JP3317757B2 - 加塩乾燥卵白組成物およびその製造法 - Google Patents
加塩乾燥卵白組成物およびその製造法Info
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Description
品、食肉加工食品、めん類等の製造にあたり有用な食品
素材であり、また流動性・水分散性に優れ、かつ保存安
定性にも優れ、さらに使用にあたり脱糖処理が不要な加
塩乾燥卵白組成物およびその製造法に関する。
品に特徴を付与する食品素材として広く使用されてい
る。その使用形態としては、生卵白、凍結卵白あるいは
乾燥卵白粉末等が用いられてきた。
卵白のうち、生卵白は保存性および輸送性に難点があ
り、鶏卵から各種加工食品まで一貫生産できる場合を除
き、工業的利用には適していなかった。また凍結卵白は
保存性に関しては改善されるが、特殊な製造設備あるい
は輸送設備を要するのに加え、凍結・解凍に時間とエネ
ルギーを要し、工業的利用には依然として問題が残され
ていた。これらの問題点の改善を図るため、乾燥卵白粉
末が広く用いられている。しかし乾燥卵白粉末は流動性
に難点があり、食品素材として使用するにあたり他原料
との粉末混合が困難であり、また水分散性も劣るため、
水に溶解して他原料と混合する際にも均一となるまでに
時間がかかり、工業原料として満足できるものではなか
った。さらに乾燥卵白粉末は、長期保存中に品質劣化が
生じ、卵白の食品素材としての重要な特性である、加熱
凝固性が失われるなどの問題もあった。さらに従来の卵
白では、食品素材として使用するにあたり脱糖処理を行
わないと、時間の経過と共に製品の色調が褐変する問題
点もあった。
に優れ、かつ保存安定性にも優れ、さらに脱糖処理を必
要としない新規な卵白が望まれていた。
燥卵白が有する上記問題点の解決を目指し、鋭意研究を
重ねてきた。その結果、卵白に食塩を添加した後乾燥す
るか、または卵白を水に溶解し食塩を添加した後乾燥し
て得られる食塩濃度が5〜50重量%である加塩乾燥卵
白組成物が、上記目的を達成できることを見出し本発明
を完成した。すなわち本発明は、流動性・水分散性に優
れ、かつ保存安定性にも優れ、さらに脱糖処理を必要と
しない新規な加塩乾燥卵白組成物およびその製造法を提
供するものである。
は、卵白に食塩を添加した後噴霧乾燥するか、または卵
白を水に溶解し食塩を添加した後噴霧乾燥して得ること
ができる。ここで、本発明に用いる卵白は限定されず生
卵白、凍結卵白あるいは乾燥卵白粉末等、いずれでも利
用できる。また、食塩の添加濃度は、5〜50重量%で
あり、好ましくは10〜40重量%であり、さらに好ま
しくは10〜30重量%である。乾燥方法は、工業的に
は噴霧乾燥が操作性、処理能力の点において優れてい
る。噴霧乾燥する際には、通常の条件下において製造す
ることができる。
を含有するため、従来の生卵白、凍結卵白あるいは乾燥
卵白粉末等のように、菓子、ケーキ等の加工食品にはあ
まり適さない。しかし一方では、添加する食塩濃度を調
整することができる食品、例えば各種惣菜、水産練製
品、食肉加工食品、めん類等の製造にあたっては、本発
明加塩乾燥卵白は充分に使用に耐える適したものであ
る。
め、以下に比較例および製造例を掲げるが、本発明にか
かる加塩乾燥卵白組成物の製造法は、これらの製造例に
限定されない。
し、この水溶液をディスク型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾
燥し(入口温度;145℃、出口温度;95℃)、比較
対照とする食塩無添加の乾燥卵白を得た。(水分含有
量;5.3%)
し、ここに食塩を0.5重量%となるように加えて溶解
した。この水溶液を製造例1と同様にして噴霧乾燥し、
加塩乾燥卵白組成物を得た。(水分含有量;5.3重量
%、食塩含有量;4.8重量%)
以下の結果を得た。
に溶解し、ここに食塩50Kgを加えて溶解した。この
水溶液のpHを7.2に調整した後、製造例1と同様にし
て噴霧乾燥し、加塩乾燥卵白組成物140kgを得た。
(食塩含有量;33.3重量%)
なるように食塩を加え溶解した。この溶液を製造例1と
同様にして噴霧乾燥し、加塩乾燥卵白組成物140gを
得た。(食塩含有量;33.5重量%)
水に溶解した。この水溶液100lに対し、食塩を4重
量%となるように加え溶解した。この水溶液を製造例1
と同様にして噴霧乾燥し、加塩乾燥卵白組成物19Kg
を得た。食塩含有量;21.0重量%)
食塩1Kgを加え溶解した。この水溶液を製造例1と同
様にして噴霧乾燥し、加塩乾燥卵白組成物8.1Kgを
得た。(食塩含有量;13.5重量%)
が有する、優れた流動性・水分散性を示すため、発明の
効果として実験例を掲げる。
せ、できた山の裾と水平面との角度(安息角)を小西式
