JP3318562B1 - 薬剤散布自動車、薬剤吹出装置及び自走式薬剤散布方法 - Google Patents

薬剤散布自動車、薬剤吹出装置及び自走式薬剤散布方法

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JP3318562B1
JP3318562B1 JP2002011906A JP2002011906A JP3318562B1 JP 3318562 B1 JP3318562 B1 JP 3318562B1 JP 2002011906 A JP2002011906 A JP 2002011906A JP 2002011906 A JP2002011906 A JP 2002011906A JP 3318562 B1 JP3318562 B1 JP 3318562B1
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Abstract

【要約】 【課題】薬剤の到達距離を伸ばし、果樹等の収穫量を確
保するとともに通路面積が少ない果樹園にも適用でき
る。 【解決手段】 送風機6からの空気の進行方向がケース
3と2枚の曲板5及び7により曲げられてから、更に横
方向に直進させることで、混合気の直進性が実現でき
る。ケース3の片方向に吹出口4を設け、車体長手方向
Fと直交する方向Sに混合気を縦長に吹出させること
で、混合気の到達距離は倍以上に長くなる。上部混合気
Uの風量が多く下部混合気Lの風量を少なくしていくの
で、上部混合気Uが下部混合気Lのエアーカーテンにな
り、下部混合気Lが上方へ逃げないし、上部混合気Uが
強くて上部混合気Lを下方へ巻き込むことができる。限
られた栽培面積で収穫量を確保して採算を合わせる必要
のある蜜柑等の果樹園の場合にも適用できるので、余分
な通路が不要になるとともに、作付け面積の増加による
収穫量の増大を見込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走型スピードス
プレヤー等の薬剤散布自動車に関するもので、特に、薬
剤の到達距離を長くしたものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬剤散布自動車については、実公昭61
−15989号、特開昭63−69558号、実開平1
−128862号、実開平5−60554号、特開平9
−271699号、特開平10−33063号、特開平
10−337147号、特開平11−91369号、特
開平11−299410号、特開2000−15714
0、特開2000−325845、特開2000−33
4346、特開2001−86921、特開2001−
112318、特開2001−120150、特開20
01−204356、特開2001−286803等の
各種の発明・考案が提案されている。従来の薬剤散布自
動車は、果樹園等の通路を走行し、通路の両側の果樹等
へ全体に扇型に一度に農薬等を散布できるという利点が
ある。図8に示す通り、このタイプの薬剤散布自動車1
00は、りんご園など、果樹列101の1列毎に幅W 0
の通路102を確保できる果樹園である場合ならば便利
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、限られた栽
培面積で収穫量を確保して採算を合わせる必要のある蜜
柑等の果樹園の場合は、果樹1列毎に間隔を設けるよう
な余裕は無く、通路を削減して間隔を狭めて密植されて
いる場合がほとんどであって、従来の薬剤散布自動車を
適用した場合、薬剤散布自動車の近くの果樹には薬剤を
散布できるが、薬剤散布自動車から遠距離の果樹まで薬
剤が到達しないので薬剤を散布することが困難であり、
部分的に手作業を強いられるという欠点がある。この薬
剤散布自動車で全部の果樹に機械的に農薬散布しようと
するには、果樹1列に対してそれぞれ全部に通路をつけ
て一列ごとに農薬散布をしなければならず、そうすると
収穫量も少なくなる。また、樹高の比較的低い蜜柑の木
に散布する場合、上部の薬剤は無駄になるおそれもあ
る。さらに、薬剤散布自動車の送風機の能力を高めて散
布風量を増大させることも現実的には車体の大きさやコ
スト面で困難である。
【0004】そこで、本発明は、薬剤の到達距離を伸ば
し、果樹等の収穫量を確保するとともに通路面積が少な
い果樹園にも適用できる薬剤散布自動車、薬剤散布自動
