JPH0720644A - 有機電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents

有機電子写真感光体とその製造方法

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JPH0720644A
JPH0720644A JP16164593A JP16164593A JPH0720644A JP H0720644 A JPH0720644 A JP H0720644A JP 16164593 A JP16164593 A JP 16164593A JP 16164593 A JP16164593 A JP 16164593A JP H0720644 A JPH0720644 A JP H0720644A
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JP16164593A
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Asao Matsushima
朝夫 松島
Takeo Oshiba
武雄 大柴
Yoshihiko Eto
嘉彦 江藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度であり、耐摩耗性、耐刷性に優れ高耐
久で、かつ繰り返し使用による電位安定性の低下、残留
電位の上昇及び光感度の低下が少ない電子写真感光体を
提供すること。 【構成】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電
荷輸送層とを順次積層してなる感光体において、前記電
荷輸送層が少なくとも2層からなり、これらの構成層の
うち導電性支持体側の電荷輸送層に耐摩耗性、耐オゾン
性にはやや難点があるが、感度、電位安定性、残留電位
の点で優れる下記一般式〔I〕又は〔II〕で示される電
荷輸送物質を含有させ、最表面の電荷輸送層に前記電荷
輸送物質に比べて感度、電位安定性、残留電位の点でや
や劣るが、耐摩耗性、耐オゾン性の点で優れている下記
一般式〔III〕で示される電荷輸送物質を含有させる。 【化34】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、特に有機光導電性材料として、特定の電荷輸送物質
を用いて積層構造となした、所謂機能分離型の有機電子
写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、硫化カ
ドミウム、セレン等の無機光導電性物質を用いたものが
主流であった。
【0003】しかし、近年電子写真感光体に用いられる
光導電性材料として、無機光導電性材料に代わり有機光
導電性材料が広く用いられるようになった。その理由
は、有機光導電性材料においては、合成物質、及び、合
成条件の組み合わせによって、多種多様な材料を得るこ
とが出来、材料の選択の幅が大きく、目的に応じた多様
な感光体を作りやすいと言うことがあろう。さらに又、
前記有機光導電性材料を用いた感光体においては、電荷
発生機能と、電荷輸送機能とを分けて別々な材料に分担
させて構成する機能分離型とすることにより、材料の選
択の幅が一層拡大し、帯電能、感度、及び、耐久性等の
電子写真感光体に必要な諸特性の改善を図りやすくなっ
た。
【0004】従って、種々の有機光電導性物質を電子写
真感光体の感光層の材料として利用することが近年活発
に開発、研究されている。このような有機電子写真感光
体によれば、感光層を塗布により形成できるので製造コ
ストが安く、公害や環境汚染も防止でき、また種々の形
(シート状等)に容易に加工できる。
【0005】しかし、有機電子写真感光体には以下のよ
うな欠点があり、これらの欠点の解決が強く要望されて
いる。
【0006】(a)感度がまだ不十分である。
【0007】(b)低分子の有機化合物を高分子有機樹
脂(バインダー)で結着する事により層形成しているの
で、機械的強度が必ずしも充分ではなく、感光体の反復
使用時に現像ブレード、クリーナー等との接触により感
光体表面に傷が生じたり、表面が摩耗したりする。
【0008】(c)感光体は主として負帯電用として用
いられているが、負のコロナ放電時、帯電器による負帯
電時に雰囲気中に発生するオゾン量が多く、環境条件の
悪化を生じる。このため、イオン性物質の感光体表面へ
の吸着や感光体表面の材料の劣化を招くため、繰り返し
使用時に電位低下をきたし、残留電位上昇、感度低下、
画像の品質の低下の原因となり、感光体の寿命を低下さ
せる。
【0009】上記の問題解決に対して新規な電荷発生物
質、電荷輸送物質の開発が現在行われている。負帯電感
光体においては、特に、最表面層となる電荷輸送層に含
有される電荷輸送物質の種類が重要になってくる。
【0010】現在までにいくつかの高感度を示す電荷輸
送物質の発明が報告されている。しかし、これらの電荷
輸送物質は一般的に分子量はもちろん分子自体の大きさ
が大きくなっており、バインダー中に含有させた際の膜
の機械的強度は逆に低下する傾向にある。
【0011】一方、バインダー中に含有させた場合に膜
の機械的強度の低下を少なく抑えることが可能な電荷輸
送物質は感度に関しては不十分である。
【0012】このように同一の電荷輸送物質を用いて感
度と電荷輸送層の機械的強度の両方を満足させることは
難しく、実現できていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高感度であ
り、耐摩耗性、耐刷性に優れ高耐久で、かつ繰り返し使
用による電位安定性の低下、残留電位の上昇及び光感度
