JP3320715B2 - ポリ―1―オレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリ―1―オレフィンの製造方法

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JP3320715B2 JP50926491A JP50926491A JP3320715B2 JP 3320715 B2 JP3320715 B2 JP 3320715B2 JP 50926491 A JP50926491 A JP 50926491A JP 50926491 A JP50926491 A JP 50926491A JP 3320715 B2 JP3320715 B2 JP 3320715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ゲル様のマグネシウム−アルコラート分散
物をベースとする触媒を用いてポリ−1−オレフィンを
製造する方法に関する。
マグネシウム−アルコラートMg(OR1)(OR2)または
“錯塩”マグネシウム−アルコラートからチタン、ジル
コニウム、バナジウムまたはクロムの化合物との反応に
よって、周期律表第1〜3主族の金属有機化合物と一緒
にオレフィン重合の為の優れた触媒をもたらす固体が製
造される。
成分Aをマグネシウム−アルコラートと四価のハロゲ
ン含有チタン化合物との反応によって製造した混合触媒
の存在下にα−オレフィンを重合する方法は公知である
(米国特許第3,644,318号明細書参照)。マグネシウム
−アルコラートは、市販されている様な状態で使用され
る。この方法で得られるポリマーは狭い分子量分布を有
している。
更に、溶解したマグネシウム−アルコラートとハロゲ
ン含有のTi−またはV−化合物および遷移金属アルコラ
ートとを反応させるチグラー触媒の製造方法が公知であ
る(ヨーロッパ特許第319,173号明細書参照)。この方
法で生じる触媒粒子は球状であり10〜70μmの平均粒度
を有している。
更に、63μmより小さい直径の粒子を少なくとも40重
量%含有する、四価のハロゲン含有チタン化合物とマグ
ネシウム−アルコラートとの反応生成物を遷移金属成分
として用いることも公知である(ヨーロッパ特許第223,
011号明細書)。この粒度のマグネシウム−アルコラー
トは、なかでも、ボールミルで市販生成物を粉砕して得
られる。マグネシウム−アルコラートは不活性の炭化水
素中に懸濁させた懸濁物として使用される。しかしなが
らこれら公知の触媒は未だ満足できるものではない。
本発明者は、マグネシウム−アルコラートをゲル様分
散物として使用した場合に、高い〜非常に高い活性を有
しそしてポリマーの粒度分布の制御を可能とする触媒が
得られることを見出した。
従って本発明は、式 R4CH=CH2 〔式中、R4は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキ
ル残基を意味する。〕 で表される1−オレフィンを、懸濁状態で、溶液状態で
または気相で20〜200℃の温度、0.5〜50barの圧力のも
とで、マグネシウム−アルコラートと遷移金属化合物と
の反応生成物(成分a)および周期律表I、IIまたはII
I族の金属の金属有機化合物(成分b)より成る触媒の
存在下に重合することによってポリ−1−オレフィンを
製造する方法において、成分aがチタン、ジルコニウ
ム、バナジウムまたはクロムの遷移金属化合物を、マグ
ネシウム−アルコラート−懸濁物を高速分散機によって
処理することによって得られるマグネシウム−アルコラ
ートのゲル様分散物と、不活性飽和炭化水素中で反応さ
せるようにして製造される触媒の存在下に重合を実施す
ることを特徴とする、上記方法に関する。
更に本発明はこの方法で使用される触媒に関する。
成分aを製造する為に市販のマグネシウム−アルコラ
ートを使用する。
これらのマグネシウム−アルコラートは式 Mg(OR1)(OR2) 〔式中、R1およびR2は互いに同じでも異なっていてもよ
く、炭素原子数1〜6のアルキル残基を意味する。〕 で表される“簡単な”マグネシウム−アルコラートであ
る。例えば、Mg(OC2H5、Mg(OiC3H7、Mg(OnC
4H9、Mg(OCH3)(OC2H5)およびMg(OC2H5)(OnC
3H7)がある。式Mg(OR)nXmの“簡単な”マグネシウム
