JP3322172B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP3322172B2
JP3322172B2 JP16449497A JP16449497A JP3322172B2 JP 3322172 B2 JP3322172 B2 JP 3322172B2 JP 16449497 A JP16449497 A JP 16449497A JP 16449497 A JP16449497 A JP 16449497A JP 3322172 B2 JP3322172 B2 JP 3322172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
無段変速機の制御装置に関するものであり、特に溝幅が
可変の一対のプーリで巻回されるベルトを狭持し、当該
プーリの溝幅を調整することで変速比を可変制御する無
段変速機構を備えたものに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような無段変速機の制御装置として
は例えば本出願人が先に提案した特開平8−20046
1号公報に記載されるものがある。この従来技術に見ら
れるように、プーリの溝幅を調整して変速比を可変制御
するものでは、ベルトの滑りを抑制防止するためにプー
リを構成する二つの円錐体に作動流体圧を供給し、その
推力,つまり押圧力により二つの円錐体でベルトを挟持
する。この無段変速機構を構成するプーリへの供給作動
流体圧を、この従来技術ではライン圧と称しているが、
前述のような目的から、一般にエンジンからの入力負荷
に応じてこのライン圧の設定圧を大きくしてベルトが滑
らないようにしている。このエンジンからの入力負荷
は、アクセルペダルに連動するスロットルバルブのスロ
ットル開度と例えばエンジンの回転数とからエンジント
ルクを求め、例えばトルクコンバータを有する車両では
当該トルクコンバータによるトルク比を当該エンジント
ルクに乗じるなどして得ている。ちなみに、このライン
圧は、ポンプで昇圧された作動流体を、例えばデューテ
ィ弁やモディファイヤ弁等を含んで構成される無段変速
機構用調圧弁で調圧するようにしており、その場合に
は、前記デューティ弁へのデューティ比制御信号によっ
てライン圧を制御できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は
スロットルバルブのスロットル開度を用いてエンジント
ルクを求めているだけで、当該スロットルバルブからエ
ンジンまでの吸気管路の長さについては考慮されていな
い。つまり、例えば特に運転者がアクセルペダルから足
を離すなどして当該アクセルペダルを急速に且つ大きく
戻し、その結果、スロットルバルブが急速に閉じられる
と、例えばエンジントルクを算出する演算処理装置は、
当該スロットルバルブは既に閉じられたものとして、そ
の状態での,つまり主として負の(「燃焼状態が強制的
に弱められている状態での」の意)エンジントルクを算
出してしまう。しかしながら、実際には、エンジンの吸
気管路内には未だ気体(空気)が残存しており、それが
エンジンに流れ込むまではエンジンは正の(「通常燃焼
時と同等の」の意)トルクを発生する。従って、このよ
うな場合には算出されるエンジントルクと実際のエンジ
ントルクとの差分だけ、無段変速機構への入力負荷は小
さく見なされることになり、この小さめの入力負荷に応
じたライン圧では、実際の入力負荷に応じたライン圧に
対して不足する恐れがある。
【0004】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、ライン圧等,無段変速機構のプーリに供
給される作動流体圧が、特にアクセルペダルの足離し操
作時等にあっても小さめに設定されないなど、実際のエ
ンジン(内燃機関)のトルク(出力)に応じた適切な値
に設定される無段変速機の制御装置を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載される無段変速機の制
御装置は、溝幅が可変の一対のプーリで、巻回されるベ
ルトを挟持する無段変速機構を有し、ポンプで昇圧され
た作動流体を前記無段変速機構への入力負荷に応じた所
定の流体圧に無段変速機構用調圧弁で調圧して当該無段
変速機構に供給するようにし、少なくともアクセルペダ
ルの踏込み量に応じて変化するスロットルバルブの開度
を用いて内燃機関の出力を求め、この内燃機関の出力に
基づいて前記無段変速機構への入力負荷を得るようにし
た無段変速機の制御装置にあって、運転者がアクセルペ
ダルを急速に且つ大きく戻す足離し操作を検出する足離
し操作検出手段と、この足離し操作検出手段が足離し操
作を検出したときに、前記無段変速機構への入力負荷を
算出するための内燃機関の出力を、当該足離し操作直線
の値に所定時間維持する内燃機関出力維持手段とを備
、前記所定時間は、前記運転者がアクセルペダルを足
離し操作してから、前記内燃機関への吸気管路内の残存
気体が当該内燃機関内に流れ込むまでの所要時間に応じ
て設定されることを特徴とするものである。
【0006】ここで用いられる無段変速機構に供給する
流体圧とは、例えば前記ライン圧と称されるような、対
向する二つの円錐体でベルトを挟持するためにプーリの
シリンダ室に供給される作動流体圧を言う。また、内燃
機関は一般にエンジン,内燃機関の出力とは例えばエン
ジントルク等で表れる。また、アクセルペダルの足離し
操作とは、実際にアクセルペダルから足を離さなくとも
よく、具体的には全開又は全開に近い踏込み状態から、
全閉又は略全閉に近い状態まで急速に且つ大きくアクセ
ルペダルを戻す操作全般を示す。そして、本発明では、
アクセルペダルが足離し操作されてから、所定時間、内
燃機関の出力をその直前の値に維持することにより、吸
気管路内の残存気体が内燃機関内に流れ込んで発生する
出力分を見込むことができ、これによりその間の無段変
速機構への入力負荷を実際のそれと同等又はそれに近似
させることができる。
【0007】
【0008】このように内燃機関への吸気管路内の残存
気体が当該内燃機関内に流れ込むまでの所要時間に応じ
て、前記内燃機関の出力を、前記足離し操作直前の値に
維持すれば、当該吸気管路内の残存気体が内燃機関内に
流れ込んで発生する出力分を適正な時間分見込むことが
できる。
【0009】また、本発明のうち請求項に係る無段変
速機の制御装置は、前記所要時間は、前記吸気管路内の