の低下が少ない電子写真感光体を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らが検討した結
果、繰り返し使用において生じる感光体の電位安定性の
低下、残留電位の上昇及び感度低下といった光疲労、耐
オゾン性及び摩耗の程度が電荷輸送層に含まれる電荷輸
送物質の種類に大きく依存している。そしてさらに電荷
輸送物質について、一般にその分子量および分子自体の
大きさが大きくなるにつれホール輸送能が高くなるがそ
の反面、感光体にした際の耐摩耗性が低下することを見
出した。
【0015】そして、本発明者らは電荷輸送層を2層以
上とし、各層に特定な電荷輸送物質を含有させた積層型
電子写真感光体が上記目的に対して有効であることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、導電性支持体上に少なくとも電
荷発生層と電荷輸送層とを順次積層してなる感光体にお
いて、前記電荷輸送層が少なくとも2層からなり、これ
らの構成層のうち導電性支持体側の電荷輸送層に耐摩耗
性、耐オゾン性にはやや難点があるが、感度、電位安定
性、残留電位の点で優れる下記一般式〔I〕又は〔II〕
で示される電荷輸送物質を含有させ、最表面の電荷輸送
層に前記電荷輸送物質に比べて感度、電位安定性、残留
電位の点でやや劣るが、耐摩耗性、耐オゾン性の点で優
れている下記一般式〔III〕で示される電荷輸送物質を
含有させることにより、感度と耐摩耗性との両立が可能
でさらに耐オゾン性に優れ、繰り返し使用においても、
感度、電位安定性、残留電位の上昇がない電子写真を提
供するに至った。
【0017】
【化8】
【0018】(式中、Ar1は置換、無置換アルキル基又
はアリール基を表し、Ar2はフェニレン基を表す。R1
びR2はそれぞれ水素原子、置換、無置換アルキル基又
はアリール基を表し、R1とR2とが結合して環を形成し
てもよい。)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、Ar3及びAr4はそれぞれ置換、無置
換アルキル基又はアリール基を表し、Ar3,Ar4の一方と
窒素原子に結合しているフェニレン基とが結合して環を
形成してもよい。R3は水素原子、置換、無置換アルキ
ル基又はアリール基を表し、R4は水素原子、アルキル
基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
【0021】
【化10】
【0022】(式中、Ar5及びAr6はそれぞれ置換、無置
換アルキル基又はアリール基を表し、Ar7はフェニレン
基を表しAr5,Ar6の一方とAr7とが結合して環を形成し
てもよい。R5,R6及びR7はそれぞれ水素原子、置
換、無置換アルキル基又はアリール基を表し、R6とR7
とが結合して環を形成してもよい。)次にこれら電荷輸
送物質の具体的例をあげる。
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
【化24】
【0037】
【化25】
【0038】
【化26】
【0039】さらに、請求項1,5,6の発明に係る電
荷輸送層は、複数の構成層のうち、導電性支持体側の構
成層(上記の例では図1における下側構成層4)におけ
る電荷輸送物質のバインダー物質に対する含有量比(重
量比、電荷輸送物質/バインダー物質)は、表面領域側
の構成層(上記の例では上側構成層)における電荷輸送
物質のバインダー物質に対する含有量比(重量比、電荷
輸送物質/バインダー物質)よりも大きくすることが好
ましい。
【0040】このようにすると、表面領域側の電荷輸送
物質濃度がより低いことから、電荷輸送物質の劣化の割
合は更に少なくなる。しかも、最表層の構成層が導電性
支持体側の構成層よりも電荷輸送物質濃度が低いので、
オゾン劣化防止に更に効果が上がる。しかも、導電性支
持体側の「電荷輸送層の構成層」において、電荷輸送物
質濃度をより高くすれば、電荷発生層で発生した光キャ
リアは高い効率で電荷輸送層中へと注入される。また、
感光体表面領域側の電荷輸送層の構成層中の電荷輸送物
質濃度をより小さくすれば、低分子量の電荷輸送物質の
濃度が低い分だけ電荷輸送層の機械強度を上げることが
できる(請求項2)。
【0041】
【作用】発明について詳細に説明する。電子写真感光体
の構造は種々の形態が知られているが、本発明の電子写
真感光体は機能分離型感光体であり、その一般的層構成
は図1の(1),(2)のような構造となる。(1)に示す層構
成は導電性支持体1上に電荷発生物質を含有する電荷発
生層2を形成し、電荷発生層2上に構成層4,5からな
る電荷輸送物質を含有する電荷輸送層3を設けたもので
ある。(2)は(1)の層構成の電荷発生層2と導電性支持体
1との間に接着層、バリア層などの中間層6を設けたも
のである。図1の(1),(2)の構造において、最表層には
さらに保護層を設けてもよく、また電荷発生層2中に電
荷輸送物質を含有してもよい。
【0042】本発明において、導電性支持体と電荷発生
層との間に中間層を有している場合、その際中間層の膜
厚は0.01〜15μm、好ましくは0.05〜3.0μmの範囲とさ
れる。0.01μmを下まわると支持体から感光層への電荷
の注入が阻止され得ない。また支持体の凸凹を原因とし
て感光体にピンホールが発生し易くなる。15μmを上ま
わると感光層の残留電位が効果的に除去され得ない。
【0043】さらに中間層に用いられるバインダーとし
ては、電気抵抗、耐環境性、他層との接着性あるいは他
層の溶媒に不溶であること等を考慮して選ばれる。
【0044】中間層に用いられるバインダー樹脂、材料
としては酸化アルミニウム、酸化インジウム等の金属酸
