JP3319277B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

車両の前部構造

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JP3319277B2 JP07864396A JP7864396A JP3319277B2 JP 3319277 B2 JP3319277 B2 JP 3319277B2 JP 07864396 A JP07864396 A JP 07864396A JP 7864396 A JP7864396 A JP 7864396A JP 3319277 B2 JP3319277 B2 JP 3319277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前部構造に
関し、詳しくは、ヘッドランプの近傍にフロントアッパ
ーメンバが配設され、該ヘッドランプの後方にはダッシ
ュパネルが配設された車両の前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図8はセミキャブタイプの車両1を示
し、図9〜図12は、車両1に適用された従来の前部構
造を示すものである。図9は、車両1からそのフロント
フード2、フロントフェンダ3、フロントバンパー4を
外した状態を示している。
【0003】従来の前部構造では、フロントアッパーメ
ンバ5が左右のダッシュサイドパネル6,6間に配設さ
れ、ヘッドランプハウジング7,7がフロントアッパー
メンバ5と左右の車体フレーム8,8との間にそれぞれ
配設されている。ヘッドランプハウジング7,7は、ヘ
ッドランプ9,9がそれぞれ取付けられるとともに、フ
ロントアッパーメンバ5を支えるものである。
【0004】また、左右の車体フレーム8,8間にはク
ロスメンバ10が配設され、該クロスメンバにラジエー
タ14やコンデンサ(図示せず)等が取付けられてい
る。また、従来の車両の中には、フロントアッパーメン
バ5とクロスメンバ10との間にフロントセンターメン
バ11が配設され、該フロントセンターメンバによって
フードラッチ12を支えるようにしたものがある。な
お、図10はヘッドランプ9の取付部の断面を示し、図
11はフードラッチ12の取付部の断面を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな従来の構造では、ヘッドランプハウジング7,7と
ダッシュパネル13の間の距離が小さいため、パネルが
2枚重なった構成となり、その分無駄があった。このた
め、車体重量も重くなり、製造コストも高くつく不具合
があった。また、ヘッドランプハウジング7,7は、ヘ
ッドランプ9,9とフロントアッパーメンバ5を支える
役目を有しているため、支えとしてはかなり大きな物と
なり、車体重量が重くなる一因となっていた。
【0006】さらに、上記構造では、フードロックの入
力方向が傾いてきた場合、フードラッチ12の支えが十
分でなかった。本発明は、上記実情に鑑みてなされたも
ので、車体重量を軽減することができるとともに、製造
コストの低減を図ることができ、しかも、フードラッチ
の支えが十分な車両の前部構造を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、ヘッドランプの近傍にフロントアッパーメンバが配
設され、該ヘッドランプの後方にはダッシュパネルが配
設された車両の前部構造において、上記ダッシュパネル
からブラケットを出して、該ブラケットの前端部近傍で
上記フロントアッパーメンバを支持し、上記フロントア
ッパーメンバにリーンフォースメント部材が配設されて
いて、これら2部品で閉断面部を形成しており、該閉断
面部にフードラッチが取り付けられている構成としてい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両の前部構
造の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図7は、本発明に係る車両の前部構造の一実施例
を示すものである。なお、説明の便宜上、図1〜図7に
おいて、図9〜図12に示した要素と同一機能を有する
ものについては同一符号を付し、それらの詳細な説明を
省略する。
【0009】本実施例の前部構造では、ヘッドランプ9
の近傍にフロントアッパーメンバ20が配設され、該ヘ
ッドランプの後方にはダッシュパネル13が配設されて
いる。ダッシュパネル13からはブラケット21が直接
出され、該ブラケットによりフロントアッパーメンバ2
0が支持されるようにしている。
【0010】ブラケット21は、横断面略C字形状に形
成されている。ブラケット21は、その基部21aでダ
ッシュパネル13に固定されている(図4および図7参
照)。基部21aは、3方に向けて舌片状に形成されて
いる。ブラケット21の前端部21bは、その長手方向
から直角な方向に折曲されて形成され、これにより、該
ブラケットの強度向上が図られている。
【0011】ブラケット21の前端部21b近傍の上部
に、フロントアッパーメンバ20が結合されている。ブ
ラケット21の下部には、傾斜部21cが設けられてい
る。傾斜部21cは、フードロック時にフロントフード
2から入力される力の方向に略平行となるように形成さ
れている。ブラケット21の中央部には、横方向に向け
て複数のビード21dが形成されている。
【0012】さらに、フロントアッパーメンバ20の下
部にリーンフォースメント部材22が配設されている。
フロントアッパーメンバ20とリーンフォースメント部
材22は、図6に示すように、閉断面を形成している。
これにより、フロントアッパーメンバ20の強度が向上
されている。リーンフォースメント部材22には、フー
ドラッチ12が取付けられている。
【0013】本実施例では、フロントアッパーメンバ2
0をブラケット21を介してダッシュパネル13によっ
て直接支持するようにしているので、従来のようなヘッ
