JP3317395B2 - ホログラムスクリーン - Google Patents

ホログラムスクリーン

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JP3317395B2
JP3317395B2 JP19157298A JP19157298A JP3317395B2 JP 3317395 B2 JP3317395 B2 JP 3317395B2 JP 19157298 A JP19157298 A JP 19157298A JP 19157298 A JP19157298 A JP 19157298A JP 3317395 B2 JP3317395 B2 JP 3317395B2
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hologram
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健一朗 高田
方浩 塩沢
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Soken Inc
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Denso Corp
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,ホログラム素子をスクリーンと
して利用したホログラムスクリーンに関する。
【0002】
【従来技術】ホログラム素子より構成されたホログラム
スクリーンとしては,従来,例えば特公昭52−125
68号公報等に示されるものが知られている。このホロ
グラムスクリーンはホログラム素子と該素子が貼着され
た補強用の基板とよりなり,後述する図4に示すごと
く,映像投影装置3より入射し,静止画,動画等より構
成された映像光31が,上記ホログラム素子において散
乱・拡散して形成された出射光32が観察者5に届くこ
とにより映像の再生が行われる。
【0003】このようなホログラムスクリーンを構成す
るホログラム素子は,後述する図3に示すごとき露光光
学系10において,参照光118と物体光117とを感
光材料120に照射することにより作製することができ
る。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来のホログ
ラム素子よりなるホログラムスクリーンでは,再生され
た映像の色調が映像投影装置3より発せられた映像光3
1の色調と異なり,例えば再生された映像がやや緑を帯
びてしまい,画質を低下させてしまうという問題があっ
た。これは後述の図9等に示すごとく,上記ホログラム
スクリーン(及びこれを構成するホログラム素子)のホ
ログラム分光スペクトルの特定の波長領域にピークが存
在することが原因となっていると思われる。
【0005】以上の問題点を解決するための方法とし
て,特公昭52−12568号において,図3にかかる
露光光学系10に赤,緑,青のレーザー光をそれぞれ照
射可能なレーザー発振器を設け,1枚の感光材料120
を赤,緑,青のレーザー光で多重露光する方法が提案さ
れている。または,赤,緑,青のレーザー光で別々の感
光材料を露光し,その後露光された3枚の感光材料を積
層して,1つのホログラム素子とする方法が提案されて
いる。
【0006】しかしながらこの方法においては,赤,
緑,青のレーザー光を発する3台のレーザー発振器,ま
たは波長の異なるレーザーを少なくとも3種類発振可能
なレーザー発振器が必要であり,露光光学系が高額とな
るため,製造コストが増大するという問題があった。ま
た,この方法においては,赤,緑,青のレーザー光の強
度バランスを合わせる必要があるが,この作業は大変難
しく,手間のかかる作業であった。
【0007】また,この方法においては,赤,緑,青の
レーザー光を使用するために,赤,緑,青のレーザー光
でそれぞれ記録されたホログラム素子の特性上のバラン
ス(すなわちRGBのバランス)がずれやすく,局所的
に強い色むらが出るなどして,かえってホログラムスク
リーンに再生された映像の色目が悪くなるという問題が
あった。
【0008】更に,この方法において作製されたホログ
ラム素子には,赤,緑,青のレーザー光によって3種類
の光拡散体が記録されたこととなる。このため,このホ
ログラム素子においては外乱光等が回折・散乱されやす
く,ホログラム素子の白濁が強くなるという問題もあっ
た。白濁したホログラム素子は透明性が悪く,見栄えの
点から好ましくない。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑み,ホログラム
スクリーン上で再生された映像の色再現性に優れ,かつ
ホログラムスクリーンを構成するホログラム素子の製造
には単色のレーザー光もしくは2色(赤,緑)のレーザ
ー光を使用することができ,かつ安価な製造コスト,製
造容易であるホログラムスクリーンを提供しようとする
ものである。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,映像投影装置よ
り入射した映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡
散されて出射光となることにより映像が再生されるホロ
グラムスクリーンにおいて,該ホログラムスクリーンの
ホログラム分光スペクトルの半値幅は140nm以上で
あり,上記ホログラム分光スペクトルは400〜800
nmの波長域で回折効率を有することを特徴とするホロ
グラムスクリーンにある。
【0011】本発明の作用につき説明する。ホログラム
分光スペクトルとはホログラムスクリーンにおいて散乱
・拡散された出射光の各波長毎の強度(効率)である
(後述する実施形態例1及び図9等参照)。波長を横軸
に,効率を縦軸とした線図にホログラム分光スペクトル
を記載したものが後述の図9等である。なお,上記効率
とは入射光強度に対する出射光強度の各波長での比であ
る。
【0012】図9に示すごとく,このホログラム分光ス
ペクトルにおいて,効率の極大値における波長がピーク
波長であり,上記極大値の1/2となる位置でのピーク
の幅が半値幅である。図9より明らかであるが,半値幅
が小さいほどホログラム分光スペクトルのピークは鋭く
なり,半値幅が大きいほどピークはなだらかとなる。半
値幅が大きい場合のホログラム分光スペクトルの形状は
フラットであり,各波長毎の効率が均一化された状態に
ある。
【0013】そして,本発明にかかるホログラムスクリ
ーンは,ホログラム分光スペクトルの半値幅が140n
m以上であると共にホログラム分光スペクトルは400
〜800nmの波長域で回折効率を有する。よって,映
像光の特定波長を強調することなく散乱・拡散して出射
光とすることができ,本発明によれば,映像光の色調を
優れて再現することができるホログラムスクリーンを得
ることができる(実施形態例1の図10,図11参
照)。
【0014】
【0015】請求項3の発明は,映像投影装置より入射
した映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡散され
て出射光となることにより映像が再生されるホログラム
スクリーンにおいて,該ホログラムスクリーンのホログ
ラム分光スペクトルの半値幅は140nm以上であり,
上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
波長域で回折効率を有し,光拡散体により得られた拡散
光を物体光,非拡散光を参照光として,両者を厚さ1〜
20μmの感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形
成することにより作製されたホログラム素子よりなるこ
とを特徴とするホログラムスクリーンにある。本発明に
かかるホログラムスクリーンは,ホログラム分光スペク
トルの半値幅が140nm以上であると共にホログラム
分光スペクトルは400〜800nmの波長域で回折効
率を有する。よって,映像光の特定波長を強調すること
なく散乱・拡散して出射光とすることができ,本発明に
よれば,映像光の色調を優れて再現することができるホ
ログラムスクリーンを得ることができる(実施形態例1
の図10,図11参照)。また,本発明にかかるホログ
ラムスクリーンは,光拡散体により得られた拡散光を物
体光,非拡散光を参照光として,両者を厚さ1〜20μ
mの感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成する
ことにより作製されたホログラム素子より構成されてい
る。後述する実施形態例2,図12及び図13より知れ
るごとく,感光材料の厚みが変わることにより,得られ
たホログラム素子の半値幅,ピーク効率(ホログラム分
光スペクトルの極大値における効率の値)等が変動す
る。このため,上述の範囲内の厚みをもった感光材料を
用いることで,上述するごとき半値幅を持ったホログラ
ム素子を得ることができる。そして,上記ホログラム素
子は単色または2色のレーザー光で作製できるため,前
述した従来技術に示すごとき,多色レーザー光を用いて
作製する場合に示すごとき問題点は生じ難く,製造コス
トが安価で製造容易であり,透明性に優れたホログラム
素子を得ることができる。なお,上記感光材料の厚みが
1μm未満である場合には,ホログラム素子の効率が低
すぎるため映像が暗くなりすぎてしまい,映像の観察が
困難となるおそれがある。20μmよりも厚い場合に
は,半値幅が140nm未満となり,特定の波長域の色
目の強い,すなわち色再現性の悪い映像が映るおそれが
ある。
【0016】以上により本発明によれば,ホログラムス
クリーン上で再生された映像の色再現性に優れ,かつホ
ログラムスクリーンを構成するホログラム素子の製造に
は単色のレーザー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー
光を使用することができ,かつ安価な製造コスト,製造
容易であるホログラムスクリーンを提供することができ
る。
【0017】また,上記ホログラムスクリーンは,上記
ホログラム素子として透明なものを使用し,本発明にか
かるホログラムスクリーンを,映像を再生しながら,観
察者がホログラムスクリーンの背景を透かして見ること
ができるよう構成することが好ましい。
【0018】上記ホログラムスクリーンを利用すること
により,デパートや地下街等のショーウィンドウに広告
等を映したり,銀行や病院等の窓口において必要な情報
を映し出しながら同時に客や患者を確認して接客するこ
とができる等,従来にない新規な表示装置を構成するこ
とができる。なお,このようなホログラムスクリーンは
映像光が照射されていない場合には単なる透明板としか
見えず,視界を妨げることがないため,便利である。
【0019】本発明にかかるホログラムスクリーンのホ
ログラム分光スペクトルの半値幅が140nm未満であ
る場合には,特定の波長域が強調された出射光となるた
め,映像光の色再現性が悪化するおそれがある。また,
半値幅が大きければ大きいほどホログラム分光スペクト
ルがフラットになるため映像光の色再現性は向上する