安息角測定器で測定した。(安息角値が小さいほど流動
性が高い。)
ク攪拌子を入れ、ゆっくりした一定速度で攪拌した。こ
こに、食塩量を補正して純卵白量として2gの試料を静
かに加え、完全に溶解するまでに要した時間を測定し
た。(溶解時間が短いほど水分散性が高い。)
塩を含有する本発明にかかる加塩乾燥卵白組成物は、食
塩を添加しなかった対照品と比較して、流動性と水分散
性が改善されており、食品素材として優れた特長を有す
る。特に食塩含有量が10重量%以上のものが、より優
れている。
の食品素材としての有用性を示すため、以下に実施例を
掲げるが、本発明組成物の用途がこれらに限定されない
ことは言うまでもない。
解凍し、石うすで約10分間塩ずりした。塩ずり後、す
り身に対し、製造例10で得た21.0%食塩含有・加
塩乾燥卵白組成物を粉体のまま1.3重量%添加し、約
20分間擂潰後、折径57mmのポリエチレン製のケー
シングに充填し、85℃で30分間煮沸し、蒲鉾を調製
した。また同様にして、本発明加塩乾燥卵白組成物の代
わりに1%の市販乾燥卵白を用いた、比較対照品も調製
した。擂潰終了時のすり身を肉眼で観察すると、市販乾
燥卵白を用いた比較対照品では、すり身中で乾燥卵白が
ダマ状になっており、均一に分散していないことが観察
された。また加熱後の蒲鉾の食感も悪かった。一方、本
発明加塩乾燥卵白組成物を添加した蒲鉾ではダマが認め
られず、加熱後の食感にも何ら影響はなかった。
調味料25g、亜硝酸20g、重合リン酸塩20gを溶
解した後、21.0%食塩含有・加塩乾燥卵白組成物6
3.5gを添加して緩やかに攪拌し、塩漬液を得た。ま
た同様にして、市販乾燥卵白50g(上記加塩乾燥卵白
組成物と卵白量を揃えた。)を用い、比較対照塩漬液を
得た。完全に溶解するまで、加塩乾燥卵白組成物では約
5分間であったが、市販乾燥卵白では約30分間を要し
た。なお、市販乾燥卵白を短時間で溶解させるため、同
じ処方でさらに強く攪拌したところ泡立ちが激しく、1
時間静置してもハムの調製に使用することができなかっ
た。
(1) で得た塩漬液200gを市販塩漬液用インジェクタ
ーで注入した後、塩漬液を分散させるため、市販のマッ
サージ機で18時間タンブリングを行った。その後、ケ
ーシングに充填し、80℃で90分間乾燥、80℃で3
0分間薫蒸、80℃で50分間蒸煮した後冷却し、ハム
を調製した。
Claims (2)
- 【請求項1】卵白を水に溶解し食塩を添加した後噴霧乾
燥することを特徴とする、食塩濃度が5〜50重量%で
ある加塩乾燥卵白組成物の製造法。 - 【請求項2】卵白を水に溶解し食塩を添加した後噴霧乾
燥することを特徴とする、食塩濃度が10〜50重量%
である加塩乾燥卵白組成物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24616893A JP3317757B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 加塩乾燥卵白組成物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24616893A JP3317757B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 加塩乾燥卵白組成物およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0775492A JPH0775492A (ja) | 1995-03-20 |
JP3317757B2 true JP3317757B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=17144527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24616893A Expired - Fee Related JP3317757B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 加塩乾燥卵白組成物およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317757B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-07 JP JP24616893A patent/JP3317757B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0775492A (ja) | 1995-03-20 |
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