JP3324317B2 - 逆導通型半導体スイッチング装置 - Google Patents

逆導通型半導体スイッチング装置

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JP3324317B2
JP3324317B2 JP01221095A JP1221095A JP3324317B2 JP 3324317 B2 JP3324317 B2 JP 3324317B2 JP 01221095 A JP01221095 A JP 01221095A JP 1221095 A JP1221095 A JP 1221095A JP 3324317 B2 JP3324317 B2 JP 3324317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆導通型ゲートターンオ
フサイリスタ等の逆導通型半導体スイッチング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ゲートターンオフサイリスタ(以下GT
Oと称する)は、自己消弧素子として広く電力変換装置
等に使用されている。この応用としては、電圧形インバ
ータのように逆並列にダイオードを接続して使用する場
合が多い。これら装置の小形化・低コスト化の為に、G
TOとこの逆並列ダイオードが一体となった逆導通型G
TOが開発されている。
【0003】図12に逆導通型GTOの断面構造の一例
を示す。GTO部1とダイオード部2とが分離部3で分
離されて同一ウエハ上で逆並列の層構成に形成される。
GTO部1はPエミッタ層PEとNベース層NBとPベー
ス層PBと分割Nエミッタ層NEの4層3接合から、ダイ
オード部2はN+,NB -のN層とPB,P+のP層との1
接合から形成されていて、アノード電極4が共通で、カ
ソード電極5Gと5Dは導体接続されていて、ゲート電
極6は配線接続されている。7はパッシベーションゴム
等の表面保護剤である。ちなみにアノード電極4は熱緩
衝板を合金することにより形成されている。この構造の
逆導通型GTOは、回路図では図13に示すようにGT
O:THとダイオードDが逆並列接続されGTO:TH
のゲートと共通のカソードK間が分離部3の分離抵抗R
で短絡される。この分離部3の分離抵抗RはPベース層
Bに溝を掘り込むことで該層PBのシート抵抗として形
成される。
【0004】逆導通GTOのターンオフ動作は、ゲート
GとカソードK間に逆電圧を印加することで行われる
が、このとき分離抵抗Rが十分に大きくないとゲート・
カソード間で大きな電流が流れてしまう。このため、分
離抵抗Rはその電流IRによってI2 R・R電力損失によ
り発熱を起こし、この発熱が素子劣化や破壊を招いた
り、GTO部のしゃ断能力を低下させてしまう。
【0005】また、ゲート回路電源にはオン・オフ動作
に寄与しない分離抵抗Rに流すむだな電流分も供給でき
る容量を必要とする。
【0006】一方、ダイオード部2に負荷電流が流れる
状態でGTO部1に順方向に電圧が印加されるとき、例
えば逆導通型GTOを電圧形インバータのスイッチ素子
として使用するとき、ダイオード部2にそれまで蓄積さ
れたキャリアが分離抵抗Rを通してGTO部1へ流れ込
み、このキャリアの流れがゲート電流として作用するこ
とでGTO部1を誤点弧させることがある。
【0007】以上のような問題点から、分離抵抗Rは抵
抗値を高くすることが望まれるが、このためには分離部
3の溝幅を広くするか、又は溝を深くすることが考えら
れるが、前者は素子の面積利用率を低下させるし、後者
は溝を深くしすぎるとGTO部1のオフ耐圧及びダイオ
ード部2の逆耐圧を下げる問題が残る。この問題を解決
する為に実願昭63−92792号(実開平2−157
48号)でベベル構造による分離方法が提案されてい
る。この方法は、図14に示すように、GTO部1とダ
イオード部2との境界に夫々ベベル構造になる溝を掘り
込み、この溝に表面保護材9を充填した分離部3によ
り、GTO部1とダイオード部2の完全な分離を得るこ
とができる。
【0008】さらにこの方法を、Si半導体部分のアノ
ード領域に電極として熱緩衝板をロー付けしないいわゆ