車用吹出装置及び自走式薬剤散布方法を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
に鑑み、請求項1の発明は、車体の後部に設けた送風機
から車体長手方向の前方に向かって吹き出す空気の進行
方向を車体横方向に配置された縦長ケースにより車体横
方向に変更するとともに少なくとも2枚の曲板により空
気を少なくとも2つの流れに分けてカーブ状に誘導し
て、縦長の空気流れに変更し、前記車体横方向に前記
空気及び薬剤の混合気を、その吹出角度を可変にして、
上部混合気の風速が下部混合気の風速よりも大きくなる
ように、前記吹出口から片方向に吹き出すことを特徴と
する薬剤散布自動車である。
【0006】これにより、空気の進行方向が少なくとも
2枚の曲板により曲げられてから、更に直進させること
で、混合気の直進性が実現できる。また、片方向に吹出
口を設け、車体長手方向と直交する方向に混合気を縦長
に吹出させることで、混合気の到達距離は倍以上に長く
なる。例えば、従来は薬剤の到達距離が果樹1、2本が
限界だったのが4本以上の到達距離とすることができ
る。そして、上部混合気の勢いが強く下部混合気の勢い
が弱いので、上部混合気が下部混合気のエアーカーテン
になるし上部混合気の到達距離が長いので、下部混合気
が上方へ逃げないし、上部混合気が強く上部混合気を下
方へ巻き込むことができる。この混合気の巻き込みによ
り果樹等の内部に薬剤を浸透させて付着させることがで
きる。また、限られた栽培面積で収穫量を確保して採算
を合わせる必要のある蜜柑等の果樹園の場合にも適用で
きるので、余分な通路が不要になるとともに、作付け面
積の増加による収穫量の増大を見込むことができる。さ
らに、混合気を、その吹出角度を可変にしているので、
平坦な地形ばかりではなく、傾斜地に対しても適用が可
能であるし、通路に凹凸があったとしても適用が可能で
ある。さらに吹き出し方向を上方に変更することで、樹
高に自在に対応することができる。前記車体長手方向は
車体の直進方向が好ましい。前記車体横方向は前記車体
長手方向と直交する方向が好ましい。前記の吹出口は車
体長手方向と直交する方向の左又は右の片側に設けられ
ることが好ましい。上部混合気と下部の混合気の流量は
固定されていてもよいが、流量変更装置を設けることが
好ましい。
【0007】請求項2記載の発明は、後部に設けた送風
機と、薬剤を収容するタンクと、該タンクからの薬剤を
噴射する複数のノズルと、該送風機からの空気を吹き出
す薬剤吹出装置と、を備え、前記送風機を前記薬剤吹出
装置の下部後方に設え、前記薬剤吹出装置は、その長手
方向が車体長手方向の直交する方向になるとともに風洞
を有する縦長形の扁平なケースを備え、該ケースの一側
端面に空気を吹き出す吹出口を開口し、該吹出口と反対
側の上隅部に第1の曲板を備え、前記送風機の上部かつ
前記第1の曲板の下側に空気案内用の第2の曲板を備
え、前記複数のノズルは前記薬剤吹出装置に縦方向に配
置され、前記薬剤吹出装置は、前記送風機から前記車体
長手方向の前方に向かって吹き出す空気の進行方向を前
記ケースにより横方向に変更するとともに前記第1の曲
板及び第2の曲板により空気をカーブ状に誘導して前記
車体長手方向と直交する縦長の空気流れに変更し、車
体横方向に前記空気及び薬剤の混合気を、その吹出角度
を可変にして、上部混合気の風速が下部混合気の風速よ
りも大きくなるように、片方向に吹き出すことを特徴と
する薬剤散布自動車である。これにより、請求項1と同
様の課題を達成できる。
【0008】請求項3記載の発明は、前記複数のノズル
は、前記吹出口の付近に設けられた複数の可動板の、そ
れぞれの上面又は下面に固定され、前記可動板の角度を
一度に変更することにより、前記ノズルの噴射角度を可
変とする請求項2の薬剤散布自動車である。これによ
り、前記課題を好適に解決できるとともに、ノズルの噴
射角度の変更が容易になる。ノズルは上面につけると、
より抵抗を減少させることができる。可動板はモータで
揺動させることが好ましい。
【0009】請求項4記載の発明は、前記第2の曲板の
下部にフラップを設け、該フラップの角度を調整するこ
とにより風量分配を調整できる請求項2又は3の薬剤散
布自動車である。これにより、前記課題を好適に解決で
きるとともに、混合気の風量分配を変更することで、上
側と下側の混合気の到達距離を自在に変更でき、操作の
