JP3397114B2 - 固体電子部品 - Google Patents

固体電子部品

Info

Publication number
JP3397114B2
JP3397114B2 JP00499398A JP499398A JP3397114B2 JP 3397114 B2 JP3397114 B2 JP 3397114B2 JP 00499398 A JP00499398 A JP 00499398A JP 499398 A JP499398 A JP 499398A JP 3397114 B2 JP3397114 B2 JP 3397114B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
inductor
solid
capacitor
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00499398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11204323A (ja
Inventor
直人 北原
秀晃 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP00499398A priority Critical patent/JP3397114B2/ja
Publication of JPH11204323A publication Critical patent/JPH11204323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397114B2 publication Critical patent/JP3397114B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体材料と誘電
体材料との双方を含有する基体の内部にインダクタとキ
ャパシタが形成されてなる固体電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器の高周波ノイズ対策
用として、EMI(ElectroMagnetic
Interference)フィルタが使用されてい
る。一般にEMIフィルタは、コンデンサとインダクタ
との個別素子を組み合わせて構成されており、これら個
別素子の組み合わせによる多くの型のEMIフィルタが
提案されている。代表的なものとして、例えば1個のキ
ャパシタと1個のインダクタとの組み合わせからなるL
型のEMIフィルタや、2個のキャパシタと1個のイン
ダクタとの組み合わせからなるπ(パイ)型のEMIフ
ィルタが知られており、これらのEMIフィルタにより
電子機器のノイズ対策が行なわれている。
【0003】しかしながら、それぞれが個別素子である
キャパシタとインダクタを組み合わせてEMIフィルタ
を構成するのではEMIフィルタ全体が大型化し、その
EMIフィルタを回路基板等に取り付けるにあたり広い
面積を必要とし、また、個別素子を組み合わせるために
工数もかかるという問題がある。近年、1つのチップ部
品内にキャパシタとインダクタを内蔵したフィルタが提
案されている。1つのチップ部品内にキャパシタとイン
ダクタを内蔵する手法には、磁性体材料と誘電体材料と
を混合した混合磁器材料を用いる手法(第1の手法と称
する)と、磁性体材料を用いてインダクタを形成すると
ともに、それとは別体で、誘電体材料を用いてキャパシ
タを形成し、それらを層状に張り合わせて焼成する手法
(第2の手法と称する)との2つがある。
【0004】しかしながら、上記第1の手法の場合、混
合磁器材料中に磁性体材料が含まれているといっても、
それを用いて形成されたインダクタは純水な磁性体材料
を用いて形成されたインダクタと比べ特性が大きく劣化
し、またこれと同様に、混合磁器材料中に誘電体材料が
含まれているとはいってもそれを用いて形成されたキャ
パシタは、純水な誘電体材料を用いて形成されたキャパ
シタと比べ特性が大きく劣化するという問題がある。
【0005】一方、上記第2の手法は、インダクタは磁
性体材料を用いて形成され、キャパシタは誘電体材料を
用いて形成されるため、インダクタ、キャパシタとして
の特性には問題はないと一応考えられるものの、それら
の磁性体材料と誘電体材料とを貼り合わせて焼成する必
要上、それらの磁性体材料と誘電体材料とで、焼成条
件、収縮率、熱膨張係数等を合わせる必要があり、この
ことが技術的に困難であるとともに製造コストの上昇を
招くという問題がある。また、焼成条件等を合わせる必
要上添加物等を必要とすることから、結果的に材料特性
の劣化を招くという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、特性をかなりの高水準で維持しつつ、技術的な困
難性を解消しコストの低減が図られた、インダクタとキ
ャパシタを含む回路を有する固体電子部品を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の固体電子部品は、磁性体材料と誘電体材料とが混合