残存気体が、前記スロットルバルブから内燃機関までの
距離を、当該内燃機関の最も低い回転数時に流れる時間
に設定されることを特徴とするものである。
【0010】前述のようにアクセルペダルの足離し操作
後に、吸気管路内の残存気体が内燃機関内に流れ込むま
での所要時間は、スロットルバルブから内燃機関までの
吸気管路長が一定であるとして、当該内燃機関の回転数
の増加と共に短くなる。従って、本発明では、前記所要
時間,つまり前記内燃機関の出力を維持する所定時間
を、前記スロットルバルブから内燃機関までの吸気管路
長に相当する距離を、当該内燃機関の最も低い回転数時
に流れる時間,つまり最も長い所要時間に設定すること
で、当該吸気管路内の残存気体が内燃機関内に流れ込ん
で発生する出力分を確実な時間分見込むことができる。
【0011】また、本発明のうち請求項に係る無段変
速機の制御装置は、内燃機関の回転数を検出する内燃機
関回転数検出手段を備え、前記所要時間は、前記吸気管
路内の残存気体が、前記スロットルバルブから内燃機関
までの距離を、前記内燃機関回転数検出手段で検出され
た内燃機関の回転数時に流れる時間に設定されることを
特徴とするものである。
【0012】本発明では、前記所要時間,つまり前記内
燃機関の出力を維持する所定時間を、前記スロットルバ
ルブから内燃機関までの吸気管路長に相当する距離を、
検出された内燃機関の回転数時に流れる時間に設定する
ことで、当該吸気管路内の残存気体が内燃機関内に流れ
込んで発生する出力分を正確な時間だけ見込むことがで
きる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る無段変速機の制御装置によれば、アクセルペ
ダルが足離し操作されてから、所定時間、内燃機関の出
力をその直前の値に維持することにより、吸気管路内の
残存気体が内燃機関内に流れ込んで発生する出力分を見
込むことができ、これによりその間の無段変速機構への
入力負荷を実際のそれと同等又はそれに近似させること
ができるから、無段変速機構のプーリに供給される作動
流体圧を適正な値に制御することができると共に、内燃
機関への吸気管路内の残存気体が当該内燃機関内に流れ
込むまでの所要時間に応じて、前記内燃機関の出力を、
前記足離し操作直前の値に維持すれば、当該吸気管路内
の残存気体が内燃機関内に流れ込んで発生する出力分を
適正な時間分見込んで、その間の無段変速機構への入力
負荷を実際のそれと同等又はそれに近似させることがで
きる
【0014】
【0015】また、本発明のうち請求項に係る無段変
速機の制御装置によれば、前記内燃機関の出漁を維持す
る所定時間を、前記スロットルバルブから内燃機関まで
の吸気管路長に相当する距離を、当該内燃機関の最も低
い回転数時に流れる時間,つまり最も長い所要時間に設
定することで、当該吸気管路内の残存気体が内燃機関内
に流れ込んで発生する出力分を確実な時間分見込むこと
ができる。
【0016】また、本発明のうち請求項に係る無段変
速機の制御装置によれば、前記内燃機関の出力を維持す
る時間を、前記スロットルバルブから内燃機関までの吸
気管路超に相当する距離を、検出された内燃機関の回転
数時に流れる時間に設定することで、当該吸気管路内の
残存気体が内燃機関内に流れ込んで発生する出力分を正
確な時間だけ見込むことができる。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明の無段変速機の制御装
置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明の一実施形態を示す無段変速
機及びその制御装置の概略構成図である。まず、この無
段変速機の動力伝達機構は、フルードカップリングがト
ルクコンバータに変更されている点を除いて、本出願人
が先に提案した特開平7−317895号公報に記載さ
れるものと同等であるために、同等の構成部材には同等
の符号を附して簡潔に説明する。なお、図中の符号10
はエンジン、12はトルクコンバータ、15は前後進切
換機構、29はVベルト式無段変速機構、56は差動装
置、66,68は前輪用の左右ドライブシャフトであ
る。
【0019】前記エンジン10の吸気管路11には、運
転者によるアクセルペダルの踏込み量に応じて開閉する
スロットルバルブ19が配設されている。また、このス
ロットルバルブ19には、その開度(以下、スロットル
開度とも記す)TVOを検出するスロットル開度センサ
303が取付けられている。また、エンジン10の出力
軸10aには、その回転速度(以下、エンジン回転数と
も記す)NE を検出するエンジン回転数センサ301が
取付けられている。なお、エンジン負荷や車速等に応じ
て例えば燃料噴射量やその時期、点火時期等をエンジン
コントロールユニット200が制御することで、エンジ
ン10の回転状態は車両の走行状態に応じて最適状態に
制御される。また、スロットル開度センサ303で検出
されるスロットル開度TVOの検出信号は、当該スロッ
トル開度TVOが大でアクセルペダルの踏込み量が大で
あることを示す。また、前記エンジン回転数センサ30
1はエンジンのイグニッション点火パルスからエンジン
回転速度を検出するように構成してもよい。
【0020】前記エンジン10の出力軸10aに連結さ
れたトルクコンバータ12は、ロックアップ機構付きの
既存のものであり、図示されるロックアップフェーシン
グの図示左方がアプライ側流体室12a、その反対側,
即ちロックアップフェーシングとトルコンカバーとの間
がリリース側流体室12bになり、アプライ側流体室1
2aへの作動流体圧が高まるとロックアップ、リリース
側流体室12bへのそれが高まるとアンロックアップ状
態となる。なお、このトルクコンバータ12の出力軸,
即ちタービン出力軸13には、無段変速機構29への回
転速度(以下、単に入力回転数とも記す)NPri を検出
する入力回転数センサ305が取付けられている。な
お、後述する前後進切換機構15では、例えば前進用ク
ラッチ40の締結力を可変調整することにより、アクセ
ルペダルを踏込んでいないときの,所謂クリープ走行力
等を制御することもあるが、通常の走行時には当該前進
用クラッチ40は完全に締結しているので、前記タービ
ン出力軸13の回転数を無段変速機構への入力回転数N
Pri として用いる。また、前記リリース側流体室12b
に供給される作動流体はアプライ側流体室12aを通っ
てドレンされるし、アプライ側流体室12aに供給され
