JP3326945B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の制御装置に
関し、詳しくは空燃比をリッチ側に一時的に制御する際
の点火時期制御を好適に行なう内燃機関の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の高負荷高温状態での排
気系の加熱防止を目的として、いわゆるOTP増量が行
なわれている(例えば特開昭59−201950号公
報)。内燃機関が高温状態にあるか否かは、冷却水温を
検出することにより知ることができるが、冷却水温の上
昇の検出以前に、内燃機関の運転状態を判断し、前もっ
て燃料噴射量を増量補正する制御がなされている。具体
的には、アクセルペダルが踏み込まれて、スロットルバ
ルブが所定開度以上となると、いずれ内燃機関は高負荷
高回転状態となり、その温度は上昇すると判断し、燃料
噴射量を増量補正するのである。
【0003】かかる制御は、内燃機関およびその排気系
の温度上昇を未然に防止するという点で優れたものであ
るが、更に内燃機関の運転状態が特定の状態になって
も、内燃機関のおよびその排気系の温度が直ちに上昇す
るものではないことに鑑み、内燃機関が高負荷高温状態
に至るであろう運転状態となっても直ちに燃料噴射量を
増量するのではなく、所定のディレイ時間をおいてから
燃料噴射量を増量するという制御が提案されている。
【0004】他方、近年ではノッキングの発生を検出す
るノックセンサを搭載し、所定時間ノッキングが検出さ
れなければ点火時期をある割合で進角させ、ノッキング
が検出された場合には点火時期をある割合で遅角させ、
内燃機関の出力を向上しようとするノック制御が提案さ
れている。従って、内燃機関の運転状態が燃料噴射量の
増量補正を要求する所定の条件となり、所定のディレイ
時間をおいて燃料噴射量を増量する制御を行なった場
合、高負荷状態となるこのディレイ時間の間はノッキン
グが発生しやすくなって、ノック制御により、点火時期
は遅角側に補正されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
制御では、所定のディレイ時間が経過して燃料の増量補
正を開始した場合、点火時期が適正に制御されないとい
う問題があった。ディレイ時間が経過すると、燃料噴射
量が増量補正され、この結果ノッキングは生じ難くな
り、適正な点火時期は直ちに進角側となる。一方、ノッ
クセンサを用いた点火時期制御は、一定期間ノッキング
が発生していないことを確認してから所定の割合で点火
時期を進角側に補正するという制御を繰り返すことで、
点火時期を適正な時期とする。従って、実際にノッキン
グが生じ難くなってから点火時期が適正な進角値となる
までには、相当の時間を要してしまう。
【0006】本発明の内燃機関の制御装置は、こうした
問題を解決し、燃料噴射量の増量補正の実施時における
点火時期制御を適性に行なうことを目的としてなされ、
次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関の制御
装置は、内燃機関の運転状態を検出し、該運転状態が燃
料噴射量の一時的な増量が必要となる所定状態にあると
判断したとき、空燃比を所定期間後にリッチ側に制御す
る内燃機関の制御装置であって、該所定期間の始まりに
おいて、該所定期間の前後におけるノッキングの発生頻
度の違いを示すパラメータを求める演算手段と、該所定
期間の始まりにおいて求めた該パラメータに基づいて遅
角量を算出し、前記所定期間中の点火時期を該遅角量だ
け遅角側に制御する点火時期遅角制御手段とを備えたこ
とを要旨とする。
【0008】ここで、ノッキングの発生頻度の違いを決
定するパラメータとしては、前記制御の前後における空
燃比の偏差や、前記制御の前後において予想されるノッ
キング頻度の偏差等を考えることができる。また、この
パラメータに基づき点火時期遅角制御手段が行なう遅角
制御の最大値を所定の大きさに規制することも、必要以
上の出力低下を未然に防止するという意味で好適であ
る。
【0009】以上の制御装置では、ノッキング制御は必
須ではないが、これに加えるノッキング制御を行なうも
のとすることもできる。即ち、内燃機関に発生するノッ
キングを検出するノッキング検出手段と、前記点火時期
遅角制御手段とは別に、該検出されたノッキングの頻度
に応じて、内燃機関の点火時期を制御するノッキング制
御手段とを備えるものとすることができる。
【0010】ここで、ノッキング制御手段は、前記所定
期間の始まりにおいて、前記演算結果に基づき点火時期
を、所定の速度で遅角側へ制御する第1の手段と、前記
期間の終わりにおいて、前記演算結果に基づき点火時期
を、前記所定の速度より遅い速度で進角側に制御する第
2の手段とを備えることにより、所定期間の始まりと終
わりにおける点火時期制御の早さを変え、速やかに適正
な点火時期制御が得られるものとしても良い。
【0011】
【作用】以上のように構成された本発明の内燃機関の制
御装置は、内燃機関の燃料噴射量の一時的な増量が必要
となる運転状態にあって、空燃比をリッチ側とする制御
を遅延させている状況において、その期間中の点火時期
の遅角量を、当該期間の始まりにおいて演算手段が求め
