JP3323028B2 - 自動溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

自動溶接装置及び溶接方法

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JP3323028B2
JP3323028B2 JP07542595A JP7542595A JP3323028B2 JP 3323028 B2 JP3323028 B2 JP 3323028B2 JP 07542595 A JP07542595 A JP 07542595A JP 7542595 A JP7542595 A JP 7542595A JP 3323028 B2 JP3323028 B2 JP 3323028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開先継手の溶接に係わ
り、特に、溶接線を横切って設けられた複数個の開先ブ
ロックによって固定されている開先継手において、溶接
ワークどうしの溶接を行なうのに好適な自動溶接装置及
び溶接方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電プラントや化学プラ
ントのような重要構造物の溶接においては、高品質で信
頼性の高い溶接構造が求められている。そして、開先継
手の寸法精度や溶接品質を確保するため、例えば、溶接
前には開先継手に対する立会い検査が行なわれ、また溶
接を実施した後にはその溶接結果に対する品質検査が行
なわれる。すなわち、万一溶接前の立会い検査におい
て、開先継手の寸法精度が不十分として不合格となった
場合には、溶接の実施許可が認められず、寸法精度を満
たすように開先継手の施工を再び改めなければならな
い。溶接前に立会い検査を必要とするような溶接ワーク
に対しては、その開先継手の形状や寸法精度が検分でき
るように、溶接線を横切って取付けた複数個の開先ブロ
ックによって開先継手の溶接ワークが位置決め固定され
る。
【0003】このような開先ブロックで固定した開先継
手の一例として、円管の円周開先継手を図22(a)〜
(c)に示す。図22(a)において、固定円管(パイ
プ)の溶接ワーク501aと501bとの間に形成され
た開先継手502の周方向の溶接線上に、数個(例えば
4箇所)の開先ブロック503が設けられている。ま
た、この開先ブロック503の設置箇所であるA−A断
面を図22(b)に、開先ブロック503の未設置箇所
であるB−B断面を図22(c)にそれぞれ示す。図2
2(b)に示されるように、左右の溶接ワーク501
a,501bと開先ブロック503は、溶接504によ
って固定されている。
【0004】なお、図22(a)に示した固定円管の円
周開先継手の変形例として、例えば図23に示すような
インサートリング505を設けた開先継手512を使用
することもある。
【0005】以上、例を挙げて説明したように、溶接線
を横切って取付けた開先ブロックで固定された開先継手
においても、溶接前に立会い検査を受けなければならな
い場合がある。この立会い検査に合格して始めて、溶接
の実施許可が認可されることになる。
【0006】通常、開先継手の溶接は、多層多パス溶接
を行なわなければならず、しかも、裏側まで完全溶け込
みの高品質な溶接結果が要求されることから高度な溶接
技術が必要となる。 (1)手動溶接 上記背景のもと、前述した開先ブロック付きの開先継手
の溶接方法として、従来、高度な溶接技能を有する熟練
溶接作業者によって手動操作の溶接が行われていた。こ
の時の溶接法は、主としてTIG(タングステン イナ
ート ガス)アーク溶接法が用いられ、例えば、手動式
の溶接トーチの電極と溶接母材との間に発生させたアー
クの中に溶加材(溶接ワイヤ)を送り溶融させながら溶
接を行なうものである。
【0007】このとき特に、溶接線を横切るように複数
箇所に開先ブロックが設置されていることから、まず、
開先ブロックが設置されていない箇所の初層溶接を、断
続的に分割溶接(この分割数は開先ブロックの設置個数
と等しくなる)する形で行うことになる。このとき、裏
側まで完全に溶融させながら均一な裏波ビードが形成す
るようにしなければならない。上記開先ブロック未設置
箇所の断続的な分割溶接を終えると、開先ブロックを除
去し、分割されている残りの未溶接部の溶接を含む全体
の初層溶接を、先の分割溶接によるビードと接続させる
形で行う。この接続溶接では、均一な裏波ビードを形成
させるために、前のビードと溶接中のビードとの重ね合
わせの溶接処理に注意深い高度な施工技術が必要であ
る。
【0008】このようにして初層溶接を終了した後、さ
らに、この開先継手を溶融金属で埋めるための次層から
最終層までの多層多パス溶接を順次実施する。すなわ
ち、溶接作業者が溶接トーチを手動操作してTIG溶接
を行っていく。この時の溶接動作では、アーク中に溶加
材を送ると同時に、溶接トーチを巧みに揺動(ウィービ
ング動作)させながら溶接ビードを形成させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら手動溶接作業は悪環境下の労働であると言われてお
り、特に、多層多パス溶接は、長時間にわたる過酷な作
業にならざるを得ない。そして、上述したように溶接線
を横切るように開先ブロックが設置されている開先継手
に対し、熟練溶接作業者による溶接トーチの手動操作に
よって溶接を行なうと、担当する作業者の技能・体調が
溶接結果に及ぼす影響が大きく、常に健全で良好な溶接
品質を確保することが難しい。さらに、熟練作業者の高
齢化や溶接継承者の不足によって、将来、熟練溶接作業
者の確保が困難になることが予想されている。したがっ
て、溶接の自動化及び高度化を図ることが強く要求され
ている。
【0010】(2)汎用自動溶接装置 そこで、上記の自動化への要望に応じる形で汎用の自動
溶接装置が開発され、実用化されている。すなわち、溶
接トーチを備えた溶接ヘッドが台車上に設けられ、これ
らの動作を作業者がスイッチ等によって遠隔操作するこ
とで溶接を行うものである。このような汎用自動溶接装
置を用いる場合には、開先ブロック設置中における分割
溶接及び開先ブロック除去直後における接続溶接を含む
初層溶接と、その後の数パス溶接とは、上記(1)の熟
練溶接作業者による手動溶接で行い、これより後の多層
多パス溶接のみこの自動溶接装置を取り付けて行うこと
になる。多層多パス溶接時には、自動溶接装置を所定の
位置にセットした後、熟練溶接作業者が、溶接状態を常
時監視しながら溶接位置や溶接条件の修正動作を手動操
作で行ない、溶接トーチ及び溶接ワイヤを揺動させなが
ら溶接作業を順次実施する。
【0011】(3)手動操作不要の自動溶接装置 ここにおいて、上記(2)の汎用自動溶接装置において
は、溶接作業者による手動操作が依然として必要であ
る。すなわち、溶接中において、溶接位置・溶接条件の
自動設定機能・自動補正機能を持っていないことから、
溶接作業者が溶接パス毎にその溶接状況を常時監視し、
手動操作によって頻繁に溶接位置の修正や溶接条件の設
定・変更等を行なわなければならない。そこで、さらに
自動化を進め、基本的に溶接中における監視・手動操作
を不要とする自動溶接装置が提唱されており、これに関
する公知技術として、例えば、以下のものがある。 特公平4−59993号公報 この公知技術は、溶接線と直角方向に揺動させた光学式
距離センサから得られる開先検出の情報をもとに、トー
チ狙い位置の補正や溶接条件補正を演算決定し、円筒継
手の多層振り分け溶接を行うものである。 特公平3−75268号公報 この公知技術は、アーク光を含む溶接部の映像をテレビ
カメラで撮像し、その輝度分布から相対位置を演算し
て、トーチ位置の補正制御を行うものである。 特公平2−54188号公報 この公知技術は、上進姿勢となる両溶接方向に振り分け
て溶接線を教示した後、その教示データの再生によって
溶接の実行制御を行うものである。
【0012】ここにおいて、上記公知技術〜による
自動溶接装置を、開先ブロック付きの固定円管の円周開
先継手に適用しようとした場合、以下の問題点が存在す
る。すなわち、公知技術による自動溶接装置において
は、アーク光の溶接部がフラックスで覆われる潜弧溶接
(サブマージドアーク溶接)によって多層多パス溶接を
行うものである。この潜弧溶接は、電極が溶加材を兼ね
ることやフラックスを用いることから、溶接姿勢によっ
ては溶融金属やフラックスが流動する恐れがあり、また
大形の溶接設備になりやすい。したがって、溶接制御ヘ
ッド自体を固定管の外周に設置して全姿勢溶接を行う固
定円管の円周開先継手の溶接に対しては、適用すること
が困難である。また、固定円管の円周開先継手の溶接に
おいては、通常、アーク光が散乱するアーク溶接(TI
G溶接・プラズマ溶接等)が採用されので、この場合、
そのアーク光が光学式距離センサの検出結果に多大な悪
影響を及ぼし、事実上検出が不可能となる。さらに、こ
こでは光学式距離センサを溶接線と直角方向に揺動させ
ているので、その揺動機構が必要で複雑になりやすい上
に、溶接速度の大小によって開先断面形状が変化しやす
い。
【0013】さらに、公知技術による自動溶接装置に
おいては、アークが発生している間はそのアーク光の輝
度分布を利用してテレビカメラによる撮像が可能である
が、アーク消去時には画像が見えなくなる。すなわち、
開先ブロック付きの固定円管の円周開先継手の場合、前
述したように、開先ブロック設置中における分割溶接を
自動で行うとすれば分割溶接に先立って開先ブロックの
位置を検出する必要があるが、この場合の位置検出が不
可能である。逆に、テレビカメラ側の輝度分布設定をこ
の位置検出が可能なように調整したとすると、こんどは
溶接時における開先情報検出が不可能となる。つまり、
非溶接時における障害物位置検出と溶接時における開先
情報検出とを同時に可能とすることができず、すべての
溶接作業の完全自動化を図ることができない。また、ア
ーク光の赤外線領域の輝度分布を抽出するためには特殊
な大形のカメラが必要となる。
【0014】また、公知技術の自動溶接装置において
は、上進姿勢方向に振り分けて溶接を行うようにしてい
るので、溶接線の教示動作や反転の溶接動作が複雑にな
りやすく、円周を一周するような全姿勢溶接を行う固定
円管の円周開先継手の溶接に対しては適用することがで
きない。
【0015】さらに、結局、公知技術〜の自動溶接
装置においては、溶接線を横切って取り付けられた障害
物を飛び越えるような溶接動作制御機能を持っていない
ので、開先ブロック付きの開先継手の自動溶接に適用す
ることができない。すなわち、もし使用するとしても、
結局上記(2)の汎用の自動溶接装置と同様、溶接線を
横切って取り付けられた開先ブロックを除去した後、さ
らに手動溶接を数層数パス実施した後からしか適用でき
ない。
【0016】本発明の第1の目的は、非溶接時における
障害物位置検出と溶接時における開先情報検出とをとも
に可能とする検出手段を用い、障害物を飛び越しながら
の自動溶接とその障害物除去後の自動溶接とを可能とす
ることにより、溶接線上に開先ブロックがある溶接ワー
クの開先継手溶接における溶接作業の完全自動化を図る
ことができる自動溶接装置及び溶接方法を提供すること
である。
【0017】本発明の第2の目的は、非溶接時における
障害物位置検出と溶接時における開先情報検出とをとも
に可能とする検出手段を用い、障害物を飛び越しながら
の全姿勢自動溶接とその障害物除去後の全姿勢自動溶接
とを可能とすることにより、溶接線上に開先ブロックが
ある固定円管の円周開先継手溶接における溶接作業の完
全自動化を図ることができる自動溶接装置及び溶接方法
を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明によれば、溶接ワークの突き合わせ部
に形成された開先継手に対し溶接を行う可動式の溶接ト
ーチと、この溶接トーチを駆動するトーチ駆動手段とを
備え、前記開先継手の溶接線にほぼ沿って溶接進行方向
へ走行する自走式の溶接制御ヘッドと、前記溶接制御ヘ
ッドの走行を案内するガイドレールと、溶接時において