た作動流体のドレン分はリリース側流体室12bから、
その他の冷却・潤滑系に転用されてゆく。従って、この
ロックアップ機構への作動流体は流体路そのものを切換
えるのではなく、供給の向きを切換えることでロックア
ップ/アンロックアップの切換制御を行っている。
【0021】また、前記前後進切換機構15は、遊星歯
車機構17、前進用クラッチ40、および後進用ブレー
キ50を有して構成される。このうち、遊星歯車機構1
7は、複段のピニオン列を有して構成されており、これ
らのピニオン列を支持するピニオンキャリアが駆動軸1
4を介して前記無段変速機構29の駆動プーリ16に接
続され、サンギヤが前記タービン回転軸13に接続され
ている。また、前記ピニオンキャリアは前進用クラッチ
40によって前記タービン回転軸13と締結可能とさ
れ、遊星歯車機構17のリングギヤが後進用ブレーキ5
0によって静止部と締結可能とされている。従って、前
進用クラッチ40が流体室40aへの作動流体圧によっ
て締結されると、ピニオンキャリアを介して前記駆動軸
14とタービン出力軸13とが同方向に等速回転する。
また、後進用ブレーキ50が流体室50aへの作動流体
圧によって締結されると、複段のピニオン列を介して前
記駆動軸がタービン出力軸13と逆方向に等速回転す
る。
【0022】前記無段変速機構29を構成する駆動プー
リ16は、前記駆動軸14と一体に回転する固定円錐体
18と、これに対向配置されてV字状プーリ溝を形成す
ると共に軸方向に移動可能な可動円錐体22とから構成
される。また、この駆動プーリ16の可動円錐体22に
は、固定円錐体18との間でベルト24を挟持するため
に、作動流体圧が供給されるシリンダ室20が形成され
ている。また、前記駆動プーリ16と対をなして、ベル
ト24が巻回される従動プーリ26は、従動軸28と一
体に回転する固定円錐体30と、これに対向配置されて
V字状プーリ溝を形成すると共に軸方向に移動可能な可
動円錐体34とから構成され、当該可動円錐体34に
も、固定円錐体30との間でベルト24を挟持するため
に、作動流体圧が供給されるシリンダ室32が形成され
ている。
【0023】このベルト式無段変速機構29は、ラック
182に噛合するピニオン108aをステップモータ1
08の回転軸に取付け、更にラック182と前記可動プ
ーリ16の可動円錐体22とをレバー178で連結し、
このステップモータ108を後述する変速機コントロー
ルユニット300からの駆動信号DS/M により回転制御
することで駆動プーリ16の可動円錐体22及び従動プ
ーリ26の可動円錐体34を軸方向に移動させてベルト
24との接触位置半径を変えることにより、駆動プーリ
16と従動プーリ26との回転比,つまり変速比(プー
リ比)を変えることができる。なお、このプーリ比接触
位置半径変更制御は、例えば前述のように本実施形態で
は駆動プーリ16の可動円錐体22を移動させてその溝
幅を変更することで、従動プーリ26の可動円錐体34
が自動的に移動されて溝幅が変更されるようになってい
る。これは、前述のようにベルト24が、主として押圧
方向に駆動力を伝達する,プッシュ式ベルトであるため
である。なお、このプッシュ式ベルトの構成は、周知の
エレメントをベルトの長手方向又は巻回方向に並べて構
成される。
【0024】そして、前記従動軸28に固定された駆動
ギヤ46と、アイドラ軸52上のアイドラギヤ48とが
噛合し、このアイドラ軸52に設けられたピニオンギヤ
54がファイナルギヤ44に噛合し、このファイナルギ
ヤ44に差動装置56を介して前左右のドライブシャフ
ト66及び68が連結されている。なお、この最終出力
軸には車速VSPを検出する車速センサ302が取付けら
れている。
【0025】次に、この無段変速機の流体圧制御装置に
ついて説明する。この流体圧制御装置は、前記エンジン
10の回転駆動力で回転されるポンプ101により、リ
ザーバ130内の作動流体を十分に昇圧してアクチュエ
ータユニット100に供給する。このアクチュエータユ
ニット100内の構成は、本出願人が先に提案した前記
特開平7−317895号公報に記載されるものと同様
であるため、同等の構成要素には同等の符号を附して、
その詳細な図示並びに説明を省略する。
【0026】図1中の符号104は、セレクトレバー1
03によって直接操作され、主として前記前進用クラッ
チ40のシリンダ室40aへのクラッチ圧PCLと後進用
ブレーキ50のシリンダ室50aへのブレーキ圧PBRK
とを切換制御するためのマニュアル弁である。なお、こ
のセレクトレバー103には、選択されたシフトポジシ
ョンを検出し、それに応じたシフトレンジ信号SRANGE
を出力するインヒビタスイッチ304が取付けられてい
る。ちなみに、このシフトレンジ信号SRANGEは、実車
のシフトポジションに合わせて、P,R,N,D,2,
Lに相当する信号になっている。
【0027】また、符号106は、前記ステップモータ
108と駆動プーリ16の可動円錐体22との相対変
位,即ち前記レバー178の挙動に応じて操作され、主
として変速の様子,つまり要求する変速比と当該駆動プ
ーリ16の溝幅との相対関係に応じて駆動プーリ106
側への作動流体圧(ライン圧)PL(Pri)を制御する変速
制御弁である。
【0028】また、符号128は後述する変速機コント
ロールユニット300からの駆動信号DL/U によって駆
動され、主として前記トルクコンバータ12のロックア
ップ機構によるロックアップ/アンロックアップを制御
するためのロックアップ制御用デューティ弁である。ち
なみに、このロックアップ制御用デューティ弁128
は、デューティ比の大きい制御信号でトルクコンバータ
12をロックアップし、デューティ比の小さい制御信号
でアンロックアップするように作用する。また、符号1
29は、後述する変速機コントロールユニット300か
らの駆動信号DCLによって駆動され、主として前記前進
用クラッチ40又は後進用ブレーキ50の締結力を制御
するためのクラッチ締結制御用デューティ弁である。こ
のクラッチ締結制御用デューティ弁129は、デューテ
ィ比の大きい制御信号で前進用クラッチ40又は後進用
ブレーキ50を締結し、デューティ比の小さい制御信号
で締結解除するように作用する。
【0029】また、符号120は、後述する変速機コン
トロールユニット30からの駆動信号DPLによって駆動
され、前述のようにベルト24を挟持するために、主と
して前記従動プーリ26(又は一部,駆動プーリ16)
への作動流体圧(以下、この流体圧をライン圧とも記