が,人間の目が可視光線しか認識できないことを考えれ
ば,半値幅は400nmもあれば必要充分であるといえ
る。
【0020】
【0021】次に,請求項2の発明は,映像投影装置よ
り入射した映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡
散されて出射光となることにより映像が再生されるホロ
グラムスクリーンにおいて,該ホログラムスクリーンの
ホログラム分光スペクトルの半値幅は140nm以上で
あり,上記ホログラム分光スペクトルのピーク波長は5
25nm未満,または585nmより大であり,上記ホ
ログラム分光スペクトルは400〜800nmの波長域
で回折効率を有することを特徴とするホログラムスクリ
ーンにある。ところで,人間の目の感度(比視感度)に
は図16に示すような波長依存性がある。同図によれ
ば,人間の比視感度は波長555nmの光に対して最も
強い。本発明にかかるホログラムスクリーンは,ホログ
ラム分光スペクトルのピーク波長は525nm未満,あ
るいは585nmより大であり,比視感度が最も強い5
55nmの感度の約80%より弱い波長となっている。
これにより,映像光中の特定波長が強調されることな
く,映像光の本来の色調を優れて再現可能なホログラム
スクリーンを得ることができる。また,ホログラム分光
スペクトルの半値幅を140nm以上とすることと共に
ホログラム分光スペクトルを400〜800nmの波長
域で回折効率を有することによっても,前述したごとく
優れた色の再現性をもつホログラムスクリーンを得るこ
とができる。本発明においては,これらの要件を共に満
足するため,より一層本発明の効果を得ることができ
る。次に,請求項4の発明は,映像投影装置より入射し
た映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて
出射光となることにより映像が再生されるホログラムス
クリーンにおいて,該ホログラムスクリーンのホログラ
ム分光スペクトルの半値幅は140nm以上であり,上
記ホログラム分光スペクトルのピーク波長は525nm
未満,または585nmより大であり,上記ホログラム
分光スペクトルは400〜800nmの波長域で回折効
率を有し,光拡散体により得られた拡散光を物体光,非
拡散光を参照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光
材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成することによ
り作製されたホログラム素子よりなることを特徴とする
ホログラムスクリーンにある。本発明にかかるホログラ
ムスクリーンは,ホログラム分光スペクトルのピーク波
長は525nm未満,あるいは585nmより大であ
り,比視感度が最も強い555nmの感度の約80%よ
り弱い波長となっている。これにより,映像光中の特定
波長が強調されることなく,映像光の本来の色調を優れ
て再現可能なホログラムスクリーンを得ることができ
る。また,ホログラム分光スペクトルの半値幅を140
nm以上とすることと共にホログラム分光スペクトルを
400〜800nmの波長域で回折効率を有することに
よっても,前述したごとく優れた色の再現性をもつホロ
グラムスクリーンを得ることができる。本発明において
は,これらの要件を共に満足するため,より一層本発明
の効果を得ることができる。さらに,本発明にかかるホ
ログラムスクリーンは,光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光として,両者を厚さ1〜2
0μmの感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成
することにより作製されたホログラム素子より構成され
ている。後述する実施形態例2,図12及び図13より
知れるごとく,感光材料の厚みが変わることにより,得
られたホログラム素子の半値幅,ピーク効率(ホログラ
ム分光スペクトルの極大値における効率の値)等が変動
する。このため,上述の範囲内の厚みをもった感光材料
を用いることで,上述するごとき半値幅を持ったホログ
ラム素子を得ることができる。そして,上記ホログラム
素子は単色または2色のレーザー光で作製できるため,
前述した従来技術に示すごとき,多色レーザー光を用い
て作製する場合に示すごとき問題点は生じ難く,製造コ
ストが安価で製造容易であり,透明性に優れたホログラ
ム素子を得ることができる。なお,上記感光材料の厚み
が1μm未満である場合には,ホログラム素子の効率が
低すぎるため映像が暗くなりすぎてしまい,映像の観察
が困難となるおそれがある。20μmよりも厚い場合に
は,半値幅が140nm未満となり,特定の波長域の色
目の強い,すなわち色再現性の悪い映像が映るおそれが
ある。次に,請求項5記載の発明は,映像投影装置より
入射した映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡散
されて出射光となることにより映像が再生されるホログ
ラムスクリーンにおいて,該ホログラムスクリーンのホ
ログラム分光スペクトルの半値幅は140nm以上であ
り,上記ホログラム分光スペクトルは400〜800n
mの波長域で回折効率を有し,光拡散体により得られた
拡散光を物体光,非拡散光を参照光として,両者を厚さ
1〜20μmの感光材料に照射して該感光材料に干渉縞
を形成することにより作製されたホログラム素子よりな
り,上記光拡散体の光拡散角度は12°以上であること
を特徴とするホログラムスクリーンにある。 また,請求
項6記載の発明は,映像投影装置より入射した映像光が
ホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光とな
ることにより映像が再生されるホログラムスクリーンに
おいて,該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペ
クトルの半値幅は140nm以上であり,上記ホログラ
ム分光スペクトルのピーク波長は525nm未満,また
は585nmより大であり,上記ホログラム分光スペク
トルは400〜800nmの波長域で回折効率を有し,
光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射
して該感光材料に干渉縞を形成することにより 作製され
たホログラム素子よりなり,上記光拡散体の光拡散角度
は12°以上であることを特徴とするホログラムスクリ
ーンにある。請求項5及び6にかかるホログラムスクリ
ーンは,ホログラム分光スペクトルの半値幅が140n
m以上であると共にホログラム分光スペクトルは400
〜800nmの波長域で回折効率を有する。よって,映
像光の特定波長を強調することなく散乱・拡散して出射
光とすることができ,本発明によれば,映像光の色調を
優れて再現することができるホログラムスクリーンを得
ることができる(実施形態例1の図10,図11参
照)。また,請求項6の発明にかかるホログラムスクリ
ーンは,ホログラム分光スペクトルのピーク波長は52
5nm未満,あるいは585nmより大であり,比視感
度が最も強い555nmの感度の約80%より弱い波長
となっている。これにより,映像光中の特定波長が強調
されることなく,映像光の本来の色調を優れて再現可能
なホログラムスクリーンを得ることができる。また,請
求項5及び6にかかるホログラムスクリーンは,光拡散
体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光と
して,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射して該
感光材料に干渉縞を形成することにより作製されたホロ
グラム素子より構成されている。後述する実施形態例
2,図12及び図13より知れるごとく,感光材料の厚
みが変わることにより,得られたホログラム素子の半値
幅,ピーク効率(ホログラム分光スペクトルの極大値に
おける効率の値)等が変動する。このため,上述の範囲
内の厚みをもった感光材料を用いることで,上述するご
とき半値幅を持ったホログラム素子を得ることができ
る。また,請求項5及び請求項6にかかるホログラムス
クリーンは,光拡散角度が12°以上の光拡散体により
得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光として,両
者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成する
ことにより得られたホログラム素子より構成されてい
る。上記物体光は光拡散角度が12°以上の光拡散体に
て生成されているため,散乱度合いが大きい。このよう
な物体光が照射されているため,上記ホログラム素 子の
ホログラム分光スペクトルの半値幅は140nm以上と
なる(後述の図6参照)。そして,上記ホログラム素子
は単色または赤と緑の2色のレーザー光で作製できるた
め,前述した従来技術に示すごとき問題点が生じ難い。
つまり,単色や2色のレーザー光を発振可能なレーザー
発振器を有する露光光学系にて作製することができるた
め,製造コストが安価である。また,波長の異なる3本
のレーザー光の強度バランスを合わせる必要もないた
め,製造容易である。更に,単色や2色のレーザー光に
よって作製されているため,外乱光等の回折・散乱が生
じ難く,白濁し難いため,透明性に優れている。また,
本発明にかかる光拡散角度が12°以上の光拡散体とし
ては,後述する両面すりガラスの他,片面すりガラス,
オパールガラス等を用いることができる。また,光拡散
体の光拡散角度を12°以上とする方法としては,通常
の光拡散体を複数枚積層するなどして光拡散角度を大き
くすることが挙げられる。その他,材質を変更する,表
面処理を施すなどして光拡散体自身の散乱特性を変える
ことが挙げられる。これらの他にレンズアレイを組み合
わせてもよい。このレンズのf値を部分的に変更すれ
ば,光拡散体の散乱特性を部分的に変えることができ,
より好ましい散乱特性を得ることも可能になる。ここに
光拡散角度について説明する。光拡散体に垂直にレーザ
ー光等を照射し,散乱光を生成させる。この時,光拡散
体の垂直方向に透過したレーザー光の強度を100とし
て出射角度毎の散乱光の効率を測定する。効率が50%
となった出射角度が光拡散角度である(後述する実施形
態例1参照)。
【0022】次に,請求項の発明のように,上記光拡
散体の光拡散角度は作製されたホログラムスクリーンの
光拡散角度が10°以上となる角度であることが好まし
い。これにより,一層色再現性に優れたホログラムスク
リーンを得ることができる。作製されたホログラムスク
リーンの光拡散角度が10°未満である場合には,物体
光の散乱度合いが小さく,上述したごとき半値幅を持っ
たホログラム素子が得られないおそれがある。また,光
拡散体の光拡散角度を大きくすることにより色再現性が
よくなるが,映像の輝度が低下して,映像が見難くなる
ため,光拡散角度の上限は,60°とすることが好まし
い。
【0023】また,後述する図4にかかる表示装置にホ
ログラムスクリーンを使用する場合には,上記表示装置
の一般的な使用環境(屋内または直射日光のあたらない
