JPH10332699A - イムノクロマトグラフ法 - Google Patents

イムノクロマトグラフ法

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JPH10332699A
JPH10332699A JP16187797A JP16187797A JPH10332699A JP H10332699 A JPH10332699 A JP H10332699A JP 16187797 A JP16187797 A JP 16187797A JP 16187797 A JP16187797 A JP 16187797A JP H10332699 A JPH10332699 A JP H10332699A
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JP
Japan
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antibody
compound
organic solvent
film support
immobilized
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Application number
JP16187797A
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English (en)
Inventor
Shiro Matsuura
司郎 松浦
Keigo Kabasawa
啓吾 椛沢
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Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
Original Assignee
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検試料中に含まれる水難溶性化合物を、免
疫学的に迅速かつ特異的に分析するイムノクロマトグラ
フ法を提供する。 【解決手段】 被検試料を処理することにより得られる
分析用抽出液を薄膜状支持体上で展開する工程を、有機
溶媒の存在下で実施し、前記分析用抽出物中の分析対象
化合物と、それに特異的に反応する抗体との、薄膜状支
持体上における抗原抗体反応工程を有機溶媒の存在下で
実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規のイムノクロ
マトグラフ法に関する。本発明は、例えば、水難溶性化
合物、すなわち、被検試料から有機溶媒により抽出する
ことができる化合物の分析に適している。
【0002】
【従来の技術】天然物、毒素、ホルモン、農薬等の生理
活性物質や有害物質の中には、多くの水難溶性な脂溶性
化合物が存在する。従来、これらの水難溶性化合物の定
性的及び定量的測定を実施する場合には、試料中から検
査対象の水難溶性化合物を適当な有機溶媒で抽出し、更
に精製した後、各種の機器分析等を行っていた。これら
の操作は、定性的及び定量的測定を直接行うことができ
る水溶性化合物の場合と比較して、煩雑で時間のかかる
ものであった。例えば、水産物に広く含まれている毒素
の一種であり、特にホタテ貝等の二枚貝に含まれている
下痢性貝毒成分であるオカダ酸、ホルモンの一種であ
り、近年運動選手の薬物検査で問題となっているテスト
ステロン、又は生理活性物質のプロスタグランジンE2
等を測定する場合には、必要に応じて有機溶媒での抽出
操作や、濃縮操作を行った後、高速液体クロマトグラフ
ィーで測定を行っていた。
【0003】また、これらの水難溶性化合物の特異的測
定法として、酵素免疫法等の抗原抗体反応を利用した測
定法が開発されているが、試料や試薬等の分注や洗浄操
作が多く、各種の機器分析法と同様に煩雑で時間のかか
る欠点がある。例えば、前記の水難溶性化合物を酵素免
疫法で測定する場合には、検査に先立ち、検査目的対象
物を含んでいる可能性のある試料から、必要に応じて目
的対象物をその脂溶性の程度に応じて選択した有機溶媒
によって抽出していた。これらの操作は、水溶性化合物
の場合と比較して、煩雑で時間のかかるものであった。
更に、酵素免疫法では、測定工程中に試料や試薬等の分
注や洗浄操作が多く煩雑であった。
【0004】更に、イムノクロマトグラフ法における抗
体標識体として従来より繁用されているラテックス粒子
は、有機溶媒(無水有機溶媒又は有機水性溶媒)中で、
溶解又は膨潤することがある。ラテックス粒子が溶解す
ると、その性質が変化する。また、膨潤した場合には、
ラテックス粒子の性質それ自体は損なわれないこともあ
るが、着色ラテックス粒子(例えば、赤色、青色、紫
色、又は黒色などの着色ラテックス粒子)では、色素の
溶出が起こるため、有機溶媒中では使用困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来技術の前記の欠点を解消し、被検試料中に含ま
れる水難溶性化合物を、免疫学的に迅速かつ特異的に分
析することのできる手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、被検試料を処理することにより得られる分析用抽出
液を薄膜状支持体上で展開する工程を、有機溶媒の存在
下で実施すること、及び前記分析用抽出物中の分析対象
化合物と、それに特異的に反応する抗体との、薄膜状支
持体上における抗原抗体反応工程を有機溶媒の存在下で
実施することを特徴とする、イムノクロマトグラフ法に
より解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法は、被検試料を処理す
ることにより得られる分析用抽出液を、薄膜状支持体上
で展開する工程と、前記分析用抽出物中の分析対象化合
物と、それに特異的に反応する抗体との、薄膜状支持体
上における抗原抗体反応工程とを含み、これらの両工程
を有機溶媒の存在下で、特には、有機水性系中で実施す
ること以外は、従来公知のイムノクロマトグラフ法をそ
のまま適用することができる。本発明方法を用いること
により被検試料中の対象化合物を分析することができ
る。本明細書において、「分析」には、例えば、被検試
料中における分析対象化合物の存在の有無の検出、及び
被検試料中に含まれる分析対象化合物の半定量的測定及
び定量的測定などが含まれる。
【0008】本明細書において、「イムノクロマトグラ
フ法」とは、特に限定されるものではないが、例えば、
その工程中にクロマトグラフ法(特には薄層クロマトグ
ラフ法又はペーパークロマトグラフ法)を用いる工程を
含み、一連の抗原抗体反応の少なくとも一部をクロマト
グラフ用の薄膜状支持体上で実施する免疫学的分析法を
挙げることができる。なお、本明細書において、「薄膜
状支持体」は、固定相を意味し、例えば、薄層クロマト
グラフ法では、支持板(例えば、ガラス板、アルミニウ
ム板、又はプラスチック板)に固着させた薄層を意味
し、ペーパークロマトグラフ法では、濾紙を意味する。
【0009】本発明方法で用いることのできる有機溶媒
は、特に限定されるものではないが、本発明方法におい
ては、分析用抽出液を薄膜状支持体上で展開する工程、
及び前記分析用抽出物中の分析対象化合物と、それに特
異的に反応する抗体との、薄膜状支持体上における抗原
抗体反応工程を、有機溶媒を含有する有機水性系中で実
施するので、水混和性有機溶媒を用いることが好まし
い。前記水混和性有機溶媒としては、例えば、アルコー
ル類(例えば、炭素原子1〜3個の低級アルコール、特
には、メタノール、エタノール、若しくはイソプロパノ
ール)、ケトン類(例えば、炭素原子1〜3個の低級脂
肪族ケトン、特には、メチルエチルケトン若しくはアセ
トン)、N,N−ジメチルホルムアミド、若しくはジオ
キサン、又はこれらの混合物などを挙げることができ
る。
【0010】本発明方法において、分析用抽出物中の分
析対象化合物と、それに特異的に反応する抗体との、薄
膜状支持体上における抗原抗体反応工程を実施する際の
有機溶媒の濃度は、分析対象化合物に特異的に結合する
ことのできる抗体が、その濃度において分析対象化合物
と結合することができる濃度であり、しかも、分析対象
化合物が有機水性系中に充分に溶解することのできる濃
度である限り限定されるものではなく、有機溶媒の種類
及び用いる抗体に応じて適宜決定することができる。
【0011】本発明の分析対象化合物は、好適には水難
溶性化合物であり、本発明における有機溶媒濃度は、こ
れらの物質の溶解度により決定されるものである。しか
し、溶解度は、溶解平衡にかかわる因子の全ての他に、
攪拌効率や分散速度などの多様な要件の影響を受けるた
め、有機溶媒濃度を一概に特定することはできない。こ
れらを考慮し、本発明方法においては、通常、好ましく
は50%未満、より好ましくは45%以下、最も好まし
くは40%以下で、しかも、10%以上の有機溶媒濃度
で抗原抗体反応工程を実施することができる。
