JP3319373B2 - 固体電子部品 - Google Patents
固体電子部品Info
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Description
体材料との双方を含有する基体の内部にインダクタとキ
ャパシタが形成されてなる固体電子部品に関する。
用として、EMI(ElectroMagnetic
Interference)フィルタが使用されてい
る。一般にEMIフィルタは、コンデンサとインダクタ
との個別素子を組み合わせて構成されており、これら個
別素子の組み合わせによる多くの型のEMIフィルタが
提案されている。代表的なものとして、例えば1個のキ
ャパシタと1個のインダクタとの組み合わせからなるL
型のEMIフィルタや、2個のキャパシタと1個のイン
ダクタとの組み合わせからなるπ(パイ)型のEMIフ
ィルタが知られており、これらのEMIフィルタにより
電子機器のノイズ対策が行なわれている。
キャパシタとインダクタを組み合わせてEMIフィルタ
を構成するのでは、EMIフィルタ全体が大型化し、そ
のEMIフィルタを回路基板等に取り付けるにあたり広
い面積を必要とし、また、個別素子を組み合わせるため
に工数もかかるという問題がある。近年、 これらの問題
を解決し1つのチップ内にキャパシタとインダクタを内
蔵したフィルタが提案されている(特開平8−6508
0号公報、特開平8−148381号公報参照)。
料との混合体からなる複数の層それぞれにインダクタお
よびキャパシタとして作用する導電膜を形成し、それら
複数の層を積層して焼成することに内部にフィルタが形
成されたチップ状のフィルタ部品が提案されている。
たフィルタ部品内部に形成されたインダクタは、いずれ
も直線状の導体膜を、誘電体材料と磁性体材料との混合
体で挟んだ形式のものであり、限られた寸法の中で大き
なインダクタンスを得るのは難しい。大きなインダクタ
ンスを得るために、誘電体材料と磁性体材料との混合体
からなる、ある1つの層の上に半周もしくは一周する導
電膜を形成し、スルーホール内の導体を経由して次の層
に移り、その層の上でさらに半周ないし一周するという
ように、複数層に跨ってスパイラル構造のインダクタを
形成することが考えられる。本発明者らは、そのような
考え方のもとに試作を行なったが、そのようなスパイラ
ル構造のインダクタを混合体基体内に単純に形成する
と、その磁力が、その基体内部の、インダクタに隣接し
て形成されたキャパシタに悪影響を及ぼし特性が著しく
劣化するという問題がある。
と、スパイラル構造のインダクタを、同一の基体内に形
成し、しかもインダクタで発生する磁界によるキャパシ
タへの悪影響を抑えた固体電子部品を提供することを目
的とする。
明の固体電子部品は、磁性体材料及び誘電体材料双方を
含有する磁器材料からなる層が積層されてなる基体と、
基体内部に形成された、スパイラル構造内部の磁束がい
ずれも層に平行かつ互いに逆向きとなるように相互に並
ぶとともに相互に接続されてなる2つのスパイラル構造
を有するインダクタと、基体内部に形成された平行平面
導体膜よりなるキャパシタとを備えたことを特徴とす
る。
内側の磁束が互いに平行かつ互いに逆向きとなるように
2つのスパイラル構造を有するインダクタを備えたた
め、そこに磁気閉回路が形成され、その磁束の通路以外
の場所にキャパシタを配置しても磁場の影響をほとんど
受けず、その基体内に所望の特性の回路を形成すること
ができる。
ル構造内部の磁束がそれらの層に平行となるように2つ
のスパイラル構造が形成されていることにも特徴があ
る。前述したように、ある1つの層の上に半周もしくは
一周する導電膜を形成し、スルーホール内の導体を経由
して次の層に移り、その層でさらに半周ないし一周する
というように複数層に跨ってスパイラル構造のインダク
タを形成する方式の場合、巻き数を変更して種々のイン
ダクタンスを持ったインダクタを形成しようとすると積
み重ねる層の数を増やす必要があるが、本発明の場合、
スパイラル構造内部の磁束が層に平行なるように2つの
スパイラル構造が形成されているため、同一の積層枚数
で種々のインダクタンスを持ったインダクタを内蔵した
固体電子部品を構成することができる。
記の多数層に跨るスパイラル構造のインダクタを形成す
る方式の場合、インダクタの一部が配線されている層と
同一の層にキャパシタを構成する電極膜を形成すること
になるため、キャパシタの電極膜の面積に大きな制限を
受けるが、本発明の場合は、キャパシタの電極膜を、イ
ンダクタの配線が形成される層とは別の層に形成するこ