前記溶接トーチの溶接位置を検出する第1の検出手段
と、この第1の検出手段の検出結果に基づき、前記溶接
トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆動手段の駆動動
作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作を制御する制御
手段とを有し、前記開先継手に対する溶接を行う自動溶
接装置において、非溶接時において前記開先継手の開先
形状及びこの開先形状内に設けられた障害物の位置・形
状・寸法を検出する第2の検出手段をさらに有し、か
つ、前記制御手段は、前記第1及び第2の検出手段の検
出結果に基づき、前記溶接トーチが、前記開先形状のう
ち前記障害物のない部分を溶接し、前記開先形状のうち
前記障害物のある部分は溶接を行わず該障害物を飛び越
えて回避するように、前記溶接トーチの溶接出力条件、
前記トーチ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッ
ドの走行動作を制御する飛び越し溶接制御手段と、前記
第1の検出手段の検出結果に基づき、前記溶接トーチ
が、前記開先形状内全域にわたって連続的に溶接を行う
ように、前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆
動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作
を制御する連続溶接制御手段とを備えていることを特徴
とする自動溶接装置が提供される。
【0019】好ましくは、前記自動溶接装置において、
前記第1及び第2の検出手段は、同一の1つの検出手段
であり、かつこの1つの検出手段は、前記開先継手に線
状の光線を照射する線状投光器と、前記線状の光線の反
射像を撮像するカメラと、このカメラの検出画像を画像
処理し、前記開先形状、前記障害物の位置・形状・寸
法、及び前記溶接位置に関する必要な情報を抽出する画
像処理手段とを備えていることを特徴とする自動溶接装
置が提供される。
【0020】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、前記連続溶接制御手段は、前記溶接トーチが前記開
先形状内を全域にわたって溶接するときの溶接経路を演
算する第1の経路演算手段と、この第1の経路演算手段
の演算結果に基づき、前記溶接トーチの溶接出力条件、
前記トーチ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッ
ドの走行動作を制御し、前記開先形状内全域にわたる連
続溶接を行う第1の溶接実行手段とを備えていることを
特徴とする自動溶接装置が提供される。
【0021】さらに好ましくは、前記自動溶接装置にお
いて、前記連続溶接制御手段は、前記溶接トーチの溶接
出力条件があらかじめ複数種類の溶接データとして設定
入力されて記憶されている第1の溶接条件記憶手段をさ
らに有しており、前記第1の溶接実行手段は、前記第1
の溶接条件記憶手段に記憶された複数種類の溶接出力条
件のうちの1つにしたがって前記開先形状内全域にわた
る連続溶接を行うことを特徴とする自動溶接装置が提供
される。
【0022】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、前記第1の溶接条件記憶手段に記憶されている複数
種類の溶接データのうち少なくとも一部は、前記開先継
手の表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさのエネル
ギーである、仮付け溶接条件のデータであることを特徴
とする自動溶接装置が提供される。
【0023】さらに好ましくは、前記自動溶接装置にお
いて、前記連続溶接制御手段は、前記第1の検出手段の
検出結果に基づいて溶接時における前記溶接制御ヘッド
の走行方向と前記開先継手の溶接線の方向との偏差を計
算し、この偏差に従って前記第1の経路演算手段で演算
された溶接経路を補正する第1の補正手段をさらに有
し、前記第1の溶接実行手段は、この補正された溶接経
路に基づいて前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トー
チ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行
動作を制御することを特徴とする自動溶接装置が提供さ
れる。
【0024】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、前記第1の検出手段は、前記溶接トーチよりも溶接
方向に先行した位置でかつ前記障害物の高さより高い位
置となるように前記溶接制御ヘッドに固定されており、
前記第1の補正手段は、前記第1の検出結果に基づいて
計算された偏差を基に、前記第1の検出手段よりも遅れ
て進行してくる前記溶接トーチの遅れ距離を考慮しつ
つ、前記第1の経路演算手段で演算された溶接経路を補
正する遅延倣い補正を行うことを特徴とする自動溶接装
置が提供される。
【0025】さらに好ましくは、前記自動溶接装置にお
いて、前記飛び越し溶接制御手段は、前記溶接トーチが
前記開先形状のうち前記障害物のない部分を溶接すると
きの溶接経路及び該溶接トーチが前記障害物を飛び越え
て回避するための回避経路を演算する第2の経路演算手
段と、この第2の経路演算手段の演算結果に基づき、前
記溶接トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆動手段の駆
動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作を制御し、
飛び越し溶接を行う第2の溶接実行手段とを備えている
ことを特徴とする自動溶接装置が提供される。
【0026】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、前記飛び越し溶接制御手段は、前記溶接トーチの溶
接出力条件があらかじめ複数種類の溶接データとして設
定入力されて記憶されている第2の溶接条件記憶手段を
さらに有しており、前記第2の溶接実行手段は、前記第
2の溶接条件記憶手段に記憶された複数種類の溶接出力
条件のうちの1つにしたがって前記溶接経路における溶
接を行うことを特徴とする自動溶接装置が提供される。
【0027】さらに好ましくは、前記自動溶接装置にお
いて、前記第2の溶接条件記憶手段に記憶されている複
数種類の溶接データのうち少なくとも一部は、前記開先
継手の表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさのエネ
ルギーである、仮付け溶接条件のデータであることを特
徴とする自動溶接装置が提供される。
【0028】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、前記飛び越し溶接制御手段は、前記第1の検出手段
の検出結果に基づいて溶接時における前記溶接制御ヘッ
ドの走行方向と前記開先継手の溶接線の方向との偏差を
計算し、この偏差に従って前記第2の経路演算手段で演
算された溶接経路を補正する第2の補正手段をさらに有
し、前記第2の溶接実行手段は、この補正された溶接経
路に基づいて前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トー
チ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行
動作を制御することを特徴とする自動溶接装置が提供さ
れる。
【0029】さらに好ましくは、前記自動溶接装置にお
いて、前記第1の検出手段は、前記溶接トーチよりも溶
接方向に先行した位置でかつ前記障害物の高さより高い
位置となるように前記溶接制御ヘッドに固定されてお
り、前記第2の補正手段は、前記第1の検出結果に基づ
いて計算された偏差を基に、前記第1の検出手段よりも
遅れて進行してくる前記溶接トーチの遅れ距離を考慮し
つつ、前記第2の経路演算手段で演算された溶接経路を
補正する遅延倣い補正を行うことを特徴とする自動溶接
装置が提供される。
【0030】また好ましくは、前記自動溶接装置におい
て、略平板形状の溶接ワークの直線状開先継手に対し、
溶接を行うことを特徴とする自動溶接装置が提供され
る。
【0031】さらに好ましくは、上記第1及び第2の目
的を達成するために、前記自動溶接装置において、略円
管形状の溶接ワークの円周状開先継手に対し、全姿勢溶
接を行うことを特徴とする自動溶接装置が提供される。
【0032】また上記第1の目的を達成するために、本
発明によれば、自走式の溶接制御ヘッドに備えられた可
動式の溶接トーチの溶接位置を第1の自動検出手段で検
出し、これに応じて該溶接トーチを駆動するとともに前
記溶接制御ヘッドを走行させることにより、溶接ワーク
の突き合わせ部に形成された開先継手に対し溶接を行う
溶接方法において、前記開先継手の開先形状内に前記溶
接線を横切って複数の開先ブロックを設置し溶接ワーク
どうしを固定する第1の手順と、前記開先形状内の開先
ブロックの位置を第2の自動検出手段で検出する第2の
手順と、前記第1及び第2の自動検出手段の検出結果に
基づき、前記溶接トーチを駆動しつつ前記溶接制御ヘッ
ドを溶接進行方向に走行させて、前記開先形状のうち前
記開先ブロックのある部分は前記溶接トーチに該開先ブ
ロックを飛び越えさせて回避させ、前記開先形状のうち
前記開先ブロックのない部分には分割溶接を行う第3の
手順と、前記分割溶接終了後、前記開先ブロックを撤去
する第4の手順と、前記開先ブロック撤去後、第1の自
動検出手段の検出結果に基づき前記溶接トーチを駆動し
つつ前記溶接制御ヘッドを走行させ、前記開先形状内全
域の溶接を行う第5の手順と、を有することを特徴とす
る溶接方法が提供される。
【0033】好ましくは、前記溶接方法において、前記
第2の手順は、前記溶接トーチが前記開先ブロックに衝
突しないように回避する方向に該溶接トーチを移動させ
た後、この回避した状態で前記溶接制御ヘッドを走行さ
せることにより、該溶接制御ヘッドに設けられた検出手
段で前記開先形状内の開先ブロックの位置を自動検出す
る手順であることを特徴とする溶接方法が提供される。
【0034】また好ましくは、前記溶接方法において、
略平板形状の溶接ワークの直線状開先継手に対し、溶接
を行うことを特徴とする溶接方法が提供される。
【0035】さらに好ましくは、上記第1及び第2の目
的を達成するために、前記溶接方法において、略円管形
状の溶接ワークの円周状開先継手に対し、全姿勢溶接を
行うことを特徴とする溶接方法が提供される。
【0036】
【作用】以上のように構成した本発明においては、溶接
線上に開先ブロックがある開先継手の溶接を行う際に
は、溶接を開始する前に、あらかじめ第2の検出手段
で、開先継手の開先形状と、この開先形状内に設けられ
た障害物としての開先ブロックの位置・形状・寸法を検
出する。そして、可動式の溶接トーチを備えた自走式の
溶接制御ヘッドを、ガイドレールを介して開先継手の溶
接線に沿って溶接進行方向へ走行させ、同時にトーチ駆
動手段で溶接トーチを所定位置に適宜動かし(例えばウ
ィービングも行い)つつ、溶接を開始する。このとき、
まず最初は、第2の検出手段からの開先形状・障害物に
関する検出結果と、第1の検出手段からの溶接トーチの
溶接位置に関する検出結果に応じ、制御手段に設けられ
た飛び越し溶接制御手段によって溶接トーチ・トーチ駆
動手段・溶接制御ヘッドが制御され、溶接トーチは、開
先形状のうち開先ブロックのない部分を溶接するととも
に、開先ブロック部分は溶接を行わず開先ブロックを飛
び越えて回避する。例えば、開先ブロックが設置されて
いる手前で溶接動作を一時停止すると共に、溶接トーチ
を溶接面から上昇する方向に回避させて開先ブロックに
衝突させることなく飛び越え、開先ブロックを十分通過
した位置で溶接面に下降し、再び溶接を再開して次の開
先ブロックの手前までの溶接動作を行う。このような飛
び越し動作を開先ブロック設置個数だけ繰り返すことに