るアロイフリーGTOに適用したものが、特願平2−1
94324(特開平4−79374号)で示されてい
る。この方法を図15に示し、説明する。Pエミッタ層
E,アノードショート層N+,Nベース層NB -,Pベー
ス層PB,Nエミッタ一層NEからなるGTOの半導体部
分にアルミニウム蒸着等によりアノード電極4G,カソ
ード電極5G,ゲート電極6が形成され、ベベルにより
切り出された後、絶縁支持台11および12を用いてパ
ッシベーションゴムでベベル面を保護してGTO部1が
形成されている。一方、N+層,N-層,P層,P+層か
らなるダイオードの半導体部分にアルミニウム蒸着等に
よりアノード電極4G,カソード電極5Dが形成され、ベ
ベルにより切り出された後、絶縁支持台10を用いてパ
ッシベーションゴムでベベル面を保護してダイオード部
2が形成されている。この方法ではGTO部とダイオー
ド部を完全に分離して構成したことから、一枚のウエハ
にGTO部とダイオード部を同時に作る必要がないとい
う利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図15の構造の問題点
は、分離部の幅が前述のものに比べて広くとる必要があ
るため、素子の有効動作面積が小さいということであ
る。この理由は一つは、分離部でGTO部とダイオード
部をそれぞれ独立に端部処理するためにかさばってしま
うということである。さらに加えて、加工時の精度のた
めに、GTO部とダイオード部を圧接した際に絶縁支持
台10および11がお互いに不均一な応力を発生するよ
うな接触をすることを防ぐために、絶縁支持台10およ
び11の間に間隙を設ける必要があるからである。
【0010】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は分離部の幅を狭くして素子の有効動作
面積を大きくした逆導通型半導体スイッチング素子を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】上記目的を達成す
るために、本発明の逆導通型半導体スイッチング素子
は、素子平形ケースの中央部と周辺部にゲートターンオ
フサイリスタ部からなる半導体素子とダイオード部から
なる半導体素子を逆並列に配置し、これらのゲートター
ンオフサイリスタ部とダイオード部の各主電極は熱緩衝
板の合金によって形成されない構造であり、かつ前記ゲ
ートターンオフサイリスタ部とダイオード部は分離手段
によって機械的に分離された逆導通型半導体スイッチン
グ装置であって、前記分離手段を、前記素子平型ケース
内で、前記ゲートターンオフサイリスタ部とダイオード
部の各主電極の圧接される面が同一平面にならないよう
に、前記各主電極に圧接される圧接ポストの高さを異な
るように段差部を付けて構成したことを特徴とする。
【0012】また、それぞれの素子の端部に前記表面保
護材を介して接着される絶縁支持台の主電極側の側面
と、主電極に圧接される側面が圧接される圧接ポストの
側面とを接触させて位置決め手段を形成したことを特徴
とする。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図1〜図11を参照
しながら説明する。
【0014】図1は本発明の実施例による逆導通型半導
体スイッチング装置の正断面図、図2は要部拡大図を示
すもので、同図において1Aは中空円板状のゲートター
ンオフサイリスタ部(GTO部)、2Aはゲートターン
オフサイリスタ部1Aの中空部の下部に位置するダイオ
ード部である。12a,12bはゲートターンオフサイ
リスタ部1Aの両面に配置された中空円板状の熱緩衝板
であって、それぞれシリコンとほぼ熱膨張係数が等しい
材料からなる。12c,12dはダイオード部2Aの両
面に位置する円板状の熱緩衝板であって、それぞれシリ
コンとほぼ熱膨張係数が等しい材料からなる。13はG
TO部1Aのカソード電極とダイオード部2Aのアノー
ド電極に加圧接触させられる一方の主電極である銅ポス
ト(圧接ポスト)、14はGTO部1Aのアノード電極
とダイオード部2Aのカソード電極に加圧圧接される他
方の電極である銅ポスト(圧接ポスト)である。
【0015】また、図1において15はGTO部1Aを