−アルコラートも使用できる。式中、Xはハロゲン、
(SO41/2、OH、(CO31/2、(PO41/3、Clであり、
RはR1またはR2の上述の意味を有しそしてn+mは2で
ある。
しかしながら“錯塩”マグネシウム−アルコラートを
用いることもできる。
“錯塩”マグネシウム−アルコラートとしては、マグ
ネシウムの他に周期律表第1〜4主族の少なくとも1種
類の金属を含有するマグネシウム−アルコラートを言
う。この種の錯塩マグネシウム−アルコラートの例に
は、〔Mg(OiC3H7〕Li2;〔Al2(OiC3H7〕Mg;
〔Si(OC2H5〕Mg;〔Mg(OC2H5〕Na;〔Al2(OiC
4H9〕Mg;〔Al2(OsecC4H9(OC2H5〕Mgがあ
る。
錯塩マグネシウム−アルコラート(アルコキソ塩)の
製造は公知の方法で行う。製法について以下の例が挙げ
られる: 簡単なマグネシウム−アルコラート、特にMg(OC
2R5、Mg(OnC3H7およびMg(OiC3H7が特に
有利に使用される。マグネシウム−アルコラートは純粋
な状態で使用する。
市販のMg(OC2R5は一般に次の特性を有してい
る: Mg含有量 21〜22 重量% Mg(OH)とMgCO3との合計 ≦1 重量% C2H5OH含有量 <0.3重量% 平均粒度は500μmである。粒子の90%は200から1200
μmの範囲の粒径を有している。
マグネシウム−アルコラートを不活性の飽和炭化水素
に懸濁させる。この懸濁液は、反応器中で保護ガス雰囲
気(Ar、N2)で高速分散装置(例えば、 Urtra−Turra
xまたは Dispax IKA−Maschinenbau Janke & Kun
kel GmbH)によってゲル様マグネシウム−アルコラー
ト分散物に転化する。
この分散物は二つの本質的特徴で懸濁液と相違してい
る。このものは懸濁液よりも非常に粘性があり且つゲル
様でありそして分散したマグネシウム−アルコラートは
懸濁したマグネシウム−アルコラートと比較して非常に
ゆっくりとそして遥かに少ない程度で沈殿する(二三時
間後に、懸濁したマグネシウム−アルコラートの場合の
上澄み炭化水素の体積は約80容量%であり、分散したマ
グネシウム−アルコラートの場合には同じ含有量(131g
/1dm3)において約10容量%である)。
分散したマグネシウム−アルコラートを丸底フラスコ
中でガラス球(Φ1cm)にて機械的に粉砕することによ
って製造でき、その際にフラスコ内容物を二枚羽根型攪
拌機によって攪拌する。しかしながらこの方法は非常に
時間を消費する。
不活性の飽和炭化水素としては脂肪族−または脂環式
炭化水素、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、イソオクテン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、並びに芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレ
ンが適している。また酸素、硫黄化合物および湿気が注
意深く除かれている水素化されたジーゼル油−またはガ
ソリン留分も使用できる。
次いでゲル様の分散物を1段階でまたは多段階でTi−
化合物〔TiCl4、Ti(OR)等〕、Zr−化合物(Zr(O
R)等)、V−化合物〔VCl4、VOCl3等〕またはCr−化
合物〔CrO2Cl2等〕と反応させる。
この場合、マグネシウム−アルコラートを50〜100
℃、殊に60〜90℃の温度で不活性炭化水素の存在下に攪
拌しながら遷移金属化合物と反応させる。1モルのマグ
ネシウム−アルコラートを基準として0.9〜5モルの遷
移金属化合物を使用し、好ましくは1モルのマグネシウ
ム−アルコラート当り1.4〜3.5モルの遷移金属を使用す
る。
反応時間は0.5〜8時間、殊に2〜6時間である。
炭化水素に不溶のマグネシウム−および遷移金属含有
固体(成分aと称する)が得られる。
本発明で使用する重合触媒の製造は成分aを周期率表
第I、IIまたはIII族の金属の金属有機化合物(成分
b)と一緒にすることによって行う。
成分aは後処理せずに懸濁液として成分bと直接的に
反応させることができるが、最初に固体として分離し、
貯蔵しそして後で使用する為に再懸濁させてもよい。
成分bとしてアルミニウム有機化合物を使用するのが
好ましい。アルミニウム有機化合物としては塩素含有ア