とができ、電極膜の面積を自由に変更して種々のキャパ
シタンスを持つキャパシタを形成することができる。
上記インダクタは、互いに逆方向に巻かれた螺旋からな
る2つのスパイラル構造に形成される。こうすることに
より、平行に延びる2つのスパイラル構造どうしの、互
いに近接した端部どうしを接続するだけで、磁気閉回路
が形成される。また、上記本発明の固体電子部品におい
て、上記インダクタが、上記層の積層方向に、互いに間
隔を置いて相互に並ぶ2つのスパイラル構造を有するも
のであって、上記キャパシタが、2つのスパイラル構造
に挟まれた位置に形成されてなるものであることが好ま
しい。
置すると寸法が大きくなってしまうおそれあるが、本発
明の場合、2つのスパイラル構造を積層方向に並べたた
め、小型化が図られる。また、キャパシタを、インダク
タを構成する2つのスパイラル構造に挟まれた位置に形
成することも、スペースの無駄が省かれて小型化に寄与
する。
て、上記基体の両端部に端子電極を備えるとともに、そ
の基体の側部に接地電極を備え、上記インダクタが、螺
旋を描きながら端子電極どうしを結ぶ方向に延びる2つ
のスパイラル構造を有するものであって、上記キャパシ
タが、電気的に、上記インダクタの中間点もしくは一方
の端点と接地電極との間に配置されたものであることが
好ましい。
なく、そのインダクタの途中のどこかの位置を意味す
る。このように、インダクタの端点のみでなく中間点に
キャパシタを接続することにより、所望のフィルタ回路
を形成することができる。また、端子電極どうしを結ぶ
方向に延びるスパイラル構造を形成することにより、基
体内部のスペースを有効に利用することができる。
説明する。図1は、本発明の固体電子部品の一実施形態
の外観斜視拡大図である。この固体電子部品10は磁器
材料からなる基体11の両端部に、この固体電子部品1
0の内部回路と、外部の、例えば回路基板上の信号線と
を接続するための端子電極12a,12bが形成されて
おり、さらに基体11の側部には、この固体電子部品1
0の内部のグラウンドと、外部の、例えば回路基板上の
グラウンド線とを接続するための接地端子13a,13
bが形成されている。この固体電子部品10の内部に
は、以下に説明するように、インダクタおよびキャパシ
タが形成されている。
部に形成されたインダクタおよびキャパシタを示す模式
図である。図1に示す基体11の内部には、図2に示す
ように2つのスパイラル構造14a,14bが形成され
ている。これら2つのスパイラル構造14a,14b
は、互いに逆方向に巻かれた螺旋からなり、2つのスパ
イラル構造14a,14bの端子電極12a側は相互に
接続されるとともにその端子電極12aに接続され、端
子電極12b側も同様にして、相互に接続されるととも
に端子電極12bに接続されている。
a,14bは上下に配置されており、それら2つのスパ
イラル構造14a,14bに挟まれた位置にキャパシタ
15a,15bが形成されている。これらのキャパシタ
15a,15bのうちの一方のキャパシタ15aは、2
つのスパイラル構造14a,14bからなるインダクタ
の端子電極12a側の端と接地電極13aとの間に形成
され、もう一方のキャパシタ15bは、そのインダクタ
の、端子電極12b側の端と接地電極13bとの間に形
成されている。
ダクタにより形成される磁場を示す図、図4は、スパイ
ラル構造が1つのみのインダクタにより形成される磁場
を示す図である。図2に示すような構造のインダクタの
場合、2つの端子電極12a,12b間に電流が流れる
と図3に示すような磁気閉回路が形成され、基体内部
の、2つのスパイラル構造が形成された領域以外の領
域、すなわち、2つのスパイラル構造に挟まれた、キャ
パシタが形成された領域や、これら2つのスパイラル構
造から外れた横の領域等には、磁界はほとんど作用せ
ず、それらの部分に、例えば図2に示すようなキャパシ
タ等を配置しても、磁界による悪影響を受けずに所期の
特性をそのまま発揮することができる。
ル構造が1つのみの場合、磁気閉回路は形成されず、そ
のスパイラル構造内部を通り抜けた磁束は、そのスパイ
ラル構造のまわりに発散されてしまい、基体内部にキャ
パシタ等の回路部品を形成すると、その回路部品に対し
磁界による悪影響を及ぼす可能性がある。また、本発明
の固体電子部品では、2つのスパイラル構造間で磁気閉
回路が形成されているため、この固体電子部品の外部に
洩れ出る磁束も極めて弱く、この固体電子部品近傍に他
の回路素子が配置されても、その回路素子へは、この固
体電子部品で発生した磁界はほとんど作用しない。
一実施形態の各製造工程を示す図である。各図の(A)