屋外)を考慮して,光拡散角度を36〜50°とするこ
とが最も好ましい。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】請求項の発明は,映像投影装置より入射
した映像光がホログラムスクリーン上で散乱・拡散され
て出射光となることにより映像が再生されるホログラム
スクリーンにおいて,該ホログラムスクリーンのホログ
ラム分光スペクトルのピーク波長は525nm未満,あ
るいは585nmより大であり,または,該ホログラム
スクリーンのホログラム分光スペクトルの半値幅が14
0nm以上であり,上記ホログラム分光スペクトルは4
00〜800nmの波長域で回折効率を有し,光拡散体
により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とし
て,かつ上記物体光の露光強度と上記参照光の露光強度
との露光強度和を0.02〜50mW/cm2の範囲内
となし,両者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞
を形成することにより作製されたホログラム素子よりな
ることを特徴とするホログラムスクリーンにある。
【0032】次に,本発明の作用につき説明する。とこ
ろで,人間の目の感度(比視感度)には図16に示すよ
うな波長依存性がある。同図によれば,人間の比視感度
は波長555nmの光に対して最も強い。本発明にかか
るホログラムスクリーンは,ホログラム分光スペクトル
のピーク波長は525nm未満,あるいは585nmよ
り大であり,比視感度が最も強い555nmの感度の約
80%より弱い波長となっている。これにより,ホログ
ラム分光スペクトルのピーク波長は525nm未満,あ
るいは585nmより大であり,上記ホログラム分光ス
ペクトルは400〜800nmの波長域で回折効率を有
することによって,映像光中の特定波長が強調されるこ
となく,映像光の本来の色調を優れて再現可能なホログ
ラムスクリーンを得ることができる。
【0033】また,ホログラム分光スペクトルの半値幅
を140nm以上,ホログラム分光スペクトルが400
〜800nmの波長域で回折効率を有することによって
も,前述したごとく優れた色の再現性をもつホログラム
スクリーンを得ることができる。本発明においては,両
者を共に満足する必要は必ずしもない。しかし,両者を
共に満足すれば,より一層本発明の効果を得ることがで
きる。また,本発明のホログラムスクリーンは,上記光
拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照
光とすると共に,上記物体光の露光強度と上記参照光の
露光強度との露光強度和を0.02〜50mW/cm 2 の範囲
内となし,両者を感光材料に照射して該感光材料に干渉
縞を形成することにより作製されたホログラム素子より
なる。前述の式(1)に示したように,感光材料の屈折
率変化量Δnにより再生波長が変わる。そして,この屈
折率変化量Δnは,露光強度によっても変えることがで
きる。例えば,本実施例に用いたデュポン社製フォトポ
リマ材料の場合,William J.Gambogi et al.の "Hologr
aphic transmission elements using improved photopo
lymerfilms "SPIE Vol. 1555 Computer and Optically
Generated Holographic Optics (Fourth in a Series)
(1991), 256-267に示されているように,露光強度が弱
いほど全プロセス終了後での屈折率変化量Δnが大きい
ことが分かつている。従って,露光強度が弱いほど再生
波長λ'が長波長になるし,強いほど再生波長λ'が短波
長になる。以上のように,露光強度を変えることによ
り,再生波長を変えることができるから,この露光強度
を適宜調整することによりホログラム素子の分光スペク
トルにおけるピーク波長を上述した525nm未満,あ
るいは585nmより大に調整することができる。ま
た,同時に式(3)での考察から半値幅を調整すること
もでき,半値幅を140nm以上に調整することができ
る。 なお,露光強度和が0.02mW/cm 2 未満である場合
には,強度が弱すぎ,露光時間が長くなりすぎて,ホロ
グラムの効果ムラが生じやすくなるという問題が生じる
おそれがある。一方,50mW/cm 2 より大である場合に
は,ピーク波長が短くなりすぎたり,半値幅が狭くなり
すぎたしりして,再現される映像の色目が著しく悪化す
るおそれがある。
【0034】そして,ホログラムスクリーンは,光拡散
体を通した拡散光を物体光,非拡散光を参照光として,
両者を感光材料に照射して,該感光材料に干渉縞を形成
した後,更に感光材料の屈折率を調整して作製されたホ
ログラム素子より構成されていることが好ましい。すな
わち,感光材料の露光前からホログラムスクリーン作製
後までのプロセス条件を調整して,感光材料の屈折率変
化量を制御して,色再現性の良好なホログラムスクリー
ンを得ることができる。
【0035】感光材料の屈折率変調を利用して干渉縞を
記録する体積位相型ホログラムの場合,屈折率変化量の
程度は使用する感光材料により多少変わるものの,露光
条件やその前・その後のプロセス条件に強く依存する。
ここで,Braggの式によると 2ndsinθ=λ ...(1)式 (n:感光材料の屈折率,d:干渉縞のピッチ,θ:参
照光と物体光の入射交差角の1/2,λ:記録波長)の
関係がある。
【0036】露光時に干渉縞のピッチdが決まるため,
全プロセス終了後に屈折率変化量Δnがきまる。作製さ
れたホログラムを再生したときの再生波長λ'は,
(1)式から λ'=2(n+Δn)dsinθ ...(2)式 となる。(2)式から屈折率変化量Δnが大きい程再生
波長λ'が長波長になることが分かる。このように屈折
率変化量Δnを適宜設定することにより所望のピーク波
長を得ることができる。
【0037】また,屈折率変化量Δnによって,回折効
率もかわる。位相型の透過型ホログラムの場合,理論的
には η=sin2Θ Θ=n・π・Δn・T/(λc)・(n2−sin2θ)1/2 ...(3)式 で表わされ,屈折率変化量Δnの影響を受ける。
【0038】そして,回折効率ηは正弦的に変化すると
いう特徴がある。ただ,この式は単純格子(1つの参照
光と1つの物体光により形成されたもの)の場合である
から,本発明のように物体光が複数存在する場合更に複
雑になる。
【0039】図32にホログラムスクリーンの分光スペ
クトルの形成され方を模式的に示す。本発明のように物
体光が複数存在する場合,1つ(1方向)の物体光に対
して1つの傾きの干渉縞(回折格子)が形成される。す
なわち,光拡散体上のどの位置から物体光が入射するか
により傾きの異なる干渉縞(回折格子)が形成される。
この傾きの違いは,白色光再生時には波長の違いとなっ
て現れる。
【0040】この様子を図32中の実線の波形で示し
た。回折効率ηは,再生波長λcによっても変わる。し
たがって,図26のように再生波長により効率が異な
る。そして,これらの実線波形の合計として,点線で示
されるようなホログラムスクリーンの分光スペクトルが
形成される。このことから,屈折率変化量Δnにより再
生波長ごとに効率変化のしかたが変わり,しいてはホロ
グラムスクリーンの分光スペクトル形状,すなわち半値
幅も変わることがわかる。
【0041】以上のように,感光材料の屈折率変化量Δ
nを全プロセス終了後に変えることにより,再生波長だ
けでなく半値幅をも変えることができるから,この屈折
率変化量Δnを適宜調整することによりホログラム素子
の分光スペクトルにおけるピーク波長を上述した525
nm未満,あるいは585nmより大,または半値幅を
140nm以上に調整することができる。そして,出願
人が研究した結果,露光強度,R/O,露光後の加熱条
件などによりピーク波長,半値幅の調整が可能であるこ
とを見出した。
【0042】次に,請求項の発明は,上記光拡散体に
より得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とし
て,両者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形
成した後,更に上記感光材料に80〜150℃の温度範
囲による加熱処理を施すことにより作製されたホログラ
ム素子よりなることが好ましい。
【0043】ホログラム感光材料の中には,露光後加熱
処理をすることにより屈折率を調整し,ホログラム素子
の効率を増加させるものがある。そして,この加熱条件
により屈折率変化量Δnが変わる。本請求項にかかる加
熱処理を施すことにより,前述の式(2)からわかるよ
うにホログラム素子の分光スペクトルにおけるピーク波
長を,上述した525nm未満,あるいは585nmよ
り大,または半値幅を140nm以上に調整することが
できる。
【0044】加熱処理が80℃未満である場合には,効
率不足により映像が暗く,観察できなくなるおそれがあ
る。一方,150℃を越えた場合には,感光材料がフィ
ルム状の場合,フィルムが変形するおそれがある。ま
た,感光材料自身の着色により再生時に映像の色目が悪
くなるおそれがある。
【0045】また,上記加熱処理の継続時間は1分〜1
0時間とすることが好ましい。これにより,上述した屈
折率変化量Δnを変化させることができ,上記時間の範
囲内であれば,ホログラム素子の分光スペクトルにおけ
るピーク波長を,上述した525nm未満,あるいは5
85nmより大,または半値幅を140nm以上に調整
することができる。なお,加熱処理時間が1分未満であ
る場合には,効率不足となるおそれがある。一方,10
時間を越えた場合には,感光材料に変形や着色が生じる
という問題,生産性が悪化するという問題が生じるおそ
れがある。
【0046】なお,加熱処理の最適な温度は使用する感
光材料の種類により若干異なる。例えば,後述する図2
8,図29に示すように,加熱温度や加熱時間によりピ
ーク波長がかわる。加熱条件は,ホログラム感光材料の
種類やホログラム露光光学系の条件,要求する特性によ
り変わるため一概に決めることはできないが,およそ後
述の実施形態例にて用いたデュポン社製フォトポリマ材
料の場合,100〜150℃,また加熱処理時間は2時
間以内とすることが好ましい。
【0047】また,加熱処理を行う方法としては,感光
材料部に他のものが加熱中ずっと接触しないように
(裏,表とも),ホブン内で加熱する。接触が起こると
その部分で熱伝導の速度に差が生じ,再生時に色目また
は輝度のムラを生じるからである。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】更に,出願人が研究した結果,露光強度を
一定とした場合には,物体光強度Oと参照光強度Rとの
強度比R/Oの値によってホログラム素子の分光スペク
トルにおけるピーク波長や半値幅を変えることができる
ことを見出した。
【0053】すなわち,上記光拡散体により得られた拡
散光を物体光,非拡散光を参照光として,物体光強度
(O)と参照光強度(R)との強度比(R/O)を0.