された磁器材料からなる基体と、その基体内部に形成さ
れたインダクタおよびキャパシタとを備え、上記基体
の、インダクタが形成されてなる第1の部分と、上記基
体の、キャパシタが形成されてなる第2の部分につい
て、第1の部分を形成する磁器材料中の磁性体材料と第
2の部分を形成する磁器材料中の磁性体材料とが同種の
化学組成を有するものであるとともに、第1の部分を形
成する磁器材料中の誘電体材料と第2の部分を形成する
磁器材料中の誘電体材料とが同種の化学組成を有するも
のであって、第1の部分における、磁性体材料に対する
誘電体材料の混合比率よりも、第2の部分における、磁
性体材料に対する誘電体材料の混合比率の方が高められ
てなることを特徴とする。
【0008】本発明の固体電子部品は、第1の部分、第
2の部分にかかわらず、誘電体材料、磁性体材料として
そぞれ同種の化学組成を有するものを採用し、かつイン
ダクタが形成される第1の部分については相対的に磁性
体材料の比率を高め、キャパシタが形成される第2の部
分については相対的に誘電体材料の比率を高めたため、
かなり良好な特性を持ったインダクタやキャパシタを形
成することができ、しかも収縮率、熱膨張係数等の差異
も問題にならない程度に抑えられるため技術的な困難性
も解消され、良好な特性の固体電子部品を低コストで供
給することができる。
【0009】ここで、本発明の固体電子部品は、磁性体
材料と誘電体材料とが混合された磁器材料からなる層が
積層されてなる基体と、基体内部に形成されたスパイラ
ル構造内部の磁束がいずれも層に平行かつ互いに逆向き
となるように、層の積層方向に、互いに間隔を置いて相
互に並ぶとともに、相互に接続されてなる2つのスパイ
ラル構造を有するインダクタと、基体内部の、上記2つ
のスパイラル構造に挟まれた位置に形成されたキャパシ
タとを備え、上記基体の、インダクタが形成されてなる
第1の層と、上記基体の、キャパシタが形成されてなる
第2の層について、第1の層を形成する磁器材料中の磁
性体材料と第2の層を形成する磁器材料中の磁性体材料
とが同種の化学組成を有するものであるとともに、第1
の層を形成する磁器材料中の誘電体材料と第2の層を形
成する磁器材料中の誘電体材料とが同種の化学組成を有
するものであって、第1の層における、磁性体材料に対
する誘電体材料の混合比率よりも、第2の層における、
磁性体材料に対する誘電体材料の混合比率の方が高めら
れてなるものであってもよい。
【0010】この場合、基体を構成する複数の層につい
て各層毎に材料を選択することになる。また、上記基体
の両端部に端子電極を備えるとともに、上記基体の側部
に接地電極を備え、上記インダクタが、螺旋を描きなが
ら端子電極どうしを結ぶ方向に延びる2つのスパイラル
構造を有するものであって、上記キャパシタが、電気的
に、上記インダクタの中間点もしくは一方の端点点と接
地電極との間に配置されたものであってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の固体電子部品の一実施形態
の外観斜視拡大図である。この固体電子部品10は、磁
器材料からなる基体11の両端部に、この固体電子部品
10の内部回路と、外部の、例えば回路基板上の信号線
とを接続するための端子電極12a,12bが形成され
ており、さらに基体11の側部には、この固体電子部品
10の内部のグラウンドと、外部の、例えば回路基板上
のグラウンド線を接続するための接地電極13a,13
bが形成されている。この固体電子部品10の内部に
は、以下に説明するように、インダクタおよびキャパシ
タが形成されている。
【0012】図2は、図1に外観を示す固体電子部品内
部に形成されたインダクタおよびキャパシタを示す模式
図である。図1に示す基体11の内部には、図2に示す
ように2つのスパイラル構造14a,14bが形成され
ている。これら2つのスパイラル構造14a,14b
は、互いに逆方向に巻かれた螺旋からなり、2つのスパ
イラル構造14a,14bの端子電極12a側は相互に
接続されるとともにその端子電極12aに接続され、端
子電極12b側も同様にして、相互に接続されるととも
に端子電極12bに接続されている。
【0013】またこれら2つのスパイラル構造14a,
14bは上下に配置されており、それら2つのスパイラ
ル構造14a,14bに挟まれた位置にキャパシタ15
a,15bが形成されている。これらのキャパシタ15
a,15bのうちの一方のキャパシタ15aは、2つの
スパイラル構造14a,14bからなるインダクタの端
子極12a側の端と接地電極13aとの間に形成され、
もう一方のキャパシタ15bは、そのインダクタの、端
子電極12b側の端と接地電極13bとの間に形成され
ている。
【0014】図3は、2つのスパイラル構造14a,1
4bを持つインダクタにより形成される磁場を示す図、
図4は、スパイラル構造が1つのみのインダクタにより
形成される磁場を示す図である。図2に示すような構造
のインダクタの場合、2つの端子電極12a,12b間
に電流が流れると図3に示すような磁気閉回路が形成さ