自由度が高くなる。例えば、上部混合気の到達距離を増
減させることができる。フラップは手動又はモーターで
首振り運動をさせることが好ましい。
【0010】請求項5記載の発明は、薬剤散布自動車の
送風機から前方に向かって吹き出す空気の進行方向を縦
長ケースにより車体横方向に変更するとともに少なくと
も2枚の曲板により空気を少なくとも2つの流れに分け
てカーブ状に誘導して縦長の空気流れに変更し、前記
車体横方向に前記空気及び薬剤の混合気を、その吹出角
度を可変にして、上部混合気の風速が下部混合気の風速
よりも大きくなるように、片方向に吹き出し、更に、前
記薬剤散布自動車の送風機の前方に固定できることを特
徴とする薬剤吹出装置である。この薬剤吹出装置を薬剤
散布自動車に装着することで、請求項1、2と同様の課
題が好適に解決できる。
【0011】請求項6記載の発明は、車体の後部に設け
た送風機から車体長手方向の前方に向かって吹き出す空
気の進行方向を縦長ケースにより車体横方向に変更する
とともに少なくとも2枚の曲板により空気を少なくとも
2つの流れに分けてカーブ状に誘導して縦長の空気
れに変更し、前記車体横方向に前記空気及び薬剤の混合
気を、その吹出角度を可変にして、上部混合気の風速が
下部混合気の風速よりも大きくなるように、吹出口から
片方向に吹き出すことを特徴とする自走式薬剤散布方法
である。これにより、請求項1、2と同様の課題が好適
に解決できる。
【0012】具体例は以下の通りである。薬剤散布自動
車の高さは、果樹の高さで決められるが、2.0m〜
3.3mが好ましい。薬剤散布自動車の薬剤吹出装置の
横幅は、1.0m〜1.6mが好ましい。薬剤散布自動
車の薬剤吹出装置の厚みは、送風機の能力と到達距離と
の関係で、0.15m〜0.25mが好ましい。可動板
の間隔は0.1m〜0.25mが好ましい。薬剤吹出装
置上部の直線部分の横幅は0.7m〜1.3mが好まし
い。薬剤吹出装置の上辺と下辺は平行が好ましいが、平
行を基準としてプラス・マイナス15°以内の角度範囲
で許容される。薬剤散布自動車の地面から底面までは
0.3m〜0.6mが好ましい。可動板の可動範囲は水
平を基準として上下にそれぞれ0°〜45°が好まし
い。複数のノズルは、吹出口の付近に設けられた複数の
可動板につき、それぞれの上面又は下面に1〜3個ずつ
設けることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、薬剤吹出装置1と、薬剤散
布自動車2とについて、図1〜図5を参照して説明す
る。薬剤吹出装置1は、風洞2aを有する縦長形の扁平
なケース3を備え、ケース3の一側端面に空気を吹き出
す吹出口4を開口し、吹出口4と反対側の上隅部に第1
の曲板5を備え、送風機6上部かつ第1の曲板5の下側
に空気案内用の第2の曲板7を備え、この第2の曲板7
の下部にフラップ8を首振り自在に備え、薬剤を噴射す
る複数のノズル9と、ノズル9を支持する可動板10を
備えたものである。薬剤吹出装置1は、送風機6から車
体長手方向Fの前方に向かって吹き出す空気の進行方向
をケース3により水平方向に変更するとともに第1の曲
板5及び第2の曲板7により空気をカーブ状に誘導して
車体長手方向Fと直交する方向Sの縦長の空気流れに変
更し、方向Sに空気及び薬剤の混合気を、その吹出角度
を可変にして、上部混合気Uの風速が下部混合気Lの風
速よりも大きくなるように、吹出口4から片方向に吹き
出すものである。この薬剤吹出装置1は、その長手方向
を薬剤散布自動車2の車体長手方向Fと直交する方向に
設ける(厚み方向を直進方向と一致させる)とともに後
部に装置されるものである。この薬剤散布自動車2は、
前・後部の車輪11を支持したフレーム12の台車枠1
3上に前方から順次、運転席14、薬剤を収容する薬液
タンク15、エンジンルーム16、及び薬剤吹出装置
1、最後部に設けられ薬剤吹出装置2の下部後方に設え
た送風機6と、を搭載したものである。以下、薬剤吹出
装置1の各部を詳細に説明する。薬剤吹出装置1以外の
薬剤散布自動車の構造及び作用については、周知であ
り、従来の一般的な技術に従うので、簡単に説明し、詳
細な説明は略す。
【0014】薬剤散布自動車2の高さH0は、果樹の高
さで決められるが、2.0m〜3.3mが好ましい。薬
剤散布自動車2の地面から底面までは0.3m〜0.6
mが好ましい。運転席14は、図示せぬ送風機、座席、
