JP3321113B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤ - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム又は
アルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤに関し、特に、50
00系のアルミニウム合金材の溶接に好適なアルミニウ
ム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金ワイ
ヤ(以下、アルミニウム又はアルミニウム合金を総称し
てアルミニウムという。)を使用したミグ溶接は、以下
のプロセスで行われる。
【0003】先ず、溶接用ワイヤは通常5kg乃至10
kgのスプールから引き出され、矯正ローラ及び送給ロ
ーラを経て、コンジットチューブ内を通過し、その先端
に配置される溶接トーチ内の給電チップから給電され
る。給電されたワイヤ先端と母材との間にはアークが発
生し、母材はアークにより溶融され、ワイヤは大気と遮
断された不活性ガスシールド中を溶滴となって母材に移
行して、溶接部が形成される。
【0004】しかしながら、アルミニウム・アルミニウ
ム溶接で良好な溶接部を得るうえで以下に述べるような
問題点がある。即ち、1点目は、アルミニウムは液相と
固相とで水素溶解度差が大きく、水素によるブローホー
ルが極めて発生しやすいという問題点である。
【0005】2点目は、コンジットチューブ内面とワイ
ヤ表面との摩擦によりワイヤが削られ、そのワイヤ磨耗
粉がコンジットチューブ内に堆積し、ワイヤの送給が阻
害された結果、アーク安定性又はビード形状が劣化する
という問題点である。
【0006】これらの問題点のうち、ブローホールの発
生を防ぐ従来の技術としては、線引き加工されたワイヤ
を最終工程である巻替えの前に洗浄し、水素源である油
(伸線油)を除去する方法が一般的に知られている。ま
た、耐ブローホール性に悪影響を及ぼさない範囲で油を
一定量付着させ、送給性を向上させたアルミワイヤが提
示されている(特開平5−277786号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のエネル
ギーコスト及び環境問題に関する情勢から、自動車又は
圧力容器のアルミニウム化の要求が高まっている。即
ち、アルミニウム及びアルミニウム合金溶接の適用の要
求が高まっている。
【0008】また、高速化及び省人化の観点から自動機
又はロボットが多数導入されている自動車部材の溶接ラ
インでは、送給コンジットライナは長くかつ湾曲した状
態で使用されるため、従来品と同等の耐ブローホール性
に加えて、より優れた送給性が要求される。
【0009】一方、圧力容器へのアルミニウム溶接の適
用に関しては、LNGタンク等の被溶接物の大容量化に
併せて板厚が増大する傾向にある。即ち、溶接部に水素
がパイルアップし、プローホールが発生しやすい傾向に
ある。このため、従来品と同等の送給性に加えて、より
優れた耐ブローホール性を有するワイヤが求められてい
る。
【0010】しかしながら、最終工程前でのワイヤ洗浄
又は特開平5−277786号公報に開示されたワイヤ
に一定量の油を付着させたアルミワイヤではいずれも送
給性又は耐ブローホール性の点で、これらの要求に応え
ることが困難であるという問題点がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、優れた送給性と耐ブローホール性とが両立
したアルミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイ
ヤを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤは、線材の引
張強度が350乃至500N/mm2、前記線材の降伏
比が90%以下であることを特徴とする。降伏比とは、
(0.2%耐力)/(引張強度)×100で表される数
値をいう。
【0013】本発明においては、前記線材の表面に、ワ
イヤ全重量に対して、0.5乃至20μg/gの油を付
着させることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るアル
ミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤについ
て詳細に説明する。本発明者等がアルミニウム及びアル
ミニウム合金用ミグ溶接ワイヤにおける上記課題を解決
するために鋭意実験研究し、種々の検討を行った。その
結果、ワイヤの物性、即ち、引張強度と降伏比とを改良
することで、耐ブローホール性の劣化を伴う油の付着を
極微量にしても良好な送給性を確保できることを見出し
た。また、特に過酷な送給経路で使用する場合、引張強
度及び降伏比の物性面の改良により、ワイヤの表面にワ
イヤ全量量に対して、0.5乃至20μg/gの油を付
着させることでより一層送給性を向上させることができ
ることも見出した。
【0015】以下、アルミニウム又はアルミニウム合金
用ミグ溶接ワイヤの数値限定理由について説明する。
【0016】線材の引張強度:350乃至500N/m
2 矯正ローラ又は送給ローラでのワイヤの座屈を防ぐため
に350N/mm2以上の線材の引張強度を必要とす
る。送給経路でのワイヤ表面疵の発生を防ぐためには4
00N/mm2以上とすることが望ましい。一方、線材
の引張強度が500N/mm2を超えると、コンジット
ライナが湾曲した状態で配置された場合に、コンジット
ライナ内面とワイヤ表面との摩擦抵抗が大きくなり、ワ
イヤ磨耗粉の発生量を増加させるために不適である。従
って、線材の引張強度は350乃至500N/mm2
する。
【0017】線材の降状比:90%以下 線材の降状比を90%以下とすることにより、コンジッ
トライナが湾曲した状態で配置された場合にも、送給抵
抗が増加せず、ワイヤ磨耗粉の発生が少ないワイヤを作
製することができる。従って、線材の降伏比は90%以
下とする。