支持する絶縁支持台、16はダイオード部2Aを支持す
る絶縁支持台、17はアルミニウム等の導電性材質から
なり、ゲート電極に圧接されるゲートポスト、18はパ
ッシベーションゴム、19はゲートポスト17に圧接ま
たは溶接され、シール部25を通して外部接続されるリ
ード線、20は皿ばね、21はセラミック等の材質から
なる絶縁筒体である。22は鉄・ニッケル合金等の材質
からなる中空円板状金属板で、銅ポスト13と溶接また
はろう付けされているとともに素子組立時に中空円板状
の金属板23に溶接またはろう付けされる。24は同じ
く中空状金属板で、鉄・ニッケル合金等の材質からな
り、絶縁筒体24および銅ポスト14と溶接またはろう
付けされている。
【0016】図1の逆導通型スイッチング半導体装置に
よれば、銅ポスト13および14に段差をつけることに
より、GTO部とダイオード部が異なる平面で圧接され
るようにしてある。このようにすることにより、図から
も明らかなようにGTO部とダイオード部の端面部がオ
ーバーラップしても同一平面にないので不都合は生じな
い。これにより従来の図15のような構造において必要
とされた非能動素子領域である分離部の幅を半減するこ
とができる。図1は内周部にダイオード部を配し外周部
にGTO部を配した例で、GTOの外部電極に接続され
るゲートポストはGTO部の外周側に圧接されている。
このゲート構造と本発明とは直接の関連はないので、ゲ
ートポストを内周側に配置したり、内周部にGTO部を
配置して本発明を適用することはもちろん容易に可能で
ある。この趣旨により本発明のポイントとなる部分のみ
を拡大した図が図2である。
【0017】すなわち、図2に示すように、銅ポスト1
3には段差を付けた円環状溝13aが設けられ、銅ポス
ト14に同じく段差を付けた円環状溝14aが設けられ
ている。これらの円環状溝13aと14aで形成される
スペース内に、GTO部1Aを支持する絶縁支持台15
と、ダイオード部2Aを支持する絶縁支持台16が段差
を持って配設されている。
【0018】絶縁支持台15は、筒状部15aと、中空
円板状の底部15bからなり、底部15bの内周端部に
は突起部15cが立設されている。また、絶縁支持台1
6も筒状部16aと、中空円板状の底部16bからな
り、底部16bの内周端部には突起部16cが立設され
ている。図2に示すように、シリコンウエハからなるG
TO部1Aおよびダイオード部2Aの銅ポスト14にた
いする位置決めは絶縁支持台16が銅ポスト14に接す
ることにより行われている。また、絶縁支持台には突起
が設けられていてパッシベーションゴム18が圧接部に
流出するのを防いでいる。絶縁支持台の材質は、絶縁性
に優れて使用温度での不純物の発生が無く、かつ安価な
耐熱性高分子材料であるポリフェニレンサルファイト
(略称PPS)が適している。
【0019】図3〜図11は本発明の種々なその他の実
施例を示すもので、以下、その他の実施例については、
要部拡大図で説明する。
【0020】(その他の実施例1):図3に示すよう
に、絶縁支持台15の筒状部15aの厚みを大きくし
て、絶縁支持台15が銅ポスト13にも接することによ
り銅ポスト13の位置決めがされている。これにより、
銅ポスト13と14が精密に位置だしされるため半導体
ペレット1A,2Aに均一な圧接力がかかる。
【0021】(その他の実施例2):図4に示す。銅ポ
スト13と14との間には数1000Vもの電圧が発生
する。例えば図3では、図中に示した放電パルス26に
より銅ポスト13と14との間で放電してしまうことが
ある。そこで、図4の例では絶縁支持台15の一部例え
ば底部15bに、放電パルスを横切るように延長部27
を設け、この延長部27により放電を発生しないように
したものである。
【0022】(その他の実施例3):図5に示すよう
に、GTO部1Aおよびダイオード部2Aは、それぞれ
別々のウエハから切り出して、ウエハーの端部がどうし
がオーバーラップするようにしたもので、つまりダイオ
ード部2Aの外周径よりGTO部1Aの内周径のほうが
より小さいようにしたものである。これによりさらに分
離部の幅を減少させることができ、素子の圧接(有効)
面積をより大きく取ることができる。
【0023】(その他の実施例4):図6に示すよう
