JP4172603B2 - 反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板 - Google Patents

反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板に関し、特に、反射型レリーフホログラムあるいはレリーフ回折格子を用いた拡散反射板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型液晶表示装置は、図9に示すように、マット処理したアルミニウム等の金属板からなる反射拡散板31を液晶表示素子40の観察側とは反対側に配置してなるもので、液晶表示素子40の表示側から入射する照明光32をその裏面に配置した反射拡散板31で前方へ拡散反射させ、明所で自発光型のバックライトを使用することなしに表示が可能なものである。ここで、液晶表示素子40は、例えば、2枚のガラス基板41、42の間に挟持されたツイストネマチック等の液晶層45からなり、一方のガラス基板42内表面には一様な透明対向電極44が設けられ、他方のガラス基板41内表面には画素毎に独立に透明表示電極43と不図示のブラック・マトリックスが設けられている。なお、カラー表示装置の場合は、他方のガラス基板41内表面には液晶セルR、G、B毎に独立に透明表示電極43とカラーフィルター、ブラック・マトリックスが設けられている。また、電極43、44の液晶層45側には不図示の配向層も設けられており、さらに、観察側ガラス基板41外表面には偏光板46が、観察側とは反対側のガラス基板42外表面には偏光板47がそれぞれ貼り付けられており、例えばそれらの透過軸は相互に直交するように配置されている。このような液晶表示素子40の透明表示電極と透明対向電極間に印加する電圧を制御してその透過状態を変化させることにより、数字、文字、記号、絵柄等が選択的に表示が可能なものである。
【0003】
このような反射型液晶表示装置は、バックライトを必要としないため消費電力が小さくてよい利点はあるものの、外光により表示させるため、表示が見難い。また、照明光下においても、反射強度が最も強い正反射方向においては、液晶表示装置での表面反射によりコントラストが著しく低下してしまう問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、WO96/37805等においては、透過型体積ホログラムと反射層を組み合わせた反射板を用いるものが提案されている。この反射板は、白色表示が可能であり、また、体積型ホログラム感光材料を用いて撮影する場合、回折効率はある波長において100%を達成できるから、特定波長域では高回折効率であると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような体積型ホログラムを用いる方法では、高価な体積型ホログラム感光材料を用いなければならず、また、ホログラムが体積型であるため、ブラッグの条件から外れる波長域では必ず回折効率が低減してしまい、白色光全体としては光を十分に活用できない。また、このことにより、回折光の色度は照明光の色度から変化してしまうことが問題である。
【0006】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レリーフホログラム、レリーフ回折格子を用いて白色表示が可能で安価で明るい反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板は、液晶表示素子の観察側とは反対側に配置される拡散反射板であって、干渉縞に対応する凹凸レリーフパターンとその上に形成された反射膜とからなるレリーフホログラムからなり、その干渉縞は、面積のある拡散物体からの拡散光と外光に対応する参照光との干渉縞であり、白色光を所定方向から入射させたとき、回折される光は波長分散され、少なくとも観察域の一部において波長分散された光のスペクトルが重なり合って略白色に見えるものであり、前記凹凸レリーフパターンを設けた透明層に回折光を散乱させる処理が施されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のもう1つの反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板は、液晶表示素子の観察側とは反対側に配置される拡散反射板であって、回折格子に対応する凹凸レリーフパターンとその上に形成された反射膜とからなるレリーフ回折格子からなり、前記凹凸レリーフパターン面は、異なる格子間隔を有する3以上の回折格子から切り出した微小回折格子を混合して並べてなる複合回折格子レリーフパターンからなり、白色光を所定方向から入射させたとき、回折される光は波長分散され、少なくとも観察域の一部において波長分散された光のスペクトルが重なり合って略白色に見えるものであり、前記凹凸レリーフパターンを設けた透明層に回折光を散乱させる処理が施されていることを特徴とするするものである。
【0009】
なお、この場合、異なる格子間隔を有する回折格子の数は3以上であることが望ましい。
【0010】
上記の何れかの場合に、反射膜が凹凸レリーフパターンを設けた透明層の光入射側と反対の裏面に設けられていることが望ましい。
【0011】