たパラメータに基づいて算出し、その期間中の点火時期
を、算出した遅角量だけ遅角側に制御する。このパラメ
ータは、空燃比をリッチ側とする制御が遅延されている
期間の前後におけるノッキングの発生頻度の違いを示す
ものなので、このパラメータに基づいて点火時期を制御
することで、内燃機関の点火時期は適正に保たれる。か
かる制御は、ノッキング制御と併せ行なうこともでき
る。
【0012】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、本発明の一実施例である燃料噴射およ
び点火時期の制御装置を搭載した自動車用エンジンおよ
びその周辺装置を表す概略構成図である。なお、この自
動車用エンジンは4気筒のガソリンエンジンである。
【0013】図示するように、エンジン1の吸気通路2
には、吸入空気の取り入れ口から、エアクリーナ3、ス
ロットルチャンバ5、スロットルバルブ6、およびエン
ジン1の各気筒毎に空気を送り込むインテークマニホー
ルド7が設けられている。インテークマニホールド7の
各気筒の入口付近には各気筒毎に独立で燃料を噴射する
燃料噴射弁8が設けられている。
【0014】インテークマニホールド7を介して各気筒
に吸入される吸入空気は、燃料噴射弁8から噴射される
燃料と混合されて、各気筒毎の燃焼室内に吸入される。
この燃料混合気は、燃焼室内で点火プラグ9によって火
花点火され、エンジン1を駆動させる。燃焼室内で燃焼
したガス(排気)は、エキゾーストマニホールド11,
排気通路12を介して触媒装置13に導かれ、浄化され
た後、大気側に排出される。
【0015】点火プラグ9には、ディストリビュータ1
5を介してイグナイタ16からの高電圧が印加され、こ
の印加タイミングによって点火時期が決定される。な
お、ディストリビュータ15は、イグナイタ16で発生
された高電圧を各気筒の点火プラグ9に分配するための
もので、このディストリビュータ15には、1回転に2
4発のパルス信号を出力する回転速度センサ17が設け
られている。
【0016】さらに、エンジン1には、その運転状態を
検出するためのセンサとして、前述した回転速度センサ
17のほか、スロットルバルブ6の上流側に配設されて
吸気の量を検出するエアフロメータ20、スロットルバ
ルブ6の開度を検出すると共にスロットルバルブ6の全
閉状態を検出するアイドルスイッチ21(図2)を内蔵
したスロットルポジションセンサ22、吸気通路2に配
設されて吸入空気(吸気)の温度を検出する吸気温セン
サ23、シリンダブロックに配設されて冷却水温を検出
する水温センサ24、エキゾーストマニホールド11の
出口付近に配設されて排気中の酸素濃度を検出する酸素
濃度センサ25、車両の速度Vを検出する車速センサ2
6、およびエンジン1に発生するノッキングを検出する
ノックセンサ28等が備えられている。
【0017】前述した各センサの検出信号は電子制御ユ
ニット(以下、ECUと呼ぶ)30に入力される。図2
に示すように、ECU30は、マイクロコンピュータを
中心とする論理演算回路として構成され、詳しくは、予
め設定された制御プログラムに従ってエンジン1を制御
するための各種演算処理を実行するCPU30a、CP
U30aで各種演算処理を実行するのに必要な制御プロ
グラムや制御データ等が予め格納されたROM30b、
同じくCPU30aで各種演算処理を実行するのに必要
な各種データが一時的に読み書きされるRAM30c、
上記各センサからの検出信号を入力するA/Dコンバー
タ30dおよび入力処理回路30e、CPU30aでの
演算結果に応じてイグナイタ16,燃料噴射弁8等に駆
動信号を出力する出力処理回路30f等を備えている。
【0018】こうして構成されたECU30によって、
エンジン1の運転状態に応じてイグナイタ16および燃
料噴射弁8が駆動制御され、点火時期制や御燃料噴射制
御等が実行される。
【0019】次に、ECU30のCPU30aにより実
行されるメイン制御ルーチンについて図3に基づいて説
明する。なお、このメイン制御ルーチンはエンジン1の
運転開始後、常時繰り返し実行される。CPU30a
は、処理が開始されると、まず、吸入空気量Qを読み込
む処理を行なう(ステップS100)。吸入空気量Q
は、図示しない他のルーチンにより、エアフロメータ2
0からの信号をA/Dコンバータ30dでA/D変換さ
れた値としてRAM30cに格納されている。そこで、
このデータをRAM30cから読み込むのである。次い
で、回転速度センサ17で検出され入力処理回路30e
を介して取り込んだエンジン1の回転数Nを読み込む処
理を行なう(ステップS110)。
【0020】続いて、ステップS100およびS110
で読み込んだ吸入空気量Qおよび回転数Nを用いて、次
式(1)に示すように基本燃料噴射量TPを算出する
(ステップS120)。 TP = k・Q/N … (1) (但し、kは定数)
【0021】続いて、次式(2)に示すように、基本燃
料噴射量TPに各種補正係数を掛けることにより実燃料
噴射量TAUを算出する(ステップS130)。 TAU = TP・A・E・α … (2) ここで、AはOTP増量補正係数であり、エンジン1が
高負荷・高温状態で値1より大きな所定値(例えば1.