ドランプハウジングを廃止することができる。このよう
に、部品点数の削減ができるので、組付工数も減少させ
ることができる。しかも、ブラケット21は、ヘッドラ
ンプハウジングに比べて小型に形成することができるの
で、車体重量も軽くなり、製造コストを低減させること
ができる。また、フードロック時にフロントフード2か
らフードラッチ12を介してフロントアッパーメンバ2
0に大きな力が入力されても、この力をブラケット21
の傾斜部21cで支えることができる。しかも、フロン
トフード2からの入力があると、フロントアッパーメン
バ20とリーンフォースメント部材22によって形成さ
れる閉断面に反時計方向へ回転変形させようとする力が
働くが(図5参照)、フロントアッパーメンバ20とブ
ラケット21によっても閉断面が形成されるように構成
されているため、上記変形が防止される。
【0014】さらに、ブラケット21は、その複数のビ
ード21dによって前方からの加わる衝撃を吸収し、こ
れによって、ダッシュパネル13を後方へ押したりしな
いようにしている。さらにまた、フロントアッパーメン
バ20は、ブラケット21を介してダッシュパネル13
に予め取付けることができるので、該フロントアッパー
メンバ20には、車両前部に配置される部品、例えばラ
ジエータ14、コンデンサ(図示せず)、ヘッドランプ
9、バンパー4、フードラッチ12およびグリル(図示
せず)等を集中して取付けることができるとともに、そ
れらの部品の組付精度が出し易い。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
の前部構造によれば、ヘッドランプの近傍にフロントア
ッパーメンバが配設され、該ヘッドランプの後方にはダ
ッシュパネルが配設された車両の前部構造において、上
記ダッシュパネルからブラケットを出して、該ブラケッ
トの前端部近傍で上記フロントアッパーメンバを支持
、上記フロントアッパーメンバにリーンフォースメン
ト部材が配設されていて、これら2部品で閉断面部を形
成しており、該閉断面部にフードラッチが取り付けられ
ている構成としているので、次のような効果を得ること
ができる。
【0016】すなわち、本発明では、上記フロントアッ
パーメンバを上記ブラケットを介して上記ダッシュパネ
ルによって直接支持するようにしたので、従来のような
ヘッドランプハウジングを廃止することができる。しか
も、上記ブラケットは、ヘッドランプハウジングに比べ
て小型に形成することができる。したがって、本発明で
は、部品点数が削減され、その組付け工数も削減される
ので、車体重量も軽くなり、製造コストを低減させるこ
とができる。
【0017】また、本発明では、上記ブラケットに傾斜
部を設けることにより、上記ブラケットの形状をフード
ロックの入力方向に合わせているので、フードラッチを
十分効果的に支えることができる。さらに、本発明で
は、車両前部に配置される部品を上記フロントアッパー
メンバに集中して取付けることができ、しかも、ダッシ
ュパネルのアセンブリとして上記フロントアッパーメン
バを組付けることができるので、それらの組付け精度が
出し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の前部構造の一実施例を示す
もので、車両からフロントフード、フロントフェンダ、
フロントバンパー等を外した状態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る車両の前部構造の一実施例を示す
もので、車両からフロントフード、フロントフェンダ、
フロントバンパー等を外した状態を示す平面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【図5】図1におけるC−C線断面図である。
【図6】図5に示した構造の要部を拡大して示す断面図
である。
【図7】本発明に係る車両の前部構造の一実施例のブラ
ケットを示す斜視図である。
【図8】本発明が適用される車両を示す側面図である。
【図9】従来の車両の前部構造を示し、図1に対応する
正面図である。
【図10】図9におけるD−D線断面図である。
【図11】図9におけるE−E線断面図である。
【図12】図11において矢印Fで示す円で囲む部分を
拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両 2 フロントフード 6 ダッシュサイドパネル 8 車体フレーム 9 ヘッドランプ 10 クロスメンバ 11 フロントセンターメンバ 12 フードラッチ 13 ダッシュパネル 20 フロントアッパーメンバ 21 ブラケット 21a 基部 21b 前端部 21c 傾斜部 21d ビード 22 リーンフォースメント部材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドランプの近傍にフロントアッパー
    メンバが配設され、該ヘッドランプの後方にはダッシュ
    パネルが配設された車両の前部構造において、上記ダッ
    シュパネルからブラケットを出して、該ブラケットの前
    端部近傍で上記フロントアッパーメンバを支持し、上記
    フロントアッパーメンバにリーンフォースメント部材が
    配設されていて、これら2部品で閉断面部を形成してお
    り、該閉断面部にフードラッチが取り付けられている
    とを特徴とする車両の前部構造。
  2. 【請求項2】 上記ブラケットは、フードロック時の入
    力方向に略平行な傾斜部を備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の車両の前部構造。
  3. 【請求項3】 上記ブラケットによって支えられる上記
    フロントアッパーメンバに、車両前部に配置される部品
    を集中して取付けたことを特徴とする請求項1に記載の
    車両の前部構造。
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