JPH1068730A - イムノクロマト法用試験用具 - Google Patents

イムノクロマト法用試験用具

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JPH1068730A
JPH1068730A JP24408596A JP24408596A JPH1068730A JP H1068730 A JPH1068730 A JP H1068730A JP 24408596 A JP24408596 A JP 24408596A JP 24408596 A JP24408596 A JP 24408596A JP H1068730 A JPH1068730 A JP H1068730A
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JP
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avidin
biotin
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substance
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JP24408596A
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Jun Suzuoki
置 純 鈴
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Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】液体試料中の測定対象物質を高感度に精度良く
測定し得るイムノクロマト法用試験用具及びこれを用い
た測定方法の提供。 【解決手段】(a)毛管現象により移動可能なように保持
された、アビジン又はビオチンの何れかと結合した測定
対象物質に特異的な第1抗体を含む第1部分3と、(b)
視覚的に検知し得るシグナルが得られるマーカーで標識
された、第1抗体に結合したアビジン又はビオチンとア
ビジン・ビオチン複合体を形成し得るものを含む第2部
分4と、(c)測定対象物質に特異的で、第1抗体と認識
部位が異なった第2抗体が固定化されている部位を有す
る第3部分5とを具備し、(d)当該第1部分と第2部分
及び第2部分と第3部分が、相互間に毛管現象が生じる
ように連結された、イムノクロマト法用試験用具、及び
これを用いた測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料中の測定対象
物質量を測定するためのイムノクロマト法用試験用具及
びそれに用いた測定方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】毛管現象を利用するクロマ
トグラフィーの手法と免疫学的手法とを組み合わせた測
定方法、所謂イムノクロマト法(イムノフロー法)は、
簡便で、特別な装置を用いることなく判定を容易に且つ
短時間で測定できる方法として、殊に優れた半定量分析
法として広く利用されている測定方法である。
【0003】イムノクロマト法の基本原理は、測定対象
物質を含有する液体試料を、マーカーにより標識された
抗体を含有させた部位に供して反応させ、生じた測定対
象物質とマーカー標識抗体との複合物を毛管現象によ
り、測定対象物質に特異的に結合する抗体が固定化され
ている第2部分に移動させて、当該第2部分に固定化抗
体−測定対象物質−マーカー標識抗体の所謂サンドイッ
チ型免疫複合体を形成させ、固定化されたマーカーに由
来する発色に基づいて測定対象物質量を測定するという
ものである。
【0004】例えば特公平7ー13640号公報には、同一平
面上に存在し互いに毛管現象が生じるように連結され
た、a)その中に移動可能なように保持された小胞マーカ
ーにより標識された測定対象物質に特異的な抗体(トレ
ーサー)を含み且つ試料添加部位である第1部分及び、
b)その中に測定対象物質に特異的に結合する抗体が固定
化されている第2部分を有するイムノクロマト法用試験
用具、及びこれを用いた測定対象物質の測定方法が開示
されている。
【0005】また、国際公開第WO84/04171号公報には、
イムノクロマト法用試験用具の一部分に測定対象物質に
対する抗体を予め固定化させるために、アビジン−ビオ
チン反応を利用した方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においては、測定対象物質を検出するためのマー
カーが標識された抗体は、通常、マーカー粒子(金コロ
イド、着色ラテックス等)に対して抗体分子が複数個結
合した構造となっているため、マーカー標識抗体の抗体
として、測定対象物質の認識部位が測定対象物質中に通
常1つしかないモノクロ−ナル抗体等を用いた場合に
は、固定化抗体−測定対象物質−マーカー標識抗体から
なる所謂サンドイッチ型免疫複合体中のマーカー粒子
は、測定対象物質1個に対して最大1個にしかなり得な
いため必ずしも充分な感度が得られない、という問題点
があった。
【0007】一般に、イムノクロマト法は、短時間(多
くの場合10分以内)で測定を完了させる必要のある測定
方法であるため、上記の如き問題点を有する方法では測
定精度の低下や検出感度の低下を招く場合が多々あっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した如き
状況に鑑み成されたもので、(a)毛管現象により移動可
能なように保持された、アビジン又はビオチンの何れか
と結合した測定対象物質に特異的な第1抗体を含む第1
