよい。上記以外に、比較的
高分子量のジオールとしては、ポリエステルポリオール
が挙げられ、それには、ε−カプロラクトンなどのラク
トン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステル
ジオール類がある。
【0016】ポリエステル系樹脂および下記のポリウレ
タン系樹脂、アクリル系樹脂など本発明のフィルムに使
用される組成物に含有される樹脂は、上記のように、親
水性の基を有していてもよい。例えば、ポリエステルお
よびポリウレタン系樹脂に好適な親水性基、および該基
を含む化合物を次に例示する。本発明のフィルムに用い
られる組成物に含有される樹脂のうち、ポリウレタン
は、例えば、ポリアルキレングリコールなどをポリイソ
シアネートで鎖延長することにより;またはポリエステ
ルポリオール(カルボン酸成分とグリコール成分とを重
縮合させて得られる)をポリイソシアネートで鎖延長す
ることにより調製される。
【0017】上記ポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなどが用いられる。上記ポリエ
ステルポリオールの原料となるカルボン酸成分およびグ
リコール成分としては、上記ポリエステル調製の項で挙
げたカルボン酸成分およびグリコール成分がいずれも利
用され得る。上記ポリイソシアネートとしては、2.4
−トリレンジイソシアネート、2.6−トリレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェ
ニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメ
チレンジイソシアネート、3.3’−ジメトキシ−4.
4’−ビフェニレンジイソシアネート、2.4−ナフタ
レンジイソシアネート、3.3’−ジメチル−4.4’
−ジイソシアネート−ジフェニルエーテル、1.5’−
ナフタレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシ
アネート、m−キシ3+ンジイソシアネート、1.3−
ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン、1.4−ジ
イソシアネート、メチルシクロヘキサン、4.4’−ジ
イソシアネートシクロヘキシルチタン、イソホロンジイ
ソシアネートなどのジイソシアネート化合物がある。こ
れらのポリイソシアネートには、2.4−トリレンジイ
ソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネー
トの三量体などのトリイソシアネート化合物が全イソシ
アネート基のうち7モル%以下の割合で含有されてもよ
い。
【0018】ポリウレタンは、上記各成分を用いて通常
の方法により調製される。ポリエステル調製の項で記載
した親水性基を有する単量体を使用し、これらをポリウ
レタン主鎖の中に組み込むことも可能である。アクリル
系樹脂としては、以下のような単量体を重合させて得ら
れる。アクリル酸、メタアクリル酸、(以下、アクリル
酸および/またはメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と
する)、(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシ
ルエステル)など、スチレン;低級アルキル基(例え
ば、メチル、プピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプ
チルまたはオクチル基)を有するo、m、p−モノアル
キルスチレン;2.4−(または2.5−,2.6−,
3.4−,3.5−,)ジアルキルスチレン;2.4.
5−(または2.4.6−)トリアルキルスチレン;
2.3.4.5−テトラアルキルスチレン;これらのス
チレンおよびその誘導体のα−メチル置換体など、(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アルコ
キシアルキルエステル、アルキルアルキレングリコール
エステル、グリシジルエステルなどが、o−(またはm
−,p−)モノクロスチレン、2.3−(または2.4
−,2.5−,2.6−,3.4−,3.5−)ジクロ
ルスチレン、2.3.4−(または2.4.5−)トリ
クロルスチレン、テトラクロスチレン、ペンタクロルス
チレンなどのハロゲン置換スチレン;2−クロル−5メ
チルスチレン、4−クロル−3−メチルスチレン−、p
−クロルメチルスチレンなどのハロゲン−アルキル置換
スチレン;o−(またはm−、p−)ヒドロキシスチレ
ン、o−(またはm−、p−)メトキシスチレン、o−
(またはm−、p−)エトキシスチレン、3−メトキシ
−4−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシもしくはア
ルコキシスチレン誘導体など、エチレンスルホン酸、エ
チレンスルホン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩;ビニルメチルスルホニン、ビニルエチ
ルスルホン、ビニルブチルスルホンなどのビニルアルキ
ルスルホン類;ビニルスルホンアミド、ビニルスルホン
アニリド、ビニルスルホンメチルアニリド、などのビニ
ルアルキルスルホン類;スチレンスルホン酸、スチレン
スルホン酸アルカリアルカリ金属塩(例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩);モノ(2−メタクリロイロキシエ
チル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロ
キシエチル)アシッドホスフェートなどがある。これか
ら(IV)−1〜(IV)−5に挙げられる化合物のうちで