【0018】油量:0.5乃至20μg/g 従来のアルミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワ
イヤにおいて送給性を改良するためには、特開平5−2
77786号公報に開示されているように、10乃至1
00nl/g(約9乃至90μg/g)の油を付着させ
る必要がある。
【0019】しかし、本発明のワイヤは上述のように物
性面の改良が施されており、そのままでも良好な送給性
を有するが、線材の表面に0.5μg/g以上の油を付
着させることでより一層送給性を向上させることができ
る。一方、従来のアルミニウム及びアルミニウム合金用
ミグワイヤ以上の耐ブローホール性を確保するために
は、付着油量を20μg/g以下とする必要がある。従
って、油量は0.5乃至20μg/gとすることが好ま
しい。なお、送給性と耐ブローホール性を両立する上
で、より好ましい範囲は、0.8乃至10μg/gであ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明のアルミニウム又はアルミニウ
ム合金用ミグ溶接ワイヤの実施例について、その特性を
比較例と比較して具体的に説明する。
【0021】ワイヤは表1に示す化学成分の2種類のイ
ンゴットより、圧延及び線引きにより直径が1.2mm
の線材に加工した後に、鋼線製のスプールに巻替えて作
製した。巻替えた後のワイヤの一部は、スプールに巻か
れた状態のまま、200乃至500℃の温度に昇温した
アルゴン雰囲気の脱気炉中に5乃至180分間放置する
ことで、引張強度又は降伏比を種々変化させた。
【0022】0.2%耐力及び引張強度の測定は、試験
片として、直径が1.2mm、長さが300mmの直線
状に矯正したワイヤをJIS Z2241に規定された
金属材料引張試験方法に準じて行った。なお、引張試験
機には、島津製作所製「オートグラフ」を使用した。本
実施例では、ワイヤの引張特性(0.2%耐力、引張強
度、降伏比等)を変化させる方法として、雰囲気炉によ
る熱処理を使用したが、工業的にワイヤを製造する場合
には、通電加熱や誘導加熱、ヒートローラ又はストラン
ド炉・雰囲気炉による昇温を使用しても良い。また、本
実施例では、直径が1.2mmのワイヤで昇温を行った
が、工業的にワイヤを製造する場合には、昇温条件(昇
・降温速度、保持温度、保持時間)を選定することで、
昇温を行うタイミングを、より太い線径にすることがで
きる。
【0023】ワイヤの油量は、油をアセトンで希釈した
液の中にワイヤを浸漬することで調整した。油量の測定
には、PERKIN ELMER社製フーリエ変換赤外
分光分析装置(FTIR)を使用した。油量の分析方法
は、先ず、約5gのワイヤを長さ5乃至20mmに切断
し、30ミリリットルのビーカー中で、潤滑油を溶解で
きる揮発性の有機溶媒により、2分間の超音波洗浄を行
った。洗浄液にKBr粉末0.2gを加え、有機溶媒を
完全に蒸発させた後、メノウ乳鉢中で、十分に粉砕・混
合し、錠剤に成型する。成型した錠剤を透過法によりF
TIR分析し、−CH2のピークである2925cm-1
の強度を使用して油量を定量した。これらの結果を表2
及び3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】図1はワイヤの送給性評価試験に使用する
ワイヤ送給装置を示す模式図である。図1に示すよう
に、ワイヤ送給装置は基台4にスライダ5が配置され、
このスライダ5に架台6が配置されている。この架台6
にはロードセル7が取り付けられている。また、架台6
の上にはスプール8が配置されている。このスプール8
からワイヤWが引き出され矯正ローラ9及び送給ローラ
10を通過させ、コンジットライナ11内に挿入されて
トーチ12を通過し、ワイヤWは母材1に溶接可能な位
置に配置される。作製したワイヤWの送給性の評価は、
図1に示したワイヤ送給装置を使用して、表4に示す化
学成分を有する送給性評価試験用母材である母材No.1
を下記表5に示す溶接機器及び条件で5分間連続で下向
姿勢のビードオンプレート溶接を行い、発生したワイヤ
磨耗粉の重量の大小で評価した。
【0028】図2はワイヤ磨耗粉捕集装置を示す模式図
であり、図3はワイヤ磨耗粉捕集方法を示す模式図であ
り、図4はメンブレンフィルタの乾燥方法を示す模式図
である。ワイヤ磨耗粉の定量には図4に示した装置を使
用した。図2に示すようにワイヤ磨耗粉捕集装置は、ワ
イヤ磨耗粉を分離するメンブレンフィルタ14が収納さ
れるフィルタホルダ13と、フラスコ15と、このフィ
ルタホルダ13とフラスコ15とを接続するジョイント
部17とからなっている。また、ジョイント部17には
吸引装置(図示せず)に接続するためのホース16が取
り付けられている。
【0029】ワイヤ磨耗粉の定量方法について図1乃至
図4を参照して説明する。先ず、溶接終了後に、トーチ
12及びコンジットチューブ(図示せず)から、ワイヤ
表面と直接接触する部品であるコンジットライナ11を
取り外す。
【0030】次に、図3に示すように送給側のコンジッ
トライナ端部11aを上側にし、トーチ12側のコンジ
ットライナ端部11bを下側にしてコンジットライナ1
1を保持して、コンジットライナ11内部をエーテルで
洗浄した後、Arガスを吹き込んでコンジットライナ1
1内部のワイヤ磨耗粉とエーテルをフィルタホルダ13
に受ける。ワイヤ磨耗粉はホース16に接続された吸引
装置により吸引されてフィルタホルダ13内部に配置さ
れたメンブレンフィルタ14(PTFE又はセルロース
アセテート製、孔径:0.1μm)によりエーテルと分
離される。分離されたエーテルはフラスコ15に溜ま
る。
【0031】次に、図4に示すようにワイヤ磨耗粉18
を捕集したメンブレンフィルタ14をガラス製のシャー
レ19中に保管し、蓋20をした後に、電気乾燥炉中で
100℃の温度で20分間保持して、エーテルを完全に
除去する。メンブレンフィルタ14の温度が室温に下が
るまで放置した後、捕集後のメンブレンフィルタ14の
重量を測定し、捕集前後のメンブレンフィルタ14の重
量変化からワイヤ磨耗粉18量を定量する。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】図5及び図6はX線透過試験に使用する母