【0012】例えば、有機溶媒として低級アルコールを
用いる場合には、好ましくは50%未満、より好ましく
は45%以下、最も好ましくは40%以下で、しかも、
10%以上の有機溶媒濃度で抗原抗体反応工程を実施す
ることができる。また、有機溶媒として、ケトン、例え
ば、アセトンを用いる場合には好ましくは50%未満、
より好ましくは45%以下、最も好ましくは40%以下
で、しかも、10%以上の有機溶媒濃度で、N,N−ジ
メチルホルムアミドを用いる場合には好ましくは40%
未満、より好ましくは35%以下、最も好ましくは30
%以下で、しかも、10%以上の有機溶媒濃度で、ジオ
キサンを用いる場合には好ましくは40%未満、より好
ましくは35%以下、最も好ましくは30%以下で、し
かも、10%以上の有機溶媒濃度で抗原抗体反応工程を
実施することができる。
【0013】本発明方法において、分析用抽出液を薄膜
状支持体上で展開する工程を実施する際の有機溶媒の濃
度、すなわち、展開液に含まれる有機溶媒の濃度は、分
析対象化合物に特異的に結合することのできる抗体が、
その濃度において分析対象化合物と結合することがで
き、しかも、その濃度においてクロマトグラフ法を実施
することができる濃度、すなわち、クロマトグラフ用の
薄膜状支持体が耐えることができ、抗体の標識化に用い
る標識体が耐えることができる濃度であり、更に、分析
対象化合物が有機水性系中に充分に溶解することのでき
る濃度である限り限定されるものではなく、有機溶媒の
種類及び用いる抗体に応じて適宜決定することができ
る。
【0014】本発明方法においては、前記の通り、通
常、好ましくは50%未満、より好ましくは45%以
下、最も好ましくは40%以下で、しかも、10%以上
の有機溶媒濃度で展開工程を実施することができる。例
えば、有機溶媒として低級アルコールを用いる場合に
は、好ましくは50%未満、より好ましくは45%以
下、最も好ましくは40%以下で、しかも、10%以上
の有機溶媒濃度で展開工程を実施することができる。ま
た、有機溶媒として、ケトン、例えば、アセトンを用い
る場合には好ましくは50%未満、より好ましくは45
%以下、最も好ましくは40%以下で、しかも、10%
以上の有機溶媒濃度で、N,N−ジメチルホルムアミド
を用いる場合には好ましくは40%未満、より好ましく
は35%以下、最も好ましくは30%以下で、しかも、
10%以上の有機溶媒濃度で、ジオキサンを用いる場合
には好ましくは40%未満、より好ましくは35%以
下、最も好ましくは30%以下で、しかも、10%以上
の有機溶媒濃度で展開工程を実施することができる。
【0015】本発明方法においては、分析用抽出物中の
分析対象化合物と、それに特異的に反応する抗体との、
薄膜状支持体上における抗原抗体反応工程を実施する際
の有機溶媒の種類及び濃度と、分析用抽出液を薄膜状支
持体上で展開する工程を実施する際の有機溶媒の種類及
び濃度とを、それぞれ独立に決定することができる。従
って、本発明方法における一連の操作において、有機溶
媒の種類及び/又は濃度が同じ状態で実施することもで
きるし、有機溶媒の種類及び/又は濃度が異なる状態で
実施することもできる。操作を簡便にすることができる
点で、同じ種類の有機溶媒を使用することが好ましく、
同じ種類で同じ濃度の有機溶媒を用いることがより好ま
しい。
【0016】また、本発明方法において、分析対象化合
物の溶解度と、標識体の不活性化及び/又は安定性とを
考慮することにより、有機溶媒の種類及び/又は濃度を
決定することができる。例えば、分析対象化合物が水難
溶性化合物である場合には、有機溶媒の濃度が高いほ
ど、分析対象である水難溶性化合物の溶解度は維持され
るのに対して、標識体の中には、有機溶媒によりその活
性及び/又は安定性が失われるものがある。従って、分
析対象化合物の種類、及び標識体の種類に応じて、有機
溶媒の種類とその濃度を適宜決定することが必要であ
る。
【0017】本発明方法で用いることのできる抗体は、
分析対象化合物に特異的に結合することのできる抗体で
あれば特に限定されるものではなく、ポリクローナル抗
体又はモノクローナル抗体を使用することができる。こ
れらの抗体は、抗原として分析対象化合物(又は標準化
合物)を用いることによって常法により調製することが
できる。また、抗体の代わりに、分析対象化合物に対す
る抗原結合部位を含む抗体フラグメント、例えば、Fa
b、Fab’、F(ab’)2 、又はFvを用いること
もできる。抗体フラグメントは、例えば、分析対象化合
物に特異的に結合することのできる抗体を、常法により
タンパク質分解酵素によって消化し、続いてタンパク質
の単離・精製の常法に従って得ることができる。
【0018】本発明方法では、有機溶媒存在下で種々の
工程を実施するので、有機溶媒に耐性である抗体又は抗
体フラグメントを用いることが好ましい。有機溶媒耐性
モノクローナル抗体は、例えば、有機溶媒存在下での抗
原との結合の有無を指標とするスクリーニングを実施す
ること以外は、モノクローナル抗体を調製する常法に従
って調製することができる。
【0019】本発明方法では、展開工程における薄膜状
支持体として、薄層クロマトグラフ法又はペーパークロ
マトグラフ法に用いることのできる公知の薄膜状支持体
を使用することができ、例えば、ガラス繊維膜、ポリア
ミド膜、ニトロセルロース膜、又は酢酸セルロース膜な
どを使用することができる。
【0020】本発明方法により分析することのできる化
合物は、特に限定されるものではなく、被検試料中に含
まれる任意の化合物であり、本発明方法は、特には水難
溶性化合物の分析に適している。本明細書において、水
難溶性化合物とは、被検試料から抽出する場合に、水に
より抽出することが困難であり、有機溶媒により抽出す
ることができる化合物を意味する。本発明方法は、水難
溶性化合物の分析に特に適しているが、水難溶性化合物
と水溶性化合物との同時分析にも適用することができ
る。
【0021】前記被検試料としては、分析対象化合物を
含む可能性のある試料であれば限定されるものではな
く、例えば、生物学的試料、特には、動物(特に人)の
体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、尿、若しくは
膿)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、若
しくは動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体に含まれ
るもの、又は非生物学的試料、例えば、水(例えば、上
水、下水、河川水、湖水、若しくは海水)、土壌、若し
くは汚泥などを挙げることができる。
【0022】前記水難溶性化合物としては、例えば、毒
素(例えば、下痢性貝毒又は致死性毒素)、又は薬剤
(例えば、ステロイドホルモン)などを挙げることがで
きる。本発明方法は、特には、水産物中の毒素、農産物
中の残留農薬、動物体液中又は動物排泄物中のホルモン
又は医薬品等の免疫学的分析に適している。
【0023】本発明方法により被検試料中の水難溶性化
合物を分析する場合には、被検試料を無水の有機溶媒、
又は有機水性溶媒(すなわち、有機溶媒と水との混合物
又は有機溶媒水溶液)で抽出して分析用抽出液を調製す
ることができる。抽出用の溶媒として無水の有機溶媒を
用いる場合には、例えば、水性溶媒で適当に希釈してか
ら、抗原抗体反応工程又は展開工程を実施することがで
きる。また、抽出用の溶媒として有機水性溶媒を使用す
る場合には、そのままで、あるいは、水性溶媒で適当に
希釈してから、抗原抗体反応工程又は展開工程を実施す
ることができる。前記の抽出に用いる有機溶媒として
は、分析対象化合物の種類に応じて適宜決定することが
できるので特に限定されるものではないが、抽出工程を
実施した後に、そのままで、あるいは、適当に希釈して
から、抗原抗体反応工程及び展開工程を実施することが
できる点で、水混和性有機溶媒を用いることが好まし
い。
【0024】本発明方法は、分析用抽出物中の分析対象
化合物と、それに特異的に反応する抗体との、薄膜状支
持体上における抗原抗体反応工程、及び分析用抽出液を
薄膜状支持体上で展開する工程を有機溶媒の存在下で、
特には、有機水性系中で実施すること以外は、従来公知
のイムノクロマトグラフ法をそのまま適用することがで
きる。本発明のイムノクロマトグラフ法としては、抗原
抗体反応の実施順序、固定化及び標識化する対象化合
物、並びに使用する抗体の数などに応じて種々の方法が
存在し、例えば、(A1)分析対象化合物に特異的に結
合する抗体(以下、単に特異的抗体と称することがあ
る)を固定化した薄膜状支持体と、標識化した標準化合
物とを使用する競合法(以下、抗体固定化競合法と称す
る)、(A2)特異的抗体を固定化した薄膜状支持体
と、標識化した標準化合物とを使用する非競合法(以
下、抗体固定化非競合法と称する)、(B1)標準化合
物を固定化した薄膜状支持体と、標識化した特異的抗体
とを使用する競合法(以下、抗原固定化競合法と称す
る)、(B2)標準化合物を予め固定化した薄膜状支持