1〜30となし,両者を感光材料に照射して該感光材料
に干渉縞を形成することにより作製されたホログラム素
子よりなることが好ましい。
【0054】以上のように,このR/Oを上述の範囲内
に調整することにより,ホログラム素子の分光スペクト
ルにおけるピーク波長を上述した525nm未満,ある
いは585nmより大,または半値幅を100nm以上
に調整することができる。
【0055】上述したごとく,ホログラムスクリーンの
半値幅は140nm以上であるため,映像光の特定波長
を強調することなく散乱・拡散して出射光とすることが
き,映像光の色調を優れて再現することができるホロ
グラムスクリーンを得ることができる。
【0056】そして,上記ホログラムスクリーンは,光
拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光と参照
光とすると共に,物体光強度Oと参照光強度Rとの比R
/Oを0.1〜30となし,両者を感光材料に照射して
感光材料に干渉縞を形成することにより作製されたホロ
グラム素子より構成されている。実施形態例3,図1
4,図15等より明らかであるが,R/Oの値が小さい
場合ほど,半値幅が大きくなり,優れたホログラム素子
を得ることができる。
【0057】そして,上記ホログラム素子は単色または
2色のレーザー光で作製できるため,前述した従来技術
に示すごとき,多色レーザー光を用いて作製する場合に
示すごとき問題点は生じ難く,製造コストが安価で製造
容易であり,透明性に優れたホログラム素子を得ること
ができる。
【0058】以上により,ホログラムスクリーン上で再
生された映像の色再現性に優れ,かつホログラムスクリ
ーンを構成するホログラム素子の製造には単色のレーザ
ー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー光を使用するこ
とができ,かつ安価な製造コスト,製造容易であるホロ
グラムスクリーンを提供することができる。
【0059】上記R/Oの値が0.1未満である場合に
は,ホログラムの透明性が悪くなるという問題が生じる
おそれがある。ホログラムの透明性が悪くても問題のな
い用途の場合,ホログラム効率が下がらなければどこま
でR/Oを小さくしてもよい。この場合は半値幅が広く
なり,色再現性が非常によくなる。また,30より大で
ある場合には,半値幅が小さく,色再現性が低下するお
それがある。
【0060】次に,映像投影装置より入射した映像光が
ホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光とな
ることにより映像が再生されるホログラムスクリーンに
おいて,該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペ
クトルのピーク波長は525nm未満,あるいは585
nmより大であり,光拡散体により得られた拡散光を物
体光,非拡散光を参照光として,両者を感光材料に照射
して,該感光材料に干渉縞を形成した後,上記感光材料
の膜厚を調整することにより作製されたホログラム素子
よりなることが好ましい。
【0061】露光時の膜厚に対し全プロセス終了後の膜
厚を変化させた場合,形成された干渉縞のピッチdは,
露光時と全プロセス終了後では変化する。この変化量を
Δdとすれば,作製されたホログラムを再生したときの
再生波長λ'は,(1)式から λ'=2n(d+Δd)sinθ ...(4)式 となる。従って,露光時の膜厚より全プロセス終了後の
膜厚を厚くすれば,再生波長λ'が長波長になるし,薄
くすれば再生波長λ'が短波長になる。
【0062】以上のように,露光時の膜厚と全プロセス
終了後の膜厚を変えることにより,再生波長を変えるこ
とができるから,この露光強度を適宜調整することによ
りホログラム素子の分光スペクトルにおけるピーク波長
を上述した525nm未満,あるいは585nmより大
に調整することができる。
【0063】次に,映像投影装置より入射した映像光が
ホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光とな
ることにより映像が再生されるホログラムスクリーンに
おいて,上記ホログラムスクリーンのホログラム分光ス
ペクトルのピーク波長は525nm未満,あるいは58
5nmより大であり,光拡散体により得られた拡散光を
物体光,非拡散光を参照光とすると共に上記参照光の感
光材料に対する入射角θrと上記映像光がホログラムス
クリーンに入射する入射角θeとが異なるように両者を
感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成すること
により作製されたホログラム素子よりなることが好まし
【0064】上述したホログラムスクリーンは,人間の
比視感度のピーク波長を避けて,525nm未満,ある
いは585nmより大である部分にピーク波長を持つよ
うなホログラム分光スペクトルを有するため,映像光の
特定の波長が強調されることなく,映像光の本来の色調
を優れて再生することができる。
【0065】そして,上記ホログラムスクリーンは,光
拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照
光とすると共に参照光の感光材料に対する入射角θrと
上記映像光がホログラムスクリーンに入射する入射角θ
eとが異なるように両者を感光材料に照射して該感光材
料に干渉縞を形成することにより作製されたホログラム
素子より構成されている。
【0066】上記ホログラムスクリーンにおいては,参
照光の感光材料の中心部への入射角θr(後述の図3参
照)を,映像光がホログラムスクリーンに入射する際の
入射角θe(後述する図4参照)とが異なる角度であ
る。前述の(1)式より再生波長λcは 2ndsinθe=λc ...(5)式 となる。n,dは露光後とホログラム作製後で変わらな
い。従って,映像光がホログラムスクリーンに入射する
角度θeが,参照光入射角度θrより大きければλcは記
録波長より短波長に,参照光入射角度θrより小さけれ
ばθcは記録波長より長波長にシフトする(後述する図
22参照)。これにより,上述したごときピーク波長が
525nm未満,あるいは585nmより大であるよう
なホログラム素子を得ることができる。
【0067】そして,上記ホログラム素子は単色または
2色のレーザー光で作製できるため,前述した従来技術
に示すごとき,多色レーザー光を用いて作製する場合に
示すごとき問題点は生じ難く,製造コストが安価で製造
容易であり,透明性に優れたホログラム素子を得ること
ができる。
【0068】以上により,ホログラムスクリーン上で再
生された映像の色再現性に優れ,かつホログラムスクリ
ーンを構成するホログラム素子の製造には単色のレーザ
ー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー光を使用するこ
とができ,かつ安価な製造コスト,製造容易であるホロ
グラムスクリーンを提供することができる。
【0069】次に,入射角θrと入射角θeとの差である
角度補正量は−5〜5度であることであることが好まし
い。これにより,色再現性に優れたホログラムスクリー
ンを得ることができる。補正量が上述の範囲外である場
合にはホログラム効率が下がり,映像が暗くなるという
問題が生じるおそれがある。
【0070】次に,映像投影装置より入射した映像光が
ホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光とな
ることにより映像が再生されるホログラムスクリーンに
おいて,該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペ
クトルの半値幅は140nm以上であり,光拡散体によ
り得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とすると
共に,上記物体光は異なる角度で複数本を感光材料に照
射して,該感光材料に干渉縞を形成することにより作製
されたホログラム素子よりなることが好ましい
【0071】上述したホログラムスクリーンの半値幅は
140nm以上であるため,映像光の特定波長を強調す
ることなく散乱・拡散して出射光とすることができ,本
発明によれば,映像光の色調を優れて再現することがで
きるホログラムスクリーンを得ることができる。
【0072】そして,上述したホログラムスクリーン
は,光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光
を参照光とすると共に,上記物体光は異なる角度で複数
本を感光材料に照射して,該感光材料に干渉縞を形成す
ることにより作製されたホログラム素子より構成されて
いる。
【0073】これにより,物体光の散乱度合いを大きく
した場合と同等の効果を得ることができるため,前述し
た請求項1と同様に,このような物体光が照射されてい
るため,上記ホログラム素子のホログラム分光スペクト
ルの半値幅は100nm以上となる。
【0074】そして,上記ホログラム素子は単色または
2色のレーザー光で作製できるため,前述した従来技術
に示すごとき,多色レーザー光を用いて作製する場合に
示すごとき問題点は生じ難く,製造コストが安価で製造
容易であり,透明性に優れたホログラム素子を得ること
ができる。
【0075】以上により,ホログラムスクリーン上で再
生された映像の色再現性に優れ,かつホログラムスクリ
ーンを構成するホログラム素子の製造には単色のレーザ
ー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー光を使用するこ
とができ,かつ安価な製造コスト,製造容易であるホロ
グラムスクリーンを提供することができる。
【0076】なお,複数の物体光を感光材料に照射する
方法としては,後述する実施形態例6,図23に示すご
とく,光拡散体に異なる方向から平行光を照射する方法
等を挙げることができる。
【0077】次に,映像投影装置より入射した映像光が
ホログラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光とな
ることにより映像が再生されるホログラムスクリーンに
おいて,上記ホログラムスクリーンのホログラム分光ス
ペクトルの半値幅は140nm以上であるホログラムス
クリーンを製造する,または上記ホログラムスクリーン
のホログラム分光スペクトルのピーク波長は525nm
未満,あるいは585nmより大であるホログラムスク
リーンを製造するに当たり,下記の(A法)〜(H法)
より選ばれるいずれか1種以上の方法を用いることが好
ましい
【0078】(A法) 光拡散角度が大きい光拡散体に
より得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とし
て,両者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形
成する。 (B法) 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非
拡散光を参照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光
材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成する。
【0079】(C法) 光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光とすると共に,物体光強度
(O)と参照光強度(R)との強度比(R/O)を0.