部分と、(b)視覚的に検知し得るシグナルが得られるマ
ーカーで標識された、第1抗体に結合したアビジン又は
ビオチンとアビジン・ビオチン複合体を形成し得るもの
を含む第2部分と、(c)測定対象物質に特異的で、第1
抗体と認識部位が異なった第2抗体が固定化されている
部位を有する第3部分とを具備し、(d)当該第1部分と
第2部分及び第2部分と第3部分が、相互間に毛管現象
が生じるように連結された、イムノクロマト法用試験用
具、の発明である。
【0009】また、本発明は、1)アビジン又はビオチ
ンと結合した測定対象物質に特異的な第1抗体を毛管現
象により移動可能なように保持した第1部分に液体試料
を供して液相中で反応を開始させ、2)反応生成物を毛
管現象により、視覚的に検知し得るシグナルが得られる
マーカーで標識された、第1抗体に結合したアビジン又
はビオチンとアビジン・ビオチン複合体を形成し得るも
のを毛管現象により移動可能なように保持した第2部分
に運ばせ、3)形成したマーカー結合反応生成物を毛管
現象により測定対象物質に特異的で、第1抗体と認識部
位が異なった第2抗体が固定化されている部位を有する
第3部分に運ばせ、4)該第3部分の第2抗体固定化部
位に捕捉された反応生成物中のマーカーに由来する発色
の程度に基づいて、該液体試料中の測定対象物質量を測
定する方法、の発明である。
【0010】即ち、本発明者は、従来のイムノクロマト
法用試験用具に於ける問題点、即ち測定対象物質に対す
るマーカーの結合量が少ないために、測定精度の低下や
検出感度の低下を招く、という問題を解決したイムノク
ロマト法用試験用具を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、測定対象物質と、アビジン(又はビオチン)と結合
した測定対象物質に特異的な第1抗体(以下、アビジン
(又はビオチン)結合第1抗体と略記する。)とを第1
部分の液相中で反応させて、先ず、[アビジン(又はビ
オチン)結合第1抗体−測定対象物質免疫複合体](即
ち、反応生成物)を液相中で形成させ、次いでこれを、
視覚的に検知し得るシグナルが得られるマーカーで標識
された、第1抗体に結合したアビジン(又はビオチン)
とアビジン・ビオチン複合体を形成し得るもの(以下、
マーカー標識ビオチン(又はアビジン)と略記する。)
を含む第2部分に毛管現象で運ばせ、[マーカー標識ビ
オチン(又はアビジン)−アビジン(又はビオチン)結
合第1抗体−測定対象物質免疫複合体](即ち、マーカ
ー結合反応生成物)を形成させ、更にこれを、第1抗体
と認識部位の異なった第2抗体固定化部(判定部)を有
する第3部分に毛管現象により運ばせ、サンドイッチ型
免疫複合体を判定部に形成させ、結果的に判定部に形成
された当該サンドイッチ型免疫複合体中のビオチン(又
はアビジン)に標識されたマーカーに由来する発色の程
度に基づいて測定対象物質量を測定するように構成した
イムノクロマト法用試験用具を用いれば、従来のイムノ
クロマト法用試験用具に於ける上記した如き問題を解決
して、測定対象物質を高感度に精度良く測定し得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】尚、サンドイッチ型免疫複合体中のマーカ
ー量を単に増加させたいのであれば、アビジン(又はビ
オチン)結合抗体とマーカー標識ビオチン(又はアビジ
ン)とを予め反応させておき、これと測定対象物質とを
反応させても良いはずであるが、このようにして反応を
行わせると、理由は不明であるが最終的に測定対象物質
の検出感度が低下する場合が多いので、好ましくない。
【0012】本発明の、相互に毛管現象により連結可能
な第1部分及び第2部分並びに第3部分は、通常毛管現
象を生じさせることのできる吸水性の膜状物或いはシー
ト状物を使用して形成される。このような膜状物或いは
シート状物としては、吸水性を有する膜状物或いはシー
ト状物として通常この分野で用いられるものであれば特
に限定されることなく挙げられるが、例えばニトロセル
ロース膜、セルロースナイトレート膜、グラスフィルタ
ー膜、ナイロン膜、修飾ナイロン膜、ポリビニリデンジ
フルオロライド(PVDF)膜等の膜状物、例えば濾
紙、不織布(例えばレーヨン,木綿等のセルロース系繊
維、ガラス繊維、例えばナイロン,ポリエステル,ポリ
プロピレン,ポリウレタン等の合成高分子を素材とする
合成繊維等から調製されたもの)等のシート状物等が好
ましく挙げられる。
【0013】本発明の第1部分に保持させるアビジン
(又はビオチン)結合第1抗体を調製するために用いら
れる抗体や第3部分に固定化されている第2抗体として
使用される抗体としては、測定対象物質に対する抗体で
あれば何れにてもよく特に限定されない。即ち、常法、
例えば「免疫実験学入門、第2刷、松橋直ら、(株)学
会出版センター(1981)」等に記載の方法に準じて、馬、
牛、羊、兎、山羊、ラット、マウス等の動物に測定対象
を免疫して作製されるポリクローナル抗体でも、或はま
た常法、即ちケラーとミルスタイン[Nature,vol.256,4
95(1975)]により確立された細胞融合法に従い、マウス
の腫瘍ラインからの細胞と測定対象物で予め免疫された
マウスの脾細胞とを融合させて得られるハイブリドーマ
等が産生するモノクローナル抗体でも何れにてもよく、
これらを単独で或はこれらを適宜組み合わせて用いる等
は任意である。尚、均一の性質を有する抗体の得易さを
考慮すると、ポリクローナル抗体よりもモノクローナル
抗体の方が好ましい。また、これら抗体は、要すればペ
プシン,パパイン等の酵素を用いて消化してF(ab')2
Fab'、或は Fabとして使用してもよいことは言うまで
もない。
