JP3321683B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3321683B2
JP3321683B2 JP00975894A JP975894A JP3321683B2 JP 3321683 B2 JP3321683 B2 JP 3321683B2 JP 00975894 A JP00975894 A JP 00975894A JP 975894 A JP975894 A JP 975894A JP 3321683 B2 JP3321683 B2 JP 3321683B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真有機感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真複写機に使用される感光
体として、低価格、生産性及び無公害等の利点を有する
有機系の感光材料を用いたものが主流となりつつある。
有機系の感光体としては電荷発生物質と電荷輸送物質と
を組み合わせて用いる機能分離型の感光体が現在最も一
般である。
【0003】このような機能分離型の感光体をカールソ
ンプロセス方式の電子写真複写機に用いる場合には、感
光体表面に帯電させた後露光によって静電潜像を形成
し、その静電潜像を帯電着色粉(トナー)によって現像
し、次いでその可視像を紙等に転写、定着させる。同時
に感光体は付着トナーの除去や除電、表面の清浄化(ク
リーニング)が施され、長期にわたって反復使用され
る。
【0004】従って、電子写真用感光体としては、帯電
性及び感度が良好で更に暗減衰が小さい等の電子写真的
特性は勿論であるが、加えて繰り返し使用での耐摩耗
性、耐刷性等の機械的特性や耐温度性、耐湿度性、コロ
ナ放電時に発生するオゾン、窒素化合物、露光時の紫外
線、コロナ放電発光での紫外線等への耐性においても特
性が安定していることが要求される。
【0005】しかし、支持体上に電荷発生層及び電荷輸
送層を順次積層した従来の感光体は電荷輸送層が低分子
の電荷輸送物質を不活性の高分子の樹脂バインダで結着
することにより形成されているため電荷輸送層は一般に
柔らかいので、機械的特性と電子写真的特性とを両立さ
せることが必ずしも充分でなく、感度の高い組成又はあ
る種の樹脂バインダでは感光体の反復使用時にクリーニ
ングブレード等の摺擦等によって感光体表面に傷が生じ
たり、表面が摩耗したり、又、耐摩耗性の高い組成又は
ある種の樹脂バインダでは感度が低い又は残電上昇等の
電子写真的特性が満足できなかった。これが、近年その
指向が強いカールソンプロセスの高速化あるいは小型化
の障害となっている。
【0006】これらの問題について感光体の表面の摩擦
係数の低減、表面エネルギーの低減、摩耗防止剤とし
て、電荷輸送層にシリコーン含有樹脂(特開昭61-21904
9号、同62-205357号)、フッ素含有樹脂(特開昭50-232
31号、同61-116362号、同61-204633号、同61-270768
号)、あるいはシリコーン樹脂微粒子、フッ素含有樹脂
微粒子(特開昭63-65449号)、メラミン樹脂微粒子(特
開昭60-177349号)の添加が提案されているが、電荷輸
送層が濁り不透明となったり、感度低下、画像濃度の不
均一が発生したりするため、問題の解決には至っていな
い。また電荷輸送層の上に更に各種組成、材料で保護層
を設けることによる問題点の解決が提案されているが、
感度低下及び残電上昇が生じてしまう。またバインダ樹
脂の高分子量化による、問題点の解決が特開昭60-16815
3号、特開平1-206348号で提案されている。しかしなが
ら分子量を大きくするにしたがいその塗布液の粘度は指
数的に上昇してしまうため電荷輸送層の一般的塗布法で
ある浸漬塗布において、電荷輸送層を適切な膜厚に塗工
するには塗布速度を小さくする必要を生じ生産性の低下
をまねく結果となる。固形分濃度を低くすることによ
り、上記の問題は解決するものの液ダレが生じるため均
一膜厚に塗布することが難しくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、第1の目的は感光
体の耐摩擦性を向上させ、高耐久性(低摩耗、繰り返し
特性)と高感度とが両立した、しかも、感光体の折り曲
げ等の機械強度、耐キズ性の他、クラック防止特性がよ
感光体を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は上記目的を達成する
感光体の生産性低下、コスト上昇を抑える製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記い
ずれかの手段によって達成される。
【0010】(1)導電性基体上に少なくとも電荷発生
層及び電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光
体において、前記電荷輸送層が電荷輸送物質を含有する
複数の構成層からなり、該複数の構成層のうち、少なく
とも前記感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量
40,000以上のポリカーボネートをバインダ樹脂として含
有し、導電性支持体側の構成層に粘度平均分子量30,000
以下のポリカーボネートをバインダ樹脂として含有し、
且つ、前記表面領域側の構成層に含まれるバインダの重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が1.7以上であることを特徴とする電子写真感光