体と、標識化した特異的抗体とを使用する非競合法(以
下、抗原固定化非競合法と称する)、及び(C)第1の
特異的抗体を固定化した薄膜状支持体と、標識化した第
2の特異的抗体(但し、第1特異的抗体と第2特異的抗
体とは、抗原決定基が異なるものとする)とを使用する
サンドイッチ法などを挙げることができる。
【0025】本明細書において「標準化合物」とは、分
析対象化合物に相当する化合物である。例えば、被検試
料中のオカダ酸を分析する場合(すなわち、オカダ酸が
分析対象化合物である場合)には、標準化合物として、
市販のオカダ酸(例えば、和光純薬製No.154−0
1651等)を使用することができ、被検試料中のプロ
スタグランジンE2 を分析する場合には、標準化合物と
して、市販のプロスタグランジンE2 (例えば、ナカラ
イテスク製No.293−34等)を使用することがで
き、被検試料中のテストステロンを分析する場合には、
標準化合物として、市販のテストステロン(例えば、ナ
カライテスク製No.328−11等)を使用すること
ができる。
【0026】本発明のイムノクロマトグラフ法として
は、抗原抗体反応工程及び展開工程の実施形態に応じて
種々の方法が存在し、例えば、一連の抗原抗体反応工程
の一部を展開しながら実施する方法、又は一連の抗原抗
体反応工程のすべてを展開しながら実施する方法などを
挙げることができる。本発明方法では、展開しながらす
べての抗原抗体反応を実施するか、あるいは、展開しな
がら一部の抗原抗体反応のみを実施するかを問わず、一
連の抗原抗体反応の内、少なくとも、分析用抽出物中の
分析対象化合物と、それに特異的に反応する抗体との、
薄膜状支持体上における抗原抗体反応工程を、有機溶媒
の存在下で実施する。
【0027】前記抗体固定化競合法(A1)としては、
これに限定されるものではないが、例えば、(A1−
1)被検試料を無水の有機溶媒、又は有機水性溶媒で処
理して分析用抽出液を調製する工程、(A1−2)予め
標識化した既知量の標準化合物と、前記工程(A1−
1)で調製した分析用抽出液とを有機溶媒存在下で接触
させる工程、(A1−3)特異的抗体を予め固定化した
薄膜状支持体上において、前記工程(A1−2)で得ら
れた混合物を有機溶媒存在下で展開し、薄膜状支持体に
予め固定化した前記特異的抗体と接触させる工程、及び
(A1−4)薄膜状支持体に固定化した前記特異的抗体
と結合した前記標識化標準化合物の標識からの信号を測
定する工程を含む方法を挙げることができる。
【0028】抗体固定化競合法(A1)では、被検試料
中に分析対象化合物が存在する場合には、分析用抽出液
中に含有されている分析対象化合物と、予め標識化した
既知量の標準化合物とが、薄膜状支持体上に固定されて
いる特異的抗体に対して、拮抗的に結合するように、展
開工程を実施することができる。このような展開工程と
しては、例えば、(A1−i)前記工程(A1−2)で
得られた混合物、あるいは、その適当な希釈液をそのま
ま展開液として使用し、展開する工程、(A1−ii)前
記工程(A1−2)で得られた混合物を、薄膜状支持体
上において特異的抗体が固定されている位置から離れた
位置に塗布し、その塗布領域側の薄膜状支持体の末端を
展開液に浸し、特異的抗体の固定領域の方向に向かって
展開する工程、(A1−iii)前記工程(A1−1)で調
製した分析用抽出液と、予め標識化した既知量の標準化
合物とのいずれか一方を、薄膜状支持体上において特異
的抗体が固定されている領域から離れた位置に塗布し、
残る一方、あるいは、その適当な希釈液をそのまま展開
液として使用し、その塗布領域側の薄膜状支持体の末端
を前記展開液に浸し、特異的抗体の固定領域の方向に向
かって展開する工程、又は(A1−iv)前記工程(A1
−1)で調製した分析用抽出液と、予め標識化した既知
量の標準化合物とを、薄膜状支持体上において特異的抗
体が固定されている領域から離れた位置に、展開方向に
沿って所定の間隔をあけて隣接するように塗布し、その
塗布領域側の薄膜状支持体の末端を展開液に浸し、特異
的抗体の固定領域の方向に向かって展開する工程などを
挙げることができる。これらのいずれの方法において
も、展開液として有機水性溶媒を使用する。
【0029】前記方法(A1−i)〜(A1−iv)のい
ずれの方法においても、被検試料中に分析対象化合物が
存在する場合には、その分析対象化合物と、標識化した
標準化合物とが、展開液と一緒に薄膜状支持体上を移動
し、薄膜状支持体上に固定化されている特異的抗体の位
置に達したところで、固定化されている特異的抗体と拮
抗的に結合する。展開が完了した後、固定化特異的抗体
に結合した標識化標準化合物の標識に由来する信号を測
定する。信号を測定する際には、標識化標準化合物を含
む反応系を信号測定に好ましい条件に変えることができ
る。
【0030】前記抗体固定化競合法(A1)では、標識
化標準化合物の添加を抗原抗体反応と同時に行うので、
その反応系に存在する有機溶媒によって標識が不活性化
又は変性しないようにする必要がある。例えば、有機溶
媒によって全く影響を受けない標識体(例えば、蛍光標
識、有機溶媒耐性ラテックス粒子、又は炭素粒子)を使
用することができるし、あるいは、有機溶媒の濃度を低
くすることにより、標識体(例えば、酵素、アビジン、
着色ラテックス粒子、蛍光ラテックス粒子、又は金属コ
ロイド粒子)の不活性化又は変性を防止することができ
る。
【0031】前記抗体固定化非競合法(A2)は、これ
に限定されるものではないが、例えば、(A2−1)被
検試料を無水の有機溶媒、又は有機水性溶媒で処理して
分析用抽出液を調製する工程、(A2−2)特異的抗体
を予め固定化した薄膜状支持体上において、前記工程
(A2−1)で調製した分析用抽出液を有機溶媒存在下
で展開し、薄膜状支持体に予め固定化した前記特異的抗
体と接触させる工程、(A2−3)前記薄膜状支持体上
において、予め標識化した既知量の標準化合物を有機溶
媒存在下あるいは有機溶媒非存在下で展開し、前記工程
(A2−2)において反応しなかった薄膜状支持体に固
定化した特異的抗体と接触させる工程、及び(A2−
4)薄膜状支持体に固定化した前記特異的抗体と結合し
た前記標識化標準化合物の標識からの信号を測定する工
程を含む方法を挙げることができる。
【0032】抗体固定化非競合法(A2)においては、
前記工程(A2−2)を実施した後に、すぐに続いて、
前記工程(A2−3)及び(A2−4)を実施すること
もできるし、あるいは、前記工程(A2−2)を実施
し、所望の時間を経過した後に、前記工程(A2−3)
及び(A2−4)を実施することもできる。後者の場合
には、前記工程(A2−2)を実施した後に、薄膜状支
持体に適当な処理(例えば、風乾など)を施して一時保
管し、所望の時間を経過した後に、前記工程(A2−
3)及び(A2−4)を実施することができる。
【0033】前記抗体固定化非競合法(A2)では、薄
膜状支持体上の固定化抗体と、分析抽出液中の分析対象
化合物との抗原抗体反応を実施する条件とは異なる条件
下(例えば、水を添加して有機溶媒濃度を低下させる
か、あるいは、水系に完全に置き換える)で、標識化標
準化合物を添加することができる。
【0034】前記抗原固定化競合法(B1)は、これに
限定されるものではないが、例えば、(B1−1)被検
試料を無水の有機溶媒、又は有機水性溶媒で処理して分
析用抽出液を調製する工程、(B1−2)予め標識化し
た既知量の特異的抗体と、前記工程(B1−1)で調製
した分析用抽出液とを有機溶媒存在下で接触させると同
時に、標準化合物を予め固定化した薄膜状支持体上にお
いて、有機溶媒存在下で展開し、薄膜状支持体に固定化
した前記標準化合物と接触させる工程、及び(B1−
3)薄膜状支持体に固定化した前記標準化合物と結合し
た前記標識化特異的抗体の標識からの信号を測定する工
程を含む方法を挙げることができる。
【0035】前記抗原固定化非競合法(B2)として
は、これに限定されるものではないが、例えば、(B2
−1)被検試料を無水の有機溶媒、又は有機水性溶媒で
処理して分析用抽出液を調製する工程、(B2−2)予
め標識化した既知量の特異的抗体と、前記工程(B2−
1)で調製した分析用抽出液とを有機溶媒存在下で接触
させる工程、(B2−3)標準化合物を予め固定化した
薄膜状支持体上において、前記工程(B2−2)で得ら
れた混合物を有機溶媒存在下で展開し、薄膜状支持体に
予め固定化した前記標準化合物と接触させる工程、及び
(B2−4)薄膜状支持体に固定化した前記標準化合物
と結合した前記標識化特異的抗体の標識からの信号を測
定する工程を含む方法を挙げることができる。
【0036】抗原固定化非競合法(B2)では、被検試
料中に分析対象化合物が存在する場合には、その分析対
象化合物と、予め標識化した既知量の特異的抗体とを反
応させた後に、薄膜状支持体上に固定されている標準化
合物と反応するように、展開工程を実施することができ
る。このような展開工程としては、例えば、(B2−
i)前記工程(B2−2)で得られた混合物、あるい
は、その適当な希釈液をそのまま展開液として使用し、