操作レバー、その他の部材から構成される。薬液タンク
15は果樹木等に散布する薬液を貯留するものである。
エンジンルーム16内にはエンジンと、エンジンに連結
される分配ケース等が配置される。分配ケースから軸又
はベルト等の伝達機構を介して運転席前部の変速機に接
続され、変速機がポンプと連結されている。送風機6の
主軸は別系統でエンジンと接続され、送風機を回転させ
る。運転席14に、角度調整用伝達機構を介して可動板
10の角度を操作する操作レバー、駆動量調整用伝達機
構を介してポンプの駆動量を操作する操作レバー、風量
調整用伝達機構を介して送風機の風量を調整する操作レ
バー等が設けられている。これは一例であって種々の構
造が採用可能である。
【0015】次に薬剤吹出装置1の各部を詳細に説明す
る。図4、図5に示す通り、ケース3は正面視で概ね四
角形、側面視で縦長の四角形であって、平面視で横長の
四角形であり、背面視で車体長手方向Fの前方に向かっ
て右側の上隅部に第1の曲板5を備え、内部は風洞であ
る。ケース3の高さH1は、1.4m〜3.0mが好ま
しい。ケース3の横幅W1は、1.0m〜1.6mが好
ましい。ケース3の厚みD1は、送風機6の能力と到達
距離との関係で、0.15m〜0.25mが好ましい。
ケース3の上辺と下辺は平行が好ましいが、平行を基準
としてプラス・マイナス15°以内の角度範囲で許容さ
れる。ケース3は2つの上部ケース3a及び下部3bに
分割され、緊締金具で着脱自在に連結されている。上部
ケース3aは上部ケース3bの上部に連結されている。
下部ケース3bは、フレーム12の後部に固定され、す
ぐ後方に配置された送風機6の吹出口を覆うように固定
されている。ケース3の横幅は薬剤散布自動車2の横幅
と概ね同様であることが好ましい。ケース3は斜めの支
持棒3cでフレーム12の上面と連結されている。
【0016】車体長手方向Fの前方に向かって左側端面
に吹出口4が開口し、その他の面は送風機6の吹出領域
を除き閉じている。送風機6からの空気はケース3の風
洞2を介して吹出口4から吹出すこととなる。なお、吹
出口4は方向Sの右片側に設け、左側を閉じてもよい。
【0017】前記した第1の曲板5の横幅は、横幅W1
の概ね20%〜50%、好ましくは20%〜30%の範
囲で存在し、その左側には直進板5aが接続されてい
る。直進板5aの横幅W2は0.7m〜1.3mが好ま
しい。
【0018】送風機6はケース3の後方領域に配置さ
れ、その送風口がケース3の後方板の下方中央部に接続
されている。送風機6は操作レバー(図示略)によって
風量を可変とすることができる。送風機6の羽根の数は
図示に限らず適宜数でよい。
【0019】第2の曲板7は、上方に延び出してから最
終的に進行方向を90度変更するように、面がカーブ状
に曲げられてから水平方向に延び出したものである。こ
の第2の曲板7は、ケース3と隙間が無いように固定さ
れていることが好ましい。第2の曲板7は、概ね送風機
6の中心縦線の上方に位置し、概ね風量を2分割する位
置にある(図4参照)。
【0020】フラップ8は第2の曲板7の下端に設けら
れ、フラップ8の角度を調整することにより上部混合気
Uと下部混合気Lの風量分配の変更により到達距離を調
整するものである。上部混合気Uと下部混合気Lの到達
距離を自在に変更でき、散布状態の調整の自由度が高く
なる。上部混合気Uの到達距離を増減させることができ
る。例えば、上部混合気Uと下部混合気Lとの風速に差
があり過ぎると、下部混合気Lによる散布量が少なくな
るおそれがある。フラップ8は手動又はモータで首振り
運動をさせることが好ましい。フラップ8の長さは横幅
1の10%程度が好ましい。フラップ8の可動範囲は
下方垂直方向を基準として左右に45°以内であること
が好ましい。
【0021】ノズル9はそれぞれの可動板10の上面に
2個ずつ固定されている。各ノズル9はホース9aが接
続され、図示せぬポンプを介して薬液タンク15から薬
剤が供給されるようになっている。各ノズル9は可動板
10の上面に固定具9b(図3参照)で固定されてい
る。可動板10は逆U字形である。可動板10はケース
3の上下方向に所定間隔又は適宜間隔で複数枚が配列さ
れている。上方の可動板10は連結板10aで連結さ
れ、下方の可動板10は連結板10bで連結されてい
る。可動板10はケース3の吹出口4から奥へ向かって
所定奥行きで延び出している。可動板10は送風機6の