より、開先ブロック設置箇所以外の箇所を断続的に分割
溶接することができる。このようにして分割溶接が終了
すると、分割溶接部分で溶接ワークどうしが固定される
ことから、開先ブロックを除去しても開先継手部が保持
される。そして開先ブロックを除去した後は、第1の検
出手段からの溶接トーチの溶接位置に関する検出結果に
応じ、制御手段に設けられた連続溶接制御手段で溶接ト
ーチ・トーチ駆動手段・溶接制御ヘッドが制御されて通
常の溶接動作が行われ、溶接トーチは、開先形状内全域
にわたって連続的に溶接を行うことができる。すなわ
ち、溶接制御ヘッドを取り外すことなく、分割溶接部と
の接続溶接を含む全体の初層溶接と、その後の多層多パ
ス溶接とを継続して行うことができる。
【0037】また、第1及び第2の検出手段が同一の1
つの検出手段で、開先継手に線状の光線を照射する線状
投光器と、線状の光線の反射像を撮像するカメラと、こ
のカメラの検出画像を画像処理し、開先形状、障害物の
位置・形状・寸法、及び溶接位置に関する必要な情報を
抽出する画像処理手段とを備えていることにより、溶接
時において溶接トーチの溶接位置を検出する第1の検出
手段と、非溶接時において開先継手の開先形状及びこの
開先形状内に設けられた障害物の位置・形状・寸法を検
出する第2の検出手段とを実現するとともに、これらを
1つの手段で兼ねることができる。さらに、連続溶接制
御手段は、溶接トーチが開先形状内を全域にわたって溶
接するときの溶接経路を演算する第1の経路演算手段
と、この第1の経路演算手段の演算結果に基づき、溶接
トーチの溶接出力条件、トーチ駆動手段の駆動動作、及
び溶接制御ヘッドの走行動作を制御し、開先形状内全域
にわたる連続溶接を行う第1の溶接実行手段とを備えて
いることにより、第1の検出手段の検出結果に基づき、
溶接トーチが、開先形状内全域にわたって連続的に溶接
を行う手段を実現できる。また、連続溶接制御手段は、
溶接トーチの溶接出力条件があらかじめ複数種類の溶接
データとして設定入力されて記憶されている第1の溶接
条件記憶手段をさらに有しており、第1の溶接実行手段
は、第1の溶接条件記憶手段に記憶された複数種類の溶
接出力条件のうちの1つにしたがって開先形状内全域に
わたる連続溶接を行うことにより、溶接条件を毎回手動
操作で設定しないでも、ある程度の溶接出力のバリエー
ションを使い分けることができる。すなわち、連続溶接
時に接続溶接から多層多パス溶接までを行うとき、第1
の溶接条件記憶手段に記載の溶接条件群にしたがって全
パス終了するまで順次繰り返し溶接を行える。さらに、
第1の溶接条件記憶手段に記憶されている溶接データが
開先継手の表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさの
エネルギーである、仮付け溶接条件のデータであること
により、分割溶接の後の全域溶接を開始するときであっ
ても、多層多パスの本溶接へ移行する前にさらに仮付け
溶接を行うことができる。また、連続溶接制御手段は、
第1の検出手段の検出結果に基づいて溶接時における溶
接制御ヘッドの走行方向と開先継手の溶接線の方向との
偏差を計算し、この偏差に従って第1の経路演算手段で
演算された溶接経路を補正する第1の補正手段をさらに
有し、第1の溶接実行手段は、この補正された溶接経路
に基づいて溶接トーチの溶接出力条件、トーチ駆動手段
の駆動動作、及び溶接制御ヘッドの走行動作を制御する
ことにより、ガイドレールの設置誤差等に由来して溶接
制御ヘッド走行方向と開先継手溶接線方向との偏差が発
生したとしても、この偏差が連続溶接に与える影響を自
動的に補正することができる。さらに、第1の検出手段
は、溶接トーチよりも溶接方向に先行した位置でかつ障
害物の高さより高い位置となるように溶接制御ヘッドに
固定されており、第1の補正手段は、第1の検出結果に
基づいて計算された偏差を基に、第1の検出手段よりも
遅れて進行してくる溶接トーチの遅れ距離を考慮しつ
つ、第1の経路演算手段で演算された溶接経路を補正す
る遅延倣い補正を行うことにより、溶接制御ヘッドの走
行方向と開先継手の溶接線の方向との偏差に従い、第1
の経路演算手段で演算された溶接経路を補正する手段を
実現することができる。また、飛び越し溶接制御手段
は、溶接トーチが開先形状のうち障害物のない部分を溶
接するときの溶接経路及び溶接トーチが障害物を飛び越
えて回避するための回避経路を演算する第2の経路演算
手段と、この第2の経路演算手段の演算結果に基づき、
溶接トーチの溶接出力条件、トーチ駆動手段の駆動動
作、及び溶接制御ヘッドの走行動作を制御し、飛び越し
溶接を行う第2の溶接実行手段とを備えていることによ
り、第1及び第2の検出手段の検出結果に基づき、溶接
トーチを、開先形状のうち障害物のない部分は溶接さ
せ、障害物のある部分は溶接を行わず障害物を飛び越え
て回避させる手段を実現できる。さらに、飛び越し溶接
制御手段は、溶接トーチの溶接出力条件があらかじめ複
数種類の溶接データとして設定入力されて記憶されてい
る第2の溶接条件記憶手段をさらに有しており、第2の
溶接実行手段は、第2の溶接条件記憶手段に記憶された
複数種類の溶接出力条件のうちの1つにしたがって溶接
経路における溶接を行うことにより、溶接条件を毎回手
動操作で設定しないでも、ある程度の溶接出力のバリエ
ーションを使い分けることができる。また、第2の溶接
条件記憶手段に記憶されている溶接データが開先継手の
表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさのエネルギー
である、仮付け溶接条件のデータであることにより、後
に行う連続溶接における初層裏波溶接に支障をきたすこ
となく、開先継手の底部を固定することができる。さら
に、飛び越し溶接制御手段は、第1の検出手段の検出結
果に基づいて溶接時における溶接制御ヘッドの走行方向
と開先継手の溶接線の方向との偏差を計算し、この偏差
に従って第2の経路演算手段で演算された溶接経路を補
正する第2の補正手段をさらに有し、第2の溶接実行手
段は、この補正された溶接経路に基づいて溶接トーチの
溶接出力条件、トーチ駆動手段の駆動動作、及び溶接制
御ヘッドの走行動作を制御することにより、ガイドレー
ルの設置誤差等に由来して溶接制御ヘッド走行方向と開
先継手溶接線方向との偏差が発生したとしても、この偏
差が飛び越し溶接に与える影響を自動的に補正すること
ができる。また、第1の検出手段は、溶接トーチよりも
溶接方向に先行した位置でかつ障害物の高さより高い位
置となるように溶接制御ヘッドに固定されており、第2
の補正手段は、第1の検出結果に基づいて計算された偏
差を基に、第1の検出手段よりも遅れて進行してくる溶
接トーチの遅れ距離を考慮しつつ、第2の経路演算手段
で演算された溶接経路を補正する遅延倣い補正を行うこ
とにより、溶接制御ヘッドの走行方向と開先継手の溶接
線の方向との偏差に従い、第2の経路演算手段で演算さ
れた溶接経路を補正する手段を実現することができる。
さらに、略平板形状の溶接ワークの直線状開先継手に対
し、溶接を行うことにより、溶接線上に開先ブロックが
ある固定平板の直線開先継手溶接における溶接作業の完
全自動化を図ることができる。
【0038】また、略円管形状の溶接ワークの円周状開
先継手に対し、全姿勢溶接を行うことにより、溶接線上
に開先ブロックがある固定円管の円周開先継手溶接にお
ける溶接作業の完全自動化を図ることができる。
【0039】さらに、本発明においては、溶接を開始す
る前に、まず第1の手順で、開先継手の開先形状内に溶
接線を横切って複数の開先ブロックを設置し、溶接ワー
クどうしを固定する。そして、第2の手順で、この開先
形状内に設けられた開先ブロックの位置を第1の自動検
出手段によって検出する。さらに、第3の手順で、第1
及び第2の自動検出手段の検出結果に基づき、可動式の
溶接トーチを駆動しつつ自走式の溶接制御ヘッドを溶接
進行方向へ走行させ溶接を開始する。このとき、第1及
び第2の自動検出手段の検出結果に基づき、溶接トーチ
は、開先形状のうち開先ブロックのない部分を分割溶接
するとともに、開先ブロック部分は溶接を行わず開先ブ
ロックを飛び越えて回避する。すなわち例えば、開先ブ
ロックが設置されている手前で溶接動作を一時停止する
と共に、溶接トーチを溶接面から上昇する方向に回避さ
せて開先ブロックに衝突させることなく飛び越え、開先
ブロックを十分通過した位置で溶接面に下降し、再び溶
接を再開して次の開先ブロックの手前までの溶接動作を
行う。このような飛び越し動作を開先ブロック設置個数
だけ繰り返すことにより、開先ブロック設置箇所以外の
箇所を断続的に分割溶接して溶接ワークどうしを固定す
る。その後、第4の手順で開先ブロックを除去し、第5
の手順で、第1の自動検出手段の検出結果に基づき溶接
トーチを駆動しつつ溶接制御ヘッドを走行させ、開先形
状内全域にわたって連続的に溶接を行う。すなわち、溶
接制御ヘッドを取り外すことなく、分割溶接部との接続
溶接を含む全体の初層溶接と、その後の多層多パス溶接
とを継続して行うことができる。
【0040】また、第2の手順で、溶接トーチが開先ブ
ロックに衝突しないように回避する方向に溶接トーチを
移動させた後、この回避した状態で溶接制御ヘッドを走
行させることにより、溶接制御ヘッドに設けられた検出
手段で開先形状内の開先ブロックの位置を自動検出する
ことにより、開先形状内に設けられた開先ブロックの位
置を円滑に自動検出する手段を実現することができる。
また、略平板形状の溶接ワークの直線状開先継手に対
し、溶接を行うことにより、溶接線上に開先ブロックが
ある固定平板の直線開先継手溶接における溶接作業の完
全自動化を図ることができる。さらに、略円管形状の溶
接ワークの円周状開先継手に対し、全姿勢溶接を行うこ
とにより、溶接線上に開先ブロックがある固定円管の円
周開先継手溶接における溶接作業の完全自動化を図るこ
とができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本発明の第1の実施例を図1〜図19により説明
する。図1は、本実施例による自動溶接装置の概略構成
を示す斜視図である。自動溶接装置100はTIGアー
ク溶接を行うものであり、固定円管の溶接ワーク1bに
設定されたレール10と、このレール10の上を走行す
る溶接制御ヘッド9と、その溶接制御ヘッド9の駆動制
御及び溶接電源12の出力制御を行う溶接コントローラ
11と、この溶接コントローラ11や溶接制御ヘッド9
の運転管理及び制御を行う演算制御装置14とを備えて
いる。溶接コントローラ11には、この溶接コントロー
ラ11へ種々の入力操作をおこなうための操作ペンダン
ト13が接続されており、また演算制御装置14には、
画面表示を行うCRT16とキー操作可能なキーボード
15とが併設されている。
【0042】この自動溶接装置100は、溶接ワーク1
a,1bの突き合わせ部に形成された開先継手(円周継
手)2の溶接を行うものであり、対象となる開先継手2
には、4個の開先ブロック3が溶接線を横切るようにし
て設置されており、また、開先底部にはインサート5が
設けられている(後述する図9参照)。そしてこのイン
サート5により、後述する本溶接1パス目の初層裏波溶
接において、裏ビード19bが一段と均一で凸形に形成
しやすくなるようになっている。
【0043】溶接制御ヘッド9は、溶接トーチ6とその
トーチ先端に送るワイヤ7及びワイヤリール8が搭載さ
れており、また、レール10上を走行する方向を走行軸
(Y軸)、溶接トーチ6及びワイヤ7を上下動させる方
向を上下軸(Z軸)、溶接トーチ6及びワイヤ7を左右
に揺動させる方向を左右軸(X軸)、ワイヤ送り方向を
送り軸(W軸)として、これら各軸の位置検出を行う位
置検出器92(後述する図2参照)が内蔵されている。
【0044】また溶接トーチ6及びワイヤ7の近傍の溶
接進行方向に向かって先行する位置には、溶接の制御に
必要な情報を検出するためのセンサヘッド21が設けら
れており、溶接動作中においても、溶接ワーク1a,1
bを固定する開先ブロック3に接触しない高さでかつ開