1〜30となし,両者を感光材料に照射して該感光材料
に干渉縞を形成する。
【0080】(D法) 光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光とすると共に上記参照光の
感光材料に対する入射角θrと上記映像光がホログラム
スクリーンに入射する入射角θeとが異なるように両者
を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成する。
【0081】(E法) 光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光とすると共に,上記物体光
は異なる角度で複数本を感光材料に照射して,該感光材
料に干渉縞を形成する。 (F法) 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非
拡散光を参照光として,両者を感光材料に照射して該感
光材料に干渉縞を形成した後,更に上記感光材料に80
〜150℃の温度範囲による加熱処理を施す。
【0082】(G法) 光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光とすると共に,上記物体光
の露光強度と上記参照光の露光強度との露光強度和を
0.02〜50mW/cm2の範囲内となし,両者を感光材料
に照射して該感光材料に干渉縞を形成する。 (H法) 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非
拡散光を参照光として,両者を感光材料に照射して該感
光材料に干渉縞を形成した後,上記感光材料の膜厚を調
整する。
【0083】上記製造方法によれば,前述したごとく,
ホログラムスクリーンにおけるホログラム分光分布にお
ける半値幅を大きくしたり,またはピーク波長が特定範
囲よりも小さく,または大きくすることができる。この
ようなホログラムスクリーンは,前述したごとく,入射
した映像光の特定波長を強調することなく出射光として
散乱・拡散することができる。
【0084】また,A〜E法単独では上記半値幅,ピー
ク波長を達成できない場合であっても,これらの方法を
複数組み合わせることで半値幅やピーク波長を達成する
ことができる。
【0085】そして,上記A法〜E法のいずれについて
も,前述したごとく,単色または2色のレーザー光で作
製できるため,前述した従来技術に示すごとき,多色レ
ーザー光を用いて作製する場合に示すごとき問題点は生
じ難く,製造コストが安価で製造容易である。また,透
明性に優れたホログラム素子を得ることができる。
【0086】以上により,ホログラムスクリーン上で再
生された映像の色再現性に優れ,かつホログラムスクリ
ーンを構成するホログラム素子の製造には単色のレーザ
ー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー光を使用するこ
とができ,かつ安価な製造コスト,製造容易であるホロ
グラムスクリーンの製造方法を提供することができる。
【0087】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるホログラムスクリーン及び
その製造方法につき,図1〜図11を用いて説明する。
本例のホログラムスクリーン1は,図4に示すごとく,
映像投影装置3より入射した映像光31がホログラムス
クリーン1上で散乱・拡散されて出射光32となること
により映像が再生される。そして,上記ホログラムスク
リーン1のホログラム分光スペクトルの半値幅は100
nm以上である(図9参照)。
【0088】また,本例のホログラムスクリーン1は,
図1〜図3に示すごとく,光拡散角度が大きい光拡散体
116を通した拡散光を物体光117,非拡散光を参照
光118として,両者を感光材料120に照射して該感
光材料120に干渉縞を形成することにより作製された
ホログラム素子よりなる。
【0089】次に,ホログラムスクリーン1とこれを用
いた表示装置30について説明する。本例のホログラム
スクリーン1は上述したホログラム素子を補強用の透明
基板に貼着することにより構成されている。図4に示す
ごとく,上記表示装置30は,ホログラムスクリーン1
と映像投影装置3,図示を略した映像供給装置とより構
成されている。上記映像投影装置3はホログラムスクリ
ーン1を挟んで観察者5と反対側の上方に配置されてい
る。なお,上記ホログラム素子は透過型である。
【0090】映像投影装置3より入射した映像光31は
ホログラムスクリーン1上で散乱・拡散されて出射光3
2となる。この出射光32により,観察者5はホログラ
ムスクリーン1上に映像が再生されたと感じることがで
きる。
【0091】また,本例のホログラムスクリーン1を透
明なホログラム素子を用いて構成することにより,該ホ
ログラムスクリーン1に対して観察者5と対抗する位置
にある背景7の背景光33をホログラムスクリーン1を
透過させることができる。これにより,観察者5は映像
と同時に背景7を見ることができる。
【0092】また,上記映像投影装置3は観察者5より
も下方に設けることもできる。また,ホログラム素子と
して反射型のものを用いてホログラムスクリーン1を構
成することもできる。この場合,観察者5と同じ側に映
像投影装置3が配置されることとなる。その他は透過型
の場合と同様である。
【0093】次に,上記ホログラム素子の製造方法につ
いて詳細に説明する。上記ホログラム素子は図3に示す
ごとき露光光学系を用いて製造する。図3に示すごと
く,露光光学系10におけるレーザー発振器110より
発振されたレーザービームはビームスプリッター111
により2本に分離され,分離光112,113となる。
【0094】一方の分離光112を対物レンズ122に
より発散光となした後,軸外し放物面鏡114を介して
平行光115となす。この平行光115が光拡散体11
6を通過することにより拡散光となる。この拡散光を物
体光117として使用する。また,他方の分離光113
を対物レンズ121により発散光となし,該発散光を参
照光118として利用する。なお,上記光拡散体116
は1枚の#1000の両面すりガラスより構成されてい
る。なお『#1000』とは,直径が1/1000イン
チの砂で表面を処理したすりガラスのことである。
【0095】この物体光117と参照光118とをガラ
ス基板123に貼り付けた感光材料120(デュポン社
製フオトポリマー)に照射し,これらにより形成された
干渉縞が上記感光材料120に記録される。以上によ
り,光拡散体116が感光材料120に記録されたホロ
グラム素子を得ることができる。
【0096】上記ホログラム素子に映像光が照射される
ことで,露光光学系10における光拡散体116が再生
される。このため,光拡散体116から拡散光が出射す
る場合と同様に,ホログラム素子に映像光を当てること
により,該映像光が回折・拡散し,出射光となる。よっ
て,ホログラム素子がスクリーンとして作用するのであ
る。
【0097】次に,本例にかかるホログラムスクリーン
の性能評価について説明する。上述した露光光学系10
の光拡散体116を構成する両面すりガラスの枚数を変
更してホログラム素子を作製した。両面すりガラスの枚
数が変わることにより,光拡散体116の散乱特性も変
わる。図5に1〜5枚の#1000の両面すりガラスよ
りなる光拡散体の散乱特性について記載した。
【0098】同図は1〜5枚の両面すりガラスよりなる
光拡散体の表面に対し垂直にレーザ光を入射させ,得ら
れた拡散光の出射角度毎の強度比を測定したものであ
る。なお,強度比においては出射角度が0°(光拡散体
の表面に対して垂直な方向)である拡散光の強度を10
0とした。同図より知れるごとく,両面すりガラスの枚
数が増加するほど,散乱度合いの大きい拡散光が得られ
たことが分かった。
【0099】ところで,光拡散体の光拡散角度とは,散
乱光の強度比が50となる出射角度である。従って,図
5より,両面すりガラス1枚で構成された光拡散体の光
拡散角度は12°,2枚で22°,3枚で36°,4枚
で50°となることが分かった。また,片面すりガラス
1枚を同様にして調べたところ,光拡散角度は7°であ
った。
【0100】次に,図3にかかる露光光学系10におい
て,光拡散体116として上述した片面すりガラス1
枚,両面すりガラスを1枚及びこれを2〜4枚積層した
ものを使用してホログラム素子を作製した。このホログ
ラム素子のホログラム分光スペクトルの半値幅を図6に
記載した。この時の露光光学系10の光拡散体116以
外の条件は,感光材料120の膜厚が6μm,感光材料
120の中心における参照光118と物体光117の強
度比R/Oが4,参照光118の入射角θrとホログラ
ムスクリーン1における再生光の入射角θe(図3,図
4に記載した)を共に30°とした。
【0101】図6から明白であるが,ホログラム分光ス
ペクトルの半値幅は,光拡散体116を構成する両面す
りガラスの枚数が多くなるに従って,即ち,光拡散体1
16の光拡散角度が大きくなるに従って広くなったこと
が分かった。
【0102】ここにホログラム分光スペクトルの測定方
法について説明する。図8において,符号100は測定
の対象となるホログラム素子,符号51は投光器,符号
52は受光器である。ホログラム素子の中心部のホログ
ラム分光スペクトルを測定する場合には,図8に示すご
とく,投光器51より角度θc(θc=θe)にて測定光
501を放ち,これをホログラム素子100の中心部を
通して出射光502となす。受光器52を適宜移動さ
せ,ホログラム素子100を通過した出射光502の強
度を測定する。
【0103】なお,この場合には,投光器51が表示装
置における映像投影装置,受光器が観察者に相当する。
また,このホログラム分光スペクトルより図9に示すご