れ、基体内部の、2つのスパイラル構造が形成された領
域以外の領域、すなわち、2つのスパイラル構造に挟ま
れた、キャパシタが形成された領域や、これら2つのス
パイラル構造から外れた横の領域等には、磁界はほとん
ど作用せず、それらの部分に、例えば図2に示すような
キャパシタ等を配置しても磁界による悪影響を受けずに
初期の特性をそのまま発揮することができる。
【0015】これに対し、図4に示すような、スパイラ
ル構造が1つのみの場合、磁気閉回路は形成されず、そ
のスパイラル構造内部を通り抜けた磁束は、そのスパイ
ラル構造のまわりに発散されてしまい、基体内部にキャ
パシタ等の回路部品を形成すると、その回路部品に対し
磁界による悪影響を及ぼす可能性が高い。また本発明の
固体電子部品では、2つのスパイラル構造間で磁気閉回
路が形成されているため、この固体電子部品の外部に洩
れ出る磁束も極めて弱く、この固体電子部品近傍に他の
回路素子が配置されても、その回路素子へは、この固体
電子部品内部で発生した磁界はほとんど作用しない。
【0016】本実施形態では、基体の材料として、磁性
体材料と誘電体材料とが混合された磁器材料が用いられ
る。そこで以下に、このような混合磁器材料の特性につ
いて説明する。図5は、材料の混合比率と、その混合材
料の比透磁率μr および比誘電率εrとの関係を示すグ
ラフである。
【0017】Ni−Znフェライトを主成分とする磁性
体材料は、比透磁率μr =5000、比誘電率εr =1
0である。一方、チタン酸鉛を主成分とする誘電体材料
は、比透磁率μr =1、比誘電率εr =1000であ
る。これらの磁性体材料と誘電体材料を混合すると、そ
の混合比率に応じて、直線Aに示す比透磁率μr および
比誘電率εr を示す。
【0018】ここで、磁性体材料および誘電体材料のう
ちの混合比率の少ない方の材料を20%以上混合する
と、その範囲内で混合比率が変化しても、同一の焼成条
件で焼成することができ、収縮率、熱膨張率の相違も許
容内となる。そこで本実施形態では、基体内のインダク
タを形成する部分については磁性体材料の混合比率を高
めた材料が用いられ、基体内のキャパシタを形成する部
分については誘電体材料の混合比率を高めた材料あ用い
られる。詳細は後述する。
【0019】他の材料の組み合わせの場合も同様であ
り、例えば、図5のグラフに示すように、Ni−Znフ
ェライトを主成分とする磁性体材料は、比透磁率μr
2000、比誘電率εr =10である。一方、チタン酸
ストロンチウムを主成分とする誘電体材料は、比透磁率
μr =1、比誘電率εr =200を示す。これらの磁性
体材料と誘電体材料を混合するとその混合比率に応じて
直線Bに示す比透磁率μ r および比誘電率εr を示す。
【0020】このように、組み合わせるべき磁性体材料
と誘電体材料をそれぞれ選定し、それらの混合比率を変
えることにより、様々な、比透磁率μr と比誘電率εr
との組合せを持った混合材料を得ることができる。図6
〜図24は、本発明の固体電子部品の一実施形態の各製
造工程を示す図である。各図の(A)は平面図、各図の
(B)は、図9に代表して示す矢印A−Aに沿う断面図
である。
【0021】ここでは、Ni−Znフェライトを主成分
とする磁性体材料とチタン酸鉛を主成分とする誘電体材
料を用いるものとする。先ず、Ni−Znフェライトの
出発原料であるFe23 ,NiO,ZnO等を混合、
仮焼し、適切な粒径となるように粉砕して、所望の粒径
の磁性体原料仮焼粉を得る。一方、チタン酸鉛の出発原
料であるPbO,TiO2 等も、混合、仮焼、粉粒し、
所望の粒径の誘電体原料仮焼粉を得る。
【0022】次に、磁性体原料仮焼粉と誘電体原料仮焼
粉を、ここでは、70wt%:30wt%、50wt
%:50wt%、30wt%:70wt%の3種類に混
合し、分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添加して印
刷用材料ペーストを作製する。ここでは、磁性体原料仮
焼粉:誘電体原料仮焼粉=70wt%:30wt%の混
合割合の材料ペーストを、「インダクタ用材料ペース
ト」、磁性体原料仮焼粉:誘電体原料仮焼粉=50wt
%:50wt%の混合割合の材料ペーストを、「標準材
料ペースト」、磁性体原料仮焼粉:誘電体原料仮焼粉=
30wt%:70wt%の混合割合の材料ペーストを
「キャパシタ用材料ペースト」と称する。
【0023】このようにして作製された材料ペースト
と、Ag又はPdを主成分とする導電ペーストを交互に
スクリーン印刷しながら積層し、必要に応じて切断を行
なってグリーンの積層体を形成する。この積層体に脱バ
インダ処理を施し、さらに焼成して焼成体を形成し、こ
の焼成体に、例えばAgを主成分とする導体ペースト等
を用いて端子電極12a,12bおよび接地電極13
a,13b(図1参照)を形成し、これにより固体電子
部品が完成する。
【0024】以下、各図6〜図24に沿って、本実施形
態の固体電子部品の各製造工程を説明する。先ず、図6
に示すように、上記のようにして作成された材料ペース