化物、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン
樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体
樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体
樹脂等の高分子物質を用いることができる。
【0045】溶媒あるいは分散媒としては、n-ブチルア
ミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジ
アミン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキ
サノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロ
ロプロパン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,1-トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ
メチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。これら
の溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いる
ことができる。
【0046】中間層の成膜法としては、樹脂を溶剤に溶
解して、浸漬塗工法、スプレー塗工法、ビードコート法
等を用いればよい。
【0047】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属
板、金属ドラム又は金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸
化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルムある
いは導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィ
ルム又はドラムを使用することができる。
【0048】電荷発生層は電荷発生物質を主材料とした
層で必要に応じてバインダー樹脂を用いてもよい。以下
に、各請求項の発明に係る電荷発生物質について述べ
る。
【0049】発明に係る電荷発生物質としてはフタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、アゾ
系顔料、キナクリドン系顔料、スクアリック塩顔料、多
環キノン系顔料、シアニン系顔料、スチリル系色素、キ
サンテン系染料等の有機系顔料及び染料や、酸化亜鉛、
硫化カドミウム、セレン、セレン-テルル、セレン-ヒ素
等の無機材料を使用することができる。
【0050】請求項4の発明に係る電荷発生物質には、
種々知られるアゾ顔料のうち前記したように一般式〔I
V〕で示されるフルオレノンジスアゾ系顔料が用いられ
る。
【0051】具体的化合物例については例えば特開平2-
20877号に記載されているごとき下記の化合物がある。
【0052】
【化27】
【0053】一方請求項5の発明に係る電荷発生物質に
は、種々知られるペリレン顔料のうち前記したように一
般式〔VI〕,〔VII〕で示されるペリレン顔料が用いら
れる。これらの具体的化合物例については例えば特願平
4-127457号に記載されている下記のごとき化合物があ
り、その代表的なものを示す。
【0054】本発明に用いられるペリレン顔料として
は、下記一般式〔VI〕または〔VII〕で表されるビスイ
ミダゾピリドノペリレン(Bis imidazo pyridono peryl
ene;BIPPと略記する)が好ましく用いられる。
【0055】
【化28】
【0056】ただし、一般式〔VI〕,〔VII〕におい
て、Zは置換,無置換の2価芳香環を形成するのに必要
な原子群を表す。
【0057】Zの好ましい具体例としては、ベンゼン
環,ナフタレン環,アンスラセン環,フェナンスレン
環,ピリジン環,ピリミジン環,ピラゾール環,アント
ラキノン環が挙げられる。なかでも好ましいものは、ベ
ンゼン環,ナフタレン環であり、特に好ましいのはベン
ゼン環である。Zは置換基を有していてもいなくてもよ
いが、無置換のものが特に好ましい。
【0058】Zの置換基としては、アルキル,アルコキ
シ,アリール,アリールオキシ,アシル,アシロキシ,
アミノ,カルバモイル,ハロゲン,ニトロ,シアノなど
を挙げることができるが、好ましくはアルキル基であ
る。
【0059】以下に一般式〔VI〕,〔VII〕で表わされ
る化合物の具体例を示す。
【0060】
【化29】
【0061】
【化30】
【0062】次に本発明において用いられるチタニルフ
タロシアニンは、Cu-Kα線(波長1.541Å)に対するX
線回折スペクトルにおいて、測定誤差±0.2°を含んで
ブラッグ角2θでのピーク位置(以後の記述において±
0.2°の誤差値は省略する)が下記のものが好ましく用
いられる。
【0063】(1)特開昭61-239248号記載の如く7.5
°,12.3°,16.3°,25.3°及び28.7°に強いピークを
もつα型チタニルフタロシアニン、 (2)特開昭62-67094号及び特開昭63-218768号記載の
如く9.3°,10.6°,13.2°,15.1°,15.7°,16.1
°,20.8°,23.3°,26.3°及び27.1°に強いピークを
もつβ型チタニルフタロシアニン (3)電子写真学会誌第27巻第4号(p19〜24)に報告
された如く23.4°に強いピークをもつm型チタニルフタ
ロシアニン (4)特開平2-309362号記載の如く9.2°,11.6°,13.
