JP2718276B2 - 酸化物磁性材料 - Google Patents

酸化物磁性材料

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JP2718276B2
JP2718276B2 JP3043458A JP4345891A JP2718276B2 JP 2718276 B2 JP2718276 B2 JP 2718276B2 JP 3043458 A JP3043458 A JP 3043458A JP 4345891 A JP4345891 A JP 4345891A JP 2718276 B2 JP2718276 B2 JP 2718276B2
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千晴 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大きな初透磁率(μi
を持ち、かつ、初透磁率の温度係数(αμir)の小さい
酸化物磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−亜鉛−銅系フェライトはニッ
ケル−亜鉛系フェライトと比較して、より低い温度で焼
結ができ、かつ、高い初透磁率を有し、損失係数の極め
て少ない材料であり、高周波磁芯用の材料として広く利
用されている。特に、低温で焼結する必要がある積層チ
ップインダクター用に使われている。
【0003】このニッケル−亜鉛−銅系フェライトとし
ては、例えば、特公昭51−48275号公報に記載の
ものが代表的なものとして挙げられる。このニッケル−
亜鉛−銅系フェライトは、Fe2346.0〜49.0
モル%、ZnO20.0〜27.0モル%、CuO5.
0〜 7.0モル%、NiO5.0〜8.0モル%、M
gO10〜15モル%からなる組成に、Cr230.3
〜2.5重量%、V250.1〜0.6重量%を複合添
加したものであり、1050℃焼成で初透磁率(μi)=
395、20〜60℃での初透磁率の温度係数(α
μir)=1.3ppm/℃の低温度係数を実現してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでのLCおよび
LR回路用インダクタンス素子の特性としては、高周波
数帯での低損失と小さな温度係数が要求され、その材料
の初透磁率自体はそれほど高い値は望まれていなかっ
た。ところが近年、インダクタンス素子の小型化に伴
い、高い初透磁率を持つ材料が要求されるようになって
きた。
【0005】しかしながら、前記公報記載のものに代表
されるような従来のニッケル−亜鉛−銅系フェライト
は、添加物の効果により、初透磁率の温度係数を小さく
すると、初透磁率が減少するという傾向があり、その結
果、高透磁率と小さな温度係数を合わせ持つことは困難
であった。
【0006】従って、本発明は、高透磁率と小さな温度
係数を同時に実現できる酸化物磁性材料を得、もって、
LCおよびLR回路用インダクタンス素子の小型、高性
能化を図ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、ニッケル−亜鉛−銅系フェラ
イトを主成分とし、これに副成分としてTa25を0.
3重量%以上、1.2重量%以下含有させることによ
り、初透磁率を低下させることなく、初透磁率の温度係
数を改善するようにしたものである。
【0007】ニッケル−亜鉛−銅系フェライトに副成分
として含有させるTa25の量を0.3重量%以上、
1.2重量%以下としたのは、Ta25が0.3重量%
未満では、初透磁率の温度係数(αμir)を小さくする
効果が少なく、αμirが1.5ppm/℃ を上回って
しまうからである。また、Ta25の含有量が1.2重
量%を越えると、同様にαμirが 1.5ppm/℃ を
上回ってしまうからである。
【0008】主成分であるニッケル−亜鉛−銅系フェラ
イトとしては、鉄(Fe23)が46.0〜49.0モ
ル%、ニッケル(NiO)が10.0〜17.5モル
%、亜鉛(ZnO)が25.5〜33.0モル%、銅
(CuO)が残部からなるものが用いられる。この他に
主成分にマグネシウム(MgO)を5.0モル%以下存
在させてもよい。
【0009】ここで、主成分であるニッケル−亜鉛−銅
系フェライトを上記した範囲に限定した理由は、いずれ
もこの範囲を外れると、初透磁率の温度係数(αμir
を小さくする効果が少ないからである。また、主成分に
マグネシウム(MgO)を含有させる場合においても、
前記範囲を外れると初透磁率の温度係数(αμir)を小
さくする効果が少なくなる。
【0010】
【作用】本発明によれば、ニッケル−亜鉛−銅系フェラ
イトに、副成分としてTa25を0.3重量%以上、
1.2重量%以下含有させることにより、500以上の
高い初透磁率(μi)と、1.5ppm/℃以下の初透
磁率の温度係数(αμir)が得られる。
【0011】以下、本発明の実施例を説明する。
【0012】