トのうちの、標準材料ペーストからなるベース基板11
1を用意する。このベース基板111は、完成品におけ
る基体の第1層目となる。次にインダクタ用材料ペース
トにより、そのベース基板(第1層)111上に第2層
112を形成する(図7)。次に導電ペーストにより導
電膜131を形成する(図8)。さらにその上にインダ
クタ用材料ペーストを、スルーホール113aが形成さ
れるようにスクリーン印刷して基体の第3層113を形
成する(図9)。さらに同様にして、導電ペーストによ
り、導体膜132を形成する(図8)。このとき、図7
に示すスルーホール113aにも導体ペーストが充電さ
れて、この導体膜132と先に形成した導体膜131が
スルーホール113aに充填された導体ペーストを介し
て接続され、これにより、螺旋を描きなが図の左右方向
に延びるスパイラル構造が1つ形成されることになる。
【0025】このようにしてスパイラル構造を1つ形成
した後インダクタ用材料ペーストを全面に印刷して第4
層114を形成する(図11)。次にこのインダクタ用
材料ペーストにより形成された第4層14の上に、今度
はキャパシタ用材料ペーストを全面に印刷して第5層1
15を形成し(図12)、導電ペーストによりキャパシ
タ用の導電膜133を形成し(図13)、キャパシタ用
ペーストを全面に印刷して第6層116を形成し(図1
4)、導電ペーストによりキャパシタ用の導体膜134
を形成し(図15)、さらにキャパシタ用材料ペースト
により第7層117を形成し(図16)、さらに導体ペ
ーストによりキャパシタ用の導体膜135を形成し(図
17)、キャパシタ用材料ペーストにより第8層118
を形成する(図18)。
【0026】さらにその上に、今度はインダクタ用材料
ペーストを用いて第9層119を形成し(図19)、導
体膜136を形成し(図20)、インダクタ用材料ペー
ストを用いて、スルーホール120aを持った、基体の
第10層120を形成し(図21)、導体膜137を生
成する(図21)。この導体膜137の印刷の際、スル
ーホール120aにも導体ペーストが充電されて、その
充電された導体ペーストにより導体膜136と導体膜1
37が相互に接続され、これにより、2つ目のスパイラ
ル構造が形成される。
【0027】ここで、図8に示す導体膜131と図10
に示す導体膜132とで形成される1つ目のスパイラル
構造と、図20に示す導体膜136と図22に示す導体
膜137とで形成される2つ目のスパイラル構造は、互
いに逆方向に巻回している。また、これら2つのスパイ
ラル構造は層が積層される方向に重ねられているため
に、これら2つのスパイラル構造を同一の層に横に並べ
た場合と比べ、完成品の小型化に寄与している。またキ
ャパシタを成す導体膜133,134,135(図1
3,図15,図17)は、2つのスパイラル構造の間に
挟まれているために、この点も完成品の小型化に寄与し
ている。
【0028】また、上記2つのスパイラル構造は、図
8,図10,図20,図22に示すように、導体膜の繰
り返しパターンにより図の左右方向に延びて形成されて
おり、したがってこれらの繰り返しのピッチや繰り返し
数を調整することにより、様々なインダクタスを持った
インダクタ、同一寸法かつ同一層数で容易用意に形成す
ることができる。
【0029】さらに、キャパシタを形成する導体膜は、
スパイラル構造を形成する導体膜とは別の層に形成され
ており、その面積を自由に調整することができ、したが
って様々なキャパシタンスを持ったキャパシタを容易に
形成することができる。図22に示す導体膜137を形
成した後、インダクタ用材料ペーストを全面にスクリー
ン印刷して基体の第11層121を形成し(図23)、
さらに、今度は標準材料ペーストを全面に厚くスクリー
ン印刷して第12層122を形成する。
【0030】尚、ここでは、固体電子部品1個分のみ示
されているが、通常は、同様のパターンを同時に複数形
成し、切断することにより、この1個分の積層体を多数
生成する。このようにしてこの積層体を形成した後、前
述したように、この積層体に脱バインダ処理を施し、さ
らに焼成して焼成体を形成し、図1に示す端子電極52
a,52bおよび接地電極53a,53bを形成する。
【0031】このような製造工程を経ることにより、図
1,図2に示す構造の固体電子部品が製造される。図2
5は、上記のようにして製造された固体電子部品の縦断
面拡大図(図24(B)の拡大図)である。領域Iには
キャパシタが作り込まれており、その領域Iに対応す
る、基体の第5層115〜第8層118は、誘電体材料
の混合比率の高いキャパシタ用材料ペーストで形成され
ている。
【0032】また、領域IIには、インダクタ(スパイ
ラル構造)が作り込まれており、その領域IIに対応す
る、基体の第2層112〜第4層114、および第9層
119〜第11層121は、磁性体材料の混合比率の高
いインダクタ用材料ペーストで形成されている。尚、領
域IIIは、本実施形態では、標準材料ペーストで形成
されているが、この領域IIIに関しては、わざわざ標
準材料ペーストを用意することなく、インダクタ用材料
ペーストあるいはキャパシタ用材料ペーストをそのまま