【0014】本発明に使用されるアビジン結合第1抗体
は、例えば2価性試薬を使用する常法、より具体的には
例えばN-Succinimidyl-3-(2-pyridyldithio)propionate
(SPDP)をアビジンのアミノ基に結合後、還元することに
よって得られるチオール基が導入されたアビジンと、抗
体のアミノ基にSPDPを導入したものとを反応させる方
法、N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide(EMCS)をア
ビジンのアミノ基に結合後、これとFab'のチオール基と
を反応させて結合する方法等、通常この分野で使用され
る方法であって、アビジンのビオチン結合能と抗体の活
性とを失活させない方法であれば何れの方法を利用して
も良い。
【0015】また、本発明に使用されるビオチン結合第
1抗体は、例えば市販のビオチン化試薬、より具体的に
は例えばスクシンイミド基が導入されたビオチン(例え
ば、NHS-ビオチン)やN-ヒドロキシコハク酸イミド
(NHS)とビオチンをスペーサーを介して結合したも
の等を、抗体のアミノ基に反応させる方法[例えばJ.Bi
ol.Chem.,vol.264, 272-279(1989)、新生化学実験講座1
2, 分子免疫学III,p103ー104,東京化学同人社等]、
例えば市販の N-[6-(Biotinamide)hexyl]-3'-(2'-pyrid
yldithio)propionamide(ビオチンーHPDP)や N-Iod
oacetyl-N-biotinylhexylenediamineを、抗体のチオー
ル基に反応させる方法 [例えばAnnals ofthe New York
Academy of Science,vol.254, 203(1975)等]、ヒドラ
ジノ基が導入されたビオチンを、アルデヒド化された抗
体のアルデヒド基に反応させる方法[例えばJ.Biol.Che
m.,vol.172, 71(1948);Biotech.Appl.Biochem.,vol.9,
488-496(1987)等]、ビオチンにマレイミド基を導入し
た誘導体を用いてFab'のSH基と結合させる方法、ヒドラ
ジノ基が導入されたビオチンを抗体の糖鎖と結合させる
方法、ヒドラジノ基が導入されたビオチンを水溶性カル
ボジイミド存在下で抗体のカルボキシル基と結合させる
方法等、通常この分野で使用される抗体の活性を失わせ
ない方法であれば何れの方法を利用しても良い。
【0016】本発明の第1部分に保持されるアビジン
(又はビオチン)結合第1抗体の抗体に結合させる物質
はアビジン又はビオチンの何れかであるが、測定対象物
質へのマーカーの結合量をより増加させるためには、ア
ビジンを結合させることが望ましい。尚、その場合に
は、第2部分にはマーカー標識ビオチンを保持させるこ
とはいうまでもない。
【0017】本発明の第2部分に保持されるマーカー標
識ビオチン(又はアビジン)に於けるマーカーとして
は、視覚的に検知し得るシグナルが得られるものであっ
て、これを第1抗体に標識したものが毛管現象により移
動可能なものであれば良く特に限定されないが、具体的
には例えば金コロイド、鉄コロイド、銀コロイド等の金
属コロイド、例えばセレニウムコロイド等の非金属コロ
イド、例えばポリスチレン,ポリアクリルアミド等の高
分子化合物を原料として調製された着色ラテックス、例
えばローダミンB,カルボキシルフルオレッセン等の蛍
光色素や例えばメチルオレンジ,クーマシーブリリアン
トブルーR250等の色素等を内包する着色リポソーム、例
えばローダミンイソチオシアネート、フルオレッセンイ
ソチオシアネート(FITC)等の蛍光色素、例えばクーマ
シーブリリアントブルーR250等の色素等が挙げられる
が、取扱易さや感度等の点を考慮すると中でも金コロイ
ドが好ましい。
【0018】本発明に用いられる金コロイドとしては、
通常市販のものを用いればよいが、常法、例えば塩化金
酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法[Nature Phys.
Sci.,vol.241,20(1973)等]により調製したものを用い
てもよい。また、金コロイドの粒径は特に限定されない
が、通常5nm〜90nm、好ましくは10nm〜70nmの範囲のも
のが挙げられる。
【0019】ビオチン(又はアビジン)にこれらのマー
カーを標識して本発明に係るマーカー標識ビオチン(又
はアビジン)を調製する方法としては、通常この分野で
用いられる常法、例えば物理的吸着法[例えばTechniqu
es in Immunocytochemistry,volume 1, p108-133, Aca
denic Press 社やJ.Histochem.Cytochem.,vol.25,1187
〜1200(1977)、Experientia,vol.31,1147(1975) 等に記
載の方法]、化学的結合法[例えば特公平7-107535号公
報、J.Immunol.Methods,vol.75,351(1984)、B.B.A.,vo
l.640,66(1981)、B.B.R.C.,VOL.89,1114(1979)、J.Immu
nol.Methods,vol.22,165(1984)等に記載の方法]、マー
カーを蛋白質を介して標識する方法等は全て挙げられ
、マーカーの種類に応じて適宜選択して目的のマーカ
ー標識ビオチン(又はアビジン)を調製すればよい。
【0020】尚、マーカーとして金コロイドを用いたマ
ーカー標識ビオチン(又はアビジン)の調製は、自体公
知の方法[例えばTechniques in Immunocytochemistry,