0°,24.1°,26.2°および27.2°に強いピークを有す
るI型チタニルフタロシアニン等が挙げられる。
【0064】更に好ましくは特開昭64-17066号、特開平
3-200790号の如く9.6°及び27.2°に強いピークをもつ
チタニルフタロシアニン(本発明においては、Y型チタ
ニルフタロシアニンと称し、前四者と弁別する)が用い
られる。
【0065】尚、前記本発明に係るチタニルフタロシア
ニンのピークとは、ノイズと明瞭に異なった鋭角の錐状
の突起である。
【0066】本発明のチタニルフタロシアニンの基本構
造は次の一般式〔VIII〕で表される。
【0067】
【化31】
【0068】但し、式中、X1,X2,X3,X4は水素原
子,ハロゲン原子,アルキル基、或いはアルコキシ基を
表し、n,m,l,kは0〜4の整数を表す。
【0069】上記のピークは次の条件で測定した反射回
折スペクトルから求めた。
【0070】〔日本電子製 JDX−8200型 X線回折
装置を使用〕 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明に係るチタニルフタロシアニンは、例えば下記製
造方法によって製造される。1,3-ジイソノイソインドリ
ンとスルホランを混合し、これにチタニウムテトラプロ
ポキシドを加え、窒素雰囲気中で80〜300℃、好ましく
は100〜260℃で反応させる。反応終了後、放冷して析出
者を濾取してチタニルフタロシアニンを得る。
【0071】処理に用いられる装置としては一般的な撹
拌装置の他に、ホモミキサ,ディスパーザ,アジター、
或いはボールミル,サンドミル,アトライタ等を用いる
ことができる。
【0072】前記チタニルフタロシアニンにおいて、本
発明に好ましく用いられるものはY型チタニルフタロシ
アニンであり、更に9.6°のピーク強度が27.2°のピー
ク強度の40%以上である結晶状態のチタニルフタロシア
ニンが好ましく、更に好ましくは前記本発明に係るフタ
ロシアニンにおいて、27.2°のピーク強度を基準にし
て、9.6°のピーク強度が60%以上を示す結晶状態のチ
タニルフタロシアニン及び9.6°のピーク強度が50%以
上でかつ6.7°のピーク強度が30%程度である結晶状態
であるチタニルフタロシアニンを含有させることによ
り、高感度で帯電特性のよい感光体を形成することがで
きる。
【0073】本発明に好ましく用いられるY型チタニル
フタロシアニンのブラッグ角2θのX線回折図の一例を
図2に示す。
【0074】電荷発生層2は、例えば下記に示す方法に
よって作製された塗布液を導電性支持体1、あるいは必
要に応じて接着層もしくはバリア層などの中間層6を設
けた上に塗布することにより形成することができる。
【0075】1)前記電荷発生物質を適当な溶媒に溶解
した溶液、あるいはさらに必要に応じてバインダー樹脂
又は電荷輸送物質を加え混合溶解した溶液。
【0076】2)前記電荷発生物質をボールミル、サン
ドグラインダー等を用いて分散媒中で微細粒子(好まし
くは1μm以下)とし、必要に応じてバインダー樹脂お
よび/又は電荷輸送物質を加え混合分散した分散液。
【0077】電荷発生層の形成に使用される溶媒あるい
は分散媒としては、n-ブチルアミン、ジエチルアミン、
エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタ
ノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-
ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,1,2-トリク
ロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチ
ルセロソルブ等が挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0078】これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混
合溶媒として用いることができる。
【0079】また、少なくとも後記する電荷輸送物質を
含有する電荷輸送層は上記電荷発生層と同様にして形成
することができる。電荷発生層あるいは後記する電荷輸
送層の形成にもちいられるバインダー樹脂は任意のもの
を用いることができるが、疎水性で、かつ誘電率が高
く、電気絶縁性のフィルム形成性高分子重合体を用いる
のが好ましい。このような高分子重合体としては、例え
ば次のものを挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0080】P−1) ポリカーボーネート P−2) ポリエチレン P−3) メタクリル酸 P−4) アクリル樹脂 P−5) ポリ塩化ビニル P−6) ポリ塩化ビニリデン P−7) ポリスチレン P−8) ポリビニルアセテート P−9) スチレン-ブタジエン共重合体 P−10) 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 P−11) 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 P−12) 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重
合体 P−13) シリコン樹脂 P−14) シリコン-アルキッド樹脂 P−15) フェノールホルムアルデヒド樹脂 P−16) スチレン-アルキッド樹脂 P−17) ポリ-N-ビニルカルバゾール P−18) ポリビニルブチラール P−19) ポリビニルフォルマール これらのバインダー樹脂は、単独であるいは2種以上の
混合物として用いることができる。
【0081】以上のようにして形成される電荷発生層に
おいて、電荷発生物質とバインダーとの重量比は好まし
くは100:0〜1000である。
【0082】電荷発生物質の含有割合がこれよりも少な
いと光感度が低く、残留電位の増加を招き、またこれよ
りも多いいと暗減衰の増加及び受容電位が低下する。
【0083】また電荷発生層中に電荷輸送物質を含有す
る場合には、電荷発生物質と電荷輸送物質との割合は重
量比で10:0〜10:1000であることが好ましく、特に好
ましくは10:0〜10:100である。
【0084】電荷発生層の塗布は中間層を塗布するのと
同様な方法で行うことができる。形成される電荷発生層
の膜厚は、好ましくは0.01〜10μmである。
【0085】次に電荷輸送層について説明する。
【0086】電荷輸送層のうち、表面領域側の構成層
(上記の例では上側構成層)には、前記一般式〔III〕
で示される電荷輸送物質を含有させ、層中における電荷
輸送物質のバインダー物質に対する含有率(重量比、電
荷輸送物質/バインダー物質×100)は5.0〜200重量%
(更には20から80重量%)とすることが好ましく、その
膜厚は1.0〜10μmとすることが好ましい。
【0087】導電性支持体側の構成層(上記の例では下
側構成層)には、前記一般式〔I〕又は〔II〕で示され
る電荷輸送物質を含有させ、層中における電荷輸送物質
のバインダー物質に対する含有率は、30重量%以上、さ
らには50〜300重量%とすることが好ましい。これによ
り、電荷輸送層からの光電荷注入能を大きくできる。特
筆すべきことは、電荷輸送物質の含有率を例えば300重
量%と非常に大きくできることであり、これは感光体表