先継手2の真上の位置になるように、溶接制御ヘッド9
に固定されている。またセンサヘッド21は溶接トーチ
6及びワイヤ7の上下動に同期して上下できるが、左右
揺動の動作には同期しないようになっている。
【0045】センサヘッド21からの検出画像はセンサ
画像処理装置22に取り込まれ、センサ画像処理装置2
2は、開先ブロック3の設置箇所と開先ブロック3のな
い箇所の開先形状及び溶接位置を判別し必要な情報を検
出する。そして、この検出情報は、センサ画像処理装置
22から演算制御装置14に送信される。
【0046】溶接制御ヘッド9、溶接コントローラ1
1、演算制御装置14、センサ画像処理装置22内部の
機能ブロック図を図2に示す。図2において、溶接コン
トローラ11は、溶接制御ヘッド9を駆動するための各
軸駆動回路111と、溶接制御ヘッド9内の位置検出器
92からの信号を受信する各軸位置カウント回路112
と、溶接電源12から任意の電流波形を溶接トーチ6に
出力させるための溶接出力回路113と、溶接コントロ
ーラ11全体をコントロールする制御ソフトウェアを備
えた制御回路114と、操作ペンダント13からの入力
信号を設定・記憶回路116及び制御回路114に伝達
する入出力回路115と、演算制御装置14から指令信
号を制御回路114に伝達する通信インターフェース回
路117と、演算制御装置14あるいは操作ペンダント
13から設定及び変更された溶接条件(例えば、ピーク
の電流Ipとその時間Tp、ベースの電流Ibとその時
間Tb、溶接速度V、ワイヤ送り速度Wp,Wbなど)
や運転動作中の各軸(X,Y,Z)の現在位置を制御パ
ネルに表示する溶接表示部118とから構成されてい
る。このような構成により、溶接コントローラ11は、
演算制御装置14からの遠隔制御の指令信号あるいは操
作ペンダント13による操作信号をそれぞれ取り込み、
溶接制御ヘッド9の駆動制御及び溶接電源12の出力制
御ができるようになっている。
【0047】溶接制御ヘッド9内の位置検出器92は、
溶接トーチ6の左右移動系のX軸、溶接線方向への走行
系のY軸、上下移動系のZ軸ともパルスエンコーダがそ
れぞれ使用されており、このパルス信号を溶接コントロ
ーラ11の位置検出カウント回路112に取り込むこと
によって各軸の現在位置を求めることができるようにな
っている。特に、走行移動系のY軸に関しては、溶接制
御ヘッド9の姿勢が分かるようにするため、その現在位
置を姿勢角度で表すようになっている。またワイヤ送り
に使用しているW軸については、この検出器のパルス信
号からワイヤ送り速度を求めるようになっている。
【0048】センサ画像処理装置22は、センサヘッド
21へ線状のレーザ光を照射するレーザ投光制御電源2
2cと、そのレーザ光の反射像を撮像するカメラ制御器
22bと、撮像された画像を処理する画像処理装置22
aとを備えており、センサ検出動作を行うようになって
いる。画像処理装置22aにはモニター用の画像モニタ
23が接続されている。
【0049】演算制御装置14は、パーソナルコンピュ
ータ(パソコン)を使用しており、キーボード15から
のキー操作によりマンマシンインターフェース回路14
4を介して溶接動作制御部142内の制御プログラムが
起動するようになっている。そして、溶接動作制御部1
42から送信される指令信号は、通信インターフェース
回路141を介し溶接コントローラ11の制御回路11
4に伝達され、この指令信号によって溶接制御ヘッド9
の制御が行われる。溶接動作制御部142は、溶接運転
の動作中において、溶接制御ヘッド9から通信インター
フェイス回路141を介し入力される溶接出力データ
と、溶接制御ヘッドの現在の各軸(X,Y,Z軸)位置
データと、さらにこの位置データが位置計算処理部14
7で処理された処理データとをそれぞれ取り込みなが
ら、溶接制御ヘッド9の位置や溶接トーチ6の動作状況
及び溶接条件を管理・制御する。
【0050】また演算制御装置14は、演算制御装置1
4と溶接コントローラ11との通信が行えるように通信
の初期化及びパラメータを運転時に自動設定する通信パ
ラメータ作成部146と、開先ブロック3の入力画面・
センサ検出の各種データ表示及びデータ処理表示や自動
運転時の動作表示等種々の情報を処理する画面表示処理
部143と、溶接のパスプランすなわち多層多パス溶接
に必要な溶接パス毎の溶接条件を自動演算で求めて作成
するパスプラン演算プログラム作成部149と、入力さ
れた開先ブロック3の情報及びセンサ画像処理装置22
からのセンサ検出情報を用いて、開先ブロック3の設置
箇所の溶接経路・未設置箇所の回避経路を演算し溶接制
御ヘッド9の動作を演算するブロック飛び演算処理部1
50とを備えている。パスプラン演算プログラム作成部
149には、溶接作業員がCRT16に表示される画面
を見ながら溶接対象ワーク1a,1bの開先継手2の寸
法形状と溶接条件を決定するための基本条件が入力され
る。またブロック飛び演算処理部150での演算結果
は、溶接動作制御部142内の溶接動作制御プログラム
に取り込まれて実行処理されるようになっている。
【0051】上記構成による、開先ブロック検出動作及
びその後の溶接動作を以下に説明する。 (1)開先ブロックの検出 検出する開先ブロック3の配置を表す概念図を図3に示
す。図3に示されるように、開先継手2の円周上に高さ
H、幅Wの4個の開先ブロック3a〜3dが任意の角度
(設置角θ1〜θ4)に設置されている。このように配置
された開先ブロック3を検出する動作の実行手順を表す
フローチャートを図4に示す。図4に示されるように、
自動運転前の準備として、溶接コントローラ11は、ペ
ンダント操作により手順161で全軸(X,Y,Z)の
座標設定に必要な原点合わせ動作をするとともに溶接ト
ーチ6の位置決め動作指令を出し、手順163で自動運
転が可能な自動運転待機状態になる。また、センサ画像
処理装置22は、位置決めされた溶接トーチ6とセンサ
ヘッド21の座標が一致するように手順185でセンサ
検出座標合わせ及び動作設定を行い、手順186で検出
動作指令待ち状態として待機する。そして、演算制御装
置(パソコン)14は、手順170でキーボード15の
キー入力によりブロックの検出及び飛び越し動作モード
に設定される。そして、手順171でブロック検出動作
運転の実行キーを押すことによって、この開先ブロック
検出動作の運転が開始され、後述するように、演算制御
装置(パソコン)14から出される各指令に対して、溶
接コントローラ11がその指令動作の実行とその結果報
告を行う形で進行するようになっている。
【0052】すなわち、最初に演算制御装置14が手順
172でブロック検出開始位置への移動要求指令を出
し、溶接コントローラ11はこれに応じて手順164で
センサヘッド21が検出開始位置に来るように溶接制御
ヘッド9を移動させ、その結果を演算制御装置14に報
告する。そして、演算制御装置14は手順173でY軸
走行要求指令を出し、これを受けた溶接コントローラ1
1は手順165で溶接制御ヘッド9を走行させる。この
ときの走行動作を図5に示す。すなわち、図5に示され
るように、溶接制御ヘッド9において、溶接トーチ6及
びワイヤ7を各開先ブロック3a〜3dに接触しない高
さまで上昇させ、また、センサヘッド21をこの溶接ト
ーチ6よりも溶接方向に先行させ(センサヘッド21の
先行距離:Ls≒50−100mm)かつ十分高い位置
に保持しつつ、これらを矢印方向に走行させる。この時
の溶接トーチ6の走行経路Ysは、スタート位置S点か
ら溶接ワーク1aの外周を一周してエンド位置E点まで
である。そして溶接コントローラ11はこのような動作
制御が開始されたらそのことを演算制御装置14に報告
する。
【0053】演算制御装置14は報告を受けると、手順
174でセンサ画像処理装置22に画像取り込み要求指
令を出す。これに応じてセンサ画像処理装置22は、上
述したように走行しつつ、手順187でセンサヘッド2
1に画像取り込み動作指令を出す。これにより、センサ
ヘッド21に備えられたレーザ投光器21aが開先継手
2の検出しようとする部位に線状光線を照射し、この線
状光線の反射光が、レーザ光と同波長の光のみを抽出す
る干渉フィルタ21cを介して撮像カメラ21bで撮像
される。そしてセンサ画像処理装置22は、この撮像カ
メラ21bによる撮像に対して手順188で画像認識処
理を行った後、手順189でブロック検出及び開先形状
検出を行う。このときの画像認識に基づくブロック・開
先形状検出を図6及び図7により説明する。
【0054】開先継手2内の開先形状における、開先ブ
ロック3が設置されていない箇所及び設置されている箇
所の断面は、それぞれ図6(1)及び(2)のようにな
っており、図6(2)において開先ブロック3は、溶接
ワーク1a,1bに溶接固定部4を介し溶接・固定され
ている。これらのうち、図6(1)に示された断面を撮
像した生画像を図7(1)に、そしてこの生画像をセン
サ画像処理装置22に取り込んで画像処理を施した後の
検出画像を図7(2)に示し、また図6(2)に示され
た断面を撮像した生画像を図7(3)に、そしてこの生
画像をセンサ画像処理装置22に取り込んで画像処理を
施した後の検出画像を図7(4)に示す。図7(1)に
おいて、モニタ画面24中に開先継手2における開先線
の生画像24aが図示のように撮像され、これが画像処
理されると、図7(2)に示すような開先肩幅Ws、開
先中心座標Qs、開先深さhs、開先底幅Wt、開先段
面積Asなど溶接の制御に必要な開先形状検出が行われ
た検出画像25aとなる。なおこのとき、レール10の
取付誤差等に由来するレール10と溶接線との非平行に
基づく開先中心座標Qsの中心座標ずれΔQsも検出画
像中に表示される。また、図7(3)におけるブロック
線の生画像24bが画像処理されると、ブロックがある
ことを確認するための確認寸法Lcやブロック高さH
等、後に行う開先ブロック飛びの動作に必要なブロック
検出が行われた検出画像25bとなる。
【0055】このような検出画像を短い時間間隔(例え
ば1秒毎)で連続的に検出しその検出結果を演算制御装
置14でデータ処理することによって、開先ブロック3
の設置位置・高さ・個数等のブロック設置状況を判定す
ることができる。また、このブロック検出動作では、溶
接線を横切って設置されている各開先ブロック3に接触
しなうように溶接トーチ6及びワイヤ7を上方向に上昇
回避させた位置で溶接線方向に走行させているが、これ
に限られず、この溶接トーチ6及びワイヤ7を左右方向
に移動回避させた位置で走行移動しても開先ブロック3
への接触を回避することができる。この場合でも、溶接
トーチ6よりも先行し、かつ開先ブロック3に接触しな
い高さの位置に設けられているセンサヘッド21を溶接
線上及び開先ブロック3上を走行移動させることによ
り、ブロック検出動作を行うことができる。
【0056】上記センサ画像処理装置22による検出の
間に、演算制御装置14は手順175で溶接コントロー
ラ11へ走行現在位置報告要求指令を出し、溶接コント
ローラ11は、手順166で溶接制御ヘッド9の上述し
た動作結果を現在位置データとして演算制御装置14に
報告する。そして、報告を受けた演算制御装置14は、
手順176でセンサ画像処理装置22に検出結果問合せ
要求指令を出し、センサ画像処理装置22はこれに応じ
て手順190で上述した検出結果をセンサ検出データと
して演算制御装置14に送信し、手順191で検出動作
指令待ちとなって待機する。演算制御装置14は送信さ
れた検出結果より手順177で検出データの処理及びブ
ロック設置位置の計算を行う。そして手順178で溶接
トーチ6の位置Yがエンド位置Eまで来たかどうかが判
定され、満たされない場合は、手順174に戻る。すな
わち、手順174〜177の一連のセンサ検出動作は、
図5に示したような溶接トーチ6がスタート位置Sから
一周してエンド位置Eに到達するまで繰返し続けられる
ことになる。
【0057】手順178の条件が満たされ、すなわち、
溶接トーチ6がエンド位置Eに達してセンサヘッド21
及びセンサ画像処理装置22による検出動作が終了する
と、演算制御装置14は手順179で溶接コントローラ