volume 1, p108-133, Acadenic Press 社、J.Histoch
em.Cytochem.,vol.25,1187〜1200(1977)、Experientia,
vol.31,1147(1975)等に記載の方法]により容易に行う
ことができるが、マーカーを蛋白質と結合した後、その
蛋白質をビオチン標識する方法や、蛋白質をビオチン標
識した後、ビオチン標識蛋白質をマーカーと結合させる
方法が好ましい。
【0021】具体的には、例えば以下の如くして容易に
得ることができる。金コロイドをビオチン標識する場合
即ち、市販の金コロイド、或は常法、例えば塩化金酸
をクエン酸ナトリウムで還元する方法[Nature Phys.Sc
i.,vol.241,20(1973)等]により調製された金コロイド
と、免疫反応に関与しない蛋白質、例えばアルブミン、
グロブリン、カゼインなどの蛋白質とを、常法[J.Hist
ochem.Cytochem.,vol.25,1187〜1200(1977)、Experient
ia,vol.31,1147(1975)等]により処理することにより調
製した後、例えば市販のビオチン化試薬、より具体的に
は例えばスクシンイミド基が導入されたビオチン(例え
ば、NHS-ビオチン)やN-ヒドロキシコハク酸イミド
(NHS) とビオチンをスペーサーを介して結合した
もの等を、金コロイドに結合した蛋白質のアミノ基に反
応させる方法[例えばJ.Biol.Chem.,vol.264, 272-279
(1989)、新生化学実験講座12, 分子免疫学III,p103ー1
04,東京化学同人社等]、例えば市販の N-[6-(Biotina
mide)hexyl]-3'-(2'-pyridyldithio)propionamide(ビ
オチンーHPDP)や N-Iodoacetyl-N-biotinylhexylen
ediamineを、金コロイドに結合した蛋白質のチオール基
に反応させる方法 [例えばAnnals of the New York Ac
ademy of Science,vol.254, 203(1975)等]、ヒドラジ
ノ基が導入されたビオチンを、金コロイドが結合し且つ
アルデヒド化された蛋白質のアルデヒド基に反応させる
方法[例えばJ.Biol.Chem.,vol.172, 71(1948);Biotec
h.Appl.Biochem.,vol.9, 488-496(1987)等]、ヒドラジ
ノ基が導入されたビオチンを金コロイドに結合した蛋白
質の糖鎖と結合させる方法、ヒドラジノ基が導入された
ビオチンを水溶性カルボジイミド存在下で金コロイドに
結合した蛋白質のカルボキシル基と結合させる方法等、
通常この分野で使用される抗体の活性を失わせない方法
であれば何れの方法を利用しても良い。より具体的に
は、金コロイドと、金コロイド1mgに対して通常0.5〜1
00μg、好ましくは1〜50μgのアルブミンとを、適当な
緩衝液中で5〜30分間室温下に反応させた後、例えばポ
リエチレングリコール等の分散剤を添加して遠心分離等
により目的の金コロイド標識アルブミンを分取し、得ら
れた金コロイド標識アルブミンを、アルブミン1mgに対
して通常0.5〜10mg、好ましくは、1〜5mgのNHS−
ビオチンと適当な緩衝液中で、4℃1晩反応させること
により容易に得られる。尚、得られた金コロイド標識ビ
オチンは、例えばポリエチレングリコール等の分散剤を
含む溶液中に均一に分散させて保存すればよい。また、
先に免疫反応に関与しない蛋白質、例えばアルブミン、
グロブリン、カゼインなどの蛋白質を上記の方法でビオ
チンと結合させたものを、金コロイドと上記の如き方法
で結合させても良い。また、マーカー標識アビジンも、
常法[J.Histochem.Cytochem.,vol.25,1187〜1200(197
7)、Experientia,vol.31,1147(1975)等]を利用するこ
とにより容易に調製することができる。より具体的に
は、金コロイドと、金コロイド1mgに対して通常0.5〜1
00μg、好ましくは1〜50μgのアビジンとを、適当な緩
衝液中で5〜30分間室温下に反応させた後、例えばポリ
エチレングリコール等の分散剤を添加して遠心分離等に
より目的の金コロイド標識アビジンを分取することによ
り容易に得られる。尚、得られた金コロイド標識アビジ
ンは、例えばポリエチレングリコール等の分散剤を含む
溶液中に均一に分散させて保存すればよい。
【0022】尚、上記反応に於いて用いられる緩衝液
は、金コロイドと測定対象物質に対するビオチン(又は
アビジン)との結合反応を阻害しないものであればその
種類、濃度、pH等は特に限定されない。
【0023】上記の如くして調製されたアビジン(又は
ビオチン)結合第1抗体を本発明の第1部分に毛管現象
により移動可能なように保持させる方法、或いは上記の
如くして調製されたマーカー標識ビオチン(又はアビジ
ン)を本発明の第2部分に毛管現象により移動可能なよ
うに保持させる方法としては、通常この分野で用いられ
る方法であればよく、特に限定されないが、具体的には
例えば上記した如き膜状物又はシート状物を、アビジン
(又はビオチン)結合第1抗体或いはマーカー標識ビオ
チン(又はアビジン)を含有する溶液中に浸漬後、送風
乾燥或いは凍結乾燥する方法、上記した如き膜状物又は
シート状物に、アビジン(又はビオチン)結合第1抗体
或いはマーカー標識ビオチン(又はアビジン)を含有す
る溶液を塗布、噴霧或いは滴下した後、送風乾燥或いは
凍結乾燥する方法等が挙げられる。尚、アビジン(又は
ビオチン)結合第1抗体或いはマーカー標識ビオチン
(又はアビジン)を含有させる溶液としては、通常この
分野で用いられている、例えばトリス緩衝液、リン酸緩
衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液
等、通常抗原抗体反応を利用した測定法に用いられてい
る緩衝液は全て挙げられ、そのpHとしては抗原抗体反
応を抑制しない範囲であれば特に限定はされないが、通
常5〜9の範囲から好ましく選択される。また、このよ
うな溶液中には、目的の抗原抗体反応を阻害しないもの
であれば、例えばアルブミン、グロブリン、水溶性ゼラ
チン、ポリエチレングリコール等の安定化剤、界面活性
剤、糖類等を適宜含有させて於いても良い。尚、アビジ
ン(又はビオチン)結合第1抗体或いはマーカー標識ビ
オチン(又はアビジン)を保持させるために用いられる
膜状物やシート状物は、これらが非特異的に吸着されて
測定への影響が生じるのを防止するために、予め所謂ブ
ロッキング処理を施しておくことが望ましい。このよう
なブロッキング処理は、通常この分野で行われる方法、
例えばこれら膜状物やシート状物を例えばアルブミン、
グロブリン、カゼイン、ポリビニルアルコール、界面活
性剤等のブロッキング剤(但し、測定への影響のないも
のを選択して使用する。)を含有する適当な緩衝液(例
えばpHが5〜9 程度の例えばトリス緩衝液、リン酸緩
衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液
等)中に適当な時間浸漬した後に乾燥する方法等により
行えばよい。
【0024】本発明の第1部分に保持させるアビジン
(又はビオチン)結合第1抗体の量としては、測定対象
物質の種類や、検出限界や検量限界をどの程度に設定す
るかによって変動し、特に限定されないが、例えば本発
明の第1部分の単位面積(cm2)当たりの保持量(蛋白
質量として)として通常0.01μg〜10mg、好ましくは0.0
5μg〜1mg、より好ましくは0.1〜100μgの範囲から適
宜選択される。また、本発明の第2部分に保持させるマ
ーカー標識ビオチン(又はアビジン)の量としては、測
定対象物質の種類や、検出限界や検量限界をどの程度に
設定するかによって変動し、特に限定されないが、例え
ば本発明の第2部分の単位面積(cm2)当たりの保持量
(蛋白質量として)として通常0.01μg〜10mg、好まし
くは0.05μg〜1mg、より好ましくは0.1〜100μgの範囲
から適宜選択される。
【0025】本発明の第1部分に保持させるアビジン結
合第1抗体や第2部分に保持させるマーカー標識アビジ
ンを調製するために使用されるアビジンとしては、ビオ
チンとの結合能力を持ったものであれば特に限定されな
いが、具体的には例えば卵白由来のアビジン、微生物由
来のストレプトアビジン、これらの誘導体[例えば、ア
ビジンの糖鎖を切断して得られるニュートロアビジン
(NeutrAvidin。ピアース 社製)等]等が挙げられる。
また、本発明に用いられるアビジンは市販されているも
のをそのまま用いることが可能であり、目的の測定を阻
害する成分が含まれていなければその品質、精製度等は
特に限定されない。
【0026】本発明の第3部分(展開膜)への第2抗体
の固定化方法としては、通常この分野で用いられる方法
であれば特に限定されないが、具体的には例えば当該第
3部分として使用する上記した如き材質からなる膜状物
やシート状物の一部に第2抗体溶液を塗布、滴下或いは
噴霧後、乾燥して物理吸着により固定化する方法、膜状
物やシート状物中の例えばアミノ基、カルボキシル基等
の官能基を利用して化学的に第2抗体を結合させる方法
等が挙げられる。尚、このようにして得られた第2抗体
固定化部を有する膜状物やシート状物は、非特異的な吸
着による測定への影響を防止するために所謂ブロッキン
グ処理を施しておくことが望ましい。このようなブロッ
キング処理は、通常この分野で行われる方法、例えばこ
れら膜状物やシート状物を例えばアルブミン、グロブリ
ン、カゼイン、ポリビニルアルコール、界面活性剤等の
ブロッキング剤(但し、測定への影響のないものを選択
して使用する。)を含有する適当な緩衝液(例えばpH
が5〜9程度の例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベ
ロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等)中に
適当な時間浸漬した後に乾燥する方法等により行えばよ
い。
【0027】本発明の第3部分中に固定化させる第2抗
体の量としては、測定対象物質の種類や、検出限界や検
量限界をどの程度に設定するかによって変動し、特に限
定されないが、例えば本発明の第3部分中の第2抗体固
定化部の単位面積(cm2)当たりの抗体保持量として通
常0.01μg〜1mg、好ましくは0.1μg〜100μg、 より好
ましくは0.5μg〜50μgの範囲から適宜選択される。
【0028】また、サンドイッチ型免疫複合体形成反応
を充分に完了させるために、或いは液体試料中の着色物
質による測定への影響や測定対象物質と結合していない
マーカー標識ビオチン(又はアビジン)による測定への
影響を回避するためには、第3部分に於ける第2抗体固
定化部は、第2部分との連結端並びに第3部分の他端か
らある程度離れた位置(例えば第3部分の中程等)に設
けておくことが望ましい。
【0029】本発明のイムノクロマト法用試験用具の測
定対象物質としては、特に限定されないが、例えば血
液、血漿、血清、髄液、尿、糞便等の生体由来の試料や
これらを適宜適当な緩衝液等で希釈或いは懸濁させて得
られる液体試料中に含まれる、例えばアルブミン,ヘモ
グロビン,ミオグロビン,トランスフェリン,プロテイ
ンA,C反応性蛋白質(CRP)等のタンパク質、例え