羽根までは到達しない長さになっている。可動板10は
ケース3の側板に揺動可能に連結されている。リンク部
材10cが上下の各1枚の可動板10と連結されてい
る。これにより、連結板10a,10b及びリンク部材
10cの連動により、可動板10の角度を一斉に変更す
ることにより、ノズル9の噴射角度を可変とするもので
ある。連結板10aにより連結される上部の可動板10
と、連結板10bにより連結される下部の可動板10と
を、その角度を独立に変更する構造にしてもよい。可動
板10同士の上下の間隔は0.1m〜0.25mが好ま
しい。可動板10の可動範囲は水平を基準として上下に
それぞれ0°〜45°が好ましい。ノズル9は可動板1
0の上面に設けてあるので、流体抵抗を減少させること
ができる。可動板10はモータで揺動させることが好ま
しい。ノズル9は可動板10の両端部に設けることが好
ましい。
【0022】次に薬剤吹出装置1及び薬剤散布自動車2
の動作を説明する。薬剤散布自動車2のエンジンを作動
させて発進させ、運転席4の操作レバーを操作して、送
風機6から前方に空気を吹き出させると、空気はケース
3の外殻に沿って上方及び左方向に流れる。図4に示す
通り、送風機6からの右側の空気は第1の曲板5と第2
の曲板7との間の空洞2aの領域を通過しながら第1の
曲板5及び第2の曲板7によって進行方向を90度変更
された後、吹出口4の上方のノズル9からの薬剤と混合
して吹出して上部混合気Uとなる。送風機6からの左側
の空気はケース3の底板と第2の曲板7との間の空洞2
aの領域を通過しながら第2の曲板7によって進行方向
を90度変更された後、吹出口4の下方のノズル9から
霧状に噴出する薬剤と混合して吹出して下部混合気Lと
なる。縦長の吹出口4からの混合気であるので、混合気
Uの最大到達距離は概ね3.0m〜14.4mである。
運転席14の操作レバーを操作して、連結部材10aを
上下に適宜駆動することで、可動板10の角度を変更で
きる。運転席14の操作レバーを操作して、フラップ8
を首振り運動させることができるが、手動調整でもよ
い。片側からの散布が終了したら、反対側からも散布を
行うことが好ましい。薬剤散布自動車2の周回経路は図
7に例示される。
【0023】以上のように本実施形態によれば、送風機
6からの空気の進行方向がケース3と2枚の曲板5,7
により曲げられてから、更に横方向に直進させること
で、混合気の直進性が実現できる。図4に示す通り、ケ
ース3の片方向に吹出口4を設け、車体長手方向Fと直
交する方向Sに混合気を縦長に吹出させることで、混合
気の到達距離は倍以上に長くなる。例えば、従来は薬剤
の到達距離が果樹1、2本が限界だったのが4本以上の
到達距離とすることができる。図6の通り、上部混合気
Uの勢いが強く下部混合気Lの勢いが弱いので、上部混
合気Uが下部混合気のエアーカーテンになるし上部混合
気Uの風速が大きくすることができるので、下部混合気
Lが上方へ逃げないし、上部混合気Uが強く上部混合気
Lを下方へ巻き込むことができる。この混合気の巻き込
みにより果樹等の内部に薬剤を浸透させて付着させるこ
とができる。図6において、W3は樹木の間隔(3.6
m)、W4は1つの樹木群全体の横幅(3.0m〜1
4.4m)、W5は通路の横幅(1.6m〜2.0
m)、H0は薬剤散布自動車1の高さ(2.5m)、H2
は樹木の高さ(2.8m)、をそれぞれ示す。尚、数値
は例示である。図7に示す通り、限られた栽培面積で収
穫量を確保して採算を合わせる必要のある蜜柑等の果樹
園の場合にも適用できるので(長さ50m、幅14.4
m、通路1.6m)、通路の数を削減できるとともに、
作付け面積の増加による収穫量の増大を見込むことがで
きる。さらに、混合気を、その吹出角度を可変にしてい
るので、平坦な地形ばかりではなく、傾斜地に対しても
適用が可能であるし、通路に凹凸があったとしても適用
が可能である。以上説明したように、本実施形態の産業
上の利用価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の薬剤散布自動車の背面から見た
斜視図である。
【図2】 該薬剤散布自動車の斜め正面から見た斜視図
である。
【図3】 可動板とノズルの斜視図である。
【図4】 薬剤散布自動車の薬剤吹出装置の内部構造を
示す背面図である。
【図5】 薬剤散布自動車の薬剤吹出装置の正面図であ
る。
【図6】 本実施形態の薬剤散布自動車の作業状況を示