面領域側の電荷輸送層の成膜強度を大きくすれば可能と
なるのである。また、膜厚は5〜30μmとすることが好
ましい。
【0088】電荷輸送層の形成方法について述べる。前
記電荷発生層と同様にして塗布液を調液し、これを塗布
して電荷輸送層を形成する。塗布は、中間層、電荷発生
層と同様に浸漬塗布、スプレー塗布、ビードコート法等
を用いれば良い。
【0089】また、請求項3は、感光体製造方法におい
て、少なくとも上記表面領域側の構成層を円形量規制型
塗布機で塗布することを特徴とする。円形量規制型塗布
機の塗布原理・特徴については、特開昭60-95440号、特
願平3-90250に開示されている。
【0090】従来、有機光導電性感光層を塗布し形成す
る場合、浸漬塗布、ブレード塗布、スピン塗布、ビーム
塗布、スパイラル塗布等種々の塗布方法が用いられてい
るが、塗布方法が手軽でかつ平滑な塗膜が容易に得られ
ることから、多量の塗布液を満したタンクに被塗布体を
浸漬して塗布する浸漬塗布法が最も普及している。
【0091】しかしながら前記浸漬塗布法では、感光層
を積層塗布する場合下層が溶解される。すなわち、表面
層の塗布時下層が溶解されると、塗膜が破壊されて表面
層及び下層の機能が失われ、感光体の性能が発現されな
い。又表面層の塗布時、むら、筋、斑点、凹凸等を発生
した場合、電子写真性能が部分的に又は局所的に異な
り、画像むらを生じ画質が低下し、かつ光電的、機能的
耐久性も低下し、電子写真性能が殷損される。又前記浸
漬塗布法は多量の塗布液を収容したタンクに被塗布体を
1本づつ浸漬して塗布を行うため塗布液の無駄が多く、
塗布能率が悪くかつ塗布加工の初期と後期とではタンク
内の塗布液が変化して電子写真性能にばらつきを生ずる
等の問題も生ずる。
【0092】そこで本発明のように少なくとも上記表面
領域側の構成層を円形量規制型塗布機(例えば円形スラ
イドホッパ塗布機など)を用いれば上記問題を解決でき
更に本発明においては、少なくとも上記表面領域側の構
成層とそれ以外の構成層で異なった電荷輸送物質を使用
するため、上記表面領域側の構成層塗布液への下層電荷
輸送物質の溶出によるコンタミが生じる問題点に対して
も有効な手段となる。
【0093】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0094】導電性支持体としては鏡面加工を施した直
径80mm、長さ355mmのアルミニウム支持体を用いた。
【0095】実施例1 前記支持体上に下記の中間層塗布液を浸漬塗布により乾
燥後の膜厚が0.2μmになるように浸漬塗布で塗布して中
間層を形成した。
【0096】 〔中間層塗布液〕 ポリアミド(東レ社製) 27g メタノール 1800ml 次いで、上記中間層上に下記の電荷発生層塗布液を浸漬
塗布により乾燥後の膜厚が1.5μmになるように塗布して
電荷発生層を形成した。
【0097】 〔電荷発生層塗布液〕 フルオレノン例示化合物G−I 30g ブチラール樹脂エレックスB(BX−L 積水化学工業社製) 10g メチルエチルケトン 1800ml 次いで下記の電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗布により乾燥
後の膜厚が20μmになるように塗布し、電荷輸送層の支
持体側構成層を形成した。
【0098】 〔電荷輸送層塗布液A〕 T1−10 500g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0099】次いで、下記の電荷輸送層塗布液Bを浸漬
塗布により、乾燥後の膜厚が7μmになるように塗布し
て電荷輸送層の表面領域側構成層を形成した。
【0100】 〔電荷輸送層塗布液B〕 T3−4 350g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 700g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0101】実施例2 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0102】次いで実施例1の電荷輸送層塗布液Aの電
荷輸送物質T1−10をT2−1に換えた以外は、実施例1
と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
【0103】実施例3 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0104】次いで実施例1の電荷輸送層塗布液Bの電
荷輸送物質T3−4をT3−20に換えた以外は、実施例1
と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
【0105】実施例4 実施例1と同様にして、中間層,電荷発生層を形成し
た。
【0106】次いで下記の電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布し、
電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0107】 〔電荷輸送層塗布液A〕 T2−6 672g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物を、1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解し
たもの。
【0108】次いで下記の電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布して電
荷輸送層の表面領域側構成層を形成した。
【0109】 〔電荷輸送層塗布液B〕 T3−17 448g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0110】実施例5 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0111】次いで実施例4の電荷輸送層塗布液Aの電
荷輸送物質 T2−6をT1−24に換えた以外は実施例4
と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
【0112】実施例6 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0113】次いで実施例4の電荷輸送層塗布液Bの電
荷輸送物質 T3−17をT3−11に換えた以外は実施例4
と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製した。
【0114】実施例7 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0115】次いで実施例1の電荷発生層の電気発生物
質フルオレノンジスアゾ系顔料G−1を下記ジスアゾ系
顔料(CGM1)に換えた以外実施例1と同様にして実
施例7の電子写真感光体を作製した。
【0116】実施例8 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0117】次いで実施例1の電荷発生層の電気発生物
質フルオレノンジスアゾ系顔料A−3を下記ジスアゾ系
顔料(CGM2)に換えた以外実施例1と同様にして実
施例8の電子写真感光体を作製した。
【0118】
【化32】