とくピーク波長,ピーク効率等を求めることができる。
上記ピーク効率とはホログラム分光スペクトルにおける
効率の極大値である。
【0104】また,上記製造方法において光拡散体を構
成する両面すりガラスの種類,枚数やその他の作製条件
を適宜変更して,半値幅が,それぞれ60,80,10
0,120,140,160,180nmのホログラム
素子を作製した。このホログラム素子よりなるホログラ
ムスクリーンを図4に示すごとき表示装置に組み込み,
映像投影装置から映像光を照射して映像を再生した。
【0105】上記映像を16人の被験者に観察してもら
い,映像の色調について違和感があるかどうかについ
て,以下の表1に示すごとく,7段階にて評価してもら
った。その結果を図10,図11に記載した。図11
は,各半値幅のホログラム素子についての全被験者の評
価レベル平均値を示したものである。この図11から少
なくとも違和感を感じない評価レベル「4」以上となる
のは,100nm以上あればよいことが分かる。また,
被験者全員が評価レベル「5」以上となるのが140n
m以上であり,より望ましい半値幅は,140nm以上
であればよいことが分かった。
【0106】
【表1】
【0107】ところで,図6からホログラム分光スペク
トルの半値幅が140nm以上になるのは,光拡散体の
光拡散角度が約12°以上である。図6のホログラムの
光拡散角度を調べたのが図7である。ホログラムの光拡
散角度の測定方法は,拡散体の場合とほぼ同一である。
すなわち,図4において,映像投影装置3から白色画面
を映像としてホログラムスクリーン1に投影し,ホログ
ラムスクリーン1の中心において,正面に出射する出射
光の輝度を1として,左右方向に視線を振ったときの出
射光の輝度を測定し,正面の1/2の輝度となる角度を
ホログラムスクリーンの光拡散角度とした。
【0108】図7より,ホログラムスクリーンの光拡散
角度と光拡散体の光拡散角度はほぼ一致することが分か
った。従って,ホログラムスクリーンの光拡散角度が少
なくとも10°以上あればホログラム分光スペクトルの
半値幅が100nm以上になり,映像の色調に違和感を
感じないものを得ることができる。
【0109】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本発明の作用につき説明する。図9はホログラム素
子のホログラム分光スペクトルについての模式図であ
る。同図より明らかであるが,半値幅が小さいほどホロ
グラム分光スペクトルのピークは鋭くなり,半値幅が大
きいほどピークはなだらかとなる。半値幅が大きい場合
のホログラム分光スペクトルの形状はフラットであり,
各波長毎の効率が均一化された状態にある。
【0110】そして,本例にかかるホログラムスクリー
ンは,ホログラム分光スペクトルの半値幅が100nm
以上である。よって,映像光の特定波長を強調すること
なく散乱・拡散して出射光とすることができ,本発明に
よれば,映像光の色調を優れて再現することができるホ
ログラムスクリーンを得ることができる(図10,図1
1参照)。
【0111】また,本例にかかるホログラムスクリーン
は,光拡散角度が大きい光拡散体により得られた拡散光
を物体光,非拡散光を参照光として,両者を感光材料に
照射して該感光材料に干渉縞を形成することにより得ら
れたホログラム素子より構成されており,このような物
体光が照射されたため,上記ホログラム素子のホログラ
ム分光スペクトルの半値幅は100nm以上となる(図
5,図6参照)。
【0112】そして,上記ホログラム素子は単色または
2色のレーザー光で作製できるため,前述した従来技術
に示すごとき,多色レーザー光を用いて作製する場合に
示すごとき問題点は生じ難く,製造コストが安価で製造
容易であり,透明性に優れたホログラム素子を得ること
ができる。
【0113】以上により本例によれば,ホログラムスク
リーン上で再生された映像の色再現性に優れ,かつホロ
グラムスクリーンを構成するホログラム素子の製造には
単色のレーザー光もしくは2色(赤,緑)のレーザー光
を使用することができ,かつ安価な製造コスト,製造容
易であるホログラムスクリーン及びその製造方法を提供
することができる。
【0114】実施形態例2 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体により得られ
た拡散光を物体光,非拡散光を参照光として,両者を厚
さ1〜20μmの感光材料に照射して該感光材料に干渉
縞を形成して作製したホログラム素子よりなり,そのホ
ログラム分光スペクトルの半値幅は100nm以上であ
る。
【0115】本例にかかるホログラム素子の製造方法と
その性能評価等について以下に説明する。本例のホログ
ラム素子は実施形態例1の図3にかかる露光光学系10
を用いて作製した。また,上記露光光学系における感光
材料の厚みは1〜20μmであり,デュポン社製フォト
ポリマーを使用した。
【0116】また,光拡散体は3枚の両面すりガラスを
積層したものである。また,感光材料の中心における参
照光と物体光との強度比R/Oは3,参照光の感光材料
に対する入射角θr(実施形態例1の図1,図3参照)
と映像光がホログラムスクリーンに入射する入射角θe
(実施形態例1の図4参照)は30°とした。
【0117】以上に示すごとき条件にて作成されたホロ
グラム素子のホログラム分光スペクトルの半値幅及びピ
ーク効率を実施形態例1に示したごとく測定し,その結
果を図12及び図13に記載した。図12によれば,い
ずれのホログラム素子も半値幅が100nm以上となっ
たことが分かった。図13によれば,厚みの薄いものほ
どピークの効率が小さくなったことが分かった。
【0118】以上の結果と実施形態例1の図10,図1
1より,本例にかかるホログラム素子が映像の色再現性
に優れていることが分かった。なお,ピーク効率が小さ
くなると映像が暗くなるため,本例のホログラム素子の
中では感光材料の厚みを6μmとして作製したものが最
も優れていることが分かった。
【0119】実施形態例3 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体により得られ
た拡散光を物体光,非拡散光と参照光とすると共に,物
体光強度Oと参照光強度Rとの比R/Oを0.1〜30
となし,両者を感光材料に照射して感光材料に干渉縞を
形成することにより作製されたホログラム素子よりな
り,そのホログラム分光スペクトルの半値幅は100n
m以上である。
【0120】本例にかかるホログラム素子の製造方法と
その性能評価等について以下に説明する。本例のホログ
ラム素子は実施形態例1の図3にかかる露光光学系を用
いて作製した。感光材料には厚さが6μmのデュポン社
製フオトポリマーを使用した。光拡散体は4枚の両面す
りガラスを積層して作製した。感光材料の中心における
参照光と物体光との強度比R/Oは3,参照光の感光材
料に対する入射角θr(実施形態例1の図1,図3参
照)と映像光がホログラムスクリーンに入射する入射角
θe(実施形態例1の図4参照)は30°とした。
【0121】以上に示すごとき条件にて作成されたホロ
グラム素子のホログラム分光スペクトルの半値幅を実施
形態例1に示したごとく測定し,その結果を図14に記
載した。
【0122】図14より知れるごとく,R/Oが0.1
〜30の範囲内にある場合には半値幅が100nm以上
となっている。以上の結果と実施形態例1の図10,図
11より,本例にかかるホログラム素子が映像の色再現
性に優れていることが分かった。
【0123】実施形態例4 本例のホログラムスクリーンは実施形態例3と同様の方
法にて作成されたホログラム素子よりなり,そのホログ
ラム分光スペクトルのピーク波長が525nm未満,あ
るいは585nmより大である。
【0124】本例にかかるホログラム素子の製造方法と
その性能評価等について以下に説明する。本例のホログ
ラム素子は実施形態例1の図3にかかる露光光学系を用
いて作製した。感光材料には厚さが6μmのデュポン社
製フォトポリマーを使用した。光拡散体は3枚の両面す
りガラスを積層して作製,感光材料の中心における参照
光と物体光の強度比R/Oは0.8,3及び5,また,
参照光の感光材料に対する入射角θr(実施形態例1の
図1,図3参照)と映像光がホログラムスクリーンに入
射する入射角θe(実施形態例1の図4参照)は30°
とした。
【0125】以上に示すごとき条件にて作製されたホロ
グラム素子のホログラム分光スペクトルのピーク波長を
実施形態例1に示したごとく測定し,その結果を図15
に記載した。図15より知れるごとく,R/Oが大とな
ればなるほどホログラム分光スペクトルのピーク波長が
短波長側へシフトしたことが分かった。また,いずれの
ホログラム分光スペクトルもピーク波長が525nm未
満,あるいは585nmより大である。
【0126】ただ,半値幅が100nm以上,特に14
0nm以上の場合は,ピーク波長が525nm未満ある
いは585nmより大である必要はない。ピーク波長が
525nm未満,585nmより大であれば,より色再
現性に優れたホログラムを得ることができる。
【0127】また,R/Oが0.1〜30の間であって
も,ピーク波長が上記範囲外となる場合がある。図15
ではR/O=0.8でピーク波長が525nm前後にあ
り,R/Oがそれ以下であればピーク波長が525nm
以上となる。それは,R/O以外の条件,例えば参照光
の入射角度,ホログラム記録波長,および感光材料の膜
厚,光散乱体の散乱特性などの条件によっても,ピーク
波長が変わったり,最適なR/O値が変わるためであ
る。したがって,ホログラム作製条件が変わるごとに,
ピーク波長を上記範囲内とするためのR/O値が変わる
が,0.1〜30の間で調整すれば,ピーク波長を52
5nm未満あるいは585nmより大とすることができ
る。