2)をとる。Eは空燃比補正係数であり、図4に示す空
燃比フィードバック制御処理ルーチンにより算出され
る。即ち、増量補正係数Aが値1であって空燃比のスト
イキ制御が可能か否かを判断し(ステップS140)、
可能であれば酸素濃度センサ25を用いたフィードバッ
ク処理を行ない空燃比補正係数Eを求める(ステップS
150)。他方、ストイキ制御ができない条件の場合に
は、空燃比補正係数Eに値1を代入する(ステップS1
60)。空燃比補正係数Eはこうして求められた値であ
る。尚、αはその他の補正係数であり、例えば、吸気温
補正,過渡時補正,電源電圧補正等に関する補正係数が
該当する。
【0022】ステップS130で実燃料噴射量TAUを
算出した後、「リターン」に抜けて本ルーチンを終了す
るが、実際の燃料噴射の実施は、ステップS130で求
めた実燃料噴射量TAUに相当する燃料噴射時間を、燃
料噴射弁8の開弁時間を決定する図示しないカウンタに
セットすることによって行なわれる。この結果、そのカ
ウンタにセットされた開弁時間だけ、燃料噴射弁8が開
弁駆動されるのである。
【0023】次に、OTP増量が行なわれる際の燃料噴
射量および点火時期制御について説明する。図5は、8
ミリセカンド毎に実行されるルーチンを示すフローチャ
ートであり、OTP増量の実施を決定するルーチンであ
る。以下の説明において、Aは実際の燃料噴射に反映さ
せるOTP増量補正係数を示し、Bはその運転状態が継
続されたときに、排気系部品保護のために必要な増量係
数を増量補正の実施に先だって演算した先行増量係数を
示す。即ち、上述した図3ステップS130に示したよ
うに、実際の増量補正は、OTP増量補正係数Aの値に
従って行なわれる。また、Cはディレイタイムを計数す
るカウンタである。
【0024】図5に示したルーチンが起動されると、ま
ず、エンジン1の負荷を示す吸入空気量Qとエンジンの
回転数Nとから燃料の先行増量係数Bを計算する処理を
行なう(ステップS200)。ここでは、エンジン1の
負荷を代表するパラメータとして吸入空気量Qを用いて
いるが、これ以外に吸気管圧力、その他各種のパラメー
タを用いることができる。先行増量係数Bは、例えばア
クセルペダルが踏み込まれて吸入空気量Q,回転数Nが
共に所定値以上となった場合などに、いずれエンジン1
およびその排気系の温度が過剰に上昇するとして、エン
ジン1の負荷に応じて、値1.1ないし1.5などの値
に設定される。
【0025】続いて、先行増量係数Bが値1.0である
か否かの判断を行なう(ステップS210)。先行増量
係数Bが値1.0以上であれば、次にカウンタCが値0
であるか否かの判断を行ない(ステップS220)、値
0であれば、増量補正が必要と判断されてから最初の処
理であると判断し、ディレイタイムを計算し、これをカ
ウンタCに設定する処理を行なう(ステップS23
0)。
【0026】図5の例では、8ms毎のルーチンでこの
処理を実施することになっており、5秒程度のディレイ
タイムを設定するとすれば、カウンタCには、初期値と
して625程度の値がセットされる。図5の例では、図
示しない吸入空気量Q−回転数Nのマップより予め定め
たディレイタイムをエンジン条件に応じて用いることに
なっているが、もっと精度良く、例えば、吸入空気量Q
と回転数Nの過去の履歴やエンジン水温、その他に応じ
て排気温度を推定し、その推定値が所定値に達したとき
に増量を行なうようカウンタCの値を逐次修正する構成
とすることも可能である。あるいは、そのような推定値
もしくは実測値に応じて、少しずつ増量係数を増加する
ような構成をとることができる。
【0027】次に、カウンタCが値0となったか否かを
判断する(ステップS240)。ステップS230でカ
ウンタCをセットした直後であれば、カウンタCの値は
0ではないので、この場合には、OTP増量補正係数A
に値1.0を入れる(ステップS250)。OTP増量
補正係数Aが値1.0の場合には、図3ステップS13
0の演算式に従い、OTP増量は行なわれないことにな
る。その後、カウンタCを値1だけデクリメントし(ス
テップS260)、リターンに抜けて本ルーチンを一旦
終了する。
【0028】カウンタCはこのルーチンが繰り返し実行
される度にその値を減じてゆくから、やがてステップS
240での判断は「YES」となり、その場合には、O
TP増量補正係数Aに先行増量係数Bの値を代入する処
理を行なう(ステップS280)。従って、カウンタC
が値0となった後は、図3ステップS130に従い、吸
入空気量Qと回転数Nとにより定めた先行増量係数Bの
割合で、所定のOTP増量が行なわれる。
【0029】以上説明したように、図5の処理が行なわ
れると、吸入空気量Qと回転数Nから先行増量係数Bを
算出するとともに、その値が1.0(増量0%)より大
きな値となったときに、その時の吸入空気量Qと回転数
Nからそのエンジン条件で許されるディレイタイムを算
出して、カウンタCにセットし、カウンタCが0になる
までの間、実際のOTP増量補正係数Aを値1.0(増
量0%)としてOPT増量を猶予する制御が行なわれ
る。
【0030】次に、点火時期制御の基本的な処理につい
て、図6のフローチャートに基づいて説明する。図6の
処理は、180゜CA(クランクアングル)毎に実行さ
れるルーチンであり、点火時期Sを求める処理ルーチン
である。このルーチンが起動されると、まずエンジン1