体。
【0011】(2)前記感光体の表面領域側の構成層が
下記一般式〔1〕で表されるモノマー単位を含有するバ
インダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層
が下記一般式〔2〕で表されるモノマー単位を含有する
バインダを含有することを特徴とする(1)記載の電子
写真感光体。
【0012】
【化14】
【0013】一般式〔1〕と一般式〔2〕とは同一であ
ってもよい。
【0014】R1〜R8、R10〜R17は水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基。
【0015】i,jは4〜11の整数。
【0016】R9,R18はC1〜C9のアルキル基、アリ
ール基。
【0017】(3)前記感光体の表面領域側の構成層が
下記一般式〔3〕で表されるモノマー単位を含有するバ
インダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層
が下記一般式〔4〕で表されるモノマー単位を含有する
バインダを含有することを特徴とする(1)記載の電子
写真感光体。
【0018】
【化15】
【0019】式中、R25からR32はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表
す。
【0020】
【化16】
【0021】式中、R41〜R48は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基。
【0022】mは4〜11の整数。
【0023】R49はC1〜C9のアルキル基、アリール
基。
【0024】(4)前記感光体の表面領域側の構成層が
下記一般式〔5〕で表されるモノマー単位を含有するバ
インダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層
が下記一般式〔6〕で表されるモノマー単位を含有する
バインダを含有することを特徴とする(1)記載の電子
写真感光体。
【0025】
【化17】
【0026】式中、R51〜R58はそれぞれ独立して水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換又は無置換の
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、R
51〜R58はすべてが水素原子となることはない。
【0027】
【化18】
【0028】式中、R61〜R68は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基を表す。
【0029】nは4〜11の整数。
【0030】R69はC1〜C9のアルキル基、アリール基
を表す。
【0031】(5)前記感光体の表面領域側の構成層に
下記一般式〔7〕で表される電荷輸送物質を含有するこ
とを特徴とする(1),(2),(3)及び(4)項の
いづれかに記載の電子写真感光体。
【0032】
【化19】
【0033】式中、Ar1及びAr2はそれぞれ置換、無置
換のアルキル基又はアリール基を表し、Ar1,Ar2の一
方とAr3とが結合して環を形成してもよい。R1,R2
びR3はそれぞれ水素原子、置換、無置換のアルキル
基、アリール基を表し、R2とR3とが結合して環を形成
してもよい。
【0034】(6)前記導電性支持体側の構成層に下記
一般式〔8〕で表される電荷輸送物質を含有することを
特徴とする(5)記載の電子写真感光体。
【0035】
【化20】
【0036】式中、Ar1及びAr2はそれぞれ置換、無置
換のアルキル基又はアリール基を表し、Ar1,Ar2の一
方とAr3とが結合して環を形成してもよい。R1,R2
びR3はそれぞれ水素原子、置換、無置換のアルキル
基、アリール基を表し、R2とR3とが結合して環を形成
してもよい。
【0037】(7)前記導電性支持体側の構成層に下記
一般式
〔9〕で表される電荷輸送物質を含有することを
特徴とする(5)記載の電子写真感光体。
【0038】
【化21】
【0039】式中、Ar4は置換、無置換のアルキル基又
はアリール基を表し、Ar5は置換、無置換のフェニレン
基を表す。R4及びR5はそれぞれ水素原子、置換、無置
換のアルキル基又はアリール基を表し、R4とR5が結合
して環を形成してもよい。
【0040】(8)前記導電性支持体側の構成層に下記
一般式〔10〕で表される電荷輸送物質を含有することを
特徴とする(5)記載の電子写真感光体。
【0041】
【化22】
【0042】式中、Ar6及びAr7はそれぞれ置換、無置
換のアルキル基又はアリール基を表し、Ar6,Ar7の一
方と窒素原子の結合しているフェニレン基とが結合して
環を形成してもよい。R6は水素原子、置換、無置換の
アルキル基又はアリール基を表し、R7は水素原子、置
換、無置換のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原
子を表す。
【0043】
【0044】()前記導電性支持体側の構成層中の電
荷輸送物質の濃度が前記表面領域側の構成層中の電荷輸
送物質の濃度よりも大きいことを特徴とする(1),
(2),(3),(4)及び(5)のいれかに記載の
電子写真感光体。
【0045】(10)前記表面領域側の構成層の膜厚
(Hd1)が1〜15μmであり、前記支持体側の構成層の
膜厚(Hd2)が5〜40μmであり、かつその比(Hd1/H
d2)が0.025以上3.0以下であることを特徴とする