す)PL を制御するためのライン圧制御用デューティ弁
120である。なお、引用する公報では、このデューテ
ィ弁120をモディファイヤ用デューティ弁としてい
る。これは、このデューティ弁120からの出力圧が、
一旦、プレッシャモディファイヤ弁というパイロット圧
調圧弁のパイロット圧として作用し、その結果、プレッ
シャモディファイヤ弁からの出力圧がライン圧調圧弁の
パイロット圧として作用して、当該ライン圧調圧弁の上
流側に形成されるライン圧PL を調圧するためである。
しかしながら、この説明からも明らかなように、このデ
ューティ弁120のデューティ比を制御すれば、間接的
にではあるが、ライン圧PL を制御することができるの
である。また、これにより、本実施形態では、図2に示
すように、所定の不感帯領域を除き、このライン圧制御
用デューティ弁120への制御信号又は駆動信号のデュ
ーティ比D/TPLの増加に伴って(目標)ライン圧P
L(OR) はリニアに増圧するものとする。ちなみに、前記
プレッシャモディファイヤ弁からの出力圧が増圧される
と、クラッチ圧の元圧やトルクコンバータのロックアッ
プ圧の元圧も同時に増圧する(傾きや切片は異なる)こ
とができるようになっている。
【0030】前記変速機コントロールユニット300
は、例えば後述する図3の演算処理等を実行すること
で、前記無段変速機構29並びに前記アクチュエータユ
ニット100を制御するための制御信号を出力する制御
手段としてのマイクロコンピュータ310と、当該マイ
クロコンピュータ310から出力される制御信号を、実
際のアクチュエータ,即ち前記ステップモータ108や
各デューティ弁120,128,129に適合する駆動
信号に変換する駆動回路311〜314とを備えて構成
される。
【0031】このうち、前記マイクロコンピュータ31
0は、例えばA/D変換機能等を有する入力インタフェ
ース回路310aと、マイクロプロセサ等の演算処理装
置310bと、ROM,RAM等の記憶装置310c
と、例えばD/A変換機能を有する出力インタフェース
回路310dとを備えている。このマイクロコンピュー
タ310では、例えば前記特開平7−317895号公
報に記載される演算処理を行うことで、実際の変速比を
司るステップモータ108の回転角を求め、その回転角
が達成されるパルス制御信号SS/M を出力したり、ベル
ト24を挟持するのに最適なライン圧PL を求め、それ
を達成するために必要なライン圧制御用デューティ弁1
20のデューティ比D/TPLを算出し、そのライン圧制
御デューティ比D/TPLに応じたライン圧制御信号SPL
を出力したり、或いはトルクコンバータ12のロックア
ップ機構をロックアップ/アンロックアップ制御するの
に最適な作動流体圧(以下、これを単にトルコン圧とも
記す)PT/C を求め、それを達成するために必要なロッ
クアップ制御用デューティ弁128のデューティ比D/
L/U を算出し、そのロックアップ制御デューティ比D
/TL/U に応じたロックアップ制御信号SL/U を出力し
たり、例えばアクセルペダルが踏込まれていない状態で
の車両のクリープ走行に最適な作動流体圧(以下、これ
を単にクラッチ圧とも記す)PCLを求め、それを達成す
るために必要なクラッチ締結制御用デューティ弁129
のデューティ比D/TCLを算出し、そのクラッチ圧制御
デューティ比D/TCLに応じたクラッチ締結制御信号S
CLを出力したりする。
【0032】また、前記駆動回路311は前記パルス制
御信号SS/M をステップモータ108に適した駆動信号
S/M に、駆動回路312は前記ライン圧制御信号SPL
をライン圧制御用デューティ弁120に適した駆動信号
PLに、駆動回路313は前記ロックアップ制御信号S
L/U をロックアップ制御用デューティ弁128に適した
駆動信号DL/U に、駆動回路314は前記クラッチ締結
制御信号SCLをクラッチ締結制御用デューティ弁129
に適した駆動信号DCLに、夫々変換して出力する。
【0033】なお、例えばデューティ比に応じた制御信
号やパルス制御信号の形態は、既に所望するデューティ
比やパルス数を満足しており、各駆動回路311〜31
4は、例えば単にそれを増幅するなどの電気的処理を施
すだけで、信号の形態そのものを処理するものではな
い。
【0034】また、前記エンジンコントロールユニット
200内にも独自のマイクロコンピュータを有してお
り、前記変速機コントロールユニット300のマイクロ
コンピュータ310と相互通信を行って、エンジン並び
に変速機を車両走行状態に応じて最適状態に制御するよ
うに構成されている。
【0035】次に、本実施形態の変速制御全体の概略構
成を、前記マイクロコンピュータ310で実行される図
3に示すゼネラルフローの演算処理に従って説明する。
この演算処理は、基本的には、前記Dレンジが選択され
且つエンジンコントロールユニット側からの要求がない
状態で、前記特開平7−317895号公報に記載され
る変速制御を簡潔に纏めたものであり、その詳細は当該
公報を参照されるとして、ここではゼネラルフローの概
要を説明するに止める。この演算処理は、所定サンプリ
ング時間(例えば10msec)ΔT毎にタイマ割込処理と
して実行される。なお、これ以後の演算処理では、何れ
も特に通信のためのステップを設けていないが、演算処
理装置310bで必要なプログラムやマップ、或いは必
要なデータは随時記憶装置310cから読込まれるし、
逆に演算処理装置310bで算出されたデータは随時記
憶装置310cに更新記憶されるものとする。
【0036】この演算処理では、まずステップS1で、
前記車速センサ302からの車速V SP,エンジン回転数
センサ301からのエンジン回転数NE ,入力回転数セ
ンサ305からの入力回転数NPri ,スロットル開度セ
ンサ303からのスロットル開度TVO,及びインヒビ
タスイッチ304からのシフトレンジ信号SRANGE を読
込む。
【0037】次にステップS2に移行して、個別の演算
処理に従って、前記車速VSP,入力回転数NPri から現
在の変速比CP を算出する。具体的には、最終出力軸回
転数に比例する車速VSPを、無段変速機構29から最終
出力軸までの,所謂最終減速比nで除せば無段変速機構
29の出力回転数NSec が得られるから、これに対する
入力回転数NPri の比を算出すれば現在の変速比CP
得られる。
【0038】次にステップS3に移行して、制御マップ
検索等の個別の演算処理に従って、スロットル開度TV