用いてもよい。
【0033】ここでは、この図25に示すように、キャ
パシタが形成された領域Iには、キャパシタの特性を高
めることのできる、誘電体材料の比率の高い混合磁器材
料が用いられ、インダクタが形成された領域IIには、
インダクタの特性を高めることのできる、磁性体材料の
比率の高い混合磁器材料が用いられており、この固体電
子部品のフィルタ特性の向上が図られている。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特性がかなりの高水準で維持されたインダクタおよびキ
ャパシタを1つの基体内に作り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電子部品の一実施形態の外観斜視
拡大図である。
【図2】図1に外観を示す固体電子部品内部に形成され
たインダクタおよびキャパシタを示す模式図である。
【図3】2つのスパイラル構造を持つインダクタにより
形成される磁場を示す図である。
【図4】スパイラル構造が1つのみのインダクタにより
形成される磁場を示す図である。
【図5】材料の混合比率と、その混合材料の比透磁率μ
r および比誘電率εr との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造工
程を示す図である。
【図7】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造工
程を示す図である。
【図8】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造工
程を示す図である。
【図9】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造工
程を示す図である。
【図10】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図11】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図12】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図13】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図14】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図15】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図16】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図17】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図18】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図19】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図20】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図21】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図22】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図23】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図24】本発明の固体電子部品の一実施形態の一製造
工程を示す図である。
【図25】製造された固体電子部品の縦断面拡大図(図
24(B)の拡大図)である。
【符号の説明】
10 固体電子部品 11 基体 12a,12b 端子電極 13a,13b 接地電極 14a,14b スパイラル構造 15a,15b キャパシタ 111 ベース基板 112 第2層 113 第3層 113a スルーホール 114 第4層 116 第6層 117 第7層 118 第8層 119 第9層 120 第10層 120a スルーホール 131,132,133,134,135,136,1
37 導体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/12 - 1/375

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体材料と誘電体材料とが混合された
    磁器材料からなる層が積層されてなる基体と、 前記基体内部に形成されたスパイラル構造内部の磁束が
    いずれも該層に平行かつ互いに逆向きとなるように、該
    層の積層方向に、互いに間隔を置いて相互に並ぶととも
    に、相互に接続されてなる2つのスパイラル構造を有す
    るインダクタと、 前記基体内部の、前記2つのスパイラル構造に挟まれた