(1),(2),(3),(4),(5)及び(9)の
れかに記載の電子写真感光体。
【0046】(11)導電性基体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる電子写真感
光体の製造方法において、前記電荷輸送層が電荷輸送物
質を含有する複数の構成層からなり、該複数の構成層の
うち、前記感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子
量40,000以上のポリカーボネートバインダを含む塗工液
を用いて円形量規制型塗布機により形成され、前記感光
体の導電性支持体側の構成層粘度平均分子量30,000以
下のポリカーボネートバインダを含む塗工液で塗布し
且つ、前記表面領域側の構成層に含まれるバインダの重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が1.7以上であることを特徴とする電子写真感光体
の製造方法。
【0047】
【作用】電子写真特性を低下させることなく耐摩耗性を
向上する方法としては一般的に、よく使われている電荷
輸送層バインダを高分子量化させることが効果的であ
る。
【0048】発明者らが、検討を重ねた結果、電荷輸送
層全てを高分子量バインダで塗布しなくとも、電荷輸送
層を2層以上とし最表層側の構成層のみに高分子量バイ
ンダを用いることにより十分に耐摩耗性を向上させられ
ること、つまり、電荷輸送層を機能分離させることによ
り目的を達成させられることが分かった。
【0049】また、このように機能分離させると電荷輸
送層を通常のように20〜50μmの厚さに一度で塗布する
必要がなく、最表面層を比較的薄い膜厚で塗布すればよ
いので、バインダ濃度を低くすることができ、塗布液の
粘度を低く抑えることが可能となり、生産性の低下も防
ぐことができることがわかった。
【0050】本発明のポリカーボネートはモノマー構造
単位が一般式〔1〕〜〔6〕で示されるものであり、単
独重合体のみならず共重合体も含まれる。共重合体の割
合は相手によって異なるが5:95〜95:5、好ましくは
10:90〜90:10である。特に一般式〔3〕で表されるモ
ノマー単位を含有するポリカーボネートについては単独
重合体でなく下記一般式で表される繰り返し構造単位の
ポリカーボネートの方が好ましい。
【0051】
【化23】
【0052】式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素
原子、置換、無置換アルキル基又はアリール基を表し、
3〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、置換、無置換アルキル基又はアリール基を表し、k
及びmは整の数であって、k/mが1〜10になるように
選択される。
【0053】これらのバインダを以下に例示する。
【0054】
【化24】
【0055】
【化25】
【0056】
【化26】
【0057】
【化27】
【0058】
【化28】
【0059】
【化29】
【0060】
【化30】
【0061】
【化31】
【0062】
【化32】
【0063】
【化33】
【0064】
【化34】
【0065】
【化35】
【0066】表層側のポリカーボネートの分子量は粘度
平均分子量で40,000〜300,000が好ましい。又、支持体
側のポリカーボネートの分子量は粘度平均分子量で10,0
00〜30,000のものが好ましい。
【0067】以下本発明の構成と効果の関係を述べれ
ば、下記のごとくである。
【0068】(1) 本発明に用いられるポリカーボネー
トにおいてはどの組み合わせにおいても両者間の相溶性
がよいので電荷輸送層の複数の構成層においてバインダ
の種類は同一でも異なってもよい。又、本発明のバイン
ダの組み合わせにおいては相互の相溶性がよく、両層の
接着性が向上し耐摩耗性、感度が向上し、更に残電上昇
を小さくできる。又、重層性も向上し塗布性が向上し
て、塗布欠陥も少なくなるという効果も生じた。
【0069】(2) 高分子量バインダを用いることによ
り耐摩耗性を低下させることなく、電荷輸送物質(CT
M)の含有量を増加させられるため高感度化が可能とな
る。
【0070】(3) 更に、特定のCTMを各構成層に含
有させること(つまり表面領域側に耐摩耗性に優れるC
TMを、電子写真特性に優れるCTMを支持体側に含有
させる)により、高耐久化と高感度化をより高いレベル
において両立できる。 (4) 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比Mw/Mn>1.7となるように分子量分布をブロードにす
ることにより折り曲げ等の機械強度、耐キズ性の他クラ
ック防止に効果がある。なお、Mw,Mnはゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた。
【0071】(5) 支持体側の構成層中のCTMの濃度
を表面領域側の構成層のそれより大きくすることにより
電子写真特性(感度、繰り返し特性、残電など)を低下
させることなくより耐摩耗性を向上させることができ
る。
【0072】(6) 円形量規制塗布機を用いることによ
り、最表面層とその下層の溶解混合が生じなくなり前述
の効果が顕著となる。
【0073】発明に係る電荷発生物質としてはフタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、アゾ
系顔料、キナクリドン系顔料、スクアリック塩顔料、多
環キノン系顔料、シアニン系顔料、スチリル系色素、キ
