JP2718276B2 - 酸化物磁性材料 - Google Patents
酸化物磁性材料Info
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Description
を持ち、かつ、初透磁率の温度係数(αμir)の小さい
酸化物磁性材料に関するものである。
ケル−亜鉛系フェライトと比較して、より低い温度で焼
結ができ、かつ、高い初透磁率を有し、損失係数の極め
て少ない材料であり、高周波磁芯用の材料として広く利
用されている。特に、低温で焼結する必要がある積層チ
ップインダクター用に使われている。
ては、例えば、特公昭51−48275号公報に記載の
ものが代表的なものとして挙げられる。このニッケル−
亜鉛−銅系フェライトは、Fe2O346.0〜49.0
モル%、ZnO20.0〜27.0モル%、CuO5.
0〜 7.0モル%、NiO5.0〜8.0モル%、M
gO10〜15モル%からなる組成に、Cr2O30.3
〜2.5重量%、V2O50.1〜0.6重量%を複合添
加したものであり、1050℃焼成で初透磁率(μi)=
395、20〜60℃での初透磁率の温度係数(α
μir)=1.3ppm/℃の低温度係数を実現してい
る。
LR回路用インダクタンス素子の特性としては、高周波
数帯での低損失と小さな温度係数が要求され、その材料
の初透磁率自体はそれほど高い値は望まれていなかっ
た。ところが近年、インダクタンス素子の小型化に伴
い、高い初透磁率を持つ材料が要求されるようになって
きた。
されるような従来のニッケル−亜鉛−銅系フェライト
は、添加物の効果により、初透磁率の温度係数を小さく
すると、初透磁率が減少するという傾向があり、その結
果、高透磁率と小さな温度係数を合わせ持つことは困難
であった。
係数を同時に実現できる酸化物磁性材料を得、もって、
LCおよびLR回路用インダクタンス素子の小型、高性
能化を図ることを課題とするものである。
決するための手段として、ニッケル−亜鉛−銅系フェラ
イトを主成分とし、これに副成分としてTa2O5を0.
3重量%以上、1.2重量%以下含有させることによ
り、初透磁率を低下させることなく、初透磁率の温度係
数を改善するようにしたものである。
として含有させるTa2O5の量を0.3重量%以上、
1.2重量%以下としたのは、Ta2O5が0.3重量%
未満では、初透磁率の温度係数(αμir)を小さくする
効果が少なく、αμirが1.5ppm/℃ を上回って
しまうからである。また、Ta2O5の含有量が1.2重
量%を越えると、同様にαμirが 1.5ppm/℃ を
上回ってしまうからである。
イトとしては、鉄(Fe2O3)が46.0〜49.0モ
ル%、ニッケル(NiO)が10.0〜17.5モル
%、亜鉛(ZnO)が25.5〜33.0モル%、銅
(CuO)が残部からなるものが用いられる。この他に
主成分にマグネシウム(MgO)を5.0モル%以下存
在させてもよい。
系フェライトを上記した範囲に限定した理由は、いずれ
もこの範囲を外れると、初透磁率の温度係数(αμir)
を小さくする効果が少ないからである。また、主成分に
マグネシウム(MgO)を含有させる場合においても、
前記範囲を外れると初透磁率の温度係数(αμir)を小
さくする効果が少なくなる。
イトに、副成分としてTa2O5を0.3重量%以上、
1.2重量%以下含有させることにより、500以上の
高い初透磁率(μi)と、1.5ppm/℃以下の初透
磁率の温度係数(αμir)が得られる。
モル%、NiO14.0モル%、ZnO30.0モル
%、CuO80.モル%になるように合成した共沈フェ
ライト乾燥粉末を600℃で1時間仮焼した。この仮焼
原料にTa2O5を表1に示す割合で加え、ポリエチレン
製ポットに玉石および蒸留水と共に投入し24時間混合
粉砕した。さらに粉砕原料に有機バインダーを加えて2
時間混合し、その後この混合物を乾燥した。これを80
メッシュの網を通して造粒し、成形圧力1.7トン/c
m2で、外径36mm、内径24mm、厚さ6mmのリ
ング状に成形した。この成形体を900℃で2時間焼成
した。得られたリング状フェライトに銅線を50回巻
き、+20℃における初透磁率および−25〜+85℃
の温度範囲における初透磁率を測定し、初透磁率の温度
係数(αμir)を求めた。その結果を表1および図1に
示す。表1中、*印はこの発明の範囲外のものである。
また、初透磁率の温度係数は、式:αμir=Δμi/μi
2・1/ΔTで与えられる。式中、Δμiは温度範囲−2
5〜+85℃におけるμiの変化量、μiは20℃におけ
る初透磁率の値、ΔTは−25〜+85℃の温度幅であ
る110℃である。
の含有量が0.3重量%未満ではαμirを小さくする効
果が十分に得られず、αμirが1.5ppm/℃ を上
回り、また、Ta2O5の含有量が1.2重量%を超える
と、同様にαμirが1.5ppm/℃を上回ってしま
う。
ける初透磁率を示す表1から明らかなように、ニッケル
−亜鉛−銅系フェライトにTa2O5を添加することによ
り初透磁率はほとんど低下せず、初透磁率の値は500
を上回っている。従って、LCおよびLR回路用インダ
クタンス素子を構成する場合、初透磁率の温度係数は
1.5ppm/℃以下であることが望ましく、また、初
透磁率は500以上であることが望ましいことから、こ
れらの要件を満たすためには、Ta2O5の含有量を0.
3重量%以上、1.2重量%以下にするのが好適である
ことが判る。
示す割合になるように合成した共沈フェライト乾燥粉末
を600℃で1時間仮焼した。この仮焼原料に副成分で
あるTa2O5を0.5重量%加え、後は実施例1と同様
に処理して試料を作成した。得られた試料について+2
0℃における初透磁率と−25〜+85℃の温度範囲に
おける初透磁率を測定し、初透磁率の温度係数(α
μir)を求めた。その結果を表2に示す。なお、表2中
*印はこの発明範囲外のものである。
−銅系フェライトの各組成についてTa2O5を添加する
ことにより、初透磁率を下げることなく初透磁率の温度
特性を小さくすることが可能である。
明によれば、ニッケル−亜鉛−銅系フェライトに副成分
としてTa2O5を含有させることにより、高い初透磁率
と小さい温度係数を有する材料が得られ、従って、LC
およびLR回路用インダクタンス素子の磁性材料として
用いることにより、インダクタンス素子の小型化を図る
ことができる。
トに於けるTa2O5の含有量と初透磁率の温度係数との
関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ニッケル−亜鉛−銅系フェライトを主成
分とし、これに副成分としてTa2O5を0.3重量%以
上、1.2重量%以下含有していることを特徴とする酸
化物磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3043458A JP2718276B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3043458A JP2718276B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 酸化物磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04280405A JPH04280405A (ja) | 1992-10-06 |
JP2718276B2 true JP2718276B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=12664263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3043458A Expired - Lifetime JP2718276B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2718276B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-08 JP JP3043458A patent/JP2718276B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04280405A (ja) | 1992-10-06 |
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