JP3319494B2 - 簡易地下構築物 - Google Patents
簡易地下構築物Info
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- JP3319494B2 JP3319494B2 JP17863595A JP17863595A JP3319494B2 JP 3319494 B2 JP3319494 B2 JP 3319494B2 JP 17863595 A JP17863595 A JP 17863595A JP 17863595 A JP17863595 A JP 17863595A JP 3319494 B2 JP3319494 B2 JP 3319494B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、根切り山留め地下
壁工事などに利用する簡易地下構築物に関するものであ
る。
壁工事などに利用する簡易地下構築物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】根切り工事における山留め架構の設計法
では、図7に示すように山留め壁1に作用する側圧を上
部は切ばり2で、下部は根切り底3の地盤で支持される
梁としての鉛直方向にワンウエイの解析方法が採用され
ている。
では、図7に示すように山留め壁1に作用する側圧を上
部は切ばり2で、下部は根切り底3の地盤で支持される
梁としての鉛直方向にワンウエイの解析方法が採用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軟弱地盤が深い場合、
あるいは根切り深さが浅い場合には、山留め壁1は自立
形式のようにできる限り軽微なものが望ましいが、変形
が大きく、周辺地盤への影響などを考慮するとかなり大
がかりなものとなってしまう。
あるいは根切り深さが浅い場合には、山留め壁1は自立
形式のようにできる限り軽微なものが望ましいが、変形
が大きく、周辺地盤への影響などを考慮するとかなり大
がかりなものとなってしまう。
【0004】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、軟弱層が厚い場合でも、地下室部分が比較的浅い場
合には工事の邪魔になる切ばりの架設は省略し、山留め
壁はできるだけ断面の小さいもので対処することができ
る簡易地下構築物を提供することにある。
し、軟弱層が厚い場合でも、地下室部分が比較的浅い場
合には工事の邪魔になる切ばりの架設は省略し、山留め
壁はできるだけ断面の小さいもので対処することができ
る簡易地下構築物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、根切り工事における山留め壁は根切りに必要
な最低限度の長さを持つものとし、硬質層に到達する長
さで、横断面十文字に構築するバットレス(控壁)を左
右の張出部に山留め壁の端を重ね合わせて山留め壁の連
続方向に所定間隔おきに構築し、山留め壁はバットレス
の位置を支持点とする単純梁のようになることで、バッ
トレスにより支持されること、および、バットレス(控
壁)には支持層に定着させるための地盤アンカーを配設
することを要旨とするものである。
するため、根切り工事における山留め壁は根切りに必要
な最低限度の長さを持つものとし、硬質層に到達する長
さで、横断面十文字に構築するバットレス(控壁)を左
右の張出部に山留め壁の端を重ね合わせて山留め壁の連
続方向に所定間隔おきに構築し、山留め壁はバットレス
の位置を支持点とする単純梁のようになることで、バッ
トレスにより支持されること、および、バットレス(控
壁)には支持層に定着させるための地盤アンカーを配設
することを要旨とするものである。
【0006】根切りにより発生する山留め壁の応力は前
記図7に示すように、軟弱層が深い場合には非常に大き
な曲げモーメントが作用し、山留め壁の剛性も大きなも
のが必要となる。請求項1記載の本発明によれば、支持
層に定着しているバットレスにより山留め壁を受けるこ
とにより山留め壁に発生する曲げモーメントは主に水平
方向に平面的にバットレス位置を支持点とする単純梁の
ようになる。
記図7に示すように、軟弱層が深い場合には非常に大き
な曲げモーメントが作用し、山留め壁の剛性も大きなも
のが必要となる。請求項1記載の本発明によれば、支持
層に定着しているバットレスにより山留め壁を受けるこ
とにより山留め壁に発生する曲げモーメントは主に水平
方向に平面的にバットレス位置を支持点とする単純梁の
ようになる。
【0007】したがって、軟弱層の深さやその地盤の強
度にはあまり左右されることなく単純にバットレスの間
隔により設計することができる。また、バットレスの設
計は山留め壁による側圧により生じる曲げモーメントが
支持力と浮き上がり力によるモーメントと比較すること
により設計することができる。とくに浮き上がり力につ
いては反力がとりにくいこともあることにより請求項2
記載の本発明によれば、地盤アンカーを背面側に打設す
ることで実用的に対処できる。
度にはあまり左右されることなく単純にバットレスの間
隔により設計することができる。また、バットレスの設
計は山留め壁による側圧により生じる曲げモーメントが
支持力と浮き上がり力によるモーメントと比較すること
により設計することができる。とくに浮き上がり力につ
いては反力がとりにくいこともあることにより請求項2
記載の本発明によれば、地盤アンカーを背面側に打設す
ることで実用的に対処できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について詳細に説明する。図1は本発明の簡易地下構築