も、特に、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)ア
クリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチ
ル)アシッドホスフェート、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどがで好適である。フィルムの少なくと
も片面に設ける積層物Bは上記の原料、方法に限定され
ず公知の方法(例えば特開平1−190450号、同2
−39935号公報)を用いることが可能である。
【0019】
【作用】本発明において、ポリエステルを用いるのは、
該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や機械的強度
を満足させるためである。本発明において、ポリエステ
ルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合
し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中に該ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散
させて、次の配向処理によって生じる空洞の核を作るた
めである。
【0020】本発明において熱可塑性樹脂B層を設けか
つA層の表層部3μmに含まれる空洞の量を空洞率8体
積%以下にするのは、より表面強度が強くなるためであ
る。一方、全体層の平均空洞含有率を10体積%以上に
するのは、適度な描画性とクッション性をもたすためで
ある。本発明において水溶性樹脂、水乳化性樹脂およ
び水分散性樹脂の少なくとも一種と有機ほう素化合物お
よびポリビニルアルコールとの複合体を主成分とする組
成物を積層するのは、親水性樹脂および疎水性樹脂、無
機物のの接着性を良好にするためである。
【0021】かくして得られた空洞含有ポリエステルフ
ィルムはポスター、ラベル、感熱転写紙、印刷用紙、受
像紙などの用途に要求される表面強度や親水性樹脂およ
び疎水性樹脂、無機物に対する接着性を満足するものが
得られた。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。 2)ポリスチレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS−K7210に準じて、200℃、荷重5kgで
測定した。 3)フィルムの見かけ比重 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定し、平均厚みをtμ
mとし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、
フィルムの見かけ密度を下式によって計算した。 見かけ密度(g/cm )=w/(5×5×t)×10000 また、固体の比重は固体の密度と4℃での水の密度
(0.999973g/cm )との比と一般に定義さ
れ、水の密度は実質上1.00g/cm とみなせるこ
とから、上記フィルムの見かけ密度を水の密度で除する
と、フィルムの見かけ比重は下記のように算出される。
【0023】 見かけ比重(−)=w/(5×5×t)×10000 4)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。
【0024】 空洞含有率(体積%)=100×(1−真比容積/見かけ比容積) ただし、
【0025】 真比容積=x1/d1+x2/d2+x3/d3+…+xi/di+…
【0026】 見かけ比容積=1/フィルムの見かけ比重 上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、アナターゼ型二酸化チタン3.9
を用いた。 5)空洞含有フィルムの表層の空洞率 フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡で写真撮
影した後、表層から深さ3μmまでの領域の空洞をトレ
ーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解
析装置で画像処理を行い、空洞率を面積率で求め、この
値をそのまま体積%とし表示した。
【0027】・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 ルーゼックスIID(ニレコ株式会社) 6)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。 7)表面剥離強度 セロテープ(18mm幅、ニチバン製)を用い、セロテ
ープ剥離テストにより表面剥離強度を評価した。剥離角
は空洞含有フィルムを平面に保ち約150度方向で行っ
た。剥離された空洞含有フィルムの面積より、以下のよ
うに差別化した。
【0028】クラス5・・・全体が剥離した クラス4・・・ほとんど剥離した クラス3・・・半分程度、剥離した クラス2・・・ほとんど剥離しない クラス1・・・まったく剥離しない 実施例 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂80重量%にメルトフローインデックス2.0
g/10分一般用ポリスチレン15重量%、平均粒径
0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン5重量%をA層
の原料とし、B層の原料としてポリエチレンテレフタレ
ート樹脂95重量%、平均粒径0.3μmのルチル型二
酸化チタン5重量%を各々別の2軸スクリュー押出機で
T−ダイスより290℃で溶融押出しし、静電気的に冷
却回転ロールに密着固化し、各層がそれぞれB/A/B
=30/440/30μmの重合体混合物の未延伸シー
トを得た。この時、T−ダイスリット間隔は1.0mm
で、その部分での重合体混合物の融液の平均流速は8.