の負荷を示す吸入空気量Qと回転数Nとから基本点火時
期S0を求め処理を行なう(ステップS300)。更
に、この基本点火時期S0から、ノックセンサ28を用
いて求めたKCS補正遅角量Kおよび増量ディレイ補正
遅角量D(以下、単に遅角量Dと呼ぶ)を減算して、最
終点火時期Sを計算する(ステップS310)。即ち、 S←S0−K−D として、最終点火時期Sを求めるのである。ノックセン
サ28を用いた点火時期の制御を、以下ノック制御ある
いは単にKCSと呼ぶ。
【0031】その後、点火時期制御を実行する処理を行
なう(ステップS320)。この点火時期制御処理は、
実際には、求めた最終点火時期Sを時間に換算し、この
時間を図示しない自走式のタイマにセットし、タイムア
ップと同時に起動する割り込み処理の内部でイグナイタ
16を駆動する処理により実現される。
【0032】以下、本実施例におけるOTP増量補正係
数Aによる増量と点火時期制御との関係について説明す
る。図7は、空燃比A/Fとノッキングの生じ易さとの
関係を示すグラフである。実測によれば、エンジン回転
数N,負荷に拘らず、ほぼこの特性を中心にデータが分
布する。但し、この図7は、点火時期の絶対値を表わす
ものではなく、同一の条件下での相対的な進角・遅角の
角度を示している。即ち、回転数Nと負荷が変われば、
例えば同じ空燃比A/F=14.5であってもノック発
生点火時期は異なる。この点を踏まえた上で、図7が示
しているのは、回転数Nと負荷を同一の条件とした場
合、例えば空燃比A/Fを10にまで濃くすると、ノッ
キングの発生しない限界の点火時期を得るには、平均し
て3.5゜CA程度進角しなければならないということ
である。換言するならば、本来A/F=10.0で運転
すべきエンジン条件で、燃料増量をせずに運転すると、
ノッキングが発生し、これを解消するためには、ノック
コントロールシステムを搭載したエンジン1では平均
3.5゜CA遅角する必要があるということである。
【0033】以上、基本的な燃料噴射量制御、点火時期
制御について説明した。以上の制御で発生する不具合に
ついて、図8を用いて説明する。図8は、スロットルバ
ルブ6を急激に全開にした場合のOTP増量の実施の様
子を示す説明図である。スロットルバルブ6を開くと、
それより若干遅れてエンジン1の吸気量が増大し、やが
て飽和する。このとき、エンジン1の回転数Nが上昇せ
ず一定である場合、吸入空気量Qに応じて先行増量係数
Bが増加する。定常時に必要な先行増量係数Bは、ほぼ
吸入空気量Qの増加と一致している。これに対して、排
気系部品の温度は、即座には上昇しないので、増量補正
の実施にディレイを設け、実際に行なわれる増量を、O
TP増量補正係数Aとして処理する。図8の例では、デ
ィレイ期間中にはOTP増量補正係数Aを徐々に増加す
るといったことはせず、ディレイ終了後、直ちにA=B
とする場合を示している。
【0034】図8の最下欄に、基本点火時期S0の状態
を示した。基本点火時期S0はエンジン1の負荷などの
条件に応じてノッキングを考慮して設定されているの
で、このスロットルバルブ6の急開による吸入空気量の
増加は、基本点火時期S0を遅角側に制御する。実際の
点火時期は、更にノック制御の実施により遅角するが、
基本点火時期S0によって、燃料噴射量の増量補正時に
おける点火時期の様子を知ることができる。
【0035】スロットルバルブ6の開度がほとんど0%
のときは、ノッキングは発生しない。スロットルバルブ
6を開くと、吸入空気量Qがある程度大きくなったとこ
ろからノッキングが発生する条件になる。これは、吸入
空気量がある程度大きい条件では、MBTとノック点が
近く、特に高負荷域ではMBTよりノック点の方が遅角
側にある場合もあり、KCS付のエンジン1では、基本
点火時期S0として、ノッキングが発生するような条件
を設定するのが通常だからである。
【0036】図8において、実線J1は基本点火時期S
0を示し、一点鎖線J2は図7に従いプロットしたもの
で、ノッキングが発生する点火時期の限度を示す。ここ
で、OTP増量補正係数Aが猶予されているディレイ期
間の間は、1から1.5゜CA遅角側でノッキングが発
生し、KCSがノッキングが生じないよう点火時期を制
御する。
【0037】この点を更に現実的なエンジン1の挙動に
即して検討すると、スロットルバルブ6が開く以前は燃
焼室温度は低いためノッキングが発生しにくく、他方、
OTP増量補正係数Aのディレイ期間の終了直後は既に
燃焼室温度が高くなっているため、OTP増量補正係数
Aによる増量補正が実施されても、ノッキングは直ちに
は減少しない。この結果、実際のノッキングが発生する
点火時期の限界は、点線J3のようになる。
【0038】そこで、本実施例では、次の制御を採用し
た。図9は、第1の実施例における点火時期制御の概要
を示すフローチャートである。図中、a,b,Dなど
は、CPU30a内部の演算用レジスタもしくはワーク
エリアとしてのRAM30cの所定のアドレスを示す
が、ここではレジスタとして説明する。このルーチン
は、180°CA毎に起動され、まず先行増量係数Bが
値1.2より大きいか否かの判断を行なう(ステップS
400)。スロットルバルブ6が開いて増量要求が生じ
れば、先行増量係数Bは値1.2を上回るから、その場
合には、更にOTP増量補正係数Aが値1.2より大き