また、凹凸レリーフパターンを設けた透明層に回折光を散乱させる処理が施されていることが望ましい。その処理としては、微細な凹凸からなるスリ面を設けること、あるいは、透明樹脂中に屈折率の異なる微細な粉末を分散させること等がある。
【0012】
また、本発明の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板は、所定方向から観察した場合に所定形状の部分領域が他と違った色に見えるようにすることもでき、さらには、液晶表示素子の画素に対応した領域がR、G、Bの3色に着色しているものとすることもできる。
【0013】
また、一部の領域に立体物等の表示パターンをホログラム記録しておくこともできる。
【0014】
また、反射膜を半透過性のものとし、液晶表示素子と反対側にバックライト光源の配置を可能にすることも可能である。
【0015】
なお、レリーフ回折格子は、1枚の原版からエンボス複製してなる複数の複製版を多面付けして1枚の版に連結してなるマザー版からエンボス複製されたものとするのが現実的である。
【0016】
本発明においては、拡散反射板をレリーフホログラムあるいはレリーフ回折格子から構成し、白色光を所定方向から入射させたとき、少なくとも観察域の一部において略白色に見えるので、白色波長全域を考えると、体積型ホログラムを用いる場合と比べても遜色のない効率が得られる。また、照明光の色度を略維持した回折光が得られ、照明光の色度の変化がほとんどない。さらに、エンボス複製により作製できるので、非常に安価に作製することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板の原理と実施例について説明する。
図1は、本発明によるホログラム拡散反射板に用いるレリーフホログラムを撮影するための配置(図(a))と、そのようにして撮影されたレリーフホログラムを反射型にした場合の作用(図(b))を説明するための図である。図1(a)に示すように、本発明の基本タイプのホログラム拡散反射板に用いるレリーフホログラムを撮影するには、フォトレジスト等のレリーフホログラム感材1を用意し、その前方に距離をおいてスリガラス等の拡散板2を配置する。照明光3を拡散板2の背面に照明し、拡散板2で前方へ拡散された光を物体光4としてホログラム感材1の表面から入射させると共に、照明光3と可干渉な参照光5をホログラム感材1の表面に斜め方向から入射させて、その物体光4と参照光5をホログラム感材1中で干渉させ、レリーフホログラム感材1を処理してその表面に干渉縞に対応する凹凸レリーフパターンを形成し、その凹凸レリーフパターンを透明樹脂11(図1(b))にエンボス複製し、エンボス複製された凹凸レリーフパターン上にアルミニウム等の反射金属からなる反射膜12あるいは反射多層薄膜12を形成すると、図1(b)に示すような反射型のレリーフホログラム10が得られる。このホログラム10は、例えば拡散板2左端位置Aからの拡散光を4a、その中心位置Bからの拡散光を4b、その右端位置Cからの拡散光を4cとすると、それぞれの光と参照光5が干渉してなる多数のホログラムが多重記録されたものとも言える。
【0018】
このような反射型レリーフホログラム10に撮影のときの参照光5と同じ角度で同じ波長の再生照明光15が入射すると、ホログラム10で回折される光は記録のときの拡散板2の位置2’に入射するが、拡散板2の左端位置Aに対応する位置A’には、ホログラム10の全面から記録のときの拡散光4aと反対方向に進む光14aが入射し、同様に、拡散板2の中心位置Bに対応する位置B’には光14bが、右端位置Cに対応する位置C’には光14cが入射する。
【0019】
記録のときの参照光5を例えば緑色領域の波長の光とし、再生照明光15を白色光とすると、ホログラム10によって回折される光は波長分散を起こし、上記の回折光14a、14b、14cはそれぞれ点A’、B’、C’を中心にして分散し、記録のときの拡散板2の位置2’に沿ってそれぞれスペクトルa、b、cを形成する。各スペクトルa、b、cを表す両矢符の右はR(赤色)、中心はG(緑色)、左はB(青色)に対応する。図1(b)から明らかなように、スペクトルa、b、cは相互にずれるが、範囲Lでは全てのスペクトルがずれて重なり合っている。これは、拡散板2上での3つの点A、B、Cについてだけでなく、より多くの点あるいは全ての点について考えても同じである。つまり、範囲Lにおいては、全ての波長成分の光が入射することになるので、この範囲Lに眼Eを位置させてホログラム10を見ると、ホログラム10全面は白色に見える。すなわち、反射型レリーフホログラム10は白色の指向性拡散反射板となる。これが本発明の基本原理である。
【0020】
このような反射型レリーフホログラム10は、ピークの回折効率は体積型ホログラムに比較して低いが(約30〜40%)、回折効率の波長による変化はほとんど見られない。そのため、白色波長全域を考えると、体積型ホログラムと比べても遜色のない効率が得られる。また、そのため、照明光の色度を略維持した回折光が得られ、照明光の色度の変化がほとんどないと言える。
【0021】