11でY軸走行停止要求指令を、手順180で反転戻り
動作要求指令を出し、溶接コントローラ11はこれらに
応じた動作を手順167a,bで溶接制御ヘッド9に行
わせ、その結果を演算制御装置14に報告し、手順16
8で動作指令待ち状態となって待機する。
【0058】その後、演算制御装置14は、手順181
で、検出したセンサ検出情報から開先ブロック3の設置
箇所の飛び越し動作のための回避経路と未設置箇所の溶
接動作のための溶接経路を計算する。この経路計算の手
法を図8及び図9により説明する。図8は飛び越し溶接
時における溶接トーチの動作経路を表す説明図であり、
図9はその詳細説明図である。図8及び図9において、
スタート位置S(図5参照)の例えば径方向直下にある
溶接開始位置Soからスタートする溶接進路で、まず最
初の1個目の開先ブロック3a(ブロック幅W、設置角
θ1)について、開先ブロック3aの飛び越しが必要な
箇所はP1点からP4点までである。このP1点とP4点の
角度は、溶接トーチ6の接触を避けるため前後に設けら
れる接触回避距離(予め設定される定数、例えば約40
mm)をL、溶接ワーク1aの外径をDとして、(1)
式及び(2)式よりそれぞれ求められる。 θ(P1)=θ1−(360/π・D)・(W/2+L) ………(1) θ(P4)=θ1+(360/π・D)・(W/2+L) ………(2) また、開先深さをs、余裕距離をc1とすると、溶接ト
ーチ6が上昇・下降すべきZ軸方向位置Z1は(3)式
より求められる。 Z1=s+H+c1 ………(3) 一方、ブロックのない箇所の溶接線は溶接開始位置So
点からP1点までと、P4点からP5点までとなる。P5
の角度θ(P5)は、2個目の開先ブロック3b(設置
角θ2)の手前であり、(4)式より求められる。 θ(P5)=θ2−(360/π・D)・(W/2+L) ………(4) すなわち、これらにより、開先ブロック3aに関して、
溶接経路So→P1とP4→P5、回避経路P1→P2→P3
→P4を設定することができる。
【0059】他の3箇所の開先ブロック3b,3c,3
dに関しても、上記と同様な方法で、θ(P8),θ(P
9),θ(P12),θ(P13),θ(P16)を求め、それぞ
れ、溶接経路P4→P5,P8→P9及び回避経路P5→P6
→P7→P8、溶接経路P8→P9,P12→P13及び回避経
路P9→P10→P11→P12、溶接経路P12→P13,P16
o及び回避経路P13→P14→P15→P16を設定するこ
とができる。なおここでEoは溶接終了位置である。
【0060】以上のようにして、溶接経路・回避経路の
設定計算が終了すると、ブロック飛び越し溶接の手順へ
と移る。
【0061】(2)ブロック飛び越し溶接 検出された開先ブロック3a〜dの形状に対応したブロ
ック飛び越し溶接の実行手順を示すフローチャートを図
10及び図11に示す。図10に示されるように、飛び
越し溶接の準備として、まず、演算制御装置14は、手
順182で、パスプラン演算プログラム作成部149
(図2参照)によって溶接パスプランを演算し作成す
る。この手順182の詳細を図12により説明する。図
12において、まず、手順51でパスプランを新規に作
成するか登録済みのファイルを引き出すかが選択され
る。新規作成を行う場合、最初に手順54で溶接対象ワ
ーク1a,1bの開先形状が入力され、手順55で溶接
施工に必要な基本溶接条件を設定入力された後、この入
力情報に誤りがないかを手順56で判断し、誤りがなけ
ればその入力情報を基にして手順57で溶接パスプラン
の自動演算処理を行う。右側に別掲するように手順57
での主な処理内容は、溶接を行うのに必要な開先断面積
の計算を行う手順62、求められたその開先断面積を埋
めるのに必要な溶接の層数とパス数の計算を行う手順6
3、溶接パス毎のパルス電流とその時間の計算及びワイ
ヤ送り速度の計算を行う手順64、溶接によって積層さ
れるビード高さの決定及び累計ビード高さの計算を行う
手順65、その時の積層ビード幅の計算と溶接トーチを
揺動させるのに必要なウィービング条件の計算を行う手
順66、層当たりの溶着面積と溶接速度の計算を行う手
順67、溶接パス毎の溶接位置座標の計算を行う手順6
8である。以上のような手順57を行った後、手順58
で演算処理したその結果であるパスプラン表示する。
【0062】一方、手順51で新規作成でなく既成ファ
イルの引き出しを選択した場合は、手順52で引き出し
たい既成のファイルの番号が入力され、手順53でその
番号のファイルを引き出す。そして手順69でその引き
だしたファイルの内容(溶接パスプラン)を表示する。
【0063】手順67又は手順69で表示を行った後
は、手順59に移り、ファイルの編集を行うかどうかが
選択される。編集を行わない場合は直ちに手順61に移
るが、手順60で編集のための修正入力が行われた後に
手順61へ移る。手順61では、ファイル登録を行うか
どうかが選択される。登録を行わない場合は直ちに手順
182全体を終了して後述する手順195へ移り、登録
を行う場合は、手順70でファイル登録を行った後に手
順195へ移る。なお、図12に示した溶接パスプラン
は、ブロック検出動作を行う前に作成してもよいことは
言うまでもない。
【0064】以上のようにして手順182で作成された
溶接パスプランには、開先ブロック飛び越し溶接動作で
使用する溶接条件のみならず、ブロック除去後の多層多
パス溶接に必要な溶接パス毎の溶接条件・溶接座標が記
載されている。よって、この作成された溶接パスプラン
は、図2に示した溶接動作制御部142による自動運転
時に読み込まれて開先ブロック飛び越し溶接動作で用い
られるとともに、後述する開先ブロックの除去作業後の
接続溶接・初層溶接・多層溶接等を継続して行う場合に
も、この溶接パスプランに記載の内容が全パス終了する
まで使用されることになる。
【0065】手順182が終了すると、演算制御装置1
4は手順195で溶接条件の設定要求指令、手順196
でセンサ検出開始位置移動要求指令、手順197で溶接
開始位置への移動要求指令を順次出す。これに応じて溶
接コントローラ11は、先の手順182で演算された溶
接パスプランに基づく溶接条件(例えば1パス目なら仮
付け溶接の条件)を手順202で設定してその設定結果
を報告し、手順203でセンサヘッド21がセンサ検出
開始位置(図5に示した位置)となるように移動する指
令を溶接制御ヘッド9に出してその移動結果を報告し、
さらに手順204で溶接トーチ6が初期位置Poから溶
接開始位置So(図8,9参照)となるように移動する指
令を溶接制御ヘッド9に出してその移動結果を報告す
る。
【0066】報告を受け取った演算制御装置14は、手
順198で溶接開始要求指令を出し、これに応じて溶接
コントローラ11は、図8及び図9で説明した経路So
→Eoへ向かう溶接制御ヘッド9の走行・溶接を開始さ
せ、手順205で溶接開始・溶接出力動作指令を溶接制
御ヘッド9に出力した旨のON信号を返す。演算制御装
置14はON信号を受けると、手順274でセンサ画像
処理装置22に画像取り込み要求指令を出す。これに応
じてセンサ画像処理装置22は、上述した経路で走行し
つつ、手順287で、溶接トーチ6よりも先行距離Ls
だけ先行しているセンサヘッド21に画像取り込み動作
指令を出す。そしてブロック検出の時と同様、センサヘ
ッド21のレーザ投光器21aで開先継手2の検出部位
に線状光線を照射し、その反射光が干渉フィルタ21c
を介して撮像カメラ21bで撮像され、センサ画像処理
装置22がこの撮像カメラ21bによる撮像に対して手
順288で画像認識処理を行った後、手順289でブロ
ック検出及び開先形状検出を行う。
【0067】上記センサ画像処理装置22による検出の
間に、演算制御装置14は手順275で溶接コントロー
ラ11へ各軸現在位置報告要求指令を出し、溶接コント
ローラ11は、手順206で溶接制御ヘッド9の上述し
た動作結果を現在位置データとして演算制御装置14に
報告する。報告を受けた演算制御装置14は、そのトー
チ位置のデータから、手順199でトーチ位置の補正を
行うべきかどうかを判断し、補正する必要がない場合
は、手順276へ移ってセンサ画像処理装置22に検出
結果問合せ要求指令を出し、センサ画像処理装置22は
これに応じて手順290で上述した検出結果をセンサ検
出データとして演算制御装置14に送信し、手順291
で検出動作指令待ちとなって待機する。
【0068】手順276の後、演算制御装置14は、手
順201で検出データ処理及びトーチ位置の遅延倣い補
正制御のための制御演算を行うが、これについては後述
する。
【0069】手順201の後、図11に示される手順に
移り、手順221で開先ブロック3のある箇所(4ヵ
所)の一時停止位置(Y=P1,P5,P9,P13)に到
達したかどうかが判定される。これらの位置に到達した
と判定されると、手順222で溶接及び走行の一時停止
要求指令、手順223で溶接トーチ6の回避及び開先ブ
ロック3の飛び越しを行うためのZ軸上昇要求指令(P
1→P2,P5→P6,P9→P10,P13→P14)、手順2
24でY軸走行要求指令及び現在位置報告要求指令を出
す。溶接コントローラ11はこれに対応する動作を溶接
制御ヘッド9に行わせるために、手順211で溶接及び
走行停止動作指令を出してその結果をOFF信号として
演算制御装置14に報告し、手順212でZ軸上昇動作
指令を出してその結果を演算制御装置14に報告し、手
順213でY軸走行動作指令を出力した後に手順214
で溶接トーチ6の現在位置データを演算制御装置14に
報告する。
【0070】そして演算制御装置14は、溶接コントロ
ーラ11からこれら動作実行の結果報告を順次受けなが
ら、手順225で、溶接トーチ6が開先ブロック3終了
位置(Y=P3,P7,P11,P15)に到達したかどうか
を判定する。これらの位置に到達したと判定された場合
には、手順226でY軸走行停止要求指令、手順227
でZ軸下降要求指令(P3→P4,P7→P8,P11
12,P15→P16)、手順228で溶接開始要求指令を
出す。溶接コントローラ11はこれに対応する動作を溶
接制御ヘッド9に行わせるために、手順215でY軸走
行停止動作指令、手順216でZ軸下降動作指令を出し
てその結果を演算制御装置14に報告し、手順217で
開先ブロック3のない箇所の溶接を再開するための溶接
開始及び溶接出力動作指令を出してその結果をON信号
として演算制御装置14に報告する。こうした一連のブ
ロック飛びの動作は開先ブロック3の数(4回)だけ繰
返し行われる。すなわち、手順229で溶接トーチ6が
溶接終了位置Eoに到達したと判断されるまでは、前述
した手順274へ戻って同様の手順を繰り返す。これに
より、図8における、開先ブロック3a〜dのない箇所
o→P1,P4→P5,P8→P9,P12→P13,P16→E
oまでの各区間は断続的な分割溶接を行い、開先ブロッ
ク3a,3b,3c,3dのある箇所P1〜P4,P5
8,P9〜P12,P13〜P16までの各区間では、各ブロ
ック手前のP1,P5,P9,P13で溶接一時停止し、各
ブロック後方のP4,P8,P12,P16の飛び越し後の位
置でアークを再発生させることにより、溶接停止状態で
溶接トーチ6を上昇・移動・下降させて開先ブロック3
飛び越し動作を行う。そしてセンサヘッド21による検
出動作は溶接トーチ6の動作と連動させて行う。
【0071】なおこの飛び越し溶接動作においては、本
溶接に満たない小エネルギーの仮付け溶接条件を使用し
ており、図13に示すように、裏側まで溶かさず表側だ
けを溶かした溶接ビード18が形成するように溶接を行
う。このように溶接することによって本溶接の初層裏波
溶接に支障をきたすことなく、開先継手の底部を溶接固
定することができる。また、特に図示しないが、溶接動
作中はアーク長が常に一定になるようにアーク電圧の検
出によるフィードバック制御を行うようにしている。
【0072】ここで、上記溶接動作中において、レール
10の設置誤差等に由来する溶接トーチ6の位置ずれΔ
S(X軸方向のΔXとZ軸方向のΔZ)に対する遅延倣
い補正制御について、以下詳細に説明する。