いか否かの判断を行なう(ステップS405)。図5に
示したように、ディレイ期間の経過後にはOTP増量補
正係数Aは先行増量係数Bとなるから(ステップS28
0)、ディレイ期間中は、ステップS405の判断は
「NO」となり、この場合はレジスタaに値1.2を代
入する(ステップS410)。他方、先行増量係数Bお
よびOTP増量補正係数Aが共に値1.2を上回ってい
れば、ディレイ期間は終了しているとして、レジスタa
にOTP増量補正係数Aを代入する(ステップS41
5)。
【0039】次に、先行増量係数Bからレジスタaの値
を引き、これをレジスタaに入れる処理を行ない(ステ
ップS420)、この結果を20倍する処理を行なう
(ステップS425)。この処理は、結局、先行増量係
数BとOTP増量補正係数Aとの偏差を、OTP増量補
正係数Aについて値1.2でガードしつつ求め、この偏
差に応じて点火時期の補正値を求めることに相当する。
OTP増量補正係数Aを、値1.2でガードしているの
は、増量1.0〜1.2の間については、特別な制御を
行なわせない不感帯とするためである。なぉ、先行増量
係数Bが値1.2以下であると判断された場合には、レ
ジスタaに値0を入れて、ステップS435に進む。こ
れらの処理の後、例えば、先行増量係数Bが値1.4で
あり、ディレイ期間中(A=1.0)であれば、ステッ
プS425の演算の結果は、a=4となり、ディレイ期
間後であれば、同様の演算の結果は、a=0となる。
【0040】このレジスタaの値は、そのまま点火時期
制御における進角制御値として使用可能に調整されてい
るから(ステップS425)、次にレジスタaの値が5
°CA以下であるかないかを判断する(ステップS43
5)。レジスタaの値が5°CAを越えていれば(ステ
ップS435)、レジスタaに値5を入れる(ステップ
S440)。ここで、レジスタaを値5でガードしてい
るのは、結果的には、点火時期制御における遅角量Dを
5゜CAでガードしていることになるが、これは過大な
遅角による無用な出力低下を防止するためである。も
し、この条件でノッキングの発生に対する補正が不充分
となった場合は、KCSにより遅角制御量を補正するこ
とで対処可能である。
【0041】次に、既に先の制御で求めたおいた遅角量
Dをレジスタbに入れ(ステップS445)、レジスタ
aの内容がレジスタbの内容以上か否かの判断を行なう
(ステップS450)。レジスタaの内容の方が大きい
と判断すれば、今回係数の偏差に基づいて算出した遅角
量の方が前回値より大きい(即ち、ディレイ期間の始ま
りの時点)と判断し、レジスタaの内容をレジスタbに
移し(ステップS465)、その後、このレジスタbの
内容を遅角量Dに代入し(ステップS470)、「リタ
ーン」に抜けて本ルーチンを一旦終了する。他方、レジ
スタaの内容の方が小さい場合には、遅角量Dは前回値
より小さくなっている(即ち、ディレイ期間の終了の時
点以降)と判断して、レジスタbの内容から値0.3を
減算する処理を行ない(ステップS455)、再度a≧
bの判断を繰り返す(ステップS460)。値0.3を
減じてもレジスタbの方がレジスタaの内容より大きな
値となっていれば、即ち今回計算した遅角量と前回の遅
角量との偏差が0.3以上ある場合には、ひとまずこの
値0.3減じた値を次の遅角量Dに代入し(ステップS
470)、本ルーチンを終了する。他方、値0.3を減
じた時、レジスタaの方がレジスタbの内容より大きな
値となっていれば、遅角量の前回値と今回の計算値との
偏差は充分に小さくなったと判断し、レジスタaの内容
をレジスタbに移し(ステップS465)、その後、こ
のレジスタbの内容を遅角量Dに代入し(ステップS4
70)、「リターン」に抜けて本ルーチンを一旦終了す
る。先行増量係数BおよびOTP増量補正係数Aと遅角
量Dとの関係を、図10に示した。
【0042】以上説明した本実施例の点火時期制御によ
れば、エンジン1の負荷や回転数Nから燃料噴射量の実
際の増量に先行して増量の要求を示す先行増量係数B
と、実際の燃料噴射量の増量を決定するOTP増量補正
係数Aとの偏差に応じて遅角量Dを算出することにな
る。従って、増量補正を所定時間ディレイさせた場合
に、ディレイ期間の始まりにおいてノッキングが多発し
て点火時期を過剰に遅角側に制御してしまうということ
がない。この結果、ディレイ期間が経過して実際に増量
を行なわれる際、点火時期がいつまでも遅角側に残って
エンジン1の出力を徒に低下させてしまうということも
ない。ここで、図9に示す制御を行なわない場合の点火
時期を、図8実線J4に示す。ディレイ期間の始まりに
おいて、従来の制御を行なった場合、吸入空気量が増加
すると、KCSの作動領域となり、エンジン1にノッキ
ングが発生すれば点火時期は遅角側に補正される。KC
Sはノッキングが発生しないと遅角しないため、図8
「イ」の部分では、不必要なノックが発生してしまう。
また、KCSによる遅角量の減少速度が遅い場合には、
「ロ」の部分で、性能低下、あるいは排気温度の上昇を
まねく不具合も発生していた。
【0043】他方、本実施例では、遅角量を増加する時
は直ちに遅角量の増加を点火時期の制御に反映させ(図
9ステップS450,S465,S470)、遅角量を
減少する時はゆっくり戻す(図9ステップS450,S
455,S460,S470)。従って、点火時期は、
図8破線J3のように、変化し、極めて良好な特性を示