サンテン系染料等の有機系顔料及び染料や、酸化亜鉛、
硫化カドミウム、セレン、セレン-テルル、セレン-ヒ素
等の無機材料を使用することができる。
【0074】請求項13の発明に係る電荷発生物質には、
種々知られるアゾ顔料のうち前記したように一般式〔1
1〕で示されるフルオレノンジスアゾ系顔料が用いられ
る。
【0075】具体的化合物例については例えば特開平2-
20877号に記載されているごとき下記の化合物がある。
【0076】
【化36】
【0077】一方請求項14の発明に係る電荷発生物質に
は、種々知られるペリレン顔料のうち前記したように一
般式〔13〕,〔14〕で示されるペリレン顔料が用いられ
る。これらの具体的化合物例については例えば特願平4-
127457号に記載されている下記のごとき化合物があり、
その代表的なものを示す。
【0078】本発明に用いられるペリレン顔料として
は、下記一般式〔13〕または〔14〕で表されるビスイミ
ダゾピリドノペリレン(Bis imidazo pyridono perylen
e;BIPPと略記する)が好ましく用いられる。
【0079】
【化37】
【0080】ただし、一般式〔13〕,〔14〕において、
Zは置換,無置換の2価芳香環を形成するのに必要な原
子群を表す。
【0081】Zの好ましい具体例としては、ベンゼン
環,ナフタレン環,アンスラセン環,フェナンスレン
環,ピリジン環,ピリミジン環,ピラゾール環,アント
ラキノン環が挙げられる。なかでも好ましいものは、ベ
ンゼン環,ナフタレン環であり、特に好ましいのはベン
ゼン環である。Zは置換基を有していてもいなくてもよ
いが、無置換のものが特に好ましい。
【0082】Zの置換基としては、アルキル,アルコキ
シ,アリール,アリールオキシ,アシル,アシロキシ,
アミノ,カルバモイル,ハロゲン,ニトロ,シアノなど
を挙げることができるが、好ましくはアルキル基であ
る。
【0083】以下に一般式〔13〕,〔14〕で表わされる
化合物の具体例を示す。
【0084】
【化38】
【0085】
【化39】
【0086】次に本発明において用いられるチタニルフ
タロシアニンは、Cu-Kα線(波長1.541Å)に対するX
線回折スペクトルにおいて、測定誤差±0.2°を含んで
ブラッグ角2θでのピーク位置(以後の記述において±
0.2°の誤差値は省略する)が下記のものが好ましく用
いられる。
【0087】(1)特開昭61-239248号記載の如く7.5
°,12.3°,16.3°,25.3°及び28.7°に強いピークを
もつα型チタニルフタロシアニン、 (2)特開昭62-67094号及び特開昭63-218768号記載の
如く9.3°,10.6°,13.2°,15.1°,15.7°,16.1
°,20.8°,23.3°,26.3°及び27.1°に強いピークを
もつβ型チタニルフタロシアニン (3)電子写真学会誌第27巻第4号(P19〜24)に報告
された如く23.4°に強いピークをもつm型チタニルフタ
ロシアニン (4)特開平2-309362号記載の如く9.2°,11.6°,13.
0°,24.1°,26.2°および27.2°に強いピークを有す
るI型チタニルフタロシアニン等が挙げられる。
【0088】更に好ましくは特開昭64-17066号、特開平
3-200790号の如く9.6°及び27.2°に強いピークをもつ
チタニルフタロシアニン(本発明においては、Y型チタ
ニルフタロシアニンと称し、前四者と弁別する)が用い
られる。
【0089】尚、前記本発明に係るチタニルフタロシア
ニンのピークとは、ノイズと明瞭に異なった鋭角の錐状
の突起である。
【0090】本発明のチタニルフタロシアニンの基本構
造は次の一般式〔15〕で表される。
【0091】
【化40】
【0092】但し、式中、X1,X2,X3,X4は水素原
子,ハロゲン原子,アルキル基、或いはアルコキシ基を
表し、n,m,l,kは0〜4の整数を表す。
【0093】上記のピークは次の条件で測定した反射回
折スペクトルから求めた。
【0094】 〔日本電子製 JDX−8200型 X線回折装置を使用〕 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明に係るチタニルフタロシアニンは、例えば下記製
造方法によって製造される。1,3-ジイソノイソインドリ
ンとスルホランを混合し、これにチタニウムテトラプロ
ポキシドを加え、窒素雰囲気中で80〜300℃、好ましく
は100〜260℃で反応させる。反応終了後、放冷して析出
者を濾取してチタニルフタロシアニンを得る。
【0095】処理に用いられる装置としては一般的な撹
拌装置の他に、ホモミキサ,ディスパーザ,アジター、
或いはボールミル,サンドミル,アトライタ等を用いる
ことができる。
【0096】前記チタニルフタロシアニンにおいて、本
発明に好ましく用いられるものはY型チタニルフタロシ
アニンであり、更に9.6°のピーク強度が27.2°のピー
ク強度の40%以上である結晶状態のチタニルフタロシア
ニンが好ましく、更に好ましくは前記本発明に係るフタ
ロシアニンにおいて、27.2°のピーク強度を基準にし
て、9.6°のピーク強度が60%以上を示す結晶状態のチ
タニルフタロシアニン及び9.6°のピーク強度が50%以
上でかつ6.7°のピーク強度が30%程度である結晶状態
であるチタニルフタロシアニンを含有させることによ
り、高感度で帯電特性のよい感光体を形成することがで
きる。
【0097】下引き層、電荷輸送層(CTL)、電荷発
生層(CGL)に用いられるポリマー構成そして製法に