ルミニウム有機化合物、式R3 2AlClのジアルキルアルミ
ニウムモノクロライドまたはR3 3Al2Cl2のアルキルアル
ミニウム−セスキクロライドが適している。この場合、
R3は炭素原子数1〜16のアルキル残基である。例として
は(C2H52AlCl、(iC4H92AlCl、(C2H53Al2Cl3
挙げられる。これらの化合物の混合物も使用できる。
アルミニウム有機化合物としては塩素不含の化合物を
用いるのが特に有利である。この目的の為には、一方に
おいては炭素原子数1〜6のアルミニウムトリアルキル
またはアルミニウムジアルキルヒドリド、殊にAl(iC4H
9またはAl(iC4H92Hと炭素原子数4〜20のジオレ
フィン、殊にイソプレンとの反応生成物が適している。
例えば、アルミニウムイソプレニルが挙げられる。
もう一方いおいては、この種の塩素不含のアルミニウ
ム有機化合物としてアルミニウムトリアルキルAlR3 3
たは式AlR3 2Hのアルミニウムジアルキルヒドリドが適し
ている。但し、R3は炭素原子数1〜16のアルキル残基を
意味する。例えば、Al(C2H5、Al(C2H52H、Al
(C3H7、Al(C3H72H、Al(iC4H9、Al(iC
4H92H、Al(C8H17、Al(C12H25、Al(C2H5
(C12H25、Al(iC4H9)(C12H25がある。
周期律表の第I、IIまたはIII族の金属の有機金属化
合物の混合物、特に異なるアルミニウム有機化合物の混
合物も使用できる。
以下の混合物を例示的に挙げることができる:Al((C
2H5とAl(iC4H9、Al((C2H52ClとAl(C
8H17、Al(C2H5とAl(C8H17、Al(C4H92
HとAl(C8H17、Al(iC4H9とAl(C8H17、Al
(C2H5とAl(C12H25、Al(iC4H9とAl(C12
H25、Al((C2H5とAl(C16H33、Al(C
3H7とAl(C18H37(iC4H9)、Al((C2H5
アルミニウム−イソプレニル(イソプレンとAl(iC
4H9またはAl(iC4H92Hとの反応生成物)。
成分aと成分bとの混合は重合前に攪拌式容器中で−
30〜150℃、殊に−10〜120℃の温度で行うことができ
る。両方の成分を重合用容器中で20〜200℃の温度で直
接的に一緒にすることも可能である。成分bの添加は、
重合前に成分aを成分bの一部分と−30〜150℃の温度
で予備活性化しそして成分bを重合用反応器中で20〜20
0℃の温度で添加する様にして、二段階で行うことも可
能である。
本発明で使用する重合用触媒は、式R4−CH=CH2
(式中、R4は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキ
ルを意味する。)で表される1−オレフィン、例えばエ
チレン、プロピレン、ブテン−(1)、ヘキセン−
(1)、4−メチルペンテン−(1)、オクテン−
(1)を使用する。
エチレンを単独でまたは少なくとも50重量%のエチレ
ンと最高50重量%の上記の式の他の1−オレフィンとの
混合物を重合するのが有利である。
特にエチレン単独または少なくとも90重量%のエチレ
ンと最高10重量%の上記の式の他の1−オレフィンとの
混合物として重合するのが有利である。
重合は公知の様に溶液状態で、懸濁状態でまたは気相
において連続的にまたは不連続的に一段階または多段階
で20〜200℃、殊に50〜150℃の温度で実施する。圧力は
0.5〜50barである。工業的に興味の持たれる5〜30bar
の圧力範囲での重合が特に有利である。
この場合、1dm3の分散剤当たり遷移金属を基準として
0.0001〜1、殊に0.001〜0.5mmol(遷移金属)の濃度で
成分aを使用する。金属有機化合物は1dm3の分散剤当た
り0.1〜5mmol、殊に0.5〜4mmolの濃度で有機金属化合物
を使用する。しかしながら原則として更に高濃度も可能
である。
懸濁重合はチグラー低圧法にとって慣用の不活性分散
剤、例えば脂肪族−または脂環式炭化水素中で実施す
る。かゝる炭化水素としては例えばブタン、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサンを挙げることができる。更に、注
意深く酸素、硫黄化合物および湿気が排除されているガ
ソリン−あるいは水素化ジーゼル油留分を使用すること