展開する工程、(B2−ii)前記工程(B2−2)で得
られた混合物を、薄膜状支持体上において標準化合物が
固定されている位置から離れた位置に塗布し、その塗布
領域側の薄膜状支持体の末端を展開液に浸し、標準化合
物の固定領域の方向に向かって展開する工程、(B2−
iii)前記工程(B2−1)で調製した分析用抽出液と、
予め標識化した既知量の特異的抗体とのいずれか一方
を、薄膜状支持体上において標準化合物が固定されてい
る領域から離れた位置に塗布し、残る一方、あるいは、
その適当な希釈液をそのまま展開液として使用し、その
塗布領域側の薄膜状支持体の末端を前記展開液に浸し、
標準化合物の固定領域の方向に向かって展開する工程、
又は(B2−iv)前記工程(B2−1)で調製した分析
用抽出液と、予め標識化した既知量の特異的抗体とを、
薄膜状支持体上において標準化合物が固定されている領
域から離れた位置に、展開方向に沿って所定の間隔をあ
けて隣接するように塗布し、その塗布領域側の薄膜状支
持体の末端を展開液に浸し、標準化合物の固定領域の方
向に向かって展開する工程などを挙げることができる。
これらのいずれの方法においても、展開液として有機水
性溶媒を使用する。
【0037】前記方法(B2−i)〜(B2−iv)のい
ずれの方法においても、被検試料中に分析対象化合物が
存在する場合には、その分析対象化合物と、標識化した
特異的抗体とが反応した後に、反応生成物及び/又は未
反応の各化合物が、展開液と一緒に薄膜状支持体上を移
動し、薄膜状支持体上に固定化されている標準化合物の
位置に達したところで、固定化されている標準化合物と
反応する。展開が完了した後、固定化標準化合物に結合
した標識化特異的抗体の標識に由来する信号を測定す
る。信号を測定する際には、標識化特異的抗体を含む反
応系を信号測定に好ましい条件に変えることができる。
【0038】前記サンドイッチ法(C)としては、これ
に限定されるものではないが、例えば、(C1−1)被
検試料を無水の有機溶媒、又は有機水性溶媒で処理して
分析用抽出液を調製する工程、(C1−2)予め標識化
した第2の特異的抗体と、前記工程(C−1)で調製し
た分析用抽出液とを有機溶媒存在下で接触させる工程、
(C1−3)第1の特異的抗体を予め固定化した薄膜状
支持体上において、前記工程(C1−2)で得られた混
合物を有機溶媒存在下で展開し、薄膜状支持体に予め固
定化した前記第1特異的抗体と接触させる工程、及び
(C1−4)薄膜状支持体に固定化した前記の第1特異
的抗体に、分析対象化合物を介して結合した前記標識化
第2特異的抗体の標識からの信号を測定する工程を含む
方法[以下、サンドイッチ法(C1)と称する]、又は
(C2−1)被検試料を無水の有機溶媒、又は有機水性
溶媒で処理して分析用抽出液を調製する工程、(C2−
2)第1の特異的抗体を予め固定化した薄膜状支持体上
において、前記工程(C2−1)で調製した分析用抽出
物を有機溶媒存在下で展開し、薄膜状支持体に予め固定
化した前記第1特異的抗体と接触させる工程、(C2−
3)前記薄膜状支持体上において、予め標識化した第2
の特異的抗体を有機溶媒存在下で展開し、前記工程(C
2−2)において反応した固定化第1特異的抗体−分析
対象化合物免疫複合体と接触させる工程、及び(C2−
4)薄膜状支持体に固定化した前記の第1特異的抗体
に、分析対象化合物を介して結合した前記標識化第2特
異的抗体の標識からの信号を測定する工程を含む方法
[以下、サンドイッチ法(C2)と称する]などを挙げ
ることができる。
【0039】前記サンドイッチ法(C1)では、被検試
料中に分析対象化合物が存在する場合には、その分析対
象化合物と、予め標識化した第2の特異的抗体とを反応
させた後に、薄膜状支持体上に固定されている第1の特
異的抗体と反応するように、展開工程を実施することが
できる。このような展開工程としては、例えば、(C1
−i)前記工程(C1−2)で得られた混合物、あるい
は、その適当な希釈液をそのまま展開液として使用し、
展開する工程、(C1−ii)前記工程(C1−2)で得
られた混合物を、薄膜状支持体上において第1の特異的
抗体が固定されている位置から離れた位置に塗布し、そ
の塗布領域側の薄膜状支持体の末端を展開液に浸し、第
1の特異的抗体の固定領域の方向に向かって展開する工
程、(C1−iii)前記工程(C1−1)で調製した分析
用抽出液と、予め標識化した第2の特異的抗体とのいず
れか一方を、薄膜状支持体上において第1の特異的抗体
が固定されている領域から離れた位置に塗布し、残る一
方、あるいは、その適当な希釈液をそのまま展開液とし
て使用し、その塗布領域側の薄膜状支持体の末端を前記
展開液に浸し、第1の特異的抗体の固定領域の方向に向
かって展開する工程、又は(C1−iv)前記工程(C1
−1)で調製した分析用抽出液と、予め標識化した第2
の特異的抗体とを、薄膜状支持体上において第1の特異
的抗体が固定されている領域から離れた位置に、展開方
向に沿って所定の間隔をあけて隣接するように塗布し、
その塗布領域側の薄膜状支持体の末端を展開液に浸し、
第1の特異的抗体の固定領域の方向に向かって展開する
工程などを挙げることができる。これらのいずれの方法
においても、展開液として有機水性溶媒を使用する。
【0040】前記方法(C1−i)〜(C1−iv)のい
ずれの方法においても、被検試料中に分析対象化合物が
存在する場合には、その分析対象化合物と、標識化した
第2の特異的抗体とが反応した後に、反応生成物及び/
又は未反応の各化合物が、展開液と一緒に薄膜状支持体
上を移動し、薄膜状支持体上に固定化されている第1の
特異的抗体の位置に達したところで、固定化されている
第1の特異的抗体と反応する。展開が完了した後、固定
化第1特異的抗体に、分析対象化合物を介して結合した
標識化第2特異的抗体の標識に由来する信号を測定す
る。信号を測定する際には、標識化第2特異的抗体を含
む反応系を信号測定に好ましい条件に変えることができ
る。
【0041】前記サンドイッチ法(C2)においては、
前記工程(C2−2)を実施した後に、すぐに続いて、
前記工程(C2−3)及び(C2−4)を実施すること
もできるし、あるいは、前記工程(C2−2)を実施
し、所望の時間を経過した後に、前記工程(C2−3)
及び(C2−4)を実施することもできる。
【0042】前記抗原固定化非競合法(B2)では、薄
膜状支持体に、標準化合物を予め固定化しておくことに
加えて、標識化特異的抗体に反応する陽性コントロール
抗体を、更に薄膜状支持体に固定化しておくことができ
る。展開方向に沿って所定の間隔をあけ、標準化合物及
び陽性コントロール抗体が固定されている薄膜支持体を
用いることにより、薄膜状支持体上の陽性コントロール
抗体が固定化されている部位まで、標識化抗体が到達し
ていることを確認することができる。特には、陽性コン
トロール抗体が、標準化合物よりも、展開方向に沿って
下流側に固定されている薄膜支持体を用いることによ
り、標識化抗体が、薄膜状支持体上の標準化合物が固定
化されている部位まで、標識化抗体が到達していること
を確認することができる。
【0043】抗原固定化非競合法(B2)において、標
準化合物及び陽性コントロール抗体が固定されている薄
膜支持体を用いる、本発明の分析方法の一態様の判定方
法を以下に説明する。なお、本態様においては、分析対
象化合物の予想量の範囲に応じて標識化特異的抗体の量
を調整することが好ましい。分析対象化合物が含まれて
いない被検試料、すなわち、分析対象化合物に関して陰
性である被検試料を分析すると、薄膜支持体における標
準化合物を固定化した領域(以下、分析対象化合物検出
ゾーンと称することがある)には、標識化した特異的抗
体が結合し、薄膜支持体における陽性コントロール抗体
を固定化した領域(以下、陽性コントロールゾーンと称
することがある)にも、標識化した特異的抗体が結合す
るので、分析対象化合物検出ゾーン及び陽性コントロー
ルゾーンの両方に標識体由来の信号が表われる。
【0044】一方、分析対象化合物が含まれている被検
試料、すなわち、分析対象化合物に関して陽性である被
検試料を分析すると、標識化特異的抗体と分析対象化合
物とが最初に反応し、標識化特異的抗体のすべてが、標
識化特異的抗体と分析対象化合物との免疫複合体を形成
するので、分析対象化合物検出ゾーンには、何も結合し
ない。また、陽性コントロールゾーンには、標識化特異
的抗体と分析対象化合物との免疫複合体が結合する。従
って、分析対象化合物検出ゾーンには、標識体由来の信
号が表われず、陽性コントロールゾーンには標識体由来
の信号が表われる。なお、陽性コントロールゾーンに標
識体由来の信号が表われない場合には、抗原抗体反応工
程及び/又は展開工程が正常に実施されていないものと
考えられるので、再試験が必要である。
【0045】この態様において、標識体として金コロイ
ド粒子を用いる場合の評価基準を表1に示す。標識体と
して金コロイド粒子を用いると、標識体由来の信号は、
分析対象化合物検出ゾーン及び/又は陽性コントロール