8m/秒であった。引き続き該未延伸シートをロール延
伸機で83℃で3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンタ
ーで130℃で3.5倍横延伸したあと235℃で4%
緩和させながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有する
ポリエステルフィルムを得た。厚みはB/A/B=3/
44/3μmであった。得られたフィルムのA層の表層
部の空洞率は2体積%、全体は21体積%であった。ま
た空洞の少ない部分は表層から約3μmの深さまで存在
していた。本実施例で得られた空洞含有フィルムは表面
強度はクラス1であった。
【0029】なお、本実施例の重合体混合物の未延伸シ
ートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、中央
部のポリスチレンの分散粒子径は平均5.0μmである
のに対し、表層付近分散粒子径は平均0.7μmであっ
た。見かけ比重は1.10、A層の表層部の空洞率は2
体積%、全体の平均空洞率は21体積%、光線透過率は
13%、厚み50μmであった。
【0030】このフィルムの片面に以下に示すような層
を設けた。ジカルボン酸単位が、テレフタル酸50モル
%、イソフタル酸45モル%および5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸5−モル%から構成され、そしてグリコ
ール単位が、エチレングリコール80モル%およびネオ
ペンチルグリコール20モル%から構成されるスルホン
酸変性ポリエステル(分子量約2万)を合成した。この
ポリエステルを10重量%の割合で水に分散させた。別
に、鹸化度が88%で重合度が500のポリビニルアル
コールの水溶液に有機ほう素高分子化合物
【0031】
【化5】 (P1=1000) をPVAと有機ほう素化合物との重量比1:4となるよ
うに加え、40〜50℃で30分間かくはんして複合体
水溶液を得た。この複合体水溶液を、上記ポリエステル
水溶液に、該ポリエステルに対して複合体が固形分換算
で50重量%となるような割合で添加し、塗工液を調製
したものを塗布した。
【0032】熱可塑性樹脂フィルムの評価 (1)ポリビニルアルコール(PVA、親水性ポリマ
ー)の10%水溶液およびポリ塩化ビニル(PVC、疎
水性ポリマー)10%ジメチルホルムアミド溶液を調製
した。各溶液を赤色染料で着色し、フィルム2枚の樹脂
組成物側に、いずれも塗工量2g/m2 となるように、
別々に印刷した。得られた印刷層にカッターナイフで1
mm間隔で基盤上に切込みをいれ、100この枡目を形
成し、この印刷面にセロテープ(Lパック、ニチバン社
製)を均一に張り付けた後180度方向にすばやく引き
剥した。3回繰り返した後の枡目の個数で評価した。
【0033】(2)滑り性 ASTM−1894に準じて行った。このフィルムの
(1)による評価は共に100個であり、(2)では滑
り性は摩擦係数0.50で良好であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、隠ぺい性、艶消し性、描画性
などを有していると共に、従来の空洞含有ポリエステル
フィルムに比べ、隠ぺい性や白色性、表面強度に優れ、
かつ親水性ポリマー、疎水性ポリマーのいずれにも良好
な接着性を有するという効果がある。従って本発明の空
洞含有ポリエステルフィルムはラベル、ポスター、記
録紙、包装材料、感熱記録材、印画紙などのきわめて
広い分野で使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 - 7/06 C08J 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに該ポリエステルに非相溶
    の熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも
    1軸に配向することにより作られる微細な空洞を含有す
    るポリエステル層(A)の少なくとも片面に、熱可塑性
    樹脂からなる層(B)を設けた空洞含有ポリエステル系
    フィルム(C)に、さらに、その少なくとも片面に水溶
    性樹脂、水乳化性樹脂および水分散性樹脂の少なくとも
    一種と、次式(D)で示される有機ほう素高分子化合物
    の複合体とを主成分とする組成物(E)を積層してなる
    空洞含有ポリエステルフィルムであって、該A層の表面
    から3μmまでに含まれる空洞含有率が8体積%以下で
    あり、かつフィルム(C)全体の平均空洞含有率が10
    体積%以上50体積%以下であることを特徴とする空洞
    含有ポリエステル系フィルム。 【化1】 ここで、pは10〜100000;qは0または1であ
    qが1のときaは、 【化2】 であり、XおよびZは1個の末端エーテル残基を有し炭
    素数の合計が100以下の含酸素炭化水素基、Yは、 【化3】 (ただし、Rは炭素数1〜34の炭化水素基)もしくは 【化4】 (ただし、R’は炭素数2〜34の炭化水素基) であり、l,m,nはそれぞれ独立して0または1であ
    る。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物(E)にポリビニルア
    ルコールを含むことを特徴とする空洞含有ポリエステル
    フィルム。
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