JP3320911B2 - 分割可能な複合繊維及びその構造物 - Google Patents

分割可能な複合繊維及びその構造物

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JP3320911B2 JP19208794A JP19208794A JP3320911B2 JP 3320911 B2 JP3320911 B2 JP 3320911B2 JP 19208794 A JP19208794 A JP 19208794A JP 19208794 A JP19208794 A JP 19208794A JP 3320911 B2 JP3320911 B2 JP 3320911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中性又は弱アルカリ性
の環境下でも容易に分割可能であり、極細繊維化、超極
細繊維化又は特殊断面繊維化することが可能な新規複合
繊維及びそれを応用した繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】化学処理により分割し、例えば超極細繊
維化可能な複合繊維は広く利用されている。例えば特開
昭57−29610号公報、特開昭59−187672
号公報、特開平1−292124号公報、には強アルカ
リ(水酸化ナトリウムなど)水溶液で処理してポリエス
テル類を加水分解することにより分割可能な複合繊維
や、又、特開昭61−282445号公報等には溶剤
(炭化水素、極性溶剤、ハロゲン化合物など)で溶解可
能なポリマー(例えばポリスチレン)を溶解除去して分
割可能な複合繊維が提案されている。しかし、これら従
来の分割型複合繊維は分割処理に強アルカリや有機溶剤
を使用するため安全上や環境保護上の問題が多い。即
ち、アルカリ加水分解では高濃度(例えば1%以上、特
に3〜10%程度)の水酸化ナトリウム水溶液等を使用
するので処理後の廃水の中和に多量の酸を必要とし、更
に分解生成物(テレフタル酸ナトリウムなど)は生物に
よる分解速度が低く環境汚染源となる。同様に、溶剤や
溶解されたポリマーは廃水中から完全に回収することは
困難で環境汚染源となる。また危険な強アルカリや溶剤
を使用し更にその廃水処理を充分に行なうには作業上の
困難を伴なうばかりか高価な設備や運転コストを要し経
済的にも不利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中性
又は弱アルカリ性の環境下で容易に分割可能であり、且
つ分解生成物は生物により容易に分解されて環境汚染を
防止することが可能であり、資源の浪費が少なく、コス
ト的にも有利な改良された新規な分割可能複合繊維及び
それを応用した繊維構造物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
(A)ポリ乳酸を主成分とする容易に分解可能なポリエ
ステル(以下易分解ポリマーと記す)と、(B)芳香族
化合物に由来する成分を40重量%以上含む繊維形成性
ポリエステル(以下芳香族ポリエステルと記す)とが複
合されてなり、該芳香族ポリエステルが単繊維横断面内
において、該易分解ポリマーによって複数のセグメント
に分離されており、且つ該易分解ポリマーが繊維表面の
少なくとも部を占めていることを特徴とする分割可能
な複合繊維によって達成される。
【0005】本発明の複合繊維に用いるポリ乳酸を主成
分とするポリエステルとは、L−乳酸及び/又はD−乳
酸成分が50重量%以上の重合体でありポリL−乳酸ホ
モポリマー、ポリD−乳酸ホモポリマー、L−乳酸/D
−乳酸共重合ポリマー及びそれらに50重量%以下の第
2又は第3成分を共重合及び/又は混合したものを包含
する。ポリ乳酸はL−乳酸及び/又はD−乳酸を加熱溶
融重合又は溶剤中で重合することにより得ることが出来
る。又、L−乳酸又はD−乳酸の環状2量体である。L
−ラクチド及び/又はD−ラクチドを加熱溶融して開環
重合させることも出来る。これらの溶融重合、溶剤重合
及び開環重合時に50重量%以下の共重合可能な第2成
分又は第3成分などを添加、反応せしめてポリ乳酸を主
成分とする共重合ポリマーを得ることが出来る。
【0006】ポリ乳酸は、一般に乾燥状態ではかなり安
定であるが、中性の水、水溶液(塩類など)、生物の作
用、弱アルカリ(例えば、PH10以下、水酸化ナトリ
ウム0.1%以下の水溶液)により容易に加水分解し、
生じた乳酸は更に生物により容易に分解されて最終的に
は炭酸ガスと水になる。従って本発明の複合繊維は、中
性又は弱アルカリ性の水溶液又は生物の作用などによ
り、安全、容易、且つ資源を浪費することなく、更に環
境汚染をすることなく分割可能である。