【0119】比較例1 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0120】次いで、実施例1の電荷輸送層塗布液Aに
含有させる電荷輸送物質T1−10と電荷輸送層塗布液B
に含有させる電荷輸送物質T3−4とを入れ換えたほか
は実施例2と同様にして比較例1の電子写真感光体を作
製した。
【0121】比較例2 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0122】次いで、実施例2の電荷輸送層塗布液Aに
含有させる電荷輸送物質T2−1と電荷輸送層塗布液B
に含有させる電荷輸送物質T3−4とを入れ換えたほか
は実施例3と同様にして比較例2の電子写真感光体を作
製した。
【0123】比較例3 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0124】次いで、実施例4の電荷輸送層塗布液Aに
含有させる電気輸送物質T2−6と電荷輸送層塗布液B
に含有させる電荷輸送物質T3−17とを入れ換えたほか
は実施例4と同様にして比較例3の電子写真感光体を作
製した。
【0125】比較例4 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0126】次いで、実施例5の電荷輸送層塗布液Aに
含有させる電荷輸送物質T1−24と電荷輸送層塗布液B
に含有させる電荷輸送物質T3−17とを入れ換えたほか
は実施例5と同様にして比較例4の電子写真感光体を作
製した。
【0127】比較例5 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0128】次いで、実施例1の電荷発生層塗布液Bを
浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が27μmとなるように塗
布して電荷輸送層を形成した。
【0129】比較例6 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0130】次いで、実施例3の電荷輸送層塗布液Bを
浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が27μmとなるように塗
布して電荷輸送層を形成した。
【0131】比較例7 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0132】次いで、実施例1の電荷輸送層塗布液Aを
浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が28μmとなるように塗
布して電荷輸送層を形成した。
【0133】比較例8 実施例1と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0134】次いで、実施例4の電荷輸送層塗布液Aを
浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が27μmとなるように塗
布して電荷輸送層を形成した。
【0135】〈電子写真感光体の評価〉以上のようにし
て得た電子の写真感光体をコニカ(株)社製複写機U−B
IX4045を用いて以下に述べる特性評価を行った。その
結果を表1に示した。
【0136】[電気的特性,繰り返し特性評価]上記複
写機を改造し表面電位計を備え付けて、帯電→露光→除
電のプロセスを、50,000回繰り返したときの1回目と5
0,000回目の黒紙電位,白紙電位及び残留電位(それぞ
れVb,Vw,Vr)を測定して評価した。
【0137】なお、ここでいう黒紙電位とは反射濃度1.
3の黒紙原稿を複写する際の感光体の表面電位をいう。
同様に白紙電位とは反射濃度0.0の白紙原稿を複写する
際の感光体の表面電位をいう。
【0138】[画像評価]5万枚コピー後の画像サンプ
ルを見て、地カブリ,中間調画像での白スジや黒スジそ
して濃淡ムラなどの感光体劣化(膜厚減耗、電気的特性
など)による画像欠陥がでていないか調べた。
【0139】[耐摩粍性評価]感光体の耐摩粍性を5万
枚コピーの実写試験の前後での感光体膜厚の変化量で評
価した。なお、感光体の膜厚はFischer社製EDDY 560Cで
測定した。
【0140】
【表1】
【0141】実施例9,10,11,12,13,14 実施例1と同様に上記中間層上に下記の電荷発生層塗布
液を浸漬塗布により乾燥後の膜厚が1.5μmになるように
塗布して電荷発生層を形成した。
【0142】 〔電荷発生層塗布液〕 ペリレン例示化合物A−1 32g ブチラール樹脂エレックスB (BM−S、積水化学工業社製) 10g メチルエチルケトン 1800ml からなる混合物をサンドグラインダーで20時間分散して
電荷発生層塗布液とした。
【0143】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が20μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0144】 T1−1 138g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0145】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が5μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0146】 T3−1 420g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0147】ここで、電荷輸送層塗布液Aに含有させる
電荷輸送物質T1−1の添加量を46g,138g,230g,4
14g,1380gとかえ5本の感光体を作成し、それぞれ実
施例9,10,11,12,13,14とした。
【0148】実施例15,16,17,18,19,20、比較例
9,10 実施例9と同様にして中間層,電荷発生層を形成した。
【0149】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が18μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0150】 T2−3 420g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物を1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解した
もの。
【0151】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が5μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0152】 T3−6 280g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0153】ここで、電荷輸送層塗布液Bに含有させる
電荷輸送物質T3−6の添加量を16.8,28.0,112,28
0,448,560,1120,1680gと変え8本の感光体を作成
し、それぞれ、実施例15,16,17,18,19,20、比較例
9,10とした。
【0154】実施例21 実施例11において電荷発生物質A−1を下記ペリレン化
合物P−1に換えた以外は実施例11と同様にして実施例
21の電子写真感光体を作製した。