O,エンジン回転数NE からエンジントルクTE を算出
する。具体的には、例えば図4に示すように、スロット
ル開度TVOをパラメータとし且つエンジン回転数NE
に応じたエンジントルクTE の出力特性図から現在のエ
ンジントルクTE を算出する。
【0039】次にステップS4に移行して、例えば後述
する図7の演算処理に従って前記ライン圧PL の制御を
行う。次にステップS5に移行して、個別の演算処理に
従って、ロックアップ制御を行う。具体的には、例えば
図5のような制御マップから車速VSP及びスロットル開
度TVOに応じたロックアップ車速VON及びアンロック
アップ車速VOFF を設定し、原則的に車速VSPがロック
アップ車速VON以上ならロックアップ,アンロックアッ
プ車速VOFF 以下ならアンロックアップとなるように前
記制御信号SL/ U を創成出力するが、特にロックアップ
側に移行するときに、そのときのエンジン回転数NE
入力回転数NPri ,即ちタービン出力軸回転数との差分
値が大きいときには、その差分値の大きさに応じた比較
的大きなゲインでデューティ比D/TL/U を増加し、両
者の差分値が小さくなる,つまりロックアップ気味にな
ると比較的小さな所定値ずつデューティ比D/TL/U
増加して、完全なロックアップ移行時の衝撃を緩和す
る。
【0040】次にステップS6に移行して、制御マップ
検索等の個別の演算処理に従って、到達変速比CD を算
出する。この到達変速比CD は、車速VSP及びスロット
ル開度TVOとから現在のエンジン回転数NE を達成す
る、最も理想的な無段変速機構29の変速比であり、具
体的には図6に示すように、3者が完全に一致する変速
比Cが設定できれば、そのときの車速VSPとエンジン回
転数NE とを満足しながら、運転者によるアクセルペダ
ルの踏込み量,即ちスロットル開度TVOに応じた加速
を得られる。ここで、例えば前記図6が到達変速比CD
の設定に用いる制御マップであると仮定すれば、原点を
通る傾き一定の直線が或る一定の変速比となり、例えば
変速パターンの全領域において最も傾きの大きい直線
は、車両全体の減速比が最も大きい,即ち最大変速比C
Loであり、逆に最も傾きの小さい直線は、車両全体の減
速比が最も小さい,即ちDレンジ最小変速比CDHi であ
ると考えてよい。
【0041】次にステップS7に移行して、個別の演算
処理に従って、目標変速比CR を算出する。具体的に
は、原則的に前記到達変速比CD が現在の変速比CP
り大きければダウンシフト方向,小さければアップシフ
ト方向に、例えば現在の変速比CP を最も速い変速速度
dCR /dt又は最も小さい時定数τで変速した所定サ
ンプリング時間ΔT後の変速比を目標変速比CR として
設定する。但し、スロットル開度TVOが全開状態に近
い状態から閉方向変化した,所謂アクセルペダルの足戻
し状態では変速速度dCR /dtを少し遅くし又は時定
数τを少し大きくし、更にこの条件に加えてスロットル
開度の閉方向への変化速度が速く且つスロットル開度の
閉方向への変化量が大きい,所謂アクセルペダルの足離
し状態では変速速度dCR /dtを更に遅くし又は時定
数τを更に大きくして、夫々、目標変速比CR を設定す
る。
【0042】次にステップS8に移行して、個別の演算
処理に従って、クラッチ締結制御を行う。具体的には、
原則的に車速VSPがクリープ制御閾値以上なら前進用ク
ラッチ40を締結、車速VSPがクリープ制御閾値未満で
且つスロットル開度TVOがクリープ制御用の全閉閾値
以上なら締結解除するように制御信号SCLを創成出力す
るが、車速VSPがクリープ制御閾値未満で且つスロット
ル開度TVOが全閉閾値未満の場合には、そのときのエ
ンジン回転数NE と入力回転数NPri ,即ちタービン出
力軸回転数との差分値に応じて反比例するゲインでデュ
ーティ比D/T CLを設定することにより、坂道などの影
響で車両がクリープ走行し易いときにはクラッチの締結
力を弱め、クリープ走行し難いときにはクラッチの締結
力を強めるようにしている。
【0043】次にステップS9に移行して、個別の演算
処理に従って、変速比制御を行ってからメインプログラ
ムに復帰する。具体的には前記設定された目標変速比C
R に対して、そのときの変速速度dCR /dt又は時定
数τで変速を行うための総パルス数並びに単位時間値に
パルス数を設定し、その両者を満足するパルス制御信号
S/M を創成出力する。
【0044】次に、本実施形態において前記図3の演算
処理のステップS4で実行される制御閾値変更のための
演算処理について図7を用いて説明する。この演算処理
では、まずステップS401で、足離し用制御フラグF
が“0”であるか否かを判定し、当該制御フラグFが
“0”である場合にはステップS402に移行し、そう
でない場合にはステップS403に移行する。前記ステ
ップS402では、スロットル開度の前回値TVO
(n-1) が、予め設定された全開に近い所定値TVOHi
上であるか否かを判定し、当該スロットル開度の前回値
TVO(n-1) が所定値TVOHi以上である場合にはステ
ップS404に移行し、そうでない場合にはステップS
405に移行する。また、前記ステップS404では、
スロットル開度の今回値TVO(n) が、予め設定された
全閉に近い所定値TVO0 以下であるか否かを判定し、
当該スロットル開度の今回値TVO(n) が所定値TVO
0 以下である場合にはステップS408に移行し、そう
でない場合には前記ステップS405に移行する。そし
て、前記ステップS405では、前記足離し用制御フラ
グFを“0”としてからステップS407に移行する。
【0045】一方、前記ステップS408では、足離し
用制御カウンタCNTを、後述する所定値CNT0 に設
定してからステップS409に移行し、足離し用制御フ
ラグFを“1”に設定してからステップS410に移行
する。また、前記ステップS403では、前記足離し用
制御カウンタCNTをデクリメントしてからステップS
411に移行し、ここで当該足離し用制御カウンタCN
Tが“0”以下であるか否かを判定し、当該制御カウン
タCNTが“0”以下である場合にはステップS412
に移行し、そうでない場合には前記ステップS410に
移行する。そして、前記ステップS410では、前記記
憶装置310cに更新記憶されているエンジントルクの
前回値TE(n-1)をエンジントルクの今回値TE(n)に設定
してから前記ステップS407に移行する。また、前記