ば高比重リポ蛋白質(HDL),低比重リポ蛋白質(L
DL),超低比重リポ蛋白質等の脂質蛋白質、例えばデ
オキシリボ核酸(DNA),リボ核酸(RNA)等の核
酸、例えばアルカリ性ホスファターゼ,乳酸脱水素酵
素,リパーゼ,アミラーゼ等の酵素、例えばIgG,Ig
M,IgA,IgD,IgE等の免疫グロブリン(或はこ
れらの、例えばFc部,Fab部,F(ab)2部等の断片)、
例えばフィブリノーゲン,フィブリン分解産物(FD
P),プロトロンビン,トロンビン等の血液凝固関連因
子、例えばB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイ
ズウイルス等のウイルスに対する抗体、例えばB型肝炎
ウイルス、梅毒トリポネーマ(TP)、クラミジア、カ
ンジダ等の微生物関連抗原、例えばクラミジア等の微生
物に対する抗体、例えばヒト絨毛性ゴナドトロピン(h
CG)等のホルモン等が挙げられる。
【0030】本発明のイムノクロマト法用試験用具を調
製するには、例えば以下の如くして行えばよい。即ち、
先ず、例えば適当な大きさのポリ塩化ビニルシート、ポ
リエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリスチレ
ンシート等を担体として用い、該担体上に例えば両面テ
ープ等を用いて、上記の如くして作製した第2抗体固定
化部(判定部)を有する膜状物又はシート状物を接着し
て第3部分(即ち展開膜)を形成し、次いでマーカー標
識ビオチン(又はアビジン)(例えば金コロイド標識ビ
オチン(又はアビジン)等)を保持させた膜状物又はシ
ート状物を例えば両面テープ等を用いて該第3部分と相
互間に毛管現象が生じるように接着させて第2部分を形
成し、更に次にアビジン(又はビオチン)結合第1抗体
を保持させた膜状物又はシート状物を例えば両面テープ
等を用いて、該第2部分と相互間に毛管現象が生じるよ
うに接着させて第1部分を形成することにより調製し得
る。尚、第1部分と第2部分との間で、或いは第2部分
と第3部分との間で毛管現象を生じさせ易くするため
に、第1部分が第2部分の下端に約1〜2mm程度重なる
ように、また第2部分が第3部分の下端に約1〜2mm程
度重なるように接着させるようにしても良い。また、本
発明のイムノクロマト法用試験用具に於いては、液体試
料の吸収及び第1部分での免疫反応を円滑に行わせるた
めに、第1部分の下端に更に液体試料吸収部を設け、液
体試料を先ずこの部分に滴下し、毛管現象を利用して第
1部分にこれを運ばせて反応を開始させるようにしても
良い。当該液体試料吸収部は、液体試料を吸収し得る膜
状物やシート状物(第1部分や第2部分を形成するため
に用いられる膜状物やシート状物と同じものでよい)を
例えば両面テープ等を用いて、第1部分と相互間に毛管
現象が生じるように接着させることにより調製し得る。
尚、第1部分と液体試料吸収部との間で毛管現象を生じ
させ易くするために、液体吸収部分が第1部分の下端に
約1〜2mm程度重なるように接着させるようにしても良
い。尚、全体の大きさとしては、液体試料吸収部に液体
試料を例えば滴下等してから毛管現象により第3部分の
末端にまで液体試料が展開されるまでの時間が、通常15
分以内、好ましくは10分以内となるように設定される。
このようにして得られた本発明のイムノクロマト法用試
験用具の好ましい態様の一つを図1に示す。
【0031】尚、図1に於いて各数字は夫々以下のもの
を示す。 1:担体 2:液体試料吸収部 3:第1部分 4:第2部分 5:第3部分 6:判定部(第2抗体固定化部)
【0032】また、本発明の試験用具を用いた測定方法
は、例えば以下の如く行えばよい。即ち、先ず上記した
如くして調製された本発明のイムノクロマト法用試験用
具の第1部分に液体試料を例えば滴下したり、第1部分
を液体試料中に浸漬する等して(尚、当該試験用具に液
体試料吸収部が設けられている場合は、液体試料吸収部
に液体試料を滴下したり、液体試料吸収部を液体試料中
に浸漬する等し、ここから毛管現象を利用して第1部分
に液体試料を供するようにする。)、第1部分に於いて
液体試料中の測定対象物質と、アビジン(又はビオチ
ン)結合第1抗体とを反応させて、[アビジン(又はビ
オチン)結合第1抗体−測定対象物質の免疫複合体]
(即ち、反応生成物)を液相中で形成させる。次いでこ
れをマーカー標識ビオチン(又はアビジン)の保持され
た第2部分に毛管現象で運び、[マーカー標識ビオチン
(又はアビジン)−アビジン(又はビオチン)結合第1
抗体−測定対象物質](マーカー結合免疫複合体)を液
相中で形成させる。更にこれを第2抗体固定化部(判定
部)を有する第3部分(展開膜)に毛管現象により運ば
せ、サンドイッチ型免疫複合体を判定部に形成させる。
尚、測定対象物質と結合しなかったマーカー標識ビオチ
ン(又はアビジン)及び[マーカー標識ビオチン(又は
アビジン)−アビジン(又はビオチン)結合第1抗体複
合体]は、毛管現象により更に下流に運ばれる。次い
で、結果的に判定部に捕捉されたサンドイッチ型免疫複
合体中のビオチン(又はアビジン)に標識されたマーカ
ーに由来する発色の程度を目視にて観察し、その結果を
予め作製しておいたマーカーに由来する発色の程度と測
定対象物質量との関係を表わす色調表に当てはめる等す
ることにより、測定対象物質量を定量的に測定すること
ができる。
【0033】尚、発色の程度が特定の色調より薄ければ
陰性、濃ければ陽性としておけば、本発明の方法により
測定対象物質の半定量も可能である。また、発色の程度
の判定は、例えば、プレテスター RM-405、プレテスタ
ー RM-505(何れも和光純薬工業(株)製)等の尿試験