ができる。
気相重合は直接的にまたは懸濁法で触媒の予備重合の
後に実施することができる。
ポリマーの分子量は公知の方法で調整する。この目的
の為には水素を用いるのが有利である。
本発明の方法は、使用する触媒の高い活性の為に非常
に僅かの金属含有量およびハロゲン含有量でありそして
それ故に色安定性−および腐食試験において極めて良好
な値を示すポリマーをもたらす。
更に、本発明の方法は、生ずるポリマー粉末の粒度分
布および−−ある程度は−−粒子形態を調整できるよう
に触媒を製造することを可能とする。
一般にに改善された粒子形態、即ち大きい平均粒径
(d50−値)および狭い粒度分布を有し、粗大−および
微細成分を含まずそして高い触媒生産性が達成される。
嵩密度は従来技術に匹敵する。
従って、マグネシウム−アルコラートのこのゲル様分
散物を使用する場合には、重合体粉末の形態上の性質に
影響を及ぼすことができ、これは工業的方法にとって有
利である(即ち、ポリマー粉末の濾過が簡単であり、分
散剤の残留含有量が少なく、それによって乾燥の為のエ
ネルギー費用が僅かであり、プラントにおけるポリマー
粉末の運搬が簡単であり、自由流動性が良好であり、乾
燥機のサイクロン中の微細成分の割合が少ない)。高い
触媒生産性は生成物中の触媒残留含有量を少なくする。
以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例において触媒の製造の為におよび重合の為に13
0〜170℃の沸点範囲の水素化されたジーゼル油留分を使
用する。
触媒を特徴付ける為のMg:Ti:Cl比は通例の分析法によ
って測定する。
触媒生産性KA(表参照)を算出するのに必要な、触媒
分子当たりのチタン含有量(重量)は、以下の様に測定
した: 触媒懸濁液から一定容量をピペットで取る。この触媒
を硫酸で加水分解しそしてチタン含有量を公知の方法で
測定する。
結果:容量単位(cm3)当たりのチタン含有量(mmo
l)。
懸濁液から二つ目の試料をピペットで取り、懸濁剤を
減圧下に除きそして固体分を秤量する。
結果:容量単位(cm3)当たりの固体(g)。
これらの比が1gの触媒当たりのTi(mmol)量である。
実施例1 1.2molのMg(OC2H5(約137g)を1.0dm3の(1)
ジーゼル油に懸濁させる。この懸濁液を円筒状ガラス製
容器において、湿気および空気(O2)を排除する為に保
護ガス雰囲気(Ar、N2)で、高速分散機にて分散物にす
る(時間:約3時間)。この分散物はゲル様粘性を有し
ている。懸濁液と分散物との相違を難無く判る。
比較例A Mg(OC2H5−懸濁物の使用下での触媒成分aの製造 還流冷却器、2枚羽根式攪拌機および保護ガス(Ar)
雰囲気を有する2dm3の攪拌容器において57gのMg(OC
2H5を0.5dm3の(1)ジーゼル油(120〜140℃の沸
点範囲の水素化されたガソリン留分)に懸濁させる。こ
の懸濁液を85℃にする。攪拌機回転速度は350回転/分
(懸濁されたMg−アルコラートを使用する場合の最適な
攪拌機回転数;それ以下の攪拌機回転数の場合には、使
用できない不均一な触媒が生じる。)に調整する。4時
間の間に0.15molのTiCl4を350cm3のジーゼル油に供給す
る。その後に、生じた懸濁液を1時間の間110℃に加熱
する。次いで0.2molのAl(C2H5)Cl2と、400cm3のジー
ゼル油中の0.2molのAl(C2H5)Clとの混合物を2時間の
間に配量供給する。次いで温度を更に2時間の間、110
℃に保持する。触媒成分aの製造が完了する。固体懸濁
物を室温に冷却する。Mg:Ti:Clのモル比は約1:0.3:2.4
である。この触媒成分aに操作番号2.1を与える。
実施例2 比較例Aに従う方法によって触媒を実施例1に従って
製造されたゲル様Mg(OC2H5−分散物(このものは
粒度分布が判らない。平均粒子径は≦1μmである)を
使用して製造する。モル比はMg:Ti:Cl=約1:0.3:2.4で
ある。この触媒成分aに操作番号2.2を与える。
実施例3 還流冷却器、攪拌機および保護ガス(Ar)雰囲気を有
する2dm3の攪拌容器において57gのMg(OC2H5を0.5d
m3のジーゼル油に分散させる。このゲル様分散物を85℃
にする。攪拌機回転数は150回転/分に調整する。4時
間の間に350dm3のジーゼル油中の0.15molのTiCl4を供給
する。