ステップS412では、前記足離し用制御フラグFを
“0”に設定してから前記ステップS407に移行す
る。
【0046】このステップS407では、制御マップ検
索等の個別の演算処理に従って、トルコン入出力速度比
E /NPri からトルク比tを算出する。具体的には、
エンジン回転数NE を入力回転数NPri ,即ちタービン
出力軸回転数で除してトルコン入出力速度比NE /N
Pri を算出し、例えば図8に示すように、このトルコン
入出力速度比NE /NPri からトルクコンバータ(図で
はトルコン)領域,つまりトルク増幅領域かロックアッ
プ領域かを弁別すると共に、トルコン領域ならばトルコ
ン入出力速度比NE /NPri に応じたトルク比tを求め
る。
【0047】次にステップS413に移行して、前記エ
ンジントルクTE に前記トルク比tを乗じて入力トルク
Pri を算出し、次いでステップS414に移行して、
図9の制御マップに従って、前記入力トルクTPri を用
いて基準ライン圧PL0を算出する。この図9の制御マッ
プは、入力トルクTPri をパラメータとし且つ現在の変
速比CP に応じた基準ライン圧PL0の設定マップであ
る。前述のように、ライン圧PL はベルト24への側方
荷重であるから、ベルト耐久性の面からも、或いはエネ
ルギ損の面からもライン圧PL は小さい方が望ましい。
しかしながら、ベルト24には伝達すべきトルクがかか
るから、それによってベルトが滑らないようにプーリで
挟持しなければならず、そのトルクとは変速比CP が大
きいほど,及び/又は入力トルクTPri が大きいほど大
きいから、その分だけベルト挟持力を高めるようにライ
ン圧PL を大きくする必要がある。これを変速比CP
び入力トルクTPri だけから設定するのが基準ライン圧
L0になる。勿論、この基準ライン圧PL0は、ベルトの
耐久性に直接影響するような領域よりもずっと小さく設
定される。
【0048】次にステップS417に移行して、前記基
準ライン圧PL0をそのまま目標ライン圧の今回値P
L0R(n)に設定し、次いでステップS420に移行して、
前記図2の制御マップからこの目標ライン圧PL0R を達
成するためのライン圧制御デューティ比D/TPLを算出
設定し、次いでステップS421に移行して、個別の演
算処理に従って、前記ライン圧制御デューティ比D/T
PLに応じたライン圧制御信号SPLを創成出力し、次いで
ステップS422に移行して、スロットル開度の今回値
TVO(n) を前回値TVO(n-1) に、エンジントルクの
今回値TE(n)を前回値TE(n-1)に、目標ライン圧の今回
値PL0R(n)を前回値PL0R(n-1)に更新記憶してから、前
記図3の演算処理のステップS5に移行する。なお、ラ
イン圧制御デューティ比D/TPLの制御マップは、既存
のデューティ比制御を応用すればよいからその詳細な説
明は省略する。また、ライン圧制御デューティ比D/T
PLに応じたライン圧制御信号SPLを創成については、既
存のPWM(Pulse Width Modulation)制御を応用すれ
ばよいから、その詳細な説明は省略する。
【0049】次に、本実施形態の作用について説明する
が、変速制御の概要は、前記特開平7−317895号
公報に記載されるものと同様であるから、ここでは省略
し、特に図7の演算処理による作用について詳述する。
この演算処理では、ステップS407乃至ステップS4
13,ステップS414で、エンジントルクTE にトル
ク比tを乗じて無段変速機構29への入力トルクTPri
を算出し、この無段変速機構29への入力トルクTPri
に応じた基準ライン圧PL0が設定される。この基準ライ
ン圧PL0は、本来、伝達すべきトルクがかかってもベル
トが滑らないライン圧の設定値であるから、次のステッ
プS417でこの基準ライン圧PL0をそのまま目標ライ
ン圧PL0R とし、続くステップS412,ステップS4
13で、この目標ライン圧PL0R を達成するライン圧制
御信号SPLを創成出力する。
【0050】一方、ステップS401乃至ステップS4
12では、前述の足離し操作時におけるエンジントルク
E の補正が行われている。ここで、前記足離し制御用
カウンタCNTの所定値CNT0 には、図11に示すよ
うに、エンジン回転数NE が最低のときの最大所定値C
NT0MAXが用いられている。この所定値CNT0 は、ア
クセルペダルの足離し操作時に、前記スロットルバルブ
19からエンジン10まで,より正確にはエンジンの燃
焼室までの間の吸気管路内に残存した気体(空気)が当
該吸気管路長を流れてエンジン10内に流れ込むための
所要時間である。このようなアクセルペダルの足離し操
作時は、前記吸気管路内の残存気体はエンジンの負圧に
よってしかエンジン側に流れないから、この所要時間は
エンジンの回転数の増加と共に短くなる。具体的には、
エンジンの回転数NE が予め設定された最小回転数N
EMINのとき、残存気体流れ込みの最大所要時間に相当す
るカウント値が最大所定値CNT0MAXであり、エンジン
回転数NE が最大回転数NEM AXのとき、残存気体流れ込
みの最小所要時間に相当するカウント値が最小所定値C
NT0MINである。
【0051】そして、図7の演算処理では、ステップS
401で足離し用制御フラグFが“0”であり、ステッ
プS402でスロットル開度の前回値TVO(n-1) が全
開所定値TVOHi以上でないか、或いはそれ以上であっ
ても、ステップS404でスロットル開度の今回値TV
(n) が全閉所定値TVO0 以下でなければステップS
405に移行して、当該制御フラグFを“0”に設定し
直すだけで、エンジントルクTE のすげ替え等の操作は
行われず、従って前記ステップS407以後では、その
ときのエンジントルクTE をそのまま用いて前述と同様
のライン圧制御がなされる。
【0052】しかしながら、スロットル開度の前回値T
VO(n-1) が全開所定値TVOHi以上で、しかもスロッ
トル開度の今回値TVO(n) が全閉所定値TVO0 以下
である場合には、アクセルペダルの足離し操作が行われ
たと判断してステップS408に移行し、ここで足離し
用制御カウンタCNTが前記最大所定値CNT0 に設定
され、次のステップS409で前記足離し用制御フラグ
Fは“1”に設定され、次のステップS410では、エ
ンジントルクの前回値TE(n-1)を今回値TE(n)にすげ替
えてしまう。また、これ以後も、前記ステップS401
からステップS403に移行し、このステップS403
