JP3317699B2 - 免疫クロマトグラフィ検定およびその使用方法 - Google Patents

免疫クロマトグラフィ検定およびその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
発明の背景 均一なラテックス粒子(「ULP」)は、一般に、小さ
な直径を有する非常に均一な球である。典型的な直径は
約0.1μm足らずから約100μmの範囲である。5μmよ
りも小さな粒子な通常エマルション重合によって準備さ
れる。この方法の結果、非常に均一なサイズ分布を伴う
一連の粒子が生じる。 ULPに対する主要な使用は、医学診断の領域において
であり、そこで粒子はラテックス凝集反応テストに利用
される。より新しく示唆された使用には、たとえば、バ
クテリアの分類および同定のような、微生物学的な応
用、ならびにに抗生物質の血清レベルの測定を含む(た
とえば、Bangs,L.B.,“Uniform Latex particles,"pres
ented at a workshop at the 41st National Meeting,A
merican Association for Clinical Chemistry,1989を
参照、それはSeragen Diagnostics Inc.Indianapolis,I
Nから印刷された形式で利用可能であり、またはGallowa
y,R.J.“Development of microparticle tests and imm
unoassays."1988 by Seradyn,Inc.Indianapolis,INを参
照)。アミドで修飾されたラテックス(「AML」)およ
びカルボキシレートで修飾されたラテックス(「CM
L」)のような、他の変形の粒子は、それらの表面上
に、それぞれ、アミドおよびカルボン酸基を有する。こ
れらの官能基は改良凝集反応テストのためのULPの表面
に抗原または抗体の共有結合を許容する。 ULPの最大の使用は、ラテックス凝集反応テストにお
いてとりわけ、免疫診断および免疫検定の分野において
であり、そこでそれらは血液、血清、尿、または脳脊液
における、抗原または抗体のごく微少量の存在または濃
度を検定するのに使用される。本質的に、ULPは抗原/
抗体複合体形成を拡大するかまたは視覚化するのに使用
され、それらはこの反応を定量化するのにもまた使用さ
れ得る。 たとえば、もし特定の抗体(「Ab」)を測定しようと
試みるなら、特有の抗原(「Ag」)がラテックス粒子の
上に塗りつけられる。Abは二価であるので、それは2つ
の隣接した粒子上の同一の部位に結合し、それらをとも
に連結し得る。このように、もし個々の試料に存在のAb
がAgで被覆された粒子と混合されるならば、それは粒子
の凝集反応または凝結反応を引き起こすだろう。これら
の凝集物は一般に肉眼で識別可能である。この現象は、
本質的に、ラテックス凝集反応テスト(「LAT」)に対
する原理である。 LATに伴う1つの主な問題は、被覆された粒子が自然
に凝集する傾向があるという事実である。これは、主
に、ラテックス懸濁液が疎水性粒子のコロイド状懸濁液
であるという事実のためである。懸濁液の安定性は表面
活性電荷に依存しており、少量のタンパク質の添加(約
10μg/ラテックスmg)は凝集を引き起こし得、一方多量
のタンパク質の持続的添加は粒子安定性を増加する傾向
がある。 このタイプの凝集反応は、また公開されたPCT出願番
号第WO88/08534号において開示される検定のような、着
色されたまたは可視的な粒子を使用するクロマトグラフ
ィ検定における一課題である。この検定において、試料
は吸着材料の基材に塗布され、分析物は、抗体または抗
原を有している可動性の着色されたラテックス粒子に結
合する。試料がクロマトグラフィにおいて吸着材料を横
断すると、分析物が結合する粒子は、それら自体、固定
化された免疫試薬によって結合される。 この問題および非特異凝集反応の関連した問題にとり
くむ様々な方法が、リンカおよびスペーサの使用を含ん
で、示唆されてきた。示唆されたスペーサのいくつか
は、たとえば、プロテインA、ジアミノアルカン、裸の
抗体、およびストレプトアビジン−ビオチンスペーサを
含む。ヘテロ二官能基のリンカ、ハロゲン置換されたカ
ルボン酸、ウシ血清アルブミン、界面活性剤、およびF
(ab)断片の使用がまた示唆されてきた。しかしなが
ら、これらの示唆のほとんどは完全には満足なものに改
良されていない。というのも、それらは検定を妨げる傾
向にあり、多くが凝集反応を阻止するという態様で検定
を妨げるからである。もちろん、このことはLATにとっ
て全く受け入れられない。 それゆえ、他の検定における凝集の問題を避け、改良
された精度およびより高い分解能の目標に近づき、その
簡単さにおいても優れている、種々の適用性を伴う免疫
検定手法への要求に対し、本発明をここに開示する。 発明の概要 この発明の一局面に従って、抗体と抗原の相互作用を
含む免疫検定法において、そこで検定に使用される試薬
の1つは、抗体または抗原が結合される第1の移動可能
なポリマー粒子を含み、改良点は、タンパク質が結合さ
れる第2の移動可能なポリマー粒子と混合状態で、第1
の粒子を与えることを含み、そこにおいて、該タンパク
質は、抗体−抗原相互作用に関与しないものである。一
具体例において、本発明は支持層の一部分に混合物を適
用することをさらに含む。もう1つの変形例において、
1つまたはそれ以上の規定された領域を有する支持層の
第1の規定された領域に、混合物を固定化する。 好ましい一具体例において、免疫検定法は、支持層の
第2の規定された領域上に抗−ウサギ免疫グロブリンG
(IgG)を固定化することをさらに含む。もう1つの変
形において、第2の移動可能な粒子に結合したタンパク
質はBSAである。他の一具体例において、移動可能な粒
子は直径が約0.1μmから約0.8μmである。好ましい一
具体例において、移動可能な粒子は着色される。さらに
もう1つの具体例は、混合物に、界面活性剤とともに、
非特異的結合を妨げるための薬剤を添加する。 この発明のもう1つの局面において、特にリガンド結
合粒子がBSA結合粒子と混合されるとき、免疫検定法に
おいて、偽陽性および/または偽陰性の反応を減少させ
るかまたは排除する方法を開示する。 好ましい一具体例において、移動可能なポリマー粒子
は、リガンドが結合される粒子、およびリガンドが結合
されない粒子の混合物を含む。さらにもう1つの具体例
に従って、リガンドが結合されない粒子は、BSAのよう
な、検定に使用されるリガンド−抗リガンド結合に関与
しないタンパク質で覆われる。さらにもう1つの具体例
において、ポリマー粒子はラテックスまたはポリスチレ
ンビーズを含む。 上述の具体例のあるものはまた、一キットに包括され
てもよい。このようなキットはさらに、非特異的結合を
妨げるための試薬、バイアル、試薬、および使用のため
の説明書を含み、このようなキットはさらにフィルタ装
置を含んでもよい。 本発明はまた、ポリマー粒子がそこに与えられる、検
定を実施するための支持層を含み、そこではいくつかの
粒子は抗体または抗原で標識され、かつ凝集を減じる有
効量の粒子はその抗原または抗体で標識されない。 もちろん、本発明は、検定を実施する方法、凝集を妨
げるための方法、およびこのような検定に使用される特
定の独特の試薬(または試薬混合物)、さらにそれらの
材料を含む装置またはキットを含む。 図面の簡単な説明
【図1】ストレプ(Strep)Aテスト、テスト実行No.1
での抗体−ラテックス/BSA−ラテックス混合物の使用の
結果を図示する。
【図2】ストレプ(Strep)Aテスト、テスト実行No.2
での抗体−ラテックス/BSA−ラテックス混合物の使用の
結果を図示する。
【図3】潜血反応(Occult Blood Test)で抗体−ラ
テックス/BSA−ラテックス混合物の使用の結果を図示す
る。図において、「1」は第一のサンプルスチックを、
「2」は第二のサンプルスチックを示す また(A)は
Ab−ラテックスのみの検定結果を、(B)はAb−ラテッ
クスとBSA−ラテックスの混合を使用した検定結果を、
(C)はAb−ラテックスとBSA−ラテックスの混合で、
上記(B)に用いたBSA−ラテックス濃度よりも高い濃
度のBSA−ラテックスを使用した検定結果を示す。 詳細な説明 我々は、現在使用中の多くの免疫検定法が、偽陰性お
よび偽陽性の発生のために、精度が低下していることに
気づいていた。我々は、たとえこのような問題が排除さ
れなくとも、かなり減少されるものと確信する。 A.抗体−ラテックス接合体の調製 単純な吸着作用または共有結合のいずれかを介する、
タンパク質−ラテックス接合体の基本的な製法は、免疫
検定の分解能および読みやすさを増大する着色されたラ
テックス粒子の使用と同様に、当該技術において周知で
ある。様々な手法が、一般に、Bongs,L.B.,“Uniform L
atex particles,"presented at a workshop at the 41s
t National Meeting,Amer.Assoc.Clin.Chem.,1989にお
いて、これはSeragen Diagnostics Ins.,Indianapolis,
INから印刷されたものとして入手可能であり、あるいは
Galloway,R.J.,“Development of microparticle tests
and immunlassays."1988 by Seradyn,Inc.,Indianapol
is,INにおいて記述される。これらの論文およびここで
参照された参考文献はここで引用により援用される。 被覆されたULPを準備する一方法は、吸着法である。
通常の条件では、1)純粋な試薬を利用し、2)被覆に
先立って粒子を洗浄し、かつ3)ULPとリガンド化学作
用の定量的な表面被覆を決定すべきである。たとえば、
抗体−ラテックス接合体(「Ab−ラテックス」)は、以
下の方法に従って準備されてもよく、最も簡単な場合で
は、固有のリガンドが緩衝溶液に溶解され、ラテックス
懸濁液に添加され、数分から24時間以上の範囲の時間で
攪拌される。平衡後、ラテックスは遠心分離され、吸着
されないリガンドを含む上澄みが除去される。ラテック
スは新たな緩衝溶液に再懸濁され、さらに遠心分離さ
れ、上澄みが再び除去される。これらのステップは、未
吸着のリガンドがない状態にラテックスが洗浄されたと
判断されるまで繰返す。この際には、ラテックス被覆の
過程は完全であってもよくかつラテックスはLATに使用
のために準備されてもよい。 共有結合は、ラテックス粒子表面へのリガンドまたは
他の物質の永久的な結合または共有結合を含む。共有結
合の方法を選択する場合、第一にリガンドをULPに結合
させ、その後ラテックス粒子懸濁液の安定性を維持し、
それに引続きタンパク質が変性するのを防ぐ必要があ
る。(共有結合法の一般的な議論、およびさらに詳細な
文献の引用について、Bangs,L.B.“Uniform Latex Part
icles,"を参照し、それはここで引用により援用され
る。) 前述の説明はラテックス粒子に関するものであるが、
ポリスチレン粒子のような他のポリマー粒子、および金
ゾル粒子のような金属粒子も使用されてもよい。これら
の粒子およびその調製法はよく知られている。 B.BSA−ラテックス接合体の準備 ウシ血清アルブミン−ラテックス接合体(「BSA−ラ
テックス」)の調製は、抗体を調製に使用せず、その代
わりにBSAを使用することを除いて、上述したAb−ラテ
ックスの調製と同様である。(ラクトアルブミンを含
む)他のアルブミン、カゼイン、グロブリン、(抗原抗
体反応に関与しない)免疫グロブリン等の、非特異的結
合を妨げ得るような他の蛋白質が、BSAの代わりに使用
されてもよい。 C.Ab−ラテックスおよびBSA−ラテックスの混合物 Ab−ラテックスおよびBSA−ラテックスは、実施され
るべきテストによって決まる種々の割合で一緒に混ぜら
れる。たとえば、以下の例において設定されるような使
用に対する混合物の調製では、AB−ラテックスおよびBS
A−ラテックスは体積比約1:1の割合で混合され、潜血反
応(例II参照)での使用に対しては、体積比約1:3の割
合で混合される。ストレプAテスト(例I)では、割合
はAB−ラテックス:BSA−ラテックスが約1:2であった。
もちろん、この割合は、非特異的結合を大きく減少させ
るようなより多量のタンパク質で標識されたラテックス
を用いて実質的に変更することが可能である。抗体を保
持しないラテックス(または他の粒子)の量は、非特異
的結合または偽陽性をかなり減ずるのに効果のある量と
することができる。このような量は簡単な経験的方法に
よって容易に決定される。 D.一ステップ検定法 発明の一具体例において利用される検定反応ユニット
は、約8μのサイズの孔を有するニトロセルロース膜の
小片を有する。なお、より大きなまたはより小さな(す
なわち、好ましくは約3μから約12μの範囲の)孔径が
利用されてもよい。小片はプラスチックケース内に収め
られる。孔のサイズと粒子のサイズの関係に注意するこ
とは重要であり、使用される粒子の直径は膜の孔のサイ
ズよりもさらに小さくすべきであり、その結果、粒子は
膜を通過して移動できる。 Ab−ラテックスまたはAb−ラテックス/BSA−ラテック
ス混合物(「Ab/BSA」)各々約5μlが、移動可能な態
様で膜に塗布され、さらに特異的なAb(陽性シグナル)
およびヤギ抗−ウサギIgG(陰性シグナル)が、分離領
域において、テストに先立って膜上に固定化された。
(ヤギ抗−ウサギIgGは、たとえば、Pel−Freez、Roger
s、ARのような、多くの販売元から手に入れることが可
能である。)なお、これらの領域は、隣接しているかま
たは重なっていてもよい。 検定法の実施において、試料が膜に塗布され、毛細管
作用で膜に沿って泳動される。泳動する試料は膜に沿っ
てラテックス混合物を運搬し、試料中の分析物は抗体で
標識されたラテックスに結合する。分析物に結合したラ
テックスは、「陽性シグナル」Abに固定化されるように
なり、ウサギAbのみに結合させられたラテックスは、
「陰性シグナル」Abに固定化される。標識されたラテッ
クスが着色されるとき、可視的なシグナルが陽性および
陰性領域に作り出される。 本発明は、その好ましい具体例を示す以下の例によっ
てさらに良く理解され得る。しかし、それらは本発明の
範囲を限定するものとして解釈されるものではない。 例I ストレプAテスト 本発明者は、亜硝酸抽出法(Manual of Clinical Mic
robiology,4th Ed.,American Society for Microbiolog
y)によってグループA連鎖球菌の炭水化物抗原(スト
レプA抗原)を調製した。ストレプA抗原溶液(0.25m
l)は、それに結合したリガンドまたは抗リガンドを伴
う、1つまたはそれ以上の規定された領域を有する支持
層または膜を最小限に含む、免疫検定装置の試料適用部
位に移される。そこで試料は規定された領域の外側の部
分における支持層上に位置づけられ、次いで、液体溶液
が支持層に供給され、それによって試料は、規定された
領域を横切って拡散させられ、試料中の物質は、そこに
結合させられる。少なくとも規定された領域の1つは、
リガンドを結合させたコロイド状粒子を有し、該リガン
ドおよび試料中の分析物はともに、第1の規定された領
域で結合された抗リガンドと相補的である。(免疫検定
装置はまたしばしばプラスチックケースで膜を取り囲む
か支持する。) 2つの同じテストが平行して行なわれた。1つのテス
トは3分間で終了し、他方は10分間で終了した。 Ab−ラテックスを単独で使用し(図1A参照)、テスト
につき2.5×108から2.5×109の間のストレプA細胞に相
当する抗原濃度では、Ab−ラテックスは凝集反応を引き
起こした。結果として、ほんのごく少量のラテックスが
ニトロセルロース膜を横切って移動し、陽性シグナルを
3および10分間でごく僅かに引き起こした。一方、Ab/B
SA混合物が使用されたとき(図1.B.参照)、Ab−ラテッ
クスで凝集反応を引き起こしたのと同数のテストあたり
のストレプA細胞は、Ab/BSA混合物においては、同じよ
うな凝集反応を引き起こさなかった。これは、Ab/BSAが
使用されたときには、膜に沿ってより多くのラテックス
の移動が見られた事実により裏付けられた。Ab−ラテッ
クス単独と比較したとき、このようにより大きな体積の
ラテックスの移動とともに、3および10分間でシグナル
強度が増加した。一方、より低い濃度のストレプA細胞
(5×104細胞/テスト)では、Ab−ラテックスおよびA
b/BSA混合物はともにラテックス移動量およびシグナル
強度に関して類似の結果を示した。 Ab−ラテックスと単なるラテックスの混合物を使用し
た(図2.A.参照)、2.5×109ストレプA細胞/テストで
は、いくつかのラテックスが凝集反応を引き起こし、陽
性シグナルは見えず、Ab/BSA(図2.B.)と比較したと
き、バックグラウンドは暗くかつ明瞭ではなかった。2.
5×108細胞またはそれより少ない細胞/テスト(図2.
B.)では、Ab/BSA混合物は、Ab−ラテックスと単なるラ
テックスの混合物(図2.A.)を使用するテスト比較した
とき、より明瞭なバックグラウンドを示した。なお、Ab
−ラテックスと単なるラテックスの混合物は、Ab−ラテ
ックス単独よりも良いラテックス移動を示した(図1.A.
および図2.A.)。 例II 潜血反応 (係属中の米国特許出願連続番号第409,003号におい
て開示されるような)潜血反応キットからの2つの試料
スティック(sticks)に、糞便試料が塗られ、該スティ
ックは、pH8.0の50mMトリス緩衝溶液中0.1%トリトンを
含む350μlの抽出溶液が入った抽出カップに挿入され
る。(トリスおよびトリトンは、Sigma Co.,St.Louis,M
o.から購入した。)抽出溶液中での10秒間の急速な運動
後、試料スティックは排除され、抽出混合物は例Iにお
いて記述されたような、免疫検定装置の試料適用部位に
移された。検定はプラスティックケースから薄膜を取り
除くことによって10分後に終結した。 我々の観察ではストレプAテストで示されたものと同
様であった。人間のヘモグロビンの存在下(126ng−600
ng/テスト)で、Ab−ラテックスは非常に急速に凝集す
る傾向があり、不均一なラテックスの移動(シグナル窓
上に現われた「条斑」、図3参照)を与えることが判明
した。この急速な凝集反応のせいで、僅かなラテックス
しかシグナル窓を横切って移動することができず、シグ
ナルは幾分歪められ、「未完成のまま」現われた。BSA
−ラテックスの添加に伴って、ラテックスのより均一な
移動が観察された。Ab/BSA混合物の使用の結果は、より
明瞭なバックグラウンドであり、Ab−ラテックス単独の
みで得られたものに等しいかまたはより良い感度であっ
た。Ab−ラテックスとBSA−ラテックスの混合物が1:1の
割合のものに対して、1:2または1:3のものと比較すれ
ば、BSA−ラテックス濃度がより高くなればなるほど、
バックグラウンドはより良く、シグナル窓を横切るラテ
ックスの移動はより速くなる(図3)。 これらの結果は、Ab−ラテックス単独の代わりに、Ab−
ラテックスとBSA−ラテックスの混合物の使用は、テス
トの感度を低下することなしに、テストの性能を改善し
たことを示唆している。本発明者は、Ab/BSA混合物にお
いてBSA−ラテックスが「スペーサ」として機能するこ
とが、このようなテスト抗原の存在下でのAb−ラテック
スの即時の凝集反応を妨げるものと考えた。本発明者は
さらに、Ab/BSA混合物の使用はさらに、非特異的結合お
よび偽陽性反応を排除する傾向があることに注目した。 例III HCG−尿テスト 本発明者は、Ab/BSA混合物の使用がHCG尿の一ステッ
プテストにおいて偽陽性の発生を減少させるかまたは排
除することに注目した。テストの実施に先立って、Ab−
ラテックス単独が支持体に塗布されたとき、偽陽性が生
じ得ることが認められた。一方、Ab/BSAラテックス混合
物が同じ尿をテストするのに使用されたとき、偽陽性は
認められなかった。偽陽性の発生は、Ab−ラテックスお
よび固定化されたAbに非特異的結合を引き起こし、「サ
ンドイッチ」の形成を生じるだろう物質の存在により、
いくつかの尿試料において起こり得る。BSA−ラテック
スの存在は非特異的結合を妨げ、このように偽陽性の発
生を減少させるかまたは排除する。このような非特異結
合を引き起こす、尿中の物質は、Staphylococcus areus
からのプロテインAであろうと思われる。S.areusから
のプロテインAは強力にIgGに結合し、もしS.areusが非
妊娠の女性の尿に存在するなら、偽陽性反応が見られる
かもしれないことはよく知られている。 本発明は、具体例に関連して記述されてが、特許の適
用範囲はこれらの具体例に限定されるのではなく、以下
の請求の範囲を参照して決定されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ワン,ドゥー・メイ アメリカ合衆国、92024 カリフォルニ ア州、エンシニタス、シルバー・ピー ル・プレイス、2216 (72)発明者 チェン,フォン・チュー・ミア アメリカ合衆国、92065 カリフォルニ ア州、ラモナ、ウィルソン・ロード、 1513 (72)発明者 ウィルソン,グレッグ・エル アメリカ合衆国、92129 カリフォルニ ア州、サン・ディエゴ、ラウンドアッ プ・アベニュ、13049 (72)発明者 ミルナー,マイケル・ダブリュ アメリカ合衆国、92362 カリフォルニ ア州、ミューリエータ、ファイブ・トラ イブス・トレイル、24163 (72)発明者 ヒュアン・チン アメリカ合衆国、92011 カリフォルニ ア州、チューラ・ビスタ、インディゴ・ キャニオン・ロード、635 (56)参考文献 特開 昭60−256057(JP,A) 特表 平1−503174(JP,A)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リガンドと抗リガンドの相互作用を伴う検
    定法であって、 使用される試薬の1つは、リガンドまたは抗リガンドが
    結合される第1の移動可能な粒子を含み、 前記第1の粒子を、前記リガンドもしくは前記抗リガン
    ドが結合されていない第2の移動可能な粒子または前記
    リガンドもしくは前記抗リガンドに対して非反応性の分
    子が結合されている第2の移動可能な粒子との混合物に
    おいて、与え、 前記第2の粒子は、前記第1の粒子の凝集を減少させる
    のに有効な量で存在し、 前記混合物は、支持層に付与され、 リガンドと抗リガンドの相互作用は、前記支持層上で起
    こることを特徴とする、検定法。
  2. 【請求項2】前記リガンドおよび前記抗リガンドは、抗
    原および抗体を含む、請求項1に記載の検定法。
  3. 【請求項3】前記混合物は前記支持層の第1の規定され
    た領域上に付与される、請求項1に記載の検定法。
  4. 【請求項4】第1のリガンドまたは抗リガンドが前記第
    1の移動可能な粒子に結合し、かつ前記第1のリガンド
    または抗リガンドに対する抗リガンドが前記支持層の第
    2の規定された領域に固定化される、請求項3に記載の
    検定法。
  5. 【請求項5】前記第2の移動可能な粒子に結合したタン
    パク質をさらに含む、前記タンパク質は前記リガンド抗
    リガンド反応に関与しない、請求項1に記載の検定法。
  6. 【請求項6】前記第2の移動可能な粒子に結合した前記
    タンパク質はアルブミンである、請求項5に記載の検定
    法。
  7. 【請求項7】前記タンパク質はウシ血清アルブミンであ
    る、請求項6に記載の検定法。
  8. 【請求項8】前記タンパク質はIgGである、請求項5に
    記載の検定法。
  9. 【請求項9】前記第1の移動可能な粒子は、リガンドま
    たは抗リガンドが結合したラテックス粒子を含み、かつ
    前記第2の移動可能な粒子は単なるラテックス粒子を含
    む、請求項1に記載の検定法。
  10. 【請求項10】前記移動可能な粒子の直径は、0.1μm
    から0.8μmである、請求項1、4、5または9のいず
    れか1項に記載の検定法。
  11. 【請求項11】前記移動可能な粒子は着色される、請求
    項8に記載の検定法。
  12. 【請求項12】前記混合物は非特異的結合を妨げるため
    の試薬および界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載
    の検定法。
  13. 【請求項13】免疫クロマトグラフィ検定法で使用され
    るリガンドで標識されるかまたは抗リガンドで標識され
    る粒子の凝集を最小限にするための方法であって、 前記標識された粒子と混合して、凝集を減少させるのに
    効果的な量の、前記リガンドまたは前記抗リガンドで標
    識されていない粒子を与えるステップを含む免疫クロマ
    トグラフィ検定法。
  14. 【請求項14】前記第1の抗リガンドは分析物に対する
    第1の抗体を含み、さらに前記第2の抗リガンドは前記
    分析物に対する第2の抗体を含む、請求項4に記載の検
    定法。
  15. 【請求項15】前記第1のリガンドは分析物に対する第
    1の抗原を含み、その分析物は抗体を含み、さらに前記
    第2の抗リガンドは抗分析物を含む、請求項4に記載の
    検定法。
  16. 【請求項16】前記第1の抗リガンドは抗分析物を含
    み、前記分析物は抗体を含み、かつ前記第2のリガンド
    は前記分析物に対する抗原を含む、請求項4に記載の検
    定法。
  17. 【請求項17】抗体と抗原の相互作用を伴う免疫クロマ
    トグラフィ検定法であって、 前記抗原と結合することができる抗体が結合されている
    第1の移動可能なラテックス粒子と、ウシ血清アルブミ
    ンが結合されている第2の移動可能なラテックス粒子と
    の混合物を、支持層の第1の規定された領域上に付与す
    ること、 前記抗原に結合した前記第1の移動可能な粒子と結合し
    て陽性ジグナルを与えることができる抗体を前記支持層
    の第2の規定された領域に固定化すること、および 前記第1の粒子と前記第2の粒子との前記混合物を、分
    析試料とともに、前記第1の領域から前記第2の領域に
    移動させることを備え、 前記抗原の存在下での前記支持層上における前記第1の
    粒子の凝集は、前記第2の粒子により減少されることを
    特徴とする、免疫クロマトグラフィ検定法。
  18. 【請求項18】抗体と抗原の相互作用を伴う免疫クロマ
    トグラフィ検定法において、前記抗原と結合することが
    できる抗体が結合されている移動可能なラテックス粒子
    が前記抗原の存在下において凝集するのを減少させるた
    めの粒子であって、 ウシ血清アルブミンが結合されているラテックス粒子か
    らなるものであり、かつ前記移動可能なラテックス粒子
    と混合して使用するものであることを特徴とする、凝集
    を減少させるための粒子。
  19. 【請求項19】抗体と抗原の相互作用を伴う免疫クロマ
    トグラフィ検定法において、前記抗原と結合することが
    できる抗体が結合されている移動可能なラテックス粒子
    が前記抗原の存在下において凝集するのを減少させる方
    法であって、 前記移動可能なラテックス粒子に、ウシ血清アルブミン
    が結合されているラテックス粒子を混合することを特徴
    とする、凝集を減少させるための方法。
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