紙用のテスター、例えばデンシトメーター等を用いて行
っても良いことはいうまでもない。
【0034】また、本発明のイムノクロマト法用試験用
具は、アビジン−ビオチン反応を利用して、第1抗体が
測定対象物質と結合した後に第1抗体とマーカーとを結
合させているため、第1抗体と測定対象物質との結合反
応を、予めマーカーが結合した第1抗体を用いる場合よ
りも効率良く行うことができるので、結果として測定対
象物質の測定感度が上昇するという効果が得られる。ま
た、本発明の試験用具に於けるマーカー標識ビオチン
(又はアビジン)を保持した膜状物(第2部分)中に
は、マーカー標識ビオチン(又はアビジン)以外に目的
の測定に直接関与する試薬は含まれていない。そのた
め、本発明のイムノクロマト法用試験用具は、アビジン
結合第1抗体を含む膜と第2抗体を固定化した膜とを測
定対象に合わせて適宜適当なものと交換するだけで種々
の測定対象物質の測定に使用可能なイムノクロマト法用
試験用具を製造し得るという、製造上の有利性をも有し
ている。以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何等限定されるもので
はない。
【0035】
【実施例】
実施例1. (イムノクロマト法用試験用具の作製) (1)判定部(第2抗体固定化部)を有する展開膜の作
製 ニトロフロー膜(ニトロセルロース膜:日本ミリポア社
製。5mm×40mm)の下端より20mmの位置に抗Hbs抗原モ
ノクロ−ナル抗体溶液(2mg/ml:50mMリン酸緩衝液、p
H7.4 。抗Hbs抗原モノクロ−ナル抗体;和光純薬工業
(株)製。)をTLCアプリケーター(商品名:リノマ
ート。カマグ社製)を用いて線状に塗布した後に、乾燥
させて、判定部(抗Hbs抗原(第2抗体)固定化部)を作
製した。得られた判定部を有する膜を、ブロッキング溶
液[0.5%Tween20、0.5%カゼイン及び0.15M NaCl含有5
0mMリン酸緩衝液、pH7.4。]に浸漬し、2時間ブロッ
キング処理を行った後再度乾燥させたものを展開膜とし
た。
【0036】(2)アビジン結合第1抗体溶液の作製 ストレプトアビジン溶液(1mg/ml 0.1M リン酸緩衝液 p
H 7.5;和光純薬工業(株)製)2mlを、N-Succinimidyl
-3-(2-pyridyldithio)propionate(SPDP)のエタノール溶
液(1mg/ml;和光純薬工業(株))12μlと混合後、室
温で1時間反応させた。その後、Sephadex G-25で脱塩
後、2mlに濃縮しSPDPーストレプトアビジンを得た。ま
た、抗Hbs抗原モノクロ−ナル抗体溶液(IgG 含量:1
mg /ml 0.1M リン酸緩衝液 pH 7.5)2mlを、SPDPのエ
タノール溶液12μlと混合後、室温で1時間反応させ、
その後Sephadex G-25で脱塩、濃縮しSPDPー抗体を得た。
SPDPーストレプトアビジン溶液にジチオスレイトールを
加え(終濃度 0.1M)、室温で30分還元したのち、Sepha
dex G-25で脱塩、濃縮して、チオプロピオニルーストレ
プトアビジンとし、これをSPDP-抗体を混合後、4℃、1
8時間反応させた。反応物をSephadex G-100でゲル濾過
し、ストレプトアビジン結合第1抗体を得た。
【0037】(3)金コロイド標識ビオチン溶液の作製 牛血清アルブミン(蛋白濃度:20mg/ml)10μlと、フ
レンス(Frens)の方法[Nature Phys.Sci.,vol.241,20
-22(1973)]で調製し0.1M K2CO3でpHを6.5に調整した
金コロイド溶液(金コロイドの平均粒経:15nm。OD
520nm=1.2)6mlとを混合し1時間反応させた後、反応
液に分散剤としてポリエチレングリコール(シグマ社
製。商品名:カーボワックス20M)を終濃度で0.05%と
なるように添加した。その後、反応液を15000rpm×20分
で遠心分離処理し、上清を除き、得られた残渣を50mMリ
ン酸緩衝液(0.05%ポリエチレングリコール含有。pH
7.4)3mlに懸濁後、再度15000rpm×20分で遠心分離処
理した。得られた残渣を50mMリン酸緩衝液(0.05%ポリ
エチレングリコール含有。pH7.4。)3mlに懸濁したも
のにNHS−ビオチン(10mg/ml)40μlを混合後、4℃
1晩反応後、反応液を15000rpm×20分で遠心分離処理
し、上清を除いて、得られた残渣を50mMリン酸緩衝液
(0.05%ポリエチレングリコール含有。pH7.4)3mlに
懸濁後、再度15000rpm×20分で遠心分離処理した。得ら
れた残渣を50mMリン酸緩衝液(0.05%ポリエチレングリ
コール含有。pH7.4。)3mlに懸濁し、金コロイド標識
ビオチン溶液とした。
【0038】(4)アビジン結合第1抗体のグラスファ
イバー膜への保持 (2)で調製したアビジン結合第1抗体溶液に、予めブ
ロッキング溶液[0.5%Tween20(花王(株)商品名)、
0.5%カゼイン及び0.15M NaCl含有50mMリン酸緩衝液、p
H7.4。 ]でブロッキング処理したグラスファイバー膜
(5mm×6mm。ミリポア社製)を浸漬した後風乾し、ア
ビジン結合第1抗体を保持させたグラスファイバー膜を
得た。 (5)金コロイド標識ビオチンのグラスファイバー膜へ
の保持 (3)で調製した金コロイド標識ビオチン溶液に、予め
ブロッキング溶液[0.5%Tween20(花王(株)商品
名)、0.5%カゼイン及び0.15M NaCl含有50mMリン酸緩
衝液、pH7.4。 ]でブロッキング処理したグラスファ
イバー膜(5mm×6mm。ミリポア社製)を浸漬した後風
乾し、金コロイド標識ビオチンを保持させたグラスファ
イバー膜を得た。