このような特性の反射型レリーフホログラム10は、例えば図2に断面を示したような液晶表示素子40の観察側とは反対側に配置することにより、明るく、白色表示、カラー表示が可能な反射型液晶表示装置を実現することができる。ここで、液晶表示素子40は、例えば図9について説明したような構成とする。本発明による反射型レリーフホログラム10を液晶表示素子40とこのように組み合わせることにより、液晶表示素子40の表示側から入射する白色照明光32を、液晶表示装置の観察域に合致する角度範囲であって上記の範囲Lに相当する角度範囲θに白色の拡散光33を拡散反射させ、明所で自発光型のバックライトを使用することなしに明るい表示が可能になる。
【0022】
さて、図1(a)のような配置でフォトレジスト等のレリーフホログラム感材1上に露光した干渉縞から図1(b)のような反射型のレリーフホログラム10を作製するための1つの手法を図3を参照にして説明する。もちろん、図3の方法は1つの例であり、公知の他の種々の方法を採用することができる。
【0023】
図3(a)に示すように、ガラス基板20表面にポジ型フォトレジスト21を塗布してレリーフホログラム感材とし、図1(a)の配置でホログラム露光する。その後、干渉縞露光済みのフォトレジスト21を現像液で処理し、図3(b)に示すように、フォトレジスト21の表面に干渉縞に対応する凹凸レリーフパターン23を形成する。次いで、図3(c)に示すように、このフォトレジスト21の凹凸レリーフパターン23上に紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂あるいは熱硬化型樹脂24を滴下して紫外線、電子線あるいは熱線25を照射して樹脂24を硬化させる。その後、ガラス基板20とフォトレジスト21からなる原版を剥離して、図3(d)に示すような凹凸レリーフパターン23と相補的な凹凸レリーフパターン23’を有するマザー版26を得る。そして、図3(e)に示すように、このマザー版26の凹凸レリーフパターン23’上に紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂あるいは熱硬化型樹脂27を滴下して紫外線、電子線あるいは熱線28を照射して樹脂27を硬化させ、その後、マザー版26を剥離することにより、図3(f)に示すように、ホログラムの干渉縞に対応し、凹凸レリーフパターン23と同じ凹凸レリーフパターン23”がエンボス複製された透明樹脂(透過型のレリーフホログラム)11が得られる。この透過型レリーフホログラム11の凹凸レリーフパターン23”上に前記のようなアルミニウム等の反射金属からなる反射膜12あるいは反射多層薄膜12を形成することにより、図3(g)にすような反射型レリーフホログラム10が得られる。マザー版26は何度でもエンボス複製に用いることができるので、図2に示したような本発明の反射型液晶表示装置用ホログラム拡散反射板10は非常に安価に作製することができる。
【0024】
次に、反射型レリーフ回折格子により反射型レリーフホログラム10と略同様の白色の拡散反射板を構成することを考える。まず、図4に示すように、反射型レリーフホログラム10と同様に、透明樹脂11表面に設けた回折格子を表す凹凸レリーフパターン上に反射膜12を設けて作製した複数種の反射型レリーフ回折格子X、Y、Zを考える。ここでは簡単のため、3種類の反射型レリーフ回折格子X、Y、Zとする。反射型レリーフ回折格子X、Y、Zは、異なった格子定数(格子間隔)を有するものとし、回折格子Xは、所定の入射角γで例えば緑色領域の1つの波長の光16が入射すると、反対方向に回折角αで回折光17xが回折するものとする。同様に、回折格子Yは同じ入射角で同じ波長の光16が入射すると回折角がゼロで回折光17yが回折し、回折格子Zは同じ入射角で同じ波長の光16が入射すると回折角−αで回折光17zが回折するものとする。
【0025】
このような3つの反射型レリーフ回折格子X、Y、Zを、目視では見えない縦横の微小な寸法であって、その寸法の2次元繰り返しパターンを液晶表示装置の画素の繰り返しパターンと重畳したときにモアレ模様が発生しないような縦横の寸法に切り出し、例えば図5に示すようにこの3つの反射型レリーフ回折格子X、Y、Zを均一に混合して並べる。このようにして3つの反射型レリーフ回折格子X、Y、Zを並列して構成した複合反射型レリーフ回折格子を符号50で表す。
【0026】
このような複合反射型レリーフ回折格子50に、図6に示すように、上記の入射角γで今度は白色の照明光16’を照射すると、レリーフ回折格子50の何れの小面積領域にも3つの回折格子X、Y、Zが存在するので、複合反射型レリーフ回折格子50からは、回折角αの回折光17xを中心にして波長分散を起こしたスペクトルx(回折格子Xによる波長分散スペクトル)、回折角ゼロの回折光17yを中心にして波長分散を起こしたスペクトルy(回折格子Yによる波長分散スペクトル)、回折角−αの回折光17zを中心にして波長分散を起こしたスペクトルz(回折格子Zによる波長分散スペクトル)を形成する。各スペクトルx、y、zを表す両矢符の左はR(赤色)、中心はG(緑色)、右はB(青色)に対応する。図6から明らかなように、スペクトルx、y、zは相互にずれるが、範囲L’では全てのスペクトルがずれて重なり合っている。これは、複合反射型レリーフ回折格子50上で全ての点について考えても同じである。つまり、角度範囲L’においては、R、G、B波長域の3つの波長成分の光が入射することになるので、この角度範囲L’内に眼Eを向くようにして複合反射型レリーフ回折格子50を見ると、回折格子50全面は白色に見える。したがって、複合反射型レリーフ回折格子50も白色の拡散反射板として用いることができる。