【0155】比較例22 実施例12において、電荷発生物質A−1を下記ペリレン
化合物P−2に換えた以外は、実施例12と同様にして実
施例22の電子写真感光体を作製した。
【0156】
【化33】
【0157】実施例23 実施例17において電荷発生物質A−1をP−1に換えた
以外は、実施例14と同様にして実施例23の電子写真感光
体を作製した。
【0158】実施例24 実施例18において、電荷発生物質A−1をP−2に換え
た以外は、実施例18と同様にして実施例24の電子写真感
光体を作製した。
【0159】〈電子写真感光体の評価〉以上のようにし
て得た電子写真感光体を前記感光体評価法により評価し
た。その結果を表2に示した。
【0160】
【表2】
【0161】実施例25,26,27,28,29 実施例1と同様にして中間層を形成した。
【0162】次いで、上記中間層上に下記の電荷発生層
塗布液を浸漬塗布により乾燥後の膜厚が1.5μmになるよ
うに塗布して電荷発生層を形成した。
【0163】 〔電荷発生層塗布液〕 Y型チタニルフタロシアニン(一般式(VIII)のX1〜X4が全て水素原子) 30g シリコーン樹脂(KR-5240:15%キシレン/ブタノール溶液、信越化学社製) 60ml メチルイソブチルケトン 1740ml からなる混合物をサンドミルで20時間分散して電荷発生
層塗布液とした。
【0164】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が18μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0165】 T1−21 552g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物を1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解した
もの。
【0166】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0167】 T3−21 560g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物を1,2-ジクロロメタン2800mlに溶解した
もの。
【0168】ここで、電荷輸送層の表面領域構成層の膜
厚を0.5μm,1.0μm,5.0μm,10μm,20μmと変え5本
の感光体を作製し、それぞれ、実施例25,26,28,29と
した。
【0169】実施例30 実施例19において電荷発生物質をY型チタニルフタロシ
アニンからε型銅フタロシアニンに換えた以外は実施例
19と同様にして比較例20の電子写真感光体を作製した。
【0170】実施例31 実施例19において電荷発生物質をY型チタニルフタロシ
アニンからτ型無金属フタロシアニンに換えた以外は実
施例19と同様にして実施例31の電子写真感光体を作製し
た。
【0171】〈電子写真感光体の評価〉以上のようにし
て得た電子写真感光体を前記感光体評価法により評価し
た。その結果を表3に示した。
【0172】
【表3】
【0173】表1,2,3の結果から明らかなように電
荷輸送層を二層以上とし、更に各層に含有させる電荷輸
送物質を特定の組み合わせにし、含有させる電荷輸送物
質の量・電荷輸送層の膜厚を適切な値にした本発明の感
光体は高耐久性と高感度とを両立する事ができる。
【0174】また表1,2,3の結果から明らかなよう
に特定の電荷発生物質と組み合せることにより、すなわ
ち、ジアゾ顔料の中ではフルオレノン型ジアゾ顔料、ペ
リレン顔料の中では一般式(VI)又は(VII)で表わさ
れる化合物、フタロシアニン顔料ではチタニルフタロシ
アニン顔料が特に優れていることがわかる。
【0175】実施例32 実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を形成した。
【0176】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が18μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0177】 T2−9 332g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物を1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解した
もの。
【0178】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚5μmになるように塗布
して電荷輸送層の表面領域側構成層を形成した。
【0179】 T3−7 336g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0180】実施例33 実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を形成した。
【0181】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が18μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0182】 T1−16 437g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 460g からなる混合物を1,2-ジクロロエタン2800mlに溶解した
もの。
【0183】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が5μmになるように塗
布して電荷輸送層の表面領域側構成層を形成した。
【0184】 T3−13 420g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物を1,2-ジクロロメタン2800mlに溶解した
もの。
【0185】実施例34 実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を形成した。
【0186】次いで、下記電荷輸送層塗布液Aを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が18μmになるように塗
布して電荷輸送層の支持体側構成層を形成した。
【0187】 T2−7 672g ポリカーボネート(Z300 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0188】次いで、下記電荷輸送層塗布液Bを浸漬塗
布により乾燥後の塗布液の膜厚が5μmになるように塗
布して電荷輸送層の表面領域側構成層を形成した。
【0189】 T3−5 392g ポリカーボネート(Z200 三菱瓦斯化学社製) 560g からなる混合物をジクロロメタン2800mlに溶解したも
の。
【0190】実施例35,36,37 実施例32,33,34において電荷輸送層の表面側構成層の
みを円形スライドホッパーにより形成した以外は実施例
32,33,34と同様にしてそれぞれ実施例35,36,37の電
子写真感光体を作製した。
【0191】実施例38,39,40 実施例32,33,34において電荷輸送層の支持体側、表面
領域側の両者を円形スライドホッパーを用いて形成した
以外は実施例32,33,34と同様にしてそれぞれ実施例3
8,39,40の電子写真感光体を作製した。