【0073】前述したように、ブロック飛び溶接動作
は、手順247〜手順229の間で開先ブロック3の数
(4回)だけ繰り返されるが、この間、図10の手順2
90で演算制御装置14がセンサ画像処理装置22から
受け取るセンサ検出データは、溶接トーチ6の移動位置
(θT)よりも常に先行距離Ls(先行角度θLs)だけ
先行した位置で検出されたデータとなる。このときのセ
ンサ検出点の角度(θS)は下記の(5)式で示され
る。 θS=θT+θLs=θT+(360・Ls/π・D) …………(5) そしてその時の溶接トーチ6は、センサ検出点よりも角
度θLsだけ遅れた位置(θT=θS−θLs)で溶接動作を
行っている。
【0074】従って、この溶接動作を行っている溶接ト
ーチがセンサ検出点(θT=θS)に到達する前に、あら
かじめ手順201で、この検出データを用いて溶接トー
チ6の位置ずれ補正に必要な遅延倣い補正制御の計算を
図7(2)に示した検出画像の開先形状の検出情報に従
って済ませておき、手順199で溶接トーチ6の補正が
必要と判定されたとき、つまり溶接トーチ6がセンサ検
出点に到達した時に、手順200へ移って既に計算して
いたトーチ位置補正量を設定するように要求指令を溶接
コントローラ11に出し、手順207で溶接制御ヘッド
9に補正移動動作を行わせるようにしている。
【0075】図11に戻り、溶接が進行して溶接トーチ
6がエンド位置(Y=Eo)に到達すると、演算制御装
置14は手順229で溶接終了位置に到達したと判定
し、手順230で溶接動作終了要求指令、手順231で
溶接トーチ6の回避及び次パスの準備動作をするための
Z軸上昇要求及びY軸反転戻り動作要求指令を出す。溶
接コントローラ11はこれに対応する動作を溶接制御ヘ
ッド9に行わせるために、手順218で溶接終了動作指
令を出してその結果を溶接及び走行OFF信号として演
算制御装置14に報告し、手順219でZ軸上昇動作指
令及びY軸反転戻り動作指令を出してその結果を演算制
御装置14に報告した後、手順220で動作指令待ち状
態となって待機する。
【0076】報告を受けた演算制御装置14は、手順2
32に移り、操作オペレータに知らせるための溶接終了
表示を行うとともに、ブロック除去要求表示を行う。そ
して、手順233に移って、開先ブロック3が除去され
るのを待つ待機状態となる。
【0077】以上のようにして、ブロック飛び越し溶接
が終了すると、ブロック除去後の溶接の手順へと移る。
【0078】(3)ブロック除去後の溶接 ブロック除去後の溶接の実行手順を表すフローチャート
を図14及び図15に示す。図14に示されるように、
演算制御装置14は、手順244で溶接前の準備として
ブロックが除去されたことが確認されると、手順245
で溶接継続か否かが選択される。溶接継続が選択されな
ければ直ちにフローを終了してすべての作業が終了する
が、溶接継続が選択されると、手順246で溶接パスの
更新が行われ、先に図12を用いて説明した溶接パスプ
ランのファイルに記載されている溶接条件群等のうち、
2パス目に記載されている仮付け溶接(すなわち断続的
に形成された分割溶接を接続する接続溶接)動作が開始
される。
【0079】こうして更新された溶接パスプランに基づ
き、まず、演算制御装置14は手順395で溶接条件の
設定要求指令、手順247で溶接開始位置への移動要求
指令を順次出す。これに応じて先の手順220で動作指
令待ち状態となっていた溶接コントローラ11は、先の
手順246で更新演算された溶接パスプランに基づく溶
接条件を手順302で設定してその設定結果を演算制御
装置14に報告し、さらに手順304で溶接トーチ6が
溶接開始位置So(図8,9参照、但し飛び越し溶接にお
ける溶接開始位置と異なる場合もありうる)となるよう
に移動する指令を溶接制御ヘッド9に出してその移動結
果を演算制御装置14に報告する。
【0080】報告を受け取った演算制御装置14は、手
順398で溶接開始要求指令を出し、これに応じて溶接
コントローラ11は、図8及び図9で説明した経路So
→Eo(Eoも飛び越し溶接のときと異なる場合もありう
る)へ向かう溶接制御ヘッド9の走行・溶接を開始さ
せ、手順305で溶接開始・溶接出力動作指令を溶接制
御ヘッド9に出力した旨のON信号を返す。この時の溶
接トーチ6はセンサ検出点(θS)よりも先行角度θLs
だけ遅れた位置(θT=θS−θLs)で溶接動作を行って
いる。演算制御装置14はON信号を受けると、手順3
74でセンサ画像処理装置22に画像取り込み要求指令
を出す。これに応じて先の手順291で検出動作指令待
ち状態であったセンサ画像処理装置22が、上述した経
路で走行しつつ、手順258で、センサヘッド21に画
像取り込み動作を出して、センサヘッド21のレーザ投
光器21aの反射光を撮像カメラ21bで撮像させると
ともに、飛び越し溶接時と同様、その撮像に対して画像
処理認識動作を行う。その後、手順259で開先形状及
び溶接トーチ6による溶接位置ずれの検出を行う。この
ときの手順259で検出された撮像生画像を図16
(1)に、その生画像をセンサ画像処理装置22に取り
込んで画像処理を施した後の検出画像を図16(2)に
示す。図16(1)において、モニタ画面24中に開先
継手2における開先線(既に分割溶接されている部分)
の生画像24a、仮付け溶接のビード18、インサート
5が図示のように撮像され、これが画像処理されると、
図16(2)に示すような開先肩幅Ws、開先中心座標
Qs、開先深さhs、開先底幅Wt、開先段面積Asな
ど溶接の制御に必要な開先形状検出が行われた検出画像
27となる。なおこのとき、レール10の取付誤差等に
由来するレール10と溶接線との非平行に基づく開先中
心座標Qsの中心座標ずれΔQsも検出画像中に表示さ
れる。
【0081】上記センサ画像処理装置22による検出の
間に、演算制御装置14は手順248で溶接コントロー
ラ11へ各軸現在位置報告要求指令を出し、溶接コント
ローラ11は、手順241で溶接制御ヘッド9の上述し
た動作結果を現在位置データ及び溶接出力データとして
演算制御装置14に報告する。報告を受けた演算制御装
置14は、まずそのトーチ位置のデータから、まず手順
250でトーチ位置の補正を行うべきかどうかを判断し
補正する必要がない場合は、さらに手順252へ移って
溶接条件のデータから溶接条件の補正を行うべきかどう
かを判断し、補正する必要がない場合は、手順254へ
移る。そして手順254でセンサ画像処理装置22に検
出結果問合せ要求指令を出し、センサ画像処理装置22
はこれに応じて手順260で上述した検出結果をセンサ
検出データとして演算制御装置14に送信し、手順39
1で検出動作指令待ちとなって待機する。
【0082】手順254の後、演算制御装置14は、飛
び越し溶接時と同様、手順255で検出データ処理及び
トーチ位置の遅延倣い補正制御のための制御演算を、そ
して手順256で溶接条件補正制御のための制御演算
を、溶接トーチ6がセンサ検出点(θT=θS)に到達す
る前に済ませておく。
【0083】こうした一連の動作は、手順257で溶接
トーチ6が溶接終了位置(Y=Eo)257に到達した
と判断されるまで、手順347に戻って繰り返される。
その際、手順250や手順252でトーチ位置又は溶接
条件の補正を行うと判断されたときは、先の手順255
及び手順256で行った補正のための計算結果に従っ
て、手順251で位置ずれΔS(ΔX,ΔZ)を無くす
ためのトーチ位置補正量設定要求指令を、手順253で
溶接の乱れ防止及び溶融金属の調整をするための溶接条
件補正量設定要求指令を溶接コントローラ11に出す。
溶接コントローラ11はこれに応じて、手順242でト
ーチ位置補正動作指令を、手順243で溶接条件補正動
作指令を出し、溶接制御ヘッドにこれら補正動作を実施
させるようにしている。なお、上記のうち、溶接条件の
補正制御については、主として、開先継手2を多層多パ
ス溶接する本溶接(後述)で用いる。例えば、溶接の乱
れ防止に対しては溶接電流やウィービング幅を変化さ
せ、また、溶融金属の調整に対しては溶接速度やワイヤ
送り速度を変化させるなどの補正制御を行う。
【0084】そして、溶接トーチ6が溶接終了位置に到
達すると、演算制御装置14は手順257で溶接終了位
置に到達したと判定し、図15に示す手順230に移
る。そしてこの手順330で溶接動作終了要求指令、手
順331で溶接トーチ6の回避及び次パスの準備動作を
するためのZ軸上昇要求及びY軸反転戻り動作要求指令
を出す。溶接コントローラ11はこれに対応する動作を
溶接制御ヘッド9に行わせるために、手順318で溶接
終了動作指令を出してその結果を溶接及び走行OFF信
号として演算制御装置14に報告し、手順319でZ軸
上昇動作指令及びY軸反転戻り動作指令を出してその結
果を演算制御装置14に報告した後、手順320で動作
指令待ち状態となって待機する。以上の動作により、断
続的に形成された分割溶接を接続する接続溶接を仮付け
溶接の形で行うことができ、開先継手2内の全周が図1
3で示されるように仮付け溶接されたことになる。な
お、ここで特に図示していないが、溶接動作中に操作員
の判断によってキーボード15から溶接位置の変更や溶
接一時停止などが行えるようにして、操作性及び使い勝
手の向上を図っている。
【0085】このようにして2パス目の仮付け溶接(接
続溶接)が終了すると、手順261で最終パス終了かど
うかがNOと判定されて手順246に戻る。
【0086】そして手順246で、再び溶接パスの更新
が行われ、溶接パスプランのファイルに記載の3パス目
の溶接、すなわち本溶接1パス目の溶接(初層裏波溶
接)動作が開始される。以下、手順261まで、前述と
同様にして溶接が行われるが、この初層裏波溶接のとき
の溶接条件として、前述までの分割溶接・接続溶接の仮
付け溶接と異なり、図17に示されるように、完全溶け
込みの裏ビード19が形成するような溶接条件が用いら
れる。そして、本溶接1パス目の溶接が終わると、手順
261から再度手順246に戻り、本溶接2パス目の溶
接動作に更新される。このようにして、以降、最終パス
が終了するまで、溶接パスの更新が行われて多層多パス
溶接である本溶接が継続される。この多層多パス溶接の
最中(3層4パス終了後)における手順259で検出さ
れた撮像生画像を図18に示す。図18において、モニ
タ画面24中に開先継手2における開先線の生画像2
6、多層多パス溶接のビードのイ,ロ,ハ,ニが図示の
ように撮像される。なお、これが画像処理されると、図
16(2)に示した検出画像とほぼ同様となる。そし
て、最終パス終了(N=Np;パスプラン記載の最終パ
ス数)に至るまで順次繰返し行われ、最終的には、図1
9に示されるようなイ〜リの積層多パスビードが得ら
れ、手順264ですべての溶接作業を終了する。
【0087】なお、上記構成において、センサヘッド2
1及びセンサ画像処理装置22が、溶接時に溶接位置を
検出する第1の検出手段と、非溶接時に開先形状及び障
害物の位置・形状・寸法を検出する第2の検出手段との
両方を構成し、溶接コントローラ11及び演算制御装置
14が、溶接トーチの溶接出力条件・トーチ駆動手段の
駆動動作・溶接制御ヘッドの走行動作を制御する制御手
段を構成する。
【0088】以上のように構成した本実施例によれば、
溶接前における開先ブロック3検出と溶接時における開
先情報検出をともにセンサヘッド21及びセンサ画像処
理装置22で行うことにより、開先ブロック3の飛び越
し自動溶接(分割溶接)と開先ブロック3除去後の自動
溶接(接続溶接・本溶接)とを継続して行うことができ
るので、開先ブロック3がある開先継手2溶接における
溶接作業の完全自動化を図ることができる。よって、従
来の手動溶接からの脱却を図りつつ健全な溶接品質を得
ることができる。また、パスプランの記載の溶接条件群
にしたがって接続溶接から多層多パス溶接終了まで順次
繰り返し溶接を行えるので、溶接の段取り時間の削減を
図ることができる。さらに、レール10の設置誤差等に
由来して溶接制御ヘッド9走行方向と開先継手2溶接線
方向との偏差が発生したとしても、この偏差が溶接に与
える影響を自動的に補正することができるので、溶接パ