に、銅ポスト13と14に径方向に向う凹部28,29
を設けたものである。すなわち、銅ポスト13および1
4に凹みを設けることで、分離部と圧接部の一部をオー
バーラップさせることにより、圧接部の面積をより大き
くとることができるようにしたものである。ただ、この
構造をとると素子の組立が幾何学的に難しいので、図の
例では銅ポストはそれぞれ破線の部分で分離できるよう
にしてある。
【0024】(その他の実施例5):図7と図8に示す
ように、絶縁支持台をもちいずに、ウエハ端部にトラン
スファーモールド31,32を成形して行う公知の方法
を本発明に実施したものである。各半導体部は図7や図
8のようにトランスファーモールド部の内周または外周
部を銅ポストに接することにより位置だしすることがで
きる。特に図8は、本発明のように段差のある銅ポスト
でのみ有効な位置きめ法である。
【0025】(その他の実施例6):図9に示すよう
に、絶縁支持台をもちいずに、ウエハ端部をウエハより
一回り大きい熱緩衝板12b,12dにパッシベーショ
ンゴムで接着する公知の方法を本発明に実施したもので
ある。各半導体部の位置きめは、本発明の段差のある銅
ポストを利用して、熱緩衝板12b,12dを異なる半
導体部に圧接される銅ポスト壁に接するようにすること
で行うことができる。
【0026】(その他の実施例7):図10に示すよう
に、ウエハ端部をウエハより一回り大きい熱緩衝板12
b,12dにパッシベーションゴム18で接着する公知
の方法を本発明に実施したものである。各半導体部の位
置きめは、各半導体部を接着する熱緩衝板に、図のよう
に銅ポスト2の壁に接するように突起部33,34を設
けることによって行うこともできる。
【0027】(その他の実施例8):図11に示すよう
に、ウエハ端部にはいわゆるガードリング(フィールド
リング)部35,36を設けて高耐圧素子化したもので
ある。特に、ドーナツ状の半導体部の内周側の端面にも
ガードリング部を形成して耐圧を出すようにした。ま
た、各半導体部の位置決めは、半導体部の端部を異なる
半導体部に圧接される銅ポスト壁に接するようにするこ
とで行うことができる。
【0028】以上の各実施例に鑑みて要約すると以下の
ようになる。
【0029】(1)素子の中央部と周辺部にゲートター
ンオフサイリスタ部とダイオード部を逆並列に配置した
逆導通型半導体スイッチング素子であって、ゲートター
ンオフサイリスタとダイオード部の主電極は熱緩衝板の
合金によって形成されないいわゆるアロイフリー構造で
あり、かつゲートターンオフサイリスタ部とダイオード
部とは完全に分離されていて、それぞれの素子部(ゲー
トターンオフサイリスタ部とダイオード部)のウエハ端
面は表面電界を緩和するようにいわゆるベベル加工がさ
れており、ベベル加工部は絶縁支持台によりパッシベー
ションゴムで保護されている構造の逆導通ゲートターン
オフサイリスタにおいて、図1に示すように、素子平形
ケース内で、ゲートターンオフサイリスタ部とダイオー
ド部が圧接される面が同一平面にならないように、主電
極に圧接される電極ポストの高さをそれぞれの素子部で
異なるようにして段差をつけた構造。
【0030】(2)上記(1)において、前記段差は少
なくとも、素子の端部および端部に形成された絶縁支持
台とパッシベーションゴムがゲートターンオフサイリス
タ部とダイオード部どうしで接触しないように設けるこ
と。
【0031】(3)上記(1)〜(2)において、それ
ぞれの素子の端部にパッシベーションゴムを介して接着
される絶縁支持台の主電極側の側面と、主電極に圧接さ
れる電極ポストの側面が接することにより、ゲートター
ンオフサイリスタ部とダイオード部が、一方の主電極面
に圧接される電極ポストに対して位置決めされること。
【0032】(4)上記(1)〜(3)において、前記
絶縁支持台の素子に接着する面に突起または溝を設ける
ことにより、パッシベーションゴムが主電極圧接面に流
出することを防止するようにすること。
【0033】(5)上記(1)〜(4)において、前記
絶縁支持台の材質はポリ・フェニレン・サルファイト
(PPS)を90%以上含有する耐熱性高分子材料から
なること。
【0034】(6)上記(1)〜(5)において、第3