は平面図、各図の(B)は、図7に代表して示す矢印A
−Aに沿う断面図である。ここでは、Ni−Znフェラ
イトを主成分とする磁性体材料と、チタン酸塩を主成分
とする誘電体材料を用いるものとする。
あるFe2 O3 ,NiO,ZnO等を、混合、仮焼し、
適切な粒径となるように粉砕して、所望の粒径の磁性体
原料仮焼粉を得る。一方、PbTiO3 の出発原料であ
るPbO,TiO2 等も、混合、仮焼、粉砕し、所望の
粒径の誘電体原料の仮焼粉を得る。次に、磁性体原料仮
焼粉と誘電体原料仮焼粉をあらかじめ定めた割合で混合
すると同時に、分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添
加して印刷用材料ペーストを作製する。
と、Ag又はPdを主成分とする導電ペーストを交互に
スクリーン印刷しながら積層し、必要に応じて切断を行
なってグリーンの積層体を形成する。その積層体に脱バ
インダ処理を施こし、さらに焼成して焼成体を形成し、
この焼成体に、例えばAgを主成分とする導体ペースト
等を用いて端子電極12a,12bおよび接地電極13
a,13b(図1参照)を形成し、これにより固体電子
部品が完成する。
態の固体電子部品の各製造工程を説明する。先ず、図5
に示すように、上記のようにして作成された材料ペース
トからなるベース基板111を用意する。このベース基
板111は、完成品における基体の第1層目となる。次
にそのベース基板(第1層)111上に導電ペーストに
より導体膜121を形成する(図6)。さらにその上に
材料ペーストを、スルーホール112aが形成されるよ
うにスクリーン印刷して基体の第2層112を形成する
(図7)。さらに同様にして、導電ペーストにより、導
体膜122を形成する(図8)。このとき、図7に示す
スルーホール112aにも導体ペーストが充填されて、
この導体膜122と、先に形成した導体膜121が、ス
ルーホール112aに充填された導体ペーストを介して
接続され、これにより、螺旋を描きながら図8の左右方
向に延びるスパイラル構造が1つ形成されることにな
る。
刷して基体の第3層113を形成し(図9)、今度はキ
ャパシタを構成する導体膜123を形成する(図1
0)。この導体膜123は、接地電極13a,13b
(図1参照)に接続されることとなる。さらに材料ペー
ストを全面にスクリーン印刷して基体の第4層114を
形成し(図11)、さらにキャパシタの、インダクタに
接続される側の導体膜124を形成する(図12)。
を繰り返すことにより(図13〜図16)、基体の第5
層115(図13)、接地電極13a,13b側の導体
膜125(図14)、基体の第6層(116)(図1
5)、インダクタ側の導体膜126(図16)を作成
し、さらに基体の第7層117を形成する(図17)。
さらに、もう1つのスパイラル構造を形成すべく、今度
は、導体膜127を形成し(図18)、スルーホール1
18aを持った、基体の第8層118を形成し(図1
9)、導体膜128を形成する(図20)。
ル118aにも導体ペーストが充填されて、その充填さ
れた導体ペーストにより、導体膜127と導体膜128
が相互に接続され、これにより、2つ目のスパイラル構
造が形成される。ここで、図6に示す導体膜121と図
8に示す導体膜122とで形成される1つ目のスパイラ
ル構造と、図18に示す導体膜127と図20に示す導
体膜128とで形成される2つ目のスパイラル構造は、
互いに逆方向に巻回していることがわかる。
が積層される方向に、重ねられているために、これら2
つの2つのスパイラル構造を同一の層に横に並べた場合
と比べ、完成品の小型化に寄与している。また、キャパ
シタを成す導体膜123,124,125,126(図
10,図12,図14,図16)は、2つのスパイラル
構造の間に挟まれているために、この点も完成品の小型
化に寄与している。
6,図8,図18,図20に示すように導体膜の繰り返
しパターンにより図の左右方向に延びて形成されてお
り、したがってこれらの繰り返しのピッチや繰り返し数
を調整することにより、様々なインダクタンスを持った
インダクタを、同一寸法かつ同一層数で容易に形成する
ことができる。
スパイラル構造を形成する導体膜を別の層に形成されて
おり、その面積を自由に調整することができ、したがっ
て様々なキャパシタンスを持ったキャパシタを容易に形
成することができる。図20に示す導体膜128を形成
したあと、材料ペーストを全面にスクリーン印刷して、
基体の第9層119を形成する。
されているが、通常は、同様のパターンを同時に複数形