ス毎の溶接トーチ6と溶接線との位置合わせや溶接出力
条件の修正に神経を使うことなく、一連の飛び越し溶接
〜多層多パス溶接を自動で行うことができる。
【0089】なお、上記第1の実施例では、仮付け溶接
による分割接続の後、開先ブロック3a〜dを除去して
再度仮付け溶接による接続溶接を行ったが、これに限ら
れず、手順246で更新する溶接パスプランに、仮付け
溶接の回数が1回限りと予め設定されている場合には、
この2パス目の仮付け溶接の動作はなく、本溶接1パス
目の初層裏波溶接の動作が開始される(すなわち初層裏
波溶接が接続溶接の役割を兼ねる)ことになる。また、
上記第1の実施例においては、(1)ブロック検出動作
と(2)ブロック飛び溶接動作を分けて行う実施例を示
したが、図10及び図11に示したブロック飛び溶接動
作の中でブロック検出と溶接動作経路及びブロック回避
経路の計算をさせることによって、図4に示したブロッ
ク検出動作を省略することもできる。このようにして構
成した実行手順によっても、開先ブロック3のない箇所
の溶接動作と開先ブロック3のある箇所の飛び越し動作
を繰返し正確に行うことができるばかりでなく、同時に
溶接トーチ6の位置ずれを無くすことができる。さら
に、上記第1の実施例においては開先継手2にインサー
ト5を設けたが、これに限られず、インサートを設けな
い開先継手の溶接においても適用でき、同様の効果を得
る。また、上記実施例の自動溶接装置100はTIGア
ーク溶接を行うものであったが、これに限られず、例え
ばプラズマアーク溶接やホットワイヤTIGアーク溶接
など他の溶接方法を適用する場合であっても、上記同様
の方法で、ブロック飛び溶接及びブロック除去後の溶接
を実施することが可能であり、これらの場合も同様の効
果を得ることができる。
【0090】本発明の第2の実施例を図20及び図21
により説明する。本実施例は、平板の溶接ワークに対し
溶接を行う自動溶接装置の実施例である。第1の実施例
と同等の部材には同一の符号を付す。図20は、本実施
例による自動溶接装置400の概略構成を示す斜視図で
ある。第1の実施例における図1と異なる主要な点は、
溶接ワーク1c,1dが平板であり、これに伴って自動
溶接装置400のレール101が直線状になり、また直
線状の開先継手102に2個の開先ブロック103が設
けられていることである。その他の点は第1の実施例と
ほぼ同様である。
【0091】上記構成の自動溶接装置400の動作は基
本的には第1の実施例の自動溶接装置100と同様であ
り、同様の制御フローによって(1)開先ブロックの検
出・(2)ブロック飛び越し溶接・(3)ブロック除去
後の溶接の3つの手順を経て開先継手102に対する溶
接を行う。これらのうち、(1)開先ブロックの検出の
手順181(図4参照)における、演算制御装置14に
よる飛び越し動作のための回避経路及び溶接動作のため
の溶接経路の計算手法を図21により説明する。
【0092】図21は第1の実施例の図8に相当する図
であり、飛び越し溶接時における溶接トーチの動作経路
を表す説明図である。図8において、溶接開始位置So
からスタートする溶接進路で、最初の1個目の開先ブロ
ック103a(ブロック幅W、Soからの設置距離Y1
について、飛び越しが必要な箇所はP1点からP4点まで
である。このP1点及びP4点のSoからの距離は、溶接
トーチ6の接触を避けるため前後に設けられる接触回避
距離(予め設定される定数、例えば約40mm)をLと
して、(6)式及び(7)式で求められる。 Y(P1)=Y1−(W/2+L) ……………(6) Y(P4)=Y1+(W/2+L) ……………(7) 同様に、2個目の開先ブロック103b(ブロック幅
W、Soからの設置距離Y2)に関してもP5点およびP8
点のSoからの距離は、(8)式及び(9)式となる。 Y(P5)=Y2−(W/2+L) ……………(8) Y(P8)=Y2+(W/2+L) ……………(9) また、ブロック飛びにおける溶接トーチの上昇(P1
2,P5→P6)や下降(P3→P4,P7→P8)の距離
1については、第1の実施例で説明した(3)式によ
り求められる。
【0093】すなわち、これらにより、開先ブロック1
03aに関する溶接経路So→P1,P4→P5及び回避経
路P1→P2→P3→P4、開先ブロック103bに関する
溶接経路P4→P5,P8→Eo及び回避経路P5→P6→P7
→P8、を設定することができる。
【0094】その他の制御方法等の手順は、第1の実施
例の自動溶接装置100とほぼ同様である。
【0095】本実施例の自動溶接装置400によれば、
平板の溶接ワーク1c,1dに対し溶接を行う場合であ
っても、第1の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0096】
【発明の効果】本発明の自動溶接装置によれば、非溶接
時における開先ブロック検出と溶接時における開先情報
検出を第1・第2の検出手段で行うことにより、障害物
を飛び越しながらの自動溶接とその障害物除去後の連続
的な自動溶接とを継続して行うことができるので、溶接
線上に開先ブロックがある開先継手溶接における溶接作
業の完全自動化を図ることができる。よって、従来の手
動溶接からの脱却を図りつつ健全な溶接品質を得ること
ができる。
【0097】また、連続溶接時に接続溶接から多層多パ
ス溶接までを行うとき、第1の溶接条件記憶手段に記載
の溶接条件群にしたがって全パス終了するまで順次繰り
返し溶接を行えるので、溶接の段取り時間の削減を図る
ことができる。さらに、ガイドレールの設置誤差等に由
来して溶接制御ヘッド走行方向と開先継手溶接線方向と
の偏差が発生したとしても、この偏差が連続溶接に与え
る影響を自動的に補正することができるので、溶接パス
毎の溶接トーチと溶接線との位置合わせや溶接出力条件
の修正に神経を使うことなく、一連の多層多パス溶接を
自動で行うことができる。また、ガイドレールの設置誤
差等に由来して溶接制御ヘッド走行方向と開先継手溶接
線方向との偏差が発生したとしても、この偏差が飛び越
し溶接に与える影響を自動的に補正することができるの
で、溶接トーチと溶接線との位置合わせや溶接出力条件
の修正に神経を使うことなく、飛び越し溶接を自動で行
うことができる。さらに、本発明の溶接方法によれば、
非溶接時における開先ブロック検出と溶接時における開
先情報検出を第1・第2の自動検出手段で行うことによ
り、障害物を飛び越しながらの自動溶接とその障害物除
去後の連続的な自動溶接とを継続して行うことができる
ので、溶接線上に開先ブロックがある開先継手溶接にお
ける溶接作業の完全自動化を図ることができる。よっ
て、従来の手動溶接からの脱却を図りつつ健全な溶接品
質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による自動溶接装置の概
略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した溶接制御ヘッド、溶接コントロー
ラ、演算制御装置、センサ画像処理装置内部の機能ブロ
ック図である。
【図3】検出する開先ブロックの配置を表す概念図であ
る。
【図4】図3に示された開先ブロックを検出する動作の
実行手順を表すフローチャートである。
【図5】溶接制御ヘッドの走行動作を表す説明図であ
る。
【図6】開先ブロックの設置箇所・非設置箇所の断面を
表す概念図である。
【図7】図6に表された断面を撮像した生画像とこの生
画像をセンサ画像処理装置で画像処理を施した後の検出
画像を表す図である。
【図8】飛び越し溶接時における溶接トーチの動作経路
を表す説明図である。
【図9】図8の動作経路の詳細説明図である。
【図10】ブロック飛び越し溶接の実行手順を示すフロ
ーチャートである。
【図11】ブロック飛び越し溶接の実行手順を示すフロ
ーチャートである。
【図12】図10に示された手順182の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図13】飛び越し溶接時に開先ブロック非設置箇所に
行う仮付け溶接断面を表す概念図である。
【図14】ブロック除去後の溶接の実行手順を表すフロ
ーチャートである。
【図15】ブロック除去後の溶接の実行手順を表すフロ
ーチャートである。
【図16】既に分割溶接済みの開先ブロック非設置箇所
断面を撮像した生画像とこの生画像をセンサ画像処理装
置で画像処理を施した後の検出画像を表す図である。
【図17】初層裏波溶接のときに行われる、完全とけ込
み裏ビードが生じる溶接断面を表す概念図である。
【図18】多層多パス溶接最中における溶接断面を撮像
した生画像を表す図である。
【図19】最終パスが終了し積層多パスビードが生じた
溶接断面を表す概念図である。
【図20】本発明の第2の実施例による自動溶接装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図21】飛び越し溶接時における溶接トーチの動作経
路を表す説明図である。
【図22】円管の円周開先継手の構造を示す図である。
【図23】インサートリングを設ける場合の開先継手の
構造を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 円管の溶接ワーク 1c,1d 平板の溶接ワーク 2 開先継手 3a,3b,3c,3d 開先ブロック 4 溶接固定部 5 インサート 6 溶接トーチ 7 ワイヤ 8 ワイヤリール 9 溶接制御ヘッド 10 レール 11 溶接コントローラ 12 溶接電源 13 操作ペンダント 14 演算制御装置 15 キーボード 16 CRT 18 仮付け溶接の溶接ビード 19 完全溶け込みの裏ビード 21 センサヘッド 21a レーザ投光器 21b 撮像カメラ 21c 干渉フィルタ 22 センサ画像処理装置 23 画像モニタ 24 モニタ画面 24a 開先線の生画像 24b ブロック線の生画像 25a,25b 画像処理後の検出画像 26 多パス溶接時の開先線の生
画像 27 画像処理後の検出画像 101 直線レール 102 開先継手 103a,103b 開先ブロック D 溶接ワークの外径 E エンド位置 Eo 溶接終了位置 H 開先ブロック高さ L 接触回避距離 Ls センサの先行距離 Po〜P16 溶接トーチの動作経路 S スタート位置 So 溶接開始位置 W 開先ブロック幅 Y1,Y2 開先ブロック設置位置 θS センサ検出点の角度 θT 溶接トーチ移動点 θ1〜θ4 開先ブロック設置角 イ〜リ 積層多パスビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 中島 吉男 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 菊池 宏成 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 上原 壮夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 小林 正宏 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 日野 英司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 水口 和彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平6−328245(JP,A) 特開 昭64−53771(JP,A) 特開 平3−18476(JP,A) 特開 昭60−255267(JP,A) 特開 平5−138354(JP,A) 特開 平5−245639(JP,A) 特開 昭54−20933(JP,A) 特開 平8−197254(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ワークの突き合わせ部に形成された
    開先継手に対し溶接を行う可動式の溶接トーチと、この
    溶接トーチを駆動するトーチ駆動手段とを備え、前記開
    先継手の溶接線にほぼ沿って溶接進行方向へ走行する自