【0007】本発明複合繊維の易分解ポリマーの主成分
に用いる乳酸は、L−乳酸、D−乳酸及びL/D−乳酸
混合物が用いられるが、醗酵法により製造されたL−乳
酸が安価で有利である。ポリL−乳酸及びポリD−乳酸
ホモポリマーは、結晶性が高く中性環境や生物学的作用
では分解速度が低いことが多い。そこで、分解速度を高
めるためにポリL−乳酸に例えば1〜50%、好ましく
は3〜30%、更に好ましくは5〜20%のD−乳酸を
共重合することが効果的である。同様にポリD−乳酸に
L−乳酸を上記範囲で共重合することも効果的である。
【0008】同様に、ポリL−乳酸又はポリD−乳酸に
エステル結合形成性の第2成分、例えばラクトン類、ヒ
ドロキシカルボン酸、グリコールとジカルボン酸を組合
わせたものなどを1〜50%、好ましくは3〜30%共
重合して、分解性を高めることが出来る。共重合成分と
しては、生物学的に分解され易い脂肪族化合物、例えば
エチレングルコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、オクタンジオール、デカンジオールなどのジオー
ル、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボ
ン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピバロラクト
ン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンが好ましく、
ポリエチレングリコールも生分解性があり好ましい。ま
た、ポリ乳酸を主成分とする重合体の重合時に少量の
(例えば通常5%以下、好ましくは2%以下)多官能性
化合物、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、ト
リメリット酸、ピロメリット酸などを反応させポリマー
中に適度の分岐や弱い架橋を形成したものも利用出来
る。
【0009】本発明の複合繊維の易分解ポリマーには、
ポリ乳酸及びその共重合体以外の物質を添加剤として含
有させることが出来る。例えば、離型剤、流動性改善
剤、撥水剤、親水剤、安定剤、酸化防止剤、顔料、着色
剤、各種無機粒子、その他の改良剤を添加することが出
来る。
【0010】本発明の複合繊維の他の構成成分である芳
香族ポリエステルは、芳香族化合物由来の成分を40重
量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは
60重量%以上含むものである。40重量%未満では、
繊維形成するのに十分な耐熱性や強度、紡糸性を付与す
る事が困難である。ポリエステル形成性の芳香族化合物
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカル
ボン酸、ビス−ヒドロキシエトキシフェニルメタンなど
の芳香族ジオールなどがよく知られている。これらの芳
香族化合物に、エチレングリコール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオー
ルなどの脂肪族ジオール、アジピン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、カプロラクトンなどの脂肪族ラ
クトンなどを組合わせて、芳香族化合物成分を40重量
%以上含有し、繊維形成性の重合体を得ることが出来
る。例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やポ
リエチレンテレフタレート(PET)を主成分(50%
以上)とし、それと他のエステル結合形成成分を共重合
した共重合ポリマーは繊維形成性、結晶性及び融点など
の点で、本発明の複合繊維の芳香族ポリエステル成分と
して有用である。なお、PETは芳香族成分77%から
なり、PBTは芳香族成分67%からなり、PET/ポ
リエチレンアジペート=60/40(重合比)共重合物
の芳香族成分は46%である。
【0011】一般にポリ乳酸は加水分解されやすく、溶
融重合後、冷却、固化、チップ化し、乾燥再溶融して紡
糸する際、分解して分子量低下することが多い。勿論本
発明の複合繊維は、後加工段階において、ポリ乳酸を主
成分とする易分解ポリマーを分解除去するので、該易分
解ポリマーは複合紡糸可能な程度の重合度があれば充分
である。しかし易分解ポリマーは、或程度の高分子量
(例えば重量平均分子量4万以上、好ましくは6万以
上)であることが、可紡性や、得られた複合繊維の強度
の観点から望ましい。溶融重合後、ポリマーを冷却固化
しないで、そのまま複合紡糸することも好ましい。
【0012】一方、芳香族成分を40%以上含む芳香族
ポリエステルは、繊維形成性であり、且つ分割処理後の