成し、切断することにより、この1個分の積層体を多数
生成する。このようにしてこの積層体を形成した後、前
述したように、この積層体に脱バインダ処理を施し、さ
らに焼成して焼成体を形成し、図1に示す端子電極52
a,52bおよび接地電極53a,53bを形成する。
1,図2に示す構造の固体電子部品が製造される。図2
2は、スパイラル構造を2つ形成することにより磁気閉
回路を形成した実施例のフィルタ特性と、スパイラル構
造を1つのみとした比較例のフィルタ特性を示すグラフ
である。
閉回路を形成するか否かのみ異なり、同一特性を狙って
試作したフィルタであるが、比較例と比べ実施例の方が
減衰特性が格段に良好である。これは、磁気閉回路を形
成することによりキャパシタに及ぼす影響が大幅に低減
されたためであると考えられる。
キャパシタと、そのキャパシタへの悪影響を抑えたスパ
イラル構造のインダクタを内蔵した固体電子部品が構成
される。
拡大図である。
たインダクタおよびキャパシタを示す模式図である。
形成される磁場を示す図である。
形成される磁場を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
工程を示す図である。
気閉回路を形成した実施例のフィルタ特性と、スパイラ
ル構造を1つのみとした比較例のフィルタ特性を示すグ
ラフである。
27,128 導体膜
Claims (4)
- 【請求項1】 磁性体材料及び誘電体材料双方を含有す
る磁器材料からなる層が積層されてなる基体と、 前記基体内部に形成された、スパイラル構造内部の磁束
がいずれも該層に平行かつ互いに逆向きとなるように相
互に並ぶとともに相互に接続されてなる2つのスパイラ
ル構造を有するインダクタと、 前記基体内部に形成された平行平面導体膜よりなるキャ
パシタとを備えたことを特徴とする固体電子部品。 - 【請求項2】 前記インダクタが、互いに逆方向に巻か
れた螺旋からなる2つのスパイラル構造を有するもので
あることを特徴とする請求項1記載の固体電子部品。 - 【請求項3】 前記インダクタが、前記層の積層方向
に、互いに間隔を置いて相互に並ぶ2つのスパイラル構
造を有するものであって、 前記キャパシタが、前記2つのスパイラル構造に挟まれ
た位置に形成されてなるものであることを特徴とする請
求項1記載の固体電子部品。 - 【請求項4】 前記基体の両端部に端子電極を備えると
ともに、該基体の側部に接地電極を備え、 前記インダクタが、螺旋を描きながら前記端子電極どう
しを結ぶ方向に延びる2つのスパイラル構造を有するも
のであって、 前記キャパシタが、電気的に、前記インダクタの中間点
もしくは一方の端点と前記接地電極との間に配置された
ものであることを特徴とする請求項1記載の固体電子部
品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00499798A JP3319373B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 固体電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00499798A JP3319373B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 固体電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11204338A JPH11204338A (ja) | 1999-07-30 |
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Family
ID=11599246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00499798A Expired - Lifetime JP3319373B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 固体電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3319373B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-01-13 JP JP00499798A patent/JP3319373B2/ja not_active Expired - Lifetime
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