【0039】(5)イムノクロマト法用試験用具の作製 塩化ビニル製シート(5mm×60mm。シンエイ産業(株)
製。)の上端に両面テープを用いて、上記(1)で作製
した判定部(第2抗体固定化部)を有する展開膜を接着
して第3部分を形成し、次いで(5)で作製した金コロ
イド標識ビオチンを保持させたグラスファイバー膜を、
両面テープを用いて該展開膜の下端に約1〜2mm程度重
なるように接着させて第2部分を形成した。更に該グラ
スファイバー膜の下端に約1〜2mm程度重なるように、
次いで(4)で作製したアビジン結合第1抗体を保持さ
せたグラスファイバー膜を、両面テープを用いて該展開
膜の下端に約1〜2mm程度重なるように接着させて第1
部分を形成した。更に液体試料吸収用膜(ロプロソー
ブ:日本ポール社製)(5mm×16mm)を両面テープを
用いて接着し液体試料吸収部を形成して、図1に示され
る如きイムノクロマト法用試験用具を作製した。
【0040】(測定操作)上で作製したイムノクロマト
法用試験用具の液体試料吸収部に液体試料(Hbs抗原
20ng/ml含有する10mMリン酸緩衝塩類溶液。pH7.4)80
μlを滴下した。一方、別のイムノクロマト法用試験用
具の液体試料吸収部に、陰性対照として10mMリン酸緩衝
塩類溶液(pH7.4。)を80μlを滴下した。液体試料が
毛管現象によりイムノクロマト法用試験用具の先端(展
開膜の末端)まで展開した時点(約8分)で、判定部
(第2抗体固定化部)の着色を観察したところ、Hbs
抗原を含んだ液体試料を滴下した場合には、赤紫色の明
瞭なラインが観察され、一方、陰性対照の液体試料を滴
下した場合には、判定部(第2抗体固定化部)上に赤紫
色のラインは観察されなかった。これらの結果から、本
発明のイムノクロマト法用試験用具を用いて液体試料中
のHbs抗原を定量又は半定量し得ることが判る。
【0041】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、液体試料中
の測定対象物質量を測定するためのイムノクロマト法用
試験用具及びそれを用いた測定方法を提供するものであ
る。本発明によれば、従来のイムノクロマト法用試験用
具に於ける、測定対象物質に結合するマーカー量が少な
いために、測定精度の低下や検出感度の低下を招く、と
いう問題点を生じさせることなく、液体試料中の測定対
象物質を高感度に精度良く測定し得るという効果を奏す
る。
【0042】また、本発明のイムノクロマト法用試験用
具は、アビジン−ビオチン反応を利用して、第1抗体が
測定対象物質と結合した後に第1抗体とマーカーとを結
合させているため、第1抗体と測定対象物質との結合反
応を、予めマーカーが結合した第1抗体を用いる場合よ
りも効率良く行うことができるので、結果として測定対
象物質の測定感度が上昇するという効果が得られる。ま
た、本発明の試験用具に於けるマーカー標識ビオチン
(又はアビジン)を保持した膜状物(第2部分)中に
は、マーカー標識ビオチン(又はアビジン)以外に目的
の測定に直接関与する試薬は含まれていない。そのた
め、本発明のイムノクロマト法用試験用具は、アビジン
結合第1抗体を含む膜と第2抗体を固定化した膜とを目
的に合わせて適宜適当なものと交換するだけで種々の測
定対象物質の測定に使用可能なイムノクロマト法用試験
用具を製造し得るという、製造上の有利性をも有してい
る。従って、本発明は、斯業に貢献するところ大なる発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイムノクロマト法用試験用具の好まし
い態様の1つを示す。
【符号の説明】
図1に於いて各数字は夫々以下のものを示す。 1:担体 2:液体試料吸収部 3:第1部分 4:第2部分 5:第3部分 6:判定部(第2抗体固定化部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)毛管現象により移動可能なように保持
    された、アビジン又はビオチンの何れかと結合した測定
    対象物質に特異的な第1抗体を含む第1部分と、 (b)視覚的に検知し得るシグナルが得られるマーカーで
    標識された、第1抗体に結合したアビジン又はビオチン
    とアビジン・ビオチン複合体を形成し得るものを含む第
    2部分と、 (c)測定対象物質に特異的で、第1抗体と認識部位が異
    なった第2抗体が固定化されている部位を有する第3部
    分とを具備し、 (d)当該第1部分と第2部分及び第2部分と第3部分
    が、相互間に毛管現象が生じるように連結された、イム
    ノクロマト法用試験用具。
  2. 【請求項2】1)アビジン又はビオチンと結合した測定
    対象物質に特異的な第1抗体を毛管現象により移動可能
    なように保持した第1部分に液体試料を供して液相中で
    反応を開始させ、2)反応生成物を毛管現象により、視
    覚的に検知し得るシグナルが得られるマーカーで標識さ
    れた、第1抗体に結合したアビジン又はビオチンとアビ
    ジン・ビオチン複合体を形成し得るものを毛管現象によ
    り移動可能なように保持した第2部分に運ばせ、3)形
    成したマーカー結合反応生成物を毛管現象により測定対
    象物質に特異的で、第1抗体と認識部位が異なった第2
    抗体が固定化されている部位を有する第3部分に運ば
    せ、4)該第3部分の第2抗体固定化部位に捕捉された
    反応生成物中のマーカーに由来する発色の程度に基づい
    て、該液体試料中の測定対象物質量を測定する方法。
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