ゾーンに表われる発色を目視により評価することができ
る。
【0046】
【表1】
【0047】前記抗体固定化非競合法(A1)又は前記
サンドイッチ法(C1)若しくは(C2)では、薄膜状
支持体に、分析対象化合物に特異的に反応する抗体を予
め固定化しておくことに加えて、標識体(例えば、酵
素)に反応する陽性コントロール抗体(例えば、抗ペル
オキシダーゼ抗体、抗アルカリフォスファターゼ抗体な
ど)を、更に薄膜状支持体に固定化しておくことができ
る。展開方向に沿って所定の間隔をあけ、分析対象化合
物特異的抗体及び陽性コントロール抗体が固定されてい
る薄膜支持体を用いることにより、薄膜状支持体上の陽
性コントロール抗体が固定化されている部位まで、標識
化抗体が到達していることを確認することができる。特
には、陽性コントロール抗体が、分析対象化合物特異的
抗体よりも、展開方向に沿って下流側に固定されている
薄膜支持体を用いることにより、標識化抗体が、薄膜状
支持体上の分析対象化合物特異的抗体が固定化されてい
る部位まで、標識化抗体が到達していることを確認する
ことができる。
【0048】本発明方法において、特異的抗体又は標準
化合物を薄膜状支持体に固定する固定化剤として、公知
の固定化剤、例えば、カルボジイミド、塩化p−トルエ
ンスルホン酸、又はグルタルアルデヒドなどを挙げるこ
とができる。
【0049】本発明方法において、特異的抗体又は標準
化合物の標識体として、公知の標識体、例えば、放射性
同位体(例えば、32P、35S、若しくは 3H)、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、若しくはルシフェラーゼ)、タンパク質(例えば、
アビジン)、低分子化合物(例えば、ビオチン)、蛍光
物質(例えば、FITC)、化学発光物質(例えば、ア
クリジニウム)、ラテックス粒子(例えば、有機溶媒耐
性ラテックス粒子、着色ラテックス粒子、若しくは蛍光
ラテックス粒子)、金属(例えば、金、銀、若しくは白
金等の貴金属)コロイド粒子、又は炭素粒子などを用い
ることができる。
【0050】本発明方法においては、薄膜状支持体に固
定化した特異的抗体に結合した標識化標準化合物の標識
体に由来する信号、あるいは、薄膜状支持体に固定化し
た標準化合物に結合した標識化特異的抗体の標識体に由
来する信号を、標識体の種類に応じて、公知の方法を用
いて測定することができる。なお、信号を測定する際に
は、標識体を含む反応系を信号測定に好ましい条件に変
えることができる。例えば、標識体として酵素又はアビ
ジンを用いた場合には、反応系を水系に変えてから基質
を加え、酵素活性を測定することが好ましい。また、標
識体として蛍光物質(蛍光ラテックス粒子を含む)又は
化学発光物質を用いた場合には、消光が起こらない条件
で信号を測定する。着色ラテックス粒子、金属コロイド
粒子、又は炭素粒子等を用いた場合には、目視又は反射
光等で信号を測定することができる。
【0051】本発明方法において、標識体として金コロ
イド粒子を用いる場合には、標識化した特異的抗体とし
て、分析対象化合物に特異的な抗体のみをその表面上に
担持する金コロイド粒子を使用することが一般的である
が、分析対象化合物に特異的な抗体と、非特異的な抗体
とをその表面上に担持する金コロイド粒子を使用する
と、分析対象化合物に特異的な抗体と非特異的な抗体と
の量を変化させることにより測定感度を調整、すなわ
ち、測定感度を上げたり、下げたりすることができる。
また、本発明方法において、標準化合物を標識化する場
合には、標準化合物と標識体(例えば、酵素など)との
混合比率を変化させることにより測定感度を調整するこ
とができる。更に、本発明においては、分析対象化合物
に応じて適宜選択することのできるダミーの低分子化合
物を用いることにより、測定感度を調整することができ
る。例えば、分析対象化合物がオカダ酸(分子内にカル
ボキシル基を有する)である場合には、ダミーの低分子
化合物として、抗オカダ酸特異抗体と反応せず、しかも
分子内にカルボキシル基を有する化合物(例えば、脂肪
酸、アミノ酸、又は有機酸など)を用いることができ、
このダミー低分子化合物とオカダ酸との混合物を一定量
の標識体で標識化する際に、混合比率等を変化させるこ
とにより標識量を変化させることができ、従って、測定
感度を調整することができる。
【0052】本発明方法を実施することのできる、被検
試料中の分析対象化合物の分析キットとして、(a)イ
ムノクロマトグラフ用小片(固定化標準化合物及び固定
化ウサギポリクローナル抗マウスイムノグロブリン抗体
を含む)、(b)標識化した、分析対象化合物に特異的
なマウスモノクローナル抗体、及び(c)被検試料抽出
及び希釈用液(例えば、40%メタノール水溶液)から
なる分析キットを挙げることができる。前記イムノクロ
マトグラフ用小片(a)は、被検試料抽出及び希釈用液
に耐性の材料、例えば、ガラス繊維膜、ポリアミド膜、
ニトロセルロース膜、又は酢酸セルロース膜からなり、
その表面には、展開方向に沿って所定の間隔をあけて、
標準化合物及びウサギポリクローナル抗マウスイムノグ
ロブリン抗体が固定されている。
【0053】この分析キットを用いることにより、展開
工程として前記工程(B2−i)を適用する本発明方法
の一態様である抗原固定化非競合法(B2)を実施する
ことができる。前記分析キットは、場合により、(d)
被検試料抽出液採取用具(例えば、定量キャピラリ
ー)、及び(e)被検試料抽出液希釈用容器(例えば、
小試験管)を含むことができる。
【0054】本発明方法を実施することのできる分析キ
ットとして、下痢性貝毒成分であるオカダ酸の分析キッ
ト及びその分析工程の一態様を以下に示す。前記のオカ
ダ酸分析キットは、(a1 )オカダ酸測定用イムノクロ
マトグラフ用小片(固定化オカダ酸及び固定化ウサギポ
リクローナル抗マウスイムノグロブリン抗体を含む)、
(b1 )金コロイド粒子で標識化したマウスモノクロー
ナル抗オカダ酸抗体(例えば、凍結乾燥品)、(c1
被検試料抽出及び希釈用液(例えば、40%メタノール
水溶液)、(d1 )被検試料抽出液採取用具(例えば、
定量キャピラリー)、及び(e1 )被検試料抽出液希釈
用容器(例えば、小試験管)からなる。オカダ酸測定用
イムノクロマトグラフ用小片(a)は、被検試料抽出及
び希釈用液に耐性の材料からなり、その表面には、展開
方向に沿って所定の間隔をあけて、オカダ酸及びウサギ
ポリクローナル抗マウスイムノグロブリン抗体が固定さ
れている。
【0055】前記のオカダ酸分析キットを用いる被検試
料(例えば、食用二枚貝中腸腺)中に含まれるオカダ酸
の分析は、以下の手順で実施する。 (1)被検試料を被検試料抽出及び希釈用液(c)中に
浸し、均一になるまで粉砕する。 (2)遠心分離した後、検体抽出液採取用具(d)を用
いて、被検試料抽出液希釈用容器(e)の中に所定量の
上清を採取し、被検試料抽出及び希釈用液(c)で希釈
し、分析用抽出液とする。 (3)所定量の分析用抽出液(例えば、30μl)を取
り、標識化マウスモノクローナル抗オカダ酸抗体(b)
に加え、均一になるまで混和した後、所定時間(例え
ば、60分間)反応させる。 (4)反応混合物に、オカダ酸測定用イムノクロマトグ
ラフ用小片(a)の先端を浸し、所定時間(例えば、5
分間)静置した後、表1に示す基準に従ってオカダ酸の
有無を判定する。
【0056】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:オカダ酸のイムノクロマトグラフ法用メンブ
レンの調製 イムノクロマトグラフ用の薄膜状支持体として、6mm
×35mmのサイズに切断したナイロン66メンブレン
(Immunodyne ABC;孔径3μm又は5μ
m;Pole製)を使用した。このメンブレンの一端か
ら、23mmの位置に陽性コントロール抗体としてウサ
ギ抗マウスイムノグロブリン抗体(ダコ社製)溶液(濃
度1mg/ml)を、15mmの位置にエチレンジアミ
ン溶液(濃度10mg/ml)を各々0.5μlずつ塗
布し、室温で1時間乾燥させた後、37℃で30分間静
置した。このメンブレンを0.5%モノエタノールアミ
ン水溶液に浸し、室温下で30分間振盪した後、孔径
0.45μmのフィルターで濾過した蒸留水で4回洗浄
し、風乾した。
【0057】オカダ酸(和光純薬製;以下、OAと称す
る)50μg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミド塩酸塩(以下、EDCと称
する)238μg、及びN−ヒドロキシスクシニミド7
1.5μgを、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、
DMFと称する)100μlに溶解し、室温下で1時間
反応させた後、その反応液0.5μlを、前記メンブレ
ン上のエチレンジアミン溶液を塗布した位置に、重ねて
塗布した。室温で1時間、更に37℃で10分間反応さ
せた後、メンブレンを0.5%モノエタノールアミン溶
液に浸し、室温で30分間振盪した。メンブレンを0.