    走式の溶接制御ヘッドと、前記溶接制御ヘッドの走行を
    案内するガイドレールと、溶接時において前記溶接トー
    チの溶接位置を検出する第1の検出手段と、この第1の
    検出手段の検出結果に基づき、前記溶接トーチの溶接出
    力条件、前記トーチ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接
    制御ヘッドの走行動作を制御する制御手段とを有し、前
    記開先継手に対する溶接を行う自動溶接装置において、 非溶接時において前記開先継手の開先形状及びこの開先
    形状内に設けられた障害物の位置・形状・寸法を検出す
    る第2の検出手段をさらに有し、かつ、 前記制御手段は、前記第1及び第2の検出手段の検出結
    果に基づき、前記溶接トーチが、前記開先形状のうち前
    記障害物のない部分を溶接し、前記開先形状のうち前記
    障害物のある部分は溶接を行わず該障害物を飛び越えて
    回避するように、前記溶接トーチの溶接出力条件、前記
    トーチ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの
    走行動作を制御する飛び越し溶接制御手段と、前記第1
    の検出手段の検出結果に基づき、前記溶接トーチが、前
    記開先形状内全域にわたって連続的に溶接を行うよう
    に、前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆動手
    段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作を制
    御する連続溶接制御手段とを備えていることを特徴とす
    る自動溶接装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動溶接装置において、
    前記第1及び第2の検出手段は、同一の1つの検出手段
    であり、かつこの1つの検出手段は、前記開先継手に線
    状の光線を照射する線状投光器と、前記線状の光線の反
    射像を撮像するカメラと、このカメラの検出画像を画像
    処理し、前記開先形状、前記障害物の位置・形状・寸
    法、及び前記溶接位置に関する必要な情報を抽出する画
    像処理手段とを備えていることを特徴とする自動溶接装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動溶接装置において、
    前記連続溶接制御手段は、前記溶接トーチが前記開先形
    状内を全域にわたって溶接するときの溶接経路を演算す
    る第1の経路演算手段と、この第1の経路演算手段の演
    算結果に基づき、前記溶接トーチの溶接出力条件、前記
    トーチ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの
    走行動作を制御し、前記開先形状内全域にわたる連続溶
    接を行う第1の溶接実行手段とを備えていることを特徴
    とする自動溶接装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動溶接装置において、
    前記連続溶接制御手段は、前記溶接トーチの溶接出力条
    件があらかじめ複数種類の溶接データとして設定入力さ
    れて記憶されている第1の溶接条件記憶手段をさらに有
    しており、前記第1の溶接実行手段は、前記第1の溶接
    条件記憶手段に記憶された複数種類の溶接出力条件のう
    ちの1つにしたがって前記開先形状内全域にわたる連続
    溶接を行うことを特徴とする自動溶接装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動溶接装置において、
    前記第1の溶接条件記憶手段に記憶されている複数種類
    の溶接データのうち少なくとも一部は、前記開先継手の
    表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさのエネルギー
    である、仮付け溶接条件のデータであることを特徴とす
    る自動溶接装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の自動溶接装置において、
    前記連続溶接制御手段は、前記第1の検出手段の検出結
    果に基づいて溶接時における前記溶接制御ヘッドの走行
    方向と前記開先継手の溶接線の方向との偏差を計算し、
    この偏差に従って前記第1の経路演算手段で演算された
    溶接経路を補正する第1の補正手段をさらに有し、前記
    第1の溶接実行手段は、この補正された溶接経路に基づ
    いて前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆動手
    段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作を制
    御することを特徴とする自動溶接装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の自動溶接装置において、
    前記第1の検出手段は、前記溶接トーチよりも溶接方向
    に先行した位置でかつ前記障害物の高さより高い位置と
    なるように前記溶接制御ヘッドに固定されており、前記
    第1の補正手段は、前記第1の検出結果に基づいて計算
    された偏差を基に、前記第1の検出手段よりも遅れて進
    行してくる前記溶接トーチの遅れ距離を考慮しつつ、前
    記第1の経路演算手段で演算された溶接経路を補正する
    遅延倣い補正を行うことを特徴とする自動溶接装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の自動溶接装置において、
    前記飛び越し溶接制御手段は、前記溶接トーチが前記開
    先形状のうち前記障害物のない部分を溶接するときの溶
    接経路及び該溶接トーチが前記障害物を飛び越えて回避
    するための回避経路を演算する第2の経路演算手段と、
    この第2の経路演算手段の演算結果に基づき、前記溶接
    トーチの溶接出力条件、前記トーチ駆動手段の駆動動
    作、及び前記溶接制御ヘッドの走行動作を制御し、飛び
    越し溶接を行う第2の溶接実行手段とを備えていること
    を特徴とする自動溶接装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の自動溶接装置において、
    前記飛び越し溶接制御手段は、前記溶接トーチの溶接出
    力条件があらかじめ複数種類の溶接データとして設定入
    力されて記憶されている第2の溶接条件記憶手段をさら
    に有しており、前記第2の溶接実行手段は、前記第2の
    溶接条件記憶手段に記憶された複数種類の溶接出力条件
    のうちの1つにしたがって前記溶接経路における溶接を
    行うことを特徴とする自動溶接装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の自動溶接装置におい
    て、前記第2の溶接条件記憶手段に記憶されている複数
    種類の溶接データのうち少なくとも一部は、前記開先継
    手の表側だけを溶かし裏側を溶かさない大きさのエネル
    ギーである、仮付け溶接条件のデータであることを特徴
    とする自動溶接装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の自動溶接装置におい
    て、前記飛び越し溶接制御手段は、前記第1の検出手段
    の検出結果に基づいて溶接時における前記溶接制御ヘッ
    ドの走行方向と前記開先継手の溶接線の方向との偏差を
    計算し、この偏差に従って前記第2の経路演算手段で演
    算された溶接経路を補正する第2の補正手段をさらに有
    し、前記第2の溶接実行手段は、この補正された溶接経
    路に基づいて前記溶接トーチの溶接出力条件、前記トー
    チ駆動手段の駆動動作、及び前記溶接制御ヘッドの走行
    動作を制御することを特徴とする自動溶接装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の自動溶接装置におい
    て、前記第1の検出手段は、前記溶接トーチよりも溶接
    方向に先行した位置でかつ前記障害物の高さより高い位
    置となるように前記溶接制御ヘッドに固定されており、
    前記第2の補正手段は、前記第1の検出結果に基づいて
    計算された偏差を基に、前記第1の検出手段よりも遅れ
    て進行してくる前記溶接トーチの遅れ距離を考慮しつ
    つ、前記第2の経路演算手段で演算された溶接経路を補
    正する遅延倣い補正を行うことを特徴とする自動溶接装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の自動溶接装置におい
    て、略平板形状の溶接ワークの直線状開先継手に対し、
    溶接を行うことを特徴とする自動溶接装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の自動溶接装置におい
    て、略円管形状の溶接ワークの円周状開先継手に対し、
    全姿勢溶接を行うことを特徴とする自動溶接装置。
  15. 【請求項15】 自走式の溶接制御ヘッドに備えられた
    可動式の溶接トーチの溶接位置を第1の自動検出手段で
    検出し、これに応じて該溶接トーチを駆動するとともに
    前記溶接制御ヘッドを走行させることにより、溶接ワー
    クの突き合わせ部に形成された開先継手に対し溶接を行
    う溶接方法において、 前記開先継手の開先形状内に前記溶接線を横切って複数
    の開先ブロックを設置し溶接ワークどうしを固定する第
    1の手順と、 前記開先形状内の開先ブロックの位置を第2の自動検出
    手段で検出する第2の手順と、 前記第1及び第2の自動検出手段の検出結果に基づき、
    前記溶接トーチを駆動しつつ前記溶接制御ヘッドを溶接
    進行方向に走行させて、前記開先形状のうち前記開先ブ
    ロックのある部分は前記溶接トーチに該開先ブロックを
    飛び越えさせて回避させ、前記開先形状のうち前記開先
    ブロックのない部分には分割溶接を行う第3の手順と、 前記分割溶接終了後、前記開先ブロックを撤去する第4
    の手順と、 前記開先ブロック撤去後、第1の自動検出手段の検出結
    果に基づき前記溶接トーチを駆動しつつ前記溶接制御ヘ
    ッドを走行させ、前記開先形状内全域の溶接を行う第5
    の手順と、を有することを特徴とする溶接方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の溶接方法において、
    前記第2の手順は、前記溶接トーチが前記開先ブロック
    に衝突しないように回避する方向に該溶接トーチを移動
    させた後、この回避した状態で前記溶接制御ヘッドを走
    行させることにより、該溶接制御ヘッドに設けられた検
    出手段で前記開先形状内の開先ブロックの位置を自動検
    出する手順であることを特徴とする溶接方法。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の溶接方法において、
    略平板状の溶接ワークの直線状開先継手に対し、溶接を
    行うことを特徴とする溶接方法。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の溶接方法において、
    略円管形状の溶接ワークの円周状開先継手に対し、全姿
    勢溶接を行うことを特徴とする溶接方法。
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