【0128】ところで,人間の目の感度には波長依存性
があるため,図4に示すごとき表示装置においては映像
光の分光スペクトルに,図16に示すごとき人間の目の
波長依存性を掛け合わせた特性が,人間の目が感じる映
像の状態をよく反映する。
【0129】図17は映像光の分光スペクトルに対し比
視感度を掛け合わせることにより得られた分光スペクト
ルである。図16に示すごとく,人間の比視感度は55
5nmに強いピークを持つことから,図17においても
555nm付近に強いピークが現れる。
【0130】ここで,図18に示すごとき,R/Oが
2,ピーク波長が547nmであるホログラムスクリー
ンにて映像光を再生した場合について考察する。このよ
うなホログラムスクリーンにて再生された映像は図17
にて示された分光スペクトルに図18で示されたホログ
ラム分光スペクトルを掛け合わせた分光スペクトルを持
つこととなる。両者より得られた新たな分光スペクトル
を図19に記載した。同図より知れるごとく,上記映像
は,ホログラムスクリーンによる緑色光の強調と,比視
感度による緑色光の強調とが重畳し,映像光が緑の色調
を強く帯びることとなる。
【0131】ここに,図20に示すごときホログラム分
光スペクトルを持ったホログラムスクリーンにて映像光
を再生する場合を考える。このホログラム分光分布のピ
ーク波長は460nmである。このようなホログラムス
クリーンにて再生された映像光は図17にて示された分
光スペクトルに図20で示されたホログラム分光スペク
トルを掛け合わせた分光スペクトルを持つこととなる。
この分光スペクトルを図21に記載した。同図より,ホ
ログラム分光分布のピーク波長が低くなることで,図2
1における分光スペクトルの緑色光におけるピークがよ
り低くなったことが分かった。
【0132】従って,比視感度のピーク波長を避けて,
525nm未満,あるいは585nmより大である部分
にピーク波長を持つようなホログラム分光スペクトルを
有するホログラムスクリーンが,映像光の特定の波長を
強調することなく,映像光本来の色調を優れて再現可能
であることが分かった。
【0133】以上に示すごとく,本例によれば,色再現
性に優れたホログラム素子を得ることができることが分
かった。
【0134】実施形態例5 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体により得られ
た拡散光を物体光,非拡散光を参照光とすると共に参照
光の感光材料に対する入射角θr(実施形態例1の図
1,図3参照)と上記映像光がホログラムスクリーンに
入射する入射角θe(実施形態例1の図4参照)とが異
なるように両者を感光材料に照射して該感光材料に干渉
縞を形成することにより作製されたホログラム素子より
なり,そのホログラム分光スペクトルのピーク波長が5
25nm未満,あるいは585nmより大である。
【0135】本例にかかるホログラム素子の製造方法と
その性能評価等について以下に説明する。本例のホログ
ラム素子は実施形態例1の図3にかかる露光光学系を用
いて作成した。感光材料には厚さが6μmのデュポン社
製フォトポリマーを使用した。光拡散体は3枚の両面す
りガラスを積層して作製,感光材料の中心における参照
光と物体光との強度比R/Oは3とした。
【0136】本例においては,映像光の入射角θeを4
0°として使用するホログラムスクリーンを作製する。
これに対して,ホログラム素子を作製する際の参照光1
25の入射角θrを40°,41°,42°,43°と
した。すなわち,角度補正量(=θr−θe)を0°,+
1°,+2°,+3°とした。以上により得られたホロ
グラム素子のホログラム分光スペクトルのピーク波長を
実施形態例1に示したごとく測定し,その結果を図22
に記載した。
【0137】同図によれば,角度補正量を0°,+1
°,+2°,+3°と変えたことにより,ピーク波長
が,0°に対し+1°で13nm,+1°に対し+2°
で18nmと短波長側へシフトした。なお,長波長側へ
シフトさせたい場合には,角度補正量が−となるよう
に,すなわち参照光の入射角度θrを再生光の入射角度
θeよりも小さくすればよい。
【0138】以上のように,参照光の入射角度θrと再
生光の入射角度θeを変えることによりホログラム分光
スペクトルのピーク波長を525nm未満または585
nm以上とできることが分かった。以上の結果と実施形
態例5より,本例にかかるホログラム素子が比視感度の
ピークをはずしているため,映像の色再現性に優れてい
ることが分かった。
【0139】実施形態例6 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体により得られ
た拡散光を物体光,非拡散光を参照光とすると共に,上
記物体光は異なる角度で複数本を感光材料に照射して,
該感光材料に干渉縞を形成することにより作製されたホ
ログラム素子より構成されており,ホログラム分光スペ
クトルの半値幅は100nm以上である。
【0140】本例のホログラム素子は前述した図3に示
すごとき露光光学系を用いて製造する。前述した図3に
示すごとく,露光光学系10におけるレーザー発振器1
10より発振されたレーザービームはビームスプリッタ
ー111により2本に分離され,分離光112,113
となる。
【0141】一方の分離光112を対物レンズ122に
より発散光となした後,軸外し放物面鏡114を通過さ
せて平行光115となす。また,図23に示すごとく,
分離光112を更に途中でビームスプリッターを用いて
2つに分け,一方は平行光115とし,もう一方を対物
レンズにより発散光130として入射角θで光拡散体1
16に対し照射する。
【0142】上記平行光115,130がそれぞれ光拡
散体116を通過することにより拡散光となる。この拡
散光を物体光117として利用する。また,他方の分離
光113を対物レンズ121により発散光となし,該発
散光を参照光118として利用する。なお,上記光拡散
体116は#1000の両面すりガラスが2枚積層され
たものである。また,点Cにおける平行光115と発散
光130との強度は略同等とした。
【0143】この物体光117と参照光118とをガラ
ス基板123に貼り付けた感光材料112(デュポン社
製フオトポリマー)に照射し,これらにより形成された
干渉縞が上記感光材料120に記録される。以上によ
り,光拡散体116が感光材料120に記録されたホロ
グラム素子を得た。
【0144】上記製造方法における物体光の散乱度合
を,図24に示すごとく平行光115と発散光130を
照射している拡散板116の手前に直径φ10の穴15
0の空いた不透明板151を置き,この穴150を透過
した光により生じた拡散光の出対角度θごとの強度を0
°方向の出射光強度に対する比で表わすという方法でパ
ワーメータを用いて測定し,図25に記載した。同図に
おける1本とは光拡散体に対し平行光115のみを照射
した場合である。2本とは平行光115と共に発散光1
30を照射した場合である。
【0145】同図によれば,平行光115に発散光13
0を加えることで,物体光の散乱度合いを高めることが
できたことが分かった。実施形態例1に示したごとく,
物体光の散乱度合いが高まることでピーク波長の広いホ
ログラム素子を作製できるため,本例によれば色再現性
に優れたホログラム素子を得ることができる。
【0146】なお,本例においては平行光115と発散
光130とを用いたが,この光としては平行光,発散光
のいずれでもよく,また光の強度は物体光の散乱度合い
が大きくなるように調整すればよい。
【0147】実施形態例7 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体を通した拡散
光を物体光,非拡散光と参照光となし,上記物体光の露
光強度と上記参照光の露光強度との露光強度和を0.0
2〜50mW/cm2の範囲内となして,両者を感光材料に照
射して該感光材料に干渉縞を形成することにより作製さ
れたホログラム素子よりなる
【0148】本例にかかるホログラム素子の製造方法に
ついて以下に説明する。本例のホログラム素子は,実施
形態例1の図3にかかる露光光学系を用いて作製した。
感光材料には膜厚6μmのフォトポリマーを使用し,光
拡散体は3枚の両面すりガラスを積層し,感光材料の中
心における参照光と物体光の強度比R/Oは4,参照光
の感光材料に対する入射角θrと映像光がホログラムス
クリーンに入射する入射角θeは35°とした。露光量
は20mJ/cm2とした。以上に示すごとき条件にて作製さ
れたホログラム素子のホログラム分光スペクトルを測定
した結果を図26,図27に記載した。
【0149】図26,図27からわかるように,露光強
度和が弱いほど半値幅が広く,ピーク波長は長波長に移
動することが分かる。図26で露光強度和が0.02mW
/cm2以下で半値幅が狭くなっているのは,露光時間が長
くなりすぎたためにホログラム素子の効率が低下したた
めである。露光光学系の安定をよくするか,感光材料の
感度を良くすれば0.02mW/cm2以下でも半値幅の狭化
を防ぐことはできる。
【0150】本例のように,露光強度和を0.02〜5
0mW/cm2の間で調整することにより,分光スペクトルに
おけるピーク波長を525nm未満,あるいは585n
mより大または,半値幅を100nm以上とすることが
できる。もちろん,露光強度が本例の範囲内全てでピー
ク波長,半値幅が上記範囲を満たすとは限らず,他の条
件によっては外れる場合があるが,本例の範囲内のどこ
かでピーク波長,半値幅が上記範囲を満たすことができ
る。
【0151】実施形態例8 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体を通した拡散
光を物体光,非拡散光と参照光として,両者を感光材料
に照射して,該感光材料に干渉縞を形成したあと,0.