す。以上説明した例は、1゜CA程度の誤差はKCSで
補正をさせてもノッキングの発生その他に問題がなく、
かつ1.1程度の増量をほとんど使わないことを前提に
行なう制御である。そのため、増量が比較的大きい側
(≧1.2)のみを考えている。
【0044】点火時期の制御をKCSのみに頼ること
は、図8を使って既述した不具合を生じるが、一方ディ
レイ対策の遅角量Dのみに頼ることは、精度良いノック
コントロールができない場合が考えられるため、特に演
算された遅角量が大きい場合にはこれを制限し(a←5
°CA)、それ以上はKCSによる遅角制御によるもの
として、出力の無用な低下を招かないようにしている。
【0045】これらの制御の結果、本実施例によれば、
燃料噴射量の増量制御を行なう際の過渡的なノッキング
の発生を少なくして、運転者の不快感を防止することが
できる。また、ノック制御による遅角制御がなされる場
合でも、増量補正のディレイ期間の経過後の過遅角を防
止でき、出力、燃費の向上を図ることができる。過遅角
による排気温度の上昇という問題が解消されるので、排
気系保護の面で有利になり、増量補正を実際に開始する
までのディレイの時間を長くでき、またはディレイ終了
後の増量を少なくできるので、燃費を向上することがで
きる。また、上記実施例では、ノックコントロール付き
のエンジン1でこの制御を行なったが、ノック制御を行
なっていないエンジン1であっても、増量中に点火時期
の進角設定を、同一の考え方で制御できるので、出力、
燃費を向上することができる。
【0046】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図11および図12は、図9に示した180°CA
割込ルーチンの代わりに用いられる点火時期制御ルーチ
ンであり、より高精度な実施例である。図11および図
12に示す実施例の場合には、燃料噴射量の先行増量係
数BとOTP増量補正係数Aの差分に応じた遅角量とす
ることで一点鎖線J2をトレースし、かつ遅角量の増加
時にはなまし処理を小さく行ない、遅角減少時には大き
くなましを行なうことで、破線J3をトレースする。こ
の結果、KCSは、実線J5のラインのまま安定し、か
つノッキングの発生を防止することができる。
【0047】第2実施例の点火時期制御ルーチンは、第
1実施例の図9の代わりに用いられる処理である。尚、
図11および図12において使用するa,b,d,e
は、この実施例ではRAM30cの所定のアドレスの内
容を示している。また、αは、図12に示すように、増
量補正係数と遅角量との関係を記憶したROM30b上
の所定のアドレスを示している。
【0048】この処理が起動されると、まず先行増量係
数Bが値1.0であるか否かの判断(ステップS50
0)、先行増量係数BがOTP増量補正係数Aと等しい
か否かの判断が行なわれる(ステップS502)。この
いずれかの判断が「YES」となった場合には、増量の
要求が出されていないか(B=1.0)、増量の要求が
ありかつディレイ期間の経過後(A=B)であると判断
し、処理は図12のステップS505以降に移行する。
【0049】ステップS505以下では、アドレスaの
内容を0とし(ステップS505および510)、アド
レスbに現在の遅角量Dを記憶する(ステップS51
5)。その後、両アドレスa,bの内容の大小を判別し
(ステップS520)、遅角量Dが存在すれば、アドレ
スbの内容を20パーセント小さくする処理を行なう
(ステップS530)。即ち、ステップS500もしく
はS502での判断が「YES」となってステップS5
05以下を実行する場合には、アドレスaの内容は値0
に設定されているから(ステップS505,510)、
ステップS520での判断は、遅角量Dが0以下か否か
の判断となり、この場合、ステップS530での処理
は、b←0.8×bの処理と等価になるからである。
尚、遅角量Dが0の場合には、ステップS520の判断
は「YES」となるが、この場合には、アドレスaとア
ドレスbとの内容の差の1/2をアドレスbの内容に加
える処理を行なうから(ステップS525)、結局アド
レスbの内容は値0のまま変化しない。その後、更新さ
れたアドレスbの内容を今回の遅角量Dとして設定し
(ステップS535)、その後「リターン」に抜けて本
ルーチンを一旦終了する。
【0050】一方、ステップS500,S502の判断
がいずれも「NO」の場合、即ち増量の要求があり、か
つディレイ期間中であると判断された場合には、図11
のステップS540以下の処理に移行する。ステップS
540以下の処理は、大きく3つのパートに分かれ、ま
ずステップS540ないしステップS590の処理は、
先行増量係数Bについてノッキングの起きにくさを求め
る処理を行ない、その結果をアドレスeに記憶する処理
である。次に、図12のステップS595ないしS64
0は、同一の処理をOTP増量補正係数Aについて行な
い、その結果をアドレスbに格納する処理である。これ
らの処理を先行増量係数B,OTP増量補正係数Aにつ
いてのノック関数の算出処理と呼ぶ。即ち、ノック関数
の算出処理の後、アドレスeおよびbには、それぞれ先
行増量係数Bに基づくノッキングの起きにくさ(裏返せ
ばノッキングの発生しやすさ)およびOTP増量補正係
数Aに基づくノッキングの起きにくさが、記憶されるこ
とになる。これらの処理の後、アドレスeおよびアドレ