生じた懸濁液とAl(C2H5)Cl2およびAl(C2H52Clと
の後続の反応を比較例Aと同様に実施する。
モル比は約Mg:Ti:Cl=1:0.3:2.4である。この触媒成
分aに操作番号2.3を与える。
実施例4 実施例3と同様に製造するが、反応を75回転/分の攪
拌機回転数のもとで85℃で実施する。
モル比はMg:Ti:Cl=1:0.3:2である。この触媒成分a
は操作番号2.4を与える。
比較例Aと同様にマグネシウムエチラート懸濁物から
出発しそして攪拌機回転数を変更した場合(実施例2〜
4参照)、使用できない触媒が得られる。何故ならば懸
濁したマグネシウム−エチラートが一様に反応せず、そ
れ故に均一な触媒懸濁物が生じない。攪拌機回転数を増
やし場合(>350回転/分)には、非常に細かいポリマ
ー粉末を生成する。それ故に最適でない均一触媒が得ら
れる。
比較例B 微細化したMg(OC2H5(d50が約6μm)より成る
Mg(OC2H5懸濁物を使用して比較例Aを繰り返す。
モル比Mg:Ti:Clは約1:0.3:2.4である。この触媒成分a
は操作番号2.5である。
この懸濁物はミルク様に濁っているが、Mg(OC2H5
分散物は僅かしか濁っていない(チンダル現象)。
実施例5 触媒操作番号2.1〜2.4および2.5の触媒での重合。
重合実験を200dm3の反応器において不連続的に実施す
る。この反応器は羽根型攪拌機およびじゃま板を備えて
いる。反応器中の温度を測定しそして自動的に一定に維
持する。重合温度は85±1℃である。重合反応を次の様
に実施する。
N2雰囲気の反応器中に100dm3のジーゼル油を満たし、
85℃に加熱する。N2雰囲気で次に助触媒(Al(C
2H5)を添加して、反応器中の助触媒濃度を0.14mmo
l/dm3とする。その後に触媒成分aを添加し、その際に
触媒含有量は約1mmol/dm3(ジーゼル油)である。触媒
含有量をg−原子のチタンで示した。固体懸濁物中のチ
タン含有量は比色分析で測定した。
反応器から窒素を完全に除く為に、反応器をH2(水
素)にて8barに加圧するのと圧力開放とを数回繰り返す
(この操作は反応器のガス空間のH2濃度を測定して、最
終的に95容量%に高めて調整する。)。重合はエネレン
導入口を開くことによって開始する。全重合時間に亘っ
てエチレンを7.0kg/時の量で供給する。反応器のガス空
間のエチレンおよび水素の含有量を定常的に測定しそし
て水素を相応して配量供給することによってその体積割
合を一定に維持する(H2の容量%=50:C2H4の容量%=4
5)。
全体圧が9.5barに達した時に重合を終了する。反応器
内容物をフィルターで濾出させる。ジーゼル油を含むポ
リマーを窒素雰囲気で数時間乾燥する。重合の結果を表
1に示す。
表2に示したポリマー粉末の粒度分布(DIN66144に相
当する)は、曲線が平行にずれた場合にd50−値の著し
い増加を示す。これは、粒度分布が同じままであり、平
均粒度だけが上昇していることを示している。それ故に
微細成分(<100μm)が著しく減少する。このことが
特に有利である。
更に、触媒の生産性が反応器のガス空間の水素含有量
が同じ場合に溶融指数値の増加と同時に著しく増加する
ことが判る。
得られる生成物全てがGPC−測定によると狭い分子量
分布を有している。MW/Mn−値は5〜6である。このも
のは射出成形製品に適する。
比較例C 還流冷却器、2枚羽根式攪拌機および保護ガス雰囲気
(Ar)を有する2dm3の攪拌容器において57gのMg(OC
2H5を0.5dm3の(1)ジーゼル油(120〜140℃の沸
点範囲の水素化されたガソリン留分)に懸濁させる。こ
の懸濁液を85℃にする。攪拌機回転数を350回転/分に
調整する。4時間の間に1.0molのTiCl4(希釈してな
い)を滴加する。TiCl4の添加後に反応混合物を上述の
条件のもとで1時間、後反応させる。生じた固体懸濁液
を、懸濁液中のチタン含有量が10mmolより少なくなるま
で新鮮なジーゼル油で60℃で洗浄する。これが達成され
た時に、固体懸濁物を室温に冷却させる。
Mg:Ti:Clモル比は約1:0.085:2.1である。この触媒成
分aは操作番号3.1を与える。
実施例6 触媒成分aの製造は、比較例Cに相応してゲル様Mg
(OC2H5−分散物の利用下に行うが、75回転/分の
攪拌機回転数が相違している。モル比Mg:Ti:Clは約1:0.