ついては特願平5-161645号明細書40頁〜41頁に詳しく述
べられている。
【0098】本発明において用いられる電荷輸送物質と
しては、特願平5-161645号明細書11頁〜28頁に詳しく述
べられている。その代表的なものを「化47〜52」に示
す。
【0099】電荷輸送物質の含有量はCTLのうち支持
体側構成層としては、膜厚5〜40μm、CTM含有量70w
t%以上(バインダに対して)、最表面層側構成層とし
ては、CTM含有量10〜100wt%(バインダに対して)
が好ましい。100%より多くなると膜強度が著しく低下
する。
【0100】更に好ましくは20〜85wt%である。
【0101】また、各層の膜厚は、CTLのうち表面領
域構成層の膜厚(Hd1)が1〜15μmであり、支持体
側構成層の膜厚(Hd2)が5〜40μmであり、かつそ
の比が0.025以上3.0以下である。さらにはHd1が3〜
10μmであり、かつHd1/Hd2が0.1以上1.0以下で
ある場合が好ましい。
【0102】更に好ましくはHd1が3〜10μmであ
り、かつHd2が0.1以上0.8以下である。
【0103】
【化41】
【0104】
【化42】
【0105】
【化43】
【0106】
【化44】
【0107】
【化45】
【0108】
【化46】
【0109】一方、感光体塗布に係る代表的な装置であ
る円形量規制塗布機については、特開昭58-18906号明細
書に詳しく述べられている。
【0110】
【実施例】次に本実施例について、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるもの
ではない。
【0111】導電性支持体としては直径80mm、外径355m
mのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0112】[参考例A]参考 例A−1 前記支持体上に下記組成の中間層塗布液、電荷発生層塗
布液、電荷輸送層1塗布液、電荷輸送層2塗布液を順
次、塗布乾燥しそれぞれ、0.2μmの中間層、0.5μmの電
荷発生層、24μmの電荷輸送層1、5μmの電荷輸送層2
を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0113】 ○中間層塗布液 ポリアミド(CM8000:東レ社製) 90g メタノール 1800ml ○電荷発生層塗布液 下記構造の電荷発生物質「化47」 144g ブチラール樹脂エレックスB(BM-1:積水化学工業社製) 72g シクロヘキサノン 1800ml ○電荷輸送層1塗布液 T1−5 700g P1−2(粘度平均分子量10,000) 700g 1,2-ジクロロエタン 2800
ml ○電荷輸送層2塗布液 T−3 315g P1−5(粘度平均分子量40,000) 420g 1,2-ジクロロエタン 2800ml
【0114】
【化47】
【0115】参考例A−2からA−20については電荷輸
送層1及び2のバインダ、CTM、CTM濃度、膜厚、
分子量等を表1の如く変えた以外は参考例A−1と同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0116】但し、A−7、A−14、A−20について
は、電荷輸送層2を円形スライドホッパーにて塗布し
た。
【0117】比較参考例A−1参考 例A−1において電荷輸送層2の電荷輸送物質をT
2−10に換えた以外は全く同様にして作製した。
【0118】比較参考例A−2参考 例A−4において電荷輸送層2の膜厚を0.5μmにし
た以外は全く同様にして作製した。
【0119】比較参考例A−3参考 例A−6において電荷輸送層2のバインダの粘度平
均分子量を20,000にした以外は全く同様にして作製し
た。
【0120】比較参考例A−4参考 例A−8において電荷輸送層2電荷輸送物質T1
9のCTM濃度を100%にした以外は全く同様にして作
製した。
【0121】比較参考例A−5参考 例A−10において電荷輸送層1と電荷輸送層2の積
層順を逆にした以外は全く同様にして作製した。
【0122】比較参考例A−6参考 例A−11において電荷輸送層2の電荷輸送物質をT
3−4に換えた以外は全く同様にして作製した。
【0123】比較参考例A−7参考 例A−12において電荷輸送層2のバインダの粘度平
均分子量を30,000にした以外は全く同様にして作製し
た。
【0124】比較参考例A−8参考 例A−15において電荷輸送層2電荷輸送物質T1
2のCTM濃度を10%にした以外は全く同様にして作製
した。
【0125】比較参考例A−9参考 例A−16において電荷輸送層2の膜厚を0.7μmにし
た以外は全く同様にして作製した。
【0126】比較参考例A−10参考 例A−17において電荷輸送層2のバインダの粘度平
均分子量を20,000にした以外は全く同様にして作製し
た。
【0127】比較参考例A−11参考 例A−18において電荷輸送層1と電荷輸送層2の積
層順を逆にした以外は全く同様にして作製した。
【0128】[電子写真感光体の評価]以上のようにし
て得た電子写真感光体をコニカ社製複写機U-Bix4045を
用いて以下に述べる特性評価を行った。その結果を表
1,2,3に示した。
【0129】〈電気的特性、繰り返し特性評価〉上記複
写機を改造した表面電位計を備え付けて、帯電→露光→
除電のプロセスを、100,000回繰り返したときの1回目
と100,000回目の黒紙電位、白紙電位及び残留電位(そ
れぞれVb,Vw,Vrとする)を測定して評価した。
【0130】なお、ここで言う黒紙電位とは反射濃度1.