【0192】〈電子写真感光体の評価〉以上のようにし
て得た電子写真感光体を前記感光体評価法と更に以下の
方法により評価した。
【0193】〈表面性評価〉感光体表面の表面性(平滑
性)を感光体を目視により塗布ムラ、凹凸、亀裂などの
塗布欠陥の有無を判断した。
【0194】以上の評価の結果を表4にまとめて示し
た。
【0195】
【表4】
【0196】表4の結果から分かるように電荷輸送層を
円形量規制型塗布機を用いて作製した本発明の感光体は
電荷輸送層を浸漬塗布により作製した感光体と比較して
若干電気的特性およびくり返し特性が優れるほかは耐久
性、塗布性ともに同等である。
【0197】
【発明の効果】本発明により、耐摩耗性、耐刷性、耐オ
ゾン性に優れ高耐久で、かつ繰り返し使用による電位安
定性の低下、残留電位の上昇及び光感度の低下が少ない
電子写真感光体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図
である。
【図2】本発明に用いられるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 電荷輸送層下側構成層 5 電荷輸送層上側構成層 6 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 371 9221−2H 380 9221−2H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層とを順次積層してなる感光体に於いて、前
    記電荷輸送層が少なくとも2層の構成層からなり、これ
    らの構成層のうち前記導電性支持体側の構成層中の電荷
    輸送物質が下記一般式〔I〕又は〔II〕で示され、かつ
    表面領域の構成層中の電荷輸送物質が下記一般式〔II
    I〕で表されることを特徴とする感光体。 【化1】 (式中、Ar1は置換、無置換アルキル基又はアリール基
    を表し、Ar2はフェニレン基を表す。R1及びR2はそれ
    ぞれ水素原子、置換、無置換アルキル基又はアリール基
    を表し、R1とR2とが結合して環を形成してもよい。) 【化2】 (式中、Ar3及びAr4はそれぞれ置換、無置換アルキル基
    又はアリール基を表し、Ar3,Ar4の一方と窒素原子に結
    合しているフェニレン基とが結合して環を形成してもよ
    い。R3は水素原子、置換、無置換アルキル基又はアリ
    ール基を表し、Rは水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基又はハロゲン原子を表す。) 【化3】 (式中、Ar及びAr6はそれぞれ置換、無置換アルキ
    ル基又はアリール基を表し、Ar7はフェニレン基を表
    し、Ar5,Ar6の一方とAr7とが結合して環を形成しても
    よい。R5,R6及びR7はそれぞれ水素原子、置換、無
    置換アルキル基又はアリール基を表し、R6とR7とが結
    合して環を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 前記導電性支持体側の構成層中の電荷輸
    送物質の濃度が、前記表面領域側の構成層側の電荷輸送
    物質の濃度よりも大きいことを特徴とする請求項1記載
    の感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層とを順次積層してなる感光体で、前記電荷
    の輸送層が少なくとも2層の構成層からなり、これらの
    構成層のうち前記導電性支持体側の構成層中の電荷輸送
    物質が一般式〔I〕又は〔II〕で示され、かつ表面領域
    の構成層中の電荷輸送物質が一般式〔III〕で表される
    ことを特徴とする感光体の製造方法において、少なくと
    も上記表面領域側の構成層を円形量規制型塗布機で塗布
    することを特徴とする感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物
    質が下記一般式〔IV〕により表されたことを特徴とする
    請求項1,2記載の感光体。 【化4】 (X1及びX2は、それぞれハロゲン原子、置換若しくは
    無置換のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ
    基または置換若しくは無置換のアミノ基を表し、X1
    びX2のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。p
    及びqはそれぞれ0,1または2の整数を表し、p及び
    qは同時に0になることはなく、且つ、p及びqが2の
    時は、X1及びX2はそれぞれ同一又は異なる基であって
    もよい。m及びnはそれぞれ0,1または2の整数を表
    す。但し、m及びnが同時に0となることはない。Aは
    下記一般式〔V〕で表される基を表す。) 【化5】 (式中、Arはフッ素化炭化水素基を有する芳香族炭素環
    基又は芳香族複素環基を表す。Zは置換若しくは無置換
    の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環
    を形成するのに必要な非金属原子群を表す。)
  5. 【請求項5】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物
    質が下記一般式〔VI〕又は〔VII〕により表されること
    を特徴とする請求項1,2記載の感光体。 【化6】 (式中、Zは置換,無置換の2価の芳香環を形成するの
    に必要な原子群を表す。)
  6. 【請求項6】 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物
    質が下記一般式〔VIII〕により表されることを特徴とす
    る請求項1,2記載の感光体。 【化7】 (式中、X1,X2,X3及びX4はそれぞれ水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、n,
    m,l及びkはそれぞれ0〜4の整数を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7201976B2 (en) 1999-08-02 2007-04-10 Samsung Sdi Co., Ltd. Organic electroluminescence material and electroluminescence device using the same
US8722288B2 (en) * 2009-11-06 2014-05-13 Hodogaya Chemical Co., Ltd. Diphenylnaphthylamine derivatives

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US7201976B2 (en) 1999-08-02 2007-04-10 Samsung Sdi Co., Ltd. Organic electroluminescence material and electroluminescence device using the same
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