す説明図である。
【図7】 蜜柑の果樹園の平面図である。
【図8】 (a)は従来の薬剤散布自動車による散布状
況を示す平面説明図、(b)は同背面図である。
【符号の説明】
1…薬剤吹出装置、1…薬剤散布自動車、2a…風洞、
3…ケース、4…吹出口 5…第1の曲板、6…送風機、7…第2の曲板、8…フ
ラップ、9…ノズル、10…可動板 F…車体長手方向、S…方向、U…混合気 L…混合気、11…車輪、12…フレーム 13…台車枠、14…運転席、15…薬液タンク 16…エンジンルーム

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の後部に設けた送風機から車体長手
    方向の前方に向かって吹き出す空気の進行方向を車体横
    方向に配置された縦長ケースにより車体横方向に変更す
    るとともに少なくとも2枚の曲板により空気を少なくと
    も2つの流れに分けてカーブ状に誘導して、縦長の空気
    流れに変更し、前記車体横方向に前記空気及び薬剤の
    混合気を、その吹出角度を可変にして、上部混合気の風
    速が下部混合気の風速よりも大きくなるように、前記吹
    出口から片方向に吹き出すことを特徴とする薬剤散布自
    動車。
  2. 【請求項2】 後部に設けた送風機と、 薬剤を収容するタンクと、 該タンクからの薬剤を噴射する複数のノズルと、 該送風機からの空気を吹き出す薬剤吹出装置と、を備
    え、 前記送風機を前記薬剤吹出装置の下部後方に設え、 前記薬剤吹出装置は、その長手方向が車体長手方向の直
    交する方向になるとともに風洞を有する縦長形の扁平な
    ケースを備え、該ケースの一側端面に空気を吹き出す吹
    出口を開口し、該吹出口と反対側の上隅部に第1の曲板
    を備え、前記送風機の上部、かつ前記第1の曲板の下側
    に空気案内用の第2の曲板を備え、 前記複数のノズルは前記薬剤吹出装置に縦方向に配置さ
    れ、 前記薬剤吹出装置は、前記送風機から前記車体長手方向
    の前方に向かって吹き出す空気の進行方向を前記ケース
    により横方向に変更するとともに前記第1の曲板及び第
    2の曲板により空気をカーブ状に誘導して前記車体長手
    方向と直交する縦長の空気流れに変更し、車体横方向
    前記空気及び薬剤の混合気を、その吹出角度を可変に
    して、上部混合気の風速が下部混合気の風速よりも大き
    くなるように、片方向に吹き出すことを特徴とする薬剤
    散布自動車。
  3. 【請求項3】 前記複数のノズルは、前記吹出口の付近
    に設けられた複数の可動板の、それぞれの上面又は下面
    に固定され、前記可動板の角度を一度に変更することに
    より、前記ノズルの噴射角度を可変とする請求項2の薬
    剤散布自動車。
  4. 【請求項4】 前記第2の曲板の下部にフラップを設
    け、該フラップの角度を調整することにより風量分配を
    調整できる請求項2又は3の薬剤散布自動車。
  5. 【請求項5】 薬剤散布自動車の送風機から前方に向か
    って吹き出す空気の進行方向を縦長ケースにより車体横
    方向に変更するとともに少なくとも2枚の曲板により空
    気を少なくとも2つの流れに分けてカーブ状に誘導して
    縦長の空気流れに変更し、前記車体横方向に前記空気
    及び薬剤の混合気を、その吹出角度を可変にして、上部
    混合気の風速が下部混合気の風速よりも大きくなるよう
    に、片方向に吹き出し、更に、前記薬剤散布自動車の送
    風機の前方に固定できることを特徴とする薬剤吹出装
    置。
  6. 【請求項6】 車体の後部に設けた送風機から車体長手
    方向の前方に向かって吹き出す空気の進行方向を縦長ケ
    ースにより車体横方向に変更するとともに少なくとも2
    枚の曲板により空気を少なくとも2つの流れに分けてカ
    ーブ状に誘導して縦長の空気流れに変更し、前記車体
    横方向に前記空気及び薬剤の混合気を、その吹出角度を
    可変にして、上部混合気の風速が下部混合気の風速より
    も大きくなるように、前記吹出口から片方向に吹き出
    とを特徴とする自走式薬剤散布方法。
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