5%カゼイン(ハマーステングレード;Merck製)
の0.1Mマレイン酸緩衝液(pH7.5)溶液(孔径
0.45μmのフィルターで濾過して調製)に浸し、室
温で30分間振盪した。メンブレンをリン酸塩緩衝生理
食塩液(pH7.4;孔径0.45μmのフィルターで
濾過して調製)で2回、蒸留水(孔径0.45μmのフ
ィルターで濾過して調製)で3回洗浄し、風乾した後、
シリカゲルデシケーター内に保存し、OAのイムノクロ
マトグラフ法用メンブレン(以下、OA用メンブレンと
称する)とした。
【0058】実施例2:金コロイド粒子標識抗オカダ酸
抗体の調製 金コロイド液(粒径10nm;Amersham製)4
0ml、及びマウスモノクローナル抗OA抗体(オカダ
酸を免疫原とし、公知の手段によって得た、オカダ酸に
特異的に反応するモノクローナル抗体;IgG1 −κ;
以下、抗OA抗体と称する)溶液(濃度1mg/ml)
10mlを、それぞれ、2mM−Na24 7 緩衝液
(pH9.0;以下、Borax緩衝液と称する)30
00mlで4℃で一夜透析した。抗OA抗体溶液につい
ては、前記透析後に、100,000×gで1時間遠心
分離することにより上清を分離し、その上清を、Bor
ax緩衝液の上清(100,000×gで1時間遠心分
離することにより調製)で240μg/mlとなるよう
に希釈した。
【0059】希釈した抗OA抗体4.0mlを、透析し
た金コロイド液40mlに加え、室温下で2分間攪拌し
た。10%牛血清アルブミン(以下、BSAと称する)
溶液(pH9.0;孔径0.45μmのフィルターで濾
過して調製)4.9mlを加えて攪拌した後、2〜8℃
で30分間遠心分離(45,000×g)し、上清を除
去した。1%BSA及び150mM−NaClを含む2
0mMトリス緩衝液(pH8.0;孔径0.45μmの
フィルターで濾過して調製;以下、BSA−Tris緩
衝液と称する)40mlを加えて攪拌した後、2〜8℃
で30分間遠心分離(45,000×g)し、上清を除
去した。更に、BSA−Tris緩衝液40mlを加え
て攪拌した後、2〜8℃で30分間遠心分離(45,0
00×g)し、上清を除去した。
【0060】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈し、OAのイムノクロマトグラフ法用金コロ
イド粒子標識抗OA抗体懸濁液1(以下、金コロイド抗
OA抗体1と称する)とした。金コロイド抗OA抗体1
の50μlを容量1.5mlの小遠心管に分注し、減圧
遠心乾燥した後、シリカゲルデシケーター内に保存し
た。
【0061】実施例3:プロスタグランジンE2 のイム
ノクロマトグラフ法用メンブレンの調製 陽性コントロール抗体として、ウサギ抗マウスイムノグ
ロブリン抗体溶液の代わりに、ヤギ抗ウサギIgG抗体
溶液(カッペル社製)を用いること、及びOA50μ
g、EDC238μg、及びN−ヒドロキシスクシニミ
ド71.5μgをDMF100μlに溶解する代わり
に、プロスタグランジンE2 (Sigma製;以下、P
GE2 と称する)50μg、EDC136μg、及びN
−ヒドキシスクシニミド32.7μgをDMF100μ
lに溶解すること以外は、実施例1に記載の手順を繰り
返すことにより、PGE2 のイムノクロマトグラフ法用
メンブレン(以下、PGE2 用メンブレンと称する)を
調製した。
【0062】実施例4:金コロイド粒子標識抗プロスタ
グランジンE2 抗体の調製 一方、金コロイド液(粒径10nm)10ml、及びウ
サギポリクローナル抗PGE2 抗体(PerSepti
ve Diagnostics製;以下、抗PGE2
体と称する)溶液(濃度1mg/ml)1mlを、それ
ぞれ、Borax緩衝液3000mlで4℃で一夜透析
した。抗PGE2 抗体溶液は、前記透析後に、100,
000×gで1時間遠心分離した後、その上清をBor
ax緩衝液の上清(100,000×gで1時間遠心分
離することにより調製)で150μg/mlとなるよう
希釈した。
【0063】希釈した抗PGE2 抗体1.0mlを、透
析した金コロイド液10mlに加え、室温下で2分間攪
拌した。10%BSA溶液1.2mlを加えて攪拌した
後、2〜8℃で30分間遠心分離(45,000×g)
し、上清を除去した。BSA−Tris緩衝液10ml
を加えて攪拌した後、2〜8℃で30分間遠心分離(4
5,000×g)し、上清を除去した。更に、BSA−
Tris緩衝液10mlを加えて攪拌した後、2〜8℃
で30分間遠心分離(45,000×g)し、上清を除
去した。
【0064】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈して、PGE2 のイムノクロマトグラフ法用
金コロイド粒子標識抗PGE2 抗体懸濁液1(以下、金
コロイド抗PGE2 抗体1と称する)とした。金コロイ
ド抗PGE2 抗体1の50μlを容量1.5mlの小遠
心管に分注し、減圧遠心乾燥した後、シリカゲルデシケ
ーター内に保存した。
【0065】実施例5:テストステロンのイムノクロマ
トグラフ法用メンブレンの調製 陽性コントロール抗体として、ウサギ抗マウスイムノグ
ロブリン抗体溶液の代わりに、ヤギ抗ウサギIgG抗体
溶液(カッペル社製)を用いること、及びOA50μ
g、EDC238μg、及びN−ヒドロキシスクシニミ
ド71.5μgをDMF100μlに溶解する代わり
に、テストステロン(ナカライテスク製;以下、TSと
称する)50μg、及び塩化p−トルエンスルホニル1
65μgを、DMF100μlに溶解すること以外は、
実施例1に記載の手順を繰り返すことにより、TSのイ
ムノクロマトグラフ法用メンブレン(以下、TS用メン
ブレンと称する)を調製した。
【0066】実施例6:金コロイド粒子標識抗テストス
テロン抗体の調製 金コロイド液(粒径10nm)10ml、及びウサギポ
リクローナル抗TS抗体(Biostride,In
c.製;以下、抗TS抗体と称する)溶液(濃度1mg
/ml)1mlを、それぞれ、Borax緩衝液300
0mlで4℃で一夜透析した。抗PGE2 抗体溶液は、
前記透析後に、100,000×gで1時間遠心分離し
た後、その上清をBorax緩衝液の上清(100,0
00×gで1時間遠心分離することにより調製)で18
0μg/mlとなるよう希釈した。
【0067】希釈した抗TS抗体1.0mlを、透析し
た金コロイド液10mlに加え、室温下で2分間攪拌し
た。10%BSA溶液1.2mlを加えて攪拌した後、
2〜8℃で30分間遠心分離(45,000×g)し、
上清を除去した。BSA−Tris緩衝液10mlを加
えて攪拌した後、2〜8℃で30分間遠心分離(45,
000×g)し、上清を除去した。更に、BSA−Tr
is緩衝液10mlを加えて攪拌した後、2〜8℃で3
0分間遠心分離(45,000×g)し、上清を除去し
た。
【0068】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈して、TSのイムノクロマトグラフ法用金コ
ロイド粒子標識抗TS抗体懸濁液1(以下、金コロイド
抗TS抗体1と称する)とした。金コロイド抗TS抗体
1の50μlを容量1.5mlの小遠心管に分注し、減
圧遠心乾燥した後、シリカゲルデシケーター内に保存し
た。
【0069】実施例7:オカダ酸のイムノクロマトグラ
ム法における有機溶媒の影響の検討(1) 各種水混和性有機溶媒、すなわち、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、アセトン、DMF、及びジオ
キサンに関して、OA用メンブレン中における金コロイ
ド抗OA抗体1の展開能、及びメンブレンに固相化した
OAに対する金コロイド抗OA抗体1の結合能に及ぼす
影響を、以下に示すようにして検討した。前記実施例1
で調製したOA用メンブレンを、アクリル樹脂製支持体
(10×50mm)に貼付した後、その一端に吸水パッ
ド(Loprosorb;Pole製;6mm×10m
m)を貼付した。一方、実施例2で調製した、減圧遠心
乾燥した金コロイド抗OA抗体1を含む小遠心管に、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、
DMF、及びジオキサンの0%、10%、20%、30
%、40%、及び50%水溶液を、それぞれ50μlの
量で添加し、均一になるまで攪拌し、金コロイド抗OA
抗体1を再懸濁させた。直ちに、各々の金コロイド懸濁
液30μlを、OA用メンブレンの一端に貼付した前記
吸水パッド上に滴下し、室温かつ飽和水蒸気圧条件下に
5分間静置することにより、展開した。結果を表2に示
す。
【0070】以下の表2〜表7において、「可能」と
は、金コロイド標識抗体が陽性コントロールゾーンまで
展開し、固定化標準化合物及び陽性コントロール抗体
と、金コロイド標識抗体とが結合することを意味する。
また、「展開困難」とは、金コロイド標識抗体がわずか
に凝集し、陽性コントロールゾーンまでの展開が不完全
であることを意味し、「展開不能」とは、吸収パッド上
で金コロイド標識抗体が凝集し、全く展開しないことを
意味する。更に、「結合困難」とは、金コロイド標識抗
体は展開するが、金コロイド標識抗体が固定化標準化合
物と結合しにくいことを意味し、「結合不能」とは、金
コロイド標識抗体は展開するが、金コロイド標識抗体が
固定化標準化合物と結合しないことを意味する。
【0071】
【表2】
【0072】金コロイド抗OA抗体1の展開能及び結合
能に及ぼす各々の水混和性有機溶媒の影響は、その濃度
が高くなるに従って大きくなり、高濃度において、金コ
ロイドの凝集による展開困難若しくは展開不能、又は抗
体の失活による結合困難若しくは結合不能が発生した。
しかし、金コロイド抗OA抗体1は、0〜40%メタノ
ール、0〜40%エタノール、0〜40%イソプロパノ
ール、0〜40%アセトン、0〜30%DMF、及び0
〜30%ジオキサンの水溶液中で、その展開能、及び結
合能を十分に保持し、イムノクロマトグラフ法による測
定が可能であった。
【0073】実施例8:プロスタグランジンE2 のイム
ノクロマトグラム法における有機溶媒の影響の検討
(1) OA用メンブレンの代わりに、実施例3で調製したPG
2 用メンブレンを使用すること、及び金コロイド抗O
A抗体1を含む小遠心管の代わりに、実施例4で調製し
た金コロイド抗PGE2 抗体1を含む小遠心管を使用す
ること以外は、実施例7に記載の手順を繰り返した。結
果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】金コロイド抗PGE2 抗体1の展開能及び