図に示すように、一方の半導体素子に接着される絶縁支
持台の半導体素子に最も遠い側面が、他方の半導体素子
に圧接される電極ポスト壁に接するようにすることで他
方の主電極に圧接される電極ポストも同時に位置決めす
る。
【0035】(7)上記(1)〜(6)において、図4
に示すように、電極ポストに段差をつけたために生じる
カソード電極ポストとアノード電極ポストが対面する部
分を前記絶縁支持台の一部をのばして塞ぐようにしたこ
と。
【0036】(8)上記(1)〜(7)において、図5
に示すように、ゲートターンオフサイリスタ部とダイオ
ード部は別々のウエハから切り出し、内周部の半導体シ
リコン部の外径が外周ドーナツ状部の内径より大きくか
つ外周ドーナツ状部の圧接内径より小さくなるようにし
た構造。
【0037】(9)上記(8)において、図6に示すよ
うに、電極ポストの壁面に凹みをもたせることにより、
内周部の半導体シリコン部の外径をさらに外周ドーナツ
状部の圧接部内径より大きくなるようにした構造。
【0038】(10)上記(9)において、電極ポスト
の壁面の凹みは電極ポスト部のうち圧接部のみ別部品で
構成し、半導体部を凹みに組立たのち、圧接部別部品を
電極ポスト部に一体化させる。
【0039】(11)上記(1)において、図7に示す
ように、ベベル端部はトランファーモールド成形で保護
されていて、かつトランスファーモールドの半導体部主
電極側の側面と、主電極に圧接される電極ポストの側面
が接することにより、ゲートターンオフサイリスタ部と
ダイオード部が、一方の主電極面に圧接される電極ポス
トに対して位置決めされること。
【0040】(12)上記(11)において、図8に示
すように、一方の半導体素子に形成されるトランスファ
ーモールドの半導体素子に最も遠い側面が、他方の半導
体素子に圧接される電極ポスト壁に接するようにするこ
とで主電極に圧接される電極ポストに対して半導体素子
を位置決めする。
【0041】(13)上記(1)において、図9に示す
ように、ベベル端部はウエハより一回り大きい熱緩衝板
にパッシベーションゴムで接着されており、かつこの熱
緩衝板の外周側面または内周側面が他方の半導体素子に
圧接される電極ポスト壁に接するようにすることで主電
極に圧接される電極ポストに対して半導体素子を位置決
めする。
【0042】(14)上記(13)において、図10に
示すように、主電極に圧接される電極ポストの側面に接
するように前記熱緩衝板に突起を設けることにより主電
極に圧接される電極ポストに対して半導体素子を位置決
めする。
【0043】(15)上記(1)において、図11に示
すように、ウエハー端面の一部または全部にはベベル加
工のかわりに、ガードリング(フィールドリング)構造
が設けられている構造。
【0044】(16)上記(15)において、図11に
示すように、半導体端部の外周側面または内周側面が他
方の半導体素子に圧接される電極ポスト壁に接するよう
にすることで主電極に圧接される電極ポストに対して半
導体素子を位置決めする。
【0045】
【発明の効果】本発明は上述の如くであって、アロイフ
リー構造を採用した逆導通型半導体スイッチング装置に
おいて、以下のような効果が得られる。
【0046】(a)GTO部とダイオード部の分離部の
幅を従来の半分以下に減らすことができる。特にウエハ
ー端部をオーバーラップさせた場合はより狭い幅に減ら
すことができる。分離部は素子として非能動領域である
ので、狭くなった分だけ他の能動領域を増やすことがで
きるので、結果的に同じ素子径でより高性能の逆導通G
TOを作製することができる。
【0047】(b)GTO部とダイオード部を別々のウ
エハーから切り出すことができるので、各々で最適の設
計で作製したものどうしを組み合わせることができるの
で、高性能の逆導通GTOを作製することができる。
【0048】(c)GTO部とダイオード部を別々のウ
エハーから切り出すことができるので、歩溜まりが向上
して安価な逆導通GTOが作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による逆導通型半導体スイッチ
ング装置の断面模式図。
【図2】図1の逆導通型半導体スイッチング装置の要部