材の開先形状を示す模式図である。図7はX線透過試験
に使用する溶接部を示す模式図である。
【0035】耐ブローホール性の評価は、表4に示す化
学組成のX線透過試験用母材である母材No.2を図5及
び図6に示すように、開先角度が90°になるように母
材1の一端に斜面を形成し、ルート間隔をあけて斜面を
突き合わせ、開先が狭まる側に裏当材3を配置した開先
を横向で、下記表6に示す溶接機器及び溶接条件で継手
溶接を行い、図7に示すように形成された溶接部2のX
線透過試験を行って評価した。なお、X線透過試験はJ
IS Z3105に規定されているアルミニウム平板突
合せ溶接部の放射線透過試験方法に準じて行った。これ
らの結果を表7及び8に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】上記表7に示すように、実施例No.1乃至
16はX線透過試験による結果の分類がJIS1類又は
2類、ワイヤ磨耗粉量が0.9mg以下であり、耐ブロ
ーホール性及び送給性が共に優れていた。
【0040】なお、油付着量が0.8乃至10μg/g
の範囲にある本発明の請求項2を満足する実施例No.1
乃至3、5乃至7、9乃至11及び13乃至15はワイ
ヤ磨耗粉量が0.1乃至0.9mgと少なく、X線透過
試験による結果の分類がJIS1類であった。
【0041】これら本発明の請求項2を満足する実施例
No.1乃至3、5乃至7、9乃至11及び13乃至15
の中でも、より好ましい油付着量の範囲内にある実施例
No.3、6、7、10、11及び15は、ワイヤ磨耗粉
量が0.1乃至0.4mgと極めて少ないと共に、板厚
30mmのX線透過試験においてもJIS1類を示し、
より一層良好な送給性及び耐ブローホール性を得ること
ができた。
【0042】一方、表8に示すように比較例No.17乃
至32は、耐ブローホール性及び送給性が共に良好な結
果を得ることができなかった。
【0043】比較例No.17は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲を超えているため、ワイヤの摩擦抵抗が大き
くワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0044】比較例No.18は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲を超えているため、ワイヤの摩擦抵抗が大き
くワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0045】比較例No.19は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲を超えているため、ワイヤの摩擦抵抗が大き
くワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。ま
た、油付着量が多いため、板厚30mmにおけるX線透
過試験の結果がJIS2類と耐ブローホール性がやや劣
った。
【0046】比較例No.20は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲を超えているため、ワイヤの摩擦抵抗が大き
くワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。ま
た、油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透過
試験の結果がJIS2類であり、板厚30mmにおける
X線透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性が
劣った。
【0047】比較例No.21は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているが、油付着量が多いため、ワイヤ
磨耗粉の量は少なく、実用に耐える送給性であった。し
かし、油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透
過試験の結果がJIS3類であり、板厚30mmにおけ
るX線透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性
が劣った。
【0048】比較例No.22は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲未満であるため、ワイヤの耐磨耗性が不足し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0049】比較例No.23は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲未満であるため、ワイヤの耐磨耗性が不足し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0050】比較例No.24は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲未満であるため、ワイヤの耐磨耗性が不足し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。また、
油付着量が多いため、板厚30mmにおけるX線透過試
験の結果がJIS2類であり、耐ブローホール性がやや
劣った。
【0051】比較例No.25は、ワイヤの引張強度が本
発明の範囲未満であるため、ワイヤの耐磨耗性が不足し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。また、
油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透過試験
の結果がJIS2類であり、板厚30mmにおけるX線
透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性が劣っ
た。