スbの値、即ち、ノッキングの起きにくさの関数値を用
いて、上述したステップS510ないしステップS53
5の処理がなされ、新たな遅角量Dが決定される。
【0051】図11のステップS540ないしS590
と、図12のステップS595ないしS640は、基本
的に同一の処理なので、一方のノック関数算出処理の説
明にとどめる。この処理は、空燃比A/F=13.0の
付近を点火時期の遅角制御の基準(0゜CA)として、
先行増量係数B,OTP増量補正係数Aのそれぞれに対
してノッキングの生じにくさを算出する処理である。空
燃比A/F=13.0の付近を基準とするのは、図7に
示したように、補正係数が値1.1付近、即ち空燃比A
/Fが13.0付近で遅角量が相対的に0となるからで
ある。
【0052】まず、先行増量係数Bから値1.0を減算
し、これを10倍したものを、アドレスaに記憶する
(ステップS540)。このアドレスaに図13に示す
アドレスαを加え(ステップS545)、更にアドレス
α+1をアドレスbに記憶する(ステップS550)。
その後、アドレスbとアドレスaの内容の大小を比較し
(ステップS555)、アドレスbの内容がアドレスa
の内容より大きくなるまで、アドレスbをインクリメン
トする(ステップS560)。即ち、図13に示すアド
レスα+1を起点としてアドレスbの内容を大きくして
ゆき、アドレスaの内容より大きくなる点を求めるので
ある。例えば、先行増量係数Bが値1.4であれば、ス
テップS545までの処理によりアドレスaの値はα+
4となり、b>aを満たすアドレスbの内容は、α+5
である。即ち、アドレスa,bは、ポインタとして用い
られているのである。
【0053】この時、処理はステップS570に進み、
アドレスbの内容を一つ前のアドレスを指し示すように
変更し(ステップS570)、アドレスaの内容との偏
差を求めこれをアドレスaに記憶する処理を行なう(ス
テップS575)。その後、アドレスdにアドレス(b
+1)の内容(データ)を記憶し(ステップS58
0)、アドレスbのデータをアドレスbに記憶する処理
を行なう(ステップS585)。この結果、上記例では
アドレスα+5とアドレスα+4の内容がアドレスdと
bに記憶されることになる。その後、アドレスeに次式
の演算結果を記憶する(ステップS590)。 e←(d−b)×a+b
【0054】以上のノック関数演算処理により、先行増
量係数Bに基づくノッキングの起きにくさの関数値がア
ドレスeに記憶される。同様に、ステップS595ない
しステップS640の処理により、アドレスbに、OT
P増量補正係数Aに基づくノッキングの起きにくさの関
数値が記憶される。そして、両関数値の大小に基づき、
新たな遅角量Dを求めることになる(図12のステップ
S510ないしS535)。この時、遅角側に変化する
際と進角側に変化する際とでなまし量を変更している
(ステップS525の係数0.5とステップS530の
係数0.2)。
【0055】以上説明した本実施例によれば、先行増量
係数Bの増加値によるノッキングの起きにくさに対する
OTP増量補正係数Aの増加値のノッキングの起きにく
さの差を求めて、遅角量Dを算出している。従って、第
1実施例と同様に、エンジン1に燃料噴射量の増量要求
が生じ増量がディレイされている期間中の点火時期の進
角制御が過剰に遅角側に制御されることがない。しか
も、ノッキングの起きにくさを直接的に示すパラメータ
を利用しているので、第1実施例より精度良く遅角量を
コントロールすることができる。
【0056】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、ノックセンサを用いたノック制御を行なわないエン
ジンの制御装置に適用した構成など、本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において、種々なる態様で実施し得るこ
とは勿論である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内燃機関の
制御装置では、内燃機関の燃料噴射量の一時的な増量が
必要となる運転状態にあって、空燃比をリッチ側とする
制御を遅延させている状況において、その期間中の点火
時期の遅角量を、その期間の始まりにおいて、空燃比を
リッチ側とする制御の遅延される期間の前後におけるノ
ッキングの発生頻度の違いを示すパラメータに基づいて
算出し、その期間中の点火時期を、算出した遅角量だけ
遅角側に制御するので、内燃機関の点火時期を適正に保
つことができるという優れた効果を奏する。
【0058】この結果、燃料噴射量の増量制御を行なう
際の過渡的なノッキングの発生を少なくして、運転者の
不快感を防止することができる。増量補正のディレイ期
間の経過後の過遅角を防止できるので、出力、燃費の向
上を図ることができる。過遅角による排気温度の上昇と
いう問題が解消されるので、排気系保護の面で有利にな
り、増量補正を実際に開始するまでのディレイの時間を
長くでき、またはディレイ終了後の増量を少なくできる
ので、燃費を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の制御装置の
図である。
【図2】ECU30の構成を示すブロック図である。
【図3】燃料噴射量TAUを求める処理ルーチンを示す