でデクリメントされる前記足離し用制御カウンタCNT
が“0”以下にならない限りステップS411からステ
ップS410に移行して、その間、エンジントルクの前
回値TE(n-1)を今回値TE(n)にすげ替えられ続ける(こ
の間、値は同一である)。そして、前記足離し用制御カ
ウンタCNTが“0”以下になるとステップS411か
らステップS412に移行して、前記足離し用制御フラ
グFが“0”に設定され、再びそのときのエンジンの今
回値TE(n)をそのまま用いたライン圧制御が最下位され
る。つまり、一旦、アクセルペダルの足離し操作が行わ
れると、演算処理上は、その直前のエンジントルクTE
が所定時間,つまり前記制御カウンタの最大所定値CN
0MAXに相当する時間だけ維持される。
【0053】これをタイミングチャート化すると図10
のように表れる。即ち、時刻t01でスロットル開度TV
Oが前記全開所定値TVOHiより大きい状態から全閉所
定値TVO0 より小さい状態まで小さくなって、所謂ア
クセルペダルの足離し操作が行われると、それから前記
制御カウンタの最大所定値CNT0MAXに相当する時間だ
け、その直前のエンジントルクTE が維持される。ここ
で、従来であれば、スロットル開度TVOの変化と共に
エンジントルクTE も変化し、主として負の方向のエン
ジントルクTE が発生しているものと推定していたが、
実際には図10に示すように、正の方向のエンジントル
クTE が発生しており、これが前述の吸気管路内の残存
気体によるものである。そして、その流れ込み所要時間
は、エンジン回転数NE が最小のときに最大となるか
ら、遅くとも前記制御カウンタの最大所定値CNT0MAX
に相当する時間後の時刻t02では、エンジントルクTE
は、そのときのスロットル開度TVOに応じたものとな
る。従って、この間、エンジントルクTE をその直前の
値に維持することにより、当該エンジントルクTE に比
例したライン圧PL もその直前の値に維持され、結果的
に当該エンジントルクTE に比例した無段変速機構29
への入力負荷分のライン圧PL を供給してベルト滑りな
どを抑制防止することができる。なお、例えば前記制御
カウンタの最大所定値CNT0MAXに相当する時間のエン
ジン回転数NE が、前記想定される最小回転数NEMIN
り大きく、その結果、吸気管路内の残存気体がそれ以前
にエンジン内に流れ込んでしまい、実際のエンジントル
クTE が変化したとしても、そのときのエンジントルク
E ,つまり無段変速機構29への入力負荷は小さくな
る方向であり、それに対して高いライン圧PL が維持さ
れることになるので、少なくともベルト滑りは抑制防止
され続ける。
【0054】以上より、前記ライン圧デューティ弁12
0が本発明の無段変速機構用調圧弁を構成し、以下同様
に、前記図7の演算処理のステップS402及びステッ
プS404が足離し操作検出手段を構成し、図7の演算
処理のステップSステップS403及びステップS40
8乃至ステップS412が内燃機関出力維持手段を構成
する。
【0055】次に本発明の無段変速機の制御装置の第2
実施形態について図12及び図13を用いて説明する。
この実施形態における車両の主要構成は前記第1実施形
態の図1のものと同様である。また、無段変速機の主要
制御は、前記第1実施形態の図3に示すゼネラルフロー
と同様であり、またそれに用いられる各種の制御マップ
も、前記第1実施形態の図4乃至図6に示すものと同様
である。一方、この図3のゼネラルフローのうち、前記
ステップS4で実行されるサブルーチン処理が図7のも
のから図12のフローチャートに示すものに変更されて
いる。但し、この図12の演算処理で用いられる制御マ
ップは、前記図2及び図8乃び図9及び図11に示すも
のと同様である。また、図12の演算処理は前記図7の
演算処理に類似しており、中には同等のステップもあ
る。そこで、同等のステップには同等の符号を附してそ
れらの詳細な説明は省略する。そして、図7の演算処理
と図12の演算処理の相違について列挙すると、前記ス
テップS404とステップS408との間に、新たなス
テップS406が追加されており、また前記ステップS
412がステップS412’に変更され、更にステップ
S414とステップS417との間にステップS414
乃至ステップS419が追加されている。
【0056】具体的に前記ステップS406では、前述
した図11の制御マップに従って、現在のエンジン回転
数NE に応じた所定時間(カウント数)CNT0 を算出
設定してから前記ステップS408に移行する。また、
前記ステップS412’では、前記足離し用制御フラグ
Fを“2”に設定する。一方、前記ステップS415で
は、前記足離し用制御フラグFが“2”であるか否かを
判定し、当該制御フラグFが“2”である場合にはステ
ップS416に移行し、そうでない場合には前記ステッ
プS417に移行する。また、前記ステップS416で
は、前記目標ライン圧の前回値PL0R(n-1)から予め設定
された所定値ΔPL0を減じて目標ライン圧の今回値P
L0R(n)を算出してからステップS418に移行する。ま
た、前記ステップS418では、前記目標ライン圧の今
回値PL0R(n)から基準ライン圧PL0を減じた差分値が予
め設定された所定値α以下であるか否かを判定し、両者
の差分値が所定値α以下である場合にはステップS41
9に移行し、そうでない場合には前記ステップS420
に移行する。そして、前記ステップS419では、前記
足離し用制御フラグFを“0”に設定してから前記ステ
ップS417に移行する。
【0057】この演算処理の作用と前記第1実施形態の
作用との相違点は、まず、前記図11を制御マップとし
て用いてエンジン回転数NE に応じた所定時間(カウン
ト数)CNT0 を設定する点にある。即ち、図13に実
線で示すように、若しそのときのエンジン回転数NE
最小回転数NEMINである場合には、所定値CNT0 には
最大所定値CNT0MAXが設定されるから、例えば時刻t
11で足離し操作が行われたのち、当該最大所定値CNT
0MAXに相当する比較的長時間だけ、前述した直前のエン
ジントルクTE へのすげ替えが行われ、その間はライン
圧PL も高く維持される。一方、そのときのエンジン回
転数NE が最大回転数NEMAXである場合には、図13に
二点鎖線で示すように、所定値CNT0 には最小所定値
CNT0M INが設定されるから、当該最小所定値CNT
0MINに相当する比較的短時間だけ直前のエンジントルク