3の黒紙原稿を複写する際の感光体の表面電位を言い、
同様に白紙電位とは反射濃度0.0の白紙原稿を複写する
際の感光体の表面電位をいう。
【0131】〈耐摩耗性評価〉感光体の耐摩耗性を10万
コピーの実写試験前・後での感光体の膜厚の変化量で評
価した。なお、感光体の膜厚はFischer社製EDDY 560Cで
測定した。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】[参考例B]参考 例B−1 前記支持体上に下記組成の中間層塗布液、電荷発生層塗
布液、電荷輸送層1塗布液、電荷輸送層2塗布液を順
次、塗布乾燥しそれぞれ、0.3μmの中間層、1.5μmの電
荷発生層、25μmの電荷輸送層1、5μmの電荷輸送層2
を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0136】 ○中間層塗布液 ポリアミド(CM8000:東レ社製) 90g メタノール 1800ml ○電荷発生層塗布液 前記構造の電荷発生物質「化44」 144g ブチラール樹脂エレックスB(BM-1:積水化学工業社製) 72g シクロヘキサノン 1800ml ○電荷輸送層1塗布液 T2−2 504g P1−2(粘度平均分子量 20,000) 560g 1,2-ジクロロエタン 2800ml ○電荷輸送層2塗布液 T1−4 126g P2C−1(粘度平均分子量 110,000) 168g ジクロロメタン 2800ml参考 例B−2 前記支持体上に下記組成の中間層塗布液、電荷発生層塗
布液、電荷輸送層1塗布液、電荷輸送層2塗布液を順
次、塗布乾燥しそれぞれ、0.2μmの中間層、1.5μmの電
荷発生層、24μmの電荷輸送層1、6μmの電荷輸送層2
を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0137】 ○中間層塗布液 ポリアミド(CM8000:東レ社製) 90g メタノール 1800ml ○電荷発生層塗布液 Y型チタニルフタロシアニン「化48」 72g ブチラール樹脂エレックスB(BX-L:積水化学工業社製) 24g メチルイソブチルケトン 1800ml ○電荷輸送層1塗布液 T2−6 540g P1−9(粘度平均分子量 15,000) 672g 1,2-ジクロロエタン 2800ml ○電荷輸送層2塗布液 T1−16 168g P3−1(粘度平均分子量 50,000) 280g 1,2-ジクロロエタン 2800ml
【0138】
【化48】
【0139】参考例B−3 前記支持体上に下記組成の中間層塗布液、電荷発生層塗
布液、電荷輸送層1塗布液、電荷輸送層2塗布液を順
次、塗布乾燥しそれぞれ、0.2μmの中間層、1.5μmの電
荷発生層、24μmの電荷輸送層1、5μmの電荷輸送層2
を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0140】 ○中間層塗布液 ポリアミド(CM8000:東レ社製) 90g メタノール 1800ml ○電荷発生層塗布液 下記の構造の電荷発生物質「化49」 81g ブチラール樹脂エレックスB(BH-S:積水化学工業社製) 24g メチルエチルケトン 1800ml ○電荷輸送層1塗布液 T2−7 504g P1−5(粘度平均分子量 30,000) 504g 1,2-ジクロロエタン 2800ml ○電荷輸送層2塗布液 T1−20 146g P1−5(粘度平均分子量 80,000) 224g 1,2-ジクロロエタン 2800ml
【0141】
【化49】
【0142】比較参考例B−1参考 例B−1における電荷発生層中の電荷発生物質を下
記「化50」の電荷発生物質に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0143】
【化50】
【0144】比較参考例B−2参考 例B−2における電荷発生層中の電荷発生物質をε
型銅フタロシアニンに換えた以外は、全く同様に作製し
た。
【0145】比較参考例B−3参考 例B−3における電荷発生層中の電荷発生物質を下
記「化51」の電荷発生物質に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0146】
【化51】
【0147】[電子写真感光体の評価]以上のようにし
て得た電子写真感光体をコニカ社製複写機U-BIX4045を
用いて上述した方法により電気的特性及び繰り返し特性
を評価した。その結果を表4に示した。
【0148】
【表4】
【0149】[実施例C] 実施例C−1 前記支持体上に下記組成の中間層塗布液、電荷発生層塗
布液、電荷輸送層1塗布液、電荷輸送層2塗布液を順
次、塗布乾燥しそれぞれ、0.3μmの中間層、1.6μmの電
荷発生層、20μmの電荷輸送層1、8μmの電荷輸送層2
を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0150】 ○中間層塗布液 ポリアミド(CM8000:東レ社製) 90g メタノール 1800ml ○電荷発生層塗布液 下記の構造の電荷発生物質「化49」 81g ブチラール樹脂エレックスB(BH-S:積水化学工業社製) 24g メチルエチルケトン 1800ml ○電荷輸送層1塗布液 T3−9 630g P1−5(粘度平均分子量 30,000) 700g 1,2-ジクロロエタン 2800ml ○電荷輸送層2塗布液 T1−5 98g P2C−10(粘度平均分子量 100,000 Mw/Mn=1.8) 140g ジクロロメタン 2800ml
【0151】
【化52】
【0152】実施例C−2 実施例C−1における電荷輸送層2のバインダ:P2C−1
0をMw/Mn=2.5のP2C−10に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0153】実施例C−3 実施例C−1における電荷輸送層2のバインダ:P2C−1
0をMw/Mn=4.2のP2C−10に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0154】比較例C−1 実施例C−1における電荷輸送層2のバインダ:P2C−1
0をMw/Mn=1.2のP2C−10に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0155】比較例C−2 実施例C−1における電荷輸送層2のバインダ:P2C−1