繊維や繊維構造物が目的に応じた強度を有することが望
ましい。この観点及び可紡性、延伸性などの点から該芳
香族ポリエステルは、分子量15,000以上のものが
好ましく、特に20,000以上のものが好ましい。勿
論、芳香族ポリエステルは、ポリ乳酸を主成分とする易
分解ポリエステルが分解される中性環境、弱アルカリ環
境及び生物の作用によっては、あまり分解されないで、
複合繊維分割後も充分な強度を有しなければならない。
例えば、弱アルカリ(水酸化ナトリウム0.1%水溶
液、25℃)で処理した時、芳香族ポリエステルの分解
(減量)速度は易分解ポリエステルの分解速度の1/1
0以下が好ましく、1/50以下が特に好ましい。
【0013】本発明の複合繊維の横断面複合構造は、易
分解ポリマーによって芳香族ポリマーが複数のセグメン
トに分離されており、且つ易分解ポリマーが繊維表面の
少なくとも1部を占めるものである。この構造によっ
て、本発明複合繊維は、易分解ポリマーを分解除去する
ことにより、少なくとも2個以上、好ましくは3個以
上、更に好ましくは4個以上に分割され、繊維の繊度が
大幅に低下し柔軟性や吸水性が増大する。本発明の複合
繊維の分割の目的は、(1)極細繊維化、(2)超極細
繊維化、(3)異形断面化、(4)特殊断面化及び
(5)特殊機能の付与などである。極細繊維化の目的で
は、単繊維横断面での芳香族ポリエステルのセグメント
数は2〜8程度、超極細繊維化の目的では、該セグメン
ト数は8以上、例えば10〜100程度とすることも出
来る。異形断面化のためには、該セグメントの横断面を
非円形、例えば多角形、星型、多葉形、偏平、偏平な部
分が組み合わせられたもの(例えばE、F、H、I、
K、L、M、N、T字型など)やその他任意の形とする
ことが出来る。特殊断面としては、例えばC字型などが
あげられる。
【0014】本発明の複合繊維の横断面形状は、円形、
長円形、非円形(例えば多角形、多葉形)とすることが
出来る。易分解ポリマーと芳香族ポリエステルとの複合
比(体積比)は任意であるが、5/95〜75/25の
範囲が好ましく、更に好ましくは10/90から60/
40である。易分解ポリマーの比率が5%(体積比)よ
り小さい場合は、添付図に示す様な複合繊維の好ましい
繊維断面を有する事が困難となり、又その為に易分解ポ
リマーを溶解して芳香族ポリエステルよりなる繊維形成
性セグメントを分割させる事が困難となる。一方、易分
解ポリマーの比率が95%(体積比)より大きい場合
は、やはり複合繊維の好ましい繊維断面を有する事が困
難となり、又溶解成分が圧倒的に多くなる為に歩留りが
非常に小さくなり、経済的に不利である。
【0015】本発明の複合繊維は、溶融紡糸、湿式紡
糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸などの紡糸法で複合紡糸して
製造可能であるが、複合構造の安定性や能率の良さで溶
融複合紡糸法が最も優れている。溶融紡糸法において
は、紡糸と延伸を別の工程で行なう2工程法、紡糸と延
伸を同時に行うスピンドロー法、高速(例えば3000
〜4000m/min)で紡糸し、部分配向糸(PO
Y)を得る方法、超高速(例えば5000m/min以
上)で紡糸し、一挙に高配向した繊維を得る方法、或い
はスパンボンド法、フラッシュ紡糸法などが適用され
る。
【0016】溶融複合紡糸するためには、易分解ポリマ
ーと芳香族ポリエステルの融点及び紡糸温度での溶融粘
度の差があまり大きくないことが望ましい。ポリL−乳
酸ホモポリマーを延伸結晶化した時の融点は約178℃
であり、共重合や第3成分を混合した変成ポリ乳酸の融
点は、多くの場合結晶性の低減に伴い低下し、逐には、
非晶化して結晶の融点は消失する。しかし紡糸、延伸、
編織物の製造や加工工程を円滑の行うには、易分解ポリ
マーの融点又は軟化点は100℃以上、特に130℃以
上が好ましい。一方、芳香族ポリエステルの融点は、そ
の組成を変えることにより大幅に変え得るが、易分解ポ
リマーと溶融複合紡糸を円滑に行うために、その融点又
は軟化点は100℃〜250℃が好ましく、特に130
℃〜220℃の範囲が好ましい。
【0017】図1〜10に、本発明である複合繊維の横
断面構造の例を示す。図において斜線部1がポリ乳酸を
主成分とする易分解ポリマーからなるセグメントであ
り、多点で示す部分2が、芳香族化合物を主成分とする
繊維形成性芳香族ポエステルからなるセグメントであ
る。 図1は芳香族ポリエステル2を2分割する例で,
図2〜4は放射状複合の例で、放射状の易分解ポリマー
1によって、芳香族ポリエステル2が図2では3個、図
3では4個、図4では8個のセグメントに分離されてい
る。図5は多芯(又は海島)複合の例で、易分解ポリマ