【0052】比較例No.26は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているが、油付着量が多いため、ワイヤ
磨耗粉の量は少なく、実用に耐える送給性であった。し
かし、油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透
過試験の結果がJIS3類であり、板厚30mmにおけ
るX線透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性
が劣った。
【0053】比較例No.27は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているため、ワイヤの送給抵抗が増大し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0054】比較例No.28は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているため、ワイヤの送給抵抗が増大し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。
【0055】比較例No.29は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているため、ワイヤの送給抵抗が増大し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。また、
油付着量が多いため、板厚30mmにおけるX線透過試
験の結果がJIS2類であり、耐ブローホール性がやや
劣った。
【0056】比較例No.30は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているため、ワイヤの送給抵抗が増大し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。また、
油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透過試験
の結果がJIS2類であり、板厚30mmにおけるX線
透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性が劣っ
た。
【0057】比較例No.31は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているため、ワイヤの送給抵抗が増大し
ワイヤ磨耗粉の量が多くなり、送給性が劣った。また、
油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透過試験
の結果がJIS2類であり、板厚30mmにおけるX線
透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性が劣っ
た。
【0058】比較例No.32は、ワイヤの降伏比が本発
明の範囲を超えているが、油付着量が多いため、ワイヤ
磨耗粉の量は少なく、実用に耐える送給性であった。し
かし、油付着量が多いため、板厚8mmにおけるX線透
過試験の結果がJIS3類であり、板厚30mmにおけ
るX線透過試験の結果がJIS3類と耐ブローホール性
が劣った。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
引張強度及び降伏比を規制することにより、アルミニウ
ム及びアルミニウム合金のミグ溶接において、優れた送
給性を有すると共に、耐ブローホール性が良好な溶接部
を得ることができる。
【0060】また、ワイヤの表面に付着させる油量を規
制することにより、より一層送給性が優れたアルミニウ
ム又はアルミニウム合金用ミグ溶接ワイヤを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤの送給性評価試験に使用するワイヤ送給
装置を示す模式図である。
【図2】ワイヤ磨耗粉捕集装置を示す模式図である。
【図3】ワイヤ磨耗粉捕集方法を示す模式図である。
【図4】メンブレンフィルタの乾燥方法を示す模式図で
ある。
【図5】X線透過試験に使用する母材の開先形状を示す
模式図である。
【図6】X線透過試験に使用する母材の開先形状を示す
模式図である。
【図7】X線透過試験に使用する溶接部を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1;母材 2;溶接部 3;裏当材 4;基台 5;スライダ 6;架台 7;ロードセル 8;スプール 9;矯正ローラ 10;送給ローラ 11;コンジットライナ 11a、11b;コンジットライナ端部 12;トーチ 13;フィルタホルダ 14;メンブレンフィルタ 15;フラスコ 16;ホース 17;ジョイント部 18;ワイヤ磨耗粉 19;シャーレ 20;蓋 W;ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−223092(JP,A) 特開 平9−168888(JP,A) 特開 平10−249527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/02 B23K 35/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材の引張強度が350乃至500N/
    mm2、前記線材の降伏比が90%以下であることを特
    徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金用ミグ溶接
    ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記線材の表面に、ワイヤ全重量に対し
    て、0.5乃至20μg/gの油を付着させることを特
    徴とする請求項1に記載のアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金用ミグ溶接ワイヤ。
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