0をMw/Mn=1.5のP2C−10に換えた以外は、全く同様に
作製した。
【0156】〔電子写真感光体の評価〕以上のようにし
て得た電子写真感光体をコニカ社製複写機U-Bix4045を
用いて100,000コピーまでの実写試験を行い、試験後の
感光体上のクラックの発生の程度を目視により評価し
た。その結果を表5に示した。
【0157】
【表5】
【0158】更に円形スライドホッパーによる塗布膜の
効果を見る為に、上記参考例の感光体の中より、下記
例の感光体を選び、外観の塗布性の観察、塗布端部の
膜厚測定並びに10万コピー後のハーフトーン画像の観察
を行った。
【0159】
【表6】
【0160】円形スライドホッパー塗布の方が塗布端薄
膜部長が少なく、又、塗布性に由来すると思われる多数
枚繰り返し後のハーフトーン画像のムラが無い。
【0161】
【0162】
【発明の効果】本発明により第1の効果として、耐摩耗
性の向上、高耐久化(繰り返し特性良好)と高感度化と
を両立し、しかも、感光体の折り曲げ等の機械強度、耐
キズ性の他、クラック防止特性がよい感光体を提供する
ことができる。又、第2の効果として、上記目的を達成
する感光体を生産性・作業性の低下がなく、コスト上昇
を抑える製造方法を提供することができる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 5/06 367 G03G 5/06 367 371 371 380 380 (56)参考文献 特開 平5−66577(JP,A) 特開 平2−96175(JP,A) 特開 平5−94029(JP,A) 特開 平5−257298(JP,A) 特開 平3−107860(JP,A) 特開 平4−338966(JP,A) 特開 平4−37858(JP,A) 特開 平1−276148(JP,A) 特開 平5−158265(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及
    び電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体に
    おいて、前記電荷輸送層が電荷輸送物質を含有する複数
    の構成層からなり、該複数の構成層のうち、少なくとも
    前記感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量40,0
    00以上のポリカーボネートをバインダ樹脂として含有
    、導電性支持体側の構成層に粘度平均分子量30,000以
    下のポリカーボネートをバインダ樹脂として含有し、 且つ、前記表面領域側の構成層に含まれるバインダの重
    量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
    Mn)が1.7以上であ ることを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記感光体の表面領域側の構成層が下記
    一般式〔1〕で表されるモノマー単位を含有するバイン
    ダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層が下
    記一般式〔2〕で表されるモノマー単位を含有するバイ
    ンダを含有することを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。 【化1】 一般式〔1〕と一般式〔2〕とは同一であってもよい。
    1〜R8、R10〜R17は水素原子、ハロゲン原子、炭素
    数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基。i,jは4〜11の整数。R9,R18
    はC1〜C9のアルキル基、アリール基。
  3. 【請求項3】 前記感光体の表面領域側の構成層が下記
    一般式〔3〕で表されるモノマー単位を含有するバイン
    ダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層が下
    記一般式〔4〕で表されるモノマー単位を含有するバイ
    ンダを含有することを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。 【化2】 式中、R25からR32はそれぞれ独立して水素原子、ハロ
    ゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す。 【化3】 式中、R41〜R48は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
    〜10の置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基。mは4〜11の整数。R49はC1〜C9
    アルキル基、アリール基。
  4. 【請求項4】 前記感光体の表面領域側の構成層が下記
    一般式〔5〕で表されるモノマー単位を含有するバイン
    ダを含有し、前記感光体の導電性支持体側の構成層が下
    記一般式〔6〕で表されるモノマー単位を含有するバイ
    ンダを含有することを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。 【化4】 式中、R51〜R58はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、
    シクロアルキル基、アリール基を表し、R51〜R58はす
    べてが水素原子となることはない。 【化5】 式中、R61〜R68は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
    〜10の置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基を表す。nは4〜11の整数。R69はC1
    〜C9のアルキル基、アリール基を表す。
  5. 【請求項5】 前記感光体の表面領域側の構成層に下記
    一般式〔7〕で表される電荷輸送物質を含有することを
    特徴とする請求項1,2,3及び4のれかに記載の
    電子写真感光体。 【化6】 式中、Ar1及びAr2はそれぞれ置換、無置換のアルキル
    基又はアリール基を表し、Ar1,Ar2の一方とAr3とが