ーのマトリックス(海)1により、芳香族ポリエステル
2が、14個の芯(島)に分離されている例である。図
6は花弁状複合の例で、易分解ポリマー1により芳香族
ポリエステルが8個の花弁状セグメントに分離されてい
る。図7は多島海状複合の例、図8はモザイク状複合の
例で、芳香族ポリエステル2が色々な形の島や破片状の
セグメントに分離されている。図9は多重並列型複合の
例で、芳香族ポリエステルが、8個の薄層状セグメント
に分離されている。図10は特殊断面の例で、芳香族ポ
リエステル2が、鍵穴型の易分解ポリマー1によってC
字型のセグメントと、放射状の芯に分離されている。こ
の複合繊維を例えば弱アルカリで処理して、易分解ポリ
マー1を分解除去すると、吸水性、保温性に優れる中空
繊維が得られる。図11は、中空放射状複合の例で、芳
香族ポリエステル2が、易分解ポリマー1によって、8
個のセグメントに分離されている。3は中空部である。
図12は芯付放射状複合の例で、芳香族ポリエステル2
が、易分解ポリマー1によって、中央の芯とその外側に
配置された8個のセグメントに分離されている例であ
る。
【0018】複合繊維の大きさは通常0.5デニール以
上(繊維9000mで0.5g)、好ましくは1デニー
ル以上である。0.5デニール以下も可能ではあるが、
操業性、生産性が悪いか或いは生産するのに特殊な方法
が必要であり、一般的な方法とは言えない。分解後の芳
香族ポリエステル成分の繊維の太さは従って、通常1デ
ニール以下、好ましくは0.5デニール以下、更に好ま
しくは0.2デニール以下、特に好ましくは0.1デニ
ール以下である。繊維の太さは1デニール以下より細さ
の為に光沢や柔らかさが顕著になり、更に0.5デニー
ル以下位よりワイピング性能等、従来の繊維にはない極
細繊維に特有の性質が現れてくる。この性質は0.2デ
ニール以下で特に顕著になる。
【0019】本発明において、部及び%は、特に断らな
い限り重量部、重量%である。同じく重合物の融点は、
紡糸、延伸、熱処理して十分配向、結晶化させた繊維を
示差走査熱量分析(DSC)法で昇温速度10℃/mi
nで測定した時の主たる結晶の溶融吸熱のピーク値とす
る。非晶性のポリマーの場合、溶融粘度が100,00
0ポイズの温度を軟化点とする。
【0020】
【実施例】
実施例1 ポリL−乳酸に分子量8200のポリエチレングリコー
ルを2.5%共重合した融点166℃、分子量18万の
ポリマー(易分解ポリマー1)と、分子量19000の
PBT(芳香族成分67%、融点(220℃))とを2
35℃で溶融複合紡糸し、空気中で冷却、オイリングし
て1200m/minの速度で巻取り、80℃で3.9
4倍に延伸し130℃で緊張熱処理して150デニール
/48フィラメントの延伸糸Y1を得た。延伸糸Y1の
横断面複合構造は図2のような放射型で、複合比(易分
解ポリマー/芳香族ポリエステル)は1/5である。糸
Y1で編立てた丸編物を、水酸化ナトリウムの0.1%
水溶液で15分間煮沸した後、水洗、乾燥して編物K1
を得た。このアルカリ処理によって糸Y1中の易分解ポ
リエステルは完全に分解除去され、繊維は超極細化し
た。編物K1は極めて柔軟で、鏡やガラスなどの表面の
汚れを拭き取る清掃力が極めて優れていた。なお上記の
易分解ポリマー1の、25℃の0.1%水酸化ナトリウ
ム水溶液中での分解(重量減少)速度は、10%/10
minである。一方上記PBTは同じ条件下では分解は
認められず、上記芳香族ポリエステルの分解速度は、上
記易分解ポリマーの1/200以下である。
【0021】清掃力の測定は、本発明者らが特開昭2−
240566号に開示した方法で行った。すなわち、ク
ロムメッキした金属鏡面に機械油グリースを1mg/c
2で均一に塗布し、それを編物で1回拭き取った後の
鏡面上の残留グリース分を、フーリエ変換赤外分光光度
計を用い、反射法で測定する。編物K1で拭いた後の残
留グリース量は0.3μg/cm2 であったが、アルカ
リ処理前の編物で拭いた後の残留グリース量は33μg
/cm2 であった。すなわち編物K1は、アルカリ処理
(分割、超極細繊維化)によって清掃力が約110倍に
なっていた。
【0022】実施例2 ポリL−乳酸にD−乳酸3%及び、分子量8200のポ
リエチレングリコール2%を共重合した分子量18万、
融点161℃の共重合ポリ乳酸(易分解ポリマー2)
と、PBTに15%のポリブチレンアジペートを共重合
した分子量22000、融点194℃、芳香族成分含有
率57%の芳香族ポリエステルとを、実施例1の延伸糸
Y1と同様に、複合紡糸、延伸、熱処理して延伸糸Y2
を得た。延伸糸Y2からなる編物を、炭酸ナトリウム
(3%)水溶液で15分間煮沸した後、水洗、乾燥し
て、編物K2を得た。この弱アルカリ処理によって糸Y
2中の易分解ポリマー2は完全に分解除去され繊維は超