物の1実施形態を示す平面図、図2は同上縦断側面図
で、3は根切り底、Aは根切り側、Bは背面側、αは軟
弱層、βは硬質層である。
について詳細に説明する。図1は本発明の簡易地下構築
物の1実施形態を示す平面図、図2は同上縦断側面図
で、3は根切り底、Aは根切り側、Bは背面側、αは軟
弱層、βは硬質層である。
【0009】図中4は根切り工事における山留め壁であ
るが、この山留め壁4は連続壁で構築するもので、根切
り底3よりも多少根入れする根切りに必要な、すなわち
根切り壁面を崩壊させないように支持できる最低限度の
長さを持つものとする。
るが、この山留め壁4は連続壁で構築するもので、根切
り底3よりも多少根入れする根切りに必要な、すなわち
根切り壁面を崩壊させないように支持できる最低限度の
長さを持つものとする。
【0010】そしてこのような山留め壁4に対して該山
留め壁4を支持する硬質層βに到達する長さを持つバッ
トレス(控壁)5を連続壁により十文字に構築する。こ
のバットレス(控壁)5はこれを横断面十文字に構築
し、左右の張出部に山留め壁4の端を重ね合わせてこの
山留め壁4を支持する。
留め壁4を支持する硬質層βに到達する長さを持つバッ
トレス(控壁)5を連続壁により十文字に構築する。こ
のバットレス(控壁)5はこれを横断面十文字に構築
し、左右の張出部に山留め壁4の端を重ね合わせてこの
山留め壁4を支持する。
【0011】また、前記バットレス5は山留め壁4の連
続方向に所定間隔おきに構築するものである。
続方向に所定間隔おきに構築するものである。
【0012】さらに、バットレス5には背面側Bに位置
するような地盤アンカー6を配設してこれで支持層であ
る硬質層βに定着させるようにした。この地盤アンカー
6はバットレス5の前側への倒れを防止するもので、図
2の実線のように鉛直に配設することが最も施工性がよ
いが点線のように斜めにすると効果的となる。
するような地盤アンカー6を配設してこれで支持層であ
る硬質層βに定着させるようにした。この地盤アンカー
6はバットレス5の前側への倒れを防止するもので、図
2の実線のように鉛直に配設することが最も施工性がよ
いが点線のように斜めにすると効果的となる。
【0013】本発明は、バットレス5の位置を支持点と
する単純梁のようになることで、バットレス5により支
持され、曲げモーメントに対処できる。従って、軟弱層
αの深さやその地盤の強度にはあまり左右されることな
く単純にバットレス5の間隔により設計することができ
る。
する単純梁のようになることで、バットレス5により支
持され、曲げモーメントに対処できる。従って、軟弱層
αの深さやその地盤の強度にはあまり左右されることな
く単純にバットレス5の間隔により設計することができ
る。
【0014】なお、バットレス5に作用する応力に対し
て反力となる先端地盤支持力と引き抜き力は十分ある必
要があるが、多くの場合引き抜き力が不足する。地盤ア
ンカー6を構築し、その引き抜き力を利用することでこ
れに対処でき、特に支持層となる硬質層βが深い場合
や、敷地の山留め壁4の外側に余裕が少ない場合には敷
地内側すなわち地下室内にバットレス5が入り、アンカ
ー力に大きく期待することになる。この場合、地盤アン
カー6はバットレス5の長さ方向や巾方向に複数を配設
することもある。
て反力となる先端地盤支持力と引き抜き力は十分ある必
要があるが、多くの場合引き抜き力が不足する。地盤ア
ンカー6を構築し、その引き抜き力を利用することでこ
れに対処でき、特に支持層となる硬質層βが深い場合
や、敷地の山留め壁4の外側に余裕が少ない場合には敷
地内側すなわち地下室内にバットレス5が入り、アンカ
ー力に大きく期待することになる。この場合、地盤アン
カー6はバットレス5の長さ方向や巾方向に複数を配設
することもある。
【0015】また、山留め壁4やバットレス5のいずれ
か一方や双方をプレキャストコンクリート製としてもよ
い。
か一方や双方をプレキャストコンクリート製としてもよ
い。
【0016】次に、本発明を逆打ち式地下構築工法に使
用する場合について説明する。図3に示すように柱位置
にバットレス5を構築し、本設地下外壁位置に根切りに
必要な長さの山留め壁4を構築する。
用する場合について説明する。図3に示すように柱位置
にバットレス5を構築し、本設地下外壁位置に根切りに
必要な長さの山留め壁4を構築する。
【0017】次に、地盤アンカー6を構築してプレスト
レスを導入する。
レスを導入する。
【0018】図4に示すように1階スラブ7の構築に必
要深さまで第一次根切りを行い、構真柱を構築し、1階
スラブ7のコンクリートを打設する。
要深さまで第一次根切りを行い、構真柱を構築し、1階
スラブ7のコンクリートを打設する。
【0019】図5に示すように地下1階スラブ8の構築
に必要な深さまで第二次根切りを行い、地下1階スラブ
8を構築する。
に必要な深さまで第二次根切りを行い、地下1階スラブ
8を構築する。
【0020】図6に示すように基礎梁スラブ9の構築に
必要な深さまで第三次根切りを行い、基礎梁スラブ9を
構築する。
必要な深さまで第三次根切りを行い、基礎梁スラブ9を
構築する。
【0021】なお、山留め壁4の剛性が十分であれば、
図5に示す工程を省略し、図6に示す工程を先行するこ
とにより打ち継ぎ個所を省略することができる。
図5に示す工程を省略し、図6に示す工程を先行するこ
とにより打ち継ぎ個所を省略することができる。
【0022】地下工事終了後はバットレス5を本設の柱
として利用することから、不必要となる地盤アンカー6
のプレストレスは解除する。一方、浮き上がりが生じる
ような構造物の場合には本設地盤アンカーとして必要と
なるが、このような場合にはそのまま残して利用する。