    位置に形成されたキャパシタとを備え、 前記基体の、前記インダクタが形成されてなる第1の
    と、該基体の、前記キャパシタが形成されてなる第2の
    について、 該第1のを形成する磁器材料中の磁性体材料と該第2
    を形成する磁器材料中の磁性体材料とが同種の化学
    組成を有するものであるとともに、該第1のを形成す
    る磁器材料中の誘電体材料と該第2のを形成する磁器
    材料中の誘電体材料とが同種の化学組成を有するもので
    あって、 該第1のにおける、磁性体材料に対する誘電体材料の
    混合比率よりも、該第2のにおける、磁性体材料に対
    する誘電体材料の混合比率の方が高められてなることを
    特徴とする固体電子部品。
  2. 【請求項2】 前記基体の両端部に端子電極を備えると
    ともに、該基体側部に接地電極を備え、 前記インダクタが、螺旋を描きながら前記端子電極どう
    しを結ぶ方向に延びる2つのスパイラル構造を有するも
    のであって、 前記キャパシタが、電気的に、前記インダクタの中間点
    もしくは一方の端点と前記接地電極との間に配置された
    ものである ことを特徴とする請求項1記載の固体電子部
    品。
JP00499398A 1998-01-13 1998-01-13 固体電子部品 Expired - Lifetime JP3397114B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00499398A JP3397114B2 (ja) 1998-01-13 1998-01-13 固体電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00499398A JP3397114B2 (ja) 1998-01-13 1998-01-13 固体電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11204323A JPH11204323A (ja) 1999-07-30
JP3397114B2 true JP3397114B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=11599138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00499398A Expired - Lifetime JP3397114B2 (ja) 1998-01-13 1998-01-13 固体電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397114B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11204323A (ja) 1999-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5977845A (en) LC composite part with no adverse magnetic field in the capacitor
JP2001044036A (ja) 積層インダクタ
JP2001044037A (ja) 積層インダクタ
US6346865B1 (en) EMI/RFI filter including a ferroelectric/ferromagnetic composite
JPH07201570A (ja) 厚膜積層インダクタ
JPH08250309A (ja) 複合積層電子部品
JP2000182834A (ja) 積層型インダクタンス素子及びその製造方法
JP2626143B2 (ja) 複合積層電子部品
KR101900881B1 (ko) 적층형 소자
KR100229768B1 (ko) 복합 기능 소자 및 이의 제조 방법
JP3397114B2 (ja) 固体電子部品
JP2000196391A (ja) フィルタ
JPH11205063A (ja) バンドストップフィルタ部品
JP3208842B2 (ja) Lc複合電子部品
JP2007234755A (ja) Lc複合フィルタ部品の製造方法及びlc複合フィルタ部品
JP3319373B2 (ja) 固体電子部品
JP3319372B2 (ja) 固体電子部品
JP2000331831A (ja) 積層型インピーダンス素子
JPH10126193A (ja) Lcフィルタ部品
JP4635430B2 (ja) 積層コイル部品
JPH10116752A (ja) Lcフィルタ部品
JPH10116729A (ja) 固体電子部品
JPH11354330A (ja) 積層チップ部品およびその使用方法
KR100527225B1 (ko) 엘씨복합부품
JPH08330137A (ja) 積層インダクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140214

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term