結合能に及ぼす各々の水混和性有機溶媒の影響は、その
濃度が高くなるに従って大きくなり、高濃度において、
金コロイドの凝集による展開困難若しくは展開不能、又
は抗体の失活による結合困難若しくは結合不能が発生し
た。しかし、金コロイド抗PGE2 抗体1は、0〜40
%メタノール、0〜40%エタノール、0〜40%イソ
プロパノール、0〜40%アセトン、0〜30%DM
F、及び0〜30%ジオキサンの水溶液中で、その展開
能、及び結合能を十分に保持し、イムノクロマトグラフ
法による測定が可能であった。
【0076】実施例9:テストステロンのイムノクロマ
トグラム法における有機溶媒の影響の検討(1) OA用メンブレンの代わりに、実施例5で調製したTS
用メンブレンを使用すること、及び金コロイド抗OA抗
体1を含む小遠心管の代わりに、実施例6で調製した金
コロイド抗TS抗体1を含む小遠心管を使用すること以
外は、実施例7に記載の手順を繰り返した。結果を表4
に示す。
【0077】
【表4】
【0078】金コロイド抗TS抗体1の展開能及び結合
能に及ぼす各々の水混和性有機溶媒の影響は、その濃度
が高くなるに従って大きくなり、高濃度において、金コ
ロイドの凝集による展開困難若しくは展開不能、又は抗
体の失活による結合困難若しくは結合不能が発生した。
しかし、金コロイド抗TS抗体1は、0〜40%メタノ
ール、0〜40%エタノール、0〜40%イソプロパノ
ール、0〜40%アセトン、0〜30%DMF、及び0
〜30%ジオキサンの水溶液中で、その展開能、及び結
合能を十分に保持し、イムノクロマトグラフ法による測
定が可能であった。
【0079】実施例10:オカダ酸のイムノクロマトグ
ラム法における有機溶媒の影響の検討(2) 40%メタノール、40%エタノール、40%イソプロ
パノール、40%アセトン、30%DMF、及び30%
ジオキサン中における、金コロイド抗OA抗体1の安定
性を、以下に示す方法によって検討した。前記実施例1
で調製したOA用メンブレンを、アクリル樹脂製支持体
(10×50mm)に貼付した後、その一端に吸水パッ
ド(Loprosorb;Pole製;6mm×10m
m)を貼付した。
【0080】一方、実施例2で調製した、減圧遠心乾燥
した金コロイド抗OA抗体1を含む小遠心管6本に、4
0%メタノールの各水溶液を、それぞれ50μlの量で
添加し、均一になるまで攪拌し、金コロイド抗OA抗体
1を再懸濁させた。直ちに、6本の小遠心管の内、第1
の小遠心管から、金コロイド懸濁液30μlを、OA用
メンブレンの一端に貼付した前記吸水パッド上に滴下
し、室温かつ飽和水蒸気圧条件下に5分間静置すること
により、展開した。同様にして、前記再懸濁の操作から
10分後、20分後、30分後、45分後、そして60
分後に、第2、第3、第4、第5、及び第6の小遠心管
から金コロイド懸濁液30μlを、OA用メンブレンの
一端に貼付した前記吸水パッド上に滴下し、室温かつ飽
和水蒸気圧条件下に5分間静置することにより、展開し
た。
【0081】40%エタノール、40%イソプロパノー
ル、40%アセトン、30%DMF、及び30%ジオキ
サン中における、金コロイド抗OA抗体1の安定性につ
いても、40%メタノール水溶液の代わりに、40%エ
タノール、40%イソプロパノール、40%アセトン、
30%DMF、及び30%ジオキサンの各水溶液を用い
て、前記操作を繰り返した。結果を表5に示す。前記の
いずれの溶液中で60分間反応させても、金コロイド抗
OA抗体1は安定であった。
【0082】
【表5】
【0083】実施例11:プロスタグランジンE2 のイ
ムノクロマトグラム法における有機溶媒の影響の検討
(2) OA用メンブレンの代わりに、実施例3で調製したPG
2 用メンブレンを使用すること、及び金コロイド抗O
A抗体1を含む小遠心管の代わりに、実施例4で調製し
た金コロイド抗PGE2 抗体1を含む小遠心管を使用す
ること以外は、実施例10に記載の手順を繰り返した。
結果を表6に示す。前記のいずれの溶液中で30分間反
応させても、金コロイド抗PGE2 抗体1は安定であっ
た。
【0084】
【表6】
【0085】実施例12:テストステロンのイムノクロ
マトグラム法における有機溶媒の影響の検討(2) OA用メンブレンの代わりに、実施例5で調製したTS
用メンブレンを使用すること、及び金コロイド抗OA抗
体1を含む小遠心管の代わりに、実施例6で調製した金
コロイド抗TS抗体1を含む小遠心管を使用すること以
外は、実施例10に記載の手順を繰り返した。結果を表
7に示す。前記のいずれの溶液中で30分間反応させて
も、金コロイド抗TS抗体1は安定であった。
【0086】
【表7】
【0087】実施例13:イムノクロマトグラム法によ
るオカダ酸の測定 前記実施例1で調製したOA用メンブレンを、アクリル
樹脂製支持体(10×50mm)に貼付した後、その一
端に吸水パッド(6mm×10mm)を貼付した。一
方、40%メタノール、40%エタノール、40%イソ
プロパノール、40%アセトン、30%DMF、及び3
0%ジオキサンの各水溶液にオカダ酸を各種濃度で溶解
して調製したOA標準溶液50μlを、実施例2で調製
した、減圧遠心乾燥した金コロイド抗OA抗体1を含む
小遠心管に添加し、均一になるまで攪拌した後、室温で
1時間静置した。この反応混合物30μlを、OA用メ
ンブレンの一端に貼付した前記吸水パッド上に滴下し、
室温にて、飽和水蒸気圧条件下に5分間静置した。
【0088】OAメンブレン上における分析対象化合物
検出ゾーン[すなわち、OAを塗布(固相化)した領
域]及び陽性コントロールゾーン(すなわち、陽性コン
トロール抗体を塗布した領域)において、金コロイド抗
OA抗体1の捕獲の程度により生じる赤紫色〜紫色の着
色の状態から、表1に示す基準に従って、OA有無の判
定が可能か否かを評価した。結果を表8に示す。表8、
及び後述する表9〜13において、「+」は陽性である
ことを示し、「−」は陰性であることを示し、「±」は
擬陽性、すなわち、分析対象化合物検出ゾーンがわずか
に着色することを示す。なお、擬陽性とは、試料中の分
析対象化合物量が充分な場合には、金コロイド標識抗体
はすべて分析対象化合物と反応するので、薄膜状支持体
上の固相化標準化合物と反応(結合)しないが、試料中
の分析対象化合物量が少ない場合には、金コロイド標識
抗体と結合しない未反応の金コロイド標識物質が少量残
存するため、この残存する金コロイド標識物質が固相化
標準化合物と反応することによって生じる現象である。
OAは、40%アセトン及び30%DMF中では50n
g/ml、40%メタノール、40%エタノール、及び
30%ジオキサン中では100ng/ml、40%イソ
プロパノール中では200ng/mlの濃度まで検出可
能であった。
【0089】
【表8】
【0090】実施例14:イムノクロマトグラム法によ
るプロスタグランジンE2 の測定 OA標準溶液の代わりにPGE2 標準溶液(実施例13
に記載のOA標準溶液の調製方法に従って、オカダ酸の
代わりにプロスタグランジンE2 を用いて調製)を使用
すること、OA用メンブレンの代わりに、実施例3で調
製したPGE2用メンブレンを使用すること、及び金コ
ロイド抗OA抗体1を含む小遠心管の代わりに、実施例
4で調製した金コロイド抗PGE2 抗体1を含む小遠心
管を使用すること、並びに吸水パッド上に滴下する前に
反応混合物を1時間静置する代わりに、30分間静置す
ること以外は、実施例13に記載の手順を繰り返した。
結果を表9に示す。PGE2 は、前記の各水溶液中で1
μg/mlの濃度まで検出可能であった。
【0091】
【表9】
【0092】実施例15:イムノクロマトグラム法によ
るテストステロンの測定 OA標準溶液の代わりにTS標準溶液(実施例13に記
載のOA標準溶液の調製方法に従って、オカダ酸の代わ
りにテストステロンを用いて調製)を使用すること、O
A用メンブレンの代わりに、実施例5で調製したTS用
メンブレンを使用すること、及び金コロイド抗OA抗体
1を含む小遠心管の代わりに、実施例6で調製した金コ
ロイド抗TS抗体1を含む小遠心管を使用すること、並
びに吸水パッド上に滴下する前に反応混合物を1時間静
置する代わりに、30分間静置すること以外は、実施例
13に記載の手順を繰り返した。結果を表10に示す。
TSは、前記の各水溶液中で1μg/mlの濃度まで検
出可能であった。
【0093】
【表10】
【0094】実施例16:金コロイド粒子標識抗オカダ
酸抗体の調製 実施例2に記載の金コロイド液(粒径10nm)40m
l、及び実施例2に記載の抗OA抗体と、非特異的マウ
スIgG(ケミコン社製)との混合溶液(抗OA抗体終
濃度=0.1mg/ml,非特異的マウスIgG終濃度
=0.9mg/ml,全抗体終濃度=1.0mg/m
l;以下、抗OA混合抗体溶液と称する)10mlを、
それぞれ、Borax緩衝液3000mlで4℃で一夜
透析した。前記抗OA混合抗体溶液については、10
0,000×gで1時間遠心分離した後に、その上清
を、Borax緩衝液の上清(100,000×gで1
時間遠心分離することにより調製)で、総濃度240μ
g/mlとなるように希釈した。
【0095】希釈した抗OA混合抗体溶液4.0ml
を、透析した金コロイド液40mlに加え、室温下で2
分間攪拌した。10%BSA溶液(pH9.0;孔径
0.45μmのフィルターで濾過して調製)4.9ml
を加えて攪拌した後、2〜8℃で、45,000×gで
30分間遠心分離し、上清を除去した。BSA−Tri
s緩衝液40mlを加えて攪拌した後、2〜8℃で、4
5,000×gで30分間遠心分離し、上清を除去し
た。更に、BSA−Tris緩衝液40mlを加えて攪
拌した後、2〜8℃で、45,000×gで30分間遠
心分離し、上清を除去した。
【0096】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈して、OAのイムノクロマトグラフ法用金コ
ロイド粒子標識OA用混合抗体懸濁液2(以下、OA用
金コロイド混合抗体2と称する)とした。OA用金コロ
イド混合抗体2の50μlを容量1.5mlの小遠心管
に分注し、減圧遠心乾燥した後、シリカゲルデシケータ
ー内に保存した。
【0097】実施例17:金コロイド粒子標識抗プロス
タグランジンE2 抗体の調製 金コロイド液(粒径10nm)10ml、及び実施例4
に記載の抗PGE2 抗体と、非特異的ウサギIgG(カ
ッペル社製)との混合溶液(抗PGE2 抗体終濃度=
0.1mg/ml,非特異的ウサギIgG終濃度=0.
9mg/ml,全抗体終濃度=1.0mg/ml;以
下、抗PGE2 混合抗体溶液と称する)1mlを、それ
ぞれ、Borax緩衝液3000mlで4℃で一夜透析
した。前記抗PGE2 混合抗体溶液については、10
0,000×gで1時間遠心分離した後に、その上清
を、Borax緩衝液の上清(100,000×gで1
時間遠心分離して調製)で、総濃度150μg/mlと
なるように希釈した。
【0098】希釈した抗PGE2 混合抗体溶液1.0m
lを、透析した金コロイド液10mlに加え、室温で2
分間攪拌した。10%BSA溶液1.2mlを加えて攪
拌した後、2〜8℃で、45,000×gで30分間遠
心分離し、上清を除去した。BSA−Tris緩衝液1
0mlを加えて攪拌した後、2〜8℃で、45,000
×gで30分間遠心分離し、上清を除去した。更に、B
SA−Tris緩衝液10mlを加えて攪拌した後に、
2〜8℃で、45,000×gで30分間遠心分離し、
上清を除去した。
【0099】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈して、PGE2 のイムノクロマトグラフ法用
金コロイド粒子標識PGE2 用混合抗体懸濁液2(以
下、PGE2 用金コロイド混合抗体2と称する)とし
た。PGE2 用金コロイド混合抗体2の50μlを容量
1.5mlの小遠心管に分注し、減圧遠心乾燥した後、
シリカゲルデシケーター内に保存した。
【0100】実施例18:金コロイド粒子標識抗テスト
ステロン抗体の調製 金コロイド液(粒径10nm)10ml、及び実施例6
に記載の抗TS抗体と非特異的ウサギIgG(カッペル
社製)との混合溶液(抗TS抗体終濃度=0.1mg/
ml,非特異的ウサギIgG=終濃度0.9mg/m
l,全抗体終濃度=1.0mg/ml;以下、抗TS混
合抗体溶液と称する)1mlを、それぞれ、Borax
緩衝液3000mlで4℃で一夜透析した。前記抗TS
混合抗体溶液については、100,000×gで1時間
遠心分離した後に、その上清を、Borax緩衝液の上
清(100,000×gで1時間遠心分離して調製)
で、総濃度180μg/mlとなるように希釈した。
【0101】希釈した抗TS混合抗体溶液1.0ml
を、透析した金コロイド液10mlに加え、室温で2分
間攪拌した。10%BSA溶液1.2mlを加えて攪拌
した後、2〜8℃で、45,000×gで30分間遠心
分離し、上清を除去した。BSA−Tris緩衝液10
mlを加えて攪拌した後、2〜8℃で、45,000×
gで30分間遠心分離し、上清を除去した。更に、BS
A−Tris緩衝液10mlを加えて攪拌した後、2〜
8℃で、45,000×gで30分間遠心分離し、上清
を除去した。
【0102】沈殿した金コロイド粒子を、波長520n
mの吸光度が2.0となるように、BSA−Tris緩
衝液で希釈して、TSのイムノクロマトグラフ法用金コ
ロイド粒子標識TS用混合抗体懸濁液2(以下、TS用
金コロイド混合抗体2と称する)とした。TS用金コロ
イド混合抗体2の50μlを容量1.5mlの小遠心管
に分注し、減圧遠心乾燥した後、シリカゲルデシケータ
ー内に保存した。
【0103】実施例19:OA用金コロイド混合抗体2
を用いるイムノクロマトグラム法によるオカダ酸の測定 減圧遠心乾燥した金コロイド抗OA抗体1を含む小遠心
管の代わりに、実施例16で調製した減圧遠心乾燥した
OA用金コロイド混合抗体2を含む小遠心管を用いるこ
と以外は、実施例13に記載の手順を繰り返した。その
結果を、表8の結果(すなわち、金コロイド抗OA抗体
1を使用した場合の結果)と併せて、表11に示す。な
お、表11において、「金コロイド」欄に示す「1」
は、金コロイド抗OA抗体1を意味し、同欄に示す
「2」は、OA用金コロイド混合抗体2を意味する。金
コロイド2を用いることにより、金コロイド1を用いた
場合と比較して、40%アセトン、及び30%DMF中
では測定感度が50ng/mlから10ng/mlに、
40%メタノール、40%エタノール、40%イソプロ
パノール、及び30%ジオキサン中では100ng/m
lから20ng/mlに向上した。従って、測定対象物
と反応させる特異抗体量を変化させることにより、測定
感度を調整することが可能である。
【0104】
【表11】
【0105】実施例20:PGE2 用金コロイド混合抗
体2を用いるイムノクロマトグラム法によるプロスタグ
ランジンE2 の測定 減圧遠心乾燥した金コロイド抗PGE2 抗体1を含む小
遠心管の代わりに、実施例17で調製した減圧遠心乾燥
したPGE2 用金コロイド混合抗体2を含む小遠心管を
用いること以外は、実施例14に記載の手順を繰り返し
た。その結果を、表9の結果(すなわち、金コロイド抗
PGE2 抗体1を使用した場合の結果)と併せて、表1
2に示す。なお、表12において、「金コロイド」欄に
示す「1」は、金コロイド抗PGE2 抗体1を意味し、
同欄に示す「2」は、PGE2 用金コロイド混合抗体2
を意味する。金コロイド2を用いることにより、金コロ
イド1を用いた場合と比較して、前記水溶液中で測定感
度が1μg/mlから100ng/mlに向上した。従
って、測定対象物と反応させる特異抗体量を変化させる
ことにより、測定感度を調整することが可能である。
【0106】
【表12】
【0107】実施例21:TS用金コロイド混合抗体2
を用いるイムノクロマトグラム法によるテストステロン
の測定 減圧遠心乾燥した金コロイド抗TS抗体1を含む小遠心
管の代わりに、実施例18で調製した減圧遠心乾燥した
TS用金コロイド混合抗体2を含む小遠心管を用いるこ
と以外は、実施例15に記載の手順を繰り返した。その
結果を、表10の結果(すなわち、金コロイド抗TS抗
体1を使用した場合の結果)と併せて、表13に示す。
なお、表12において、「金コロイド」欄に示す「1」
は、金コロイド抗TS抗体1を意味し、同欄に示す
「2」は、TS用金コロイド混合抗体2を意味する。金
コロイド2を用いることにより、金コロイド1を用いた
場合と比較して、前記水溶液中で測定感度が1μg/m
lから100ng/mlに向上した。従って、測定対象
物と反応させる特異抗体量を変化させることにより、測
定感度を調整することが可能である。
【0108】
【表13】
【0109】
【発明の効果】本発明を用いることにより、被検試料中
に含まれる水難溶性化合物を、免疫学的に迅速かつ特異
的に分析することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検試料を処理することにより得られる
    分析用抽出液を薄膜状支持体上で展開する工程を、有機
    溶媒の存在下で実施すること、及び前記分析用抽出物中
    の分析対象化合物と、それに特異的に反応する抗体と
    の、薄膜状支持体上における抗原抗体反応工程を有機溶
    媒の存在下で実施することを特徴とする、イムノクロマ
    トグラフ法。
JP16187797A 1997-06-04 1997-06-04 イムノクロマトグラフ法 Pending JPH10332699A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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