として利用することから、不必要となる地盤アンカー6
のプレストレスは解除する。一方、浮き上がりが生じる
ような構造物の場合には本設地盤アンカーとして必要と
なるが、このような場合にはそのまま残して利用する。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように本発明の簡易地下構築
工法は、軟弱層が厚い場合など地盤の悪さには左右され
ることなく、山留め壁はできるだけ断面の小さいもので
対処することができ、また、地下室部分が比較的浅い場
合には工事の邪魔になる切ばりの架設は省略することも
できるので、非常に合理的でかつ経済的なものである。
工法は、軟弱層が厚い場合など地盤の悪さには左右され
ることなく、山留め壁はできるだけ断面の小さいもので
対処することができ、また、地下室部分が比較的浅い場
合には工事の邪魔になる切ばりの架設は省略することも
できるので、非常に合理的でかつ経済的なものである。
【図1】本発明の簡易地下構築工法の1実施形態を示す
平面図である。
平面図である。
【図2】本発明の簡易地下構築工法の1実施形態を示す
縦断側面図である。
縦断側面図である。
【図3】本発明の簡易地下構築工法による1施工例で、
第1工程を示す縦断側面図である。
第1工程を示す縦断側面図である。
【図4】本発明の簡易地下構築工法による1施工例で、
第2工程を示す縦断側面図である。
第2工程を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の簡易地下構築工法による1施工例で、
第3工程を示す縦断側面図である。
第3工程を示す縦断側面図である。
【図6】本発明の簡易地下構築工法による1施工例で、
第4工程を示す縦断側面図である。
第4工程を示す縦断側面図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
1…山留め壁 2…切ばり 3…根切り底 4…山留め壁 5…バットレス(控壁) 6…地盤アンカ
ー 7…1階スラブ 8…地下1階ス
ラブ 9…基礎梁スラブ
ー 7…1階スラブ 8…地下1階ス
ラブ 9…基礎梁スラブ
Claims (2)
- 【請求項1】 根切り工事における山留め壁は根切りに
必要な最低限度の長さを持つものとし、硬質層に到達す
る長さで、横断面十文字に構築するバットレス(控壁)
を左右の張出部に山留め壁の端を重ね合わせて山留め壁
の連続方向に所定間隔おきに構築し、山留め壁はバット
レスの位置を支持点とする単純梁のようになることで、
バットレスにより支持されることを特徴とした簡易地下
構築物。 - 【請求項2】 バットレス(控壁)には支持層に定着さ
せるための地盤アンカーを配設する請求項1記載の簡易
地下構築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17863595A JP3319494B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易地下構築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17863595A JP3319494B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易地下構築物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931985A JPH0931985A (ja) | 1997-02-04 |
JP3319494B2 true JP3319494B2 (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=16051913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17863595A Expired - Fee Related JP3319494B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 簡易地下構築物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3319494B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013136922A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Ohbayashi Corp | 山留め壁の支持方法、山留め壁の支持構造、及び地下躯体の構築方法 |
JP2013136921A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Ohbayashi Corp | 山留め壁の支持方法、山留め壁の支持構造、及び地下躯体の構築方法 |
JP6606911B2 (ja) * | 2015-08-07 | 2019-11-20 | 株式会社大林組 | 山留め壁の支持構造および山留め壁の支持工法 |
JP6515731B2 (ja) * | 2015-08-07 | 2019-05-22 | 株式会社大林組 | 山留め壁の支持構造 |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP17863595A patent/JP3319494B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0931985A (ja) | 1997-02-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |