JP3326892B2 - 酸化物磁性材料 - Google Patents
酸化物磁性材料Info
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Description
コイル用コアなどに使用される酸化物磁性材料に関し、
詳しくは、100MHz以上の高周波帯域における使用
に適し、かつ、温度特性に優れた酸化物磁性材料に関す
る。
チップコイルは、増幅回路や発振回路などに使用される
電子部品であり、映像機器、通信機器などの分野に広く
使用されている。特に、近年、これらの機器に使用され
る電子回路の高精度化及び高周波数化に伴い、100M
Hz以上の高周波帯域におけるQの高いチップコイルへ
の要求が大きくなっている。
は、組み合わせて用いられるコンデンサのCの温度係数
が−750〜0ppm/℃であることから、これを補償す
るために、Lの温度係数が0〜750ppm/℃のものが
要求されるに至っている。
の磁芯材料として、例えば、Ni−Mg−Cu−Bi系
フェライトにSiO2及びCo3O4を添加した磁器組成
物が見出され、高周波帯域で高いQを保ち、かつ、Lの
温度係数の小さいチップコイルが実用化されるに至って
いる。
ェライト材料をコアとして用いたチップコイルは、Lの
温度係数を0〜750ppm/℃に制御する目的でSiO2
を添加しているため、フェライトの初透磁率μiが低下
してしまい、高いインダクタンスを得ることができなく
なるという問題点がある。
インダクタンスを大きくする方法もあるが、あまり巻線
数を多くすると、導線による損失が増大してしまい、高
周波帯域で高いQを保つことができなくなるという問題
点がある。
域においても使用することが可能でかつ、Lの温度係数
が0〜750ppm/℃の範囲にあり、しかも10以上の
初透磁率μiを有する高周波用チップコイルの磁芯材料
に適したフェライト材料は得られていないのが実情であ
る。
あり、100MHz以上の高周波帯域において高いQを
保つとともに、Lの温度係数が0〜750ppm/℃の範
囲にあり、しかも10以上の初透磁率μiを有するチッ
プコイル用のコアを製造することが可能な酸化物磁性材
料を提供することを目的とする。
に、この発明の酸化物磁性材料は、Fe2O3,MgO,
CuO,Bi2O3,及びNiOを、その含有率がそれぞ
れ、 Fe2O3 : 45.0〜49.0mol% MgO : 3.0〜 9.0mol% CuO : 1.0〜 4.0mol% Bi2O3 : 2.0〜 5.0mol% NiO : 残部 となるような割合で含有する組成物に対して、添加物と
して、Nb2O5,及びCo3O4を、その含有率がそれぞ
れ、 Nb2O5 : 0.40〜1.50重量% Co3O4 : 0.05〜0.35重量% となるような割合で添加したことを特徴とする。
するところをさらに詳しく説明する。
合で、Nb2O5及びCo 3O4を添加し、900℃で2時
間仮焼した後、得られた仮焼体を玉石及び蒸留水ととも
にポリエチレン製ポットに入れて24時間混合粉砕し、
これに有機バインダーを加えてさらに2時間混合した
後、得られた混合物を乾燥した。
たものは、この発明の範囲外のものである。
で造粒した後、所定の形状に成型し、1050℃の温度
で2時間焼成してチップコイル用コアを作成した。
mmφの導線を5回巻き回し、−25〜85℃の温度範囲
で、このコイルのLの温度係数を測定した。Nb2O5添
加量とコイルのLの温度係数の関係を図1に示す(但
し、Co3O4添加量は0.10重量%一定)。また、フ
ェライト(コア)の初透磁率μiを表1にあわせて示
す。
コイルのLの温度係数は0〜750ppm/℃の範囲にあ
ることが好ましい。これに対して、図1に示すように、
Nb2O5添加量が0.40重量%未満の場合、温度係数
が750ppm/℃を上回っているが、Nb2O5添加量が
増えるにつれて温度係数が低下し、Nb2O5添加量が
0.40重量%を越えると温度係数が750ppm/℃以
下にまで低下する。一方、Nb2O5添加量が1.50重
量%を越えると温度係数が負になってしまう。したがっ
て、Nb2O5添加量は、0.40〜1.50重量%の範
囲にあることが好ましい。
g−Cu−Bi系フェライトにNb 2O5(及びCo
3O4)を添加することによる初透磁率μiの低下は僅か
であり、表1の範囲内では、初透磁率μiの値が10を
上回っていることがわかる。
合で、Nb2O5及びCo 3O4を添加し、900℃で2時
間仮焼した後、得られた仮焼体に玉石及び蒸留水ととも
にポリエチレン製ポットに入れて24時間混合粉砕し、
これに有機バインダーを加えてさらに2時間混合した
後、得られた混合物を乾燥した。