極細化した。編物K2は、実施例1の編物K1と同様に
極めて柔軟で、清掃力に優れていた。なお、従来の複合
繊維は、炭酸ナトリウムのような弱アルカリでは分割出
来ない。上記易分解ポリマー2の25℃、水酸化ナトリ
ウム0.1%水溶液中の分解速度は15%/10min
であり、上記PBT/ポリブチレンアジペート共重合ポ
リマーの同条件での分解速度は0.1%/10minで
あった。すなわち延伸糸Y2を構成する芳香族ポリエス
テルの加水分解速度は、易分解ポリマー2の1/150
である。
【0023】
【発明の効果】本発明の複合繊維は、中性環境、弱アル
カリ環境及び生物の作用で易分解ポリマーが分解除去さ
れ、極細繊維、超極細繊維、異形断面繊維及び特殊断面
繊維を、安全、容易且つ高能率で得ることが出来る。分
解処理及び廃水の中和に要する薬品も少量で済み、廃水
中の有機物は活性汚泥法などで容易且つ完全に取り除く
ことが出来、環境保護の見地からも極めて望ましい。ま
た、海水中や土塊中でも分割される特長があり、この場
合は特別な分割工程が不要であり、この特性を利用した
新しい用途、例えば新規農業用品や漁業用品の開発や新
規な縫合糸への応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明複合繊維の横断面構造(2分割複合)の
1例を示す。
【図2】本発明複合繊維の横断面構造(放射状複合)の
1例を示す。
【図3】本発明複合繊維の横断面構造(放射状複合)の
1例を示す。
【図4】本発明複合繊維の横断面構造(放射状複合)の
1例を示す。
【図5】本発明複合繊維の横断面構造(多芯複合)の1
例を示す。
【図6】本発明複合繊維の横断面構造(花弁状複合)の
1例を示す。
【図7】本発明複合繊維の横断面構造(多海島状複合)
の1例を示す。
【図8】本発明複合繊維の横断面構造(モザイク状複
合)の1例を示す。
【図9】本発明複合繊維の横断面構造(多重並列型)の
1例を示す。
【図10】本発明複合繊維の横断面構造(特殊複合)の
1例を示す。
【図11】本発明複合繊維の横断面構造(中空放射状複
合)の1例を示す。
【図12】本発明複合繊維の横断面構造(芯付放射状複
合)の1例を示す。
【符号の説明】
1 易分解ポリマーからなるセグメント 2 芳香族ポリエステルからなるセグメント 3 中空部
フロントページの続き 審査官 澤村 茂実 (56)参考文献 特開 平6−248517(JP,A) 特開 平7−133511(JP,A) 特開 昭59−36775(JP,A) 特開 昭56−9442(JP,A) 特開 昭63−264913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/14 D01F 6/62 305 D03D 15/00 D06M 11/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリ乳酸を主成分とする容易に分解
    可能なポリエステルと、(B)芳香族化合物に由来する
    成分を40重量%以上含む繊維形成性ポリエステルとが
    複合されてなり、該繊維形成性ポリエステル(B)が単
    繊維横断面内において該分解可能なポリエステル(A)
    によって複数のセグメントに分離されており、且つ該分
    解可能なポリエステル(A)が繊維表面の少なくとも
    部を占めていることを特徴とする分割可能な複合繊維。
  2. 【請求項2】 単繊維内の繊維形成性ポリエステル
    (B)からなるセグメントの数が3以上である請求項1
    記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 分解可能なポリエステル(A)と繊維形
    成性ポリエステル(B)との複合比(体積比)が5/9
    5〜75/25の範囲である請求項1〜2記載の複合繊
    維。
  4. 【請求項4】 繊維形成性ポリエステル(B)の融点又
    は軟化点が100℃〜250℃である請求項1〜3のい
    ずれかに記載の複合繊維。
  5. 【請求項5】 繊維形成性ポリエステル(B)の25℃
    の水酸化ナトリウム0.1%水溶液中での分解(減量)
    速度が易分解ポリマーの同条件下での分解速度の1/1
    0以下である請求項1〜4のいずれかに記載の複合繊
    維。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の複合繊維
    を少なくとも部に用いた編物、織物、不織布、紙、
    紐、ロープ、網から選択される繊維構造物
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