拡大図。
【図3】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図4】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図5】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図6】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図7】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図8】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図9】本発明のその他の実施例による逆導通型半導体
スイッチング装置の要部拡大図。
【図10】本発明のその他の実施例による逆導通型半導
体スイッチング装置の要部拡大図。
【図11】本発明のその他の実施例による逆導通型半導
体スイッチング装置の要部拡大図。
【図12】従来の逆導通型スイッチング半導体装置の断
面構造図。
【図13】逆導通型ゲートターンオフサイリスタの回路
図。
【図14】従来の逆導通型スイッチング半導体装置の断
面構造図。
【図15】従来の逆導通型スイッチング半導体装置の断
面構造図。
【符号の説明】
1A…GTO部 2A…ダイオード部 12a〜12d…熱緩衝板 13,14…銅ポスト(圧接ポスト) 15,16…絶縁支持台 17…ゲートポスト 18…パッシベーションゴム 19…ゲートリード 20…皿ばね 21…絶縁筒 27…延長部 28,29…凹部 31,32…トランスファーモールド 33,34…突起部 35,36…ガードリング形成部

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子平形ケースの中央部と周辺部にゲー
    トターンオフサイリスタ部からなる半導体素子とダイオ
    ード部からなる半導体素子を逆並列に配置し、これらの
    ゲートターンオフサイリスタ部とダイオード部の各主電
    極は熱緩衝板の合金によって形成されない構造であり、
    かつ前記ゲートターンオフサイリスタ部とダイオード部
    は分離手段によって機械的に分離された逆導通型半導体
    スイッチング装置であって、 前記分離手段を、前記素子平型ケース内で、前記ゲート
    ターンオフサイリスタ部とダイオード部の各主電極の圧
    接される面が同一平面にならないように、前記各主電極
    に圧接される圧接ポストの高さを異なるように段差部を
    付けて構成したことを特徴とする、逆導通型半導体スイ
    ッチング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の逆導通型半導体スイッチング
    装置において、前記段差を、少なくとも、前記ゲートタ
    ーンオフサイリスタ部からなる半導体素子とダイオード
    部半導体素子の各端部および該端部に設けられた絶縁支
    持台と表面保護材が接触しないように設けたことを特徴
    とする逆導通型半導体スイッチング装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の逆導通型半導体スイッチング
    装置において、それぞれの素子の端部に前記表面保護材
    を介して接着される絶縁支持台の主電極側の側面と、主
    電極に圧接される側面が圧接される圧接ポストの側面と
    を接触させて位置決め手段を形成したことを特徴とする
    逆導通型半導体スイッチング装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の逆導通型半導体スイッ
    チング装置において、前記絶縁支持台の前記素子と接着
    する面に突起部を設けて構成したことを特徴とする逆導
    通型半導体スイッチング装置。
  5. 【請求項5】 請求項2,3又は4の逆導通型半導体ス
    イッチング装置において、前記絶縁支持台の材質はポリ
    ・フェニレン・サルファイトであることを特徴とする逆