フローチャートである。
【図4】空燃比補正係数Eを求める処理ルーチンを示す
フローチャートである。
【図5】エンジン1の運転状態からOTP増量補正係数
Aを求める処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】点火時期制御の基本ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図7】空燃比とノック発生点火時期との関係を示すグ
ラフである。
【図8】スロットルバルブ開度と、燃料増量補正係数
と、点火時期との関係を例示する説明図である。
【図9】第1実施例における点火時期の制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図10】エンジン1の運転状態と遅角量Dの関係を示
す説明図である。
【図11】第2実施例における点火時期制御ルーチンの
一部を示すフローチャートである。
【図12】同じく点火時期制御ルーチンの残部を示すフ
ローチャートである。
【図13】増量補正係数と遅角量のデータとの関係を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…エンジン 2…吸気通路 3…エアクリーナ 5…スロットルチャンバ 6…スロットルバルブ 7…インテークマニホールド 8…燃料噴射弁 9…点火プラグ 11…エキゾーストマニホールド 12…排気通路 13…触媒装置 15…ディストリビュータ 16…イグナイタ 17…回転速度センサ 20…エアフロメータ 21…アイドルスイッチ 22…スロットルポジションセンサ 23…吸気温センサ 24…水温センサ 25…酸素濃度センサ 26…車速センサ 28…ノックセンサ 30…ECU 30a…CPU 30b…ROM 30c…RAM 30d…A/Dコンバータ 30e…入力処理回路 30f…出力処理回路 A…増量補正係数 B…先行増量係数 C…カウンタ D…遅角量 E…空燃比補正係数 N…エンジン回転数 Q…吸入空気量 S…最終点火時期 S0…基本点火時期 TAU…実燃料噴射量 TP…基本燃料噴射量 V…速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 368 F02P 5/15 D F02P 5/153 (56)参考文献 特開 昭63−138136(JP,A) 特開 昭63−80075(JP,A) 特開 平4−63946(JP,A) 実開 平1−95750(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/152 F02D 41/04 305 F02D 43/00 301 F02D 45/00 368 F02P 5/153

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出し、該運転状
    態が燃料噴射量の一時的な増量が必要となる所定状態に
    あると判断したとき、空燃比を所定期間後にリッチ側に
    制御する内燃機関の制御装置であって、該所定期間の始まりにおいて、 該所定期間の前後におけ
    るノッキングの発生頻度の違いを示すパラメータを求め
    る演算手段と、該所定期間の始まりにおいて求めた 該パラメータに基づ
    いて遅角量を算出し、前記所定期間中の点火時期を該遅
    角量だけ遅角側に制御する点火時期遅角制御手段とを備
    えた内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 ノッキングの発生頻度の違いを示すパラ
    メータが、前記制御の前後における空燃比の偏差である
    請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 ノッキングの発生頻度の違いを示すパラ
    メータが、前記制御の前後における予想されるノッキン
    グ頻度の偏差である請求項1記載の内燃機関の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記パラメータに基づき前記点火時期遅
    角制御手段が行なう遅角制御の最大値を所定の大きさに
    規制する遅角量規制手段を有する請求項1記載の内燃機
    関の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の内燃機関の制御
    装置であって、 内燃機関に発生するノッキングを検出するノッキング検
    出手段と、 前記点火時期遅角制御手段とは別に、該検出されたノッ
    キングの頻度に応じて、内燃機関の点火時期を制御する
    ノッキング制御手段とを備える内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の内燃機関の制御装置であ
    って、 前記ノッキング制御手段は、 前記所定期間の始まりにおいて、前記演算結果に基づき
    点火時期を、所定の速度で遅角側へ制御する第1の手段
    と、 前記期間の終わりにおいて、前記演算結果に基づき点火
    時期を、前記所定の速度より遅い速度で進角側に制御す
    る第2の手段とを備える内燃機関の制御装置。
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