    結合して環を形成してもよい。R1,R2及びR3はそれ
    ぞれ水素原子、置換、無置換のアルキル基、アリール基
    を表し、R2とR3とが結合して環を形成してもよい。
  6. 【請求項6】 前記導電性支持体側の構成層に下記一般
    式〔8〕で表される電荷輸送物質を含有することを特徴
    とする請求項5記載の電子写真感光体。 【化7】 式中、Ar1及びAr2はそれぞれ置換、無置換のアルキル
    基又はアリール基を表し、Ar1,Ar2の一方とAr3とが
    結合して環を形成してもよい。R1,R2及びR3はそれ
    ぞれ水素原子、置換、無置換のアルキル基、アリール基
    を表し、R2とR3とが結合して環を形成してもよい。
  7. 【請求項7】 前記導電性支持体側の構成層に下記一般
    式〔9〕で表される電荷輸送物質を含有することを特徴
    とする請求項5記載の電子写真感光体。 【化8】 式中、Ar4は置換、無置換のアルキル基又はアリール基
    を表し、Ar5は置換、無置換のフェニレン基を表す。R
    4及びR5はそれぞれ水素原子、置換、無置換のアルキル
    基又はアリール基を表し、R4とR5が結合して環を形成
    してもよい。
  8. 【請求項8】 前記導電性支持体側の構成層に下記一般
    式〔10〕で表される電荷輸送物質を含有することを特徴
    とする請求項5記載の電子写真感光体。 【化9】 式中、Ar6及びAr7はそれぞれ置換、無置換のアルキル
    基又はアリール基を表し、Ar6,Ar7の一方と窒素原子
    の結合しているフェニレン基とが結合して環を形成して
    もよい。R6は水素原子、置換、無置換のアルキル基又
    はアリール基を表し、R7は水素原子、置換、無置換の
    アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
  9. 【請求項9】 前記導電性支持体側の構成層中の電荷輸
    送物質の濃度が前記表面領域側の構成層中の電荷輸送物
    質の濃度よりも大きいことを特徴とする請求項1,2,
    3,4及び5のいれかに記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記表面領域側の構成層の膜厚(Hd
    1)が1〜15μmであり、前記支持体側の構成層の膜厚
    (Hd2)が5〜40μmであり、かつその比(Hd1/Hd
    2)が0.025以上3.0以下であることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5及び9のいれかに記載の電子写真
    感光体。
  11. 【請求項11】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層とをこの順に積層してなる電子写真感光体
    の製造方法において、前記電荷輸送層が電荷輸送物質を
    含有する複数の構成層からなり、該複数の構成層のう
    ち、前記感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量
    40,000以上のポリカーボネートバインダを含む塗工液を
    用いて円形量規制型塗布機により形成され、前記感光体
    の導電性支持体側の構成層を粘度平均分子量30,000以下
    のポリカーボネートバインダを含む塗工液で塗布し、 且つ、前記表面領域側の構成層に含まれるバインダの重
    量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
    Mn)が1.7以上であることを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生
    物質が下記一般式〔11〕により表されることを特徴とす
    る請求項1から10のいずれかに記載の電子写真感光
    体。 【化10】 (X 1 及びX 2 は、それぞれハロゲン原子、置換若しくは
    無置換のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ
    基、または置換若しくは無置換のアミノ基を表し、X 1
    及びX 2 のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
    p及びqはそれぞれ0,1または2の整数を表し、p及
    びqは同時に0になることはなく、且つ、p及びqが2
    の時は、X 1 及びX 2 はそれぞれ同一又は異なる基であっ
    てもよい。m及びnはそれぞれ0,1または2の整数を
    表す。但し、m及びnが同時に0となることはない。A
    は下記一般式〔12〕で表される基を表す。) 【化11】 (式中、Arはフッ素化炭化水素基を有する芳香族炭素環
    基又は芳香族複素環基を 表す。Zは置換若しくは無置換
    の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環
    を形成するのに必要な非金属原子群を表す。)
  13. 【請求項13】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生
    物質が下記一般式〔13〕又は〔14〕により表されこと
    を特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の電子
    写真感光体。 【化12】 (式中、Zは置換,無置換の2価の芳香環を形成するの
    に必要な原子群を表す。)
  14. 【請求項14】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生
    物質が下記一般式〔15〕により表されることを特徴とす
    る請求項1から10のいずれかに記載の電子写真感光
    体。 【化13】 (式中、 1 ,X 2 ,X 3 及びX 4 はそれぞれ水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、n,
    m,l及びkはそれぞれ0〜4の整数を表す。
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