【0027】
このような複合反射型レリーフ回折格子50も、図3に示すように、例えば電子線レジスト21を感材として用い、例えば電子線描画装置により、図5のような複合回折格子パターンを露光し、後は図3に示したような工程を経て非常に安価に作製することができる。なお、その際、例えば電子線描画装置により描画できる1枚の回折格子は小さい面積のものであるので、図3(f)の工程で得られた複数の複製版を多面付けして1枚の版に連結し、これをマザー版26として用いて図3(d)〜(g)の工程を経ることにより、大面積の複合反射型レリーフ回折格子50を得ることができる。
【0028】
ところで、以上のような反射型レリーフホログラム10及び複合反射型レリーフ回折格子50は、図1(b)、図6から明らかなように、観察位置あるいは観察方向が範囲L、L’から外れると、ホログラム10あるい回折格子50は最早白色には見えず色がついて見える。このような着色を防止するために、ホログラム10及び回折格子50自体にスリガラスのような散乱性を持たせると、白色に見える範囲が拡大すると共に見える白色の色合いもより白くなる。そのためには、例えば、図7に示すように、ホログラム10、回折格子50を構成する裏面に凹凸レリーフパターンを有する透明樹脂11の表面側を微細な凹凸からなるスリ面18にするか(図7(a))、その透明樹脂11中に屈折率の異なる微細な粉末19を分散させて(図7(b))回折光を散乱させるようにすればよい。
【0029】
ところで、カラーあるいはモノクロの反射型液晶表示装置において、その表示画面の所定の一部の領域に着色を施したい場合がある。例えばある特定のデータ表示領域を他の部分と異なる背景色にする場合である。以上のような反射型レリーフホログラム10及び複合反射型レリーフ回折格子50を反射型液晶表示装置の拡散反射板として用いる場合には、このような部分的な着色、あるいは、領域毎に異なる着色を施すには、回折格子50あるいはホログラム10の対応する領域に着色を施すようにすればよい。すなわち、図8に平面図を示すように、回折格子50あるいはホログラム10の所定形状の領域51を他と違った色に見えるようにすればよい。そのためには、複合反射型レリーフ回折格子50の場合は、領域51に配置される微小な回折格子X、Y、Z(図5)の混合面積割合を変化させればよいし、反射型レリーフホログラム10の場合は、領域51に記録するホログラムの記録波長を他の部分と変えるとか、あるいは、ホログラム感材1に対する拡散板2と参照光5の相対位置を他の部分を撮影する場合と変えるとかすればよい。
【0030】
さらに、この延長として、反射型レリーフホログラム10及び複合反射型レリーフ回折格子50の異なる3つの領域にR、G、Bの着色が可能である。したがって、反射型レリーフホログラム10、複合反射型レリーフ回折格子50と組み合わせる液晶表示素子40(図2)の各画素の寸法に一致し、かつ、R、G、Bの画素配列に一致するように領域分けし、それらの各領域に対応するR、G、Bの着色をすることにより、反射型カラーフィルターを兼ねる拡散反射板とすることもできる。
【0031】
さらに、図8に示すように、反射型レリーフホログラム10及び複合反射型レリーフ回折格子50の一部の領域に立体物等の表示パターン52をホログラム記録しておくことも可能である。
【0032】
なお、反射型レリーフホログラム10及び複合反射型レリーフ回折格子50の反射膜12として半透過性のものを用い、液晶表示素子40と反対側にバックライト光源を配置し、暗所ではこのバックライト光源を点灯することにより、明るい表示が可能な透過型と反射型の表示が可能な液晶表示装置とすることもできる。
【0033】
以上に、本発明の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板のいくつかの実施例について説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板によると、拡散反射板をレリーフホログラムあるいはレリーフ回折格子から構成し、白色光を所定方向から入射させたとき、少なくとも観察域の一部において略白色に見えるので、白色波長全域を考えると、体積型ホログラムを用いる場合と比べても遜色のない効率が得られる。また、照明光の色度を略維持した回折光が得られ、照明光の色度の変化がほとんどない。さらに、エンボス複製により作製できるので、非常に安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム拡散反射板に用いるレリーフホログラムを撮影するための配置と、そのようにして撮影されたレリーフホログラムを反射型にした場合の作用を説明するための図である。
【図2】本発明のホログラム拡散反射板を用いた反射型液晶表示装置の1例の断面図である。
【図3】反射型レリーフホログラムを作製するため1つの方法を示す工程図である。
【図4】本発明による複合反射型レリーフ回折格子を構成する回折格子を説明するための図である。
【図5】本発明による複合反射型レリーフ回折格子の構成を説明する平面図である。
【図6】本発明による複合反射型レリーフ回折格子の作用を説明するための図である。