1mW/cm2の強度で紫外線照射(以下,UV照射と略す
る)し,加熱条件を80〜150℃の間で調整したこと
により作製されたホログラム素子よりなり,分光スペク
トルにおけるピーク波長が525nm未満,あるいは5
85nmより大または,半値幅が100nm以上であ
る。
【0152】本例にかかるホログラム素子の製造方法に
ついて以下に説明する。本例のホログラム素子は,実施
形態例1の図3にかかる露光光学系を用いて作製した。
感光材料には膜厚6μm,10μmのフォトポリマーを
使用し,光拡散体は3枚の両面すりガラスを積層し,感
光材料の中心における参照光と物体光の強度比R/Oは
5,参照光の感光材料に対する入射角θrと映像光がホ
ログラムスクリーンに入射する入射角θeは30°とし
た。露光量は20mJ/cm2とした。以上に示すごとき条件
にて作製されたホログラム素子のホログラム分光スペク
トルを測定した結果,図28〜30に記載した結果を得
た。
【0153】図28,図29からわかるように,加熱温
度が高いほど半値幅が広く,ピーク波長は長波長に移動
することが分かる。また,図30に膜厚6μmのフォト
ポリマで,100℃加熱の場合の加熱時間の影響を示
す。ある5時間までは半値幅が増加し,それ以降はほぼ
一定であった。なお,ピーク波長は若干長波長に移動す
るが,温度による変化に比べると非常に少なかった。
【0154】本例のように,加熱温度を80〜150℃
の間で調整することにより,分光スペクトルにおけるピ
ーク波長を525nm未満,あるいは585nmより大
または,半値幅を100nm以上とすることができる。
【0155】実施形態例9 本例のホログラムスクリーンは,光拡散体を通した拡散
光を物体光,非拡散光と参照光として,両者を感光材料
に照射して,該感光材料に干渉縞を形成したときの膜厚
と,ホログラムとして完成したときの膜厚を変えること
により作製されたホログラム素子よりなり,分光スペク
トルにおけるピーク波長が525nm未満,あるいは5
85nmより大である。
【0156】本例にかかるホログラム素子の製造方法に
ついて以下に説明する。本例のホログラム素子は,実施
形態例1の図3にかかる露光光学系を用いて作製した。
感光材料には膜厚6μmのフォトポリマーを使用し,光
拡散体は3枚の両面すりガラスを積層し,感光材料の中
心における参照光と物体光の強度比R/Oは5,参照光
の感光材料に対する入射角θrと映像光がホログラムス
クリーンに入射する入射角θeは30°とした。露光量
は20mJ/cm2とした。
【0157】感光材料に干渉縞を形成したあと,0.1
mW/cm2の強度でUV照射し,120℃,1時間加熱して
ホログラム素子と成したあと,このホログラム素子40
を図31に示すように硬い基板47(ガラス板や樹脂板
等)と加熱可能なローラ45,46とを用いたラミネー
タ4で140℃で加熱しながら2kg/cm2の圧力にて送り
速度10cm/分で圧縮させた。これにより,約30n
m長波長側へ分光スペクトルにおけるピーク波長をシフ
トさせることができた。
【0158】加熱しながら圧縮するするのは,加熱によ
りフォトポリマが柔らかくなるためである。なお,露光
後またはUV照射後に上記と同様に圧縮してもよい。こ
の時は,加熱温度をより低くすることができる。
【0159】また,感光材料として重クロム酸ゼラチン
(DCG)を用いる場合は,下記のようにして調整する
ことができる。すなわち,分光スペクトルにおけるピー
ク波長を長波長側ヘシフトさせる場合は,露光前にDC
Gを塗布した乾板を0.1〜1Torrで10秒〜2時
間程度の範囲内で真空引きしてから露光し,現像処理を
行なえばよい。
【0160】波長514nmのArレーザを用いて撮影
した場合,0.2Torrで10分で550nm,0.
2Torrで1.5時間で590nmまで長波長シフト
することができた。ピーク波長を短波長側ヘシフトさせ
る場合は,現像処理中で温水にて膨潤させてから化学硬
膜処理を行なうことにより露光時より膜厚を厚くするこ
とができ,ピーク波長を短波長側へシフトすることがで
きる。30℃の温水に5分浸してからラピッドフィクサ
にて5分(25℃)浸すことにより480nmまで波長
シフトすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,ホログラム素子を作製
する露光光学系の要部説明図。
【図2】実施形態例1にかかる,ホログラム素子を作製
する露光光学系における物体光,参照光及び感光材料の
説明図。
【図3】実施形態例1にかかる,露光光学系の説明図。
【図4】実施形態例1にかかる,ホログラムスクリーン
を用いた表示装置の説明図。
【図5】実施形態例1にかかる,光拡散体を構成する両
面すりガラスの枚数と,光拡散体からの出射角度と強度
比との関係を示す線図。
【図6】実施形態例1にかかる,各光拡散体の光散乱角
度と得られたホログラム素子の半値幅との関係を示す線
図。
【図7】実施形態例1にかかる,各光拡散体の光拡散角
度と得られたホログラム素子の光拡散角度との関係を示
す線図。
【図8】ホログラム分光スペクトルの測定方法。
【図9】ホログラム分光スペクトルにおける半値幅,ピ
ーク波長,ピーク効率を示す説明図。
【図10】実施形態例1にかかる,ホログラムスクリー
ンのホログラム分光スペクトルにおける半値幅の値と官
能評価レベルとの関係を示す線図。
【図11】実施形態例1にかかる,ホログラムスクリー
ンのホログラム分光スペクトルにおける半値幅の値と官
能評価レベルとの関係を示す線図。
【図12】実施形態例2にかかる,感光材料の厚みと半
値幅との関係を示す線図。
【図13】実施形態例2にかかる,感光材料の厚みとピ
ーク効率との関係を示す線図。
【図14】実施形態例3にかかる,R/Oと半値幅との
関係を示す線図。
【図15】実施形態例4にかかる,R/Oとホログラム
分光スペクトルとの関係を示す線図。
【図16】実施形態例4にかかる,人間の比視感度を示
す説明図。
【図17】実施形態例4にかかる,映像光の分光スペク
トルと比視感度とを掛け合わせることにより得られた分
光スペクトルを示す線図。
【図18】実施形態例4にかかる,R/Oが2,ピーク
波長が547nmであるホログラムスクリーンのホログ
ラム分光スペクトルを示す線図。
【図19】実施形態例4にかかる,図17にかかる分光
スペクトルと図18にかかるホログラム分光スペクトル
とを掛け合わせることにより得られた分光スペクトルを
示す線図。
【図20】実施形態例4にかかる,R/Oが5,ピーク
波長が460nmであるホログラムスクリーンのホログ
ラム分光スペクトルを示す線図。
【図21】実施形態例4にかかる,図17にかかる分光
スペクトルと図20にかかるホログラム分光スペクトル
とを掛け合わせることにより得られた分光スペクトルを
示す線図。
【図22】実施形態例5にかかる,角度補正量とピーク
波長との関係を示す線図。
【図23】実施形態例6にかかる,露光光学系の要部説
明図。
【図24】実施形態例6にかかる,物体光の散乱度合を
測定する方法の説明図。
【図25】実施形態例6にかかる,物体光の散乱度合を
示す線図。
【図26】実施形態例7における,露光強度和と半値幅
との関係を示す説明図。
【図27】実施形態例7における,露光強度和とピーク
波長との関係を示す説明図。
【図28】実施形態例8における,加熱温度とピーク波
長との関係を示す説明図。
【図29】実施形態例8における,加熱温度と半値幅と
の関係を示す説明図。
【図30】実施形態例8における,加熱時間と半値幅と
の関係を示す説明図。
【図31】実施形態例9における,ラミネータによるホ
ログラム素子膜厚低減方法についての説明図。
【図32】ホログラムスクリーンの分光スペクトルの形
成され方を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1...ホログラムスクリーン, 10...露光光学系, 116...光拡散体, 117...物体光, 118...参照光, 120...感光材料, 3...映像投影装置, 31...映像光, 32...出射光,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−133283(JP,A) 特開 平9−127612(JP,A) 特開 平9−114354(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/60 G03H 1/04 G02B 5/32 G03H 1/22

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり,上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有する ことを特徴とするホログラム
    スクリーン。
  2. 【請求項2】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり, 上記ホログラム分光スペクトルのピーク波長は525n
    m未満,または585nmより大であり,上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有する ことを特徴とするホログラム
    スクリーン。
  3. 【請求項3】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり, 上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有し, 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
    照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射
    して該感光材料に干渉縞を形成することにより作製され
    たホログラム素子よりなることを特徴とするホログラム
    スクリーン。
  4. 【請求項4】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリ ーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり, 上記ホログラム分光スペクトルのピーク波長は525n
    m未満,または585nmより大であり, 上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有し, 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
    照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射
    して該感光材料に干渉縞を形成することにより作製され
    たホログラム素子よりなることを特徴とするホログラム
    スクリーン。
  5. 【請求項5】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり, 上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有し, 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
    照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射
    して該感光材料に干渉縞を形成することにより作製され
    たホログラム素子よりなり, 上記光拡散体の光拡散角度は12°以上であることを特
    徴とするホログラムスクリーン。
  6. 【請求項6】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    半値幅は140nm以上であり, 上記ホログラム分光スペクトルのピーク波長は525n
    m未満,または585nmより大であり, 上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有し, 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
    照光として,両者を厚さ1〜20μmの感光材料に照射
    して該感光材料に干渉縞を形成することにより作製され
    たホログラム素子よりなり,上記光拡散体の光拡散角度
    は12°以上であることを特徴とするホログラムスクリ
    ーン。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか一項において,
    上記光拡散体の光拡散角度は作製されたホログラムスク
    リーンの光拡散角度が10°以上となる角度であること
    を特徴とするホログラムスクリーン。
  8. 【請求項8】 映像投影装置より入射した映像光がホロ
    グラムスクリーン上で散乱・拡散されて出射光となるこ
    とにより映像が再生されるホログラムスクリーンにおい
    て, 該ホログラムスクリーンのホログラム分光スペクトルの
    ピーク波長は525nm未満,あるいは585nmより
    大であり,または,該ホログラムスクリーンのホログラ
    ム分光スペクトルの半値幅が140nm以上であり,上記ホログラム分光スペクトルは400〜800nmの
    波長域で回折効率を有し, 光拡散体により得られた拡散光を物体光,非拡散光を参
    照光として, かつ上記物体光の露光強度と上記参照光の露光強度との
    露光強度和を0.02〜50mW/cm2の範囲内となし,両
    者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成する
    ことにより作製されたホログラム素子よりなることを特
    徴とするホログラムスクリーン。
  9. 【請求項9】 請求項において,上記光拡散体により
    得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光として,両
    者を感光材料に照射して該感光材料に干渉縞を形成した
    後,更に上記感光材料に80〜150℃の温度範囲によ
    る加熱処理を施すことにより作製されたホログラム素子
    よりなることを特徴とするホログラムスクリーン。
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