17:2.4である。この触媒aに操作番号3.2を与える。
実施例7 操作番号3.1、3.2の触媒を用いた重合実験を実施例5
に記載した様に実施する。触媒−および助触媒量および
反応器のガス空間の組織(H2の容量%=36、C2H4の容量
%=60)が相違する。結果を表3に示す。分級分析のデ
ータを表4に示す。
比較例D 還流冷却器、2枚羽根式攪拌機および保護ガス雰囲気
(Ar)を有する2dm3の攪拌容器において57gのMg(OC
2H5を0.5dm3のジーゼル油(140〜170℃の沸点範囲
の水素化されたガソリン留分)に懸濁させる。この懸濁
液を120℃にする。攪拌機回転数は350回転/分に調整す
る。5時間の間に0.65molのTiCl4(希釈してないTiC
l4)を同様に添加する。最後に反応混合物を120℃で60
時間攪拌する。その後に70℃に冷却しそして固体を、ジ
ーゼル油中のチタン含有量(溶解したチタン化合物)が
<5mmol/dm3となるまでの間、新鮮なジーゼル油で洗浄
する。この方法の場合には120℃でエチレンクロライド
が放出される。この触媒成分に操作番号4.1を与える。M
g:Ti:Cl=1:1.3:3.6。
比較例E 比較例Dを微細化したMg(OC2H5−懸濁液(d50
約6μm)を使用して繰り返す。この触媒成分aに操作
番号4.2を与える。Mg:Ti:Cl=約1:1.3:3.6。
実施例8 触媒成分aの製造 比較例Dを微細なMg(OC2H5−分散物を使用して
繰り返す。この触媒成分に操作番号4.3を与える。Mg:T
i:Cl=約1:1.3:4。
実施例9 触媒操作番号4.1〜4.3の触媒成分aを用いて重合実験
を実施する。助触媒が相違している。ここではイソプレ
ニル−アルミニウム(市販生成物)を使用する。触媒成
分aおよび助触媒の量並びに反応器のガス空間の組成
(H2の容量%=55、C2H4の容量%=40)を変更しなけれ
ばならない。結果を表4に総括掲載する。得られた生成
物の全てがGPC−測定によると広い分子量分布を有して
いる。MW/Mn−値は10〜15である。このものは押出成形
に適している。
ゲル様分散物から製造される触媒成分aを平均粒度
(d50−値)および触媒の生産性において、懸濁物から
の粗大のまたは微細なマグネシウム−アルコラートから
製造される触媒成分aと相違して有利であることが判
る。
比較例F 還流冷却器、2枚羽根式攪拌機および保護ガス雰囲気
(Ar)を有する2dm3の攪拌容器において57gのMg(OC
2H5を0.5dm3のジーゼル油に350回転/分の攪拌機回
転数のもとで懸濁させる。この懸濁液を85℃にする。5.