【図7】本発明による反射型レリーフホログラム及び複合反射型レリーフ回折格子に散乱性を持たせる構成を示す断面図である。
【図8】本発明による反射型レリーフホログラム及び複合反射型レリーフ回折格子の変形例を示す平面図である。
【図9】従来の反射拡散板を用いた液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1…レリーフホログラム感材
2…拡散板
2’…拡散板の位置
3…照明光
4…物体光
4a、4b、4c…拡散光
5…参照光
10…反射型レリーフホログラム
11…透明樹脂(透過型レリーフホログラム)
12…反射膜(多層薄膜)
14a、14b、14c…回折光
15…再生照明光
16…特定波長の光
16’…白色照明光
17x、17y、17z…回折光
18…スリ面
19…微細な粉末
20…ガラス基板
21…フォトレジスト
23…凹凸レリーフパターン
23’…凹凸レリーフパターン
23”…凹凸レリーフパターン
24…紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂
25…紫外線、電子線、熱線
26…マザー版
27…紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂
28…紫外線、電子線、熱線
32…白色照明光
33…拡散光
40…液晶表示素子
50…複合反射型レリーフ回折格子
51…所定形状の領域
52…表示パターン
X、Y、Z…反射型レリーフ回折格子
E…観察者の眼

Claims (10)

  1. 液晶表示素子の観察側とは反対側に配置される拡散反射板であって、干渉縞に対応する凹凸レリーフパターンとその上に形成された反射膜とからなるレリーフホログラムからなり、その干渉縞は、面積のある拡散物体からの拡散光と外光に対応する参照光との干渉縞であり、白色光を所定方向から入射させたとき、回折される光は波長分散され、少なくとも観察域の一部において波長分散された光のスペクトルが重なり合って略白色に見えるものであり、前記凹凸レリーフパターンを設けた透明層に回折光を散乱させる処理が施されていることを特徴とする反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  2. 液晶表示素子の観察側とは反対側に配置される拡散反射板であって、回折格子に対応する凹凸レリーフパターンとその上に形成された反射膜とからなるレリーフ回折格子からなり、前記凹凸レリーフパターン面は、異なる格子間隔を有する3以上の回折格子から切り出した微小回折格子を混合して並べてなる複合回折格子レリーフパターンからなり、白色光を所定方向から入射させたとき、回折される光は波長分散され、少なくとも観察域の一部において波長分散された光のスペクトルが重なり合って略白色に見えるものであり、前記凹凸レリーフパターンを設けた透明層に回折光を散乱させる処理が施されていることを特徴とする反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  3. 前記反射膜が凹凸レリーフパターンを設けた透明層の光入射側と反対の裏面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  4. 前記の回折光を散乱させる処理が、微細な凹凸からなるスリ面を設けることであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  5. 前記の回折光を散乱させる処理が、透明樹脂中に屈折率の異なる微細な粉末を分散させることであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  6. 所定方向から観察した場合に所定形状の部分領域が他と違った色に見えることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  7. 液晶表示素子の画素に対応した領域がR、G、Bの3色に着色していることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  8. 一部の領域に立体物等の表示パターンがホログラム記録されていることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  9. 前記反射膜が半透過性を有し、液晶表示素子と反対側にバックライト光源の配置を可能にしたことを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
  10. 前記レリーフ回折格子は、1枚の原版からエンボス複製してなる複数の複製版を多面付けして1枚の版に連結してなるマザー版からエンボス複製されたものであることを特徴とする請求項2記載の反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板。
JP29246297A 1997-10-24 1997-10-24 反射型液晶表示装置用回折型拡散反射板 Expired - Fee Related JP4172603B2 (ja)

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