【実施例】(実施例1)最終組成比がFe2348.0
モル%、NiO14.0モル%、ZnO30.0モル
%、CuO80.モル%になるように合成した共沈フェ
ライト乾燥粉末を600℃で1時間仮焼した。この仮焼
原料にTa25を表1に示す割合で加え、ポリエチレン
製ポットに玉石および蒸留水と共に投入し24時間混合
粉砕した。さらに粉砕原料に有機バインダーを加えて2
時間混合し、その後この混合物を乾燥した。これを80
メッシュの網を通して造粒し、成形圧力1.7トン/c
2で、外径36mm、内径24mm、厚さ6mmのリ
ング状に成形した。この成形体を900℃で2時間焼成
した。得られたリング状フェライトに銅線を50回巻
き、+20℃における初透磁率および−25〜+85℃
の温度範囲における初透磁率を測定し、初透磁率の温度
係数(αμir)を求めた。その結果を表1および図1に
示す。表1中、*印はこの発明の範囲外のものである。
また、初透磁率の温度係数は、式:αμir=Δμi/μi
2・1/ΔTで与えられる。式中、Δμiは温度範囲−2
5〜+85℃におけるμiの変化量、μiは20℃におけ
る初透磁率の値、ΔTは−25〜+85℃の温度幅であ
る110℃である。
【0013】
【表1】
【0014】図1から明らかなように、Ta25
の含有量が0.3重量%未満ではαμirを小さくする効
果が十分に得られず、αμirが1.5ppm/℃ を上
回り、また、Ta25の含有量が1.2重量%を超える
と、同様にαμirが1.5ppm/℃を上回ってしま
う。
【0015】また、各フェライトについての20℃にお
ける初透磁率を示す表1から明らかなように、ニッケル
−亜鉛−銅系フェライトにTa25を添加することによ
り初透磁率はほとんど低下せず、初透磁率の値は500
を上回っている。従って、LCおよびLR回路用インダ
クタンス素子を構成する場合、初透磁率の温度係数は
1.5ppm/℃以下であることが望ましく、また、初
透磁率は500以上であることが望ましいことから、こ
れらの要件を満たすためには、Ta25の含有量を0.
3重量%以上、1.2重量%以下にするのが好適である
ことが判る。
【0016】(実施例2)主成分の最終組成比が表2に
示す割合になるように合成した共沈フェライト乾燥粉末
を600℃で1時間仮焼した。この仮焼原料に副成分で
あるTa25を0.5重量%加え、後は実施例1と同様
に処理して試料を作成した。得られた試料について+2
0℃における初透磁率と−25〜+85℃の温度範囲に
おける初透磁率を測定し、初透磁率の温度係数(α
μir)を求めた。その結果を表2に示す。なお、表2中
*印はこの発明範囲外のものである。
【0017】
【表2】 試料 Fe2O3 NiO ZnO CuO Ta2O5 μi αμir 番号 モル% モル% モル% モル% wt% 12* 48.0 13.0 33.8 5.2 0.5 808 -1.3×10-6 13 48.0 13.0 31.2 7.8 0.5 705 1.5×10-6 14 48.0 15.6 31.2 5.2 0.5 660 2.9×10-6 15* 48.0 13.0 28.6 10.4 0.5 423 4.2×10-6 16 48.0 15.6 28.6 7.8 0.5 507 1.0×10-6 17* 48.0 18.2 28.6 5.2 0.5 310 4.5×10-6 18* 45.0 16.5 33.0 5.5 0.5 321 12.2×10-6 19* 50.0 15.0 30.0 5.0 0.5 32 -5.2×10-6
【0018】表2から明らかなように、ニッケル−亜鉛
−銅系フェライトの各組成についてTa25を添加する
ことにより、初透磁率を下げることなく初透磁率の温度
特性を小さくすることが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、ニッケル−亜鉛−銅系フェライトに副成分
としてTa25を含有させることにより、高い初透磁率
と小さい温度係数を有する材料が得られ、従って、LC
およびLR回路用インダクタンス素子の磁性材料として
用いることにより、インダクタンス素子の小型化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るニッケル−亜鉛−銅系フェライ
トに於けるTa25の含有量と初透磁率の温度係数との
関係を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル−亜鉛−銅系フェライトを主成
    分とし、これに副成分としてTa25を0.3重量%以
    上、1.2重量%以下含有していることを特徴とする酸
    化物磁性材料。
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JPH04280405A JPH04280405A (ja) 1992-10-06
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