5時間の間に1.25molのTiCl4を滴加する。TiCl4の添加終
了後に反応混合物を85℃で1時間攪拌する。65℃で固体
を、ジーゼル油中のTi−含有量が<5mmol/dm3となるま
での間、ジーゼル油で洗浄する。攪拌式容器において元
の充填状態が達成される程のジーゼル油を添加する。次
いで60mmolのTi(OC2H5を添加し、温度を20時間以
上攪拌しながら高める。この触媒成分aに操作番号5.1
を与える。Mg:Ti:Cl比は約1:0.135:2.15である。
比較例G 比較例Fを、微細化したMg(OC2H5懸濁物(d50
約6μm)を使用しなら繰り返す。
この触媒成分aに操作番号5.2を与える。Mg:Ti:Cl比
は約1:0.14:2.15である。
実施例10 この触媒は、Mg(OC2H5分散物を使用しながら比
較例Fに相応して製造する。攪拌機回転数は350回転/
分である。この触媒成分aに操作番号5.3を与える。Mg:
Ti:Cl比は約1:0.20:2.3である。
実施例11 Mg(OC2H5分散物を使用して実施例10を繰り返
す。しかしながら攪拌機回転数は75回転/分である。こ
の触媒成分aに操作番号5.4を与える。Mg:Ti:Cl比は約
1:0.28:2.4である。
実施例12 重合実験を触媒成分a5.1〜5.4を用いて実施例5に相
応して実施する。助触媒としてアルミニウムトリイソブ
チル(市販製品)を用いる。触媒成分aおよび助触媒の
量並びに反応器のガス空間の組織(H2=40容量%、C2H4
=55容量%)を変更しなければならない。結果を表4に
総括掲載する。GPC−測定によると、この触媒は7〜10
のMW/Mn−値の分子量分布を実現する。
実施例13 共重合実験を触媒成分a4.3を用いて200dm3の反応器を
用いて不連続的に実施する。この反応器は羽根車式攪拌
機およびじゃま板を備えている。温度は自動的に制御さ
れる。実験温度は85℃±1℃である。重合を実施例5に
相応して実施する。最初の導入物:100dm3のジーゼル
油、助触媒:イソプレニルアルミニウム、助触媒濃度:
1.2mmol/dm3
GC−測定による気相空間のH2量(容量%):40容量
%。
エチレン供給量:5kg/時。
反応時間:4時間 重合をエチレン導入管を開けることによって開始す
る。その5分後にコモノマーを供給する(表5参照)。
ガス空間のコモノマー含有量を一定する為に(GC−測
定)、コモノマーを連続的に配量供給する(表5参
照)。時間の経過につれて、反応器の圧力が増加する。
4時間後の圧力を同様に表5に示す。この表には触媒生
産性(KA)、DIN53735に相当する溶融指数(MFI)およ
びDIN53479に相当する密度に付いても記載もある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−245002(JP,A) 特開 平1−215806(JP,A) 特開 昭58−213008(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 R4CH=CH2 〔式中、R4は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキ
    ル残基を意味する。〕 で表される1−オレフィンを、懸濁状態で、溶液状態で
    または気相で20〜200℃の温度、0.5〜50barの圧力のも
    とで、マグネシウム−アルコラートとチタン化合物、ジ
    ルコニウム化合物、バナジウム化合物またはクロム化合
    物との反応生成物(成分a)、およびジアルキルアルミ
    ニウムモノクロライド、アルキルアルミニウム−セスキ
    クロライド、アルミニウムトリアルキル、アルミニウム
    ジアルキルヒドリドおよびそれらの混合物のいずれか一
    つまたはアルミニウム−イソプレニル(成分b)より成
    る触媒の存在下に重合することによってポリ−1−オレ
    フィンを製造する方法において、成分aがチタン化合物
    のTiCl4、Ti(OR)、ジルコニウム化合物のZr(OR)
    、バナジウム化合物のVCl4、VOCl3またはクロム化合
    物のCrO2Cl2を、マグネシウム−アルコラート−懸濁物
    を高速分散機によって処理することによって得られるマ
    グネシウム−アルコラートのゲル様分散物と不活性飽和
    炭化水素中で反応させて製造される反応生成物であり、
    その際にゲル様分散物のマグネシウムアルコラートは≦
    1μmの平均粒子径を有していることを特徴とする、上
    記方法。
  2. 【請求項2】式Mg(OR1)(OR2) 〔式中、R1およびR2は互いに同じでも異なっていてもよ
    く、炭素原子数1〜6のアルキル残基を意味する。〕 で表される簡単なマグネシウム−アルコラートを使用す
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】使用するマグネシウムアルコラートがMg
    (OC2H5、Mg(OnC3H7またはMg(OiC3H7
    ある請求項2に記載の方法。
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