たものは、この発明の範囲外のものである。
で造粒した後、所定の形状に成型し、1050℃の温度
で2時間焼成してチップコイル用コアを作成した。
mmφの導線を5回巻き回し、インピーダンスアナライザ
により100MHzにおけるQを測定した。QとCo3
O4添加量との関係を図2に示す(但し、Nb2O5添加
量は0.60重量%一定)。
コイルのLの温度係数を測定した。Co3O4添加量とコ
イルのLの温度係数の関係を図3に示す(但し、Nb2
O5添加量は0.60重量%一定)。
コイルのQは100MHzにおいて100以上であるこ
とが好ましく、また、コイルのLの温度係数は0〜75
0ppm/℃の範囲にあることが好ましい。
O4を添加しない場合、Qが100を下回っているが、
Co3O4添加量が増えるにつれてQが大きくなり、Co
3O4添加量が0.05重量%を越えるとQが100以上
になる。
しなくてもLの温度係数は負にはならず、また、Co3
O4添加量が増えるとLの温度係数が大きくなり、Co3
O4添加量が0.35重量%を越えるとLの温度係数が
750ppm/℃を上回ってしまう。したがって、Co3O
4添加量は、0.05〜0.35重量%の範囲にあるこ
とが好ましい。
g−Cu−Bi系フェライトにCo 3O4(及びNb
2O5)を添加することによる初透磁率μiの低下は僅か
であり、表2の範囲内では、初透磁率μiの値が10を
上回っていることがわかる。
料は、Fe2O3,MgO,CuO,Bi2O3,及びNi
Oを、上記の所定の割合で含有する組成物に対して、添
加物として、Nb2O5,及びCo3O4を、その含有率が
それぞれ、Nb2O5:0.40〜1.50重量%、Co
3O4:0.05〜0.35重量%となるような割合で添
加しているので、高周波帯域における損失が少なく、か
つ、温度特性に優れた酸化物磁性材料を得ることが可能
になり、これを高周波チップコイル用コア材料として用
いることにより、高周波帯域において高いQを保つとと
もに、Lの温度係数が0〜750ppm/℃の範囲にあ
り、しかも初透磁率が10以上のチップコイル用のコア
を製造することができるようになり、チップコイルの高
性能化を実現することが可能になる。
線図である。
関係を示す線図である。
線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2O3,MgO,CuO,Bi2O3,
及びNiOを、その含有率がそれぞれ、 Fe2O3 : 45.0〜49.0mol% MgO : 3.0〜 9.0mol% CuO : 1.0〜 4.0mol% Bi2O3 : 2.0〜 5.0mol% NiO : 残部 となるような割合で含有する組成物に対して、 添加物として、Nb2O5,及びCo3O4を、その含有率
がそれぞれ、 Nb2O5 : 0.40〜1.50重量% Co3O4 : 0.05〜0.35重量% となるような割合で添加したことを特徴とする酸化物磁
性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20901693A JP3326892B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20901693A JP3326892B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 酸化物磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0745418A JPH0745418A (ja) | 1995-02-14 |
JP3326892B2 true JP3326892B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=16565878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20901693A Expired - Fee Related JP3326892B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3326892B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-29 JP JP20901693A patent/JP3326892B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0745418A (ja) | 1995-02-14 |
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