E へのすげ替えが行われ、その間だけライン圧PL
高く維持される。この実施形態では、前記第1実施形態
に比べて、高いライン圧PLの維持時間を短縮すること
ができるので、その分だけエネルギ損を低減することが
できる。
【0058】また、前記所定値CNT0 だけエンジント
ルクTE を維持したら、ステップS411からステップ
S412に移行して、前記足離し用制御フラグFが
“2”に設定される。このように足離し用制御フラグF
が“2”に設定されると、目標ライン圧の前回値P
L0R(n-1)から予め設定された所定値ΔPL0を減じた値が
目標ライン圧の今回値PL0R(n)に設定されてゆくから、
これにより図13に示すように、前記所定時間CNT0
経過後にはライン圧PL は次第に小さくなってゆく。そ
して、次第に小さく設定される目標ライン圧の今回値P
L0R(n)が、前記スロットル開度TVOとエンジン回転数
E とに応じた基準ライン圧PL0に接近し、両者の差が
微小所定値α以下になると、ステップS418からステ
ップS419に移行して前記足離し用制御フラグFが
“0”にリセットされ、次いでステップS417に移行
して、前述のように基準ライン圧PL0が目標ライン圧の
今回値PL0R( n)に設定され、これに応じてライン圧PL
が制御されるようになる。従って、大きなライン圧PL
の変動が抑制してショックなどを防止することができ
る。
【0059】なお、前記各実施形態では、各コントロー
ルユニットをマイクロコンピュータで構築したものにつ
いてのみ詳述したが、これに限定されるものではなく、
演算回路等の電子回路を組み合わせて構成してもよいこ
とは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機及びその制御装置の一例を示す概略
構成図である。
【図2】目標ライン圧からライン圧制御用デューティ弁
へのデューティ比を設定する制御マップである。
【図3】図1の変速機コントロールユニットで実行され
る演算処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】スロットル開度をパラメータとしてエンジン回
転数からエンジントルクを設定する制御マップである。
【図5】車速とスロットル開度とからロックアップ車速
及びアンロックアップ車速を設定する制御マップであ
る。
【図6】スロットル開度をパラメータとして車速から変
速比を設定する制御マップである。
【図7】図3の演算処理で実行されるマイナプログラム
の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】トルコン入出力速度比からトルク比を設定する
制御マップである。
【図9】入力トルクをパラメータとして変速比から基準
ライン圧を設定する制御マップである。
【図10】図7の演算処理による作用を示すタイミング
チャートである。
【図11】エンジン回転数からエンジントルク維持所定
時間(カウント値)を設定する制御マップである。
【図12】図3の演算処理で実行されるマイナプログラ
ムの第2実施形態を示すフローチャートである。
【図13】図12の演算処理による作用を示すタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
10はエンジン 12はトルクコンバータ 16は駆動プーリ 19はスロットルバルブ 20はシリンダ室 24はベルト 26は従動プーリ 29は無段変速機構 32はシリンダ室 108はステップモータ 120はライン圧制御用デューティ弁 128はロックアップ制御用デューティ弁 129はクラッチ締結制御用圧切換弁 200はエンジンコントロールユニット 300は変速機コントロールユニット 301はエンジン回転数センサ 302は車速センサ 303はスロットル開度センサ 304はインヒビタスイッチ 305は入力回転数センサ 310はマイクロコンピュータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 63:06 F16H 63:06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28 F02D 29/00 - 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝幅が可変の一対のプーリで、巻回され
    るベルトを挟持する無段変速機構を有し、ポンプで昇圧
    された作動流体を前記無段変速機構への入力負荷に応じ
    た所定の流体圧に無段変速機構用調圧弁で調圧して当該
    無段変速機構に供給するようにし、少なくともアクセル
    ペダルの踏込み量に応じて変化するスロットルバルブの
    開度を用いて内燃機関の出力を求め、この内燃機関の出
    力に基づいて前記無段変速機構への入力負荷を得るよう
    にした無段変速機の制御装置にあって、運転者がアクセ
    ルペダルを急速に且つ大きく戻す足離し操作を検出する
    足離し操作検出手段と、この足離し操作検出手段が足離
    し操作を検出したときに、前記無段変速機構への入力負
    荷を算出するための内燃機関の出力を、当該足離し操作
    直線の値に所定時間維持する内燃機関出力維持手段とを
    備え、前記所定時間は、前記運転者がアクセルペダルを
    足離し操作してから、前記内燃機関への吸気管路内の残
    存気体が当該内燃機関内に流れ込むまでの所要時間に応
    じて設定されることを特徴とする無段変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記所要時間は、前記吸気管路内の残存
    気体が、前記スロットルバルブから内燃機関までの距離
    を、当該内燃機関の最も低い回転数時に流れる時間に設
    定されることを特徴とする請求項に記載の無段変速機
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の回転数を検出する内燃機関回
    転数検出手段を備え、前記所要時間は、前記吸気管路内
    の残存気体が、前記スロットルバルブから内燃機関まで
    の距離を、前記内燃機関回転数検出手段で検出された内
    燃機関の回転数時に流れる時間に設定されることを特徴
    とする請求項に記載の無段変速機の制御装置。
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