    導通型半導体スイッチング装置。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,4又は5の逆導通型半導
    体スイッチング装置において、前記位置決め手段が、一
    方の半導体素子に接着される絶縁支持台の半導体素子か
    ら最も遠い側面が、他方の半導体素子に圧接される圧接
    ポスト壁に接触させて他方の主電極も同時に位置決めす
    るように構成したことを特徴とする逆導通型半導体スイ
    ッチング装置。
  7. 【請求項7】 請求項2,3,4,5又は6の逆導通型
    半導体スイッチング装置において、前記絶縁支持台に、
    その底部から他方の半導体素子を支持する絶縁支持台の
    筒体部に沿って伸びる延長部を設けて構成したことを特
    徴とする逆導通型半導体スイッチング装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7の
    逆導通型半導体スイッチング装置において、ゲートター
    ンオフサイリスタ部とダイオード部は別々のウエハから
    切り出して成り、内周部の半導体素子の外径が、外周部
    の半導体素子の内径よりも大にして、かつ外周部円環状
    の圧接部内径よりも小さくなるように構成したことを特
    徴とする逆導通型半導体スイッチング装置。
  9. 【請求項9】 請求項8の逆導通型半導体スイッチング
    装置において、分離手段を、対向配置された各圧接ポス
    トに径方向の凹部を設けたことを特徴とする逆導通型半
    導体スイッチング装置。
  10. 【請求項10】 請求項1の逆導通型半導体スイッチン
    グ装置において、各半導体素子の端部にトランスファモ
    ールドを成形し、かつトランスファモールドの前記半導
    体素子の主電極側の側面と、主電極に圧接される圧接ポ
    ストに接触させて構成したことを特徴とする逆導通型半
    導体スイッチング装置。
  11. 【請求項11】 請求項1の逆導通型半導体スイッチン
    グ装置において、一方の半導体素子に形成されるトラン
    スファモールドの半導体素子に最も遠い側面が、他方の
    半導体素子に圧接される電極ポスト壁に接するようにす
    ることで主電極に圧接される電極ポストに対して半導体
    素子を位置決めすることを特徴とする逆導通型半導体ス
    イッチング装置。
  12. 【請求項12】 請求項1の逆導通型半導体スイッチン
    グ装置において、半導体素子のベベル端部はウエハより
    一回り大きい熱緩衝板にパッシベーションゴムで接着さ
    れており、かつこの熱緩衝板の外周側面または内周側面
    が他方の半導体素子に圧接される電極ポスト壁に接する
    ようにすることで主電極に圧接される電極ポストに対し
    て半導体素子を位置決めすることを特徴とする逆導通型
    半導体スイッチング装置。
  13. 【請求項13】 請求項1の逆導通型半導体スイッチン
    グ装置において、主電極に圧接される電極ポストの側面
    に接するように前記熱緩衝板に突起を設けることにより
    主電極に圧接される電極ポストに対して半導体素子を位
    置決めするように構成したことを特徴とする逆導通型半
    導体スイッチング装置。
  14. 【請求項14】 請求項1の逆導通型半導体スイッチン
    グ装置において、ウエハが側面の一部または全部にはベ
    ベル加工のかわりに、ガードリング(フィールドリン
    グ)構造が設けられていることを特徴とする逆導通型半
    導体スイッチング装置。
  15. 【請求項15】 請求項14の逆導通型半導体スイッチ
    ング装置において、半導体素子端部の外周側面または内
    周側面が他方の半導体素子に圧接される電極ポスト壁に
    接するようにすることで主電極に圧接される電極ポスト
    に対して半導体素子を位置決めするようにして構成した
    ことを特徴とする逆導通型半導体スイッチング装置。
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